JP3348588B2 - 記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録媒体とし
ての磁気テープを巻装した供給側テープリールと巻取側
テープリールが装着される一対きリール台の間隔をリー
ル台移動機構によって移動可能にし、リール台に２つ以
上の大きさの異なるテープカセットが選択的に装着可能
にされた、いわゆるコンパチブル方式の民生用ビデオ・
カセット・レコーダ（以下、ＶＣＲ装置という）に使用
して好適な記録再生装置に関し、特にリール台及びこの
リール台を選択的に回転駆動するための振り子ギア（以
下、首振りギアという）の抜け止め機構に係わるもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来この種、ＶＣＲ装置において一対の
リール台の抜け止め機構としては、両リール台にそれぞ
れ専用の抜け止め部材を備えているものや、あるいは両
リール台が大きさの異なるテープカセットの対応位置に
移動した位置において抜け止めを行っている。また、首
振りギアの抜け止め機構としては専用の抜け止め部材で
行っている。

【０００３】一方、テープカセットのリールロック解除
部材はメカデッキシャーシから立設したピン部材によっ
て行っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のＶＣＲ装置においてリール台の抜け止めを専用の抜
け止め部材を備えているものは、それぞれのリール台に
別々に抜け止め部材が必要となる。例えば、抜け止め部
材がワッシャ等でリール台のリール軸の先端部に設けた
場合には、カセットのリールの高さをリール軸先端部の
一点で受けることができなくなり、このため、リール台
とリール軸との間に摩擦が生じ回転ロスが増大するとい
った問題がある。

【０００５】また、大きさの異なるテープカセットの対
応位置にリール台の抜け止め部材を備えている場合に
は、使用するカセットの種類に応じてリール台間隔を移
動するためのリール台の移動途中では抜け止め作用はな
いため、リール台がリール軸から外れる可能性があると
共に、抜け止め部材としての部品点数が多く必要とな
る。

【０００６】また、首振りギアの抜け止め機構としても
専用の抜け止め部材で行っていることや、リールロック
解除部材もメカデッキシャーシから専用な部材として設
ける必要があるため、上述したリール台の抜け止め部材
も含めると多くの部品点数が必要となり、その分、コス
ト高となるといった問題がある。

【０００７】本発明は上述したような課題を解消するた
めになされたもので、リール台及び首振りギアの抜け止
めと共にリールロック解除部材を１つの構成部材で達成
することのできる記録再生装置を得ることを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明による記録再生装置は、 一対のリール台が
リール台保持部材に支持されリール台移動機構によって
リール台間隔を移動可能にし、リール台に２つ以上の大
きさの異なるテープカセットが選択的に挿着可能にさ
れ、リール台に選択的に噛み合い回転駆動する首振りギ
アを備えた記録再生装置において、首振りギアを覆い軸
支持するようにした抜け止め機能と、リール台を大小の
異なる位置において抜け止め機能とを同時に有する１つ
の成形材からなる抜け止め部材と、抜け止め部材上に設
けられた大きなテープカセットのリールロック解除部材
と、抜け止め部材上に移動可能な小さなテープカセット
のリールロック解除部材を位置決めする位置決め部材と
から構成したものである。

【０００９】このように構成したことで、１つの抜け止
め部材でリール台の抜け止め作用と、首振りギアの抜け
止め作用とを行うことができる。

【００１０】また、抜け止め部材はリール台の全ての移
動位相でリール台ギアが付き当たって抜け止めが行われ
ていることで、リール台の大きさの異なるカセット対応
位置あるいはリール台の途中動作位置においてリール台
のリール台ギアが抜け止め部材に突き当たって抜け止め
が可能となる。

【００１１】また、抜け止め部材にテープカセットのリ
ールロック解除部材を備えたことで、リールロック解除
部材を専用に別設する必要もなくなり部品点数を削減す
ることができる。

【００１２】また、大きさの小さなテープカセットのリ
ールロック解除部材はリール台の移動動作に連動して回
動するアーム部材に備えられ、リールロック解除部材が
当該テープカセットに対応する位置に移動したとき抜け
止め部材に設けた位置決め部材で位置決めされるように
したことで、位置決め部材を専用に別設することもなく
抜け止め部材を利用し構成することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明による記録再生装置
のリール台及び首振りギアの抜け止め機構の実施例をコ
ンパチブル方式の民生用のＶＣＲ装置に適用した例をと
って図面を参照して説明する。

【００１４】まず、図１及び図２を参照してＶＣＲ装置
のメカデッキについて説明する。図１は本例によるＶＣ
Ｒ装置のメカデッキの要部を示した小テープカセット４
Ａの装着の場合の平面図であり、図２は同じく大テープ
カセット４Ｂの装着の場合の平面図である。

【００１５】始めに、小テープカセット装着の場合を図
１を参照してＶＣＲ装置のテープ走行系について説明す
る。

【００１６】符号１，２がメカシャーシ３上に配置され
ている一対の供給側リール台と巻取側リール台である。
この両リール台１，２に仮想線で示した小テープカセッ
ト４Ａのテープ供給側リール５とテープ巻取側リール６
が装着される。

【００１７】小テープカセット４Ａのテープ供給側リー
ル５より引き出された磁気テープＴは、ガイドローラ７
から供給側のテンションレギュレータ８のローラ８ａ、
スライド部材９に支持された垂直ガイド１０及び傾斜ガ
イド１１を経て磁気ヘッドを有する回転ドラム１２の入
口側よりヘリカルに巻き付けられ、そして、磁気テープ
Ｔは回転ドラム１２の出口側より引き出されスライド部
材１３に支持された傾斜ガイド１４及び垂直ガイド１
５、キャプスタン１６及びピンチローラ１７を経て巻取
側のテンションレギュレータ１８のローラ１８ａ、ガイ
ドローラ１９よりテープ巻取側リール６に巻き取られる
テープ走行系を構成している。

【００１８】ここで、両スライド部材９，１３はメカシ
ャーシ３に形成したスライド溝２０，２１に沿って図示
しないローディングギアによりリンクを介してローディ
ング位置とアンローディング位置とに移動可能である。
また、両スライド部材９，１３はローディング位置にお
いて固定ブロック２２，２３に位置決めされる。

【００１９】上述した両リール台１，２はそれぞれ支点
軸２４，２５を回動支点として回動するリール台保持部
材２６，２７から立設したリール台支持軸２６ａ，２７
ａに回転可能に支持されている。このため、両リール台
１，２は両リール台保持部材２６，２７の回動動作によ
りリール台間隔が小テープカセット４Ａと大テープカセ
ット４Ｂとに対応する位置に位置決め可能に構成されて
いる。このリール台間隔は図示しないリール台移動機構
により行われる。

【００２０】また、両リール台１，２はその底部に設け
たリール台ギア１ａ，２ａ（歯部は省略している）に選
択的に噛み合う首振りギア３０により回転駆動される。
首振りギア３０は図３に示すように首振りフレーム３１
の一端側に軸３０ａで回転可能に支持され、首振りフレ
ーム３１はその中間部に圧入支持した軸ボス３２がメカ
シャーシ３側に支持された図示しない駆動モータに同軸
に回転可能にされた駆動ギア３３の回転軸３３ａにフリ
ーの状態で支持されている。そして、首振りギア３０と
駆動ギア３３は噛み合う。

【００２１】さて、ここで本発明の要部であるリール台
１，２及び首振りギア３０の抜け止め機構について説明
する。

【００２２】抜け止め機構は符号４０で示したブラスチ
ック材により成形加工された抜け止め部材から構成され
ている。この抜け止め部材４０は上述した首振りギア３
０及び駆動ギア３３の全体を上から十分に覆うようにし
てメカシャーシ３上に支持される。ここで、抜け止め部
材４０には駆動ギア３３の回転軸３３ａに支持した軸ボ
ス３２に対応する位置に当該軸ボス３２より大きな孔４
１が開口してあり、この孔４１に軸ボス３２を挿通する
ことによって図４に示すように首振りフレーム３１が抜
け止め部材４０の裏面に突き当たって首振りギア３０の
抜け止めを行っている。

【００２３】また、上述した抜け止め部材４０はリール
台１，２の抜け止め機能も行っている。すなわち、抜け
止め部材４０には図１及び図２と共に図４を含めて示し
たようにリール台１，２のリール台ギア１ａ，２ａ上に
迫り出す抜け止めエッジ部４２，４３を有している。こ
のため、リール台１，２がリール台支持軸２６ａ，２７
ａから抜け出そうとする動作が生じてもリール台ギア１
ａ，２ａが抜け止めエッジ部４２，４３の裏面に突き当
たって抜け出すことがない。両抜け止めエッジ部４２，
４３はリール台１，２の支点軸２４，２５を回転半径と
する円弧形状に形成されている。従って、リール台１，
２は図１に示した小カセット４Ａの対応位置から図２に
示した大カセット４Ｂの対応位置までの全ての移動位相
において抜け止めエッジ部４２，４３により抜け止め作
用を行うことができる。

【００２４】一方、抜け止め部材４０には大カセット４
Ｂのリールロック解除片４４が突設されている。このリ
ールロック解除片４４は図２に示すように大カセット４
Ｂがリール台１，２に装着されたとき、図示しないカセ
ットのリールロックを解除する。

【００２５】また、小カセット４Ａのリールロック解除
片４５は小カセット４Ａの使用のときに対応する位置に
位置決めされ、大カセット４Ｂの使用のときは邪魔にな
るので退避動作させるため、リール台１，２の移動動作
に連動して移動可能なアーム部材４６の先端部に取り付
けられている。尚、アーム部材４６が小カセットの対応
位置と大カセットの対応位置に位置決めする位置決めピ
ン４６ａ，４６ｂが上述した抜け止め部材４０から一体
に突出形成してある。

【００２６】ここで、リールロック解除片４５の移動機
構について説明すると、アーム部材４６の基端部はメカ
シャーシ３に設けた支点ピン４７に回動可能に支持さ
れ、アーム部材４６の軸ピン４７の近くにカム孔４８が
形成されている。このカム孔４８にはリンク片４９の一
端部に設けたカムピン５０が係合され、リンク片４９の
他端部は一方のリール台１を支持しているリール台保持
部材２６の軸ピン５１に支持されている。そして、アー
ム部材４６はばね支持片５２ａとメカシャーシ３に設け
たばね支持片５２ｂとの間にトグルばね５３が支持して
ある。

【００２７】次にリールロック解除片４５の動作につい
て説明する。図１はリールロック解除片４５が小カセッ
ト４Ａに対応した位置の状態でアーム部材４６が位置決
めピン４６ａに位置決めされている。この際、アーム部
材４６はトグルばね５３のばね力で位置決めピン４６ａ
に付勢され安定して位置決めされている。従って、小カ
セット４Ａがリール台１，２に装着されることでリール
ロック解除片４５によりカセットのリールロックが解除
される。

【００２８】かくして、大カセットが使用される場合に
は図示しないリール台移動機構によりリール台保持部材
２６，２７と共にリール台１，２が大カセットに対応す
るリール台間隔に移動し始めると、リール台保持部材２
６の移動に連動して移動するリンク４９の軸ピン５０で
カム孔４８を介してアーム部材４６を支持ピン４７を回
動中心として時計回り方向へ回動させる。そして、アー
ム部材４６が所定の回動角度回動すると、トグルばね５
３のトグル作用によりアーム部材４６は図２に示す位置
まで回動し位置決めピン４６ｂに突き当たって停止す
る。これによって、リールロック解除片４５は大カセッ
ト４Ｂのエリア外へ退避させることができる。ここで、
大カセット４Ｂがリール台１，２に装着されることで抜
け止め部材４０に設けられているリールロック解除片４
４によりカセットのリールロックが解除される。

【００２９】尚、図２の大カセット使用状態から小カセ
ットを使用ときは、リール台１，２の移動に連動してア
ーム部材４６が反時計回り方向へ回動し再び図１の小カ
セット使用状態に動作する。

【００３０】以上説明したように本発明は、リール台
１，２及び首振りギア３０の抜け止めをそれぞれ専用の
抜け止め部材を使用することなく１つの抜け止め部材４
０で確実に抜け止めすることができ、これによって、部
品点数の大幅な削減化を図ることができるといった利点
がある。

【００３１】また、リール台１，２の抜け止め機能が、
リール台１，２の小カセット４Ａの対応位置から大カセ
ット４Ｂの対応位置及びその途中の全ての移動位相にお
いて抜け止め作用を図ることができる。

【００３２】また、大カセット用のリールロック解除片
４４も抜け止め部材４０に一体に備えることができるよ
うにしたことで、リールロック解除片４４をメカシャー
シ上に専用に別設する必要もなくなり部品点数のさらに
削減化が可能となる。

【００３３】さらに、小カセット用のリールロック解除
片４５が大カセットの使用時にカセットのエリアから退
避できるように回動可能のアーム部材４６に備えたこと
で、テープカセットの大きさに対応したリールロック解
除片でリールロックの解除を行うことができ機能的に優
れた機構となる。しかも、アーム部材４６の位置決めピ
ン４６ａ，４６ｂも抜け止め部材４０に備たことで、位
置決めピンを専用に別設することもなく一層、部品点数
の削減化を図ることができる。

【００３４】本発明は、上述しかつ図面に示した実施例
に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内
で種々の変形実施が可能である。

【００３５】上述した実施例ではリール台１，２の抜け
止めをリール台ギア１ａ，２ａが抜け止め部材４０の抜
け止めエッジ部４２，４３に突き当たって抜け止めされ
ている場合について説明したが、リール台１，２のその
他の部分を抜け止めエッジ部で抜け止めするようにして
もよい。

【００３６】また、小カセット４Ａのリールロック解除
片４５を備えたアーム部材４６の移動機構はリール台
１，２のいずれのリール台保持部材２６，２７に連動し
て動作するようにしてもよい。

【００３７】また、実施例ではリール台１，２がリール
台保持部材２６，２７の支点軸２４，２５を中心として
回動させ、リール台間隔を移動可能にした場合について
説明したが、その他、図５に示すようにリール台１，２
のリール台間隔を直線的に移動可能にした構成について
も適用可能である。この場合、抜け止め部材４０の抜け
止めエッジ部４２ａ，４３ａは直線状にすればよい。

【００３８】また、本発明では大きさの異なる大小２種
類のテープカセットが使用可能ないわゆるコンパチブル
方式のＶＣＲ装置について説明したが、大きさが２種類
以上の異なるテープカセットが使用可能な場合でも適用
可能であることは言うまでもなく、しかも、ＶＣＲ装置
以外、ＶＴＲ装置やオーディオ装置の記録再生装置のリ
ール台及び首振りギアの抜け止め機構に広く適用可能で
ある。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように本発明による記録再
生装置は、 一対のリール台がリール台保持部材に支持
されリール台移動機構によってリール台間隔を移動可能
にし、リール台に２つ以上の大きさの異なるテープカセ
ットが選択的に挿着可能にされ、リール台に選択的に噛
み合い回転駆動する首振りギアを備えた記録再生装置に
おいて、首振りギアを覆い軸支持するようにした抜け止
め機能と、リール台を大小の異なる位置において抜け止
め機能とを同時に有する１つの成形材からなる抜け止め
部材と、抜け止め部材上に設けられた大きなテープカセ
ットのリールロック解除部材と、抜け止め部材上に移動
可能な小さなテープカセットのリールロック解除部材を
位置決めする位置決め部材とから構成したことで、リー
ル台及び首振りギアき抜け止めを１つの抜け止め部材で
行え、部品点数の大幅な削減化による低コスト化を図る
ことができ、信頼性の高い抜け止め機構となるといった
効果がある。

【００４０】また、抜け止め部材はリール台の全ての移
動位相でリール台ギアが突き当たって抜け止めが行われ
ていることで、リール台の大きさの異なるカセット対応
位置あるいはリール台の途中の動作位置においてリール
台の抜け止めを行うことができ、信頼性の高い抜け止め
機構となる。

【００４１】また、抜け止め部材にテープカセットのリ
ールロック解除部材を備えたことで、リールロック解除
部材を専用に別設する必要もなくなり部品点数を削減す
ることができる。

【００４２】

【００４３】また、ＶＣＲ装置に適用されるようにした
ことで、低コスト化と共に信頼性の高いＶＣＲ装置とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による抜け止め機構を備えた小テープカ
セット対応の動作状態の平面図である。

【図２】同じく大テープカセット対応の動作状態の平面
図である。

【図３】本例による抜け止め部材と首振りギアの斜視図
である。

【図４】同じく、抜け止め部材によるリール台と首振り
ギアの抜け止め状態の部分断面図である。

【図５】本発明による別の例のリール台の抜け止め機構
の説明図である。

【符号の説明】

１，２ リール台、１ａ，２ａ リール台ギア、３ メ
カシャーシ、４Ａ 小テープカセット、４Ｂ 大テープ
カセット、３０ 首振りギア、３１ 首振りフレーム、
３３ 首振りギアの駆動ギア、４０ 抜け止め部材、４
２，４３ 抜け止めエッジ部、４４，４５ リールロッ
ク解除片、４６ アーム部材、４６ａ，４６ｂ 位置決
めピン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 昌毅 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 上竹 昭浩 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 池間 克明 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 高橋 克典 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−188847（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−250767（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−212629（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−93930（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G11B 15/26 G11B 15/22 G11B 15/32

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のリール台がリール台保持部材に支
   持されリール台移動機構によってリール台間隔を移動可
   能にし、上記リール台に２つ以上の大きさの異なるテー
   プカセットが選択的に挿着可能にされ、上記リール台に
   選択的に噛み合い回転駆動する振り子ギアを備えた記録
   再生装置において、上記振り子ギアを覆い軸支持するようにした抜け止め機
   能と、上記リール台を大小の異なる位置において抜け止
   め機能とを同時に有する１つの成形材からなる抜け止め
   部材と、 上記抜け止め部材上に設けられた大きなテープカセット
   のリールロック解除部材と、 上記抜け止め部材上に移動可能な小さなテープカセット
   のリールロック解除部材を位置決めする位置決め部材と
   から構成したことを特徴とする記録再生装置。