JP2006221906A - 有機el素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分の侵入を極力防ぐことにより、長期に亘って安定した発光特性を維持するとともに、製造工程上常温で封止できるので有機EL阻止にダメージを与えずに作製することが可能な有機EL素子を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方が透明である1対の基板と前記1対の基板に挟持された1対の電極と前記1対の電極の間に有機層が設けられている有機EL素子において、前記有機EL素子の外周部には少なくとも無機封止層が配置されており、前記無機封止層は少なくとも無機物質で気密にパッキングされていることを特徴とする。ここで、前記無機封止層は少なくともヤング率30GPa以下の無機物質を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光を素子の陽極側で取り出すことができる有機EL発光素子及びその製造方法に関するものであり、詳しくは有機発光層に電界を掛けて発光するタイプの薄型ディスプレイの封止方法に関するものである。
現在開発中の有機EL素子の構成は、下部のガラス基板上に有機発光層が2つの電極の間に挟まれたサンドイッチ構造であるが、前記有機発光層の光を外に取り出せるようにするために、電極の片方は透明のものが使われており、一般的には陽極にITO(Indium Tin Oxide)透明電極が使われている。更に、前記有機発光層の外周面は多層封止構造により封止され、外部駆動回路により電圧を印加することにより発光する。
以上の原理により発光する有機EL素子は、視認性とフレキシブル性に優れ且つ発色性が多様であることから、車載用コンポや携帯電話等のディスプレイや表示素子に利用されている。
ところで、これらの特性を有するディスプレイではあるが、一方で有機EL素子は一般的に水分に極めて弱いという問題が良く知られている。一例としては有機EL素子中に有機発光層を形成するガラス基板を封止する際の環境雰囲気中に含まれる水分や封止層欠陥部を透過してくる水分が進入することにより、ダークスポットと称する非発光領域が発生し、発光が維持できなくなるといった寿命の課題が生じている。
この寿命に関する課題を解決するための方策として、従来、有機EL素子の外周部の封止部材として、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型樹脂を用い封止する方法が知られている(特許文献1参照)。
又、有機EL素子は熱に弱く、ガスバリア性を示す無機物を高温で接着するとガラス転移点温度に達し、有機EL素子にダメージを与えていた。この有機ELの耐熱性の低さをカバーするための方策として、従来、低融点金属を用いる方法がある(特許文献2参照)。
特許第3288242号公報 特開平10−172757号公報
上記特許文献1に示されるように、有機EL素子をカチオン硬化タイプの紫外線硬化型樹脂を用いて有機EL素子を封止しても、樹脂自体からの水分の侵入や封止界面からの侵入を完全には防ぐことはできず、ダークスポットが徐々に生じたり、これが拡大したりして素子が劣化、遂には使用不能になってしまうという課題があった。
又、特許文献2に示されるように、低融点金属を溶解して接着する場合、加熱することによる有機EL素子へのダメージを完全に防ぐことは困難であった。
そこで、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、水分の侵入を極力防ぐことにより、長期に亘って安定した発光特性を維持するとともに、製造工程上常温で封止できるので有機EL阻止にダメージを与えずに作製することが可能な有機EL素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、少なくとも一方が透明である1対の基板と前記1対の基板に挟持された1対の電極と前記1対の電極の間に有機層が設けられている有機EL素子において、前記有機EL素子の外周部には少なくとも無機封止層が配置されており、前記無機封止層は少なくとも無機物質で気密にパッキングされていることを特徴とする。
又、少なくとも一方が透明である1対の基板と前記1対の基板に挟持された1対の電極と前記1対の電極の間に有機層が設けられている有機EL素子の製造方法であって、前記有機EL素子の外周部に無機物質を配置し、前記無機物質を押し潰して無機封止層を形成することを提案する。
又、前記無機封止層は少なくともヤング率30GPa以下の無機物質を含むことを提案する。
又、前記無機物質の形状は少なくとも丸形、楕円形、多角形、ラウンド形、凹形、凸形、これらの中空形、C形であることを提案する。
又、前記無機封止層は少なくとも金属又はガラスを含むことを提案する。
又、前記無機封止層の外周部に有機封止層を配置したことを特徴とする。
又、少なくとも一方が透明である1対の基板と前記1対の基板に挟持された1対の電極と前記1対の電極の間に有機層が設けられている有機EL素子形成工程と前記有機EL素子を外周部で封止する封止工程とを有する有機EL素子の製造方法において、前記封止工程は、前記有機EL素子形成工程の後の工程であり、且つ、前記有機EL素子の前記外周部に無機封止層を形成する工程と前記外周部に有機封止層を形成する工程とから成る多層封止構造形成工程であることを提案する。
又、前記有機EL素子は、トップエミッション構造であることを提案する。
本発明によれば、常温でヤング率30GPa以下の無機物質を塑性変形させ、周囲を樹脂で封止することにより、下記に示す効果が得られる。
1.有機EL素子の封止外部から進入する空気中の水をヤング率30GPa以下の無機物質でバリアすることで、素子内部まで到達する水が少なくなり、長期間安定性に優れた有機EL素子を提供することができる。
2.ヤング率30GPa以下の無機封止層を常温で製造できることから、製造時の有機EL素子へのダメージがない。
本発明の代表図を図1〜図5に示す。
図1は本発明の実施形態の一例を示す有機EL素子の断面模式図である。
図1において、1はガラス基板であり、該ガラス基板1に対向して透明ガラス基板2が配されている。ガラス基板1と透明ガラス基板2の間には一対の電極と有機層から成る有機発光層3と、充填層4がある。又、有機発光層3の外周部には無機封止層5が配置されている。
ガラス基板1上に蒸着装置やスピンコーター等の任意の成膜装置により透明電極と有機発光層と電極から成る有機発光層3を形成した後、無機封止層5を形成する。ガラス基板1と透明ガラス基板2をガラス基板1上に形成した無機封止層5を介して貼り合わせた後に、電極を外部回路に接続することにより本発明の有機EL素子が発光する。尚、充填層4は、固体若しくは液体の樹脂で充填されていても真空若しくは不活性ガスであっても直接透明ガラス基板2に張合わされていても良い。尚、本発明の本質は以降に説明する無機封止層にあるので、ガラス基板1、透明ガラス基板2、有機発光層3、充填層4の材質や製造方法は当該業者が有機EL素子において一般に使用するものであれば特に制限されない。
次に、図2は図1の無機封止層5を拡大して示した断面模式図である。ガラス基板1と透明ガラス基板2の間には無機封止層5が配置されている。
図2では便宜上ガラス基板1、透明ガラス基板2の形状を平坦に描いているが、これらの形状は平面に限られるものではない。例えば、ガラス基板1及び透明ガラス基板2の無機封止層6と接する箇所の少なくとも片側を凹型又は凸型にしておくことで封止効果を増大させることができる(図3ガラス基板1、透明ガラス基板2の断面模式形状参照)。凸型部分はヤング率30GPa以上のガラス以外の異種材料で形成されていても良い。先ず、電極(図示せず)を介してガラス基板1上及び/又は透明ガラス基板2上に切れ目なく成形した無機物質を配置する。図4は一例としてガラス基板1に無機物質6を配置した場合の上面模式図である。
無機物質8の形成・配置方法は、特に限られない。一例としては、固体状のバルク体をガラス基板1及び透明ガラス基板2の間に配置すること、ガラス基板1及び/又は透明ガラス基板2にスパッタや蒸着、スピンコート、CVD、スプレー、インクジェット、マイクロブラスト等で無機物質6を微細形状に形成することが挙げられる。
又、図2では便宜上ガラス基板1上に無機物質を配置する際の無機物質の形状を角形に描いているが、この形状は角形に限られるものではない。例えば、無機物質を配置する際の無機物質の形状としては丸形、菱形、楕円形、三角形、台形、ラウンド形、凹形、凸形、これらの中空形、C形が挙げられる(図5無機物質の配置形状の断面模式図参照)。
無機物質として好適な物質はヤング率30GPa以下の任意の金属単体若しくは合金、若しくはガラスから選ばれる1種類又は2種類以上を複合した無機物質である。より好ましい無機物質としてはアルミニウム、インジウム、金及びガラスの単体及びその複合体が挙げられる。
又、無機物質及びガラス基板1、透明ガラス基板2の貼り合わせ表面は、UV−Oやプラズマ処理等乾式、有機溶剤での脱脂等の湿式の任意の表面処理を行い表面を活性化させておいても良い。
又、ガラス基板1とその上に配置される電極と無機封止層5の間に電気的分離及びガスバリア性を併せ持つ絶縁層を配置しても良い。絶縁層の材料としては、Si,O,N,Cの単体及びその複合体が挙げられ、これらをスパッタや蒸着、CVD等の任意の成膜方法で配置する。
次に、無機物質を配置したガラス基板1に、透明ガラス基板2を対向して配置した後に、プレス機等の任意の加圧装置を用いて、ガラス基板1及び/又は透明ガラス基板2に圧力を加えて無機物質を塑性変形させることで無機封止層7を形成する。
又、無機封止層5の外周部に接着性を付与するための有機封止層(図示せず)を配置しても良い。このとき、有機封止層は接着性を示す任意の有機物質であれば良いが、好ましくはカチオン硬化タイプの紫外線硬化型樹脂若しくは常温硬化型のエポキシ樹脂である。有機物質は一例としてディスペンサー等の塗布装置で塗布された後に、常温若しくは紫外線で硬化され、有機封止層を形成する。有機物質の塗布は金属を塑性変形させる前であっても後であっても良い。
又、無機封止層5と有機封止層の間には空間があっても空間がなくても良い。
又、有機物質はガラス基板1と透明ガラス基板2の内側のみに配置されていても良く、一部ガラス基板の外側にはみ出て配置されていても良いし、ガラス基板の外側のみに配置されていても良い。
本発明の有機EL素子の製造工程は有機EL発光層の作成工程及び多層封止構造の作成工程から成る。尚、本実施例1では無機物質として中空C形のアルミニウムを使用した場合について図1及び図2を用いて詳細に説明するものである。
先ず、有機発光層3の詳細な作製方法について以下に述べる。
[Cr電極形成]
ガラス基板1上に、CrターゲットをDCスパッタし陽極Aとして100nmの厚さにCr膜を成膜した。この際成膜マスクを用いて、3mmのストライプとした。Arガスを用いて、0.2Paの圧力、300Wの投入Pw条件で行った。
[大気開放]
次に、基板をスパッタ装置より取り出してアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。更に、UV/オゾン洗浄した。
[前処理]
有機EL蒸着装置へ移し真空排気し、前処理室で基板付近に設けたリング状電極に50WのRF電力を投入し酸素プラズマ洗浄処理を行った。酸素圧力は0.6Pa、処理時間は40秒であった。
[正孔輸送層形成]
基板を前処理室より成膜室へ移動し、成膜室を、1×10−4Paまで排気した後、正孔輸送性を有するαNPDを抵抗加熱蒸着法により成膜速度0. 2〜0. 3nm/secの条件で成膜、膜厚35nm正孔輸送層を形成した。尚、正孔輸送層、発光層及び電子注入層は、同一の蒸着マスクを用いることにより所定の部分に蒸着した。所定の部分とは基板上で、Crが露出している部分である(画素電極)。
[発光層形成]
続いて正孔輸送層の上にアルキレート錯体であるAlqを抵抗加熱蒸着法により正孔輸送層と同様の成膜条件で膜厚15nm成膜、発光層を形成した。
[電子注入電極層形成]
次に、発光層の上に抵抗加熱共蒸着法によりAlqと炭酸セシウム(CsCO)を膜厚比9:1の割合で混合されるよう、各々の蒸着速度を調整して成膜、膜厚35nm電子注入層を形成した。詳しくは、それぞれの蒸着ボートにセットした材料を抵抗加熱方式で蒸発させ、有機層は〜5A/S、共蒸着層もそれぞれのボート電流値を調整することで、併せて〜5A/Sの蒸着速度で膜形成を行った。
[陰極(透明導電膜)形成]
最後に別の成膜室に基板を移し、電子注入層の上にITOターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により、膜厚が130nmになるようマスク成膜によりCr画素電極を覆って、Crストライプに交差するように、陰極を形成した。
成膜中においては、成膜時間の経過につれてH2 Oガス供給量を減少させることにより陰極の膜厚方向にHの濃度勾配を形成した。Hの濃度勾配は、電子注入電極層界面近傍においてHを5×1021〜1×1022atom/ccとし、膜厚方向に向かって連続的に濃度を低下させ、陰極Kの膜厚中心付近(電子注入電極層界面より65nm)でHの含有量が1020atom/cc台とした。尚、前述のようにITOターゲット裏面には強磁場タイプのマグネットが配置されており、低電圧スパッタリングが可能となっている。
成膜条件としては、基板加熱なしの室温成膜で成膜圧力を1.0Pa、Ar、HO及びOガスを用いそれぞれの流量は500,1.5,5.0scccmとし、ターゲットに印加する投入パワーはITO:500Wで成膜を行った。透過率は85%(at.450nm)、比抵抗値は8.0×10−4Ωcmであった。
以上のようにして、ガラス基板1上に、陽極、正孔輸送層、発光層、電子注入電極層及び陰極を設け、有機発光層3を形成した。
次に、形成した有機EL発光層3に空気中の水が浸入しないように多層封止構造5を形成した。
[封止工程]
先ず、有機発光層3外周であり無機物質に重なる位置に凹部を有した基板ガラス1の上に中空C形のアルミニウムの無機物質を配置した。ここで、基板ガラス1の凹部にはDCマグネトロンスパッタ法で幅3mm厚み1000ÅのSiを成分として含む絶縁層を形成した。又、基板ガラス1の凹部の深さは0.8mmで幅は2.0mmであり、マイクロブラスト法でエッチングして作成した。
又、アルミニウムの厚みは1.3mmであり、幅は1.5mmであった。次に、無機物質の上側に無機物質に重なる位置に凹部を有した透明基板ガラス2を配置した。透明基板ガラス2の凹部の深さは0.8mmで幅は2.0mmであり、ガラス基板1と同一の形状に成形されている。対向するガラス基板1の凹部と透明ガラス基板2の凹部及びこれらに挟持されたアルミニウムの無機物質を正確に位置合わせした後に上面からプレス装置にて加圧した。このときのプレス機の加重は500kgであった。
次に、無機封止層7の外周を有機物質6で封止し、接着力を発現させた。ここで用いる有機物質にはカチオン硬化タイプの紫外線硬化樹脂を用い、紫外線照射装置(EX250 HOYA−SHOTT製)により硬化させた。尚、そのときの紫外線照射強度は100mW/cmで光量は3,000mJ/cmである。
以上の封止工程により、無機封止層7を形成した。
尚、以上述べた封止工程は、水分濃度を10ppm以下に制御して封着した。無機物質を圧着することで素子へのダメージを無くし、更にガスバリア性の高い金属を用いることで水の浸入を防ぎダークスポットの発生を抑え込むことが可能となった。
[素子評価]
長期信頼性においても、60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の連続耐久試験を行ったが、ガスバリア膜として金属を用いたことで、外部からの余分な水分の浸入がないため、輝度劣化等の発光特性の低下及びダークスポット等の発生が少なく、安定した有機EL素子とその製造方法を得ることができた。
実施例2は実施例1に対して、無機封止層7に角型のインジウムを含む材料を使用した場合の実施例を詳細に示すものである。尚、有機発光層の作成方法は実施例1と同様であるので、無機封止層7の形成方法について詳細に述べる。
[封止工程]
先ず、有機発光層3外周に無機物質に重なる位置に凸部を有した基板ガラス1の上に上面図が中抜きの□形となるよう切り出したインジウムの無機物質を配置した。ここで、基板ガラス1の凸部にはDCマグネトロンスパッタ法で幅3mm、厚み1000ÅのSiを成分として含む絶縁層を形成した。又、基板ガラス1の凸部の厚みは100μmで幅は100μmであり、マイクロブラスト法でエッチングした。又、インジウムの厚みは60μmであり、幅は1.5mmであった。
次に、無機物質の上側に無機物質に重なる位置に凹部を有した透明基板ガラス2を配置した。透明基板ガラス2の凹部の深さは60μmで幅は60mmであり、ガラス基板1に重なり合うように成形されている。対向するガラス基板1の凸部と透明ガラス基板2の凹部及びこれらに挟持されたインジウムの無機物質を正確に位置合わせした後に上面からプレス装置にて加圧した。このときのプレス機の加重は100kgであった。
次に、インジウムの無機封止層7の外周を有機物質6で封止し、接着力を発現させた。ここで用いる有機物質にはカチオン硬化タイプの紫外線硬化樹脂を用い、紫外線照射装置(EX250 HOYA−SHOTT製)により硬化させた。尚、その時の紫外線照射強度は100mW/cmで光量は3,000mJ/cmである。
以上の封止工程により、インジウムの無機封止層7を形成した。
尚、以上述べた封止工程は、水分濃度を10ppm以下に制御して封着した。無機物質を圧着することで素子へのダメージを無くし、更にガスバリア性の高い金属を用いることで水の浸入を防ぎダークスポットの発生を抑え込むことが可能となった。
[素子評価]
長期信頼性においても、60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の連続耐久試験を行ったが、ガスバリア膜として金属を用いたことで、外部からの余分な水分の浸入がないため、輝度劣化等の発光特性の低下及びダークスポット等の発生が少なく、安定した有機EL素子とその製造方法を得ることができた。
実施例3は実施例1に対して、無機物質としてラウンド形の金を含む材料を使用した場合の実施例を詳細に示すものである。尚、有機発光層の作成方法は実施例1と同様であるので、無機封止層7の形成方法について詳細に述べる。
[封止工程]
有機発光層3の外周部に基板ガラス1に接してDCマグネトロンスパッタ法で幅3mm厚み1000ÅのSiを成分として含む絶縁層を形成した。尚、基板ガラス1には平板ガラスを用いた。又、絶縁層の上側であって絶縁層からはみ出ない部分にDCマグネトロンスパッタ法で厚み2000Å、幅100μmのラウンド形の金の無機物質を形成した。
次に、金の無機物質の上側に金の無機物質に重なる位置にラウンド形の凸部を有した透明基板ガラス2を配置した。透明基板ガラス2の凸部の高さは0.1mmでラウンド形底辺部の幅は0.1mmにマイクロブラスト法で成形された。対向する金を含む金の無機物質と透明ガラス基板2の凸部を正確に位置合わせした後に上面からプレス装置にて加圧した。このときのプレス機の加重は100kgであった。
次に、金の無機封止層7の外周を有機物質6で封止し、接着力を発現させた。ここで用いる有機物質には常温硬化型のエポキシ樹脂を用いた。
以上の封止工程により、金の無機封止層7を形成した。
尚、以上述べた封止工程は、水分濃度を10ppm以下に制御して封着した。金属を圧着することで素子へのダメージを無くし、更にガスバリア性の高い無機物質を用いることで水の浸入を防ぎダークスポットの発生を抑え込むことが可能となった。
[素子評価]
長期信頼性においても、60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の連続耐久試験を行ったが、ガスバリア膜として金属を用いたことで、外部からの余分な水分の浸入がないため、輝度劣化等の発光特性の低下及びダークスポット等の発生が少なく、安定した有機EL素子とその製造方法を得ることができた。
<比較例1>
比較例1は実施例1に対して、有機ELの封止部にヤング率30GPa以下の無機物質を使用しなかった場合について示す。
ここで用いる有機物質としては、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型のエポキシ樹脂を用いた。有機物質をガラス基板1に塗布後、ガラス基板1と透明ガラス基板2とを有機物質を介して封着し、紫外線照射装置(EX250 HOYA−SHOTT製)により硬化させた。尚、その時の紫外線照射強度は100mW/cmで光量は3,000mJ/cmである。
以上述べた封着工程は、水分濃度を10ppm以下に制御して封着した。
[素子評価]
組み立てた有機EL素子について、60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の連続耐久試験を行ったが、余分な水分が封止材及び封止界面から浸入し、輝度劣化が進み、安定性に乏しい有機EL素子となった。
<比較例2>
比較例2は実施例1に対して、有機ELの接着方法としてインジウムを溶融させた場合について示す。
溶融させたインジウムをディスペンサーで塗布し、ガラス基板1と透明ガラス基板2を貼り合わせた。インジウムの溶融温度は150℃であった。
以上述べた封着工程は、水分濃度を10ppm以下に制御して封着した。
[素子評価]
組み立てた有機EL素子について、60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の連続耐久試験を行ったが、余分な水分が封止材及び封止界面から浸入し、輝度劣化が進み、安定性に乏しい有機EL素子となった。
有機EL素子の断面模式図である。 無機封止層の断面拡大模式図である。 ガラス基板と透明ガラス基板の断面模式形状である。 ガラス基板に無機物質を配置した場合の上面模式図である。 無機物質を配置する際の無機物質の断面模式図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 透明ガラス基板
3 有機発光層
4 充填層
5 無機封止層
6 無機物質

Claims (8)

  1. 少なくとも一方が透明である1対の基板と前記1対の基板に挟持された1対の電極と前記1対の電極の間に有機層が設けられている有機EL素子において、
    前記有機EL素子の外周部には少なくとも無機封止層が配置されており、前記無機封止層は少なくとも無機物質で気密にパッキングされていることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記無機封止層は少なくともヤング率30GPa以下の無機物質を含むことを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。
  3. 前記無機物質の形状は少なくとも丸形、楕円形、多角形、ラウンド形、凹形、凸形、これらの中空形、C形であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機EL素子。
  4. 前記無機封止層は少なくとも金属又はガラスを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の有機EL素子。
  5. 前記無機封止層の外周部に有機封止層を配置したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の有機EL素子。
  6. トップエミッション構造であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の有機EL素子。
  7. 少なくとも一方が透明である1対の基板と前記1対の基板に挟持された1対の電極と前記1対の電極の間に有機層が設けられている有機EL素子の製造方法であって、
    前記有機EL素子の外周部に無機物質を配置し、前記無機物質を押し潰して無機封止層を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  8. 少なくとも一方が透明である1対の基板と前記1対の基板に挟持された1対の電極と前記1対の電極の間に有機層が設けられている有機EL素子形成工程と前記有機EL素子を外周部で封止する封止工程とを有する有機EL素子の製造方法において、
    前記封止工程は、前記有機EL素子形成工程の後の工程であり、且つ、前記有機EL素子の前記外周部に無機封止層を形成する工程と前記外周部に有機封止層を形成する工程とから成る多層封止構造形成工程であることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
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