JP3354459B2 - 半導体形複合センサ - Google Patents

半導体形複合センサ

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JP3354459B2 JP29235997A JP29235997A JP3354459B2 JP 3354459 B2 JP3354459 B2 JP 3354459B2 JP 29235997 A JP29235997 A JP 29235997A JP 29235997 A JP29235997 A JP 29235997A JP 3354459 B2 JP3354459 B2 JP 3354459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンチップに
表面デバイスのプロセス技術を用いてセンサ素子(例え
ば圧力検出素子,温度検出素子)とその信号処理回路を
形成した半導体複合センサに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や産業用計測に使用される従来の
半導体形圧力センサの代表的なものとして、裏面からシ
リコン基板を加工(シリコンエッチング)してダイアフ
ラムを形成し、そのダイアフラムに相当する位置のシリ
コン基板表面に歪抵抗素子を拡散技術により形成するバ
ルク形のピエゾ抵抗式センサが知られている。この種の
センサには、例えば、差圧,静圧及び温度を一つの基板
に形成する複合形センサタイプのものがある(例えば、
特開平4−204226号、特開平7−311110
号)。
【0003】最近では、上記のバルク形に代わって、シ
リコンチップの片面に、多層膜の表面デバイスプロセス
技術を用いて複数のダイアフラム形のセンサ素子を設
け、加えてセンサ素子からの信号を処理する信号処理回
路を併設した表面デバイス形の複合センサが提案されて
いる。このタイプは、シリコンチップの表面に固定電極
を形成し、その上に後で削除される犠牲層(例えばSi
2)を形成し、さらにその上にダイアフラム素材(例
えばポリシリコン)を積層し、上記犠牲層を削除してダ
イアフラムを形成するものであり、静電容量,歪抵抗等
の検出素及びダイアフラムがすべて片面から形成される
ために、これらの要素の位置合わせがバルク形に較べて
高精度かつ容易に行い得るものとして評価されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような複合セン
サにおいて、シリコンチップ片面に表面デバイスプロセ
ス技術により信号処理回路と複数のセンサ素子をシリコ
ン基板に併設する場合、複数のセンサ素子は環境温度が
なるべく同じになるようセンサ素子同士を隣り合うよう
にまとめて形成し、信号処理回路はその傍らに並べてレ
イアウトするものが提案されていた。
【0005】このような配置構造を模式化して表わした
従来例が図6(a)であり〔図6(a)はシリコンチッ
プ10上を正面から見た図〕、l0はシリコンウエハー
を多数分割して得られるその中の一つのシリコンチップ
10の一辺の長さを示し、その両サイドの斜線領域がウ
エハーをブレードにより分割する時のダイシングカット
幅(カット代)である。
【0006】同図(a)において、11或いは12は、
例えば被測定圧力,大気圧等の圧力検出素子、13は温
度検出素子であり、これらのセンサのうち前者をセンサ
素子、後者をセンサ素子とすると、シリコンチップ
10上には、表面デバイスプロセス処理にて形成された
センサ素子,が隣り合い、その傍らにこれら信号処
理回路(集積回路)15が配置されている。
【0007】(イ)このような配置構成において、セン
サ素子,間やセンサ素子・信号処理回路15間
は、環境温度が同じでスペースの合理化を図るには理想
的には、できるだけ接近しあうのが望まれる。しかし、
実際には、これらのセンサ素子間やセンサ素子・信号処
理回路間には配線スペースを確保しなければならず、そ
の間を離間させなければならず、また、このように離し
た場合には、その間にシリコン基板表面に形成される保
護膜30(例えば材質はフォトレジンと同じもの)が流
入できるよう、ある程度の間隔l1,l2を確保しなけれ
ばならない。
【0008】保護膜30は、シリコンウエハーの切断
(ダイシングカット前)前の各チップ領域にセンサ素子
や信号処理回路を形成後に施され、例えば、回転円盤上
にシリコンウエハーを真空チャックにより固定して高速
回転させながら(≒10krpm)、そのシリコンウエハー表
面中心に保護膜の材料となるレジスト液を滴下し、その
レジスト液をシリコンウエハーの回転遠心力で拡げるこ
とで成膜している。
【0009】このうち、センサ素子,間の間隔l1
はセンサ素子・信号処理回路15間の間隔l2よりも
大きくしていた。その理由は、信号処理回路15よりセ
ンサ素子,は、その積層構造からして背丈が高いた
めに、そこに被る保護膜30の盛り上がり(山)が急勾
配になる傾向にあり、この勾配がきついほど保護膜30
のセンサエッジにかかる部分30′(以下、保護膜エッ
ジ部30′と称する)が薄膜化し充分に保護膜の厚みが
確保し得ないことが起こり得るので、特にセンサ素子
,で挾まれる間隔l1は双方のセンサ素子,の
保護膜エッジ部30′に対して薄膜化を避けるようにす
るために、距離l1を拡げて(l2よりも大きくして)、
保護膜30の勾配をなだらかにする必要があった。ちな
みに、センサ素子の高さは約10μm、信号処理回路の
高さは約4μm程度である。
【0010】上記のようにセンサ素子,間の間隔l
1を拡げざるを得ないために、その分、各シリコンチッ
プ10が大きくなる。
【0011】(ロ)また、従来方式では、信号処理回路
15はシリコンチップ10の端寄りに配置されるため
に、シリコンチップ10の表面を覆う保護膜30に欠け
が生じると、信号処理回路15の湿度リークの不具合が
生じたりすることが懸念される。例えば、信号処理回路
15をCMOS回路で構成した場合には、CMOS回路
のゲート電極,ソース電極,ドレイン電極等に湿度リー
クが生じるおそれがある。
【0012】(ハ)また、信号処理回路15は、接合さ
れる台座(台座は、通常、シリコンチップ10との陽極
接合が容易なガラス板が用いられる)との線膨張係数差
による熱ストレスの影響を受けて、回路特性が温度によ
り変化する原因となる。
【0013】本発明の目的は、上記したような課題を解
決して、この種センサの歩留まり向上、測定精度ひいて
は品質の向上、及び小形化を図れる半導体形複合センサ
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係わる半導体複合センサは、基本的に
は、図6(b)に示すように、シリコンチップ10の片
面(表面)に、多層膜の表面デバイスプロセス処理によ
り形成された複数のダイアフラム形のセンサ素子,
と前記センサ素子からの信号を処理する信号処理回路1
5とが設けられ、且つ前記信号処理回路15は前記シリ
コンチップ10の中央に配置されて、この信号処理回路
15の周辺に前記複数のセンサ素子,が配置されて
いることを特徴とする。なお、センサ素子は後で述べ
る実施例では、圧力検出素子11,12として、センサ
素子は温度検出素子13として例示している。
【0015】このように構成すれば、例えば、信号処理
回路15を中央に配置して、その両側の一方にセンサ素
子を、他方にセンサ素子を配置する構造を採用する
ことができ、シリコンチップ10の一辺の長さl0にお
ける素子及び回路等の配置間隔の総和はL3+l2+l2
+L3で表わされる。ここで、L3はセンサ素子やセン
サ素子とチップ10一端間の距離、l2はセンサ素子
やセンサ素子と信号処理回路15間の距離である。
【0016】比較例を先に述べた図6(a)の配置構造
とすれば、この場合のチップ長l0における素子及び回
路等の配置間隔の総和は、l3+l2+l1+L3である。
1はセンサ素子,間の距離であり、l3は信号処理
回路15・チップ10の一端間の距離である。
【0017】図6(b)の従来例を同図(a)の本発明
と比較するに、本実施例の場合には、センサ素子,
間の距離l1が存在せず、これに代わって、センサ素子
・信号処理回路15間の距離l2が存在するものであ
る。既述したように、背丈の高いセンサ素子間の距
離l1は保護膜エッジ部30′の急勾配を防いで保護膜
30の薄膜化を防止するために、一方が背丈の低い信号
処理回路15・センサ素子(或いはセンサ素子)と
の距離l1よりも拡げる必要がある。したがって、l1
2の関係が成立する。また、l3とL3を比較した場
合、上記のセンサ素子と信号処理回路の背丈の関係から
すればL3の方が大きくせざるを得ないように見られる
が、実際には、ダイシングカット幅もL3の延長部とし
て利用できるので、L3≒l3(L3=l3を含む)でも保
護膜エッジ部の薄膜防止を図れる。
【0018】したがって、図6(b)の本実施例と図6
(a)の従来例とを比較した場合、チップ長l0を本実
施例の方が短縮することができ、その分、複合センサの
小形化を図ることができる。
【0019】信号処理回路15は、シリコンチップ10
のほぼ中央に形成してあるので、ダイシングカット時等
にシリコンチップの端部欠けが生じても、その影響を避
けて、回路のリーク電流の解決を図れる。
【0020】(2)もう一つの発明としては、上記
(1)の構成に加えて、シリコンチップの片面(センサ
素子及び信号処理回路が形成されている側の面)にガラ
ス基板等の台座を接合する場合に、その接合領域を前記
センサ素子の周辺とし、前記信号処理回路の周辺は非接
合領域として成るものを提案する。
【0021】このように構成すれば、シリコンチップ上
の信号処理回路は、シリコンチップと台座との線膨張係
数差による熱ストレスの影響を避けることができ、回路
特性が温度により変化するのを防止する。この場合に
は、高精度の温度特性が要求される半導体複合センサの
場合に特に有効である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を用いて説
明する。
【0023】図1は本発明の一実施例に係わる半導体形
複合センサのセンサ部(ここでは、センサ素子と信号処
理回路を有するチップをセンサ部と称する)を示す平面
図、図2(a)はそのA−B線断面図、図2(b)は同
じくA−C線断面図、図3はセンサの実装構造を示す縦
断面図、図4はセンサの製造プロセスを示す説明図、図
5は本実施例の回路構成図である。
【0024】本例における半導体形センサのセンサ部1
は、シリコン基板(シリコンチップ)10の片面に、多
層膜の表面デバイスプロセス技術を用いて複数のダイア
フラム形のセンサ素子11,12,13とこれらのセン
サ素子からの信号を処理する回路部(信号処理回路)1
5とを形成してなり、さらに、信号処理回路15で処理
された信号を外部に引き出したり、電源入力等の複数の
電極24がシリコンチップ10上の周縁近くに配設され
ている。
【0025】ここでは、センサ素子の一例として、被測
定圧力を導入して検出する圧力検出素子11と、大気圧
を導入して検出する圧力検出素子12と、温度を測定す
る温度検出素子13とを例示し、いずれの検出素子(セ
ンサ素子)もダイアフラム形の静電容量式としている。
【0026】信号処理回路15は、シリコンチップ10
の中央に形成され、この信号処理回路15の周囲に圧力
検出素子11、12や温度検出素子13が配設される。
本例では、圧力検出素子11,12と温度検出素子13
とが信号処理回路15を挾む形でシリコンチップ10上
の両サイドに配置されている。圧力検出素子11,12
及び温度検出素子13は、信号処理回路15と配線(導
電膜)16を介して電気的に接続されている。
【0027】図2(a)は図1のシリコンチップ10に
台座20を接合した状態を、図1のA−B線を断面して
表わし、図2(b)は同じくA−C線を断面して表わし
ている。
【0028】図2(a),(b)に示すように、圧力検
出素子11,12及び温度検出素子13は、基本的には
同一の多層膜構造を呈するダイアフラム形の静電容量式
のセンサ素子よりなり、可動電極となるダイアフラム1
21,封止空間部122,絶縁膜125,空間部122
の隙間を限定するためのエッチングストッパ膜123,
固定電極124より成る。126は空間部122の封止
である。
【0029】圧力検出素子11は、図2(b)に示すよ
うに、ダイアフラム121の被測定圧力受圧面に臨む側
の空間128が台座20に設けた被測定圧力導入部22
に通じている。圧力検出素子12は、図2(a)に示す
ように、ダイアフラム121の大気圧受圧面に臨む側の
空間128′が台座20に設けた大気圧導入部21に通
じている。
【0030】圧力検出素子11,12は、その封止空間
部122が真空中で気密シールされることで、絶対圧を
基準とする静電容量式の圧力センサを構成し、例えば、
この種複合センサを車両用として使用する場合を想定す
ると、圧力検出素子12が大気圧の変動を検出するセン
サとして使われ、圧力検出素子11がエンジンのマニフ
ォルド圧力の変動を検出するセンサとして使われたりす
る。
【0031】温度検出素子13の空間部122も真空中
で気密シールされ、この温度検出素子のもう一方の空間
128″も真空中で台座20で封止されて被測定圧力と
大気圧のいずれも検知しない構造としてあり、周囲の温
度が変化した時の容量の変化だけを検知する。温度によ
る容量変化は、材料の誘電率変化、熱歪による隙間の変
化(ダイアフラムの歪み変化)などによってもたらされ
る。
【0032】台座20はシリコンチップ10に熱膨張が
近似した硼珪酸ガラスの板よりなり、その中央に穴25
があけてあり、この穴25に対面して信号処理回路15
が位置するように設定する。台座20は、シリコンチッ
プ10のセンサ素子11〜13及び信号処理回路15を
形成した側の表面に接合(例えば陽極接合)される。こ
の接合位置は、圧力検出素子11,12及び温度検出素
子13の周辺位置であり、信号処理回路15の周辺は非
接合領域としてある。すなわち、信号処理回路(回路
部)15及びその周辺は台座20の空間25と対面する
非接合領域となることで、信号処理回路15がガラス基
板20とシリコンチップ10との線膨張係数の差による
熱ストレスを受けない構造としている。
【0033】ここで、センサ部1、すなわちシリコンチ
ップ10に圧力検出素子11,12及び温度検出素子1
3を表面デバイスプロセス処理にて形成する場合の製造
過程を図4により説明する。
【0034】図4において、(a)は、信号処理回路1
5を形成するプロセス、たとえば標準的なCMOS回路
プロセスを用いて形成される。圧力検出素子11,12
と温度検出素子13は、信号処理回路15を挾む形で左
右両サイドに形成される。この過程では、そのほかに検
出素子の固定電極124,ストッパ膜123及び絶縁膜
(例えばSi34よりなる表面保護膜)125が形成さ
れる。
【0035】(b)は後で除去される犠牲層122´を
形成するプロセスで、例えばをSiO2等で形成され
る。この犠牲層122´は、ダイアフラム形成のための
空間122となるために最終的には除去される。
【0036】(c)のプロセスでは、ダイアフラムとな
るポリシリコン膜121をセンサの測定圧力レンジに応
じて成膜する。また、ポリシリコン膜121のうちダイ
アフラム周辺部127の一部を除去し絶縁溝129を形
成する。このダイアフラム周辺に残されたポリシリコン
膜127は、後で接合されるガラス基板(台座)20の
接着剤の役割を果たす。
【0037】(d)は、犠牲層122′をエッチング除
去するプロセスで、ポリシリコン膜121の一部に開け
た穴を通じてフッ酸を導き、犠牲層(SiO2)を除去
して空間122を形成する。固定電極124の上にはS
34膜(絶縁膜123)が予め形成してあるので、固
定電極124はエッチングされず、空間122が犠牲層
としての酸化膜122′の厚みに等しい隙間により正確
に形成される。
【0038】(e)は、ポリシリコン膜121の一部に
開けた穴を封止するプロセスで、同じポリシリコン膜等
で成膜して、封止126を形成する。
【0039】(f)は、信号処理回路15における配線
アルミ電極14や図1に示す配線アルミ電極16を形成
するプロセスである。
【0040】なお、図1〜図5に図示しないが、センサ
部1の片側(シリコンチップ10のうちセンサ素子11
〜13や信号処理回路15を形成した側の面)には保護
膜30〔図6(b)参照〕が形成される。保護膜30
は、センサ部1のセンサ素子11〜13及び回路15を
保護するものであるが、この保護膜30の材質は、例え
ばフォトレジンと同材質のものが使用される。
【0041】図3は、上記したセンサ部1と台座20と
の接合したものをセンサケーシング2に実装して、本発
明に係わる複合圧力センサの全体構造を示すものであ
る。
【0042】ケーシング2はプラスチックなどの材料か
ら成り、コネクタ3と圧力導入管5を有する。台座20
は、シリコン板50とも陽極接合される。シリコン板5
0は、ケーシング2に有機接着剤4を介して気密に接着
される。センサ部1の端子電極14はワイヤ(結線)7
を介してコネクタ端子31と接続され、ケーシング2内
にはシリコーンゲル6が充填され、ケーシング2はカバ
ー60で被蓋される。このケーシング2とカバー60は
接着剤を介して接着される。
【0043】シリコーンゲル60はセンサ部1とワイヤ
7とを保護する。カバー60には大気圧導入穴61が設
けてある。
【0044】自動車のマニフォルドと圧力導入管5は接
続され、マニフォルド圧力は内部導入穴51,52及び
22を通って、圧力検出素子11のダイアフラム121
に印加される。一方、大気圧はカバー60に設けた大気
圧導入穴61を介してケーシング2内に導入され、この
大気圧を粘弾性をもつシリコーンゲル6を介して受け、
その圧力変動を大気圧導入路21を介して圧力検出素子
12のダイアフラム121に印加される。
【0045】圧力検出素子11,12の各ダイアフラム
121(可動電極)は、それぞれの導入した圧力に応動
して空間122の隙間が変化して可動電極121・固定
電極124間の静電容量が変化する。これを、信号処理
回路15で周囲温度の変動によるセンサの特性変化を補
正し、静電容量の変化を1−5Vなどの標準電気信号に
変換して、絶対圧基準の信号をコネクタ3を介して外部
に出力する。
【0046】図1,図2の構成を回路ブロックで示すと
図5となる。
【0047】図5において信号処理回路15は、それぞ
れセンサ素子11〜13に対応した数だけの信号増幅器
151を有する。
【0048】信号処理回路15は、圧力検出素子11,
12及び温度検出素子13の信号を入力し、スイッチ手
段155の切替制御により信号処理して、出力端子14
2が圧力検出素子11で検出した被測定圧力(マニフォ
ルド圧力)や、圧力検出素子12で検出した大気圧を絶
対圧基準の信号として出力する。この場合、圧力検出素
子11や12と温度検出素子13との差から絶対圧基準
の信号を演算して、温度補償を行う。また、出力端子1
43から圧力検出素子11,12の差である相対圧の信
号を出力する。必要な場合は、温度検出素子13の温度
による変化を信号処理して端子141から温度信号とし
て出力する。
【0049】なお、本実施例は、静電容量式の圧力検出
素子で説明したが、ダイアフラム形を用いた歪み抵抗式
や共振周波数式でも同様に表面デバイスプロセス処理に
てシリコンチップ片面に形成することができる。
【0050】本実施例によれば、次のような効果を奏す
る。
【0051】(1)シリコンチップ10上のセンサ素子
11〜13及び信号処理回路15を合理的に配置してセ
ンサ部1の小形化を図ることができる。その理由は、図
6(b)を用いて[課題を解決するための手段]で述べ
た通りである。これを要約すれば、図6(b)のシリコ
ンチップの一辺の長さl0におけるセンサ素子や信号処
理回路等の間隔の総和(L3+l2+l2+L3)と、図6
(a)の従来例のセンサ素子や信号処理回路等の間隔の
総和(l3+l2+l1+L3)とを比較した場合、l2
1,L3≒l3(L3=l3を含む)の関係より、本実施
例のほうが従来例よりもシリコンチップ10の短縮化ひ
いては小形化を図れるということである。
【0052】なお、上記の間隔の総和の関係は、図7に
示すようにシリコンチップ10上に複数のセンサ素子1
1〜13と複数の信号処理回路15を配置したものでも
いえる。すなわち、この場合には、従来は、図7(a)
に示すようにセンサ素子や信号処理回路の間隔の総和が
3+l2+l1+l2+l3となり、本発明に係るものの
場合には、図7(b)に示すようにL3+l2+L1+l2
+L3となる。ここで、L1は信号処理回路15間の距離
であり、このL1はセンサ素子11(12),13より
も低背な信号処理回路15間の間隔であるため、保護膜
30のうち間隔L1から信号処理回路15にかけての盛
り上がりは、L1<l1の関係に設定してもなだらかなた
めに、保護膜エッジ部30´の薄膜化を防ぐことがで
き、本発明品の場合には、シリコンチップ10の小形化
を図ることができる。
【0053】(ロ)また、信号処理回路15は、シリコ
ンチップ10のほぼ中央に形成してあるので、ダイシン
グカット時等にシリコンチップの端部欠けが生じても、
その影響を避けて、回路のリーク電流の解決を図れる。
【0054】(ハ)シリコンチップ10の片面に台座2
0を接合する場合に、その接合領域を気密シールが必要
な圧力検出素子11,12及び温度検出素子13の周辺
とし、信号処理回路15の周辺は非接合領域としている
ので、信号処理回路15は、シリコンチップ10と台座
20との線膨張係数差による熱ストレスの影響を避ける
ことができ、回路特性が温度により変化するのを防止で
きる。
【0055】なお、信号処理回路部15は、水分とか塵
埃等の汚染要素から保護する必要があるが、これは別の
保護部材(例えばシリコーンゲル)で信号処理回路部1
5の表面を覆うことで対処できる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、表面デ
バイス処理された半導体複合センサの小形化を図りなが
ら、その保護膜のセンサエッジ部の薄膜化を防止して保
護膜を適正な厚みに保つことができ、また、保護膜欠け
から信号処理回路を保護し、さらに信号処理回路の温度
特性を精度良く保つことで、この種センサの歩留まり向
上、測定精度ひいては品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる半導体形複合センサ
のセンサ部を示す平面図。
【図2】(a)は図1のA−B線断面図、(b)は同じ
くA−C線断面図。
【図3】上記実施例のセンサの実装構造を示す縦断面
図。
【図4】上記実施例のセンサの製造プロセスを示す説明
図。
【図5】上記実施例の回路構成図。
【図6】(a)はシリコンチップ10上を正面から見た
従来例の模式図、(b)はシリコンチップ10上を正面
から見た本発明の模式図。
【図7】(a)はシリコンチップ10上を正面から見た
従来例の模式図、(b)はシリコンチップ10上を正面
から見た本発明の模式図。
【符号の説明】
1…センサ部、2…センサケーシング、3…コネクタ、
4…接着剤、5…圧力導入管、6…シリコーンゲル、7
…ワイヤ、10…シリコンチップ、11,12…圧力検
出素子(センサ素子)、13…温度検出素子(センサ素
子)、14…配線アルミ電極、15…信号処理回路、2
0…ガラス基板(台座)、121…ポリシリコン膜(ダ
イアフラム)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 保弘 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式 会社日立カーエンジニアリング (72)発明者 海老根 広道 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式 会社日立カーエンジニアリング (56)参考文献 特開 平7−106601(JP,A) 特開 平10−132684(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 9/04 101 G01L 13/06 G01L 19/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンチップの片面に、多層膜の表面
    デバイスプロセス処理により形成された複数のダイアフ
    ラム形のセンサ素子と前記センサ素子からの信号を処理
    する信号処理回路とが設けられ、且つ前記信号処理回路
    は、前記シリコンチップの中央に配置され、この信号処
    理回路の周辺に前記複数のセンサ素子が配置され、前記
    シリコンチップのうち前記センサ素子及び信号処理回路
    が形成されている側の面に台座が接合され、この台座の
    接合領域を前記センサ素子の周辺とし、前記信号処理回
    路の周辺は非接合領域として成ることを特徴とする半導
    体形複合センサ。
  2. 【請求項2】 前記複数のセンサ素子は、前記信号処理
    回路を挾む形でそのシリコンチップ上の両サイドに配置
    されている請求項1記載の半導体形複合センサ。
  3. 【請求項3】 前記センサ素子は、ダイアフラムを感応
    部とする圧力検出素子と温度検出素子よりなり、静電容
    量式,歪み式,共振周波数式の少なくとも一種であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の半導体形複合セン
    サ。
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