JP3353728B2 - 音響振動センサ - Google Patents

音響振動センサ

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JP3353728B2
JP3353728B2 JP00148599A JP148599A JP3353728B2 JP 3353728 B2 JP3353728 B2 JP 3353728B2 JP 00148599 A JP00148599 A JP 00148599A JP 148599 A JP148599 A JP 148599A JP 3353728 B2 JP3353728 B2 JP 3353728B2
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宗生 原田
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声認識処理,音
響信号処理等において振動波を検出する音響振動センサ
に関し、特に、共振周波数が異なる複数の共振子を用い
て、振動波の周波数帯域毎の強度を検出する音響振動セ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】長さが異なる、即ち、共振周波数が異な
る複数の共振子をアレイ化し、音波等の振動波に対して
各共振子毎に特定の共振周波数で選択的に応答して共振
させ、各共振子毎の共振レベルを電気的信号に変換して
出力し、振動波の周波数帯域毎の強度を検出する共振子
アレイ型の振動センサが報告されている。特に、本願発
明者は、棒状のカンチレバー(共振子)を並設し、これ
らの一側を連接すべく形成された横断ビームと振動波の
入力振動板とを同一平面状で接続した音響振動センサを
提案している(M.Harada et al.,“Resonator Array Se
nsor toward Artificial Cochlea Modeling,”Technica
l Digest of tha 15th Sensor Symposium,pp99-102 (1
997) )。この音響振動センサでは入力振動板が受けた
振動波が横断ビームを伝播して各カンチレバーに伝送さ
れるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような音響振動セ
ンサの振動波の分解周波数を広帯域にした場合は、カン
チレバーの数が増大して横断ビームが長くなる。その結
果、横断ビームの伝播能力が弱まり、各カンチレバーで
正確な振動強度が得られないという問題があった。ま
た、各カンチレバーにおいて検出のための充分な振動強
度を得るためには、入力振動板の面積を大きくして感度
を向上させることが考えられる。しかしながら、入力振
動板を大面積にすることにより、音響振動センサの必要
面積が大きくなるという問題があった。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、所定周波数帯域を有する共振子アレイ部の複
数を入力振動部の周りに配することにより、該入力振動
部が受けた振動波を共振子アレイ部の夫々に各別に伝播
せしめ、広帯域での分解能を有する音響振動センサを提
供することを目的とする。
【0005】また、大面積の入力振動部を共振子アレイ
部と積層構造をなすように形成することにより、必要面
積を拡大せずに感度を向上できる音響振動センサを提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る音響振動
センサは、媒質中を伝播する振動波を受ける入力振動部
と、夫々が異なる特定の周波数に共振する複数の共振子
を並設した共振子アレイ部とを備え、前記入力振動部で
受けた振動波を前記複数の共振子に伝播させて、前記共
振子夫々の振動強度を検出する音響振動センサにおい
て、複数の前記共振子アレイ部を、前記入力振動部の周
りに配してあることを特徴とする。
【0007】第1発明にあっては、異なる特定周波数に
共振する複数の共振子に振動波を順次伝播させる構成の
共振子アレイ部を複数備えているので、中央の入力振動
部から共振子アレイ部の夫々に別経路にて振動波が伝播
し、入力振動部からの伝播距離が拡張されることなく、
多くの共振子に伝播させることができる。従って、広帯
域の周波数での検出が高精度に行なえる。
【0008】第2発明に係る音響振動センサは、媒質中
を伝播する振動波を受ける入力振動部と、夫々が異なる
特定の周波数に共振する複数の共振子を並設した共振子
アレイ部とを備え、前記入力振動部で受けた振動波を前
記複数の共振子に伝播させて、前記共振子夫々の振動強
度を検出する音響振動センサにおいて、前記共振子アレ
イ部を複数備え、夫々の共振子アレイ部は前記共振子の
一端側を連接する伝播路を有し、複数の前記伝播路が前
記入力振動部を中心に放射状に配してあることを特徴と
する。
【0009】第2発明にあっては、複数の伝播路、即ち
複数の共振子アレイ部が入力振動部を中心に放射状に配
してあるので、音響振動センサの小型化が可能となる。
【0010】第3発明に係る音響振動センサは、第1又
は第2発明において、少なくとも1つの前記共振子アレ
イ部は、共振すべき周波数帯域が、他の共振子アレイ部
の周波数帯域と異なることを特徴とする。
【0011】第3発明にあっては、異なる周波数帯域の
共振子アレイ部を備えることにより、より広帯域周波数
での検出が可能となる。
【0012】第4発明に係る音響振動センサは、第1乃
至第3発明のいずれかにおいて、前記入力振動部が、前
記複数の共振子アレイ部の幾何学的中心部を含む位置に
配してあることを特徴とする。
【0013】第4発明にあっては、共振子アレイ部の複
数が配された領域全体に対する幾何学的中心部を少なく
とも含み、該幾何学的中心部の付近に入力振動部を形成
しているので、各共振子アレイ部への振動波の伝播が効
率よく行なえる。また、音響振動センサの一層の小型化
が可能となる。
【0014】第5発明に係る音響振動センサは、第1乃
至第3発明のいずれかにおいて、前記入力振動部が、前
記複数の共振子アレイ部の重心部を含む位置に配してあ
ることを特徴とする。
【0015】第5発明にあっては、共振子アレイ部が複
数配された領域全体に対する重心部を少なくとも含み、
該重心部の付近に入力振動部を形成しているので、マス
バランスが良くなり、振動自体が安定する。従って、安
定した振動特性が得られ、振動波の検出精度が高まる。
【0016】第6発明に係る音響振動センサは、第1乃
至第5発明のいずれかにおいて、共振子アレイ部の夫々
は、高周波数側で共振する共振子を前記入力振動部に近
い側に配してあることを特徴とする。
【0017】第6発明にあっては、高周波数側に共振す
る共振子を入力振動部に近い側に配することにより、中
央側に短い共振子が形成される。従って、小スペースで
複数の共振子アレイ部を配置することができ、音響振動
センサの小型化を図ることができる。また、振動波が高
周波数側から低周波数側へ伝播するので、効率の良い伝
送特性が得られ、検出精度が高くなる。
【0018】第7発明に係る音響振動センサは、第1乃
至第6発明のいずれかにおいて、前記複数の共振子アレ
イ部に積層された第2の入力振動部をさらに備え、該第
2の入力振動部は、前記複数の共振子アレイ部の中央に
位置する第1の入力振動部に接続してあることを特徴と
する。
【0019】第7発明にあっては、第2の入力振動部
は、複数の共振子アレイ部と所定の間隙を有して積層構
造をなしているので、音響振動センサの必要面積を増大
させることなく大面積の入力振動部を備えることができ
る。従って、音響振動センサの感度が向上する。
【0020】第8発明に係る音響振動センサは、第7発
明において、前記第2の入力振動部は、開口側が底部よ
りも広い凹部を有し、該凹部の底部を前記第1の入力振
動部に接続してあることを特徴とする。
【0021】第8発明にあっては、第2の入力振動部の
第1の入力振動との接続部分が、開口側が広い断面テー
パ状に形成されているので、複数の共振子アレイ部に振
動波を効率よく伝播できる。
【0022】第9発明に係る音響振動センサは、第7又
は第8発明において、前記複数の共振子アレイ部を支持
する基板をさらに備え、前記第2の入力振動部は前記基
板に支持されていることを特徴とする。
【0023】第9発明にあっては、第1の入力振動部は
複数の共振子アレイ部の中央にあって、基板とは直接接
続されていないが、第2の入力振動部が基板で支持され
ることにより、第2の入力振動部に接続された第1の入
力振動部が固定されて安定する。
【0024】第10発明に係る音響振動センサは、媒質
中を伝播する振動波を受ける入力振動部と、夫々が異な
る特定の周波数に共振する複数の共振子を並設した共振
子アレイ部とを備え、前記入力振動部で受けた振動波を
前記複数の共振子に伝播させて、前記共振子夫々の振動
強度を検出する音響振動センサにおいて、前記入力振動
部は前記共振子アレイ部に積層してあり、前記入力振動
部の一方の側は前記共振子アレイ部に接続してあること
を特徴とする。
【0025】第10発明にあっては、入力振動部が共振
子アレイ部と所定の間隙を有して積層構造をなしている
ので、音響振動センサの必要面積を拡大することなく大
面積の入力振動部を備えることができる。従って、音響
振動センサの感度が向上する。
【0026】第11発明に係る音響振動センサは、媒質
中を伝播する振動波を受ける第1の入力振動部と、夫々
が異なる特定の周波数に共振する複数の共振子を並設し
た共振子アレイ部とを備え、前記入力振動部で受けた振
動波を前記複数の共振子に伝播させて、前記共振子夫々
の振動強度を検出する音響振動センサにおいて、前記複
数の共振子アレイ部に所定の間隙を有して積層された第
2の入力振動部をさらに備え、該第2の入力振動部は、
開口側が底部よりも広い凹部を有し、該凹部の底部を前
記第1の入力振動部に接続してあることを特徴とする。
【0027】第11発明にあっては、第2の入力振動部
の第1の入力振動との接続部分が、開口側が広い断面テ
ーパ状に形成されているので、共振子アレイ部に振動波
を効率良く伝播できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づき具体的に説明する。なお、検出対象の
振動波として音波を例に用いた音響振動センサを以下に
説明する。 実施の形態1.図1は本発明の音響振動センサにおける
センサ本体の一例を示す図であり、図2は図1のII−II
線から見た断面図である。半導体シリコン基板30に形
成されるセンサ本体1は、入力音波を受ける矩形板状の
入力振動板2と、入力振動板2の周りの四辺から放射状
に十字に延びる4本の帯状の横断ビーム(伝播路)3,
3…と、各横断ビーム3の先端に連なる終止板4と、各
横断ビーム3の長手方向両側に夫々複数(2×n本)が
並列された棒帯状のカンチレバー(共振子)5,5…と
を備えている。これらのすべての部分は半導体シリコン
で、同一平面状に形成されている。
【0029】各横断ビーム3は、その幅が、入力振動板
2端で最も太く、終止板4側に向かうに従って除々に細
くなり、終止板4端で最も細くなっている。カンチレバ
ー5,5…は横断ビーム3を挟んでn本ずつ向かい合っ
て並列しており、横断ビーム3と2×n本のカンチレバ
ー5とで共振子アレイが構成される。入力振動板2を中
心にしてその周りに四方に第1〜第4の共振子アレイ部
10a,10b,10c,10dが放射状に配されてい
る。ここで、共振子アレイ部10a,10bは入力振動
板2を挟んで対向し、共振子アレイ部10c,10dは
他の側で対向位置にある。入力振動板2は、半導体シリ
コン基板30に形成されたセンサ本体1の幾何学的中心
部に位置している。また、センサ本体1の重心部に位置
しているとも言える。なお、本実施の形態では入力振動
板2がセンサ本体1の幾何学的中心部,重心部に位置し
ている場合を説明しているが、これに限らない。
【0030】カンチレバー5は、各共振子アレイ部10
a,10b,10c,10dにおいて、特定の周波数に
共振するように長さが調整されている。カンチレバー
5,5…の構成を第1の共振子アレイ部10aを例にと
り、以下に説明する。図3は、図1の音響振動センサを
部分的に示した斜視図である。これらの複数のカンチレ
バー5は、下記(1)式で表される共振周波数fにて選
択的に応答振動するようになっている。 f=(CaY1/2 )/(X2 1/2 ) …(1) 但し、C:実験的に決定される定数 a:各カンチレバー5の厚さ X:各カンチレバー5の長さ Y:材料物質(半導体シリコン)のヤング率 s:材料物質(半導体シリコン)の密度
【0031】上記(1)式から分かるように、カンチレ
バー5の厚さa又は長さXを変えることにより、その共
振周波数fを所望の値に設定することができ、各共振ビ
ーム5が固有の共振周波数を持つようにしている。本実
施の形態では、共振子アレイ部10a,10b,10
c,10dは、夫々、400 Hz〜800 Hz,800 Hz〜
1600Hz,1600Hz〜3200Hz,3200Hz〜6400Hzの
周波数帯域を検出するように設定されている。なお、こ
のような周波数帯域は連続的な値をとるものではなく、
カンチレバーに固有の共振周波数とは、周波数帯域中の
最大値,最小値及びその間を複数のカンチレバー5で割
り当てた値である。
【0032】第2,第3及び第4の共振子アレイ部10
b,10c,10dは、共振周波数帯域の違いによりカ
ンチレバー5の長さが異なること以外は共振子アレイ部
10aと同様であり、その説明を省略する。また、全て
のカンチレバー5の厚さaは一定であり、その長さXは
入力振動板2に近い側から終止板4に向かうに従い、順
次長くなるようにしている。カンチレバー5が長いほ
ど、より低周波数で共振する。
【0033】なお、以上のような構成をなすセンサ本体
1は、マイクロマシン加工技術を用いて半導体シリコン
基板30上に作製される。そして、このような構成にお
いて、入力振動板2に音波が入力されると入力振動板2
が振動し、音波を示すその振動波は4本の横断ビーム3
に伝播し、第1〜第4の共振子アレイ部10a〜10d
の夫々に伝わる。この振動波は、各カンチレバー5を夫
々の特定の周波数にて順次共振させながら終止板4まで
伝播する。
【0034】図4は、図1の音響振動センサの第1の共
振子アレイ部10aを用いる振動波検出部の回路図であ
る。なお、第2,第3及び第4の共振子アレイ部10
b,10c,10dに対する振動波検出部の構成及びそ
の動作はこれと同様であり、第1の共振子アレイ部10
aを代表にして説明する。共振子アレイ部10aの各カ
ンチレバー5の歪み発生部分(横断ビーム3側)にポリ
シリコンからなるピエゾ抵抗6が形成されている。これ
らの複数のピエゾ抵抗6はカンチレバー5に対応して夫
々対向して設けられており、一側のピエゾ抵抗6の一端
は共通で直流電源7(電圧V0 )に接続され、他側のピ
エゾ抵抗6の一端は共通で直流電源9(電圧−V0 )に
接続されている。また複数の演算増幅器100が、対向
する一対のピエゾ抵抗6に対応して設けてあり、各一対
のピエゾ抵抗6の他端は、演算増幅器100が備える演
算増幅回路8の負側入力端子に夫々接続されている。演
算増幅回路8の正側入力端子は接地されている。直流電
源7(9)にてバイアス電圧V0 (−V0 )が、共振子
アレイ部10aの同側のカンチレバー5全てに共通に印
加される。特定のカンチレバー5が共振すると、その歪
みによって対応するピエゾ抵抗6の抵抗値が変化し、そ
れらの変化の和が演算増幅器8の出力として得られるよ
うになっている。
【0035】図5〜図8は、上述した音響振動センサを
用いて音波を入力振動板に入力した場合に各共振子アレ
イ部で得られた振幅の周波数分布を示すグラフである。
各グラフは、1.0 Paの音波を入力振動板2に入力して
各カンチレバー5の先端での振幅をFEM(有限要素
法)にてシュミレーションした結果を示している。図5
は、第1の共振子アレイ部10aによるものであり、40
0 Hz〜800 Hzの周波数帯域を検出している。図6,
図7及び図8は、夫々、第2,第3及び第4の共振子ア
レイ部10b,10c,10dによるものであり、800
Hz〜1600Hz,1600Hz〜3200Hz,3200Hz〜6400
Hzの周波数帯域を夫々検出している。
【0036】なお、グラフ中、カンチレバー5の番号
は、夫々、入力振動板2側から採番したものである。各
共振子アレイ部のカンチレバー5の個数は2×25個で
あり、カンチレバー5,横断ビーム3,入力振動板2及
び終止板4の厚さは4.2 μmである。また、入力振動板
2の平面視寸法は3.5 mm×3.5 mmである。第1の共
振子アレイ部10aの具体的な仕様の一例を表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】グラフから、上述した音響振動センサは、
各共振子アレイ部10a〜10dで優れた周波数選択性
を有していることが判る。以上の如く、本実施の形態1
の音響振動センサは、入力振動板2の周りに十字状にな
るように放射状に共振子アレイ部10a〜10dを配し
ており、横断ビームの伝播力を弱めることなく、振動波
を広い帯域周波数で検出できる。また、各共振子アレイ
部10a〜10dにおいて、中央の入力振動板2に近い
側のカンチレバー5を終止板4側よりも短く形成してあ
るので、音響振動センサの必要面積を小さくできる。
【0039】実施の形態2.図9は実施の形態2の音響
振動センサにおけるセンサ本体の一例を示す図であり、
図10は図9のX−X線から見た断面図である。センサ
本体1は、共振周波数が異なる複数のカンチレバー5,
5…を備えた4つの共振子アレイ部10a,10b,1
0c,10dを矩形板状の入力振動板2の周りに配し、
4つの共振子アレイ部10a,10b,10c,10d
の上方にこれらを覆う態様で第2の入力振動板20が設
けられている。なお、共振子アレイ部10a,10b,
10c,10dと入力振動板2とは、上述した実施の形
態1と同様の構成を有しており、その説明を省略する。
【0040】図9及び図10に示すように、第2の入力
振動板20は均一な厚みを有して形成されており、中央
に凹部20aを有する碗蓋形状であり、外周部分にフラ
ンジ部20bが形成されている。凹部20aは開口部が
底部よりも大きい断面テーパ状を有しており、底部が入
力振動板2の上面に着設されている。フランジ部20b
は基板30上に着設され、第2の入力振動板20は基板
30で支持されている。このような第2の入力振動板2
0は、凹部20aの周りで上側へ膨らんだ形状に設けら
れており、4つの共振子アレイ部10a,10b,10
c,10dの上方に空間を隔てて第2の入力振動板20
が配され、積層構造を有している。
【0041】以上の如き構成の音響振動センサでは、第
2の入力振動板20に音波が入力されると第2の入力振
動板20が振動し、第2の入力振動板20に接続された
入力振動板2に伝播する。そして、振動波は入力振動板
2から4本の横断ビーム3に伝播し、第1〜第4の共振
子アレイ部10a〜10dの夫々に伝わる。この振動波
は、各カンチレバー5を夫々の特定の周波数にて順次共
振させながら終止板4まで伝播する。本実施の形態2の
音響振動センサは、上述した実施の形態1と同様の効果
を得、さらに第2の入力振動板20の面積が大きいの
で、感度が向上する。また、第2の入力振動板20と共
振子アレイ部10a〜10dとは積層構造を有するの
で、第2の入力振動板20の面積が大きくても音響振動
センサの必要面積は増大しない。
【0042】また、入力振動板2と第2の入力振動板2
0との接続部分の形状が、凹部20aの底部よりも開口
部の方が大きい断面テーパ状であるので、入力振動波を
効率よく共振子アレイ部に伝播させることができる。図
11は、実施の形態2の他の音響振動センサの構造を示
す断面図である。図に示すように、図10に示す第2の
入力振動板20よりも凹部21aのテーパ角αを大きく
形成している。入力される音波の音響インピーダンスが
整合するように、テーパ角αを設定することにより、さ
らに効率良く入力振動波を伝播させることができる。な
お、図11の音響振動センサのその他の構成は実施の形
態2と同様であり、対応する部分に対応うる符号を付し
て説明を省略する。
【0043】なお、実施の形態1及び実施の形態2で
は、第1〜第4の共振子アレイ部10a〜10dの共振
すべき周波数帯域を全て異なる帯域としたが、これに限
るものではなく、同帯域の共振子アレイ部を用いても良
い。また、少なくとも1つの共振子アレイ部の共振すべ
き周波数帯域が、他の共振子アレイ部の周波数帯域と異
なっていれば良い。さらに、複数の共振子アレイ部の中
で、異なる共振周波数を有する共振子を少なくとも1つ
備えていれば良い。
【0044】また、実施の形態1及び実施の形態2で
は、中央にある入力振動板2から周りに横断ビーム3,
3…が十字状に延びる構造を示しているが、これに限る
ものではなく、横断ビーム3,3…は入力振動板2を中
心に単に放射状に配してあるものも可能である。さら
に、入力振動板2はセンサ本体1の幾何学的中心部、又
は重心部に配した場合を説明しているが、これに限るも
のではなく、複数の共振子アレイ部の中央部分に配して
あれば良い。また、入力振動板2は、複数の共振子アレ
イ部が配された領域での幾何学的中心部又は重心部に配
してあっても良い。
【0045】さらにまた、上述した実施の形態1及び実
施の形態2では、カンチレバー5の共振周波数をその長
さによって決定する場合を説明しているが、これに限る
ものではなく、例えばカンチレバー5の厚みを変えるこ
とにより共振周波数を変えても良い。
【0046】さらにまた、カンチレバー5の振動強度の
検出部の構成は上述したものに限らない。カンチレバー
5の振動を電気信号に変換するものであれば良い。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、所定
の周波数帯域を有する共振子アレイ部の複数を入力振動
部の周りに配してあるので、該入力振動部が受けた振動
波を夫々の共振子アレイ部に別経路で伝播できる。従っ
て、伝播路の長さが拡張されることなく多数の共振子に
振動波が伝播され、振動波の広帯域での検出が可能とな
る。
【0048】また、本発明においては、大面積の入力振
動部を共振子アレイ部と積層構造をなすように形成して
いるので大型化することなく感度を向上できる等、本発
明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響振動センサにおけるセンサ本体の
一例を示す図である。
【図2】図1のII−II線から見た断面図である。
【図3】図1の音響振動センサを部分的に示した斜視図
である。
【図4】図1の音響振動センサの第1の共振子アレイ部
を用いる振動波検出部の回路図である。
【図5】音波をダイヤフラムに入力した場合に第1共振
子アレイ部で得られた振幅の周波数分布を示すグラフで
ある。
【図6】音波をダイヤフラムに入力した場合に第2共振
子アレイ部で得られた振幅の周波数分布を示すグラフで
ある。
【図7】音波をダイヤフラムに入力した場合に第3共振
子アレイ部で得られた振幅の周波数分布を示すグラフで
ある。
【図8】音波をダイヤフラムに入力した場合に第4共振
子アレイ部で得られた振幅の周波数分布を示すグラフで
ある。
【図9】実施の形態2の音響振動センサにおけるセンサ
本体の一例を示す図である。
【図10】図9のX−X線から見た断面図である。
【図11】実施の形態2の他の音響振動センサの断面図
である。
【符号の説明】
1 センサ本体 2 入力振動板 3 横断ビーム 4 終止板 5 カンチレバー 6 ピエゾ抵抗 10a〜10d 第1〜第4の共振子アレイ部 20 第2の入力振動板 20a 凹部 30 半導体シリコン基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 1/26 G01H 11/02 G10L 15/28

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒質中を伝播する振動波を受ける入力振
    動部と、夫々が異なる特定の周波数に共振する複数の共
    振子を並設した共振子アレイ部とを備え、前記入力振動
    部で受けた振動波を前記複数の共振子に伝播させて、前
    記共振子夫々の振動強度を検出する音響振動センサにお
    いて、 複数の前記共振子アレイ部を、前記入力振動部の周りに
    配してあることを特徴とする音響振動センサ。
  2. 【請求項2】 媒質中を伝播する振動波を受ける入力振
    動部と、夫々が異なる特定の周波数に共振する複数の共
    振子を並設した共振子アレイ部とを備え、前記入力振動
    部で受けた振動波を前記複数の共振子に伝播させて、前
    記共振子夫々の振動強度を検出する音響振動センサにお
    いて、 前記共振子アレイ部を複数備え、夫々の共振子アレイ部
    は前記共振子の一端側を連接する伝播路を有し、複数の
    前記伝播路が前記入力振動部を中心に放射状に配してあ
    ることを特徴とする音響振動センサ。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つの前記共振子アレイ部
    は、共振すべき周波数帯域が、他の共振子アレイ部の周
    波数帯域と異なる請求項1又は2記載の音響振動セン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記入力振動部が、前記複数の共振子ア
    レイ部の幾何学的中心部を含む位置に配してある請求項
    1乃至3のいずれかに記載の音響振動センサ。
  5. 【請求項5】 前記入力振動部が、前記複数の共振子ア
    レイ部の重心部を含む位置に配してある請求項1乃至3
    のいずれかに記載の音響振動センサ。
  6. 【請求項6】 共振子アレイ部の夫々は、高周波数側で
    共振する共振子を前記入力振動部に近い側に配してある
    請求項1乃至5のいずれかに記載の音響振動センサ。
  7. 【請求項7】 前記複数の共振子アレイ部に積層された
    第2の入力振動部をさらに備え、該第2の入力振動部
    は、前記複数の共振子アレイ部の中央に位置する第1の
    入力振動部に接続してある請求項1乃至6記載の音響振
    動センサ。
  8. 【請求項8】 前記第2の入力振動部は、開口側が底部
    よりも広い凹部を有し、該凹部の底部を前記第1の入力
    振動部に接続してある請求項7記載の音響振動センサ。
  9. 【請求項9】 前記複数の共振子アレイ部を支持する基
    板をさらに備え、前記第2の入力振動部は前記基板に支
    持されている請求項7又は8記載の音響振動センサ。
  10. 【請求項10】 媒質中を伝播する振動波を受ける入力
    振動部と、夫々が異なる特定の周波数に共振する複数の
    共振子を並設した共振子アレイ部とを備え、前記入力振
    動部で受けた振動波を前記複数の共振子に伝播させて、
    前記共振子夫々の振動強度を検出する音響振動センサに
    おいて、 前記入力振動部は前記共振子アレイ部に積層してあり、
    前記入力振動部の一方の側は前記共振子アレイ部に接続
    してあることを特徴とする音響振動センサ。
  11. 【請求項11】 媒質中を伝播する振動波を受ける第1
    の入力振動部と、夫々が異なる特定の周波数に共振する
    複数の共振子を並設した共振子アレイ部とを備え、前記
    入力振動部で受けた振動波を前記複数の共振子に伝播さ
    せて、前記共振子夫々の振動強度を検出する音響振動セ
    ンサにおいて、 前記複数の共振子アレイ部に積層された第2の入力振動
    部をさらに備え、該第2の入力振動部は、開口側が底部
    よりも広い凹部を有し、該凹部の底部を前記第1の入力
    振動部に接続してあることを特徴とする音響振動セン
    サ。
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