JP3350074B2 - 電子楽器 - Google Patents
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Description
波形読み出し方式の電子楽器に関するものである。
電子楽器もディジタル化が進んでいる。その中で、楽音
波形をあらかじめPCMデータとしてメモリに格納して
おき、押鍵に応じて読み出し楽音を発生する、いわゆる
波形読み出し方式の電子楽器が多数商品化されている。
さらにその中で、一つの楽音をいくつかの成分に分離し
てメモリに格納しておき、発音時に合成する、いわゆる
複数チャンネル合成方式の電子楽器がいくつか提案され
ている。(例えば特開平1−116595号公報)以下
に従来の電子楽器について説明する。
ある。図4において、1は鍵盤、2は鍵盤1に応じて制
御信号を発生する制御部、3・4はそれぞれ異なる形状
の波形を記憶している波形記憶部、5は制御部2から発
生される制御信号に応じて波形記憶部3・4から同時に
波形を読み出す読み出し部、6は制御部2から発生され
る制御信号に応じて、読み出し部5から出力される2つ
の波形信号の振幅を制御する振幅制御部、7は加算部、
8は入力信号を増幅し放音するサウンドシステムであ
る。
て、以下にその動作を説明する。鍵盤1において押鍵が
行われると制御部2は押鍵検出を行ない、音高とタッチ
強弱の検出情報に基づいて読み出し部5と振幅制御部6
に制御信号を出力する。読み出し部5は、制御部2から
発生される制御信号に従って波形記憶部3・4から同時
に波形を読み出す。出力された波形信号は、振幅制御部
6にて制御部2から発生された制御信号に従って振幅を
制御され、加算部7で加算され、サウンドシステム8で
増幅、楽音として放音される。
音高とタッチ強弱に対応している。波形記憶部3・4か
ら読み出された2つの波形信号は、ここで音高とタッチ
強弱に対応してそれぞれ振幅制御される。すなわち、音
高とタッチ強弱に応じて2つの波形信号の音量レベルが
制御されることになり、たとえばタッチの強弱に応じて
音色を変えることができる。
来の構成では、音高やタッチの強弱によって音色を変え
ることはできるが、メロディ奏法やコード奏法など、い
わゆる音楽的な演奏方法によって音色を変えることがで
きないという問題点を有していた。
で、メロディ奏法とコード奏法を自動的に識別し、奏法
に応じて音色を変えることのできる電子楽器を提供する
ことを目的とする。
に、本発明の電子楽器は、それぞれに異なる形状の波形
を記憶している複数の波形記憶部と、前後する2押鍵間
の時間差を検出する時間差検出部と、上記時間差検出部
によって検出された時間差データをメロディ奏法におけ
る2押鍵間の時間差より短く設定した単位時間と比較す
ることによりコード奏法かメロデイ奏法かを決定してそ
の結果に応じて、上記各波形記憶部からの波形の読み出
しを制御する読み出し部を備えた構成を有している。
押鍵するコード奏法に応じて決定される押鍵の検出か、
単鍵で分散して押鍵されるメロデイ奏法に応じて決定さ
れる2押鍵間の時間差かを検出することによって少なく
とも一つの波形信号の読み出しを制御することにより、
演奏状態によって音色を変えることができる。
ながら説明する。
構成を示すものである。図1において、101は鍵盤、109
は前後する2押鍵間の時間差を検出する時間差検出部
で、時間差を検出するタイマーカウンタを含んでいる。
110は時間差検出部109の時間差データが単位時間以下の
時のみ押鍵数をカウントする押鍵数カウント部で、押鍵
数メモリを含んでいる。102は鍵盤101と押鍵数カウント
部110の押鍵数メモリ内のカウントデータに応じて制御
信号を発生する制御部、103・104はそれぞれ異なる形状
の波形を記憶している波形記憶部、105は制御部102から
発生される制御信号に応じて波形記憶部103・104から波
形を読み出す読み出し部、106は制御部102から発生され
る制御信号に応じて、読み出し部105から出力される2
つの波形信号の振幅を制御する振幅制御部、107は加算
部、108は入力信号を増幅し放音するサウンドシステム
である。
テーブルを(表1)に示す。
形を読み出すかどうかの指示フラグであり、R2は波形
記憶部104から波形を読み出すかどうかの指示フラグで
ある。ともに、1であれば波形を読み出すということで
あり、0であれば読み出さないということである。
て、以下にその動作を説明する。鍵盤101において最初
の押鍵が行われると、時間差検出部109はタイマーカウ
ンタをリセットし、押鍵数カウント部110は押鍵数メモ
リをリセットする。制御部102は、押鍵のタイミング
で、音高とタッチ強弱の検出情報に基づいて振幅制御部
106に制御信号を出力するとともに、押鍵数カウント部1
10の押鍵数メモリの値(=0)を参照し、(表1)に示
した押鍵数発音指示テーブルで発音指示R1(=1)、
R2(=0)を得、読み出し部105に制御信号を出力す
る。読み出し部105は、制御部102から発生される制御信
号に従って波形記憶部103・104から同時に波形を読み出
す。(今の場合は、波形記憶部103からは波形を読み出
すが、波形記憶部104からは波形を読み出さない。)出
力された波形信号は、振幅制御部106にて制御部102から
発生された制御信号に従って振幅を制御され、加算部10
7で加算され、サウンドシステム108で増幅、楽音として
放音される。
間差検出部109はその時点でのタイマーカウンタの値を
時間差データとして押鍵数カウント部110に送り、その
後タイマーカウンタをリセットする。押鍵数カウント部
110は時間差データとあらかじめ設定されている単位時
間Tと比較する。時間差データの値が単位時間Tよりも
大きい場合には、押鍵数メモリをリセットする。制御部
102、読みだし部105、振幅制御部106、加算部107、サウ
ンドシステム108の動作は上記最初の押鍵の場合と同様
である。
が単位時間T以下の場合、押鍵数カウント部110は押鍵
数メモリの値を1増加させる。(すなわち今の場合、押
鍵数メモリの値は1になる。)制御部102は、押鍵のタ
イミングで、音高とタッチ強弱の検出情報に基づいて振
幅制御部106に制御信号を出力するとともに、押鍵数カ
ウント部109の押鍵数メモリの値(=1)を参照し、
(表1)に示した押鍵数発音指示テーブルで発音指示R
1(=1)、R2(=0)を得、読み出し部105に制御
信号を出力する。以下の動作は、最初の押鍵の場合と同
様である。
鍵と同様である。単位時間Tは、以下に述べるようにコ
ード奏法とメロディ奏法とを識別する値に設定する。こ
こでいうコード奏法とは、図2に示すように、複数鍵を
実質的に同時か、あるいは短い時間に分散して押鍵する
奏法である。メロディ奏法とは、図3に示すように、単
鍵で比較的長い時間に分散して押鍵する奏法である。コ
ード奏法の前後する2押鍵間の時間差をTcとし、メロ
ディ奏法の2押鍵間の時間差をTmとすると、単位時間
Tは次の(数1)を満たすように設定する。
2押鍵間の時間差が(数1)を満たすように設定された
単位時間T内である場合のみ押鍵数をカウントし、その
情報によって波形の読み出しを制御することにより、コ
ード奏法とメロディ奏法で音色を変えることができる。
たとえば図2に示したコード奏法を行うと、片方の波形
信号(波形記憶部104から読み出される波形信号)は3
音目に読み出される。しかし図3に示したメロディ奏法
の場合には読み出されることはない。たとえば波形記憶
部103にギターの波形を記憶しておき、波形記憶部104に
ピッキングノイズ(ピックと弦がぶつかるときに発する
ノイズ)の波形を記憶しておけば、コード奏法時にのみ
ピッキングノイズが発音し、きわめて効果的な演奏がで
きる。
ルの有効利用という観点からも効果的である。本実施例
は2つの波形を合成して1つの音を作り上げているが、
このような場合は通常1音につき2チャンネルを必要と
する。従って、システムが32チャンネルの場合、最大
発音数は16音となる。しかし、本実施例のコード奏法
の場合は、3音目以外は1チャンネル発音であり、最大
発音数は31音となる。
押鍵数発音指示テーブル(表1)により波形記憶部104
の波形を読み出すか読み出さないかを制御するとした
が、押鍵数により波形記憶部103と104のいずれかを選択
するという構成であっても良い。この構成において、押
鍵数が3音目のみ波形記憶部104から波形を読み出すよ
うにし、それ以外では波形記憶部103から読み出すよう
にしておき、波形記憶部104にあらかじめピッキングノ
イズとギターの波形を合成して記憶しておけば、(すな
わち、実施例における波形記憶部103と104の波形を合成
したものを波形記憶部104にあらかじめ記憶しておけ
ば、)全く同様の効果が得られる。
を合成する場合を示したが、3つ以上の波形信号により
1音を合成する場合でも同様である。この場合は、より
多彩な演奏表現が可能になる。
により押鍵数をカウントし、押鍵数発音指示テーブルに
よりきめ細かな制御を行う例を示したが、押鍵数カウン
ト部110を省略し、2押鍵間の時間差が単位時間T内で
あれば1チャンネル発音、単位時間T外であれば2チャ
ンネル発音としてもよい。この場合は、押鍵数をカウン
トせず、2押鍵間の時間差データにより読み出しを制御
することになり、より簡単なシステムで同様の効果を得
ることができる。
合を示したが、単位時間を次の(数2)に示すように2
つ以上設定し、押鍵数メモリと押鍵数発音指示テーブル
もそれに対応して2つ以上持っておけば、よりきめ細か
な制御が可能となる。
部103・104から同時に波形を読み出すとしたが、この場
合の「同時」とは時分割処理による「実質的な同時」の
意味を含んでいることは云うまでもない。
出部109のタイマーカウンタをリセットするとしたが、
タイマーカウンタ値を記憶するメモリを1つ備えてお
き、リセットするかわりにその時点のタイマーカウンタ
の値をそのメモリに書き込むようにしてもよい。次の押
鍵のタイミングではその時点のタイマーカウンタの値と
メモリの値との差を時間差データとして押鍵数カウント
部110に送り、その後メモリの値を更新するようにすれ
ば、全く同様の効果が得られる。この場合は、タイマー
カウンタを他の処理と共同で用いることができるという
利点がある。
る形状の波形を記憶している複数の波形記憶部と、前後
する2押鍵間の時間差を検出する時間差検出部と、上記
時間差検出部によって検出された時間差データをメロデ
ィ奏法における2押鍵間の時間差より短く設定した単位
時間と比較することによりコード奏法かメロデイ奏法か
を決定してその結果に応じて、上記各波形記憶部からの
波形の読み出しを制御する読み出し部を備え、コード奏
法とメロデイ奏法の演奏状態に応じて音色を変えること
ができるという優れた効果がある。
発音させることができるという優れた効果がある。
Claims (6)
- 【請求項1】 それぞれに異なる形状の波形を記憶して
いる複数の波形記憶部と、前後する2押鍵間の時間差を
検出する時間差検出部と、上記時間差検出部によって検
出された時間差データをメロディ奏法における2押鍵間
の時間差より短く設定した単位時間と比較することによ
りコード奏法かメロデイ奏法かを決定してその結果に応
じて、上記各波形記憶部からの波形の読み出しを制御す
る読み出し部を備え、コード奏法とメロデイ奏法の演奏
状態に応じて音色を変えて出力するようにしたことを特
徴とする電子楽器。 - 【請求項2】 それぞれに異なる形状の波形を記憶して
いる複数の波形記憶部と、前後する2押鍵間の時間差を
検出する時間差検出部と、上記時間差検出部の時間差デ
ータがメロディ奏法における2押鍵間の時間差より短く
設定した単位時間以下の時のみ押鍵数をカウントする押
鍵数カウント部と、上記各波形記憶部からの波形の読み
出しを上記押鍵数カウント部のカウントデータに応じて
制御する読み出し部を備えた電子楽器。 - 【請求項3】 上記読み出し部は上記時間差検出部の時
間差データに応じて上記複数の波形記憶部の少なくとも
1つからの波形の読み出しを行う・行わないを制御する
請求項1記載の電子楽器。 - 【請求項4】 上記読み出し部は上記時間差検出部の時
間差データに応じて上記複数の波形記憶部を選択する請
求項1記載の電子楽器。 - 【請求項5】 上記読み出し部は上記押鍵数カウント部
のカウントデータに応じて上記複数の波形記憶部の少な
くとも1つからの波形の読み出しを行う・行わないを制
御する請求項2記載の電子楽器。 - 【請求項6】 上記読み出し部は、上記押鍵数カウント
部のカウントデータに応じて、上記複数の波形記憶部か
らの読み出しを選択する請求項2記載の電子楽器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP33476691A JP3350074B2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 電子楽器 |
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---|---|---|---|
JP33476691A JP3350074B2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 電子楽器 |
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JPH05165476A JPH05165476A (ja) | 1993-07-02 |
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JP33476691A Expired - Fee Related JP3350074B2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 電子楽器 |
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Families Citing this family (2)
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JP4774997B2 (ja) * | 2006-01-16 | 2011-09-21 | カシオ計算機株式会社 | 楽音編集装置および楽音編集処理のプログラム |
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1991
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