JP3347595B2 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JP3347595B2
JP3347595B2 JP20146196A JP20146196A JP3347595B2 JP 3347595 B2 JP3347595 B2 JP 3347595B2 JP 20146196 A JP20146196 A JP 20146196A JP 20146196 A JP20146196 A JP 20146196A JP 3347595 B2 JP3347595 B2 JP 3347595B2
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネートの
製造方法に関し、さらに詳しくは、溶融状態でエステル
交換反応、例えはジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル
とを用いてエステル交換反応によりポリカーボネートを
製造する際に、(a)アルキル基を有するホスホニウム
及び(b)アリール基及び/又は分岐状アルキル基を
有する四級ホスホニウム塩(但し、(a)のアルキル基
を有するホスホニウム塩として四級ホスホニウム塩を用
いる場合、(b)として用いられる四級ホスホニウム塩
とは異なるものである)からなる触媒を用いることによ
り、触媒活性が充分に高く、品質に優れたポリカーボネ
ートを効率よく製造しうる方法に関するものである。ま
た、上記製造方法によって得られる光学材料用ポリカー
ボネートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートの製造方法として、ビ
スフェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とホス
ゲンとを直接反応させる方法(界面法)、あるいはビス
フェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェ
ニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶融状態あ
るいは固相状態でエステル交換反応(溶融法・固相法)
させる方法が知られている。
【0003】界面法は有毒なホスゲンを用いなければな
らないこと、副生する塩化水素や塩化ナトリウムなどの
含塩素化合物により装置が腐食すること、樹脂中に混入
する塩化メチレンの除去が非常に難しく得られるポリカ
ーボネート中に塩素が含有されやすく、光学用ポリカー
ボネートとしては好ましくない。一方、溶融法は、界面
法と比較して安価にポリカーボネートを製造できるとい
う利点を有しているものの、通常280℃〜310℃と
言う高温下で長時間反応させるために、得られるポリカ
ーボネートの着色を免れないという大きな問題があっ
た。また、高分子量のものが得られないという問題もあ
る。
【0004】これらの問題を解決するため、特定の触媒
を使用する方法(特開平06−256497号)、反応
後期に酸化防止剤を添加する方法等が開示されている
が、高分子量化、熱による劣化あるいは高温高湿の環境
においての品質低下、さらには着色の問題は未だ解決さ
れておらず、特に光学材料としてポリカーボネートを用
いる場合には、未だ充分な性能を有していなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のエステル交換反応により製造されるポリカーボネ
ートが有する問題を解消し、高分子量化されており、熱
安定性に優れ、高温高湿の環境においても品質が低下す
ることなく、色調も良好であり、光学材料として極めて
有用な高品質のポリカーボネートを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルなどを用いてエステル交換反応を
行う際に、触媒として、(a)アルキル基を有するホス
ホニウム塩及び(b)アリール基及び/又は分岐状アル
キル基を有する四級ホスホニウム塩を用いることによ
り、ポリカーボネート製造するにおいて、上記の触媒を
用いることにより、エステル交換反応の初期から後期に
わたって充分な触媒活性を有し、かつ反応の最終段階で
熱分解が可能で、ポリマーの品質低下をもたらすことが
なく、その目的を達成しうることを見出した。
【0007】本発明はかかる知見に基づいて完成したも
のである。すなわち、本発明は、溶融状態でエステル変
換反応によりポリカーボネートを製造するに当たり、
(a)アルキル基を有するホスホニウム塩として、一般
式 R9 3P ………… (IX) (R9O)3P ………… (X) 〔上記式(IX)及び(X)において、R9 は水素原子又は有
機基を示し、三つのR9はたがいに同一でも異なってい
てもよく、また二つのR9 が結合して環構造を形成して
いてもよい。〕及び (PR10 4)+(X1)- ………… (XI) 〔上記式(XI)において、R10 は有機基を示し、四つ
のR10 はたがいに同一でも異なっていてもよく、また
二つのR10 が結合して環構造を形成していてもよい。
1 はハロゲン原子,アルキルオキシ基,アリールオキ
シ基, R'COO,HCO3 ,(R'O)2P(=O)O又
はBR''4 からなる1価のアニオン形成基である。ここ
で、R'はアルキル基又はアリール基を有する炭化水素
基を示し、二つのR'Oはたがいに同一でも異なってい
てもよい。また、R''は水素原子、アルキル基又はアリ
ール基を示し、四つのR''はたがいに同一でも異なって
いてもよい。〕で表される化合物よりなる群から選ばれ
る少なくとも一種の化合物及び(b)アリール基及び/
又は分岐状アルキル基を有する四級ホスホニウム塩(但
し、(a)のアルキル基を有するホスホニウム塩として
四級ホスホニウム塩を用いる場合、(b)として用いら
れる四級ホスホニウム塩とは異なるものである)からな
る触媒を用いることを特徴とするポリカーボネートの製
造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリカーボネート
の製造原料は特に制限されるものではないが、(A)ジ
ヒドロキシ化合物及び(B)炭酸ジエステル又はホスゲ
ンを好ましく用いることができ、必要に応じ末端停止剤
あるいは分岐剤等を併用する。触媒としては、(a)含
リン塩基性化合物及び(b)アリール基及び/又は分岐
状アルキル基を有する四級ホスホニウム塩(但し、
(a)の含リン塩基性化合物として四級ホスホニウム塩
を用いる場合、(b)として用いられる四級ホスホニウ
ム塩とは異なるものである)が用いられる。 (1)原料 (A)ジヒドロキシ化合物 例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物,脂肪族ジヒドロキ
シ化合物が挙げられ、これらから選択される少なくとも
一種の化合物である。
【0009】この(A)成分の一つとして用いられる芳
香族ジヒドロキシ化合物は、一般式(I)
【0010】
【化1】
【0011】で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(I)において、R1 及びR2 は、それぞれ
フッ素,塩素,臭素,ヨウ素のハロゲン原子又は炭素数
1〜8のアルキル基、例えばメチル基,エチル基,n−
プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチ
ル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチル基,
ヘキシル基,シクロヘキシル基,ヘブチル基,オクチル
基などを示す。R1 及びR2 はたがいに同一であっても
異なっていてもよい。またR1 が複数ある場合は複数の
1 は同一でも異なっていてもよく、R2 が複数ある場
合は複数のR2 は同一でも異なっていてもよい。m及び
nは、それぞれ0〜4の整数である。そして、Zは単結
合,炭素数1〜8のアルキレン基,炭素数2〜8のアル
キリデン基,炭素数5〜15のシクロアルキレン基,炭
素数5〜15のシクロアルキリデン基,又は−S−,−
SO−,−SO2 −,−O−,−CO−結合若しくは式
(II) ,(II')
【0012】
【化2】
【0013】で示される結合を示す。炭素数1〜8のア
ルキレン基,炭素数2〜8のアルキリデン基としては、
例えばメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレ
ン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,エチリデン基,イ
ソプロピリデン基などが挙げられ、炭素数5〜15のシ
クロアルキレン基,炭素数5〜15のシクロアルキリデ
ン基としては、例えばシクロペンチレン基,シクロヘキ
シレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリデン
基などが挙げられる。
【0014】本発明の好ましい製造方法において、
(A)成分のジヒドロキシ化合物としては、上記の化合
物一種又は二種以上を適宜選択して用いるが、これらの
中では、芳香族ジヒドロキシ化合物であるビスフェノー
ルAを用いるのが好ましい。さらに、ジヒドロキシ化合
物のジエステル類、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステ
ル類、ジヒドロキシ化合物のモノ炭酸エステル類等も用
いることができる。
【0015】(B)成分 炭酸ジエステル 各種のものが用いられる。例えば、炭酸ジアリール化合
物,炭酸ジアルキル化合物又は炭酸アルキルアリール化
合物から選択される少なくとも一種の化合物である。
【0016】この(B)成分の一つとして用いられる炭
酸ジアリール化合物は、一般式(III)
【0017】
【化3】
【0018】(式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよい。)で表される化合物、又は一般式(IV)
【0019】
【化4】
【0020】(式中、Ar3 及びAr4 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよく、D1 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸
基2個を除いた残基を示す。)で表される化合物であ
る。また、炭酸ジアルキル化合物は、一般式(V)
【0021】
【化5】
【0022】(式中、R3 及びR4 はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7シクロアルキル基を
示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
い。)で表される化合物、又は一般式(VI)
【0023】
【化6】
【0024】(式中、R5 及びR6 はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基
を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、D2は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基2
個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。そ
して、炭酸アルキルアリール化合物は、一般式(VII)
【0025】
【化7】
【0026】(式中、Ar5 はアリール基、R7 は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数47のシクロアルキル
基を示す。)で表される化合物、又は一般式(VIII)
【0027】
【化8】
【0028】(式中、Ar6 はアリール基,R8 は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキ
ル基、D3 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基
2個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。
(B)成分の炭酸ジエステルとしては、上記の化合物一
種又は二種以上を適宜選択して用いられるが、これらの
中では、ジフェニルカーボネートを用いるのが好まし
い。 (2)触媒 触媒として、(a)含リン塩基性化合物及び(b)アリ
ール基及び/又は分岐状アルキル基を有する四級ホスホ
ニウム塩(但し、(b)として用いられる四級ホスホニ
ウム塩は、(a)である含リン塩基性化合物として用い
たものとは異なるものである)を用いる。 (a)含リン塩基性化合物 この含リン塩基性化合物は一種用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。但し、(a)の含リン塩
基性化合物として四級ホスホニウム塩を用いる場合、
(b)として用いられる四級ホスホニウム塩とは異なる
ものであることが必要である。含リン塩基性化合物とし
て、アルキル基を有するホスホニウム塩が好ましく用い
られる。 (i)3価のリン化合物 3価のリン化合物としては、特に制限はなく、各種のも
のがあるが、例えば一般式(IX) 又は(X) R9 3P ・・・・・・ (IX) (R9O)3P ・・・・・・ (X) で表される化合物が用いられる。
【0029】上記一般式(IX)又は(X) において、
9は水素原子又は有機基を示し、この有機基として
は、例えばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル
基,ペンチル基,ヘキシル基、オクチル基,シクロヘキ
シル基などのアルキル基やシクロアルキル基、フェニル
基,トリル基,ナフチル基,ビフェニル基などのアリー
ル基、ベンジル基などのアリールアルキル基などを挙げ
ることができる。三つの 9 はたがいに同一でも異なっ
ていてもよく、また二つの 9 が結合して環構造を形成
していてもよい。
【0030】このような3価のリン化合物のうち、一般
式(IX) で表される化合物としては、例えば、エチルホ
スフィン,ジエチルホスフィン,プロピルホスフィン,
ジプロピルホスフィン,ジイソアミルホスフィン,トリ
エチルホスフィン,トリ−n−プロピルホスフィン,ト
リイソプロピルホスフィン,トリ−n−ブチルホスフィ
ン等のアルキルホスフィン類、フェニルホスフィン,ジ
フェニルホスフィン,フェニルメチルホスフィン,フェ
ニルジメチルホスフィン,トリフェニルホスフィン,ト
リ−p−トリルホスフィン,トリ−o−トリルホスフィ
ン,トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ィン,トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン等の
アリ−ルホスフィン類又はアリ−ルアルキルホスフィン
類が挙げられる。また、一般式(X) で表される化合物
としては、例えば、ジメチルホスファイト,トリメチル
ホスファイト,ジエチルホスファイト,トリエチルホス
ファイト,ジブチルホスファイト,トリブチルホスファ
イト,ジプロピルホスファイト,トリプロピルホスファ
イト,ジペンチルホスファイト,トリペンチルホスファ
イト,ジノニルホスファイト,トリノニルホスファイ
ト,ジデシルホスファイト,トリデシルホスファイト,
ジオクタデシルホスファイト,トリオクタデシルホスフ
ァイトなどの亜燐酸アルキルエステル類、ジフェニルホ
スファイト,トリフェニルホスファイト,トリス(エチ
ルフェニル)ホスファイト,トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト,トリス(ヒドロキシフェニル)ホス
ファイトなどの亜燐酸アリールエステル類、ジフェニル
オクチルホスファイト,ジフェニルデシルホスファイ
ト,フェニルジデシルホスファイト、4,4’−ブチリ
デンービス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ
トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、4,4’−イソプロピリデン−ジ
フェノールアルキルホスファイトなどの亜燐酸アリール
アルキルエステル類が挙げられる。 (ii) 四級ホスホニウム塩 四級ホスホニウム塩としては、特に制限はなく、各種の
ものがあるが、例えば 一般式(XI) (PR10 4) + ( X1 - ・・・(XI) (PR10 4)2 + ( Y1 2- ・・・(XII) で表される化合物が好ましく用いられる。
【0031】上記一般式(XI)及び(XII)において、
10は有機基を示し、この有機基としては、例えばメチ
ル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,
ヘキシル基、オクチル基,シクロヘキシル基などのアル
キル基やシクロアルキル基、フェニル基,トリル基,ナ
フチル基,ビフェニル基などのアリール基、ベンジル基
などのアリールアルキル基などを挙げることができる。
四つのR10はたがいに同一でも異なっていてもよく、ま
た二つのR10が結合して環構造を形成していてもよい。
1 はハロゲン原子,水酸基,アルキルオキシ基,アリ
ールオキシ基,R’COO,HCO3 ,(R’O)2
(=O)O又はBR''4 などの1価のアニオン形成が可
能な基を示す。ここでR’はアルキル基やアリール基な
どの炭化水素基を示し、二つのR’Oはたがいに同一で
も異なっていてもよい。またR''は水素原子又はアルキ
ル基やアリール基などの炭化水素基を示し、四つのR''
はたがいに同一でも異なっていてもよい。Y1 はCO3
などの2価のアニオン形成が可能な基を示す。
【0032】このような四級ホスホニウム塩としては、
例えばテトラフェニルホスホニウムヒドロキシド,テト
ラナフチルホスホニウムヒドロキシド,テトラ(クロロ
フェニル)ホスホニウムヒドロキシド,テトラ(ビフェ
ニル)ホスホニウムヒドロキシド,テトラトリルホスホ
ニウムヒドロキシド,テトラメチルホスホニウムヒドロ
キシド,テトラエチルホスホニウムヒドロキシド,テト
ラブチルホスホニウムヒドロキシドなどのテトラ(アリ
ール又はアルキル)ホスホニウムヒドロキシド類、さら
にはテトラメチルホスホニウムテトラフェニルボレー
ト,テトラフェニルホスホニウムブロミド,テトラフェ
ニルホスホニウムフェノラート,テトラフェニルホスホ
ニウムテトラフェニルボレート,メチルトリフェニルホ
スホニウムテトラフェニルボレート,ベンジルトリフェ
ニルホスホニウムテトラフェニルボレート,ビフェニル
トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート,テ
トラトリルホスホニウムテトラフェニルボレート,テト
ラフェニルホスホニウムフェノレート,テトラ(p−t
−ブチルフェニル)ホスホニウムジフェニルホスフェー
ト,トリフェニルブチルホスホニウムフェノレート,ト
リフェニルブチルホスホニウムテトラフェニルボレート
などが挙げられる。
【0033】また、上記一般式(XI)及び(XII)で表
される化合物以外に、例えば2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンのビス−テトラフェニルホスホ
ニウム塩,エチレンビス(トリフェニルホスホニウム)
ジブロミド,トリメチレンビス(トリフェニルホスホニ
ウム)−ビス(テトラフェニルボレート)なども挙げる
ことができる。
【0034】これらの四級ホスホニウム塩の中で、触媒
活性が高く、かつ熱分解が容易でポリマー中に残留しに
くいなどの点から、アルキル基を有するホスホニウム
塩、具体的には、テトラブチルホスホニウムテトラフェ
ニルボレート,テトラエチルホスホニウムテトラフェニ
ルボレート等が好適である。(b)アリール基及び/又
は分岐状アルキル基を有する四級ホスホニウム塩 一般式(XIII) (R11 nPR12 4-n) + ( X2 - ・・・・(XIII)
又は、一般式(XIV) (R11 nPR12 4-n)+ 2(Y1 2- ・・・(XIV) で表される化合物が用いられるが、(b)として用いら
れる四級ホスホニウム塩は、(a)である含リン塩基性
化合物として用いたものとは異なるものであることが必
要である。
【0035】上記一般式(XIII) 又は(XIV)において、 n :1〜4の整数である。 R11:アリール基又は分岐状アルキル基から選ばれた少
なくとも1つを示す。分岐状アルキル基とは、「R3
−」なる構造を有し、ここで、Rは、水素,アルキル
基,置換基を有するアルキル基,アリール基及び置換基
を有するアリール基から選ばれた少なくとも1つであ
り、3つのRのうち少なくとも2つが結合して環構造を
形成していてもよい。但し、同時に2個が水素である場
合は除く。例えばシクロアルキル基、イソプロピル基,
tert−ブチル基などの分岐状アルキル基やベンジル
基などのアリールアルキル基などを挙げることができ
る。nが2以上の場合、Rは同一でも異なっていてもよ
い。 R12:アルキル基,置換基を有するアルキル基,アリー
ル基又は置換基を有するアリール基である。 X2 :ハロゲン原子,水酸基,アルキルオキシ基,アリ
ールオキシ基,R’COO,HCO3 ,(R’O)2
(=O)O又はBR''4 などの1価のアニオン形成が可
能な基を示す。ここで、R’はアルキル基やアリール基
などの炭化水素基を示し、二つのR’Oはたがいに同一
でも異なっていてもよい。またR''は水素原子又はアル
キル基やアリール基などの炭化水素基を示し、四つの
R''はたがいに同一でも異なっていてもよい。 Y1 :CO3 などの2価のアニオン形成が可能な基を示
す。
【0036】このような四級ホスホニウム塩としては、
例えばテトラフェニルホスホニウムヒドロキシド,テト
ラナフチルホスホニウムヒドロキシド,テトラ(クロロ
フェニル)ホスホニウムヒドロキシド,テトラ(ビフェ
ニル)ホスホニウムヒドロキシド,テトラトリルホスホ
ニウムヒドロキシド,テトラヘキシルホスホニウムヒド
ロキシドなどのテトラ(アリール又はアルキル)ホスホ
ニウムヒドロキシド類、メチルトリフェニルホスホニウ
ムヒドロキシド,エチルトリフェニルホスホニウムヒド
ロキシド,プロピルトリフェニルホスホニウムヒドロキ
シド,ブチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド,
オクチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド,テト
ラデシルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド,ベン
ジルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド,エトキシ
ベンジルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド,メト
キシメチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド,ア
セトキシメチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシ
ド,フェナシルトリフェニルホスホニウムヒドロキシ
ド,クロロメチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシ
ド,ブロモメチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシ
ド,ビフェニルトリフェニルホスホニウムヒドロキシ
ド,ナフチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド,
クロロフェニルトリフェニルホスホニウムヒドロキシ
ド,フェノキシフェニルトリフェニルホスホニウムヒド
ロキシド,メトキシフェニルトリフェニルホスホニウム
ヒドロキシド,アセトキシフェニルトリフェニルホスホ
ニウムヒドロキシド,ナフチルフェニルトリフェニルホ
スホニウムヒドロキシドなどのモノ(アリール又はアル
キル)トリフェニルホスホニウムヒドロキシド類、フェ
ニルトリメチルホスホニウムヒドロキシド,ビフェニル
トリメチルホスホニウムヒドロキシド,フェニルトリヘ
キシルホスホニウムヒドロキシド,ビフェニルトリへキ
シルホスホニウムヒドロキシドなどのモノ(アリール)
トリアルキルホスホニウムヒドロキシド類、ジメチルジ
フェニルホスホニウムヒドロキシド,ジエチルジフェニ
ルホスホニウムヒドロキシド,ジ(ビフェニル)ジフェ
ニルホスホニウムヒドロキシドなどのジアリールジアル
キルホスホニウムヒドロキシド類、さらにはテトラフェ
ニルホスホニウムテトラフェニルボレート,テトラナフ
チルホスホニウムテトラフェニルボレート,テトラ(ク
ロロフェニル)ホスホニウムテトラフェニルボレート,
テトラ(ビフェニル)ホスホニウムテトラフェニルボレ
ート,テトラトリルホスホニウムテトラフェニルボレー
トなどのテトラアリールホスホニウムテトラフェニルボ
レート類、メチルトリフェニルホスホニウムテトラフェ
ニルボレート,エチルトリフェニルホスホニウムテトラ
フェニルボレート,プロピルトリフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレート,ブチルトリフェニルホスホニ
ウムテトラフェニルボレート,オクチルトリフェニルホ
スホニウムテトラフェニルボレート,テトラデシルトリ
フェニルホスホニウムテトラフェニルボレート,ベンジ
ルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート,
エトキシベンジルトリフェニルホスホニウムテトラフェ
ニルボレート,メトキシメチルトリフェニルホスホニウ
ムテトラフェニルボレート,アセトキシメチルトリフェ
ニルホスホニウムテトラフェニルボレート,フェナシル
トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート,ク
ロロメチルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボ
レート,ブロモメチルトリフェニルホスホニウムテトラ
フェニルボレート,ビフェニルトリフェニルホスホニウ
ムテトラフェニルボレート,ナフチルトリフェニルホス
ホニウムテトラフェニルボレート,クロロフェニルトリ
フェニルホスホニウムテトラフェニルボレート,フェノ
キシフェニルトリフェニルホスホニウムテトラフェニル
ボレート,アセトキシフェニルトリフェニルホスホニウ
ムテトラフェニルボレート,ナフチルフェニルトリフェ
ニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどのモノ
(アリール又はアルキル)トリフェニルホスホニウムテ
トラフェニルボレート類、フェニルトリメチルホスホニ
ウムテトラフェニルボレート,ビフェニルトリメチルホ
スホニウムテトラフェニルボレート,フェニルトリヘキ
シルホスホニウムテトラフェニルボレート,ビフェニル
トリヘキシルホスホニウムテトラフェニルボレートなど
のモノアリールトリアルキルホスホニウムテトラフェニ
ルボレート類、ジメチルジフェニルホスホニウムテトラ
フェニルボレート,ジエチルジフェニルホスホニウムテ
トラフェニルボレート,ジ(ビフェニル)ジフェニルホ
スホニウムテトラフェニルボレートなどのジアリールジ
アルキルホスホニウムテトラフェニルボレート類が挙げ
られる。
【0037】さらに、対アニオンとして、上記のヒドロ
キシドやテトラフェニルボレート類の代わりに、フェノ
キシドなどのアリールオキシ基、メトキシド,エトキシ
ドなどのアルキルオキシ基、アセテートなどのアルキル
カルボニルオキシ基、ベンゾネートなどのアリールカル
ボニルオキシ基、クロライド,ブロマイドなどのハロゲ
ン原子を用いた上記四級ホスホニウム塩が挙げられる。
【0038】また、上記一般式(XIII) で表される化合
物以外に、一般式(XIV)で表されるような2価の対アニ
オンを有するもの、例えば、ビス(テトラフェニルホス
ホニウム)カーボネート,ビス(ビフェニルトリフェニ
ルホスホニウム)カーボネートなどの4級ホスホニウム
塩や、さらに、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンのビス−テトラフェニルホスホニウム
塩、エチレンビス(トリフェニルホスホニウム)ジブロ
ミド,トリメチレンビス(トリフェニルホスホニウム)
−ビス(テトラフェニルボレート)なども挙げることが
できる。
【0039】さらには、一般式(XV) 又は(XVI)であ
らわされる化合物も用いられる。 ((R13−Ph)n −PPh(4-n) + (X3)- ・・・(XV) ((R13−Ph)n −PPh(4-n) 2 + (Y2)2- ・・・(XVI) 〔式中、R13は有機基を示し、たがいに同一でも異なっ
ていてもよく、X3 はハロゲン原子,水酸基,アルキル
オキシ基,アリールオキシ基,アルキルカルボニルオキ
シ基,アリールカルボニルオキシ基,HCO3 又はBR
4(Rは水素原子又は炭化水素基を示し、4つのRはた
がいに同一でも異なっていてもよい)を示し、Phはフ
ェニル基を示し、Y2 はCO3 を示し、nは1〜4の整
数を示す。〕 このような四級ホスホニウム化合物の具体例としては、
例えばテトラフェニルホスホニウムヒドロキシド,ビフ
ェニルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド,メトキ
シフェニルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド,フ
ェノキシフェニルトリフェニルホスホニウムヒドロキシ
ド,ナフチルフェニルトリフェニルホスホニウムヒドロ
キシド,テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボ
レート,ビフェニルトリフェニルホスホニウムテトラフ
ェニルボレート,メトキシフェニルトリフェニルホスホ
ニウムテトラフェニルボレート,フェノキシフェニルト
リフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート,ナフ
チルフェニルトリフェニルホスホニウムテトラフェニル
ボレート,テトラフェニルホスホニウムフェノキシド,
ビフェニルトリフェニルホスホニウムフェノキシド,メ
トキシフェニルトリフェニルホスホニウムフェノキシ
ド,フェノキシフェニルトリフェニルホスホニウムフェ
ノキシド,ナフチルフェニルトリフェニルホスホニウム
フェノキシド,テトラフェニルホスホニウムクロライ
ド,ビフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド,
メトキシフェニルトリフェニルホスホニウムクロライ
ド,フェノキシフェニルトリフェニルホスホニウムクロ
ライド又はナフチルフェニルトリフェニルホスホニウム
クロライドなどが挙げられる。
【0040】分岐状アルキル基を含む四級ホスホニウム
塩の具体例としては、イソプロピルトリメチルホスホニ
ウム;イソプロピルトリエチルホスホニウム;イソプロ
ピルトリブチルホスホニウム;イソプロピルトリフェニ
ルホスホニウム;テトライソプロピルホスホニウム;シ
クロヘキシルトリエチルホスホニウム;シクロヘキシル
トリメチルホスホニウム;シクロヘキシルトリブチルホ
スホニウム;シクロヘキシルトリフェニルホスホニウ
ム;テトラシクロヘキシルホスホニウム;1,1,1−
トリフェニルメチルトリメチルホスホニウム;1,1,
1−トリフェニルメチルトリエチルホスホニウム;1,
1,1−トリフェニルメチルトリブチルホスホニウム;
1,1,1−トリフェニルメチルトリフェニルホスホニ
ウムなどを挙げることができる。
【0041】対アニオンに係るX3 の具体例としては、
ヒドロキサイド;ボロハイドライド;テトラフェニルボ
レート;アセテート;プロピオネート;フルオライド;
クロライド;ハイドロカーボネート等を挙げることがで
きる。また、Y2 の具体例としては、カーボネートなど
を挙げることができる。分岐状アルキル基を含む4級ホ
スホニウム(カチオン)とXまたはY(アニオン)とか
らなる塩の具体例としては、上記各種具体例の組合せか
ら種々のものを挙げることができ、イソプロピルトリメ
チルホスホニウムヒドロキサイド;シクロヘキシルトリ
フェニルホスホニウムクロライド;1,1,1−トリフ
ェニルメチルトリエチルホスホニウムアセテート;ビス
(イソプロピルトリエチルホスホニウム)カーボネート
等が例示できる。
【0042】これら分岐状アルキル基を含む四級ホスホ
ニウム塩のうち、特にシクロヘキシルトリフェニルホス
ホニウムテトラフェニルボレートとかシクロペンチルト
リフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートが触媒
効果と得られるポリカーボネートの品質とのバランスに
優れる点で好ましく使用される。なお、これらの含リン
塩基性化合物及び四級ホスホニウム塩は、金属不純物の
含有量ができるだけ少ないものが好ましく、特にアルカ
リ金属及びアルカリ土類金属化合物の含有量が50pp
m以下のものが好適である。
【0043】本発明においては、重合触媒として、上記
(a)成分の含リン塩基性化合物を10-1〜10-8
ル、好ましくは10-2〜10-7モル、さらに好ましくは
10-3〜10-6モル用い、(b)成分の四級ホスホニウ
ム塩を10-2〜10-8モル、好ましくは10-3〜10-7
モル、さらに好ましくは10-4〜10-6モル用いるのが
望ましい。(a)成分の使用量が10-8モル未満では反
応初期での触媒活性が不充分となり、また10-2モルを
超えるとコストアップに繋がり好ましくない。一方、
(b)成分の使用量が10-8モル未満では反応後期での
触媒活性が不充分となり、また10-3モルを超えるとコ
ストアップに繋がり好ましくない。
【0044】また、この重合触媒は、原料である(A)
成分のジヒドロキシ化合物1モルに対して、(a)成分
と(b)成分との合計量が、通常10-1〜10-8モル、
好ましくは10-2〜10-7モル、さらに好ましくは10
-3〜10-6モルになるような割合で添加される。この触
媒の添加量が10-8モル未満では、触媒効果が発現され
ないおそれがある。また、10-1モルを超えると、最終
製品であるポリカーボネートの物性、特に、耐熱性, 耐
加水分解性の低下を招くおそれがあり、また、コストア
ップに繋がり、これを超えてまで添加することはない。 (3)ポリカーボネートの製造方法 本発明における好ましい製造方法の手順及び条件を具体
的に示す。
【0045】まず、(A)成分のジヒドロキシ化合物と
(B)成分の炭酸ジエステルとを、ジヒドロキシ化合物
に対して炭酸ジエステルが0.9〜1.5倍モルになるよう
な比率でエステル交換反応する。なお、状況に応じて、
0.98〜1.20倍モルが好ましい。上記のエステル交換
反応に当たって、前記の一価フェノールなどからなる末
端停止剤の存在量が、(A)成分であるジヒドロキシ化
合物に対して、0.05〜10モル%の範囲にあると、得
られるポリカーボネートの水酸基末端が封止されるた
め、耐熱性及び耐水性に充分優れたポリカーボネートが
得られる。
【0046】このような前記の一価フェノールなどから
なる末端停止剤は、予め反応系に全量添加しておいても
よい。また、予め反応系に一部添加しておき、反応の進
行に伴って残部を添加してもよい。さらに、場合によっ
ては、前記(A)成分のジヒドロキシ化合物と(B)成
分の炭酸ジエステルとのエステル交換反応が一部進行し
た後に、反応系に全量添加してもよい。
【0047】エステル交換反応を行うに当たっては、反
応温度は、特に制限はなく、通常100〜330℃の範
囲、好ましくは180〜300℃の範囲で選ばれるが、
より好ましくは、反応の進行に合わせて次第に180〜
300℃まで温度を上げていく方法がよい。このエステ
ル交換反応の温度が100℃未満では反応速度が遅くな
り、一方330℃を超えると副反応が生じたり、あるい
は生成するポリカーボネートが着色するなどの問題が生
じ、好ましくない。また、反応圧力は、使用するモノマ
ーの蒸気圧や反応温度に応じて設定される。これは、反
応が効率良く行われるように設定されればよく、限定さ
れるものではない。通常、反応初期においては、1〜5
0atm (760〜38,000torr)までの大気圧(常
圧)ないし加圧状態にしておき、反応後期においては、
減圧状態、好ましくは最終的には0.01〜100torrに
する場合が多い。
【0048】さらに、反応時間は、目標の分子量となる
まで行えばよく、通常、0.2〜10時間程度である。そ
して、上記のエステル交換反応は、溶融状態で、通常不
活性溶剤の不存在下で行われるが、必要に応じて、得ら
れるポリカーボネートの1〜150重量%の不活性溶剤
の存在下において行ってもよい。ここで、不活性溶剤と
しては、例えば、ジフェニルエーテル,ハロゲン化ジフ
ェニルエーテル,ベンゾフェノン,ポリフェニルエーテ
ル,ジクロロベンゼン,メチルナフタレンなどの芳香族
化合物、トリシクロ(5,2,10)デカン,シクロオ
クタン,シクロデカンなどのシクロアルカンなどが挙げ
られる。また、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行っ
てもよく、ここで、不活性ガスとしては、例えばアルゴ
ン,二酸化炭素,一酸化二窒素,窒素などのガス、クロ
ロフルオロ炭化水素,エタンやプロパンなどのアルカ
ン、エチレンやプロピレンなどのアルケンなど、各種の
ものが挙げられる。
【0049】また、必要に応じ、酸化防止剤を反応系に
添加してもよい。反応が進行するとともに、使用した炭
酸ジエステルに対応するフェノール類,アルコール類,
又はそれらのエステル類及び不活性溶剤が反応器より脱
離してゆくが、これらの脱離物は、分離、精製しリサイ
クル使用も可能であり、これらを除去する設備があれば
好ましい。
【0050】また、反応はバッチ式又は連続式に行うこ
とができ、かつ任意の装置を使用することができる。な
お、連続式で製造する場合には、少なくとも二基以上の
反応器を使用し、上記の反応条件を設定するのが好まし
い。用いられる反応器は、その材質や構造は、特に制限
はされないが、通常の攪拌機能を有していればよい。た
だし、反応後段においては粘度が上昇するので高粘度型
の攪拌機能を有するものが好ましい。さらに、反応器の
形状は槽型のみならず、押出機型のリアクターなどでも
よい。
【0051】エステル交換反応終了後、得られるポリカ
ーボネートの品質(着色)を良好なものとするために、
触媒の分解温度以上、好ましくは300℃前後に反応物
を熱処理して、触媒を熱分解除去するのが好ましい。以
上のようにして得られたポリカーボネートは、そのまま
造粒してもよく、また、押出機などを用いて成形するこ
ともできる。
【0052】また、得られるポリカーボネートは、可塑
剤,顔料,潤滑剤,離型剤,安定剤,無機充填剤などの
ような周知の添加剤を配合して使用することができる。
さらに、必要に応じ、公知の酸化防止剤を反応系に添加
してもよい。この酸化防止剤としては、リン系酸化防止
剤が好ましく用いられる。また、このポリカーボネート
は、ポリオレフィン,ポリスチレン,ポリエステル,ポ
リスルホネート,ポリアミド,ポリフェニレンエーテル
などの重合体とブレンドすることが可能である。特に、
OH基,COOH基,NH2 基などを末端に有するポリ
フェニレンエーテル,ポリエーテルニトリル,末端変性
ポリシロキサン化合物,変性ポリプロピレン,変性ポリ
スチレンなどと併用すると効果的である。
【0053】
【実施例】
〔実施例1〜4及び比較例1〜2〕内容積100ミリリ
ットルの攪拌機付ニッケル鋼製オートクレーブに、ビス
フェノールA(BPA)22.8g(0.1モル),ジフェ
ニルカーボネート23.5g(0.11モル)及び第1表に
示す種類と量の触媒を仕込み、アルゴン置換を5回行っ
た。混合物を180℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で3
0分間反応させた。次いで210℃に昇温して、次第に
真空度を100mmHgまで上げて30分間反応させ、さら
に240℃に昇温し、徐々に真空度を10mmHgまで上げ
て30分間反応させた。次いで270℃に昇温し、真空
度を2mmHgに上げ30分間反応させたのち、290℃、
真空度0.3mmHgで30分間反応させ、反応を終了させ
た。結果を第1表に示す。
【0054】表中、粘度平均分子量Mvは、20℃の塩
化メチレン中での極限粘度〔η〕を求め、式 〔η〕=
1.23×10-5×Mv0.83 より算出した。耐スチーム
性試験は、ポリマー縮合物をプレス成形により、厚さ1
mm、直径10mmのプレートを作成し、これを121℃の
スチームに48時間暴露し、外観及び粘度平均分子量の
低下を求めることにより行った。
【0055】また、高温高湿試験は、120℃で5時間
以上乾燥させた後、直径12cm,厚み1.2 mm の円板を
成形し、80℃,85%RHの条件で48時間曝した。
その後、径が10μm 以上の白点の個数を透過型偏向顕
微鏡で読み取った。 〔実施例5〕内容積100ミリリットルの攪拌機付ニッ
ケル鋼製オートクレーブに、ビスフェノールA(BP
A)22.8g(0.1モル),ジフェニルカーボネート2
3.5g(0.11モル)及び第1表に示す種類と量の触媒
を仕込み、アルゴン置換を5回行った。混合物を180
℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で30分間反応させた。
次いで210℃に昇温して、次第に真空度を100mmHg
まで上げて30分間反応させ、さらに240℃に昇温
し、徐々に真空度を10mmHgまで上げて30分間反応さ
せた後、真空度を2mmHgまで上げて更に30分間反応さ
せた。次いで260℃に昇温し、30分間反応させたの
ち、270℃、真空度0.3mmHgで30分間反応させ、反
応を終了させた。
【0056】結果を第1表に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によると、エステル交換反応によ
るポリカーボネートの製造において、重合触媒として、
(a)含リン塩基性化合物と(b)アリール基及び/又
は分岐状アルキル基を有する四級ホスホニウム塩との組
合せ(但し、(a)の含リン塩基性化合物として四級ホ
スホニウム塩を用いる場合、(b)として用いられる四
級ホスホニウム塩とは異なるものである)からなる触媒
を用いることにより、触媒活性が充分に高く、耐熱性や
耐加水分解性などに優れ、色調の良好な、品質に優れた
ポリカーボネートを効率よく製造することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融状態でエステル交換反応によりポリ
    カーボネートを製造するに当たり、(a)アルキル基を
    有するホスホニウム塩として、一般式 R9 3P ………… (IX) (R9O)3P ………… (X) 〔上記式(IX)及び(X)において、R9 は水素原子又は有
    機基を示し、三つのR9はたがいに同一でも異なってい
    てもよく、また二つのR9 が結合して環構造を形成して
    いてもよい。〕及び (PR10 4)+(X1)- ………… (XI) 〔上記式(XI)において、R10 は有機基を示し、四つ
    のR10 はたがいに同一でも異なっていてもよく、また
    二つのR10 が結合して環構造を形成していてもよい。
    1 はハロゲン原子,アルキルオキシ基,アリールオキ
    シ基, R'COO,HCO3 ,(R'O)2P(=O)O又
    はBR''4 からなる1価のアニオン形成基である。ここ
    で、R'はアルキル基又はアリール基を有する炭化水素
    基を示し、二つのR'Oはたがいに同一でも異なってい
    てもよい。また、R''は水素原子、アルキル基又はアリ
    ール基を示し、四つのR''はたがいに同一でも異なって
    いてもよい。〕で表される化合物よりなる群から選ばれ
    る少なくとも一種の化合物及び(b)アリール基及び/
    又は分岐状アルキル基を有する四級ホスホニウム塩(但
    し、(a)のアルキル基を有するホスホニウム塩として
    四級ホスホニウム塩を用いる場合、(b)として用いら
    れる四級ホスホニウム塩とは異なるものである)からな
    る触媒を用いることを特徴とするポリカーボネートの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 式(XI)中のX1 はBR''4 からなる1
    価のアニオン形成基である第1項記載のポリカーボネー
    トの製造方法。
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