JP2001028330A - 露光マスク、露光方法、及び露光マスクの製造方法 - Google Patents
露光マスク、露光方法、及び露光マスクの製造方法Info
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- JP2001028330A JP2001028330A JP20148799A JP20148799A JP2001028330A JP 2001028330 A JP2001028330 A JP 2001028330A JP 20148799 A JP20148799 A JP 20148799A JP 20148799 A JP20148799 A JP 20148799A JP 2001028330 A JP2001028330 A JP 2001028330A
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- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 マスク上のパターンサイズの大小に関係な
く、高解像度のパターン露光・転写を一括して行える露
光マスクを提供する。 【解決手段】 露光マスクとして、露光光に対して透過
性の高い膜上に透過膜パターン4を形成し、そのパター
ン凹部に複数の吸収体材料5,6を埋め込み、化学的機
械研磨工程或いはエッチング工程により不要部分を取り
除き、平坦化することにより作製したマスクを各種リソ
グラフィ用マスクとして用いる。本発明の露光マスクで
は、パターンサイズの大小に関係なく、高解像度のパタ
ーン露光・転写が可能となる。
く、高解像度のパターン露光・転写を一括して行える露
光マスクを提供する。 【解決手段】 露光マスクとして、露光光に対して透過
性の高い膜上に透過膜パターン4を形成し、そのパター
ン凹部に複数の吸収体材料5,6を埋め込み、化学的機
械研磨工程或いはエッチング工程により不要部分を取り
除き、平坦化することにより作製したマスクを各種リソ
グラフィ用マスクとして用いる。本発明の露光マスクで
は、パターンサイズの大小に関係なく、高解像度のパタ
ーン露光・転写が可能となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光マスク、露光
方法、及び露光マスクの製造方法に係り、特に半導体素
子、光学素子(液晶ディスプレイ等)などのデバイス作
製に適用できる微細パターンの形成方法、光、荷電ビー
ム、X線等の各種ビーム露光に好適な露光マスク、露光
方法、及び露光マスクの製造方法に関する。
方法、及び露光マスクの製造方法に係り、特に半導体素
子、光学素子(液晶ディスプレイ等)などのデバイス作
製に適用できる微細パターンの形成方法、光、荷電ビー
ム、X線等の各種ビーム露光に好適な露光マスク、露光
方法、及び露光マスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI素子を始めとする回路素子
の微細化は急速に進み、現在産業レベルで用いられてい
る微細パターン形成技術の光リソグラフィ技術では、最
小線幅が数十ナノメートル以下になるとその解像限界を
超えてしまうことが予想され、現在の光リソグラフィ技
術に代わる微細加工技術の開発が望まれている。この要
請に答えうる候補の1つとして、より波長の短い紫外
光、X線を用いたリソグラフィ技術が挙げられる。
の微細化は急速に進み、現在産業レベルで用いられてい
る微細パターン形成技術の光リソグラフィ技術では、最
小線幅が数十ナノメートル以下になるとその解像限界を
超えてしまうことが予想され、現在の光リソグラフィ技
術に代わる微細加工技術の開発が望まれている。この要
請に答えうる候補の1つとして、より波長の短い紫外
光、X線を用いたリソグラフィ技術が挙げられる。
【0003】X線を用いた等倍X線リソグラフィ露光
は、図7に示すように、マスクパターンが描かれている
X線マスク11を通してX線15を被加工物上13,1
4に照射し、X線レジスト14にマスクパターンを転写
するものである。X線マスクは、X線が透過し易い窒化
珪素、炭化珪素、珪素、ダイヤモンド等の軽元素からな
る1〜5μm厚のメンブレン(支持膜)2上にX線を遮
蔽するX線吸収体パターン5'を形成した構造となって
いる。吸収体は、W、Ta、Au等の重金属が主に用い
られ、その膜厚としては数百nmであるため、露光光で
あるX線は、完全に遮蔽されず、部分透過するため、X
線露光マスクはハーフトーン型マスクとして考えること
ができる。
は、図7に示すように、マスクパターンが描かれている
X線マスク11を通してX線15を被加工物上13,1
4に照射し、X線レジスト14にマスクパターンを転写
するものである。X線マスクは、X線が透過し易い窒化
珪素、炭化珪素、珪素、ダイヤモンド等の軽元素からな
る1〜5μm厚のメンブレン(支持膜)2上にX線を遮
蔽するX線吸収体パターン5'を形成した構造となって
いる。吸収体は、W、Ta、Au等の重金属が主に用い
られ、その膜厚としては数百nmであるため、露光光で
あるX線は、完全に遮蔽されず、部分透過するため、X
線露光マスクはハーフトーン型マスクとして考えること
ができる。
【0004】従って、吸収体パターンの膜厚を変化させ
たとき、部分透過光の強度および位相シフト量が変わ
り、微細パターンの解像度を向上させるために好適な条
件を与える膜厚条件が存在する。幅100nm程度の微
細パターンの露光・転写においては、吸収体にW、Ta
系重金属材料を用いた場合、膜厚約400−500nm
の部分透過率20〜30%の低マスクコントラストにお
いても、高解像のパターン転写が可能であることが示さ
れ、吸収体パターンのアスペクト比も低くパターン形成
も容易であることから、吸収体膜厚の薄膜化が図られて
いる。
たとき、部分透過光の強度および位相シフト量が変わ
り、微細パターンの解像度を向上させるために好適な条
件を与える膜厚条件が存在する。幅100nm程度の微
細パターンの露光・転写においては、吸収体にW、Ta
系重金属材料を用いた場合、膜厚約400−500nm
の部分透過率20〜30%の低マスクコントラストにお
いても、高解像のパターン転写が可能であることが示さ
れ、吸収体パターンのアスペクト比も低くパターン形成
も容易であることから、吸収体膜厚の薄膜化が図られて
いる。
【0005】しかしながら、パターンサイズの大きなパ
ターンに対しては、微細パターンと同じ露光条件では所
望のパターン形成ができないという問題が発生する。こ
のため、X線露光マスクの吸収体の膜厚をパターン領域
やパターンサイズに合わせて好適な膜厚に変える方法
(特願平3−116637、特願平3−183470)
が提案されている。
ターンに対しては、微細パターンと同じ露光条件では所
望のパターン形成ができないという問題が発生する。こ
のため、X線露光マスクの吸収体の膜厚をパターン領域
やパターンサイズに合わせて好適な膜厚に変える方法
(特願平3−116637、特願平3−183470)
が提案されている。
【0006】X線露光マスクの吸収体の膜厚をパターン
領域やパターンサイズに合わせて好適な膜厚に変える方
法では、吸収体膜厚が均一であるマスクの作製に比べ、
その製造工程数は多くなり、またエッチング工程におけ
るパターンのサイズおよび加工形状の制御は、パターン
サイズの大小の差が大きく、困難である。また、吸収体
膜厚が異なることは転写時のマスクとウェハ間ギャップ
が一様でなく露光裕度、プロセス裕度が小さくなる。
領域やパターンサイズに合わせて好適な膜厚に変える方
法では、吸収体膜厚が均一であるマスクの作製に比べ、
その製造工程数は多くなり、またエッチング工程におけ
るパターンのサイズおよび加工形状の制御は、パターン
サイズの大小の差が大きく、困難である。また、吸収体
膜厚が異なることは転写時のマスクとウェハ間ギャップ
が一様でなく露光裕度、プロセス裕度が小さくなる。
【0007】また、紫外光を用いた光露光においても、
パターンの解像度を高めるために露光光は完全に吸収体
(遮光体)により遮蔽せず、部分透過するハーフトーン
型の位相シフトマスクが用いられている。パターンサイ
ズの縮小に伴い、露光マスク内におけるパターンサイズ
の大小の差は大きくなり、また、光近接効果補正用のセ
リフやジョグ等の更に微細な吸収体(遮光体)パターン
の形成が必要とされるため、吸収体(遮光体)パターン
のアスペクト比は高くなってきている。パターンのサイ
ズの大小の差が大きく、アスペクト比の高い露光マスク
を製造するエッチング工程において、現在行われている
吸収体パターンをウェットエッチングやドライエッチン
グにより形成する方法では、パターンのサイズおよび加
工形状の制御は、微細化が進むにつれて益々難しくな
る。
パターンの解像度を高めるために露光光は完全に吸収体
(遮光体)により遮蔽せず、部分透過するハーフトーン
型の位相シフトマスクが用いられている。パターンサイ
ズの縮小に伴い、露光マスク内におけるパターンサイズ
の大小の差は大きくなり、また、光近接効果補正用のセ
リフやジョグ等の更に微細な吸収体(遮光体)パターン
の形成が必要とされるため、吸収体(遮光体)パターン
のアスペクト比は高くなってきている。パターンのサイ
ズの大小の差が大きく、アスペクト比の高い露光マスク
を製造するエッチング工程において、現在行われている
吸収体パターンをウェットエッチングやドライエッチン
グにより形成する方法では、パターンのサイズおよび加
工形状の制御は、微細化が進むにつれて益々難しくな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】露光マスクにおいて、
その吸収体膜厚が薄く低コントラストマスクである場
合、パターンサイズの大小の差が大きくなると、マスク
上の全てのパターンを一括して、高精度にパターン転写
することは極めて困難である。また従来、提案されてい
る露光マスクの吸収体膜厚をパターン領域やパターンサ
イズに合わせて好適な膜厚に変える手法では、そのマス
ク作製の工程数は多く、またエッチング工程におけるパ
ターンの加工形状の制御が困難であり、製造方法を簡便
且つ低コストで行うことは難しい。従って、本発明では
以下の2つの課題を解決を計る。
その吸収体膜厚が薄く低コントラストマスクである場
合、パターンサイズの大小の差が大きくなると、マスク
上の全てのパターンを一括して、高精度にパターン転写
することは極めて困難である。また従来、提案されてい
る露光マスクの吸収体膜厚をパターン領域やパターンサ
イズに合わせて好適な膜厚に変える手法では、そのマス
ク作製の工程数は多く、またエッチング工程におけるパ
ターンの加工形状の制御が困難であり、製造方法を簡便
且つ低コストで行うことは難しい。従って、本発明では
以下の2つの課題を解決を計る。
【0009】第一の課題は、パターンサイズの大小に関
係なく、一括して高解像度のパターン露光・転写が可能
となる吸収体膜厚が均一な露光マスクを提供することで
ある。また、このときその製造が簡便且つ低コストで行
える製造方法を提供することが望ましい。
係なく、一括して高解像度のパターン露光・転写が可能
となる吸収体膜厚が均一な露光マスクを提供することで
ある。また、このときその製造が簡便且つ低コストで行
える製造方法を提供することが望ましい。
【0010】第二の課題は、第一の課題を解決した露光
マスクを用いた露光転写において、高解像度の露光転写
が期待できる位相シフト効果を利用した露光マスクおよ
び露光方法を提供することである。
マスクを用いた露光転写において、高解像度の露光転写
が期待できる位相シフト効果を利用した露光マスクおよ
び露光方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】(構成)前述した課題を
解決するために、本発明は、露光光に対して透過性の高
い膜、或いは反射防止膜、或いはエッチングストッパ膜
上に吸収体からなる吸収体パターン、及びこの吸収体パ
ターンとは異なる透過膜パターンとが形成されたマスク
部と、このマスク部を支持する支持体とを備え、前記吸
収体パターンは、第1の吸収体物質から成る膜と、露光
光に対する吸収が前記第1の吸収体物質よりも大きい第
2の吸収体物質から成る膜とを含むことを特徴とする露
光マスクを提供する。
解決するために、本発明は、露光光に対して透過性の高
い膜、或いは反射防止膜、或いはエッチングストッパ膜
上に吸収体からなる吸収体パターン、及びこの吸収体パ
ターンとは異なる透過膜パターンとが形成されたマスク
部と、このマスク部を支持する支持体とを備え、前記吸
収体パターンは、第1の吸収体物質から成る膜と、露光
光に対する吸収が前記第1の吸収体物質よりも大きい第
2の吸収体物質から成る膜とを含むことを特徴とする露
光マスクを提供する。
【0012】また、本発明は、露光光に対して透過性の
高い膜、或いは反射防止膜、或いはエッチングストッパ
膜上に吸収体からなるパターンおよび前記吸収体パター
ンとは異なる透過膜パターンが形成されたマスク部と、
このマスク部を支持する支持体とを備えた露光用マスク
の製造方法であって、前記透過膜パターンを形成した
後、該透過膜パターン上に前記吸収体の第1の物質から
成る膜を形成し、引き続き、前記吸収体の第2の物質か
ら成る膜を形成することを特徴とする露光マスクの製造
方法を提供する。
高い膜、或いは反射防止膜、或いはエッチングストッパ
膜上に吸収体からなるパターンおよび前記吸収体パター
ンとは異なる透過膜パターンが形成されたマスク部と、
このマスク部を支持する支持体とを備えた露光用マスク
の製造方法であって、前記透過膜パターンを形成した
後、該透過膜パターン上に前記吸収体の第1の物質から
成る膜を形成し、引き続き、前記吸収体の第2の物質か
ら成る膜を形成することを特徴とする露光マスクの製造
方法を提供する。
【0013】ここで、前記吸収体の第2の物質として、
露光光に対する吸収が前記吸収体の第1の物質よりも大
きいことが望ましい。
露光光に対する吸収が前記吸収体の第1の物質よりも大
きいことが望ましい。
【0014】また、本発明は、かかる露光マスクを用い
て、被加工基板上に当該露光マスクのパターンを転写す
ることを特徴とする露光方法を提供する。
て、被加工基板上に当該露光マスクのパターンを転写す
ることを特徴とする露光方法を提供する。
【0015】上記した露光マスク、及びその製造方法、
露光方法において、以下の態様が好ましい。
露光方法において、以下の態様が好ましい。
【0016】(1)前記マスク部に入射する光の最大光
強度から1/10以上の強度を持つ波長域を露光波長域
とするとき、前記第1の吸収体物質(吸収体の第1の物
質)として、該露光波長域の波長に対する最大および最
小位相シフト量の該露光波長域内の平均位相シフト量か
ら変位する割合が、前記第2の吸収体物質(吸収体の第
2の物質)に比べて小さい物質が用いられたこと。
強度から1/10以上の強度を持つ波長域を露光波長域
とするとき、前記第1の吸収体物質(吸収体の第1の物
質)として、該露光波長域の波長に対する最大および最
小位相シフト量の該露光波長域内の平均位相シフト量か
ら変位する割合が、前記第2の吸収体物質(吸収体の第
2の物質)に比べて小さい物質が用いられたこと。
【0017】(2)前記露光光としてX線を用いたこ
と。
と。
【0018】さらにまた、かかる本発明に用いて、微細
パターンを形成するパターン形成方法、及び半導体装
置、若しくは光学素子を製造する製造方法を提供する。
パターンを形成するパターン形成方法、及び半導体装
置、若しくは光学素子を製造する製造方法を提供する。
【0019】本発明のさらに具体的な態様を以下に示
す。即ち、図1に示す露光光に対して透過性の高い膜
(メンブレン膜)2或いは反射防止膜兼エッチングスト
ッパ膜3上にX線吸収体5,6パターンと吸収体とは異
なる透過膜4パターンを有するマスクであることを特徴
とする露光マスクを用いる。
す。即ち、図1に示す露光光に対して透過性の高い膜
(メンブレン膜)2或いは反射防止膜兼エッチングスト
ッパ膜3上にX線吸収体5,6パターンと吸収体とは異
なる透過膜4パターンを有するマスクであることを特徴
とする露光マスクを用いる。
【0020】透過膜4パターンを形成した後、該透過膜
4パターン上に前記吸収体の第一の物質5から成る膜を
形成し、引き続き、前記吸収体の第二の物質6から成る
膜を形成することで、図1に示すように吸収体パターン
の側壁には吸収体第一の物質5が形成されることにな
る。また、吸収体パターンのサイズの大きい部分では、
吸収体パターン中央部に吸収体の第二の物質6が形成さ
れる。
4パターン上に前記吸収体の第一の物質5から成る膜を
形成し、引き続き、前記吸収体の第二の物質6から成る
膜を形成することで、図1に示すように吸収体パターン
の側壁には吸収体第一の物質5が形成されることにな
る。また、吸収体パターンのサイズの大きい部分では、
吸収体パターン中央部に吸収体の第二の物質6が形成さ
れる。
【0021】従って、吸収体第二の物質6として露光光
に対する吸収が吸収体第一の物質5よりも大きい物質を
選ぶことで、吸収体膜厚を厚くしたときと同じ効果が得
られ、パターンサイズの大きなパターン部分も、微細パ
ターン同様に一括露光転写が可能となる。このときの吸
収体膜厚としては、吸収体第一の物質5を用いて露光転
写したときにおける微細パターン部分の最適な吸収体膜
厚に設定でき、吸収体膜厚を均一且つ薄膜化できる。
に対する吸収が吸収体第一の物質5よりも大きい物質を
選ぶことで、吸収体膜厚を厚くしたときと同じ効果が得
られ、パターンサイズの大きなパターン部分も、微細パ
ターン同様に一括露光転写が可能となる。このときの吸
収体膜厚としては、吸収体第一の物質5を用いて露光転
写したときにおける微細パターン部分の最適な吸収体膜
厚に設定でき、吸収体膜厚を均一且つ薄膜化できる。
【0022】また、吸収体パターンの側壁には吸収体第
一の物質5が形成されるため、吸収体第一の物質5に露
光波長域に対して、位相シフト量の波長依存性が小さ
く、位相制御性の優れる物質を選択することで、位相シ
フト効果を利用した高解像度の露光転写が可能になる。
露光波長域における吸収体の位相シフト量の波長依存性
を打ち消すために好適な位相特性を持つ元素から成る物
質を透過膜材料に選択することで更に高い解像度を持つ
露光転写が可能になる。
一の物質5が形成されるため、吸収体第一の物質5に露
光波長域に対して、位相シフト量の波長依存性が小さ
く、位相制御性の優れる物質を選択することで、位相シ
フト効果を利用した高解像度の露光転写が可能になる。
露光波長域における吸収体の位相シフト量の波長依存性
を打ち消すために好適な位相特性を持つ元素から成る物
質を透過膜材料に選択することで更に高い解像度を持つ
露光転写が可能になる。
【0023】(作用)本発明の第一の効果として、吸収
体膜厚が均一な露光マスクを用いて、マスク上のパター
ンの露光・転写が、そのパターンサイズの大小に関係な
く、一括して高解像度のパターン露光・転写が可能とな
る。また、従来提案されている吸収体膜厚を変える露光
マスクに比べ、製造方法として簡便且つ低コストで行う
ことが可能となる。
体膜厚が均一な露光マスクを用いて、マスク上のパター
ンの露光・転写が、そのパターンサイズの大小に関係な
く、一括して高解像度のパターン露光・転写が可能とな
る。また、従来提案されている吸収体膜厚を変える露光
マスクに比べ、製造方法として簡便且つ低コストで行う
ことが可能となる。
【0024】本発明の第二の効果として、回折効果と2
次電子効果が最も抑制され、高解像度の転写パターンが
得られる0.6〜1.0nmの波長域内に露光波長域を
持つ露光光を用いてパターン転写を行なう際に、本発明
によるX線露光マスクでは吸収体エッジ部と透過膜を透
過したX線のそれぞれの位相θaとθtのシフト量の|
θa−θt|が、その露光波長帯域に渡りほぼ一定とな
るため、位相シフト効果によるパターン解像性の向上が
実現できる。
次電子効果が最も抑制され、高解像度の転写パターンが
得られる0.6〜1.0nmの波長域内に露光波長域を
持つ露光光を用いてパターン転写を行なう際に、本発明
によるX線露光マスクでは吸収体エッジ部と透過膜を透
過したX線のそれぞれの位相θaとθtのシフト量の|
θa−θt|が、その露光波長帯域に渡りほぼ一定とな
るため、位相シフト効果によるパターン解像性の向上が
実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
について実施例によって説明する。ここでは、等倍X線
露光マスクの作製方法を一例として具体的に説明する。
図2乃至図4は、本発明の一実施例で用いたX線露光マ
スクの製造工程を示す断面図である。
について実施例によって説明する。ここでは、等倍X線
露光マスクの作製方法を一例として具体的に説明する。
図2乃至図4は、本発明の一実施例で用いたX線露光マ
スクの製造工程を示す断面図である。
【0026】洗浄された厚さ2mmの4インチSi(1
00)ウェハ1(図2(a))に減圧CVD法を用い
て、基板温度1025℃、圧力30Torrの条件で、
10%水素希釈のシランガス150sccm、10%水
素希釈のアセチレンガス65sccm、100%塩化水
素ガス150sccmをキャリアガスである水素10S
LMと共に反応管内に導入し、X線透過性(メンブレ
ン)薄膜2となる膜厚2μmのSiCを成膜した(図2
(b))。
00)ウェハ1(図2(a))に減圧CVD法を用い
て、基板温度1025℃、圧力30Torrの条件で、
10%水素希釈のシランガス150sccm、10%水
素希釈のアセチレンガス65sccm、100%塩化水
素ガス150sccmをキャリアガスである水素10S
LMと共に反応管内に導入し、X線透過性(メンブレ
ン)薄膜2となる膜厚2μmのSiCを成膜した(図2
(b))。
【0027】次にこの基板の表面にrfスパッタリング
装置を用いて、Ar圧力1mTorrの条件で、反射防
止膜兼エッチングストッパ3となる膜厚98nmのアル
ミナ膜を成膜した(図2(c))。その上にTEOSを
主原料とするCVD法により、膜厚600nmのパター
ニング層4となるSiO2膜を形成し、成膜後にアニー
ル処理を施すことによりSiO2膜の応力をほぼ0MP
aに調整した(図2(d))。
装置を用いて、Ar圧力1mTorrの条件で、反射防
止膜兼エッチングストッパ3となる膜厚98nmのアル
ミナ膜を成膜した(図2(c))。その上にTEOSを
主原料とするCVD法により、膜厚600nmのパター
ニング層4となるSiO2膜を形成し、成膜後にアニー
ル処理を施すことによりSiO2膜の応力をほぼ0MP
aに調整した(図2(d))。
【0028】その後、RIE装置を用いて、アルミニウ
ムをエッチングマスクとして、圧力10mTorr、R
Fパワー200Wの条件でCF4ガス25sccm、O
2ガス40sccmを供給し、型板裏面の中心部の半径
70mmの領域、転写基板裏面のSiC膜を除去し、S
iウェハ1をエッチングする際のマスクとなる開口領域
8を形成した(図2(e))。次に紫外線硬化型エポキ
シ樹脂を用いて、外径125mm、内径72mm、厚さ
6.2mmのガラスリングをフレーム7として接合した
(図2(f))。
ムをエッチングマスクとして、圧力10mTorr、R
Fパワー200Wの条件でCF4ガス25sccm、O
2ガス40sccmを供給し、型板裏面の中心部の半径
70mmの領域、転写基板裏面のSiC膜を除去し、S
iウェハ1をエッチングする際のマスクとなる開口領域
8を形成した(図2(e))。次に紫外線硬化型エポキ
シ樹脂を用いて、外径125mm、内径72mm、厚さ
6.2mmのガラスリングをフレーム7として接合した
(図2(f))。
【0029】さらにバックエッチング装置により、この
SiCの除去された部分に弗酸と硝酸の1対1混合液を
滴下し、Siのエッチング除去を行った(図2
(g))。この基板上に市販の電子ビーム用ポジ型レジ
ストZEP520(粘度12cps)を回転数2000
rpm、50秒の条件で回転塗布し、ホットプレートを
用いて、175℃、2分間のベーク処理を行い、膜厚3
00nmの感光膜9を形成した(図3(h))。
SiCの除去された部分に弗酸と硝酸の1対1混合液を
滴下し、Siのエッチング除去を行った(図2
(g))。この基板上に市販の電子ビーム用ポジ型レジ
ストZEP520(粘度12cps)を回転数2000
rpm、50秒の条件で回転塗布し、ホットプレートを
用いて、175℃、2分間のベーク処理を行い、膜厚3
00nmの感光膜9を形成した(図3(h))。
【0030】そして、この基板上に加速電圧75kVの
電子ビーム描画装置を用いてパターン描画を行った。所
望の描画精度を得るために、描画は4回の重ね書きによ
りパターンを形成する多重描画を行い、基準照射量を9
6μC/cm2として、照射量補正により近接効果補正
を行った。描画後、現像処理として市販の現像液ZEP
−RDを用いて液温18℃、1分間の条件で現像を行
い、引き続きMIBKで1分間のリンスを行い現像液を
除去した(図3(i))。
電子ビーム描画装置を用いてパターン描画を行った。所
望の描画精度を得るために、描画は4回の重ね書きによ
りパターンを形成する多重描画を行い、基準照射量を9
6μC/cm2として、照射量補正により近接効果補正
を行った。描画後、現像処理として市販の現像液ZEP
−RDを用いて液温18℃、1分間の条件で現像を行
い、引き続きMIBKで1分間のリンスを行い現像液を
除去した(図3(i))。
【0031】形成されたレジストパターンをマスクに、
CHF3およびCOガスを用いて反応性イオンエッチン
グによりSiO2膜の加工を行った(図3(j))。残
留したレジストは、酸素プラズマ中で灰化処理して除去
した後、硫酸と過酸化水素水の混合液で洗浄した(図3
(k))。
CHF3およびCOガスを用いて反応性イオンエッチン
グによりSiO2膜の加工を行った(図3(j))。残
留したレジストは、酸素プラズマ中で灰化処理して除去
した後、硫酸と過酸化水素水の混合液で洗浄した(図3
(k))。
【0032】ここで、rfスパッタリング装置を用いて
Ar圧力3mTorrの条件の下で、吸収体第一の物質
5となる膜厚0.05μmのアルミニウム(Al)15
%含有の銅(Cu)、すなわちAlCu膜を成膜した
(図4(l))。次に、反応性スパッタリング装置を用
いてAr圧力200mTorrの条件の下で、吸収体第
二の物質6となる膜厚0.60μmの窒化タングステン
WN膜を形成し、成膜後にアニール処理を施すことによ
りWN膜の応力をほぼ0MPaに調整した(図4
(m))。
Ar圧力3mTorrの条件の下で、吸収体第一の物質
5となる膜厚0.05μmのアルミニウム(Al)15
%含有の銅(Cu)、すなわちAlCu膜を成膜した
(図4(l))。次に、反応性スパッタリング装置を用
いてAr圧力200mTorrの条件の下で、吸収体第
二の物質6となる膜厚0.60μmの窒化タングステン
WN膜を形成し、成膜後にアニール処理を施すことによ
りWN膜の応力をほぼ0MPaに調整した(図4
(m))。
【0033】そして、余分なWN、AlCu膜の除去
は、レジストエッチバックと呼ばれる以下の方法により
行った。まずマスク表面に、先程のレジスト塗布に用い
た装置と同一の装置で、市販の電子ビーム用レジストZ
EP520(粘度12cps)を回転数2000rp
m、50秒の条件で回転塗布し、ホットプレートを用い
て175℃、2分間のベーク処理を行い、膜厚300n
mのレジスト膜10'を形成した(図4(n))。この
時、回転塗布の特性から、表面はほぼ平坦な塗布形状と
なる。次にHBrガスを用いた反応性イオンエッチング
により、レジスト膜10'とWN、AlCuのエッチン
グ速度がほぼ等しくなる条件で、マスク表面をSiO2
表面が露出するまでエッチングした(図4(o))。
は、レジストエッチバックと呼ばれる以下の方法により
行った。まずマスク表面に、先程のレジスト塗布に用い
た装置と同一の装置で、市販の電子ビーム用レジストZ
EP520(粘度12cps)を回転数2000rp
m、50秒の条件で回転塗布し、ホットプレートを用い
て175℃、2分間のベーク処理を行い、膜厚300n
mのレジスト膜10'を形成した(図4(n))。この
時、回転塗布の特性から、表面はほぼ平坦な塗布形状と
なる。次にHBrガスを用いた反応性イオンエッチング
により、レジスト膜10'とWN、AlCuのエッチン
グ速度がほぼ等しくなる条件で、マスク表面をSiO2
表面が露出するまでエッチングした(図4(o))。
【0034】以上の工程により製作されたマスクを用い
て、回折効果と2次電子効果が最も抑制され、高解像度
の転写パターンが得られる0.6〜1.0nmの波長域
に露光波長域(中心波長0.8nm)を持つシンクロト
ロン放射光を用いたX線露光装置により、Siウェハ上
に塗布されたレジストに転写を行った。
て、回折効果と2次電子効果が最も抑制され、高解像度
の転写パターンが得られる0.6〜1.0nmの波長域
に露光波長域(中心波長0.8nm)を持つシンクロト
ロン放射光を用いたX線露光装置により、Siウェハ上
に塗布されたレジストに転写を行った。
【0035】ここで用いているX線露光ビームは、シン
クロトロン放射光で、リング蓄積電子エネルギー600
MeV、偏向磁場3T、最大蓄積電流500mA、最大
露光面積30mm角、最大露光強度50mW/cm2、
ビーム平行度2mrad以下で、放射光の取り出し窓と
しては平均膜厚25μmのベリリウム(Be)窓、平均
膜厚1.5μmの窒化珪素(Si3N4)窓、平均膜厚
1.0μmのダイヤモンド窓を、集光および揺動ミラー
には斜入射型の白金(Pt)ミラーを用いたときのもの
であり、X線露光マスクに入射する直前の露光波長域
(光強度として該X線露光マスクに入射する最大光強度
の波長における光強度の1/10以上の強度を持つ波長
域を露光波長域とする)は0.65〜1.0nmの放射
光となる。
クロトロン放射光で、リング蓄積電子エネルギー600
MeV、偏向磁場3T、最大蓄積電流500mA、最大
露光面積30mm角、最大露光強度50mW/cm2、
ビーム平行度2mrad以下で、放射光の取り出し窓と
しては平均膜厚25μmのベリリウム(Be)窓、平均
膜厚1.5μmの窒化珪素(Si3N4)窓、平均膜厚
1.0μmのダイヤモンド窓を、集光および揺動ミラー
には斜入射型の白金(Pt)ミラーを用いたときのもの
であり、X線露光マスクに入射する直前の露光波長域
(光強度として該X線露光マスクに入射する最大光強度
の波長における光強度の1/10以上の強度を持つ波長
域を露光波長域とする)は0.65〜1.0nmの放射
光となる。
【0036】このシンクロトロン放射光X線露光装置を
用いて、ウェハとマスクのギャップ長を10μmに設定
し、Siウェハ上に塗布されたレジストに転写を行った
ところ、線幅80nmから5μmの全てのパターンを一
括露光転写することができた。
用いて、ウェハとマスクのギャップ長を10μmに設定
し、Siウェハ上に塗布されたレジストに転写を行った
ところ、線幅80nmから5μmの全てのパターンを一
括露光転写することができた。
【0037】以上の方法により、所望の高精度のマスク
を作製することが出来ることが示された。本手法により
作製したマスクには以下のような3つの利点があること
が判明した。
を作製することが出来ることが示された。本手法により
作製したマスクには以下のような3つの利点があること
が判明した。
【0038】第1の利点としては、パターンサイズ、線
幅80nmから5μmのパターンを一括露光転写するこ
とができることである。
幅80nmから5μmのパターンを一括露光転写するこ
とができることである。
【0039】その理由は以下の通りである。透過膜4パ
ターン(本実施例ではSiO2膜)を形成した後、該透
過膜パターン上に前記吸収体の第一の物質から成る膜5
(本実施例ではAlCu)を形成し、引き続き、前記吸
収体の第二の物質6(本実施例ではWN)から成る膜を
形成することで、図1に示すように吸収体パターンサイ
ズの大きい部分では、吸収体パターン中央部に吸収体の
第二の物質6が形成される。
ターン(本実施例ではSiO2膜)を形成した後、該透
過膜パターン上に前記吸収体の第一の物質から成る膜5
(本実施例ではAlCu)を形成し、引き続き、前記吸
収体の第二の物質6(本実施例ではWN)から成る膜を
形成することで、図1に示すように吸収体パターンサイ
ズの大きい部分では、吸収体パターン中央部に吸収体の
第二の物質6が形成される。
【0040】従って、吸収体第二の物質6(本実施例で
はWN)を吸収体第一の物質5(本実施例ではAlC
u)よりも露光光に対して吸収の大きい物質を選ぶこと
で、吸収体膜厚を厚くしたときと同じ効果が得られ、パ
ターンサイズの大きなパターン部分も、微細パターン同
様に一括露光転写が可能となる。
はWN)を吸収体第一の物質5(本実施例ではAlC
u)よりも露光光に対して吸収の大きい物質を選ぶこと
で、吸収体膜厚を厚くしたときと同じ効果が得られ、パ
ターンサイズの大きなパターン部分も、微細パターン同
様に一括露光転写が可能となる。
【0041】このときの吸収体膜厚としては、吸収体第
一の物質5を用いて露光転写したときにおける微細パタ
ーン部分の最適な吸収体膜厚に設定でき、本実施例にお
ける吸収体第一の物質アルミニウム(Al)15%含有
の銅(Cu)、AlCuを用いたときは、最小線幅80
nmのパターンの露光転写において吸収体膜厚約600
nmが好適な条件であるため、マスク全域の吸収体膜厚
を均一に600nmとした。
一の物質5を用いて露光転写したときにおける微細パタ
ーン部分の最適な吸収体膜厚に設定でき、本実施例にお
ける吸収体第一の物質アルミニウム(Al)15%含有
の銅(Cu)、AlCuを用いたときは、最小線幅80
nmのパターンの露光転写において吸収体膜厚約600
nmが好適な条件であるため、マスク全域の吸収体膜厚
を均一に600nmとした。
【0042】吸収体材料として、本実施例で選んだ第一
および第二の材料、アルミニウム(Al)15%含有の
銅(Cu)、AlCuと窒化タングステンWNの露光波
長域0.6−1.0nmの露光光に対する吸収は、膜厚
400nm、メンブレン膜SiC(膜厚2μm)のと
き、それぞれ70.0%、74.3%(マスクコントラ
ストAlCu:3.34,WN:3.89)である。
および第二の材料、アルミニウム(Al)15%含有の
銅(Cu)、AlCuと窒化タングステンWNの露光波
長域0.6−1.0nmの露光光に対する吸収は、膜厚
400nm、メンブレン膜SiC(膜厚2μm)のと
き、それぞれ70.0%、74.3%(マスクコントラ
ストAlCu:3.34,WN:3.89)である。
【0043】大パターンの中央部に存在する吸収体の第
二の物質WN膜の膜厚は約550nm、露光光を同じよ
うに吸収するにはAlCu膜では約615nmとなり、
膜厚約65nmの差があり、吸収体膜厚を厚くしたとき
と同じ効果が得られることが分かる。
二の物質WN膜の膜厚は約550nm、露光光を同じよ
うに吸収するにはAlCu膜では約615nmとなり、
膜厚約65nmの差があり、吸収体膜厚を厚くしたとき
と同じ効果が得られることが分かる。
【0044】ここでは、吸収体第一および第二の材料と
して、アルミニウム(Al)15%含有の銅(Cu)、
AlCuと窒化タングステンWNを選んだが、他の材料
を用いても可能であり、重要なことは第二の吸収体材料
に吸収体第一の材料よりも吸収の大きい材料を用いるこ
とである。例えば、第二の吸収体材料としては、吸収の
大きい、金(Au)、白金(Pt)、レニウム(R
e)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、タン
タル(Ta)、希土類元素(Nd,Pm,Sm,Gd,
Tb,Dy,Ho,Er,Tm)やこれらの化合物、合
金、積層物は好適である。
して、アルミニウム(Al)15%含有の銅(Cu)、
AlCuと窒化タングステンWNを選んだが、他の材料
を用いても可能であり、重要なことは第二の吸収体材料
に吸収体第一の材料よりも吸収の大きい材料を用いるこ
とである。例えば、第二の吸収体材料としては、吸収の
大きい、金(Au)、白金(Pt)、レニウム(R
e)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、タン
タル(Ta)、希土類元素(Nd,Pm,Sm,Gd,
Tb,Dy,Ho,Er,Tm)やこれらの化合物、合
金、積層物は好適である。
【0045】本実施例において第二の吸収体材料として
WN膜を選んだ理由としては、WN膜は、(1)波長
0.6〜1.0nmのX線に対して吸収が大きいこと、
(2)成膜後にアニール処理を施すことによりWN膜の
応力をほぼ0MPaに調整でき、応力によるパターン位
置変動が抑えられること、(3)化学的機械研磨(CM
P)において、CuのCMP用スラリーを用いたとき、
W系化合物ではほぼ同じ研磨速度が得られること、が挙
げられる。
WN膜を選んだ理由としては、WN膜は、(1)波長
0.6〜1.0nmのX線に対して吸収が大きいこと、
(2)成膜後にアニール処理を施すことによりWN膜の
応力をほぼ0MPaに調整でき、応力によるパターン位
置変動が抑えられること、(3)化学的機械研磨(CM
P)において、CuのCMP用スラリーを用いたとき、
W系化合物ではほぼ同じ研磨速度が得られること、が挙
げられる。
【0046】(3)にはWN膜の研磨特性を挙げたが、
本実施例では透過膜パターン凹部以外の不要なWN、A
lCu膜の除去はレジストエッチング法により行った
が、既に特願平10−176499で提案しているX線
マスクの様な自立薄膜で構成される物体用の化学的機械
研磨装置を用いることにより、その除去は容易に行うこ
とができるからである。これらの(1)から(3)の全
ての条件を満たす材料としては、他にもWTi、Ta
N、TaB、TaGe、TaSi、TaSiN、WRe
B、WSiN等の合金、化合物が挙げられ、従って、こ
れらも好適な材料である。
本実施例では透過膜パターン凹部以外の不要なWN、A
lCu膜の除去はレジストエッチング法により行った
が、既に特願平10−176499で提案しているX線
マスクの様な自立薄膜で構成される物体用の化学的機械
研磨装置を用いることにより、その除去は容易に行うこ
とができるからである。これらの(1)から(3)の全
ての条件を満たす材料としては、他にもWTi、Ta
N、TaB、TaGe、TaSi、TaSiN、WRe
B、WSiN等の合金、化合物が挙げられ、従って、こ
れらも好適な材料である。
【0047】本実施例において第一の吸収体材料として
Al15%含有Cu膜(AlCu)を選んだ理由として
は、(1)波長0.6〜1.0nmのX線に対して吸収
が大きく、且つ位相シフト量の制御が容易なこと、
(2)AlCu膜のAl含有量により、吸収の大きさを
調整できること、(3)成膜後に熱処理を施すことによ
りAlCu膜の応力をほぼ0MPaに調整でき応力によ
るパターン位置変動が抑えられること、また熱処理に伴
いリフローされるために吸収体膜の透過膜パターン凹部
への埋め込みが容易であること、が挙げられる。
Al15%含有Cu膜(AlCu)を選んだ理由として
は、(1)波長0.6〜1.0nmのX線に対して吸収
が大きく、且つ位相シフト量の制御が容易なこと、
(2)AlCu膜のAl含有量により、吸収の大きさを
調整できること、(3)成膜後に熱処理を施すことによ
りAlCu膜の応力をほぼ0MPaに調整でき応力によ
るパターン位置変動が抑えられること、また熱処理に伴
いリフローされるために吸収体膜の透過膜パターン凹部
への埋め込みが容易であること、が挙げられる。
【0048】(1)については、下記の第2の利点で説
明する。(2)については、メンブレン材料が膜厚2μ
mのSiC膜の場合、露光波長域0.6−1.0nmの
露光光に対する膜厚400nmのCuおよびAlの吸収
は、74.6%、20.0%(マスクコントラストは、
それぞれ3.94、1.25)であり、ここでは第二の
吸収体材料WN膜の吸収が前述のように74.3%(マ
スクコントラスト3.89)であるため、Alの含有量
を増やすことで、第一の吸収体材料の吸収を小さくし
た。メンブレン材料が膜厚2μmのダイヤモンド膜の場
合、露光波長域0.6−1.0nmの露光光に対する膜
厚400nmのCuおよびWNの吸収は、それぞれ7
2.7%、75.2%(マスクコントラストCu:3.
66、WN:4.03)であり、第一の吸収体としてC
uを用いることができる。(3)については、膜の応力
制御のみならず、アスペクト比の高い凹部への吸収体の
埋め込みにおいても、熱処理により埋め込みが実現で
き、高精度な吸収体パターンの形成が可能であることを
示している。
明する。(2)については、メンブレン材料が膜厚2μ
mのSiC膜の場合、露光波長域0.6−1.0nmの
露光光に対する膜厚400nmのCuおよびAlの吸収
は、74.6%、20.0%(マスクコントラストは、
それぞれ3.94、1.25)であり、ここでは第二の
吸収体材料WN膜の吸収が前述のように74.3%(マ
スクコントラスト3.89)であるため、Alの含有量
を増やすことで、第一の吸収体材料の吸収を小さくし
た。メンブレン材料が膜厚2μmのダイヤモンド膜の場
合、露光波長域0.6−1.0nmの露光光に対する膜
厚400nmのCuおよびWNの吸収は、それぞれ7
2.7%、75.2%(マスクコントラストCu:3.
66、WN:4.03)であり、第一の吸収体としてC
uを用いることができる。(3)については、膜の応力
制御のみならず、アスペクト比の高い凹部への吸収体の
埋め込みにおいても、熱処理により埋め込みが実現で
き、高精度な吸収体パターンの形成が可能であることを
示している。
【0049】これらの1)から3)の全ての条件を満た
す材料としては、他にもCu、Ni、Zn、CuZn、
これらの化合物および積層物が挙げられ、従って、これ
らも好適な材料である。
す材料としては、他にもCu、Ni、Zn、CuZn、
これらの化合物および積層物が挙げられ、従って、これ
らも好適な材料である。
【0050】第2の利点としては、本実施例におけるX
線露光マスクを用いれば、位相シフト効果を利用した高
解像度の露光転写が可能になることである。
線露光マスクを用いれば、位相シフト効果を利用した高
解像度の露光転写が可能になることである。
【0051】本実施例におけるX線露光マスクは、吸収
体パターンの側壁には吸収体第一の物質5が形成される
ため、吸収体第一の物質5に露光波長域に対して、位相
シフト量の波長依存性が小さく、位相制御性の優れる物
質を選択することで、位相シフト効果を利用した高解像
度の露光転写が可能になる。露光波長域における吸収体
の位相シフト量の波長依存性を打ち消すために好適な位
相特性を持つ元素から成る物質を透過膜材料に選択する
ことで更に高い解像度を持つ露光転写が可能になる。
体パターンの側壁には吸収体第一の物質5が形成される
ため、吸収体第一の物質5に露光波長域に対して、位相
シフト量の波長依存性が小さく、位相制御性の優れる物
質を選択することで、位相シフト効果を利用した高解像
度の露光転写が可能になる。露光波長域における吸収体
の位相シフト量の波長依存性を打ち消すために好適な位
相特性を持つ元素から成る物質を透過膜材料に選択する
ことで更に高い解像度を持つ露光転写が可能になる。
【0052】本実施例において第一の吸収体材料に用い
たAl15%含有のAlCu膜は、高解像度の転写パタ
ーンが得られる0.6〜1.0nmの波長域内に露光波
長域を持つ露光光、波長0.65〜1.0nmの露光光
に対して、他のTa,W等の重金属から成る吸収体材料
に比べ位相シフト量の制御性に優れ、露光波長域内の平
均位相シフト量から変位する割合±8%以内であり、ま
たマスクコントラストも、膜厚400nmで3.34と
十分な遮蔽性を持つ。表1はこの特性を示す表であり、
Cu或いはAl15Cu85かTa或いはW金属の吸収
体がSiO2透過膜に埋め込まれた構造を持つX線露光
マスクの露光波長域内(波長0.65−1.0nm)の
位相特性を示すものである。
たAl15%含有のAlCu膜は、高解像度の転写パタ
ーンが得られる0.6〜1.0nmの波長域内に露光波
長域を持つ露光光、波長0.65〜1.0nmの露光光
に対して、他のTa,W等の重金属から成る吸収体材料
に比べ位相シフト量の制御性に優れ、露光波長域内の平
均位相シフト量から変位する割合±8%以内であり、ま
たマスクコントラストも、膜厚400nmで3.34と
十分な遮蔽性を持つ。表1はこの特性を示す表であり、
Cu或いはAl15Cu85かTa或いはW金属の吸収
体がSiO2透過膜に埋め込まれた構造を持つX線露光
マスクの露光波長域内(波長0.65−1.0nm)の
位相特性を示すものである。
【表1】 従って、Al15%含有Cu膜(AlCu膜)が吸収体
パターンの側壁に形成されるX線露光マスクを使用する
ことで、シンクロトロン放射光を用いた広帯域の露光光
を用いたX線露光においても位相シフト効果を利用し
て、パターンのエッジスロープは急峻化され、高解像度
の露光転写が可能である。
パターンの側壁に形成されるX線露光マスクを使用する
ことで、シンクロトロン放射光を用いた広帯域の露光光
を用いたX線露光においても位相シフト効果を利用し
て、パターンのエッジスロープは急峻化され、高解像度
の露光転写が可能である。
【0053】他に位相シフト量の制御性に優れる第一の
吸収体材料に好適な材料としては、Ni、Zn、Cu7
Zn3、これらの合金または化合物が挙げられる。表2
は、吸収体がCu或いはNi或いはZn或いはCu7Z
n3合金から成るX線露光マスクおよびそれら金属の吸
収体がSiO2、SiON透過膜に埋め込まれた構造を
持つX線露光マスクの露光波長域内(波長0.65−
1.0nm)の位相特性とマスクコントラストを示すも
のである。
吸収体材料に好適な材料としては、Ni、Zn、Cu7
Zn3、これらの合金または化合物が挙げられる。表2
は、吸収体がCu或いはNi或いはZn或いはCu7Z
n3合金から成るX線露光マスクおよびそれら金属の吸
収体がSiO2、SiON透過膜に埋め込まれた構造を
持つX線露光マスクの露光波長域内(波長0.65−
1.0nm)の位相特性とマスクコントラストを示すも
のである。
【表2】 透過膜材料としては、本実施例で用いたSiO2膜以外
にもSiON膜を用いることもできる。SiON膜を用
いた場合、SiO2膜に比べ応力制御が容易になるこ
と、吸収体材料Cuの熱拡散を抑制できることが、利点
として挙げられる。SiONはその膜の成膜時の応力制
御が容易であり、また温度500℃、1時間の熱処理に
おいてもCuのSiON膜中への熱拡散が生じないこと
が、オージェ電子分光法およびラザフォード後方散乱分
光法により示され、本実施例における透過膜パターン層
としては好適な材料である。高温で熱処理を行えるた
め、アスペクト比の高い凹部への吸収体の埋め込みにお
いても、熱拡散およびボイドのない埋め込みが実現で
き、高精度な吸収体パターンの形成が可能になる。
にもSiON膜を用いることもできる。SiON膜を用
いた場合、SiO2膜に比べ応力制御が容易になるこ
と、吸収体材料Cuの熱拡散を抑制できることが、利点
として挙げられる。SiONはその膜の成膜時の応力制
御が容易であり、また温度500℃、1時間の熱処理に
おいてもCuのSiON膜中への熱拡散が生じないこと
が、オージェ電子分光法およびラザフォード後方散乱分
光法により示され、本実施例における透過膜パターン層
としては好適な材料である。高温で熱処理を行えるた
め、アスペクト比の高い凹部への吸収体の埋め込みにお
いても、熱拡散およびボイドのない埋め込みが実現で
き、高精度な吸収体パターンの形成が可能になる。
【0054】これ以外にも、透過膜材料としては、波長
0.6〜1.0nmの波長域のX線に対して透過率の高
いSi、Si3N4、SiC、Al2O3、SrO、M
gO、Y2O3、TiO2が好適な材料として挙げられ
る。
0.6〜1.0nmの波長域のX線に対して透過率の高
いSi、Si3N4、SiC、Al2O3、SrO、M
gO、Y2O3、TiO2が好適な材料として挙げられ
る。
【0055】第3の利点としては、本発明によるX線露
光マスクは、吸収体および透過膜の膜厚は等しく平坦化
されているため、吸収体パターンのみが形成されている
X線露光マスクにおける微細パターン凹部に付着したご
み等の異物が存在せず、ごみ等の異物がその表面に付着
しても、表面を洗浄するだけで容易に除去できることで
ある。
光マスクは、吸収体および透過膜の膜厚は等しく平坦化
されているため、吸収体パターンのみが形成されている
X線露光マスクにおける微細パターン凹部に付着したご
み等の異物が存在せず、ごみ等の異物がその表面に付着
しても、表面を洗浄するだけで容易に除去できることで
ある。
【0056】ここでの露光マスクの洗浄処理は、はじめ
に純水で洗浄し、次にオゾン濃度0.001%の溶存オ
ゾン水に3分間浸漬した後、フッ酸濃度5%のフッ酸水
溶液に90秒浸漬することで、表面の有機物を除去し、
最後に純水で洗浄して、一連の処理を終了する。
に純水で洗浄し、次にオゾン濃度0.001%の溶存オ
ゾン水に3分間浸漬した後、フッ酸濃度5%のフッ酸水
溶液に90秒浸漬することで、表面の有機物を除去し、
最後に純水で洗浄して、一連の処理を終了する。
【0057】露光マスクの異物による汚染は、転写露光
において、重要な問題である。マスクに異物が付着した
場合は、それがウェハに転写され、パターンの欠陥とな
るため、マスクの異物の付着は極力、避けなければなら
ない。特にX線を用いた露光では、X線の物質の透過率
が一般に極めて低く、ごく小さな異物もX線を透過せず
欠陥の原因となる。
において、重要な問題である。マスクに異物が付着した
場合は、それがウェハに転写され、パターンの欠陥とな
るため、マスクの異物の付着は極力、避けなければなら
ない。特にX線を用いた露光では、X線の物質の透過率
が一般に極めて低く、ごく小さな異物もX線を透過せず
欠陥の原因となる。
【0058】可視、紫外光を用いた露光方法では、しば
しば、マスクの異物付着を防止するため、ニトロセルロ
ース、パリレン等の有機薄膜で形成されたペリクルが取
り付けられているが、X線露光においては、これらのペ
リクルは、X線の吸収が大きく、露光光の強度を大きく
減衰させることや耐熱性が低く、それに伴い耐照射性が
低い等の問題があり、一般にペリクルは使用されていな
い。
しば、マスクの異物付着を防止するため、ニトロセルロ
ース、パリレン等の有機薄膜で形成されたペリクルが取
り付けられているが、X線露光においては、これらのペ
リクルは、X線の吸収が大きく、露光光の強度を大きく
減衰させることや耐熱性が低く、それに伴い耐照射性が
低い等の問題があり、一般にペリクルは使用されていな
い。
【0059】従って、本実施例で作製される露光マスク
は、簡易な洗浄により異物の除去が容易に行えるという
利点を持つため、マスクの洗浄および異物除去の工程を
低コスト化でき、廉価な半導体装置あるいは光学素子を
供給することが可能となる。
は、簡易な洗浄により異物の除去が容易に行えるという
利点を持つため、マスクの洗浄および異物除去の工程を
低コスト化でき、廉価な半導体装置あるいは光学素子を
供給することが可能となる。
【0060】尚、本実施例では、吸収体の成膜において
スパッタ装置を用いて行ったが、CVD装置を用いて行
うことも可能であり、このときアスペクト比の高いパタ
ーン構造においても埋め込みが容易になるという利点を
持つためスパッタ成膜法よりも高精度な露光マスクを作
製できる。特に、吸収体第一の物質の成膜については、
CVD装置を用いて行うことが望ましい。
スパッタ装置を用いて行ったが、CVD装置を用いて行
うことも可能であり、このときアスペクト比の高いパタ
ーン構造においても埋め込みが容易になるという利点を
持つためスパッタ成膜法よりも高精度な露光マスクを作
製できる。特に、吸収体第一の物質の成膜については、
CVD装置を用いて行うことが望ましい。
【0061】また、本実施例では、X線露光マスクにつ
いて説明したが、露光光として紫外光を用いた光露光用
位相シフトマスクに適用しても有効である。図5に示す
ように吸収体第一の物質によりエッジ部分の位相シフト
量の制御、吸収体第2の物質により透過率の制御を行う
ことで、マスク上の全てのパターンを一括して、高精度
にパターン転写することが可能となる。
いて説明したが、露光光として紫外光を用いた光露光用
位相シフトマスクに適用しても有効である。図5に示す
ように吸収体第一の物質によりエッジ部分の位相シフト
量の制御、吸収体第2の物質により透過率の制御を行う
ことで、マスク上の全てのパターンを一括して、高精度
にパターン転写することが可能となる。
【0062】また、紫外光を用いた光露光用マスクで
は、光近接効果補正用のセリフやジョグ等の更に微細な
吸収体(遮光体)パターンの形成が必要とされている。
従って、吸収体(遮光体)パターンのアスペクト比は高
く、その製造におけるエッチング工程において、現在行
われている吸収体をウェットエッチング法またはドライ
エッチング法によりパターンを形成する方法では、その
サイズおよび加工形状を高精度に制御を行うことは困難
であるが、透過膜パターンに吸収体を埋め込むことによ
りマスクを作製すれば、低コストで高精度な微細パター
ンが容易に形成でき、高性能位相シフトマスクの作製が
行える。
は、光近接効果補正用のセリフやジョグ等の更に微細な
吸収体(遮光体)パターンの形成が必要とされている。
従って、吸収体(遮光体)パターンのアスペクト比は高
く、その製造におけるエッチング工程において、現在行
われている吸収体をウェットエッチング法またはドライ
エッチング法によりパターンを形成する方法では、その
サイズおよび加工形状を高精度に制御を行うことは困難
であるが、透過膜パターンに吸収体を埋め込むことによ
りマスクを作製すれば、低コストで高精度な微細パター
ンが容易に形成でき、高性能位相シフトマスクの作製が
行える。
【0063】(第2の実施形態)次に、上記方法により
製作された露光マスクを用いた微小デバイスの生産方法
について説明する。ここでいう微小デバイスとは、集積
回路、ULSI等の半導体チップ、液晶デバイス、マイ
クロマシン、薄膜磁気ヘッド等が挙げられる。以下は、
半導体デバイスの例を示す。
製作された露光マスクを用いた微小デバイスの生産方法
について説明する。ここでいう微小デバイスとは、集積
回路、ULSI等の半導体チップ、液晶デバイス、マイ
クロマシン、薄膜磁気ヘッド等が挙げられる。以下は、
半導体デバイスの例を示す。
【0064】図6は、半導体デバイス生産のフローを示
す。1―1(回路設計)では、半導体デバイスの回路設
計をCAD等を用いて行う。1―2(マスク製作)では
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、1―3(ウェハ製造)ではシリコン等の材料を用い
て、ウェハを製造する。1―4(ウェハプロセス)で
は、上記用意した露光マスクとウェハを用いて、リソグ
ラフィ技術(前処理、レジスト塗布、プリベーク、露
光、ポストイクスポージャベーク(PEB)、現像・リ
ンス、ポストベーク、エッチング、イオン注入、レジス
ト剥離、検査等の工程から成る)によりウェハ上に実際
の回路パターンを形成する。
す。1―1(回路設計)では、半導体デバイスの回路設
計をCAD等を用いて行う。1―2(マスク製作)では
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、1―3(ウェハ製造)ではシリコン等の材料を用い
て、ウェハを製造する。1―4(ウェハプロセス)で
は、上記用意した露光マスクとウェハを用いて、リソグ
ラフィ技術(前処理、レジスト塗布、プリベーク、露
光、ポストイクスポージャベーク(PEB)、現像・リ
ンス、ポストベーク、エッチング、イオン注入、レジス
ト剥離、検査等の工程から成る)によりウェハ上に実際
の回路パターンを形成する。
【0065】次の1―5(組み立て)は、後工程と、1
―4によって作製されたウェハを用いて半導体チップ化
する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボン
ディング)、パッケージング工程(チップ工程)等の工
程を含む、1―6(検査・修正)では、1―5で作製さ
れた半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性確認テス
ト等の検査および修正を行う。
―4によって作製されたウェハを用いて半導体チップ化
する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボン
ディング)、パッケージング工程(チップ工程)等の工
程を含む、1―6(検査・修正)では、1―5で作製さ
れた半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性確認テス
ト等の検査および修正を行う。
【0066】こうした工程を経て、半導体デバイスが完
成し、これが出荷される。本実施例の生産方法によれ
ば、低コストの露光マスクを使用することにより、転写
露光工程を低コスト化でき、廉価な半導体装置あるいは
光学素子を供給することが可能となる。
成し、これが出荷される。本実施例の生産方法によれ
ば、低コストの露光マスクを使用することにより、転写
露光工程を低コスト化でき、廉価な半導体装置あるいは
光学素子を供給することが可能となる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による露光
マスクでは、パターンサイズの大小に関係なく、高解像
度のパターン露光・転写が可能となる。また、本発明に
より露光マスクの吸収体の膜厚はマスク全体にわたり均
一で、パターンエッジ部分での位相制御性が高まること
で、パターン解像性を高めることが可能となる。そのマ
スクの製造方法は、従来法に比べ簡便且つ低コストで製
造することが可能となる。更に低コストの露光マスクを
使用することにより、転写露光工程を低コスト化でき、
廉価な半導体装置あるいは光学素子を供給することが可
能となる。
マスクでは、パターンサイズの大小に関係なく、高解像
度のパターン露光・転写が可能となる。また、本発明に
より露光マスクの吸収体の膜厚はマスク全体にわたり均
一で、パターンエッジ部分での位相制御性が高まること
で、パターン解像性を高めることが可能となる。そのマ
スクの製造方法は、従来法に比べ簡便且つ低コストで製
造することが可能となる。更に低コストの露光マスクを
使用することにより、転写露光工程を低コスト化でき、
廉価な半導体装置あるいは光学素子を供給することが可
能となる。
【0068】実施例においては、X線露光転写技術によ
るパターン転写を例示したが、本発明はX線リソグラフ
ィ技術に限ることなく、g線、i線、或いはKrF、A
rF、F2等のエキシマレーザおよびランプ光源をはじ
めとする他の波長領域の光源を利用したパターン転写技
術にも適用できることは言うまでもない。特にハーフト
ーン位相シフト効果を利用したパターン転写技術には極
めて有効である。
るパターン転写を例示したが、本発明はX線リソグラフ
ィ技術に限ることなく、g線、i線、或いはKrF、A
rF、F2等のエキシマレーザおよびランプ光源をはじ
めとする他の波長領域の光源を利用したパターン転写技
術にも適用できることは言うまでもない。特にハーフト
ーン位相シフト効果を利用したパターン転写技術には極
めて有効である。
【図1】本発明(第1の実施形態)のX線露光マスクを
示す断面図。
示す断面図。
【図2】本発明(第1の実施形態)のX線露光マスクの
製作工程を示す断面図。
製作工程を示す断面図。
【図3】図2に続く本発明(第1の実施形態)のX線露
光マスクの製作工程を示す断面図。
光マスクの製作工程を示す断面図。
【図4】図3に続く本発明(第1の実施形態)のX線露
光マスクの製作工程を示す断面図。
光マスクの製作工程を示す断面図。
【図5】本発明(実施例1)の光露光マスクを示す図。
【図6】半導体デバイス生産のフローを示す図。
【図7】等倍X線リソグラフィ露光を示す図。
1 成膜基板(Si) 2 X線透過性薄膜(メンブレン膜)(SiC) 2´ 露光光に対して透過性の高い膜(石英) 3 反射防止膜兼エッチングストッパ(Al2O3) 4 透過膜,パターニング層(SiO2) 5 吸収体第一の物質 6 吸収体第二の物質 7 フレーム 8 開口領域 9 レジスト(EB露光用) 10 レジスト(レジストエッチバック) 11 従来型のX線露光マスク 12 マスクとウェハのギャップ長 13 転写基板 14 レジスト(感光膜) 15 X線
Claims (5)
- 【請求項1】 露光光に対して透過性の高い膜、或いは
反射防止膜、或いはエッチングストッパ膜上に吸収体か
らなる吸収体パターン、及びこの吸収体パターンとは異
なる透過膜パターンとが形成されたマスク部と、このマ
スク部を支持する支持体とを備え、前記吸収体パターン
は、第1の吸収体物質から成る膜と、露光光に対する吸
収が前記第1の吸収体物質よりも大きい第2の吸収体物
質から成る膜とを含むことを特徴とする露光マスク。 - 【請求項2】 前記マスク部に入射する光の最大光強度
から1/10以上の強度を持つ波長域を露光波長域とす
るとき、前記第1の吸収体物質として、該露光波長域の
波長に対する最大および最小位相シフト量の該露光波長
域内の平均位相シフト量から変位する割合が、前記第2
の吸収体物質に比べて小さい物質が用いられたことを特
徴とする請求項1記載の露光マスク。 - 【請求項3】 請求項1記載の露光マスクを用いて、被
加工基板上に当該露光マスクのパターンを転写すること
を特徴とする露光方法。 - 【請求項4】 露光光に対して透過性の高い膜、或いは
反射防止膜、或いはエッチングストッパ膜上に吸収体か
らなるパターンおよび前記吸収体パターンとは異なる透
過膜パターンが形成されたマスク部と、このマスク部を
支持する支持体とを備えた露光用マスクの製造方法であ
って、前記透過膜パターンを形成した後、該透過膜パタ
ーン上に前記吸収体の第1の物質から成る膜を形成し、
引き続き、前記吸収体の第2の物質から成る膜を形成す
ることを特徴とする露光マスクの製造方法。 - 【請求項5】 前記吸収体の第2の物質として、露光光
に対する吸収が前記吸収体の第1の物質よりも大きいこ
とを特徴とする請求項4記載の露光マスクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20148799A JP2001028330A (ja) | 1999-07-15 | 1999-07-15 | 露光マスク、露光方法、及び露光マスクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20148799A JP2001028330A (ja) | 1999-07-15 | 1999-07-15 | 露光マスク、露光方法、及び露光マスクの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001028330A true JP2001028330A (ja) | 2001-01-30 |
Family
ID=16441884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20148799A Pending JP2001028330A (ja) | 1999-07-15 | 1999-07-15 | 露光マスク、露光方法、及び露光マスクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001028330A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002296756A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Hoya Corp | ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク |
JP2013079432A (ja) * | 2011-10-05 | 2013-05-02 | Ulvac Japan Ltd | タングステン遮光膜の製造方法、タングステン遮光膜 |
-
1999
- 1999-07-15 JP JP20148799A patent/JP2001028330A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002296756A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Hoya Corp | ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク |
JP2013079432A (ja) * | 2011-10-05 | 2013-05-02 | Ulvac Japan Ltd | タングステン遮光膜の製造方法、タングステン遮光膜 |
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