JP3353699B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機電界発光素
子(以下有機EL素子という)、特にその素子特性の劣
化を防止するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、ガラス基板上にITO
(Indium Tin Oxide)透明電極(陽極)、有機膜(有機
正孔輸送層、有機発光層等)、金属電極(陰極)が形成
されて構成されている。ところが、このような有機EL
素子において、有機膜や金属電極が、酸化や熱に対して
弱いことが知られており、素子の長寿命化のために、素
子を水分や酸素を排除した雰囲気に置いたり、素子の発
光の際に発生する熱が効率よく逃げ得る構造を採用して
酸化や熱による劣化を防止する必要がある。
【0003】このため、有機EL素子は、一般に図21
に示すような構造とされている。つまり、素子の電極及
び有機膜が大気に触れないように素子表面に保護膜を形
成したり、封止用筐体と素子とを封止して、封止空間に
熱伝導性のよい不活性ガスのHeを封入したり(例え
ば、特開平4−249092号公報)、溶存酸素濃度が
1ppm以下の不活性な液状弗素化炭素を封入(特開平
9−35868号公報)するといった方法が採用されて
いた。また、封止空間の封入ガス内の微量な水分や酸素
を取り除くために、酸素・水分の吸着層を封止用筐体中
に形成(特開平6−176867)するといった方法が
採られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機E
L素子の有機膜は、100〜200nm程度の厚さであ
り非常に薄い。これに対し、通常の半導体プロセス用の
クリーンな環境で素子を作製しても、100nm程度の
ダストがあるため、図22に示すように、ITO電極と
金属電極間に、ダストやパーティクルにより微小領域で
短絡した部分が発生することは現在のところ避けること
ができない。
【0005】このような短絡部分には、過剰な電流が流
れるために、封止空間内に酸素や水が存在すれば金属電
極が酸化し、絶縁体になる。しかし、従来、有機EL素
子は、水分や酸素を除去した雰囲気で作製して封止する
ために、微少な短絡部分があっても、短絡部分が酸化し
て電気的に修復がなされることはない。従って、このよ
うな短絡部分を有する有機EL素子は、その初期特性
(低電流駆動に対する発光挙動)が不安定であるという
問題があることがわかった。しかも、微小な短絡部分が
素子の駆動に伴ってだんだんと拡大進行する可能性があ
り、素子寿命の点でも問題がある。
【0006】このような問題点を解決するためには、
(i)素子作製工程中の100nm程度以上のダストを
完全に除去するか、(ii)有機膜の膜厚を厚くすること
が考えられる。ところが、(i)のように100nm程
度のダストを完全に除去することは、現在の技術では困
難であり、ディスプレイサイズが大きくなればなるほ
ど、ディスプレイ全面に全くダストが付着しないように
することが不可能となる。また、(ii)のように有機膜
を厚くする方法では、ダストの影響は少なくなる。しか
し、有機膜中のキャリアは、空間電荷制限電流に従って
流れるため、一定電流を流そうとすると、膜厚の1.5
乗の電圧が必要であり、非常に駆動電圧が高くなる。こ
のため、素子の熱による劣化が大きく実用的でない。
【0007】そこで、素子の初期特性を安定させ、かつ
素子寿命を伸ばすためには、微小な短絡部分があって
も、素子完成前にそれを電気的に修復しておくことが好
適であると考えられる。つまり、微小な短絡部分があっ
ても、この短絡部分を電気的に開放モードの破壊(短絡
部分が絶縁体化してそれ以上電流が流れないモード)を
意図的に発生させて、発生した短絡部分を修復すること
で、これを人間の目には見えない程度の大きさのダーク
スポットに抑えることが好適であると考えられる。本発
明では、この様な短絡部分の修復を行い、初期特性が安
定しかつ長い素子寿命を備えた有機EL素子を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る有機電界
発光素子は、基板上に陽極と陰極との間に少なくとも有
機発光層を挟むように形成されて構成された素子要素
が、封止用筐体で封止された有機電界発光素子であり、
前記有機電界発光素子の完成前に前記素子要素を0.1
〜20%の酸素雰囲気に曝す又は該酸素雰囲気にて通電
処理したことを特徴とする。
【0009】上述のように、有機EL素子は、大気中の
酸素や水分により劣化が進むため、酸素・水分量が数p
pm以下の不活性ガスで封止された構造をとるのが一般
的である。しかし、素子の成膜、封止工程を通じて、一
切、素子が酸素・水分にふれないと、素子の初期駆動時
に、ダストやパーティクルによる短絡部分が多く存在
し、発光に寄与しない漏れ電流が多く流れる。また、こ
のような素子を連続駆動すると、数分から数時間で制御
不能な短絡部分に過大な電流が流れ、これに起因して、
1素子中に表示欠陥となる絶縁破壊部分が多数発生する
場合があることが明らかになった。
【0010】駆動初期における漏れ電流の発生原因は、
微小な漏れ領域の存在、つまり現在の半導体プロセスで
完全になくすことができないパーティクル等による短絡
の存在であると考えられ、この短絡を予め酸化・絶縁化
させる、即ち短絡の電気的な修復を行っておけば、駆動
初期の漏れ電流や、その後の表示欠陥部分の発生を未然
に防ぐことが可能となる。本発明では、陽極、有機膜
(有機発光層)及び陰極が形成されて構成された素子要
素を所定の酸素雰囲気に曝す、或いはこの雰囲気で通電
処理する。このような酸素雰囲気に曝す、又は該雰囲気
内で通電処理を行えば、これらの処理により、例えば陽
極と陰極との間がパーティクルによって短絡していて
も、短絡部分が雰囲気中の酸素によって酸化され、両極
間の絶縁性が修復されることとなる。この修復処理は、
素子要素に封止用筐体を封止する前に、該素子要素を酸
素雰囲気に曝す又は更に通電処理するか、或いは封止空
間内の封入ガス中に酸化性のガス(酸素等)を混合する
ことで実現できる。そして、この様な修復処理を素子の
完成前に行っておくことで、初期特性の安定な有機EL
素子を歩留まりよく作製することが可能となる。よっ
て、有機ELパネルの大型化にも対応することが容易と
なる。
【0011】封入ガスに酸化性のガスを混合することで
素子完成前に素子要素を酸素雰囲気に曝す場合には、例
えば、酸素(O2、N2O等)を0.1〜20%含む窒素
ガスや不活性ガス(例えばHeガス)を封入ガスとして
用いることができる。なお、この封入ガスは、封止空間
内に大気圧程度で封止される。
【0012】酸素雰囲気で通電処理を行う場合には、素
子要素作成後、封止前に該素子要素を酸素(O2、N2
等)を0.1〜20%含む窒素ガスや不活性ガス(例え
ばHeガス)の中に配置し、陽極と陰極との間に所定の
電流を流して発光させる。電流量は、例えば1つの有機
EL素子内に形成される複数の画素のそれぞれに対して
50mA/cm2とする。素子要素に対してこの様な通
電処理を予め行う場合には、封止空間に封入される封入
ガスは100%非酸化性ガス(例えばN2ガスや、H
e、Ar等の不活性ガス)とすることができる。
【0013】また、酸素吸収材を封止空間内に設ける構
成を適用することも可能であり、これにより、素子駆動
初期には漏れ部分の修復に必要であるが、その後の素子
駆動に際しては、不要となった酸素を取り除くことが可
能となり、素子の更なる長寿命化が図られる。
【0014】この発明の他の特徴は、基板上に陽極と陰
極との間に有機発光層を挟むように形成されて構成され
た素子要素が、封止用筐体で封止された有機電界発光素
子であり、前記素子要素と前記封止用筐体との間の封止
空間内に、予め0.1〜20%の酸素と非酸化性ガスを
封入すると共に、前記封止空間内に、時間の経過に伴っ
て前記封止空間内に封入された酸素を取り除く酸素吸収
材を設けたことである。
【0015】封止空間内に酸素を封入しておくことで上
述のように素子要素上に形成されている陽極、陰極及び
有機発光層等に短絡部分が存在していてもこの短絡部分
が封入酸素によって酸化されて短絡が電気的に修復され
る。更に、酸素吸収材を封止空間内に設けることで、封
止後、短絡部分が電気的に修復された後にも封止空間内
に酸素が残留して、この酸素によって素子が劣化するこ
とを確実に防止することができる。よって、素子の寿命
をさらに向上させることができ、パネルサイズの大きい
有機EL素子の歩留まりを上げるとともに、長期の信頼
性に優れたパネルを提供することができる。
【0016】酸素吸収材は、酸素だけでなく水分吸収機
能を備えてもよい。この吸着材としては、例えば、Ba
O、CaO、アルカリ金属、アルカリ土類金属或いは、
活性酸化鉄微鉄粉等が利用可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明の好
適な実施の形態(以下実施形態という)について説明す
る。
【0018】[実施形態1]図1は、本実施形態1に係
る有機EL素子の概略構成を示している。この有機EL
素子は、ガラス基板1上に陽極であるITO透明電極2
が形成され、該透明電極2上に有機発光層を含む有機膜
3が形成され、更に有機膜3上には陰極として金属電極
4が形成されて構成された素子要素を備える。ここで、
有機膜3は、例えば正孔輸送材料と発光層との積層から
構成され、又は、発光層と金属電極4との間に更に電子
輸送層が設けられた積層膜である。金属電極4は、Mg
Agや、LiFとAlとを積層したものが用いられてい
る。
【0019】また、このような素子要素には、更に該素
子要素に密着しないように間隙を持たせた構造の封止用
筐体5がエポキシ系樹脂や紫外線硬化樹脂等の樹脂6を
用いて封止されている。更に、封止空間内には、酸化性
ガスを含むガスが封入されている。具体的には、封入ガ
スは、酸化性ガス(O2、N2O等)と非酸化性ガス(N
2、又はAr、He等の不活性ガス)の混合ガスが用い
られ、酸化性ガスの濃度は、20%〜0.01%の範囲
に設定されている。例えば、酸化性ガスO2と非酸化性
ガス(N2又はAr又はHe)の混合ガスや、酸化性ガ
スN2Oと非酸化性ガス(N2、Ar、He)の混合ガス
が利用可能である。
【0020】なお、本実施形態において、素子要素のE
L素子要素(陽極2、有機膜3、陰極4)は、図1に示
す構成又は上記材料に限らず、どのような素子構成であ
っても効果が得られる。
【0021】(実施例1)次に、本実施形態1の有機E
L素子の製造方法の一例(実施例1)について説明す
る。実施例1では、封止機構を有する予備排気室と成膜
室からなる装置を用いてEL素子要素を備えた素子要素
の作成と該素子要素と封止用筐体との封着を行ってい
る。このような構成の装置は、基板の導入からEL素子
要素の封止完了工程まで、高真空中でEL素子を作製で
きるため、大気中の水分や酸素を取り除いた条件で素子
作製ができる。また、素子の作製にあたっては、清浄度
がクラス200(200個/フィート3)程度のクリー
ンな環境で実施した。酸素を含む封入ガスに曝されるま
での素子製造工程中においては、素子要素は大気には、
曝されず全て高真空中で素子の搬送が実施されている。
【0022】「工程1」素子要素を形成するための基板
1としては、陽極2となるITOが既にパターンニング
されているガラス基板を用いた。この基板1を有機アル
カリ洗浄剤セミコクリーン56(フルウチ化学)、純
水、アセトン、イソプロピルアルコールをこの順に用い
て超音波洗浄した後、基板1をオーブン中で乾燥した。
【0023】「工程2」その後、ITO2の表面の有機
汚染物質を除去するために、UVオゾン処理を行い、す
ばやく予備排気にセットした。
【0024】「工程3」次に、基板1を真空状態にした
成膜室中に搬送し、ここで基板1の上に有機膜用のマス
クを装着し、その後、カーボンるつぼを加熱すること
で、有機膜3として、正孔輸送層[トリフェニルアミン
4量体]、発光層[キノリノールアミン錯体(Al
q)]の順で、それぞれ、2〜4nm/minの成膜レ
ートで、各層をそれぞれ60nmずつ成膜した。
【0025】「工程4」真空を維持したまま、上記有機
膜用マスクを陰極用マスクに交換し、BNルツボとWフ
ィラメントを抵抗加熱し、陰極4として、MgとAgと
の合金を堆積比9:1の割合で、180nm成膜した。
成膜速度は10〜15nm/minとし、成膜は、2×
10-6Torr以下の真空度で行った。また、上記陽極
2、有機膜3及び陰極4の積層構造からなる有機EL素
子の面積は、3×3mm2とした。
【0026】「工程5」これら素子要素を形成した後、
封止機構を有する予備排気室に、中央を削り取ったガラ
ス板よりなる封止用筐体5をセットし、5×10-5To
rr以下に真空排気した。なお、この封止用筐体周囲に
は、封止用樹脂6としての紫外線硬化樹脂を塗布してあ
る。
【0027】「工程6」封止用筐体のセット終了後、素
子基板を真空排気した状態でこの筐体が配置された予備
排気室に搬送した。その後、予備排気室に封入ガスとし
てO2とN2の混合ガスを大気圧まで導入し、直線導入機
を用いて封止ガラスを密着させ、150WのUVランプ
をビューイングポートを通して照射することで、封止用
樹脂6を硬化させ封止構造を有するEL素子を作製し
た。
【0028】「比較例1作成工程」本実施例1に係る有
機EL素子の比較例1として、上記工程6の封入ガスに
酸素を含まない100%N2を用いた有機EL素子を作
製した。
【0029】上記工程6及び比較例作成工程において、
封止機構を有する予備排気室の真空度は、5×10-5
orrであり、また、用いた封入ガス中に含まれる水分
は、両工程共に2ppm以下であるので、封止ガラスと
素子要素との間の封止空間に含まれる水分は、数ppm
以下である。
【0030】次に、完成した本実施例1に係る有機EL
素子と比較例に係る有機EL素子の特性の測定結果につ
いて説明する。両有機EL素子の初期特性は、注入電流
を1μA〜100mA(電荷密度にして0.01mA/
cm2〜1000mA/cm2)の範囲で階段状に増加さ
せ、その時の輝度を測定した。電流のスキャンは、5〜
10回繰り返した。
【0031】図2〜図4は、封入ガス中の酸素濃度を
0.1%〜100%の範囲で変えた素子の発光輝度−注
入電流(注入電化密度)特性を示している。純N2の封
入ガスを封止した比較例1に係る有機EL素子では、数
回の電流スキャンの際、発光に寄与しない漏れ電流が大
きかった。図2は、7回目の電流スキャンの場合の特性
を示しているが、100mA/cm2程度の電流を流す
まで、漏れ電流が大きく発光せず、非常に不安定であっ
た。
【0032】これに対して、封入ガス中に酸素を混合し
た本実施例1に係る素子では、実施例1−1の素子に対
応する図3(封入ガス:20%O2−N2)、実施例1−
2に対応する図4(封入ガス:0.1%O2−N2)に示
すように、酸素割合が20%、0.1%のいずれの素子
についても、数回の電流スキャンでも、素子本来の特
性、つまり低電流から発光し、0.1mA/cm2と低
い電流値で、0.1cd/m2程度の発光輝度を示し
た。また、実施例1−1及び1−2のいずれも電流量が
増加するに従い輝度がほぼ比例して増加している。
【0033】図5〜図7は、これら各素子の寿命特性を
示す。寿命は、11mA/cm2の直流の定電流を素子
に流し、相対輝度の時間変化を測定して調べた。図2に
示すように低電流付近での発光特性である初期特性の不
安定であった比較例1(封入ガス:純N2ガス)に係る
有機EL素子は、図5に示すように数十分程度で相対輝
度が0になってしまい、実質的に発光不能な状態になっ
てしまっていることがわかる。これは、電気的に自己修
復されることなく作成された素子要素中の微小な短絡部
分が、素子駆動により壊滅的な短絡破壊を起こしたため
と考えられる。
【0034】これに対して、封入ガスとしてO2とN2
混合ガスを用いた本実施例1に係る有機EL素子では、
封入されたO2ガスにより短絡部分が予め電気的に自己
修復されるため、素子駆動により短絡破壊が進行するこ
とはなく、図6(実施例1−1:20%O2ガス)及び
図7(実施例1−2:0.1%O2ガス)に示すよう
に、駆動経過時間とともに緩やかに輝度が低下する傾向
を示しており、実用に適した素子が得られていることが
分かる。ここで、実施例1−1と実施例1−2とを図6
と図7に基づいて比較してみる。封入ガス中の酸素濃度
が20%の実施例1−1の素子(図6)では、100時
間程度でダークスポットの発生が確認された。また、酸
素濃度が0.1%の封入ガスを用いた実施例1−2の素
子(図7)では、1000時間程度では、まだ全くダー
クスポットが発生しておらず、輝度の経時変化を外挿し
た結果、半減寿命は、10,000時間以上であり、酸
素濃度が低い方が、非常に長い寿命の素子が得られるこ
とがわかった。
【0035】以上説明したように、本実施形態1のよう
に酸素を含む封入ガスを用いることにより、EL素子要
素中のダストやパーティクルによってできる微小な短絡
部分が、封入ガス中の酸素によって、酸化し、絶縁性を
持つようになる。このため、発光に寄与しない短絡部分
(電流漏れ部分)が電気的に自己修復される。よって、
上記測定結果から明らかなように低い注入電流密度から
発光が開始する正常な素子初期特性を示すようになる。
ここで、微小な短絡部分は、数μm程度と小さいため、
自己修復過程を経てできる非発光部分は、発光時に肉眼
によって観察されることはなく、表示素子としてなんら
問題ない。
【0036】また、素子の寿命特性に関しては、封入ガ
ス中に酸素を含ませることにより酸素の無い比較例に係
る素子に比べてその寿命が格段に延びる。更に、図6と
図7の比較によりわかるように、封入ガス中の酸素濃度
が低い方が素子の寿命が長い。これは、封入ガス中の酸
素濃度が高いと、微小な短絡部分以外の電極部分も酸化
され、ダークスポットが成長するためであると考えられ
る。しかし、酸素濃度を0.1%程度とすれば、ダーク
スポットの成長は認められず、封入ガス中の酸素が、有
機EL素子の初期駆動時に影響を及ぼす短絡部分の自己
修復にのみ働き、有機EL素子を劣化させることはな
い。
【0037】なお、素子要素の短絡部分の電気的な自己
修復は、封入ガスに酸化性ガスを含ませるものに限ら
ず、後述する実施形態3又は4のように封入工程以前に
酸素雰囲気に素子要素を曝したり、更に素子要素に通電
処理を施して積極的に酸化・絶縁させて行ってもよい。
【0038】[実施形態2]図8は、本実施形態2に係
る有機EL素子の構成を示している。有機EL素子の素
子要素に関する。本実施形態2では、実施形態1と同様
な構成の素子要素を封止する封止用筐体5内の封止空間
内に、酸素を含む封入ガスを封入すると共に、該封止用
筐体5の封止空間側の内面に、酸素吸収材8を配置して
いる。この酸素吸収材8は、封入ガス中の酸化性ガスを
化学的に吸着し、かつ、吸着後は再放出しない機能を備
えるが、更に、酸素だけでなく水分吸収機能を備えても
よい。この吸収材8としては、例えば、BaO、Ca
O、アルカリ金属、アルカリ土類金属或いは、活性酸化
鉄微鉄粉(例えば、三菱瓦斯化学製の登録商標「エージ
レス」)等が利用可能である。このように封止空間内
に、酸素吸収材8を設ければ、封止後、最初のうちはこ
の空間内に酸化性ガス成分が存在するが、この吸収材8
により徐々に吸収されやがて酸化性ガス成分は封止空間
内から殆ど取り除かれる。
【0039】(実施例2)次に、本実施形態2のより具
体的な実施例2について以下説明する。本実施形態2で
は、陰極4として、MgAg合金ではなく、LiFとA
lの積層膜から構成した。この積層膜は、Wフィラメン
トを用いてLiFを0.5nm、K−セルを用いてAl
を150nm積層したものである。陰極電極材料以外の
基板の洗浄工程、有機膜3の構成、成膜条件等は、上記
実施例1と同じである。
【0040】本実施例2において、上記酸素吸収材8と
しては、三菱瓦斯化学製の活性酸化鉄微鉄粉(登録商標
「エージレス」)をポリビニルアルコールで分散させ、
これを封止用筐体5の封止空間側内面に薄く塗布して用
いた。そして、この酸素吸収材8が形成された封止用筐
体5の周囲に封止用樹脂6として紫外線硬化樹脂を塗布
し、封止機構を有する予備排気室にセットし真空排気し
た。
【0041】この封止用筐体5に、素子基板を真空排気
した状態で搬送し、更に封入ガスとしてO2(1%)と
2の混合ガスを大気圧まで導入し、直線導入機を用い
て封止用筐体5を素子基板に密着させ、UVランプを照
射して封止用樹脂6を硬化させ封止構造を有する本実施
形態2に係る有機EL素子を作製した。
【0042】また、比較例2として、封止用筐体5内に
酸素吸収材8を配置せず、封入ガス中の酸素濃度を1%
とした有機EL素子(実施形態1に相当)も作製した。
【0043】次に、完成した有機EL素子の特性の測定
結果について説明する。素子の初期特性については、注
入電流を1μA〜100mA(電荷密度にして0.01
mA/cm2〜1000mA/cm2)の範囲で階段状に
増加させ、その時の発光輝度(cd/m2)を測定し
た。電流のスキャンは、5〜10回繰り返した。
【0044】比較例2と実施例2に係る有機EL素子の
発光輝度−注入電流(注入電化密度)の初期特性を図
9、10に示す。両素子とも1回、2回と電流スキャン
を繰り返すと、漏れ電流が流れなくなり、本来の素子初
期特性、つまり低電流から発光し0.1mA/cm2
低い電流値で、0.1cd/m2程度の発光輝度を示す
と共に、電流が増加するに従い輝度がほぼ比例して増加
する特性を示した。また、初期特性は安定であった。
【0045】両素子の寿命特性は、図11、12に示
す。寿命は、11mA/cm2の直流の定電流を流し
て、輝度の時間変化を測定した。封入ガスの酸素濃度を
1%とした場合、酸素吸収材なしの比較例2に係る素子
では、図11に示すように、1000時間程度でダーク
スポットが観察された。これに対して、実施例2のよう
に酸素吸収材を塗布した場合、図12に示すように同じ
酸素濃度が1%でも、1000時間以上の連続駆動にお
いてもダークスポットが発生しなかった。また、実施例
2に係る有機EL素子の輝度の経時変化を外挿した結
果、半減寿命は、50,000時間以上であった。更
に、上述の実施例1の酸素吸収材なしの素子(半減寿命
10,000時間以上)と比べても、その寿命が長くな
っていることがわかる。
【0046】以上のように、本実施形態2では、上述の
実施形態1と同様、封入ガスに酸素を含むので、発光に
寄与しない短絡部分(漏れ部分)が、素子完成前に電気
的に自己修復するという作用を示す。封入ガス中の酸素
が数%以下の濃度であれば、素子の自己修復後、ダーク
スポットなどの発生がなく十分な寿命を示すが、多少な
りとも有機膜や金属電極の劣化に影響を及ぼす可能性が
ある。この点については、本実施形態2において封止用
筐体内に塗布された酸素吸収材が、素子の電気的修復に
必要とされた封入ガス中の酸素の残存分を吸着するた
め、封入ガス中の酸素を除去し、長期にわたって、素子
駆動中における酸素の素子へ悪影響を及ぼすことを可能
としている。
【0047】[実施形態3]図13は、本実施形態3に
係る有機EL素子の構成を示している。本実施形態3に
係る素子は、例えば、上記実施例1において説明した
「工程1」〜「工程4」と同様な工程を経てガラス基板
1上に素子要素を備える。
【0048】本実施形態3では、この様にして作成され
た有機EL素子の素子要素に対し、その短絡部分を電気
的に自己修復するための方法として、実施形態1のよう
に封入ガスに酸素を混合して酸素雰囲気に曝すのではな
く、陽極2上に有機膜3と陰極4とを成膜した後、封止
前に、素子基板を酸化性ガスを含む酸素雰囲気中で保持
し、かつ、保持中に素子要素に電流を流し、積極的にパ
ーティクルなどによる短絡部分の電気的な修復を行う。
つまり、酸素雰囲気中で通電処理することで、微小な短
絡部分を酸化・絶縁体化し、修復を行う。
【0049】(実施例3)以下、本実施形態3に係る具
体的な例(実施例3)について、図14を参照して説明
する。図14は、本実施例3の有機EL素子を作製する
ための製造工程及びその装置を概念的に示している。な
お、上記実施例1で示した「工程1」〜「工程4」まで
はほぼ同様であるため、この「工程4」以降の一例につ
いて説明する。但し、本実施例3では上記実施例1の
「工程4」において、成膜を8×10-7Torr以下の
真空度で行った。また、陰極4である金属電極は、ここ
ではMgAg合金を用いたが、実施例2に示したよう
に、例えばLiF/Alの積層膜を用いてもよい。
【0050】「工程7」実施例1と同様な方法によって
成膜室内で作製した素子要素をガラス基板1上に形成し
た後、素子基板を真空排気された素子修復室(封止室兼
用)に搬送した。ここで、O2(1%)とN2の混合ガス
を大気圧まで導入した。
【0051】「工程8」更に、スプリング付きの電極に
よって、素子要素の電極と電気的な接続をとり、素子要
素の全画素にそれぞれ50mA/cm2までの電流を流
し、発光させる。この通電、発光処理中に素子要素中の
微小な短絡部分は、酸化され、絶縁化して電気的に自己
修復した。
【0052】「工程9」素子要素の修復後、再度、成膜
室に素子基板を搬送し、BNルツボを加熱することで、
図13に示すように、GeOからなる保護膜9を成膜速
度5nm/minで素子要素上に200nm成膜した。
なお、保護膜9としては、GeOに限らずSiO等を用
いることもできる。
【0053】「工程10」次に、周囲に封止用樹脂6と
して紫外線硬化樹脂を塗布した封止用筐体をセットし、
室内を2×10-6Torr以下に真空排気した封止機構
を有する封止室(素子修復室兼用)に、上記工程9にお
いて保護膜9を形成した素子基板を搬入した。ここで、
封入ガスとしては純N2を用い、該N2を大気圧まで室内
に導入した。次に、直線導入機を用いて封止用筐体5を
素子基板に密着させ、150WのUVランプをビューイ
ングポートを通して照射することで、樹脂を硬化させ封
止構造を有するEL素子を作製した。
【0054】「比較例3形成工程」また、比較例3とし
て、素子に対して修復工程を施さない従来と同様の有機
EL素子も作製した。
【0055】なお、以上の工程中、全ての真空チャンバ
ーは、2×10-6Torr以下に真空排気している。ま
た用いた封入ガス中に含まれる水分は、2ppm以下で
あり、封止後、封止空間内に含まれる水分は、数ppm
以下である。
【0056】以上のようにして作製した有機EL素子の
特性測定結果は以下のとおりである。まず、図15及び
図16は、作製した有機EL素子の初期特性について、
注入電流を1μA〜100mA(電荷密度として、0.
01mA/cm2〜1000mA/cm2)の範囲で階段
状に増加させ、その時の輝度を測定した結果として示し
ている。比較例3のように修復工程がなく、封入ガスに
酸素が含まれない有機EL素子では、図15に示すよう
に、発光に寄与しない漏れ電流が大きく、1回目から3
回目以降に至るまで、いずれの場合でも、100mA/
cm2程度の電流を流すまで、漏れ電流が大きく発光し
ていない。また、初期特性は非常に不安定であった。こ
れに対して、本実施例3のように酸素雰囲気中で通電処
理した素子では、図16に示すように、0.1mA/c
2と低い電流値で、0.1cd/m2程度の発光輝度を
示し、電流が増加するに従い輝度にほぼ比例して増加す
る安定な特性を示した。
【0057】これらの素子の寿命特性を図17及び図1
8に示す。寿命は、11mA/cm2の直流の定電流を
流して、輝度の時間変化を測定した。
【0058】図17に示すように、初期特性でも不安定
であった修復工程のない比較例3に係る素子は、数時間
程度で壊滅的な短絡破壊が生じた。これに対して本実施
例3に係る修復工程を実施した素子の場合には、図18
に示すように、短絡破壊することなく、経過時間ととも
に緩やかに輝度が低下する傾向にあった。また、本実施
例3に係る素子では、駆動時間1000時間程度では、
全くダークスポットが発生せず、輝度の経時変化を外挿
した結果、半減寿命は、20,000時間以上であっ
た。
【0059】以上のことから明らかなように、本実施形
態3に係る有機EL素子では、素子の初期特性が高くか
つ寿命の長いものが得られるとともに、酸素雰囲気中で
通電処理して修復するので、短絡部分の酸化・絶縁体化
を加速することができ、素子作製の時間を短縮できる。
ここで、本実施形態3において、微小な漏れ部分は、数
μm程度と小さいため、修復過程でできる非発光部分
は、発光時に肉眼によって観察されることはなく、表示
素子としてほとんど問題ない。
【0060】なお、本実施形態3において、有機EL素
子の有機膜3、陰極4、保護膜の材料は、限定しない。
また、保護膜9は省略しても良い。
【0061】[実施形態4]上記実施形態3では、陽極
2上に有機膜3と陰極4とを成膜した後、封止前に、素
子基板を酸化性ガスを含む酸素雰囲気中で保持しながら
通電処理を行って短絡部分の自己修復を行っているが、
本実施形態4では、通電は行わず、素子要素をガラス基
板1上に形成した後、封止前に、素子基板を酸化性ガス
を含む酸素雰囲気中で所定時間保持する。
【0062】(実施例4)以下、本実施形態4の具体的
な例である実施例4について説明する。実施例4では、
有機膜3の構成は上述の各実施例と同様であり、陰極2
としては、実施例2と同様に、LiF/Alの積層膜を
用いた。具体的には、Wフィラメントを用いてLiFを
0.5nm形成し、更にK−セルを用いてAlを150
nm形成し、積層した。
【0063】また、保護膜については、その材料や成膜
条件にも依存するが、保護膜の応力により、素子の劣化
が発生する場合があるので、実施例4では、図13に示
す保護膜9を成膜していない。電極材料、保護膜の形成
以外の基板の洗浄工程、有機膜の構成、成膜条件等の素
子要素の他の成膜条件は、実施例3と同じである。
【0064】以下、該実施例3の「工程7」以降に代わ
る本実施例4の有機EL素子の製造工程について説明す
る。
【0065】「工程11」有機膜3、陰極4の成膜後、
得られた素子基板を素子修復室に搬送し、O2(5%)
−N2ガスを大気圧まで導入し、素子に電流を流すこと
なく、O2(5%)−N2の雰囲気で1時間保持する修復
工程を実施した。
【0066】「工程12」その後、成膜室に素子基板を
一旦搬送した。
【0067】「工程13」次に、封止用筐体5の封止空
間内面側に実施形態2と同様に酸素吸収材8を配置し
た。ここでは、酸素吸収材8として三菱瓦斯化学製エー
ジレスをポリビニルアルコールに分散させたものを用
い、これを封止空間内面側に薄く塗布した。また、封止
用筐体5の周囲に封止用樹脂6として紫外線硬化樹脂を
塗布し、その後、封止機構を有する封止室(素子修復室
兼用)にセットし、室内を真空排気した。
【0068】「工程14」真空排気後、この封止室に、
成膜室から素子基板を再度搬入し、室内に封入ガスとし
て乾燥N2を大気圧まで導入し、直線導入機を用いて封
止用筐体5を素子基板に密着させ、UVランプの照射で
樹脂を硬化させ封止構造を有するEL素子を作製した。
【0069】完成した本実施例4の有機EL素子の初期
特性は、注入電流を1μA〜100mA(電荷密度とし
て、0.01mA/cm2〜1000mA/cm2)の範
囲で階段状に増加させ、その時の輝度として測定した。
図19は、かかる素子の発光輝度−注入電流の初期特性
を示している。実施例4に係る修復工程のある素子で
は、0.1mA/cm2と低い電流値で、0.1cd/
2程度の発光輝度を示し、電流の増加に比例して輝度
が上昇する安定な特性を示した。
【0070】図20は、この素子の寿命特性を示す。寿
命は、11mA/cm2の直流の定電流を流して、輝度
の時間変化を測定した。本実施例4の素子は、短絡破壊
することなく、経過時間とともに緩やかに輝度が低下す
る傾向にあった。また、素子は、駆動時間1,000時
間程度では、全くダークスポットが発生せず、輝度の経
時変化を外挿した結果、半減寿命は、50,000時間
以上であった。
【0071】この様に長い寿命が得られたのは、酸素雰
囲気に曝すだけでなく、実施形態2と同様に、封止空間
内に酸素や水分を吸収する吸収材8を塗布することで、
数ppm以下の微量な酸素や水分を除去できたためであ
る。
【0072】以上のように、本実施形態4では、ダスト
やパーティクルによってできる微小な短絡部分が、曝さ
れる雰囲気ガス中の酸素によって、酸化し絶縁性を持つ
ようになる。これによって、発光に寄与しない短絡部分
が、自己修復され、素子が安定化する。また、修復工程
において、実施形態3のように、通電処理を行わなくて
も自然酸化による自己修復自体は十分起こり、この自然
酸化によって修復された微小短絡領域は、0.5μmφ
以下と非常に小さくなる。また、通電処理した場合に発
生する可能性のある電極がはじけ飛んだような跡も発生
しない。従って、素子駆動時に、修復点を起点とした劣
化や、ダークスポットの成長が進むことも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る有機EL素子の構
成を説明する図である。
【図2】 比較例1の有機EL素子の初期特性を示す図
である。
【図3】 実施形態1に係る実施例1−1の有機EL素
子の初期特性を示す図である。
【図4】 実施形態1に係る実施例1−2の有機EL素
子の初期特性を示す図である。
【図5】 比較例1の有機EL素子の寿命を相対輝度の
変化として示す図である。
【図6】 実施形態1に係る実施例1の有機EL素子の
寿命を相対輝度の変化として示す図である。
【図7】 実施形態1に係る実施例1の他の構成の有機
EL素子の寿命を相対輝度の変化として示す図である。
【図8】 本発明の実施形態2に係る有機EL素子の構
成を説明する図である。
【図9】 比較例2の有機EL素子の初期特性を示す図
である。
【図10】 実施形態2に係る実施例2の有機EL素子
の初期特性を示す図である。
【図11】 比較例2の有機EL素子の寿命を相対輝度
の変化として示す図である。
【図12】 実施例2の有機EL素子の寿命を相対輝度
の変化として示す図である。
【図13】 実施形態3に係る有機EL素子の構成を示
す図である。
【図14】 実施例3において用いられる有機EL素子
の製造工程及び製造装置を説明する概念図である。
【図15】 比較例3の有機EL素子の初期特性を示す
図である。
【図16】 実施例3の有機EL素子の初期特性を示す
図である。
【図17】 比較例3の有機EL素子の寿命を相対輝度
の変化として示す図である。
【図18】 実施例3の有機EL素子の寿命を相対輝度
の変化として示す図である。
【図19】 実施形態4に係る実施例4の有機EL素子
の初期特性を示す図である。
【図20】 実施例4の有機EL素子の寿命を相対輝度
の変化として示す図である。
【図21】 従来の有機EL素子の構造を示す図であ
る。
【図22】 有機EL素子の短絡部分をモデル化した図
である。
【符号の説明】
1 ガラス基板、2 陽極、3 有機膜、4 陰極、5
封止用筐体、6 封止用樹脂、8 酸素吸収材、9
保護膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 浩司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 時任 静士 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 多賀 康訓 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 平11−40346(JP,A) 特開 平11−45778(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/00 - 33/28

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に陽極と陰極との間に少なくとも
    有機発光層を挟むようにして形成されて構成された素子
    要素が、封止用筐体で封止された有機電界発光素子であ
    り、前記有機電界発光素子の完成前に前記素子要素を酸
    素雰囲気に曝す処理又は該酸素雰囲気にて通電処理を施
    してから、非酸化性ガスによって前記素子要素と前記封
    止用筐体との間の封止空間内を封止したことを特徴とす
    る有機電界発光素子。
  2. 【請求項2】 基板上に陽極と陰極との間に少なくとも
    有機発光層を挟むようにして形成されて構成された素子
    要素を備える有機電界発光素子であり、前記有機電界発
    光素子の完成前に前記素子要素を酸素雰囲気に曝す処理
    又は該酸素雰囲気にて通電処理を施してから、前記素子
    要素を保護膜で覆ったことを特徴とする有機電界発光素
    子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の有機電界発光素子にお
    いて、 前記保護膜で覆われた素子要素が封止用筐体で封止され
    ていることを特徴とする有機電界発光素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記
    載の有機電界発光素子において、 前記酸素雰囲気は、酸化性ガスの濃度が0.1〜20%
    の範囲であることを特徴とする有機電界発光素子。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項3に記載の有機電界
    発光素子において、 前記素子要素と前記封止用筐体との間の封止空間内に酸
    素を取り除く酸素吸着材が設けられていることを特徴と
    する有機電界発光素子。
  6. 【請求項6】 基板上に陽極と陰極との間に有機発光層
    を挟むように形成されて構成された素子要素が、封止用
    筐体で封止された有機電界発光素子であり、 前記素子要素と前記封止用筐体との間の封止空間内に、
    0.1%程度の酸化性ガスと、非酸化性ガスとを封入す
    ることを特徴とする有機電界発光素子。
  7. 【請求項7】 基板上に陽極と陰極との間に有機発光層
    を挟むように形成されて構成された素子要素が、封止用
    筐体で封止された有機電界発光素子であり、 前記素子要素と前記封止用筐体との間の封止空間内に、
    予め0.1〜20%の 酸素と非酸化性ガスを封入すると
    共に、 前記封止空間内に、時間の経過に伴って前記封止空間内
    の酸素を取り除く酸素吸着材として活性酸化鉄材を設け
    たことを特徴とする有機電界発光素子。
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