JP3347425B2 - 水性エマルション型粘接着剤 - Google Patents

水性エマルション型粘接着剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は壁材、床材、断熱材、天
井材等建築資材の接着、自動車内装材料の接着、冷蔵庫
等の弱電部材の断熱材等を接着貼り合わせる接着剤、及
び永久粘着ラベル又は粘着テープを作成する粘着剤に関
する。更に詳しくは、水分飛散後の接着剤被膜が初期段
階では強粘着性を呈し、種々の基材に低い圧力で容易に
接着する感圧接着性を示し、経時により徐々に接着力が
高まる機構を有する水性エマルション型粘接着剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、これ等分野で用いられてきた接着
剤は、ほぼ永久的に粘着性を呈する感圧接着剤であっ
た。例えば天然ゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン
ゴム、低分子量のアクリル樹脂等を主成分とし、石油樹
脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等の粘着付与樹脂
の混合物を有機溶剤に溶解した溶剤型感圧接着剤が一般
的であったが、昨今の有機溶剤の環境公害等の問題か
ら、一部の分野でアクリルエマルション及び合成ゴムラ
テックスを主成分とした、水性エマルション型感圧着剤
が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶剤型感圧接着剤につ
いては有機溶剤による環境公害及び火災等の危険性問題
があり、これ等接着剤を用いる建築資材、自動車内装
材、弱電部材及び粘着加工産業の動向としては、急速に
水性エマルション型へ転換される気運にある。しかしな
がら、これ等溶剤型及び水性エマルション型感圧接着剤
は、強粘着性を有することから初期接着には優れるもの
の、粘着性が永久的に持続し強い接着力を得ることは期
待できず、特に耐熱性に関しては最高でも50〜60℃
が限界と言う問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、環境公害及
び火災等の問題と、感圧接着剤の最大の欠点である接着
力及び耐熱性付与を目的として鋭意検討を重ねた結果、
エポキシ樹脂を芳香族ビニル系モノマー、不飽和カルボ
ン酸エステルモノマー及びアミド基を有するアクリルモ
ノマーと共重合したエマルション粒子を形成せしめた
後、引き続き外側を芳香族ビニル系モノマー、不飽和カ
ルボン酸エステルモノマー、水酸基を有するアクリルモ
ノマー、アミド基を有するアクリルモノマー及びカルボ
キシル基を有するアクリルモノマーを共重合した、Tg
が−50〜+10℃の、いわゆるコアーシェル構造のエ
ポキシ変性アクリルエマルションの乾燥被膜が強い粘着
性を呈し、長期間の貯蔵に於いて粘度変化がなく、この
エマルションにアミン、ポリアミドに代表されるエポキ
シ樹脂用硬化剤及び炭酸水素カリウム等のアルカリ金属
炭酸塩もしくは水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸
化物を配合する事により、この粘着性は経時的に、又は
高温に曝す事により徐々に消滅し、接着力、耐熱性を発
現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち本発明は次の通りである。 1.コアー層が芳香族ビニル系モノマー、不飽和カルボ
ン酸エステルモノマー、アミド基を有するアクリルモノ
マー及びエポキシ樹脂の共重合体で、シェル層が芳香族
ビニル系モノマー、不飽和カルボン酸エステルモノマ
ー、水酸基を有するアクリルモノマー、アミド基を有す
るアクリルモノマー及びカルボキシル基を有するアクリ
ルモノマーの共重合体である、コアーシェル構造を有す
るエポキシ変性アクリルエマルション(a)の固形分1
00重量部に、エポキシ樹脂用硬化剤(b)を固形分と
して1〜30重量部、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ
金属水酸化物(c)を固形分として0.05〜5重量部
配合してなる水性エマルション型粘接着剤。 2.エポキシ変性アクリルエマルション(a)が、エマ
ルションの固形分100重量部中に1〜30重量部のエ
ポキシ樹脂を共重合したものであることを特徴とする請
求項1記載の水性エマルション型粘接着剤。 3.エポキシ変性アクリルエマルション(a)のガラス
転移温度(以下Tgと略称する)が、−50〜+10℃
の範囲であることを特徴とする請求項1記載の水性エマ
ルション型粘接着剤。 4.エポキシ変性アクリルエマルしョン(a)のコアー
層のTgが−40〜+60℃、シェル層のTgが−60
〜−10℃の範囲であることを特徴とする請求項1記載
の水性エマルション型粘接着剤。
【0006】本発明のコアーシェル構造を有するエポキ
シ変性アクリルエマルション(a)(以下EPAEと略
称する)は、次のようにして得られる。まず、コアー層
に用いる各種モノマー中にエポキシ樹脂を溶解せしめた
混合モノマーを、予め用意した界面活性剤入り蒸留水中
に、室温で撹拌しながら徐々に添加し、いわゆるプレ乳
化モノマーを作成する。 次いで、撹拌機及びコンデン
サー付きフラスコに蒸留水及び界面活性剤を仕込み、窒
素置換し70℃に昇温後、重合開始剤を投与し、前記プ
レ乳化モノマーを一定時間かけて滴下し、滴下終了後同
温度下で、残存モノマーを反応させることにより、コア
ーとなるエマルション粒子を形成させる。引き続き、予
めシェル層に用いる各種モノマーを上記コアー層の場合
と同様にして乳化モノマーとしたものを、前記フラスコ
内に一定時間かけて滴下し、残存モノマーを前記同様反
応させることにより、先のコアー粒子が被覆され、コア
ーシェル構造となる。反応終了後40℃以下まで冷却
し、アンモニア水でPHを6〜9に調整し、100メツ
シュ金網でろ過することにより本発明に用いるEPAE
が得られる。
【0007】EPAEの乳化重合に用いる芳香族ビニル
系モノマーとしてはスチレン、α−メチルスチレン等
が、不飽和カルボン酸エステルとしてはメチルメタアク
リレート、エチルメタアクリレート、イソブチルメタア
クリレート、tert−ブチルメタアクリレート、酢酸
ビニル、アクリロニトリル、エチルアクリレート、イソ
ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタア
クリレート、ラウリルメタアクリレート等の炭素数4〜
12のアルキル基を有するアクリル酸又はメタアクリル
酸エステルがあげられるが、中でも経済性、乳化重合の
し易さからスチレン又は酢酸ビニルとn−ブチルアクリ
レートの組合せが好ましい。
【0008】アミド基を有するモノマーとしてはアクリ
ルアミド、メタアクリルアミド、マレイミド、N−メチ
ロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルア
ミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−イソプ
ロポキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルア
クリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミ
ド、N−オクチロキシメチルアクリルアミド、N−カル
ボキシメチレンオキシメチルアクリルアミド等があげら
れ、中でも接着力、耐水性、耐温水性等からメタアクリ
ルアミド又はN−メチロールメタアクリルアミドが好ま
しい。
【0009】カルボキシル基を有するモノマーとしては
アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマール酸等があげられ、中でも乳化重合時の安定
性、機械的及び化学的安定性からアクリル酸又はメタア
クリル酸が好ましい。水酸基を有するモノマーとしては
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタ
アクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等があ
げられ、中でもエポキシ樹脂用硬化剤配合後の安定性よ
りヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
【0010】エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型
とエピクロルヒドリンよりなるビス−エピ型、環状脂肪
酸不飽和化合物と過酢酸よりなる環状脂肪酸型、フェノ
ール樹脂とエピクロルヒドリンよりなるノボラック型、
グリオキザールとフェノール及びエピクロルヒドリンよ
りなるテトラエポキシ型、ポリブタジエンと過酢酸より
なるポリブタジエン型、ハロゲン化ビスフェノールAと
エピクロルヒドリンよりなるハロゲン化型、ビスフェノ
ールAとエピクロルヒドリン及び酸化プロピレンよりな
る側鎖型、その他ポリアルキレンエーテル型、エステル
型、メチル置換型等があげられる。とりわけ他のモノマ
ーとの乳化共重合性から、ビスフェノールA−エピクロ
ルヒドリン型樹脂が好適であり、例えばエポキシ当量1
80〜270、粘度5〜150ポイズのエポキシ樹脂が
好ましい。
【0011】EPAEの固形分100重量部中のエポキ
シ樹脂の共重合割合は1〜30重量部、より好ましくは
5〜20重量部の範囲である。1重量部より少い場合、
耐水性、耐温水性、耐熱性等に不備を生じ、30重量部
より多い場合は、コアー層の乳化重合時に安定性が得ら
れず、製造上の問題を生ずる。EPAEのTgは、−5
0〜+10℃、より好ましくは−30〜+5℃の範囲で
ある。−50℃より低い場合は粘着性に優れるが接着力
に欠け、加熱もしくは経時させても接着力、耐熱性の向
上が見られない。+10℃より高い場合は、EPAE乾
燥被膜の粘着性に欠け初期接着力が発現されないことか
ら接着力、耐熱性の向上も見られない。
【0012】ちなみに、本願発明で表現しているTg
は、エポキシ樹脂を除いた全モノマーからの計算値を意
味する。本発明のEPAEのコアー層のTgは−40〜
+60℃、より好ましくは−20〜+40℃の範囲であ
る。−40℃より低い場合は接着力及び耐熱性が得られ
ず、+60℃より高い場合は室温におけるEPAEの造
膜性に欠け、粘着性に欠け接着力、耐水性に問題を生ず
る。同じくシェル層のTgについては−60〜−10
℃、より好ましくは−50〜−20℃の範囲である。−
60℃より低い場合は加熱又は経時で接着力及び耐熱性
の向上が見られず、−10℃より高い場合は、EPAE
乾燥被膜の粘着性に欠け、十分な初期接着力が発現され
ず接着力、耐熱性の向上も見られない。EPAEのコア
ー層及びシェル層に用いるモノマー類の重量比率は特に
限定するものではないが、好ましいコアーシェル構成比
は7/3〜3/7の範囲である。
【0013】エポキシ樹脂用硬化剤(b)としては芳香
族アミン、脂肪族アミン、複素環式変性アミン、ポリア
ミド等のアミン系、ポリサルファイド等のチオコール系
及び酸無水物等があげられる。中でも、特に限定はしな
いが水性エマルションに混合する関係上、水で自由に稀
釈可能なもの、又は水性エマルション化が可能なもの
が、配合のし易さ及び貯蔵中の安定性より好適である。
【0014】エポキシ樹脂用硬化剤の配合割合は、EP
AEの固形分100重量部に対して、固形分として1〜
30重量部、より好ましくは5〜15重量部の範囲であ
る。1重量部より少い場合、EPAE乾燥被膜は加熱又
は経時させても硬化が進行せず接着力、耐熱性等が十分
に発揮されず、30重量部より多い場合は接着剤の臭
気、皮膚障害、黄変、固形分低下、更には過剰のエポキ
シ硬化剤が可塑効果を示し、接着力を低下させ本発明の
目的とする接着力、耐熱性等の向上が見られない。
【0015】アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属水酸
化物(c)としては例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカ
リ金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物があげられる。これらアルカリ金
属炭酸塩又はアルカリ金属水酸化物(以下アルカリ金属
塩と略称する)を用いることにより、EPAE乾燥被膜
の粘着性は比較的短時間で消滅し接着力を発現するが、
この粘着性の消滅は、EPAE中のカルボキシル基との
キレート化反応による硬化に基づくものと推測される。
アルカリ金属塩の配合割合は、EPAEの固形分100
重量部に対し0.05〜5重量部の範囲である。好まし
くは0.5〜2重量部の範囲であり、配合時の添加ショ
ックによるEPAEの凝集物発生を防止する目的で20
%程度の水溶液として用いると良い。0.05重量部よ
り少ない場合、EPAE乾燥被膜の粘着性消滅までに時
間を要し、5重量部より多い場合はEPAEの固形分の
低下につながると同時に、耐水性が低下し問題となる。
【0016】以上のように、本発明のEPAEとエポキ
シ樹脂用硬化剤及びアルカリ金属塩とから成る水性エマ
ルション型粘接着剤は、エマルション粒子中にグリシジ
ル基と反応するカルボキシル基及びエポキシ樹脂用硬化
剤が共存しているにもかかわらず、グリシジル基がシェ
ル層で保護された形状の粒子であるため、長期間の貯蔵
安定性に優れ、乾燥被膜は強粘着性を呈し感圧接着剤と
しての機能を有している。この粘着性は加熱又は経時に
より徐々に消滅し、強い接着力、耐熱性、耐水性を発現
する事から、建築資材、自動車内装材、弱電部材用接着
剤、粘着加工材料用の粘着剤として実用価値は極めて高
いものである。本発明の粘接着剤には、所望の効果を阻
害しない範囲で、増粘剤、分散剤、消泡剤、水、粘着付
与樹脂、有機溶剤、可塑剤、着色剤、有機系増粘剤、凍
結防止剤、PH調整剤、シランカップリング剤等を併用
することもできる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を製造例、実施例及び比較例
をあげて説明する。例中、特に指定のない限り部及び%
は重量基準による。
【0018】実施例1〜9 表−1に示す組成割合のコアー及びシェル層用の混合モ
ノマー100部と連鎖移動剤の混合物を予め計量し、蒸
留水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5
部中に、撹拌しながら滴下し、プレ乳化モノマーとし
た。別途、1リットルフラスコに蒸留水100部、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2部を仕込み、窒素
シール下で撹拌しながら70℃に昇温後、0.5部の過
硫酸カリウムとエマルションの種とすべく、nブチルア
クリレートとメチルメタアクリレート及びヒドロキシエ
チルメタアクリレートの1:1:1の割合の混合モノマ
ー0.5部を仕込み、20分反応させエマルション粒子
の核を形成させた。次いで、前記コアー用プレ乳化モノ
マーを3時間かけて連続滴下し、滴下終了後2時間、残
モノマーを反応させた。引き続きシェル用乳化モノマー
を、3時間かけ滴下し、残モノマー反応を同温度で3時
間行った後、40℃以下に冷却しアンモニア水でPH7
に調整し、固形分50%のEPAEを得た。本EPAE
100部に対し表−1に示す割合のエポキシ樹脂用硬化
剤と20%アルカリ金属塩の水溶液を配合後、100メ
ッシュ金網でろ過し、本発明の水性エマルション型粘接
着剤を得た。
【0019】
【表1】
【0020】実施例1〜9で得た水性エマルション型粘
接着剤を、10×10cm角にカットした自動車内装材に
用いられているレジンフェルト(糸屑に粉末フェノール
樹脂を混合した物を熱プレスして得られたボード)に、
エアースプレーガンを用い150g/m2塗布し、120℃
熱風乾燥機で3分間乾燥させ透明な接着剤被膜とし、直
ちにポリエステル不織布を、0.5Kg/cm2の圧力で15
秒間冷圧プレスし、接着試料を作成した。本接着試料を
下記に示した方法で接着力を評価し、その結果を表−2
に示した。 1)初期接着力 接着試料を直ちに25mm幅に裁断し、接着5分経過後の
接着力を23℃、湿度65%の恒温室で、インテスコ引
張り試験機を用い180゜方向の剥離試験に供し、Kg/2
5mm 当たりの接着力で表示すると共に、材破常態を観察
し下記のごとく表示した。 AS ポリエステル不織布の界面から剥離 AB ポリエステル不織布の材破 C 接着剤の凝集剥離 BS レジンフェルトの界面から剥離 BB レジンフェルトの材破 2)常態接着力 前記初期接着力測定に用いた試料を23℃、湿度65%
の恒温室に24時間放置後、初期接着力同様に評価し
た。 3)耐熱接着力 常態接着力に用いた試料と同試料を、90℃雰囲気中で
180゜方向の剥離試験を行い、結果を初期接着同様に
示した。 4)接着力立ち上がり 4−1)室温放置 接着試料を室温(25℃、湿度70%)に放置し、経日
毎に前記耐熱接着力試験に供し、結果を初期接着力同様
に示した。 4−2)高温放置 接着試料を90℃熱風乾燥機中に24時間放置し、同温
度で耐熱接着力試験に供し、結果を初期接着力同様に示
した。
【0021】
【表2】
【0022】比較例1 実施例9で用いたコアー及びシェル層モノマーを混合
し、実施例1のコアー層同様の乳化重合方法に準じてE
PAEを作成し、以下実施例1と同一のエポキシ樹脂用
硬化剤及びアルカリ金属塩を配合し、実施例同様の評価
を行いその結果を同様に示した。 比較例2 実施例1の組成からエポキシ樹脂用硬化剤を除き、実施
例1と同様に評価しその結果を同様に示した。 比較例3 実施例1の組成からアルカリ金属塩を除き、実施例1と
同様に評価しその結果を同様に示した。 比較例4 実施例9で用いたコアー層モノマーのみを用い、初期仕
込みの蒸留水量を減量し実施例1のコアー層同様の乳化
重合方法に準じて固形分50%のEPAEを作成し、以
下実施例1と同様のエポキシ樹脂硬化剤及びアルカリ金
属塩を配合し、実施例同様の評価を行いその結果を同様
に示した。 比較例5 実施例1のコアー層モノマーをスチレン/酢酸ビニル/
n−ブチルアクリレートの重量比率を65部/5部/8
部と変更した以外は実施例1と同一の組成とし、コアー
層Tg70℃としたEPAEを作成し、以下実施例1と
同一のエポキシ樹脂用硬化剤及びアルカリ金属塩を配合
し、実施例同様の評価を行いその結果を同様に示した。
【0023】
【発明の効果】 表−2の評価結果で明らかな通り、本
発明の水性エマルション型粘接着剤は、乾燥直後の被膜
は強粘着性を示し、低い圧力で十分接着可能な感圧性を
具備しており、この粘接着剤を用いた接着物は加熱又は
経時により徐々に硬化反応が進行して粘着性が消滅し、
高度の接着力を発現し、従来の感圧接着剤では得られな
い接着力及び耐熱性等の性能が得られることから、住
設、自動車内装材、弱電部材の接着を始めとして、粘着
ラベル、粘着テープ等の粘着加工材料用の粘接着剤とし
て、実用価値は極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 163/00 C09J 125/08 C09J 151/08 C08G 59/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コアー層が芳香族ビニルモノマー、不飽和
    カルボン酸エステルモノマー、アミド基を有するアクリ
    ルモノマー及びエポキシ樹脂の共重合体で、シェル層が
    芳香族ビニル系モノマー、不飽和カルボン酸エステルモ
    ノマー、水酸基を有するアクリルモノマー、アミド基を
    有するアクリルモノマー及びカルボキシル基を有するア
    クリルモノマーの共重合体である、コアーシェル構造を
    有するエポキシ変性アクリルエマルション(a)の固形
    分100重量部に、エポキシ樹脂用硬化剤(b)を固形
    分として1〜30重量部、アルカリ金属炭酸塩又はアル
    カリ金属水酸化物(c)を固形分として0.05〜5重
    量部配合してなる水性エマルション型粘接着剤。
  2. 【請求項2】エポキシ変性アクリルエマルション(a)
    が、エマルションの固形分100重量部中に1〜30重
    量部のエポキシ樹脂を共重合したものであることを特徴
    とする請求項1記載の水性エマルション型粘接着剤。
  3. 【請求項3】エポキシ変性アクリルエマルション(a)
    のガラス転移温度が、−50〜+10℃の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の水性エマルション型粘接
    着剤。
  4. 【請求項4】エポキシ変性アクリルエマルション(a)
    のコアー層のガラス転移温度が−40〜+60℃、シェ
    ル層のガラス転移温度が−60〜−10℃の範囲である
    ことを特徴とする請求項1記載の水性エマルション型粘
    接着剤。
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