JP3354535B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3354535B2 JP33208599A JP33208599A JP3354535B2 JP 3354535 B2 JP3354535 B2 JP 3354535B2 JP 33208599 A JP33208599 A JP 33208599A JP 33208599 A JP33208599 A JP 33208599A JP 3354535 B2 JP3354535 B2 JP 3354535B2
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相補型半導体装置
の微細化を進める過程で複雑化する製造プロセスを簡略
化するとともに、高性能動作を安定して実現する半導体
装置を形成できる、半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超集積回路装置(VLSI)において、
高性能なトランジスタ特性を安定して実現できるCMO
S技術の実現が要求されている。しかし、装置の微細化
や製造プロセスの実施温度の低下に伴って、ウェルや埋
め込み層の形成時に実施される高エネルギーイオン注入
をはじめとしたイオン注入工程によって半導体基板の内
部に多量に発生する点欠陥、すなわち空孔及び格子間原
子(例えば格子間シリコン)が、その後に行われる熱処
理工程においてしきい値電圧制御のためのチャネル不純
物の増速拡散を引き起こし、不純物の再分布に好ましく
ない影響が及ぼされることがある。具体的には、しきい
値電圧の変動、低しきい値電圧設定時における短チャネ
ル効果の増大、接合容量の増大、基板表面でのキャリア
の移動度の劣化、或いはそれらに伴う動作性能の劣化な
どの好ましくない問題が生じる。
【0003】これらの好ましくない問題の解決のため
に、高エネルギーイオンの注入によって発生した点欠陥
を拡散或いは消滅させるための熱処理工程の付加や、し
きい値電圧制御のために使用されるドーパントをインジ
ウムやアンチモンなどの極めて拡散し難い原子に変更す
る製造プロセスが、提案されている。
【0004】以下には、提案されている各種の製造プロ
セスの概略を説明するとともに、それぞれに関連する問
題点を説明する。
【0005】浅いトレンチ分離を有する埋め込みチャネ
ル型p−MOSFETにおいて、高エネルギーイオン注
入によるウェル形成後の熱処理工程の実施の有無によっ
てしきい値電圧のチャネル幅への依存性が変化すること
が、IEEE ED-L, Vol.15, No.12, Dec. 1994において、
J.A.Mandelmanらによって開示されている。具体的に
は、上記文献では、トレンチ分離を有する埋め込みチャ
ネル型p−MOSFETにおいて、トレンチ側壁の酸化
膜近傍で、ウェル形成のための高エネルギーイオン注入
時に発生した格子間シリコンの濃度勾配が生じる結果と
して、しきい値電圧制御用の不純物層を形成するボロン
の拡散がチャネル中心に比べて酸化膜側壁の近傍で抑制
され、分離側壁の近傍でボロン濃度が局部的に増加し
て、チャネル幅の減少に伴ってしきい値が減少する逆ナ
ロー効果が生じることが、報告されている。その上で、
上記の現象に関連する問題点を克服するための製造プロ
セスが、提案されている。
【0006】具体的には、半導体基板上にトレンチ絶縁
分離層を形成し、次に第1導電型のイオンを高エネルギ
ーで(例えば、リンイオンを加速電圧500keV及び
ドーズ量2.5×1012cm-2で)半導体基板に注入す
ることによって、nウェルを形成する。続いて、高エネ
ルギーイオン注入によって発生した点欠陥を拡散させる
ために、温度800℃で60分間の熱処理を行う。それ
によって点欠陥が均等に分布した半導体基板に、今度は
第2導電型のイオンを低エネルギーで注入して、しきい
値電圧制御のためのチャネル不純物分布を形成する。そ
の後は、一般的なMOSFETの形成プロセスと同様
に、ゲートの形成及びそれをマスクとして使用するソー
ス/ドレインの形成を行う。これによって、異常狭チャ
ネル効果を抑制する。
【0007】一方、IEEE ED-L, Vol.14, No.8, August
1993, pp.409-411において、G.C.Shahidiらは、しきい
値電圧制御のためのドーパントとして、190keVの
加速エネルギーで注入されたインジウムを使用する製造
プロセスを提案している。インジウムは、極めて拡散し
難く、イオン注入工程の前後に行われる工程の内容に係
わらず、注入直後のリトログレードな形状を保った表面
チャネル不純物分布を形成する。このために、低しきい
値電圧設定時においても、短チャネル効果を抑制するこ
とができる。
【0008】しかし、以上のように提案されている従来
技術の方法は、ウェル形成のための高エネルギーイオン
注入による点欠陥に関連して上述した問題点の解決のた
めには、十分に効果的ではない。
【0009】第1の製造プロセスは、確かに、埋め込み
チャネルの分離側壁の近傍におけるボロン濃度の局部的
な増加を抑制するためには、効果的である。しかし、半
導体装置の高密度化や安定動作の実現への要求が高まる
につれて製造プロセスの簡素化や製造コストの低減が要
求されていることを考慮すると、提案されている改変は
好ましいものではない。
【0010】具体的には、上記の文献で提案されている
プロセスでは、イオン注入工程によってウェルを形成し
た後に格子間シリコンを拡散させるための熱処理工程を
実施し、さらにその後にしきい値電圧制御のためのイオ
ン注入工程を行う。しかし、そのようなプロセスフロー
の実現のためには、ウェル形成のための注入工程で使用
したマスクを除去して熱処理を実施し、さらにその後
に、p−MOSFET及びn−MOSFETのそれぞれ
のしきい値電圧制御のための注入工程を、新たに形成し
た別のマスクを使用して行う必要がある。そのため、実
際には、ウェル形成のための注入工程、格子間シリコン
を拡散させるための熱処理工程、及びp−MOSFET
及びn−MOSFETのそれぞれに対するしきい値電圧
制御のための注入工程の実施に関連して、マスク堆積、
リソグラフィー、及びマスク除去の各工程を計4回ずつ
行う必要が生じる。
【0011】さらに、上述の方法は、埋め込みチャネル
の分離側壁の近傍におけるボロン濃度の局部的な増加を
抑制するためには効果的であるが、しきい値電圧制御の
ための表面チャネル不純物分布のリトログレードな形状
の保持という観点では、十分に満足できる結果がもたら
されない。
【0012】具体的には、上述の方法では、確かに高エ
ネルギーイオン注入時に発生した点欠陥を半導体基板中
に均等に分布させることができるが、実際には、しきい
値電圧制御のためのイオン注入工程時にも点欠陥が発生
して、表面チャネル不純物の増速拡散が生じる。しか
し、上記の方法では、そのようにして生じる不純物の増
速拡散を抑制することができない。
【0013】さらに、分単位の長さの熱処理工程を行う
と、特にその昇温過程で、半導体基板の内部の不純物、
例えばチャネル不純物が、大きく拡散する。このため
に、チャネル不純物分布において、半導体基板の表面及
び深部での濃度が増加して、リトログレードな形状の維
持が困難になる。
【0014】一方、ドーパントとしてのインジウムの使
用に関連して、インジウムイオンの注入後の不純物分布
は、そのテール部が半導体基板の深部に広がる。このた
めに、インジウムイオン注入後の半導体深部における不
純物濃度は、BF2イオンを半分の加速エネルギーで注
入したときよりも高くなる。この結果、ソース/ドレイ
ン領域と基板との間の接合容量が増加して、MOSFE
Tの高性能化の大きな障害になる。また、インジウム
は、拡散係数は小さいものの、点欠陥による増速拡散の
影響をボロンと同様に受ける。加えて、インジウムイオ
ンの活性化は容易ではなく、またボロンに比べて注入工
程の取り扱いが容易ではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】これより、本発明は、
ウェル内の不純物の再分布を抑制しながら、ウェル形成
時に発生した格子間シリコンがその後の熱処理工程に起
因してしきい値電圧制御に好ましくない影響を及ぼすこ
とを抑制し、ウェル形成のための注入工程としきい値電
圧制御のための注入工程とをn−MOSFET及びp−
MOSFETのそれぞれで同一のマスクを用いて実施す
ることでプロセスの簡略化を実現することができる、半
導体装置の製造方法を提供することを、目的とする。
【0016】さらに、本発明によれば、埋め込みチャネ
ル型MOSFETに関しては、しきい値電圧制御用の不
純物拡散領域を浅く形成できるので、オフリーク電流や
しきい値電圧のばらつきを抑制して、高駆動力を実現す
ることができる。一方、表面チャネル型MOSFETに
関しては、しきい値電圧制御用の不純物がリトログレー
ドな分布形状を保つので、接合容量の増加を抑制しなが
ら短チャネル効果の発生を抑制して、高駆動力を実現す
ることができる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、ウェル或いは埋め込み層を形成するための高
エネルギーのイオン注入工程としきい値制御のための不
純物拡散層の形成のためのイオン注入工程とを連続的に
行う工程と、その後に、該イオン注入によって発生した
結晶欠陥の回復のためのRTA処理を行う工程と、該R
TA処理工程の後に、ゲート酸化膜を形成する工程と、
を包含し、該ウェル或いは埋め込み層の形成のための高
エネルギーのイオン注入工程と該不純物拡散層の形成の
ためのイオン注入工程との間に熱処理を実施せず、該R
TA処理の処理条件は、該結晶欠陥の原因となる格子間
原子は拡散させるが、該不純物拡散層の不純物は拡散さ
せないように設定されている。
【0018】また、本発明の半導体装置の製造方法は、
ウェル或いは埋め込み層を形成するための高エネルギー
のイオン注入工程としきい値制御のための不純物拡散層
の形成のためのイオン注入工程とを連続的に行う工程
と、その後に、該イオン注入によって発生した結晶欠陥
の回復のためのRTA処理を行う工程と、該RTA処理
工程の後に、ゲート酸化膜を形成する工程と、を包含
し、該ウェル或いは埋め込み層の形成のための高エネル
ギーのイオン注入工程と該不純物拡散層の形成のための
イオン注入工程との間に熱処理を実施せず、該RTA処
理は、900℃〜1100℃の温度範囲で、秒単位で実
施される。
【0019】好ましくは、形成される半導体装置が表面
チャネル型電界効果トランジスタであり、前記しきい値
電圧制御のための不純物拡散層を形成する前記イオン注
入工程で使用されるイオン種はボロンであり、該イオン
注入工程では、注入されたボロンの濃度プロファイル
が、基板の表面近傍では低レベルに維持され、該基板の
深部においてピークを有し、且つ形成されるソース/ド
レイン領域と該基板との接合領域では低レベルに維持さ
れるように、ボロンのイオン注入処理を実施する。
【0020】また、好ましくは、形成される半導体装置
が埋め込みチャネル型電界効果トランジスタであり、前
記しきい値電圧制御のための不純物拡散層を形成する前
記イオン注入工程で使用されるイオン種はボロンであ
る。
【0021】また、好ましくは、基板の表面近傍におけ
る不純物濃度が2×1017cm-3以下である。
【0022】また、好ましくは、前記RTA工程の昇温
レートが50℃/秒〜400℃/秒の範囲にある。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【発明の実施の形態】まず、この発明をなすに至った経
緯について説明する。
【0035】CMOSの形成にあたり、高エネルギー注
入により、p型ウェル及びn型ウェルが形成される。す
でに述べたように、従来技術では、高エネルギーイオン
注入の後に、熱処理によって、注入で発生した欠陥の回
復を行っていた。しかし、このような従来技術の方法で
は、その後に、さらにp型ウェル及びn型ウェルのしき
い値電圧制御のためのイオン注入を行うので、p型ウェ
ルを形成するためのマスク、n型ウェルを形成するため
のマスク、p型ウェルへのしきい値制御のためのイオン
注入用のマスク、及びn型ウェルへのしきい値制御のた
めのイオン注入用のマスクの合計4枚のマスクが必要で
あった。
【0036】そこで、本願発明者らは、工程数を削減し
て低コスト化を図るために、ウェル形成のマスクとしき
い値制御用のイオン注入用のマスクとを兼用することを
考えた。この方法によると、ウェルの形成時に、同時に
しきい値制御のためのイオン注入を行うことができるの
で、マスク数を半分にして、工程数を削減することがで
きる。具体的には、p型ウェル形成のためのマスクで、
p型ウェルを形成するとともに、p型ウェルに形成する
n−MOSFETのしきい値制御のためのイオン注入を
行う。同様に、n型ウェル形成のためのマスクで、n型
ウェルを形成するとともに、n型ウェルに形成するn−
MOSFETのしきい値制御のためのイオン注入を行
う。この後に、n−MOSFET及びp−MOSFET
となるゲート酸化膜を形成する。
【0037】ゲート酸化膜の形成のための熱処理の形成
は約850℃であり、半導体プロセスにおいては、比較
的に低温の熱処理である。しかし、本願発明者らの検討
によれば、しきい値制御用の不純物拡散層が、原子の固
有の拡散係数以上に異常拡散することがわかった。本願
発明者らは、上記の現象の原因が、高エネルギーイオン
注入による点欠陥ではないかと考えた。すなわち、この
点欠陥が原因となって、低温(約850℃)での熱処理
であるにもかかわらず、約1000℃での高温熱処理と
同程度の拡散が生じるのではないかと考えたのである。
【0038】そこで、この異常拡散を抑制するために、
本願発明では、しきい値制御のためのイオン注入後に高
温短時間熱処理(RTA)を行って、ゲート酸化膜工程
での異常拡散を防止する。すなわち、ゲート酸化膜工程
を最初の熱処理工程にするのではなく、その前に熱処理
工程を実施することで、それ以前に発生して蓄積されて
いる点欠陥を回復する。本発明によれば、このような手
法によって異常拡散を防止して、MOSFETの微細化
を実現することができる。
【0039】本発明の具体的な実施形態を説明する前
に、まず、本発明の大きな特徴の一つであるしきい値電
圧(Vt)と高温短時間熱処理(以下では、「RTA」
と称する)との関係を、図1A〜図6及び図15〜図1
7を参照して説明する。
【0040】半導体製造工程では、イオン注入時に、半
導体基板の内部に結晶欠陥、具体的には空孔或いは格子
間シリコンが発生する。半導体基板内の不純物は650
℃以上の高温で拡散するが、その際に、上述のような空
孔や格子間原子(例えば格子間シリコン)が不純物の拡
散を増速させる。そこで本発明では、不純物の好ましく
ない拡散を抑制しながら、イオン注入時に発生した空孔
や格子間シリコンを拡散或いは消滅させて、しきい値電
圧制御のための不純物濃度が、表面における濃度と基板
深部にあるピーク値との間の差(基板深部のピーク値の
ほうが大きい)を保ったリトログレードな分布形状を維
持できる製造プロセスを提案する。
【0041】対比のために、まず、従来技術における一
般的な製造プロセスを図1A〜図1Cを参照して説明す
る。
【0042】まず、図1Aに示すように、p型低濃度基
板1に、イオン注入のための保護酸化膜2を介してBF
2イオンを加速電圧100keV且つドーズ量4.0×
101 2cm-2で注入して、しきい値電圧制御用の不純物
拡散層4を形成する。次に、図1Bに示すように保護酸
化膜を除去して、さらに図1Cに示すように、温度85
0℃で30分間の熱酸化工程によってゲート酸化膜7を
形成する。
【0043】一方、先に述べたように、リトログレード
なチャネル不純物分布を保つために、拡散係数が極めて
低いインジウムをしきい値電圧制御用の不純物として使
用することがある。インジウムは、イオン注入時に発生
した空孔及び格子間シリコンによる増速拡散の影響を受
ける。但し、その拡散係数は小さい。しかし、図2に示
すSIMS分析の実測データに示されるように、ボロン
イオン(BF2 +)の注入時に比べてインジウムイオン
(In+)の注入時には、注入されたイオンの分布のテ
ール部が拡大する。そのため、ソース/ドレイン領域と
基板との間の接合容量が増大する。また、インジウムは
取り扱い難い原子であり、さらに、DRAMなどのメモ
リLSIに使用するとポーズ時間劣化などの好ましくな
い影響が生じる。
【0044】そこで、本発明では、図3A〜図3Dを参
照して以下に説明するような製造プロセスを実施する。
【0045】具体的には、まず図3Aに示すように、p
型低濃度基板1に、イオン注入のための保護酸化膜2を
介してBF2イオンを加速電圧100keV且つドーズ
量4.0×1012cm-2で注入して、しきい値電圧制御
用の不純物拡散層4を形成する。次に、図3Bの段階
で、温度1000℃で10秒間のRTA処理を行って、
上記のイオン注入時に発生した格子間シリコンを拡散さ
せる。その後に、図3Cに示すように保護酸化膜を除去
し、さらに図3Dに示すように、温度850℃で30分
間の熱酸化工程によってゲート酸化膜7を形成する。
【0046】ここで、上記のRTA処理は、一般に行わ
れる不純物活性化のための熱処理よりも高い温度で、し
かしその代わりにより短い時間だけ、実施される。これ
によって、注入された不純物の拡散は生じさせずに、格
子間原子(例えば格子間シリコン)を拡散させる。具体
的には、例えば、本発明におけるRTA熱処理は、約9
00℃〜約1100℃の温度範囲で、約10秒間に渡っ
て実施される。RTA処理の温度が約900℃よりも低
いと、点欠陥(空孔や格子間シリコン)が残存する可能
性がある。一方、RTA処理の温度が約1100℃より
も高いと、アニーリング効果による注入した不純物の拡
散が生じ得るので、好ましくない。
【0047】また、その昇温レートは、約50℃/秒〜
約400℃/秒の範囲に設定されることが望ましい。昇
温レートが約400℃/秒以上であると、基板自身に瞬
時に熱歪みによる損傷が発生する。一方、昇温レートが
約50℃/秒以下であると、不純物の拡散が生じてしま
うので好ましくない。不純物の拡散を生じさせずに点欠
陥を解消するためには、上記の範囲が好ましい。
【0048】さらに好ましくは、昇温レートは約75℃
/秒〜約100℃/秒の範囲に設定される。
【0049】図4A及び図4Bは、図1A〜図1Cを参
照して説明したRTA処理を実施しない従来の製造プロ
セス(「RTAなし」と表示)、及び図3A〜図3Dを
参照して説明したRTA処理を伴う本発明による製造プ
ロセス(「RTAあり」と表示)のそれぞれにおいて得
られる、不純物分布のSIMSによる実測データであ
る。図4Aは、表面から深さ1.5μmまでの範囲のS
IMSプロファイルであり、図4Bは、図4Aのうちで
表面から0.3μm迄の範囲を拡大して示している。図
4A及び図4BのSIMSプロファイルの測定にあたっ
ては、しきい値電圧制御用の不純物イオンの注入と同時
に加速電圧300keV及びドーズ量1.0×1013
-2でボロンを注入して、リトログレードなpウェルを
形成している。
【0050】本発明に従ってしきい値電圧制御のための
イオン注入後にRTA処理を行うことによって、従来技
術では約2.0×1017cm-3であった表面近傍での不
純物濃度が約1×1017cm-3に抑制され、且つ、基板
内部への深い拡散が抑制されたリトログレードなチャネ
ル分布が形成されている。これは、本発明では、しきい
値電圧制御用の不純物イオン注入後にRTA処理を行う
ことによって、ウェル形成のための高エネルギーイオン
注入時に発生した空孔及び格子間シリコン加えて、しき
い値電圧制御用の不純物イオン注入時に発生した空孔及
び格子間シリコンを短時間で拡散或いは消滅させて、後
者に起因するチャネル不純物分布の増速拡散を抑制して
いるからである。この手法をさらに最適化することによ
って、1.0×1017cm-3以下の表面不純物濃度を達
成することができる。
【0051】従来の製造プロセスでは、ウェル注入時に
発生する空孔及び格子間シリコンはウェルドライブイン
工程などによって消去させていたが、これだけでは、し
きい値電圧制御用の不純物イオン注入時に発生する空孔
及び格子間シリコンによる増速拡散を抑制できない。そ
れに対して、本発明によるしきい値電圧制御用の不純物
イオン注入後の秒単位のRTA処理によれば、しきい値
電圧制御用の不純物(例えばボロン)の拡散を抑制し
て、ウェル形成用及びしきい値電圧制御用のそれぞれの
注入工程で発生した空孔及び格子間シリコンを、一度に
拡散或いは消滅させることができる。これより、ウェル
形成用及びしきい値電圧制御用のそれぞれの目的の不純
物を同一マスクで連続注入することが可能になり、マス
ク数の削減、さらには製造コストの削減を実現すること
が可能になる。
【0052】なお、上記の「連続注入」とは、同一のマ
スクを用いて不純物イオンを注入することを意味し、必
ずしも、2つの注入工程が厳密に時間的に連続している
必要はない。例えば、チャネルストップ層の形成やパン
チスルーストップ層の形成工程を、2つの注入工程の間
に実施してもよい。或いは、2つの注入工程の実施順序
を上記とは逆にしても、同様の効果を得ることができ
る。
【0053】また、しきい値電圧制御のための不純物注
入工程後のRTA処理の実施時に、例えば温度1000
℃で1分以内の酸化工程によって、ゲート酸化膜を同時
に形成することもできる。これは、RTAとゲート酸化
膜形成工程との2工程を、高温短時間熱酸化(RTO)
処理と称される一つの工程に置き換えることを意味し、
製造プロセスのさらなる簡略化が達成される。このRT
O処理は、窒化酸化膜形成時における窒化処理前のゲー
ト酸化膜形成工程にも、効果的に適用することができ
る。
【0054】次に、上述のような本発明の製造プロセス
が、それによって形成される半導体装置の動作特性に及
ぼす効果を、図5及び図6に示すプロセス/デバイスシ
ミュレーションの結果を参照して説明する。
【0055】図5は、図1A〜図1Cを参照して説明し
たRTA処理を伴わない従来の製造プロセス(「RTA
なし」と表示)、及び図3A〜図3Dを参照して説明し
たRTA処理を伴う本発明の製造プロセス(「RTAあ
り」と表示)のそれぞれにおける、ゲート長としきい値
電圧との関係を示すグラフであり、短チャネル効果の影
響を示すものである。
【0056】図5より、ゲート長が短い場合の両プロセ
ス間の差は小さいが、特にゲート長が長い場合におい
て、ゲート酸化膜の形成前にRTA処理を行う本発明の
製造プロセスによる半導体装置のほうが、RTA処理を
行わずに形成される従来の半導体装置よりも、低いしき
い値電圧を示す。これより、本発明の製造プロセスによ
って形成されるリトログレードなチャネル不純物分布
は、しきい値電圧の低減に伴う短チャネル効果の抑制
に、大きな効果を発揮する。これは、しきい値電圧制御
のために注入された不純物の拡散が抑制されて、不純物
のピーク濃度が高くなり、ソース/ドレイン領域からの
空乏層の延びが抑制されるためである。
【0057】図6は、n−MOSFETにおけるドレイ
ン−基板間の接合容量とドレイン電圧との関係を、従来
の製造プロセス(「RTAなし」と表示)及び本発明の
製造プロセス(「RTAあり」と表示)のそれぞれにつ
いて示す。
【0058】これより、本発明によって形成されるn−
MOSFETのほうが、接合容量は約10%小さいこと
がわかる。これは、本発明に従って形成された半導体装
置では、しきい値電圧制御のために注入された不純物の
拡散が抑制されることによって、ソース/ドレイン領域
と基板との間の接合部に位置する不純物分布のテール部
の濃度が低くなっているためである。
【0059】また、基板表面での不純物濃度が高いと表
面散乱の効果によって飽和電流値が下がるが、本発明に
従ってRTA処理を行えば、しきい値電圧制御のために
注入された不純物の拡散が抑制されて基板表面での不純
物濃度を下げることができるので、飽和電流値を増大さ
せることができる。
【0060】以上のように、本発明の半導体製造プロセ
スによれば、RTA処理の実施によってしきい値電圧制
御のために注入された不純物の拡散を抑制することによ
り、特にしきい値電圧が低く設定されている場合におけ
る短チャネル効果の悪影響を抑制するとともに、ソース
/ドレイン領域と基板との間の接合容量が低減され、さ
らには飽和電流値が増大される。この結果、形成される
半導体装置の動作の安定化や高速化が実現される。
【0061】さらに、本発明の効果を、具体的な実測デ
ータを参照してさらに説明する。
【0062】図15は、本発明の製造プロセス(RTA
あり)及び従来技術の製造プロセス(RTAなし)のそ
れぞれに従って形成された半導体装置における、チャネ
ル長Lgとしきい値電圧Vtsとの関係を示す実測データ
である。図16は、本発明の製造プロセス(RTAあ
り)及び従来技術の製造プロセス(RTAなし)のそれ
ぞれに従って形成された半導体装置における、チャネル
長Lgと単位ゲート幅あたりの飽和電流Idsatとの関
係を示す実測データである。さらに、図17は、本発明
の製造プロセス(RTAあり)及び従来技術の製造プロ
セス(RTAなし)のそれぞれに従って形成された半導
体装置における、チャネル長Lgと単位ゲート幅あたり
のトランスコンダクタンスGmとの関係を示す実測デー
タである。
【0063】図15のグラフから明らかなように、本発
明によれば従来技術に比べて、ゲート長が短くなっても
しきい値電圧の減少分が小さく、短チャネル効果に対す
る耐性が向上していることがわかる。また、図16よ
り、本発明によれば従来技術に比べて、飽和電流値が約
10%〜約15%向上しており、駆動力が大きく動作速
度が速い半導体装置が得られることがわかる。さらに、
図17から、本発明によれば従来技術に比べて、トラン
スコンダクタンスが約10%向上しており、駆動力が向
上していることがわかる。
【0064】以下に、添付の図面を参照しながら、上記
のような特徴を有する本発明の半導体装置の製造方法に
関して、幾つかの実施形態を説明する。
【0065】(第1の実施形態)図7A〜図7Iは、本
発明の第1の実施形態に従った半導体装置の製造方法に
おける、各プロセスステップを示す断面図である。
【0066】まず、図7Aに示すように、p型低濃度基
板1を熱酸化して、イオン注入のための保護酸化膜2を
形成する。なお、図中で、参照番号50は、素子分離の
ための絶縁分離領域を示す。
【0067】次に、図7Bに示すように、保護酸化膜2
の上に選択的にマスク51を形成し、それを利用してボ
ロンを加速電圧400keV且つドーズ量4.4×10
12cm-2で注入し、リトログレードなp型ウェル3を形
成する。さらに、同じマスク51を使用して、チャネル
ストップ層を形成するためのボロンを、加速電圧160
keV且つドーズ量6.0×1012cm-2で注入し、ま
たしきい値電圧制御のための不純物拡散層4を形成する
ためのボロンを、加速電圧30keV且つドーズ量4.
7×1012cm-2で注入する。
【0068】なお、チャネルストップ層は、異なる導電
型のウェルの間に形成され、素子分離のための絶縁分離
領域の下に形成される。但し、簡単のために、図中には
示していない。この点は、以下の各実施形態において
も、同様である。
【0069】次に、マスク51を除去し、図7Cに示す
ように、新たなマスク52を保護酸化膜2の上に選択的
に形成する。マスク52は、マスク51によって覆われ
ていなかった箇所を覆うように、パターニングされてい
る。そして、マスク52を利用してリンを加速電圧70
0keV且つドーズ量1.0×1013cm-2で注入し、
リトログレードなn型ウェル5を形成する。さらに、同
じマスク52を使用して、パンチスルーストップ層を形
成するためのリンを、加速電圧160keV且つドーズ
量6.0×1012cm-2で注入し、またしきい値電圧制
御のための不純物拡散層6を形成するためのBF2を、
加速電圧70keV且つドーズ量6.6×1012cm-2
で注入する。これによって、埋め込み型チャネルが形成
される。或いは、表面型チャネルを形成する場合には、
しきい値電圧制御のための不純物拡散層6は、リンを加
速電圧40keV且つドーズ量3.0×1012cm-2
注入することによって形成する。
【0070】次に、図7Dに示すようにマスク52を除
去し、温度1000℃で10秒間の熱処理(RTA処
理)を行って、上記のイオン注入時に発生した格子間シ
リコン及び空孔などの点欠陥を拡散させる。さらに、図
7Eに示すように保護酸化膜2を除去した後に、図7F
に示すように、ゲート酸化膜7を温度850℃で30分
間の熱処理によって形成する。このようなゲート酸化膜
7の形成のための熱処理を行っても、上述のRTA処理
によって点欠陥は解消しているので、点欠陥が原因とな
る異常拡散が抑制され、不純物拡散層4及び6のリトロ
グレードな不純物濃度分布が維持される。また、ゲート
酸化膜7の形成前にRTA処理を行っているので、基板
表面近傍での欠陥がなくなり、良好な膜質を有するゲー
ト酸化膜7が形成される。
【0071】さらに、図7Gに示すように、ゲート酸化
膜7の上に選択的にゲート電極8を形成する。次に、図
7Hに示すように、n型ウェル5を覆うマスク53を形
成し、ゲート電極8及びマスク53を利用して砒素を加
速電圧50keV且つドーズ量2.0×1015cm-2
注入し、n−MOSFETのソース/ドレイン領域9を
形成する。さらに、マスク53を除去した後に、図7I
に示すように、p型ウェル3を覆うマスク54を形成
し、ゲート電極8及びマスク54を利用してBF 2を加
速電圧30keV且つドーズ量2.0×1015cm-2
注入し、p−MOSFETのソース/ドレイン領域10
を形成する。
【0072】その後に、RTA処理(例えば、温度約1
000℃で約10秒間)によって、ソース/ドレイン領
域における点欠陥を解消し、ソース/ドレイン領域を活
性化する。ここで実施される熱処理もRTA熱処理であ
り、拡散によるソース/ドレイン領域の拡大が抑制でき
るので、形成されるMOSFETの微細化を達成するこ
とができる。
【0073】以上のように、本発明の半導体装置の製造
方法においては、埋め込みチャネル型p−MOSFET
を形成するためには、しきい値電圧制御のための不純物
拡散層6をBF2の注入によって形成し、表面チャネル
型p−MOSFETを形成するためには、しきい値電圧
制御のための不純物拡散層6をリンの注入によって形成
する。一方、n−MOSFETは、ボロンの注入により
表面チャネル型となる。
【0074】(第2の実施形態)図8A〜図8Iは、本
発明の第2の実施形態に従った半導体装置の製造方法に
おける、各プロセスステップを示す断面図である。
【0075】まず、図8Aに示すように、p型低濃度基
板1を熱酸化して、イオン注入のための保護酸化膜2を
形成する。なお、図中で、参照番号50は、素子分離の
ための絶縁分離領域を示す。
【0076】次に、図8Bに示すように、保護酸化膜2
の上に選択的にマスク61を形成し、それを利用してリ
ンを加速電圧400keV且つドーズ量1.0×1013
cm -2で注入し、リトログレードなn型ウェル5を形成
する。さらに、同じマスク61を使用して、パンチスル
ーストップ層を形成するためのリンを、加速電圧160
keV且つドーズ量6.0×1012cm-2で注入し、ま
たしきい値電圧制御のための不純物拡散層6を形成する
ためのBF2を、加速電圧70keV且つドーズ量6.
6×1012cm-2で注入する。これによって、埋め込み
型チャネルが形成される。或いは、表面型チャネルを形
成する場合には、しきい値電圧制御のための不純物拡散
層6は、リンを加速電圧40keV且つドーズ量3.0
×1012cm-2で注入することによって形成する。
【0077】次に、マスク61を除去し、図8Cに示す
ように、ボロンを加速電圧600keV且つドーズ量
4.4×1012cm-2でn型ウェル5を含めて全面に注
入し、リトログレードなp型ウェル3を形成する。この
ような高エネルギー注入によって、基板深部に不純物濃
度のピークを有するp型ウェル3が形成される。このp
型ウェル3は、n型ウェル5を取り囲むように形成さ
れ、ラッチアップ耐性に優れた構造となっている。ま
た、この場合には、n型ウェル5を覆うマスクを形成す
る必要が無く、第1の実施形態の場合に比べて、マスク
数を削減することができる。
【0078】さらに、チャネルストップ層を形成するた
めのボロンを、加速電圧160keV且つドーズ量6.
0×1012cm-2で注入し、またしきい値電圧制御のた
めの不純物拡散層4を形成するためのボロンを、加速電
圧30keV且つドーズ量4.7×1012cm-2で注入
する。
【0079】この注入工程では、ボロンは全面に注入さ
れる。埋め込み型チャネルを形成する場合には、しきい
値電圧制御のための不純物拡散層6の形成に際して、先
に注入されるBF2のドーズ量をあらかじめ少なく設定
しておき、このボロンの注入によって、しきい値電圧制
御のための不純物拡散層6の不純物濃度を、2回の注入
処理の足し合わせによって所定の値に設定する。一方、
表面型チャネルを形成する場合には、しきい値電圧制御
のための不純物拡散層6の形成に際して、先に注入され
るリンのドーズ量をあらかじめ多く設定しておき、この
ボロンの注入によって、しきい値電圧制御のための不純
物拡散層6の不純物濃度を、2回の注入処理の差し引き
によって所定の値に設定する。なお、不純物拡散層4に
関しては、1回の注入処理によって、所定の不純物濃度
に設定される。これらの点は、他の実施形態で同様の処
理を行う場合でも、同様である。
【0080】次に、図8Dに示す段階で、温度1000
℃で10秒間の熱処理(RTA処理)を行って、上記の
イオン注入時に発生した格子間シリコンや空孔などの点
欠陥を拡散させる。さらに、図8Eに示すように保護酸
化膜2を除去した後に、図8Fに示すように、ゲート酸
化膜7を温度850℃で30分間の熱処理によって形成
する。このようなゲート酸化膜7の形成のための熱処理
を行っても、上述のRTA処理によって点欠陥は解消し
ているので、点欠陥が原因となる異常拡散が抑制され、
不純物拡散層4及び6のリトログレードな不純物濃度分
布が維持される。また、ゲート酸化膜7の形成前にRT
A処理を行っているので、基板表面近傍での欠陥がなく
なり、良好な膜質を有するゲート酸化膜7が形成され
る。
【0081】さらに、図8Gに示すように、ゲート酸化
膜7の上に選択的にゲート電極8を形成する。次に、図
8Hに示すように、n型ウェル5を覆うマスク63を形
成し、ゲート電極8及びマスク63を利用して砒素を加
速電圧50keV且つドーズ量2.0×1015cm-2
注入し、n−MOSFETのソース/ドレイン領域9を
形成する。さらに、マスク63を除去した後に、図8I
に示すように、p型ウェル3のうちでn型ウェル5とオ
ーバラップしていない部分を覆うマスク64を形成し、
ゲート電極8及びマスク64を利用してBF2を加速電
圧30keV且つドーズ量2.0×1015cm-2で注入
し、p−MOSFETのソース/ドレイン領域10を形
成する。
【0082】その後に、RTA処理(例えば、温度約1
000℃で約10秒間)によって、ソース/ドレイン領
域における点欠陥を解消し、ソース/ドレイン領域を活
性化する。ここで実施される熱処理もRTA熱処理であ
り、拡散によるソース/ドレイン領域の拡大が抑制でき
るので、形成されるMOSFETの微細化を達成するこ
とができる。
【0083】以上のように、本発明の半導体装置の製造
方法においては、埋め込みチャネル型p−MOSFET
を形成するためには、しきい値電圧制御のための不純物
拡散層6をBF2の注入によって形成し、表面チャネル
型p−MOSFETを形成するためには、しきい値電圧
制御のための不純物拡散層6をリンの注入によって形成
する。一方、n−MOSFETは、ボロンの注入により
表面チャネル型となる。
【0084】(第3の実施形態)図9A〜図9Iは、本
発明の第3の実施形態に従った半導体装置の製造方法に
おける、各プロセスステップを示す断面図である。
【0085】まず、図9Aに示すように、p型低濃度基
板1を熱酸化して、イオン注入のための保護酸化膜2を
形成する。なお、図中で、参照番号50は、素子分離の
ための絶縁分離領域を示す。
【0086】次に、図9Bに示すように、保護酸化膜2
の上に選択的にマスク61を形成し、それを利用してリ
ンを加速電圧400keV且つドーズ量1.0×1013
cm -2で注入し、リトログレードなn型ウェル5を形成
する。さらに、同じマスク61を使用して、パンチスル
ーストップ層を形成するためのリンを、加速電圧160
keV且つドーズ量6.0×1012cm-2で注入し、ま
たしきい値電圧制御のための不純物拡散層6を形成する
ためのBF2を、加速電圧70keV且つドーズ量6.
6×1012cm-2で注入する。これによって、埋め込み
型チャネルが形成される。或いは、表面型チャネルを形
成する場合には、しきい値電圧制御のための不純物拡散
層6は、リンを加速電圧40keV且つドーズ量3.0
×1012cm-2で注入することによって形成する。
【0087】次に、マスク61をさらに使用して、図9
Cに示すように、ボロンを加速電圧700keV且つド
ーズ量4.4×1012cm-2で注入し、リトログレード
なp型ウェル3を形成する。このとき、マスク61によ
って覆われていない領域では、高エネルギーイオン注入
によって、p型ウェル3は、基板深部に不純物濃度のピ
ークを有するように形成される。一方、マスク61によ
って覆われている領域では、イオンがマスク61によっ
て減速された上で注入されるので、p型ウェル3は、よ
り浅い位置に形成される。このp型ウェル3は、n型ウ
ェル5を取り囲むように形成され、ラッチアップ耐性に
優れた構造となっている。
【0088】さらに、チャネルストップ層を形成するた
めのボロンを、加速電圧160keV且つドーズ量6.
0×1012cm-2で注入する。続いて、マスク61を除
去した後に、しきい値電圧制御のための不純物拡散層4
を形成するためのボロンを、加速電圧30keV且つド
ーズ量4.7×1012cm-2で注入する。
【0089】次に、図9Dに示す段階で、温度1000
℃で10秒間の熱処理(RTA処理)を行って、上記の
イオン注入時に発生した格子間シリコンや空孔などの点
欠陥を拡散させる。さらに、図9Eに示すように保護酸
化膜2を除去した後に、図9Fに示すように、ゲート酸
化膜7を温度850℃で30分間の熱処理によって形成
する。このようなゲート酸化膜7の形成のための熱処理
を行っても、上述のRTA処理によって点欠陥は解消し
ているので、点欠陥が原因となる異常拡散が抑制され、
不純物拡散層4及び6のリトログレードな不純物濃度分
布が維持される。また、ゲート酸化膜7の形成前にRT
A処理を行っているので、基板表面近傍での欠陥がなく
なり、良好な膜質を有するゲート酸化膜7が形成され
る。
【0090】さらに、図9Gに示すように、ゲート酸化
膜7の上に選択的にゲート電極8を形成する。次に、図
9Hに示すように、n型ウェル5を覆うマスク73を形
成し、ゲート電極8及びマスク73を利用して砒素を加
速電圧50keV且つドーズ量2.0×1015cm-2
注入し、n−MOSFETのソース/ドレイン領域9を
形成する。さらに、マスク73を除去した後に、図9I
に示すように、p型ウェル3のうちでn型ウェル5とオ
ーバラップしていない部分を覆うマスク74を形成し、
ゲート電極8及びマスク74を利用してBF2を加速電
圧30keV且つドーズ量2.0×1015cm-2で注入
し、p−MOSFETのソース/ドレイン領域10を形
成する。
【0091】その後に、RTA処理(例えば、温度約1
000℃で約10秒間)によって、ソース/ドレイン領
域における点欠陥を解消し、ソース/ドレイン領域を活
性化する。ここで実施される熱処理もRTA熱処理であ
り、拡散によるソース/ドレイン領域の拡大が抑制でき
るので、形成されるMOSFETの微細化を達成するこ
とができる。
【0092】以上のように、本発明の半導体装置の製造
方法においては、埋め込みチャネル型p−MOSFET
を形成するためには、しきい値電圧制御のための不純物
拡散層6をBF2の注入によって形成し、表面チャネル
型p−MOSFETを形成するためには、しきい値電圧
制御のための不純物拡散層6をリンの注入によって形成
する。一方、n−MOSFETは、ボロンの注入により
表面チャネル型となる。
【0093】(第4の実施形態)図10A〜図10I
は、本発明の第4の実施形態に従った半導体装置の製造
方法における、各プロセスステップを示す断面図であ
る。
【0094】まず、図10Aに示すように、p型低濃度
基板1を熱酸化して、イオン注入のための保護酸化膜2
を形成する。なお、図中で、参照番号50は、素子分離
のための絶縁分離領域を示す。
【0095】次に、図10Bに示すように、保護酸化膜
2の上に選択的に、例えば窒化シリコン膜からなる下段
マスク81、及び、例えばレジストからなる上段マスク
82からなる2層構造のマスク80を、形成する。そし
て、マスク80を利用してリンを加速電圧400keV
且つドーズ量1.0×1013cm-2で注入し、リトログ
レードなn型ウェル5を形成する。さらに、同じマスク
80を使用して、パンチスルーストップ層を形成するた
めのリンを、加速電圧160keV且つドーズ量6.0
×1012cm-2で注入し、またしきい値電圧制御のため
の不純物拡散層6を形成するためのBF2を、加速電圧
70keV且つドーズ量6.6×1012cm-2で注入す
る。これによって、埋め込み型チャネルが形成される。
或いは、表面型チャネルを形成する場合には、しきい値
電圧制御のための不純物拡散層6は、リンを加速電圧4
0keV且つドーズ量3.0×1012cm-2で注入する
ことによって形成する。
【0096】次に、マスク80のうちの上段マスク82
のみを除去し、図10Cに示すように、下段マスク81
のみを使用してボロンを加速電圧700keV且つドー
ズ量4.4×1012cm-2で注入し、リトログレードな
p型ウェル3を形成する。このとき、マスク81によっ
て覆われていない領域では、高エネルギーイオン注入に
よって、p型ウェル3は、基板深部に不純物濃度のピー
クを有するように形成される。一方、マスク81によっ
て覆われている領域では、イオンがマスク81によって
減速された上で注入されるので、p型ウェル3は、より
浅い位置に形成される。このp型ウェル3は、n型ウェ
ル5を取り囲むように形成され、ラッチアップ耐性に優
れた構造となっている。
【0097】さらに、チャネルストップ層を形成するた
めのボロンを、加速電圧160keV且つドーズ量6.
0×1012cm-2で注入する。その後に、下段マスク8
1を除去して、しきい値電圧制御のための不純物拡散層
4を形成するためのボロンを、加速電圧30keV且つ
ドーズ量4.7×1012cm-2で注入する。
【0098】次に、図10Dに示す段階で、温度100
0℃で10秒間の熱処理(RTA処理)を行って、上記
のイオン注入時に発生した格子間シリコンや空孔などの
点欠陥を拡散させる。さらに、図10Eに示すように保
護酸化膜2を除去した後に、図10Fに示すように、ゲ
ート酸化膜7を温度850℃で30分間の熱処理によっ
て形成する。このようなゲート酸化膜7の形成のための
熱処理を行っても、上述のRTA処理によって点欠陥は
解消しているので、点欠陥が原因となる異常拡散が抑制
され、不純物拡散層4及び6のリトログレードな不純物
濃度分布が維持される。また、ゲート酸化膜7の形成前
にRTA処理を行っているので、基板表面近傍での欠陥
がなくなり、良好な膜質を有するゲート酸化膜7が形成
される。
【0099】さらに、図10Gに示すように、ゲート酸
化膜7の上に選択的にゲート電極8を形成する。次に、
図10Hに示すように、n型ウェル5を覆うマスク83
を形成し、ゲート電極8及びマスク83を利用して砒素
を加速電圧50keV且つドーズ量2.0×1015cm
-2で注入し、n−MOSFETのソース/ドレイン領域
9を形成する。さらに、マスク83を除去した後に、図
10Iに示すように、p型ウェル3のうちでn型ウェル
5とオーバラップしていない部分を覆うマスク84を形
成し、ゲート電極8及びマスク84を利用してBF2
加速電圧30keV且つドーズ量2.0×1015cm-2
で注入し、p−MOSFETのソース/ドレイン領域1
0を形成する。
【0100】その後に、RTA処理(例えば、温度約1
000℃で約10秒間)によって、ソース/ドレイン領
域における点欠陥を解消し、ソース/ドレイン領域を活
性化する。ここで実施される熱処理もRTA熱処理であ
り、拡散によるソース/ドレイン領域の拡大が抑制でき
るので、形成されるMOSFETの微細化を達成するこ
とができる。
【0101】以上のように、本発明の半導体装置の製造
方法においては、埋め込みチャネル型p−MOSFET
を形成するためには、しきい値電圧制御のための不純物
拡散層6をBF2の注入によって形成し、表面チャネル
型p−MOSFETを形成するためには、しきい値電圧
制御のための不純物拡散層6をリンの注入によって形成
する。一方、n−MOSFETは、ボロンの注入により
表面チャネル型となる。
【0102】(第5の実施形態)図11A〜図11K
は、本発明の第5の実施形態に従った半導体装置の製造
方法における、各プロセスステップを示す断面図であ
る。具体的には、本実施形態の製造方法によって、トリ
プルウェル構造が形成される。
【0103】まず、図11Aに示すように、p型低濃度
基板1を熱酸化して、イオン注入のための保護酸化膜2
を形成する。なお、図中で、参照番号50は、素子分離
のための絶縁分離領域を示す。
【0104】次に、図11Bに示すように、保護酸化膜
2の上に選択的にマスク91を形成して、それを利用し
てリンを加速電圧1500keV且つドーズ量2.0×
10 12cm-2で注入し、破線の位置に不純物濃度のピー
クを有する深いn型埋め込み層11を形成する。
【0105】続いて、マスク91を除去した後に、図1
1Cに示すような新たなマスク92を保護酸化膜2の上
に選択的に形成し、ボロンを加速電圧400keV且つ
ドーズ量1.0×1013cm-2で注入し、リトログレー
ドなp型ウェル3を形成する。さらに、同じマスク92
を使用して、チャネルストップ層を形成するためのボロ
ンを、加速電圧160keV且つドーズ量6.0×10
12cm-2で注入し、またしきい値電圧制御のための不純
物拡散層4を形成するためのボロンを、加速電圧30k
eV且つドーズ量2.7×1012cm-2で注入する。
【0106】次に、マスク92を除去し、図11Dに示
すように、新たなマスク93を保護酸化膜2の上に選択
的に形成する。マスク93は、マスク92によって覆わ
れていなかった箇所を覆うように、パターニングされて
いる。そして、リンを加速電圧850keV且つドーズ
量1.0×1013cm-2で注入し、リトログレードなn
型ウェル5を形成する。このn型ウェル5は、破線の位
置に不純物濃度のピークを有し、深い埋め込み層11に
接続されてp型ウェル3を取り囲むように形成される。
【0107】さらに、同じマスク93を使用して、パン
チスルーストップ層を形成するためのリンを、加速電圧
400keV且つドーズ量3.0×1012cm-2で注入
し、またしきい値電圧制御のための不純物拡散層6を形
成するためのBF2を、加速電圧70keV且つドーズ
量3.0×1012cm-2で注入する。これによって、埋
め込み型チャネルが形成される。或いは、表面型チャネ
ルを形成する場合には、しきい値電圧制御のための不純
物拡散層6は、リンを加速電圧40keV且つドーズ量
3.0×1012cm-2で注入することによって形成す
る。
【0108】次に、マスク93を除去し、図11Eに示
すように、新たなマスク94を保護酸化膜2の上に選択
的に形成する。マスク94は、n型ウェル5及び深いn
型埋め込み層11が形成されている領域を覆うように、
パターニングされている。そして、マスク94の開口部
を通じて、p型ウェル3に存在しているしきい値電圧制
御のための不純物拡散層4の一部に、ボロンを加速電圧
30keV且つドーズ量2.0×1012cm-2で追加注
入する。なお、追加注入に関する詳細な説明は、次の実
施形態の説明に関連して行う。
【0109】次に、図11Fに示すようにマスク94を
除去し、温度1000℃で10秒間の熱処理(RTA処
理)を行って、上記のイオン注入時に発生した格子間シ
リコンや空孔などの点欠陥を拡散させる。さらに、図1
1Gに示すように保護酸化膜2を除去した後に、図11
Hに示すように、ゲート酸化膜7を温度850℃で30
分間の熱処理によって形成する。このようなゲート酸化
膜7の形成のための熱処理を行っても、上述のRTA処
理によって点欠陥は解消しているので、点欠陥が原因と
なる異常拡散が抑制され、不純物拡散層4及び6のリト
ログレードな不純物濃度分布が維持される。また、ゲー
ト酸化膜7の形成前にRTA処理を行っているので、基
板表面近傍での欠陥がなくなり、良好な膜質を有するゲ
ート酸化膜7が形成される。
【0110】さらに、図11Iに示すように、ゲート酸
化膜7の上に選択的にゲート電極8を形成する。次に、
図11Jに示すように、p型ウェル3以外の領域を覆う
マスク95を形成し、ゲート電極8及びマスク95を利
用して砒素を加速電圧50keV且つドーズ量2.0×
1015cm-2で注入し、n−MOSFETのソース/ド
レイン領域9を形成する。さらに、マスク95を除去し
た後に、図11Kに示すように、p型ウェル3を覆うマ
スク96を形成し、ゲート電極8及びマスク96を利用
してBF2を加速電圧30keV且つドーズ量2.0×
1015cm-2で注入し、p−MOSFETのソース/ド
レイン領域10を形成する。
【0111】その後に、RTA処理(例えば、温度約1
000℃で約10秒間)によって、ソース/ドレイン領
域における点欠陥を解消し、ソース/ドレイン領域を活
性化する。ここで実施される熱処理もRTA熱処理であ
り、拡散によるソース/ドレイン領域の拡大が抑制でき
るので、形成されるMOSFETの微細化を達成するこ
とができる。
【0112】以上のように、本発明の半導体装置の製造
方法においては、埋め込みチャネル型p−MOSFET
を形成するためには、しきい値電圧制御のための不純物
拡散層6をBF2の注入によって形成し、表面チャネル
型p−MOSFETを形成するためには、しきい値電圧
制御のための不純物拡散層6をリンの注入によって形成
する。一方、n−MOSFETは、ボロンの注入により
表面チャネル型となる。
【0113】(第6の実施形態)図12A〜図12K
は、本発明の第6の実施形態に従った半導体装置の製造
方法における、各プロセスステップを示す断面図であ
る。具体的には、本実施形態の製造方法によって、トリ
プルウェル構造が形成される。
【0114】まず、図12Aに示すように、p型低濃度
基板1を熱酸化して、イオン注入のための保護酸化膜2
を形成する。なお、図中で、参照番号50は、素子分離
のための絶縁分離領域を示す。
【0115】次に、図12Bに示すように、保護酸化膜
2の上に選択的にマスク191を形成し、それを利用し
てリンを加速電圧1500keV且つドーズ量2.0×
10 12cm-2で注入し、深いn型埋め込み層11を形成
する。
【0116】続いて、マスク191を除去した後に、図
12Cに示すような新たなマスク192を保護酸化膜2
の上に選択的に形成し、リンを加速電圧850keV且
つドーズ量1.0×1013cm-2で注入し、リトログレ
ードなn型ウェル5を形成する。さらに、同じマスク1
92を使用して、パンチスルーストップ層を形成するた
めのリンを、加速電圧400keV且つドーズ量3.0
×1012cm-2で注入し、またしきい値電圧制御のため
の不純物拡散層6を形成するためのBF2を、加速電圧
70keV且つドーズ量3.0×1012cm-2で注入す
る。これによって、埋め込み型チャネルが形成される。
或いは、表面型チャネルを形成する場合には、しきい値
電圧制御のための不純物拡散層6は、リンを加速電圧4
0keV且つドーズ量3.0×1012cm-2で注入する
ことによって形成する。
【0117】次に、マスク192を除去し、図12Dに
示すように、新たなマスク193を保護酸化膜2の上に
選択的に形成する。マスク193は、マスク192によ
って覆われていなかった箇所を覆うように、パターニン
グされている。そして、ボロンを加速電圧400keV
且つドーズ量1.0×1013cm-2で注入し、リトログ
レードなp型ウェル3a及び3bを形成する。さらに、
同じマスク193を使用して、チャネルストップ層を形
成するためのボロンを、加速電圧160keV且つドー
ズ量6.0×1012cm-2で注入し、またしきい値電圧
制御のための不純物拡散層4a及び4bを形成するため
のボロンを、加速電圧30keV且つドーズ量2.7×
1012cm-2で注入する。
【0118】次に、マスク193を除去し、図12Eに
示すように、新たなマスク194を保護酸化膜2の上に
選択的に形成する。マスク194は、n型ウェル5及び
深いn型埋め込み層11が形成されている領域を覆うよ
うに、パターニングされている。そして、マスク194
の開口部194aを通じて、p型ウェルの一部3aに存
在しているしきい値電圧制御のための不純物拡散層4a
に、ボロンを加速電圧30keV且つドーズ量2.0×
1012cm-2で追加注入する。
【0119】本実施形態の製造方法で形成されるような
トリプルウェル構造を有するDRAMでは、p型の導電
型を有する基板1から絶縁されてn型ウェル5によって
囲まれたp型ウェル3bの内部のn−MOSFETが、
セル部に相当する。また、基板1と同じ電位を有するp
型ウェル3aの内部のn−MOSFET、及びn型ウェ
ル5の内部のp−MOSFETは、それぞれセル部の周
辺回路部に相当する。セル部は基板電位を引いて動作さ
せるので、p型基板1と同電位のp型ウェル3aの内部
に形成されるしきい値電圧制御のための不純物拡散層4
aの濃度は、n型ウェル5に囲まれて基板1から絶縁さ
れているp型ウェル3bの内部に形成されるしきい値電
圧制御のための不純物拡散層4bの濃度よりも、高くす
る必要がある。従って、ここでは、p型基板1と同電位
のp型ウェル3aに対して、しきい値電圧制御のための
不純物を追加して注入する。
【0120】一方、Logicチップなどにおいては、p型
基板1と同電位のp型ウェル3aの内部に設けられたn
−MOSFETを低電圧で動作させることがあり、その
場合には、上記とは逆に、n型ウェル5に囲まれて基板
1から絶縁されているp型ウェル3bの内部に形成され
るしきい値電圧制御のための不純物拡散層4bの濃度
を、p型基板1と同電位のp型ウェル3aの内部に形成
されるしきい値電圧制御のための不純物拡散層4aの濃
度よりも、高くする必要がある。そのためには、図12
Eに示されるマスク194を、n型ウェル5によって囲
まれてp型基板1から絶縁されているp型ウェル3bの
上に開口部194aを有するように、パターニングすれ
ばよい。
【0121】次に、図12Fに示すようにマスク194
を除去し、温度1000℃で10秒間の熱処理(RTA
処理)を行って、上記のイオン注入時に発生した格子間
シリコンや空孔などの点欠陥をを拡散させる。本実施形
態のように、しきい値電圧制御のための3種類の注入工
程及び3種類のウェル層や埋め込み層の形成工程を実施
する場合であっても、しきい値電圧制御のための注入工
程後に熱処理を行うことは可能であり、具体的には、本
発明ではRTA処理を行う。
【0122】さらに、図12Gに示すように保護酸化膜
2を除去した後に、図12Hに示すように、ゲート酸化
膜7を温度850℃で30分間の熱処理によって形成す
る。このようなゲート酸化膜7の形成のための熱処理を
行っても、上述のRTA処理によって点欠陥は解消して
いるので、点欠陥が原因となる異常拡散が抑制され、不
純物拡散層4及び6のリトログレードな不純物濃度分布
が維持される。また、ゲート酸化膜7の形成前にRTA
処理を行っているので、基板表面近傍での欠陥がなくな
り、良好な膜質を有するゲート酸化膜7が形成される。
【0123】さらに、図12Iに示すように、ゲート酸
化膜7の上に選択的にゲート電極8を形成する。次に、
図12Jに示すようにマスク195を形成し、ゲート電
極8及びマスク195を利用して砒素を加速電圧50k
eV且つドーズ量2.0×1015cm-2で注入して、n
−MOSFETのソース/ドレイン領域9を形成する。
さらに、マスク195を除去した後に、図12Kに示す
ようにマスク196を形成し、ゲート電極8及びマスク
196を利用してBF2を加速電圧30keV且つドー
ズ量2.0×1015cm-2で注入し、p−MOSFET
のソース/ドレイン領域10を形成する。
【0124】その後に、RTA処理(例えば、温度約1
000℃で約10秒間)によって、ソース/ドレイン領
域における点欠陥を解消し、ソース/ドレイン領域を活
性化する。ここで実施される熱処理もRTA熱処理であ
り、拡散によるソース/ドレイン領域の拡大が抑制でき
るので、形成されるMOSFETの微細化を達成するこ
とができる。
【0125】以上のように、本発明の半導体装置の製造
方法においては、埋め込みチャネル型p−MOSFET
を形成するためには、しきい値電圧制御のための不純物
拡散層6をBF2の注入によって形成し、表面チャネル
型p−MOSFETを形成するためには、しきい値電圧
制御のための不純物拡散層6をリンの注入によって形成
する。一方、n−MOSFETは、ボロンの注入により
表面チャネル型となる。
【0126】(第7の実施形態)図13A〜図13K
は、本発明の第7の実施形態に従った半導体装置の製造
方法における、各プロセスステップを示す断面図であ
る。具体的には、本実施形態では、例えば米国特許第
5,160,996号に開示されているようなマスク越
しの高エネルギーイオン注入処理を、第6の実施形態と
して説明した製造プロセスに適用することによって、使
用されるマスクの数を減らしている。
【0127】まず、図13Aに示すように、p型低濃度
基板1を熱酸化して、イオン注入のための保護酸化膜2
を形成する。なお、図中で、参照番号50は、素子分離
のための絶縁分離領域を示す。
【0128】次に、図13Bに示すように、保護酸化膜
2の上に選択的にマスク191を形成し、それを利用し
てリンを加速電圧1500keV且つドーズ量2.0×
10 12cm-2で注入し、深いn型埋め込み層11を形成
する。さらに、同じマスク191を使用して、しきい値
電圧制御のための不純物拡散層4を形成するためのボロ
ンを、加速電圧30keV且つドーズ量2.7×1012
cm-2で注入する。
【0129】その後に、マスク191を除去し、図13
Cに示すように、新たなマスク192を保護酸化膜2の
上に選択的に形成する。そして、リンを加速電圧850
keV且つドーズ量1.0×1013cm-2で注入し、n
型ウェル5を形成する。さらに、同じマスク192を使
用して、パンチスルーストップ層を形成するためのリン
を、加速電圧400keV且つドーズ量3.0×1012
cm-2で注入し、またしきい値電圧制御のための不純物
拡散層6を形成するためのBF2を、加速電圧70ke
V且つドーズ量3.0×1012cm-2で注入する。これ
によって、埋め込み型チャネルが形成される。或いは、
表面型チャネルを形成する場合には、しきい値電圧制御
のための不純物拡散層6は、リンを加速電圧40keV
且つドーズ量3.0×1012cm-2で注入することによ
って形成する。
【0130】次に、同じマスク192を使用して、図1
3Dに示すように、ボロンを加速電圧400keV且つ
ドーズ量1.0×1013cm-2で注入し、リトログレー
ドなp型ウェル3及び深いp型埋め込み層130を形成
する。このとき、マスク192によって覆われていない
領域では、高エネルギーイオン注入によって、基板深部
に不純物濃度のピークを有する深いp型埋め込み層13
0が形成される。一方、マスク192によって覆われて
いる領域では、イオンがマスク192によって減速され
た上で注入されるので、p型ウェル3が、より浅い位置
に形成される。
【0131】さらに、同じマスク192を使用して、チ
ャネルストップ層を形成するためのボロンを、加速電圧
160keV且つドーズ量6.0×1012cm-2で注入
する。
【0132】次に、マスク192を除去し、図13Eに
示すように、新たなマスク194を保護酸化膜2の上に
選択的に形成する。マスク194は、n型ウェル5及び
深いn型埋め込み層11が形成されている領域を覆うよ
うに、パターニングされている。そして、しきい値電圧
制御のための不純物拡散層4を形成するためのボロン
を、加速電圧30keV且つドーズ量2.7×1012
-2で注入する。
【0133】次に、図13Fに示すようにマスク194
を除去し、温度1000℃で10秒間の熱処理(RTA
処理)を行って、上記のイオン注入時に発生した格子間
シリコンや空孔などの点欠陥を拡散させる。さらに、図
13Gに示すように保護酸化膜2を除去した後に、図1
3Hに示すように、ゲート酸化膜7を温度850℃で3
0分間の熱処理によって形成する。このようなゲート酸
化膜7の形成のための熱処理を行っても、上述のRTA
処理によって点欠陥は解消しているので、点欠陥が原因
となる異常拡散が抑制され、不純物拡散層4及び6のリ
トログレードな不純物濃度分布が維持される。また、ゲ
ート酸化膜7の形成前にRTA処理を行っているので、
基板表面近傍での欠陥がなくなり、良好な膜質を有する
ゲート酸化膜7が形成される。
【0134】さらに、図13Iに示すように、ゲート酸
化膜7の上に選択的にゲート電極8を形成する。次に、
図13Jに示すようにマスク195を形成し、ゲート電
極8及びマスク195を利用して砒素を加速電圧50k
eV且つドーズ量2.0×1015cm-2で注入して、n
−MOSFETのソース/ドレイン領域9を形成する。
さらに、マスク195を除去した後に、図13Kに示す
ようにマスク196を形成し、ゲート電極8及びマスク
196を利用してBF2を加速電圧30keV且つドー
ズ量2.0×1015cm-2で注入して、p−MOSFE
Tのソース/ドレイン領域10を形成する。
【0135】その後に、RTA処理(例えば、温度約1
000℃で約10秒間)によって、ソース/ドレイン領
域における点欠陥を解消し、ソース/ドレイン領域を活
性化する。ここで実施される熱処理もRTA熱処理であ
り、拡散によるソース/ドレイン領域の拡大が抑制でき
るので、形成されるMOSFETの微細化を達成するこ
とができる。
【0136】以上のように、本発明の半導体装置の製造
方法においては、埋め込みチャネル型p−MOSFET
を形成するためには、しきい値電圧制御のための不純物
拡散層6をBF2の注入によって形成し、表面チャネル
型p−MOSFETを形成するためには、しきい値電圧
制御のための不純物拡散層6をリンの注入によって形成
する。一方、n−MOSFETは、ボロンの注入により
表面チャネル型となる。
【0137】以上に説明した本発明の半導体装置の製造
方法によれば、ウェル形成のための注入工程及びしきい
値電圧制御のための注入工程のそれぞれを、同一のマス
クを使用して実施することができる。そして、上記目的
のための2つの注入工程に続いて、ウェル形成時に発生
した格子間シリコンを拡散させるための熱処理(RTA
処理)を行い、さらにその後に、ゲート酸化膜の形成の
ための熱酸化工程を行う。
【0138】ここで、図14は、RTA処理を伴う本発
明の製造プロセス(「RTAあり」と表示)、及びRT
A処理を伴わない従来技術の製造プロセス(「RTAな
し」と表示)のそれぞれにおける、ゲート酸化膜の形成
工程後の深さ方向不純物分布を模式的に示す図である。
表面の近傍には、しきい値電圧制御のための不純物拡散
層に相当するピーク(「Vt制御」と表示)が存在し、
一方、基板内部には、高エネルギーウェルに相当する他
のピークが存在している。
【0139】一般に、ゲート酸化膜の形成のための熱酸
化工程によって、しきい値電圧制御のために注入された
不純物(例えばボロン)が拡散する。しかし、本発明に
従って、ウェル形成のための注入工程の後にRTA処理
を行うことによって、図14に示されるように、ウェル
内の不純物の再分布やしきい値電圧制御のために注入さ
れた不純物の拡散を、抑制することができる。これよ
り、本発明によれば、ウェル(或いは基板)の表面近傍
における不純物濃度の増加が、抑制される。
【0140】さらに、本発明によれば、埋め込みチャネ
ル型MOSFETに関しては、しきい値電圧制御用の不
純物拡散領域を浅く形成できるので、オフリーク電流や
しきい値電圧のばらつきを抑制して、高駆動力を実現す
ることができる。一方、表面チャネル型MOSFETに
関しては、しきい値電圧制御用の不純物がリトログレー
ドな分布形状を保つので、接合容量の増加を抑制しなが
ら短チャネル効果の発生を抑制して、高駆動力を実現す
ることができる。
【0141】
【発明の効果】以上に説明した本発明の半導体装置の製
造方法は、リトログレードなn型ウェル及びp型ウェル
の形成、及びしきい値電圧制御のための拡散層の形成
を、同一のマスクパターンによって行うことができると
ともに、高エネルギーイオン注入によって発生した格子
間シリコンがトランジスタのしきい値電圧に影響を与え
ることのない、CMOSの動作特性を得ることができ
る。従って、本発明の半導体装置の製造方法は、CMO
Sに要求される安定且つ高性能な動作を達成するもので
あって、その工業的価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1A】従来技術における製造プロセスを説明する断
面図である。
【図1B】図1Aの製造プロセスの次の製造プロセスを
説明する断面図である。
【図1C】図1Bの製造プロセスの次の製造プロセスを
説明する断面図である。
【図2】注入されたボロンイオン及びインジウムイオン
の濃度プロファイルを示すSIMS実測データである。
【図3A】本発明による製造プロセスを説明する断面図
である。
【図3B】図3Aに示す製造プロセスの次の製造プロセ
スを説明する断面図である。
【図3C】図3Bに示す製造プロセスの次の製造プロセ
スを説明する断面図である。
【図3D】図3Cに示す製造プロセスの次の製造プロセ
スを説明する断面図である。
【図4A】従来の製造プロセス(RTAなし)及び本発
明による製造プロセス(RTAあり)のそれぞれにおい
て、得られる不純物分布のSIMSによる実測データで
あり、表面から深さ1.5μmまでの範囲のSIMSプ
ロファイルである。
【図4B】従来の製造プロセス(RTAなし)及び本発
明による製造プロセス(RTAあり)のそれぞれにおい
て、得られる不純物分布のSIMSによる実測データで
あり、図4Aのうちで表面から0.3μm迄の範囲を拡
大して示している。
【図5】従来の製造プロセス(RTAなし)及び本発明
による製造プロセス(RTAあり)のそれぞれにおけ
る、ゲート長としきい値電圧との関係を示すグラフであ
る。
【図6】従来の製造プロセス(RTAなし)及び本発明
の製造プロセス(RTAあり)のそれぞれにおける、n
−MOSFETでのドレイン−基板間の接合容量とドレ
イン電圧との関係を示すグラフである。
【図7A】本発明の第1の実施形態に従った半導体装置
の製造方法における、プロセスステップを示す断面図で
ある。
【図7B】図7Aに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図7C】図7Bに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図7D】図7Cに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図7E】図7Dに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図7F】図7Eに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図7G】図7Fに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図7H】図7Gに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図7I】図7Hに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図8A】本発明の第2の実施形態に従った半導体装置
の製造方法における、プロセスステップを示す断面図で
ある。
【図8B】図8Aに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図8C】図8Bに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図8D】図8Cに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図8E】図8Dに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図8F】図8Eに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図8G】図8Fに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図8H】図8Gに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図8I】図8Hに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図9A】本発明の第3の実施形態に従った半導体装置
の製造方法における、プロセスステップを示す断面図で
ある。
【図9B】図9Aに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図9C】図9Bに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図9D】図9Cに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図9E】図9Dに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図9F】図9Eに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図9G】図9Fに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図9H】図9Gに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図9I】図9Hに示すプロセスステップの次のプロセ
スステップを示す断面図である。
【図10A】本発明の第4の実施形態に従った半導体装
置の製造方法における、プロセスステップを示す断面図
である。
【図10B】図10Aに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図10C】図10Bに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図10D】図10Cに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図10E】図10Dに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図10F】図10Eに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図10G】図10Fに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図10H】図10Gに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図10I】図10Hに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図11A】本発明の第5の実施形態に従った半導体装
置の製造方法における、プロセスステップを示す断面図
である。
【図11B】図11Aに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図11C】図11Bに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図11D】図11Cに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図11E】図11Dに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図11F】図11Eに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図11G】図11Fに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図11H】図11Gに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図11I】図11Hに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図11J】図11Iに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図11K】図11Jに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図12A】本発明の第6の実施形態に従った半導体装
置の製造方法における、プロセスステップを示す断面図
である。
【図12B】図12Aに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図12C】図12Bに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図12D】図12Cに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図12E】図12Dに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図12F】図12Eに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図12G】図12Fに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図12H】図12Gに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図12I】図12Hに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図12J】図12Iに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図12K】図12Jに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図13A】本発明の第7の実施形態に従った半導体装
置の製造方法における、プロセスステップを示す断面図
である。
【図13B】図13Aに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図13C】図13Bに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図13D】図13Cに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図13E】図13Dに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図13F】図13Eに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図13G】図13Fに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図13H】図13Gに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図13I】図13Hに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図13J】図13Iに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図13K】図13Jに示すプロセスステップの次のプ
ロセスステップを示す断面図である。
【図14】本発明の製造プロセス(RTAあり)及び従
来技術の製造プロセス(RTAなし)のそれぞれにおけ
る、ゲート酸化膜の形成工程後の深さ方向不純物分布を
模式的に示す図である。
【図15】本発明の製造プロセス(RTAあり)及び従
来技術の製造プロセス(RTAなし)のそれぞれに従っ
て形成された半導体装置における、チャネル長Lgとし
きい値電圧Vtsとの関係を示す実測データである。
【図16】本発明の製造プロセス(RTAあり)及び従
来技術の製造プロセス(RTAなし)のそれぞれに従っ
て形成された半導体装置における、チャネル長Lgと単
位ゲート幅あたりの飽和電流Idsatとの関係を示す実
測データである。
【図17】本発明の製造プロセス(RTAあり)及び従
来技術の製造プロセス(RTAなし)のそれぞれに従っ
て形成された半導体装置における、チャネル長Lgと単
位ゲート幅あたりのトランスコンダクタンスGmとの関
係を示す実測データである。
【符号の説明】
1 p型低濃度基板 2 保護酸化膜 3、3a、3b p型ウェル 4、4a、4b 不純物拡散層 5 n型ウェル 6 拡散層不純物 7 ゲート酸化膜 8 ゲート電極 9 ソース/ドレイン領域 10 ソース/ドレイン領域 11 n型埋め込み層 50 絶縁分離領域 51、52、53、54 マスク 61、63、64 マスク 73、74 マスク 80、83、84 マスク 81 上段マスク 82 下段マスク 91、92、93、94、95 マスク 130 p型埋め込み層 191、192、193、194、195、196
マスク 194a 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/78 (56)参考文献 特開 平2−264464(JP,A) 特開 平3−165554(JP,A) 特開 平3−93264(JP,A) 特開 平8−97378(JP,A) 特開 平7−183393(JP,A) 特開 平4−92466(JP,A) International Ele ctron Devices Meet ing.Technical Dige st(Cat.No.85CH2252− 5),pp.376−379 Beam−Solid Intera ctions for Materia ls Synthesis and C haracterization.Sy mposium ,pp.319−324 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/265 H01L 27/092 H01L 29/78 INSPEC(DIALOG) JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェル或いは埋め込み層を形成するため
    の高エネルギーのイオン注入工程としきい値制御のため
    の不純物拡散層の形成のためのイオン注入工程とを連続
    的に行う工程と、 その後に、該イオン注入によって発生した結晶欠陥の回
    復のためのRTA処理を行う工程と、 該RTA処理工程の後に、ゲート酸化膜を形成する工程
    と、 を包含し、 該ウェル或いは埋め込み層の形成のための高エネルギー
    のイオン注入工程と該不純物拡散層の形成のためのイオ
    ン注入工程との間に熱処理を実施せず、 該RTA処理の処理条件は、該結晶欠陥の原因となる格
    子間原子は拡散させるが、該不純物拡散層の不純物は拡
    散させないように設定されている、半導体装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ウェル或いは埋め込み層を形成するため
    の高エネルギーのイオン注入工程としきい値制御のため
    の不純物拡散層の形成のためのイオン注入工程とを連続
    的に行う工程と、 その後に、該イオン注入によって発生した結晶欠陥の回
    復のためのRTA処理を行う工程と、 該RTA処理工程の後に、ゲート酸化膜を形成する工程
    と、 を包含し、 該ウェル或いは埋め込み層の形成のための高エネルギー
    のイオン注入工程と該不純物拡散層の形成のためのイオ
    ン注入工程との間に熱処理を実施せず、 該RTA処理は、900℃〜1100℃の温度範囲で、
    秒単位で実施される、半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 形成される半導体装置が表面チャネル型
    電界効果トランジスタであり、 前記しきい値電圧制御のための不純物拡散層を形成する
    前記イオン注入工程で使用されるイオン種はボロンであ
    り、 該イオン注入工程では、注入されたボロンの濃度プロフ
    ァイルが、基板の表面近傍では低レベルに維持され、該
    基板の深部においてピークを有し、且つ形成されるソー
    ス/ドレイン領域と該基板との接合領域では低レベルに
    維持されるように、ボロンのイオン注入処理を実施す
    る、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 形成される半導体装置が埋め込みチャネ
    ル型電界効果トランジスタであり、前記しきい値電圧制
    御のための不純物拡散層を形成する前記イオン注入工程
    で使用されるイオン種はボロンである、請求項1または
    2に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板の表面近傍における不純物濃度が2
    ×1017cm-3以下である、請求項1から4のいずれか
    一つに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記RTA工程の昇温レートが50℃/
    秒〜400℃/秒の範囲にある、請求項1から5のいず
    れか一つに記載の半導体装置の製造方法。
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