JP3349519B2 - スパッタ装置 - Google Patents

スパッタ装置

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JP3349519B2
JP3349519B2 JP01922092A JP1922092A JP3349519B2 JP 3349519 B2 JP3349519 B2 JP 3349519B2 JP 01922092 A JP01922092 A JP 01922092A JP 1922092 A JP1922092 A JP 1922092A JP 3349519 B2 JP3349519 B2 JP 3349519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタ装置に係り、
特にターゲット表面の黒化物のクリーニングを頻繁に行
なう必要のある透明導電膜用スパッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スパッタ装置は、種々の材料の薄膜化手
段の一つとして、各方面でニーズが高まっている。この
スパッタ装置によるスパッタリング法は、10~1〜10~4To
rr程度の真空中でアルゴン等のガスを放電させ、この時
に生じたイオンでターゲットをスパッタリングして、飛
散したスパッタ粒子をターゲットに対面した位置に配置
されている基板上に堆積させて薄膜を形成する方法であ
る。この方法を用いたスパッタリング装置は、用途に応
じて様々なタイプが考えられ、実用化されている。
【0003】特に、量産用のインライン方式のスパッタ
装置では、基板仕込・加熱・クリーニング・成膜・冷却
・取出等各処理を専用に行なう部屋を設けて、基板の仕
込・取出以外の部屋は常に真空に保つことによって、膜
質の安定・向上を図っている。しかし成膜室のスパッタ
物の付着による清掃等のメンテナンスや、ターゲットの
変換のために成膜室を大気に開放する必要は必ず生じ
る。これは、装置の稼働率を低下させるばかりでなく、
成膜室を大気に開放することによる再立上げ時の膜質の
低下、バラツキにも影響を与えている。そこで、従来か
ら、成膜室内面に膜の付きにくい構造を工夫したり、タ
ーゲット数を増やして、成膜室を大気に開放する機会を
出来るだけ少なくしている。
【0004】しかし、現在液晶パネル等の分野に多く用
いられている透明導電膜のITO(In23− SnO2)
では、ターゲットの寿命とは無関係に、スパッタするこ
とによりターゲット表面が変色(黒化)して急激にスパッ
タレートが低下するとともに、付けた膜の膜特性が著し
く低下するという問題がある。この変色部分は、ターゲ
ット表面が黒色化したものと、表面に黒色化物が柱状に
成長した黒色柱状物とに分類することができる。
【0005】現状は、適当な周期で黒化したターゲット
を取出して、ターゲット表面の変色物を取り除く作業を
行なっている。このターゲット表面のクリーニング周期
がターゲットの寿命に比べて極端に短かく、このクリー
ニングの度に、成膜室を大気に開放するために、装置の
再立上げのための排気に時間がかかり、装置の稼働率低
下の大きな原因になっている。また、膜質の低下、バラ
ツキの原因にもなっている。
【0006】このITOターゲット表面の変色物を取り
除くための工夫は、いくつか提案されている。例えば、
特開昭64−39373では、表面が黒化したITOタ
ーゲットを酸素分圧20%以上のAr雰囲気中でスパッ
タリングして、表面を非黒化状態に回復させることが提
案されている。一方、特開平2−50951では、ター
ゲットを特定温度に加熱しながらスパッタを行うことに
よって、ターゲット表面に黒色の非晶質物質の析出を防
ぎ、導電性と光透過率の良い透明導電膜を製作すること
が可能であることが説明されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭64−39
373においては、確かにArとO2 の混合プラズマに
よりターゲット表面の黒色化を回復させることが出来る
が、ターゲット表面に生じた柱状物については除去する
ことが出来ない。このため、再度通常のスパッタを開始
したときに、ただちに柱状物を中心にターゲット表面の
黒化が進行してしまう。これは、柱状の突起部は冷却さ
れにくいために、その先端の結晶化物やスパッタ物が、
ターゲット表面に再付着するためだと考えらる。また、
ArとO2の混合プラズマでのクリーニング時間は、1
〜3時間と長く、装置の稼働率の大幅改善は望めない。
【0008】また、特開平2−50951では、ターゲ
ット表面を加熱しながらスパッタすることによって、前
述のターゲット表面の黒色化を抑制する方法がとられて
いるが、特開平2−50951中にもふれられているよ
うに、ターゲット表面を加熱することによって、基板も
加熱される。もともと基板を加熱するプロセスにおいて
は、これは問題ないが、ITO膜の場合、後のエッチン
グプロセス時の膜特性等の問題から基板を加熱しない場
合があり、この場合、この方法を使うことができない。
また、ターゲットを加熱するためのヒータに、膜が付着
し、この付着した膜が剥離し、異物を発生させるという
問題もある。
【0009】このように、上記従来技術では、透明導電
膜の量産用インラインスパッタ装置において、ターゲッ
ト表面の黒色化という問題に対して、黒色化回復のため
のスパッタ装置の停止時間の大幅低減、及び基板加熱が
出来ないような成膜プロセスでのターゲット表面の黒色
化防止に対しては十分考慮されていなかった。
【0010】本発明の目的は、ターゲットホルダに保持
された透明導電膜用ターゲットの表面の黒色化物を、短
時間で、基板に影響を与えることなく取り除くことがで
き、安定した膜質のITO膜を、高い装置稼働率で成膜
することができるスパッタ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様によれば、真空容器と、該真空
容器内に配置された、基板を保持する基板ホルダと、タ
ーゲットを保持するターゲットホルダとを有するスパッ
タ装置において、前記真空容器中で、前記ターゲットの
表面を処理するためのイオンビームを照射するイオン源
をさらに有することを特徴とするスパッタ装置が提供さ
れる。
【0012】前記真空容器は、前記基板ホルダの配置さ
れた成膜室と、前記ターゲットを他のターゲットに交換
するためのターゲット交換室と、前記ターゲットを真空
中で前記成膜室からターゲット交換室に搬送するための
搬送手段とを有し、前記イオン源は前記ターゲット交換
室に設けられていることができる。
【0013】また、本発明の第2の態様によれば、真空
容器と、該真空容器内に配置された、基板を保持する基
板ホルダと、ターゲットを保持するターゲットホルダと
を有するスパッタ装置において、前記真空容器中で前記
ターゲットに正電位を印加する電極を有することを特徴
とするスパッタ装置が提供される。
【0014】
【作用】本発明の第1の態様により提供されるスパッタ
装置は、真空容器中に、基板ホルダと、ターゲットホル
ダと、イオン源とを有する。基板ホルダは、基板を保持
し、ターゲットホルダは、透明導電膜用ターゲットを保
持可能である。本スパッタ装置で成膜を行う場合は、前
記真空容器を真空排気し、アルゴン等のガスを導入して
放電させ、この時に生じたイオンでターゲットをスパッ
タリングして、飛散したスパッタ粒子を基板上に堆積さ
せることにより薄膜を形成する。
【0015】透明導電膜用ターゲットを用いた場合、こ
のスパッタにより、ターゲット表面に黒色化物が生じ、
スパッタレートを極端に低下させるという問題が生じる
が、本発明では、イオンビームをターゲットの表面に照
射して処理することにより、この黒色化物を短時間でク
リーニングする。通説によれば、ターゲットの表面の黒
色化物は、透明導電膜用ターゲット材料が酸素プアーに
組成ずれしたものである。また、黒色化物は、表面が黒
色に変色した黒色化物と、黒色化物が柱状に成長した柱
状物とに分類することができる。
【0016】本発明のスパッタ装置は、例えば酸素のイ
オンビームや真空容器に導入したガスと同等以上の質量
を有する元素のイオンビームを照射するイオン源を備え
る。ターゲットの表面に酸素イオンビームを照射する
と、イオンビームの酸素イオンが黒化物に取り込まれる
現象と、酸素イオンの衝突により黒化物が叩き出される
現象が生じる。これによりターゲット表面の変色物は回
復し、柱状物は飛び散って、表面はクリーニングされ
る。また、真空容器に導入したガスと同等以上の質量を
有する元素のイオンビームを十分加速して照射すると、
表面の変色物および柱状物は、イオンの衝突により叩き
出される現象で飛び散るので、同様に表面はクリーニン
グされる。
【0017】イオンビームは、直進性があるので、ター
ゲットに照射した場合には、基板に影響を及ぼさない。
したがって、基板に影響を与えることなく、ターゲット
のクリーニングを行うことができる。また、イオンビー
ムはイオン源の取付方向により、その入射角度を任意に
変えることが可能である。イオンビームのターゲット面
への入射角度を垂直よりも浅くすると、ターゲット表面
の柱状物に対し、側面からイオンが衝突させることがで
き、柱状物を効果的に除去することが出来る。
【0018】また、イオン源は、真空容器内でターゲッ
ト表面にイオンビーム照射することができるように配置
されているので、黒化したターゲットを一度も大気に開
放することなく、クリーニングを行ない、成膜を再開す
ることが出来る。またイオン源の照射によるクリーニン
グは、短時間で行うことができる。したがって、高い装
置稼働率を実現することができるとともに、表面が大気
に触れないので、クリーニングを何回くり返しても常に
安定して良好な膜質の膜を得ることが出来る。
【0019】また、真空容器が、基板ホルダの配置され
た成膜室と、ターゲットを他のターゲットに交換するた
めのターゲット交換室とを有し、ターゲットを搬送する
搬送手段をさらに備えた場合には、成膜室で成膜を行っ
た後、ターゲット交換室に黒色化したターゲットを搬送
し、ターゲット交換室でターゲットの表面にイオンビー
ムを照射することができる。このようにターゲット交換
室を設けた場合、成膜によって黒化したターゲットを、
交換室に予めセットした他のターゲットに交換し、成膜
室で他のターゲットを用いて成膜を行いながら、ターゲ
ット交換室で黒化したターゲットのクリーニングを行う
ことができ、装置をほとんど停止させる必要がない。し
たがって、さらに装置稼働率を高くすることができる。
また、クリーニングを成膜室で行わないため、成膜室を
汚染するおそれもなく、高純度の透明度電膜が成膜でき
る。
【0020】また、本発明の第2の態様によるスパッタ
装置は、ターゲットに正電位を印加する電極を備えるこ
とによって、ターゲット表面の柱状突起物を放電させ、
突起物を除去させる。これは、針状の電極間に高電圧を
印加して放電を起こさせると、針状電極自身が摩耗する
のと同様の作用である。正電位を印加するのはターゲッ
トのみであるので、基板に影響を与えることは無い。ま
た、印加する電位の大きさを調節することで、摩耗速度
を変えることができ、短時間で黒色化物をクリーニング
することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて詳細
に説明する。図1に示すように、本説明の透明導電膜用
スパッタ装置は、真空容器1と、真空容器中に配置され
た、トレイ型の基板ホルダ10と、基板ホルダ10に対
向して設けられたターゲットホルダ3aを備えている。
基板ホルダ10には、基板12が保持されている。ま
た、ターゲットホルダ3aは、ターゲット13aが搭載
されている。さらにターゲットホルダ3aは、ターゲッ
ト電極を兼ねている。真空容器1は、成膜を行うための
成膜室1aと、ターゲット13aの交換を行うためのタ
ーゲット交換室1bとに分かれている。ターゲット交換
室1bの側面には、ターゲット13aを外部に取り出し
たり、交換用ターゲット13bを交換室1b内にセット
するための交換用扉9が設けられている。真空容器1の
下部の開口部には、真空排気手段(図示せず)と真空容
器を接続するバルブ11が設けられており、真空容器1
内を真空排気することができる。
【0022】ターゲットホルダ3aは、上下駆動可能な
ターゲットホルダ支持台4により支持されており、ター
ゲットホルダ支持台4の上下動により、真空容器1内を
上下動する。また、ターゲットホルダ支持台4の内部に
は冷却水通水管が通されている。冷却水導入口5から導
入される冷却水は、この通水管を通ってターゲットホル
ダ3aまで導かれ、ターゲット13aを冷却する。
【0023】ターゲット交換室1bの上面には、ターゲ
ット交換室内1b内のターゲット13a’の表面処理を
行うためのイオン源102が、約45度の角度で、イオ
ン源取付けポート101により取り付けられている。ま
た、ターゲット交換室1b内には、上下2段のターゲッ
トホルダ移動用レール6a、6bと、レール6a、6b
をX方向に移動させる搬送用ギア8xと、y方向に移動
させる搬送用ギア8bとが備えられている。
【0024】ターゲットホルダ支持台4は、移動用レー
ル6a、6bと、搬送用ギア8xと共に搬送手段を構成
して、ターゲット13aを成膜室1aからターゲット交
換室1bに、また、交換用のターゲット13bをターゲ
ット交換室1bから成膜室1aに搬送する。ターゲット
13a、13bは、それぞれを支持するターゲットホル
ダ3a、3bと共に搬送される。
【0025】つぎに、本実施例のスパッタ装置の成膜を
行う際の各部分の動作を説明する。まず、透明導電膜用
スパッタターゲット13aをターゲットホルダ3aに取
り付け、ターゲットホルダ3aを支持台4に取付けて、
ターゲット13aを基板と対向した位置に配置する。つ
ぎに、バルブ11を開き、成膜室1aおよびターゲット
交換室1bを真空排気する。その後、支持台4を上昇さ
せ、ターゲットホルダ3aで成膜室1aの下部を塞い
で、成膜室1aを真空に保持して、交換室1bと成膜室
1aを隔絶する。この状態で、成膜室1aに、外部(図
示せず)からアルゴンガスを導入し、プラズマ化してス
パッタリングを行い、成膜する。
【0026】成膜室1aで成膜を行いながら、交換室1
bを大気圧に戻し、扉9から交換用のターゲット13b
をターゲットホルダ3bに取付け、下段のレール6b上
にセットし、交換室1bを真空排気する。成膜を行って
いるターゲット13aの表面が、黒色化して、スパッタ
レートが低下したら、成膜を一旦中止し、ターゲット1
3aをターゲット13bに交換する。
【0027】交換手順を説明する。まず、冷却水導入口
5から通水管にドライエアーを送りこみ、ターゲットホ
ルダ3a内の冷却水を排出する。つぎに、ギア8xによ
り上側のレール6aをターゲットホルダ3aの真下に移
動させ、支持台4を降下させてターゲットホルダ3aを
レール6a上に搭載する。更に、支持台4を降下させる
ことにより、支持台4をターゲットホルダ3aからはず
し、真空容器1の底部まで降下させる。つぎに、レール
6aを戻し、交換用のターゲット13bおよびターゲッ
トホルダ3bを搭載したレール6bをギア8xにより、
支持台4の真上に移動させる。そして、支持台4を上昇
させると支持台は、ターゲットホルダ3bを載せて上昇
し、ターゲットホルダ3bは、成膜室1aの下部を塞
ぎ、ターゲット13bは、基板に対向した位置に配置さ
れ、成膜の再開が可能になる。再び成膜室1a内にアル
ゴンガスを導入し、プラズマを発生させて、成膜を再開
する。
【0028】一方、表面が黒色化したターゲット13a
は、上側のレール6a上、すなわち、図1のターゲット
13a’に位置している。このターゲット13aに、イ
オン源102から1〜2kVの加速電圧で引き出した酸
素イオンビームを照射する。ギア8x,8yを駆動し
て、レール6aをxy方向に走査することにより、ター
ゲット13aの表面上に、相対的に、イオンビームを走
査させる。イオンビームは、ターゲット13aの表面に
入射角約45度で照射され、ターゲット13a表面の黒
色化物を回復させ、黒色の柱状物を取り除く。
【0029】成膜を行っているターゲット13bの表面
が黒色化したら、ターゲット13bを支持台4から外し
てレール6bに搭載し、クリーニングが終了したターゲ
ット6aを支持台4に取り付けることで、すぐに成膜を
再開することができる。
【0030】この2つのターゲット13a、13bを用
いて、成膜とクリーニングを交互に行う動作を繰り返す
一連の動作において、成膜室1aおよびターゲット交換
室1b内は、常に真空状態に保たれているので、成膜室
1は大気に開放されることなく、ただちに成膜を再開す
ることが出来る。したがって、非常に高い装置稼働率
で、透明導電膜の成膜を行うことができる。また、ター
ゲット13a、13bの表面が大気に触れないので、成
膜した透明導電膜もその膜質がばらつくことがなく良好
な膜を安定して得られる。
【0031】イオンビームの照射による、ターゲット1
3aの表面の黒色化物のクリーニングは、酸素による黒
化物の酸化作用と、イオンが衝突する叩き出し作用によ
って、表面の黒色化物および柱状物を短時間で取り除く
ことができる。イオンビームで処理した場合には、通常
のアルゴンと酸素の混合プラズマで表面をクリーニング
した場合に比べて、表面状態がなめらかで、再黒化まで
の寿命がはるかに伸びる。
【0032】上記実施例では、2つのターゲットを交互
に使用する装置を示したが、1つのターゲットを成膜室
1aと交換室1bの間を往復させて、成膜とクリーニン
グを繰返し行うこともできる。この場合も、クリーニン
グ時間が短いことと再黒化までの寿命が長いことから、
従来より稼働率が高いことは明らかである。
【0033】また、上記実施例では、真空容器を成膜室
1aと交換室1bに分けて、その間をターゲットホルダ
3aで遮断したので、成膜中に交換室1bに交換用ター
ゲットをセットする動作を行うことが可能であり、より
稼働率を向上させることができた。また、このように、
成膜室1aをクリーニングを行う交換室1bと分けたこ
とで、成膜室1aを汚染することがなく、高い純度で成
膜を行うことができる。
【0034】もちろん必要とする透明導電膜の純度がそ
れほど高くない場合には、成膜室1aと交換室1bを完
全に遮断する必要は無い。また、必要とする稼働率に応
じて、交換室1bを設けず、ターゲットホルダ3aを、
基板ホルダ10の対面の位置に固定し、成膜室1aにイ
オン源102を配置して、成膜とクリーニングを交互に
行ってももちろんよい。このような構造であっても、ク
リーニング時間が短いことと、再黒化までの寿命が長い
ことから、従来に比べ稼働率は向上させることが可能で
ある。イオン源102のイオンビームは直進するので、
基板12に影響を与えることは無い。
【0035】イオン源102は、ターゲットの位置を移
動させることにより、相対的にイオンビームを全面に走
査させることができるので、小型なイオン源で十分であ
り、コストを低く抑えることができる。
【0036】また、本実施例では、酸素ビームでのクリ
ーニングの実施例を示したが、酸素ビームに限定される
ものではなく、スパッタリングに用いたガスと同等以上
の質量の大きな不活性ガス、例えば、KrやXe等を用
いて、ターゲット表面のクリーニングを行うことが可能
である。
【0037】本発明の他の実施例を図2を用いて示す。
本実施例のスパッタ装置は、ターゲット表面の黒化物を
除くために、ターゲット交換室1bに、電流導入端子1
04が設けられており、該電流導入端子104を介し
て、直流電源103により、電気的に絶縁されたターゲ
ットホルダ移動用レール6aに正電位が印加され、レー
ル6aを介して、ターゲットホルダ13a’に正電位が
印加される。本実施例のスパッタ装置は、図2に示すよ
うに、図1のイオン源101を備えていないほかは、先
の実施例の構造と同様であるので、ターゲット交換動作
の説明ついては省略する。
【0038】ターゲット3a’は、ターゲットホルダ1
3a’に正電位が印加されると、表面の柱状物からの放
電し、柱状物が除去される。これは、柱状物に正電位が
印加されると、自身からのイオン放出により、柱状物は
摩耗してしまう作用による。本実施例では、電源103
を別途設けた構造を示したが、タ−ゲット電極への印加
電圧を、成膜時と逆転させることによっても可能であ
る。
【0039】以上説明した本発明の第1の実施例および
第2の実施例によれば、透明導電膜用ターゲット表面の
黒化物を、大気に触れることなく、短時間で、基板に影
響を与えることなく取り除くことができるので、 (1) 表面クリーニング後のターゲットでもすぐに良好な
膜質の膜を安定して得ることが出来る。
【0040】また、イオンビームにより、ターゲット表
面の柱状突起物を除去することが出来るので、 (2) 表面クリーニング後も、柱状物による異常放電を抑
えられ、安定した放電を維持することが出来る。
【0041】(3) 再度ターゲット表面の黒化までの寿命
をのばすことが出来て、装置の稼働率向上につながる。
【0042】等の効果がある。
【0043】
【発明の効果】本発明は、上述のように、ターゲットホ
ルダに保持された透明導電膜用ターゲットの表面の黒色
化物を、短時間で、基板に影響を与えることなく取り除
くことができ、安定した膜質の透明導電膜を、高い装置
稼働率で成膜することができるスパッタ装置を提供する
ことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタ装置の一実施例を示す断面図
である。
【図2】本発明のスパッタ装置の別の実施例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1…真空容器、1a…成膜室、1b…ターゲット交換
室、3a、3b…ターゲットホルダ、4…ターゲットホ
ルダ支持台、6a、6b…移動用レール、8…ギア、1
0……基板ホルダ、11…真空排気用バルブ、13a、
13bターゲット、101…イオン源取付けポート、1
02…イオン源、103……直流電源、104…電流導
入端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清野 知之 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 大野 康則 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 平1−225772(JP,A) 特開 昭63−195264(JP,A) 特公 平3−68111(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器と、該真空容器内に配置された、
    基板を保持する基板ホルダと、ターゲットを保持するタ
    ーゲットホルダとを有するスパッタ装置において、 前記真空容器中で、前記ターゲットの表面を処理するた
    めのイオンビームを照射するイオン源を有し、 前記真空容器は、前記基板ホルダの配置された成膜室
    と、前記ターゲットを他のターゲットに交換するための
    ターゲット交換室と、前記ターゲットを真空中で前記成
    膜室から前記ターゲット交換室に搬送するための搬送手
    段とを有し、 前記イオン源は、前記ターゲット交換室に設けられてい
    ること を特徴とするスパッタ装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のスパッタ装置において、
    前記成膜室の真空を保持した状態で前記成膜室を前記タ
    ーゲット交換室から隔絶するための遮断手段をさらに有
    することを特徴とするスパッタ装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のスパッタ装置において、
    前記搬送手段は、前記ターゲット交換室で、前記ターゲ
    ットをターゲット面に平行な2方向に移動させる走査手
    段を有し、前記イオンビームを相対的に前記ターゲット
    表面上を走査させることを特徴とするスパッタ装置。
  4. 【請求項4】真空容器と、該真空容器内に配置された、
    基板を保持する基板ホルダと、ターゲットを保持するタ
    ーゲットホルダとを有するスパッタ装置において、 前記ターゲットに正電位を印加する電極を有することを
    特徴とするスパッタ装置。
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