JP3346826B2 - 塩化メチルの製法 - Google Patents

塩化メチルの製法

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ化水素を含有する
塩化水素とメタノールを酸化ジルコニウム触媒の存在下
に反応せしめることを特徴とする塩化メチルの製法であ
る。
【0002】
【従来の技術】塩化メチルは、シリコーン、ブチルゴ
ム、メチルセルロース、クロロホルム、四塩化炭素等の
原料としてその有用性を広く認められている化合物であ
るが、その製法として工業的に満足なものはいまだ知ら
れていない。
【0003】従来、塩化メチルの製法としては、以下の
方法が知られている。 (1)メタンと塩素を気相で反応させる方法。 (2)塩化水素とメタノールとを金属ハライドなどのフ
リーデルクラフツ型触媒の存在下に液相で反応せしめる
方法。 (3)塩化水素とメタノールとをアルミナ触媒あるいは
シリカ触媒の存在下に気相で反応せしめる方法。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法には、それ
ぞれ種々の不利な点がある。(1)の方法では、大規模
な設備を要し、副生物として塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素等が生成するのでその分離精製が必要で
ある。さらに反応においては極めて複雑な操作を要する
とともに、反応温度が高く、カーボンの生成等の副反応
が起こりやすいため塩化メチル選択率が極めて低い。
【0005】(2)の方法では、系内に水が存在するた
め触媒の劣化が著しい。またメタノールの転化率が低
い、反応速度が遅い、ジメチルエーテル生成等の副反応
が起こりやすいために塩化メチル選択率が低い等の難点
が認められ、工業的製造法として実施しにくい。
【0006】(3)の方法では、高いメタノール反応率
を得るために高温で反応を行うことを要し、塩化メチル
の分解抑制あるいは触媒の耐久性等の観点から不利を伴
う。
【0007】また上記(3)の方法では、フッ化水素を
含有する塩化水素を使った場合、触媒の初期活性の低下
が認められ、さらに長時間の使用では塩化メチルの反応
率および選択率が著しく低下するという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決しようとするものであり、フッ化水素を含有する塩化
水素とメタノールを酸化ジルコニウム触媒の存在下に気
相で反応させて塩化メチルを生成せしめることを特徴と
する塩化メチルの製法である。
【0009】本発明においては、フッ化水素を含有する
塩化水素を使用することが重要である。例えば高価な合
成塩化水素の代わりに、他の化合物のフッ素化反応で副
生したフッ化水素等を含有する副生塩化水素を利用し
て、安価に塩化メチルを製造することができる。したが
って本発明は、用途が極めて限られかつ脱弗処理に多大
な費用を要していたフッ化水素を含有する副生塩化水素
の、有効かつ効率的な利用法をも提供する発明である。
【0010】塩化水素中のフッ化水素の濃度は、安全
性、装置の耐久性等の点から10%未満であることが好
ましい。
【0011】例えばフッ化水素を含有する副生塩化水素
としては、塩素化炭化水素をフッ素化してフッ素化炭化
水素やフッ素化塩素化炭化水素を製造する際に、大量に
副生する塩化水素等が挙げられる。これらの副生塩化水
素は、一般に10ppm〜数%のフッ化水素を含有する
ものである。
【0012】さらに本発明においては、酸化ジルコニウ
ム触媒の使用が重要である。すなわち酸化ジルコニウム
触媒は、フッ化水素を含有する塩化水素とメタノールと
の反応に対して高い活性を示し、長期にわたりその活性
を維持するものである。したがって本発明によれば、工
業的に円滑有利に塩化メチルを製造できる。
【0013】本発明の酸化ジルコニウム触媒としては、
酸化ジルコニウムあるいは特定金属酸化物を添加せしめ
た酸化ジルコニウムが挙げられる。
【0014】酸化ジルコニウムとしては、通常は4価の
ジルコニウムの酸化物(以下ジルコニアと記す)を用い
ることができる。ジルコニアの比表面積は、好ましくは
10m2 /g以上、特に好ましくは50m2 /g以上で
あるものがよい。
【0015】ジルコニアに添加せしめる特定金属酸化物
としては、亜鉛、銅、マンガン、コバルト、クロム、
鉄、ニッケル、またはチタン等の酸化物が例示され得
る。これらの特定金属酸化物の出発物質はどのような形
態のものでもよいが、例えばこれらの金属元素の硝酸
塩、塩酸塩、炭酸塩、酢酸塩、水酸化物、錯塩、アルコ
キシド等を用いることができる。前記出発物質は、原料
の化学形態に適合した調製方法により溶液が調製される
が、溶媒への溶解性あるいは触媒成分としての分散性が
良好な硝酸塩、酢酸塩等を出発物質として用いるのが好
ましい。これらの金属塩は一種あるいは二種類以上を用
いてもよい。
【0016】これら特定金属酸化物をジルコニアに添加
する方法については、特に限定されるものではなく、含
浸法、共沈法、混練法等の通常の触媒調製に用いられる
公知の方法を適用することができる。
【0017】例えば含浸法で実施する場合には上記金属
の塩を、水または有機溶媒、好ましくは水に溶解させ、
ジルコニアに含浸させた後、乾燥させることによって調
製する方法を採用することができる。該有機溶媒として
はメタノール、エタノール、アセトン等が例示され得
る。
【0018】共沈法で実施する場合にはオキシ硝酸ジル
コニウム等のジルコニウム源と上記金属塩とを、水また
はアルコール等の有機溶媒に溶解させ、アンモニア水や
炭酸ナトリウムなどの中和剤で共沈させ、洗浄、濾過し
た後、乾燥させることによって調製する方法を採用する
ことができる。
【0019】上記金属酸化物のジルコニアへの添加量ま
たは担持量は、通常の場合0.01〜20重量%程度の
範囲から選定され得る。例えば含浸法では3〜15重量
%、共沈法では0.1〜15重量%程度が、経済性およ
び効果の点で望ましい。
【0020】本発明における触媒は、上記方法によって
金属酸化物をジルコニアに添加して乾燥した後に、焼成
を行うことが好ましい。焼成条件は特に限定されるもの
ではないが、通常の場合は300℃〜700℃、好まし
くは400℃〜600℃で、1〜20時間、好ましくは
2〜10時間程度の条件が採用され得る。
【0021】上記触媒の形状は、公知ないしは周知の形
状を採用することができる。例えば種々の形状にペレッ
ト化して用いることができる。
【0022】反応方式、反応条件等は特に限定されな
い。例えば、反応方式としては通常固定床方式、流動床
方式等の反応方式が例示できる。
【0023】また反応圧力としては、常圧は勿論のこと
加圧(2〜5気圧程度)条件も採用できる。
【0024】反応温度としては、塩酸が凝縮する温度
(108℃)以上であれば特に限定されないが、通常の
場合120℃以上が好ましい。120℃以下の場合に
は、反応速度が遅くなって収率が低くなるほか、副生成
物であるジメチルエーテルの生成量が多くなる。さらに
未反応物およびメタノールと、フッ化水素を含有する塩
化水素との反応により副生した水が反応系内に残るよう
になり、反応装置が腐食する恐れがある。
【0025】反応装置は耐酸性の素材からなるものであ
れば特に限定されない。通常の場合は、ステンレス、イ
ンコネル、ハステロイ製のものが用いられる。
【0026】また、本発明のフッ化水素を含有する塩化
水素とメタノールとのモル比(以下HCl/CH3 OH
比と記す)については特に制限はないが、メタノールが
過剰であると、フッ化水素を含有する塩化水素の反応率
が低下する傾向があるため、工業的に実施する場合には
HCl/CH3 OH比が1.0〜1.5/1程度の範囲
が好ましい。
【0027】さらに反応器における空間速度(SV)は
200〜10000h-1程度、好ましくは300〜30
00h-1程度がよい。
【0028】反応生成物は公知ないしは周知の手順にし
たがって、未反応物と分離され捕集される。
【0029】本発明において用いられる酸化ジルコニウ
ム触媒は、アルミナ、シリカ等を含有する従来の触媒に
比べて、副生塩化水素等のフッ化水素を含有する塩化水
素を用いても耐久性に優れ、高い塩化メチル収率を長期
にわたり維持できる。また従来の触媒に比べて活性が高
いため、反応をより低温で行うことができることから、
触媒の耐久性に対しても有利である。また反応を低温で
行うことによって、目的物である塩化メチルの分解が抑
制されるという利点もある。さらに触媒は球状粒として
使用できるので、連続操業の際には触媒床の前後での圧
力差が小さくてすみ、したがって気体を触媒床に通送さ
せるための動力を節減できる。
【0030】
【実施例】
[実施例1]市販のジルコニア粉末(比表面積100m
2 /g)を電気炉にて500℃で3時間焼成し、これを
ゲージ圧120kg/cm2 でプレス成形した後に破砕
し、篩で分級して10から20メッシュの粒度のものを
触媒として使用した。触媒6ミリリットルを、内径14
mmのインコネル製反応器に充填し、所定温度に加熱
し、メタノールとフッ化水素を含有する塩化水素(HF
=100ppm)とをHCl/CH3 OH=1.4/1
(モル比)、空間速度SV=2200h-1で流通させて
反応を行った。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】[実施例2]市販のジルコニア粉末(比表
面積80m2 /g)を硝酸亜鉛水溶液に浸漬させた後、
120℃で10時間乾燥させ、500℃で4時間焼成し
て酸化亜鉛を10重量%担持せしめ、これをゲージ圧1
50kg/cm2 でプレス成形した後に破砕し、篩で分
級して7〜15メッシュの粒度のものを触媒とした。触
媒6ミリリットルを内径14mmのインコネル製反応器
に充填して、所定温度に加熱した。これにメタノールと
フッ化水素を含有する塩化水素(HF=200ppm)
とをHCl/CH3 OH=1.3/1(モル比)、空間
速度SV=2500h-1で流通させて反応させた。結果
を表1に示す。
【0033】[実施例3]市販のジルコニア粉末(比表
面積80m2 /g)を酢酸クロム水溶液に浸漬させ、1
20℃で6時間乾燥させた後、450℃で4時間焼成し
て酸化クロムを9重量%担持せしめ、これをゲージ圧1
30kg/cm2 でプレス成形した後に破砕し、篩で分
級して10〜20メッシュの粒度としたものを触媒とし
た。触媒6ミリリットルを内径14mmのインコネル製
反応器に充填し、所定温度に加熱した。メタノールとフ
ッ化水素を含有する塩化水素(HF=100ppm)と
をHCl/CH3 OH=1.4/1(モル比)、空間速
度SV=2200h-1で流通させて反応を行った。結果
を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】[実施例4]市販のジルコニア粉末(比表
面積100m2 /g)を酢酸銅水溶液に浸漬させた。こ
れを110℃で9時間乾燥させた後、500℃で3時間
焼成して酸化銅を11重量%担持せしめたものを使用し
た。これをゲージ圧140kg/cm2 でプレス成形し
た後に破砕して、篩で分級して7〜15メッシュの粒度
のものを触媒とした。触媒6ミリリットルを内径14m
mのインコネル製反応器に充填し、所定温度に加熱し
た。これにメタノールとフッ化水素を含有する塩化水素
(HF=150ppm)とをHCl/CH3 OH=1.
3/1(モル比)、空間速度SV=2500h-1で流通
させて反応を行った。結果を表2に示す。
【0036】[実施例5]市販のジルコニア粉末(比表
面積100m2 /g)を硝酸マンガン水溶液に浸漬させ
て、100℃で12時間乾燥させた後、550℃で4時
間焼成して酸化マンガンを10重量%担持せしめたもの
を、ゲージ圧130kg/cm2 でプレス成形した後に
破砕して、篩で分級し10〜20メッシュの粒度のもの
を触媒として使用した。触媒6ミリリットルを内径14
mmのインコネル製反応器に充填し、所定温度に加熱
し、HCl/CH3 OH=1.4/1(モル比)、空間
速度SV=2300h-1で流通させて反応を行った。結
果を表2に示す。
【0037】[実施例6]市販のジルコニア粉末(比表
面積80m2 /g)を硝酸コバルト水溶液に浸漬させ
て、110℃で8時間乾燥させた後、500℃で4時間
焼成して酸化コバルトを9重量%担持せしめたものを、
ゲージ圧120kg/cm2 でプレス成形した後に破砕
して、篩で分級し10〜20メッシュの粒度のものを触
媒として使用した。触媒6ミリリットルを内径14mm
のインコネル製反応器に充填し、所定温度に加熱し、メ
タノールとフッ化水素を含有する塩化水素(HF=20
0ppm)とをHCl/CH3 OH=1.3/1(モル
比)、空間速度SV=2500h-1で流通させて反応を
行った。結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】[実施例7]市販のジルコニア粉末(比表
面積100m2 /g)を硝酸鉄水溶液に浸漬させた。こ
れを110℃で12時間乾燥させた後、600℃で2時
間焼成して酸化鉄を10重量%担持せしめたものを使用
した。これをゲージ圧150kg/cm2でプレス成形
した後に破砕して、篩で分級し7〜15メッシュの粒度
のものを触媒とした。触媒6ミリリットルを内径14m
mのインコネル製反応器に充填し、所定温度に加熱し
た。これにメタノールとフッ化水素を含有する塩化水素
(HF=200ppm)とをHCl/CH3 OH=1.
5/1(モル比)、空間速度SV=2500h-1で流通
させて反応を行った。結果を表3に示す。
【0040】[実施例8]市販のジルコニア粉末(比表
面積100m2 /g)を酢酸ニッケル水溶液に浸漬させ
た。これを120℃で6時間乾燥させた後、500℃で
3時間焼成して酸化ニッケルを11重量%担持させたも
のを使用した。これをゲージ圧120kg/cm2 でプ
レス成形した後に破砕して、篩で分級し10〜20メッ
シュの粒度のものを触媒とした。触媒6ミリリットルを
内径14mmのインコネル製反応器に充填し、所定温度
に加熱した。これにメタノールとフッ化水素を含有する
塩化水素(HF=100ppm)をHCl/CH3 OH
=1.4/1(モル比)、空間速度SV=2300h-1
で流通させて反応を行った。結果を表3に示す。
【0041】[実施例9]亜鉛源として硝酸亜鉛、ジル
コニウム源としてオキシ硝酸ジルコニウムを用いて、Z
n/Zr=0.1/1(モル比)となるように混合水溶
液を調製した。該混合水溶液と10%のアンモニア水
を、撹拌した水中にpH=8を保持するように徐々に滴
下し、共沈ゲルを生成せしめた。共沈ゲルを1日静置し
た後、水洗および濾過を行い、110℃で20時間乾燥
を行った。さらに粉砕し、500℃で10時間焼成し、
ZnO−ZrO2 の複合触媒を得た。該複合触媒のZn
O含有量は6.2重量%であり、比表面積は95m2
gであった。つぎに、複合触媒をゲ−ジ圧150kg/
cm2 でプレス成形した後に破砕して、篩で分級し10
〜20メッシュの粒度のものを触媒として使用した。触
媒6ミリリットルを内径14mmのインコネル製反応器
に充填し、所要温度に加熱し、メタノールとフッ化水素
を含有する塩化水素(HF=150ppm)とをHCl
/CH3 OH=1.5/1(モル比)、空間速度SV=
2000h-1で流通させて反応を行った。結果を表4に
示す。
【0042】
【表4】
【0043】[実施例10]亜鉛源として塩化亜鉛、ジ
ルコニウム源としてオキシ塩化ジルコニウムを用いて、
Zn/Zr=0.01/1(モル比)となるように混合
水溶液を調製した。該混合水溶液と10%のアンモニア
水を、撹拌した水中にpH=8を保持するように徐々に
滴下し、共沈ゲルを生成せしめた。共沈ゲルを1日静置
した後、水洗および濾過を行い、120℃で15時間乾
燥を行った。さらに粉砕し、550℃で8時間焼成し、
ZnO−ZrO2 の複合触媒を得た。該複合触媒のZn
O含有量は0.6重量%であり、比表面積は90m2
gであった。つぎに複合触媒を、ゲージ圧140kg/
cm2 でプレス成形した後に破砕して、篩で分級し7〜
15メッシュの粒度のものを触媒として使用した。触媒
6ミリリットルを内径14mmのインコネル製反応器に
充填し、所要温度に加熱し、メタノールとフッ化水素を
含有する塩化水素(HF=100ppm)とをHCl/
CH3 OH=1.5/1(モル比)空間速度SV=18
00h-1で流通させて反応を行った。結果を表4に示
す。
【0044】[実施例11]クロム源として硝酸クロ
ム、ジルコニウム源としてオキシ塩化ジルコニウムを用
いて、Cr/Zr=0.1/1(モル比)となるように
混合水溶液を調製した。該混合水溶液と10%のアンモ
ニア水を、撹拌した水中にpH=8を保持するように徐
々に滴下し、共沈ゲルを生成せしめた。共沈ゲルを1日
静置した後、水洗および濾過を行い、100℃で20時
間乾燥を行った。さらに粉砕し、500℃で8時間焼成
し、Cr23 −ZrO2 の複合触媒を得た。該複合触
媒のCr 23 含有量は11.0重量%であり、比表面
積は85m2 /gであった。つぎに、複合触媒をゲージ
圧150kg/cm2 でプレス成形した後に破砕して、
篩で分級し10〜20メッシュの粒度のものを触媒とし
て使用した。触媒6ミリリットルを内径14mmのイン
コネル製反応器に充填し、所要温度に加熱し、メタノー
ルとフッ化水素を含有する塩化水素(HF=200pp
m)とをHCl/CH3 OH=1.6/1(モル比)、
空間速度SV=2200h-1で流通させて反応を行っ
た。結果を表4に示す。
【0045】[比較例1]市販のγ−アルミナ粉末(比
表面積140m2 /g)を電気炉で500℃で4時間焼
成し、これをゲージ圧120kg/cm2 でプレス成形
した後に破砕し、篩で分級して10〜20メッシュの粒
度のものを触媒とした。触媒6ミリリットルを内径14
mmのインコネル製反応器に充填し、所定温度に加熱
し、メタノールとフッ化水素を含有する塩化水素(HF
=200ppm)とをHCl/CH3OH=1.3/1
(モル比)、空間速度SV=2000h-1で流通させて
反応を行った。結果を表5に示す。
【0046】
【表5】
【0047】[比較例2]市販のγ−アルミナ粉末(比
表面積140m2 /g)を硝酸亜鉛水溶液に浸漬させた
後、120℃で10時間乾燥させ、500℃で4時間焼
成して酸化亜鉛を10重量%担持せしめ、これをゲージ
圧150kg/cm2 でプレス成形した後に破砕し、篩
で分級して7〜15メッシュの粒度のものを触媒とし
た。触媒6ミリリットルを内径14mmのインコネル製
反応器に充填して、所定温度に加熱した。これにメタノ
ールとフッ化水素を含有する塩化水素(HF=200p
pm)とをHCl/CH3 OH=1.3/1(モル
比)、空間速度SV=2500h-1で流通させて反応さ
せた。結果を表5に示す。
【0048】
【発明の効果】
(1)本発明方法によって、用途が極めて限られ、処理
に多大な費用を要していたフッ化水素を含有する副生塩
化水素を有効かつ効率的に利用できる。副生塩化水素は
安価で入手しやすいため、本発明方法は工業的に極めて
有利な塩化メチルの製法である。 (2)本発明で用いられる酸化ジルコニウム触媒は、フ
ッ化水素を含有する塩化水素を用いてメタノールの塩酸
化反応を行っても長期の触媒寿命を示し、高い塩化メチ
ル収率が達成できる。また活性が高いため、低い温度で
反応させることが可能なため塩化メチルの分解が少な
く、反応装置の腐食も抑制される。 (3)本発明で用いられる触媒は球状粒として使用でき
るので、連続操業の際には触媒床の前後での圧力差が小
さくてすみ、したがって気体を触媒床に通送させるため
の動力が節減できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 17/16 C07C 19/03

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ化水素を含有する塩化水素とメタノー
    ルを酸化ジルコニウム触媒の存在下に気相で反応させて
    塩化メチルを生成せしめることを特徴とする塩化メチル
    の製法。
  2. 【請求項2】触媒として亜鉛、銅、マンガン、コバル
    ト、クロム、鉄、ニッケル、およびチタンからなる群か
    ら選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物を添加せしめ
    た酸化ジルコニウム触媒を用いる請求項1の製法。
  3. 【請求項3】酸化ジルコニウムが4価ジルコニウムの酸
    化物である、請求項1または2の製法。
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US7951978B2 (en) 2006-12-01 2011-05-31 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for producing acrolein and glycerin-containing composition

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