JP3351144B2 - 車両のエキゾースト系部品の遮熱板 - Google Patents

車両のエキゾースト系部品の遮熱板

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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両のエキゾースト
チューブ等のエキゾースト系部品の遮熱板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両用燃料タンクを搭載する場
合には、その搭載場所としてトランクルーム内やリヤフ
ロア下が選択されることがあるが、燃料タンクをリヤフ
ロアパネルの下方に搭載した場合には、トランクルーム
内に搭載した場合のようにトランクルーム内スペースを
狭くしない点で有利である(この種の構造としては、例
えば、実開平3−13229号公報に示されている)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料タ
ンクをリヤフロアパネルの下方に搭載すると、同様にリ
ヤフロアパネルの下方に配索されたエキゾーストチュー
ブから放射熱を受け、この熱によって燃料タンク内の燃
料温度が上昇し、蒸発燃料が多量に発生するという事態
が生じてしまう。したがって、この蒸発燃料を吸着処理
するためのキャニスタを大型化しなければならず、スペ
ース上の制約の大きいエンジンルーム内を狭くしてしま
うという問題がある。
【0004】また、遮熱板を用いてエキゾーストチュー
ブの放射熱を遮断することも考えられるが、放射熱を吸
収した遮熱板自体が熱発生源となるおそれがあるという
問題がある。
【0005】そこで、この発明は、エキゾーストチュー
ブの放射熱を確実に遮断できると共に遮熱板自体の熱に
より燃料タンクに二次的な輻射を与えることがない車両
のエキゾースト系部品の遮熱板を提供するもである。
【0006】
【課題を解決するための手段】リヤフロアパネル下に配
置された燃料タンクの下方にエキゾースト系部品が配索
され、エキゾースト系部品と燃料タンクとの干渉を回避
するために、燃料タンクの底壁の一部を上方に膨出して
凹部とした燃料タンクを有する車両のエキゾースト系部
品の遮熱板であって、燃料タンクの底壁とエキゾースト
系部品との間に位置し、エキゾースト系部品側に開き、
かつエキゾースト系部品を囲む断面形状の輻射減衰部
と、フロントフロアパネルに略面一な放熱面を有する放
熱部とを備えている。
【0007】上記放熱部の放熱面に車体前後方向に沿っ
てビードあるいはフィンを設けても良い。
【0008】上記放熱部は、燃料タンクの凹部の少なく
とも車幅方向、車体前後方向の形成範囲内に位置すると
共に凹部底壁の下方に配置されるのが好ましい。
【0009】
【作用】高温となったエキゾースト系部品から放出され
る放射熱は遮熱板の輻射減衰部によって遮蔽される。こ
の輻射減衰部で受け止められた熱はこれに連なる放
の放面に伝達されるが、この放面はフロントフロア
パネルと面一であるため、前側から流れてくる空気流が
面上を剥離しないでスムーズに流れ、効率良く放熱
する。
【0010】また、上記放熱面に車体前後方向に沿って
ビードあるいはフィンを設けた場合には、放熱面積が増
加し、放熱効果をより高められると共に放熱方向が燃料
タンク側に向かないため二次輻射を抑えることが可能と
なる。
【0011】そして、上記放熱部は燃料タンクの凹部形
成範囲内であって燃料タンクの凹部底壁の下方を有効利
用して配置することで、もともと空気の流速が小さいた
め床下流れによる冷却効果の少ない部位である燃料タン
クの凹部を有効利用でき燃料タンク全体としての冷却性
能を高められる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面と共に説明
する。図2に示すように、フロントフロアパネル1の両
側縁にはサイドシル2が取り付けられている。サイドシ
ル2の後端にはリヤホイールハウスインナパネル3が接
続され、上記サイドシル2の後端とリヤホイールハウス
インナパネル3との車室内側には、フロントフロアパネ
ル1に接合されたリヤフロアパネル4の左右の下面にリ
ヤサイドメンバ5が取り付けられている。
【0013】ここで、上記両リヤサイドメンバ5間には
互いに近接した部位にリヤクロスメンバ6が取り付けら
れ、このリヤクロスメンバ6の前方であってフロントフ
ロアパネル1の後方のリヤサイドメンバ5間に燃料タン
ク7が配置されている。
【0014】燃料タンク7の下方には、図2に示すよう
にフロントフロアパネル1側では車幅方向略中央部に位
置し、後方に延びて図外のマフラに接続されるエキゾー
スト系部品としてのエキゾーストチューブ8が配索され
ている。このエキゾーストチューブ8は燃料タンク7の
下方において一方のリヤサイドメンバ5(この実施例で
は左側)側に屈曲して車幅方向左側にオフセットしてマ
フラに接続されている。尚、Tはフロアトンネル部を示
す。
【0015】即ち、エキゾーストチューブ8は燃料タン
ク7を斜めに横切るように配索され、このエキゾースト
チューブ8が燃料タンク7に干渉するのを回避するため
に燃料タンク7の底壁7Aの一部、具体的にはエキゾー
ストチューブ8の横断部位の左側(図2では右側)が上
方に膨出した凹部9(図1参照)として形成されてい
る。尚、上記燃料タンク7は、図2に示すようにタンク
ベルト10によって下側を支持されている。
【0016】図1,2に示すように、燃料タンク7の凹
部9が形成された部位、具体的には凹部9が形成された
車幅方向、車体前後方向の形成範囲には遮熱板11が配
置されている。
【0017】遮熱板11は、燃料タンク7の凹部9の底
壁9Aとエキゾーストチューブ8との間に位置し、エキ
ゾーストチューブ8側(下側)に開き、かつエキゾース
トチューブ8を囲み凹部9の形状と異なる断面略半円形
状の輻射減衰部12と、フロントフロアパネル1に略面
一な位置に設けられた放熱面13を有する放熱部14と
を有している。
【0018】上記遮熱板11は図2に示すように輻射減
衰部12においては、前側をフロントフロアパネル1に
2ケ所で、後側をリヤクロスメンバ6に1ケ所で、各々
ブラケット15により取り付けられ、放熱部14におい
てはリヤサイドメンバ5に3ケ所でブラケット15によ
って取り付けられている。
【0019】上記輻射減衰部12は、図2に示すように
エキゾーストチューブ8に沿って斜め後方(車幅方向略
中央部から図2の右側)に形成されており、この輻射減
衰部12には、これに一体に形成された放部14がリ
ヤサイドメンバ5に至る部位まで設けられている。
【0020】上記放熱部14の放熱面13は車体前後方
向に向かって複数のビード16(フィンでも良い)が形
成されて断面波型に成形されている。
【0021】上記実施例構造によれば、エキゾーストチ
ューブ8による放射熱を輻射減衰部12が受け止めると
この熱は輻射減衰部12から放熱部14へと熱伝達さ
れ、この放熱部14の放熱面13において外気に排出さ
れる。
【0022】したがって、輻射減衰部12は速やかに冷
却されるため、この輻射減衰部12が新たな熱源となる
二次輻射を無くし燃料タンク7内の燃料温度の上昇を抑
えることができる。
【0023】また、放熱面13がフロントフロアパネル
1と略面一となっているため、空気流速が高く、熱交換
が効率良くなされる。つまり、図3に示すように、フロ
ントフロアパネル1の後端の立ち上がり部分に燃料タン
ク7を配置してフロントフロアパネル1の下面からの距
離h(mm)と、燃料タンク7の底壁7A下5mmの部
位の流速の比u(u=V1/V2 ただし、V1=フロア
パネル下面と底壁7Aとの段差が有るときの床下流速、
2=フロアパネル下面と底壁7Aとの段差が無いとき
の床下流速)との関係を調べると、フロントフロアパネ
ル1面と燃料タンク7の下面7Aとが面一となるときに
流速比uが最も大きいことが明らかにされているからで
ある。
【0024】また、放熱面13がフロントフロアパネル
1に略面一となっているため、この放熱面13の下を空
気が剥離することなく流れることができ、この部位にお
ける走行抵抗を少なくすることができる。
【0025】更に、このように放熱面13が燃料タンク
7の凹部9の底壁9Aから離れているため放熱面13に
よる二次輻射が少なくできる。
【0026】そして、放熱面13には複数のビード16
が形成されているため、放熱面積が大きくなり、冷却効
率が高くなる点で有利であり、放面13が断面波型で
あるため、ビード16がなく平坦に形成された場合に比
較して、燃料タンク7の凹部9の底壁9Aに指向してい
る面が少ない分だけ二次的な輻射による悪影響を最小限
にすることができる点でも有利である。また、輻射減衰
部12の断面形状が燃料タンク7の凹部9の形状と異な
っているため、この部分においても二次的な輻射による
悪影響を最小限に食い止められる。
【0027】尚、図4に示すように遮熱板温度(℃)と
輻射伝熱量(w)との関係を調べると、遮熱板温度を1
/2にすると輻射伝熱量が約1/5になることが明らか
になっているので、ビード16による冷却効果の向上は
輻射熱を大幅に低減する効果につながることが理解でき
る。
【0028】そして、遮熱板11は燃料タンク7の凹部
9が形成された部位に配置されているが、この凹部9が
形成された部位はもともと空気の床下流れの流速が小さ
い部位であるため、床下流れによる燃料タンク7の冷却
効果の少ない部位であり、よってここを有効利用して遮
熱板11を配置することで全体としての燃料タンク7の
冷却性能を向上することができる点で有利である。
【0029】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、エキ
ゾースト系部品から放出された熱は輻射減衰部で受け止
められ、放部の放面から放熱されるが、この放熱面
がフロントフロアパネルと面一であるため前方から流れ
てくる空気流が放面上を剥離することなくスムーズに
流れ、効率良く放熱作用を発揮することができる効果が
ある。
【0030】また、請求項2に記載した発明によれば、
上記放面に車体前後方向に沿ってビードあるいはフィ
ンを設けた場合には上記効果に加え、放熱面積が増加す
るため放熱効果をより高めることができると共に、放
面が平坦である場合に比較して放熱方向が燃料タンク側
に向くのは、わずかな部分となり、二次的な輻射を抑え
ることができる効果がある。
【0031】そして、請求項3に記載した発明によれ
ば、放熱部を、燃料タンクの凹部形成範囲内であって燃
料タンクの凹部底壁の下方を有効利用して配置した場合
には、上述した効果に加え、もともと空気の流速が小さ
いため床下流れによる冷却効果の少ない部位である燃料
タンクの凹部を有効利用でき燃料タンク全体としての冷
却性能を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の図2のA−A断面図。
【図2】この発明の一実施例の下面図。
【図3】流速比(u)とタンク・遮熱板下面〜フロント
フロア段差(h(mm))との関係を示すグラフ図。
【図4】輻射伝熱量(w)と遮熱板温度(℃)との関係
を示すグラフ図。
【符号の説明】
4…リヤフロアパネル 7…燃料タンク 7A…底壁 8…エキゾーストチューブ(エキゾースト系部品) 9…凹部 9A…凹部底壁 11…遮熱板 12…輻射減衰部 14…放熱部 16…ビード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 13/00 - 13/06 B60K 15/00 - 15/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リヤフロアパネル下に配置された燃料タ
    ンクの下方にエキゾースト系部品が配索され、エキゾー
    スト系部品と燃料タンクとの干渉を回避するために、燃
    料タンクの底壁の一部を上方に膨出して凹部とした燃料
    タンクを有する車両のエキゾースト系部品の遮熱板であ
    って、燃料タンクの底壁とエキゾースト系部品との間に
    位置し、エキゾースト系部品側に開き、かつエキゾース
    ト系部品を囲む断面形状の輻射減衰部と、フロントフロ
    アパネルに略面一な放熱面を有する放熱部とを備えてい
    ることを特徴とする車両のエキゾースト系部品の遮熱
    板。
  2. 【請求項2】 上記放熱部の放熱面に車体前後方向に沿
    ってビードあるいはフィンを設けたことを特徴とする請
    求項1記載の車両のエキゾースト系部品の遮熱板。
  3. 【請求項3】 上記放熱部は、燃料タンクの凹部の少な
    くとも車幅方向、車体前後方向の形成範囲内に位置する
    と共に凹部底壁の下方に配置されていることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の車両のエキゾースト系部品の遮
    熱板。
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