JP3346297B2 - 被覆電線材の接合方法 - Google Patents

被覆電線材の接合方法

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JP3346297B2 JP24885098A JP24885098A JP3346297B2 JP 3346297 B2 JP3346297 B2 JP 3346297B2 JP 24885098 A JP24885098 A JP 24885098A JP 24885098 A JP24885098 A JP 24885098A JP 3346297 B2 JP3346297 B2 JP 3346297B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆電線材の接合
方法、特に、複数の細線を束ねて実質的に断面積の大き
な電線材にする場合の相互の細線の電気的及び機械的接
合方法及び他の機器に接続する場合の接続方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、モータ等の回転電機のステータに
装着されるコイルは、コイル巻回時の作業性の向上や占
積率の向上等を目的に、柔軟性を有する電線材を利用す
ることが多い。一般に電線材の柔軟性を向上しようとす
ると、線材が細くなり電気容量や耐圧性、機械的強度が
低下すると共に、細線になった分巻回数が増加するため
巻線時間が増大してしまうという不都合を生じる。そこ
で、複数の細線を束ねて、個々の電線材の柔軟性を維持
した状態で、かつ束ねることによって見かけ上、電線材
の断面積を増加させた複合線が利用されている。なお、
細線を束ねる場合、ここでも占積率を向上させるために
平角細線を利用することが多い。
【0003】ところで、前述したような複合線を構成す
る細線は、それぞれの表面にエナメル等の絶縁被覆が施
された被覆細線(被覆電線材)である。そのため、束ね
た被覆細線を電気的に接続(並列接続)して断面積の大
きな複合線にするためには端部で接続処理を行う必要が
ある。この場合の接続処理では、被覆細線の端部の絶縁
被覆、すなわちエナメルを剥離して、導電部を露出させ
た状態でリング状の口金等に挿入し機械的なかしめを行
うことによって、電気的に一体化された複合線を作成し
ている。
【0004】しかし、前述したような各被覆細線の絶縁
被覆の剥離作業は、大変手間のかかるもので、作業時間
の増大を招いてしまうという問題を有している。これに
対して、カシメ装置のカシメヘッドを電極として、この
電極に電流を流し、当該電極を発熱させて、かしめ作業
と同時に、電極に発生した熱により前記絶縁被覆を焼却
させるいわゆる通電カシメが実用化されている。この通
電カシメによれば、口金に絶縁被覆を剥離しない被覆細
線を挿入してもかしめ時に焼却させることができるの
で、容易に被覆細線を接合し複合線を作成することがで
きる。なお、作成された複合線は、ネジ止め等の接続手
段によって、所望の機器の接続端子に接続される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記通電カシメは、電
極を発熱させて、その熱を口金を介して被覆細線に伝達
させて絶縁被覆を溶融、焼却している。そのため被覆細
線と口金の内壁面とは密着していることが望ましいが、
前記被覆細線が互いに交差したり捻れたりした場合、被
覆細線間や被覆細線と口金との間に空間が形成され、熱
伝導性が低下してしまう場合がある。この場合、絶縁被
覆の加熱量が安定せず、前記絶縁被覆の完全な焼却を行
うことができないことがあり、導通不良等の原因になる
と共に、信頼性が低下するという問題がある。これに対
して、例えば、1998年2月27日発行のトヨタ技術
公開集、発行番号7605には、被膜付導体線束の接合
方法が開示されている。この方法によれば、被膜付導体
線束間に導体粒子を介在させて通電カシメを行ってい
る。そして、通電時に前記導体粒子を発熱させることに
よって絶縁被覆の焼却を促進させている。しかし、この
場合も導体粒子の量や分布によって発熱量が変動するた
め前述の問題を完全に解消することは困難であった。ま
た、導体粒子の添加もコスト上昇や作業効率の低下を招
いてしまうという問題がある。さらに、前記絶縁被覆の
焼却が不十分な場合、残留物によってかしめ部分の機械
的強度が低下してしまうという問題もある。
【0006】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、複数の被覆電線材を束ねて実
質的に断面積の大きな電線材にする場合に、前記被覆電
線材を電気的及び機械的に強固かつ容易に接合すること
を可能にする信頼性の高い被覆電線材の接合方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、第1の発明は、表面に絶縁被覆を有する複
数の平角被覆電線材を束ねて実質的に断面積の大きな電
線材にすると共に相互を電気的及び機械的に接合する被
覆電線材の接合方法であって、前記平角被覆電線材を隣
接する線材が平らに並ぶように層配列する配列ステップ
と、層配列した平角被覆電線材を環状の口金に挿入する
挿入ステップと、前記平角被覆電線材が挿入された口金
の表面に電極を当接させ、所定圧力で加圧しつつ所定の
電流を印加し、発生する熱により前記口金に挿入された
平角被覆電線材の絶縁被覆を焼却しつつ口金をかしめる
通電カシメステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】ここで、前記平角被覆電線材とは、銅線材
等の表面にエナメル等の絶縁被覆を施したもので、層配
列とは、前記平角被覆線材を一列または数列に整列させ
ることを意味する。また、通電カシメとは、かしめる対
象を一対の電極で狭持し所定圧力で圧縮すると共に、電
極間に所定電流(例えば、数万アンペア)を印加して、
圧縮作用及び通電による発熱作用によって接続対象をか
しめるものである。前記電極は、例えばタングステン等
の高抵抗体で形成され、通電時に発熱する。この発熱に
よって、前記絶縁被覆等が焼却される。
【0009】この構成によれば、平角被覆電線材が平ら
層配列することによって、平角被覆電線材の相互間に
空気層が形成されることが防止され、電極で発生した熱
を効率的に口金に挿入された平角被覆電線材束全体に伝
達し、絶縁被覆の焼却を完全かつ安定的に行うことが可
能になる。
【0010】また、上記目的を達成するために、第2の
発明は、表面に絶縁被覆を有する複数の被覆電線材を束
ねて実質的に断面積の大きな電線材にすると共に相互を
電気的及び機械的に接合する被覆電線材の接合方法であ
って、前記被覆線材を線径方向に圧縮して電気抵抗を増
加させると共に、断面略矩形の平角被覆電線材に変形さ
せる塑性変形ステップと、前記平角被覆電線材を隣接す
る線材が平らに並ぶように層配列する配列ステップと、
層配列した平角被覆電線材を環状の口金に挿入する挿入
ステップと、前記平角被覆電線材が挿入された口金の表
面に電極を当接させ、所定圧力で加圧しつつ所定の電流
を印加し、発生する熱により前記口金に挿入された平角
被覆電線材の絶縁被覆を焼却しつつ口金をかしめる通電
カシメステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】ここで、前記被覆電線材とは、銅線材等の
表面にエナメル等の絶縁被覆を施した任意の形状の電線
材であり、一対のローラ等の間を通過することによっ
て、線径方向の圧力が加えられ潰されると共に、断面略
矩形の平角被覆線材に塑性変形させられる。
【0012】この構成によれば、成形した平角被覆電線
が平らに層配列することによって、平角被覆電線材の
相互間に空気層が形成されることが防止され、電極で発
生した熱を効率的に口金に挿入された平角被覆電線材束
全体に伝達することができる。また、塑性変形すること
によって抵抗値が増加した平角被覆電線材も発熱するた
め、絶縁被覆の焼却をさらに促進することが可能で、当
該絶縁被覆の完全かつ安定的な焼却を効率的に行うこと
が可能になる。
【0013】また、上記目的を達成するために、第3の
発明は、第1または第2の発明において、前記口金は、
電気機器の接続端子の一部平角被覆電線材とを同時に
かしめることを特徴とする。
【0014】また、上記目的を達成するために、第4の
発明は、第1または第2の発明において、前記口金は、
電気機器の接続端子の一部であることを特徴とする。
【0015】この構成によれば、口金と電気機器の接続
端子との接続を迅速かつ確実に行うことが可能になると
共に、接続のため部品の削減が可能になり、電気機器の
小型化に寄与することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
【0017】図1には、本実施形態の平角被覆電線材の
接合方法を説明する概念図が示されている。本実施形態
において、平角被覆電線材10は、表面に例えばエナメ
ル等で構成される絶縁被覆12が施された電線材であ
り、本実施形態の場合、芯線10aは銅材で構成されて
いる。また、前記平角被覆電線材10の端部に装着され
る口金14は、後述する通電カシメ装置のヘッドでかし
められて、内径部に挿入された複数本の前記平角被覆電
線材10を拘束する部材であり、熱伝導度の高い銅等で
構成された環形状を呈している。
【0018】本実施形態の特徴的事項は、前記平角被覆
電線材10が層配列された状態で束ねられ、前記口金1
4に挿入され、通電カシメ処理が施される。そして、口
金14内に挿入された平角被覆電線材10の絶縁被覆1
2が通電時に発生する熱で焼却除去されるところであ
る。
【0019】本実施形態の平角被覆電線材10は、例え
ば、モータ等の回転電機のステータに装着されるコイル
を構成するのに適した電線材であり、その断面は、例え
ば、一辺が1.8mm〜3.2mm程度の矩形を呈して
いる。ステータの場合、コイルを装着するスロットは、
矩形形状の溝なので、前記平角被覆電線材10はスロッ
トに挿入された場合でも相互に容易に密着することがで
きるので、スロット内の占積率を容易に向上することが
できる。また、図1に示すように、細線である平角被覆
電線材10を束ねて口金14で端部を固定することによ
って、束ねられた平角被覆電線材10は並列接続状態に
なるので、束ねた複合線を一本の電線材と見なすことが
可能で、見かけ上断面積が大きく、電気容量の大きな電
線材とすることができる。また、端部以外の部分は、個
々の平角被覆電線材10が自由に湾曲することが可能に
なり、柔軟性を有する電線材とすることができる。その
結果、束ねた平角被覆電線材10(複合線)は、コイル
として巻回し易く、ステータのスロットに挿入し易く作
業効率が向上する。また、挿入し易いためスロット内部
の占積率を容易に向上することができる。
【0020】前記平角被覆電線材10の接続を行う場
合、まず、当該平角被覆電線材10を図1に示すように
平らに順次整列させて層配列させる。図1の場合、一層
のみを示しているが、隣接する平角被覆電線材10同士
が平らに並ぶように配列されれば、接続する平角被覆電
線材10の本数に応じて、二層以上にしてもよい。な
お、層配列した平角被覆電線材10は、環状の口金14
に挿入されるので、前記層配列は、口金14の内径に応
じて層形態を適宜選択することができる。
【0021】続いて、平角被覆電線材10が挿入された
口金14の上下(または左右)方向から通電カシメ装置
のカシメヘッドを接近させる。当該カシメヘッドは、例
えばタングステン等の高抵抗体で形成された電極16で
あり、前記口金14を外周側から挟み込み所定の圧力で
圧縮する。前記一対の電極16の圧縮により口金14
は、平角被覆電線材10をくわえ込んだまま押し潰さ
れ、複数の平角被覆電線材10を機械的にかしめ固定す
る。このかしめ動作と同時に、前記一対の電極16間に
所定量の電流(例えば,15000A)が印加する。前
述したように、電極16は、高抵抗体のタングステンな
ので急激に発熱する(例えば、600〜800℃)。発
熱した熱は銅製の口金14を介して口金14内部に挿入
された平角被覆電線材10に伝わる。この時、層配列さ
れた平角被覆電線材10は押し潰された口金14と密着
しているので、電極16で発熱した熱は、効率よく伝達
される。この熱によって、平角被覆電線材10の周囲の
施された絶縁被覆(エナメル)12は焼却される。この
焼却動作は、電極16による加圧動作の最中に行われる
ので、絶縁部材12が排除された芯線10aは隣接する
芯線10aと密着すると共に、直接口金14にも密着す
ることが可能になる。その結果、束ねられた平角被覆電
線材10は相互に確実な電気的接続が行われる。さら
に、前記平角被覆電線材10は、層配列しているので、
口金14によるかしめも均一に行われ安定した接続強度
(機械的強度)を確保することができる。
【0022】このように、平角被覆電線材10を層配列
して、通電カシメを行うことにより、前作業として絶縁
被覆12の剥離作業を行うことなく、容易かつ完全に絶
縁被覆12の焼却除去を行い、平角被覆電線材10の電
気的接続及び機械的接続を行うことができる。なお、通
電カシメを行うことにより、絶縁被覆12の除去し忘れ
等のミスが発生することがなく、導通不良等のトラブル
が排除され、平角被覆電線材10の接続信頼性を向上す
ることができる。
【0023】図1の場合、平角被覆電線材10をはじめ
から使用する例を示したが、図2に示すように、圧縮ロ
ーラ18を利用して絶縁被覆を有する電線材、例えば丸
線材20を線径方向に圧縮して平角被覆電線材22とし
てもよい。前記圧縮ローラ18は、径方向に互いに接離
自在で、少なくとも2枚の圧縮ローラ18で形成される
隙間に丸線材20を通過させることによって丸線材20
を潰す。なお、図2では、丸線材20の一方向を潰す構
成を示しているが、実際は、図2に示す圧縮ローラ18
と同様な一対の圧縮ローラが、図示された圧縮ローラ1
8に対して90°異なる位置に配置されている。そし
て、直交する二方向から圧縮することで、丸線材20か
ら平角被覆電線材22を容易に形成することができる。
また、圧縮ローラとして、大径部と小径部を有する段付
きローラを互い違いに配置(大径部側面と小径部側面と
が向き合うように段付きローラを配置する)して2枚の
段付きローラで矩形空間を作ることもできる。この場
合、一度の圧縮動作で平角被覆電線材22を作成するこ
とができる。
【0024】図2において、圧縮ローラ18を含むコイ
ル巻線装置24は、減速ギア26を介してモータ28の
動力が伝達され、潰した平角被覆電線材22を順次送り
出すようになっている。その結果、丸線材20が有して
いた絶縁被覆は、破壊されることなく平角被覆電線材2
2に受け継がれ、当該平角被覆電線材22に、均一な厚
さを有する絶縁被覆が与えられる。また、圧縮ローラ1
8の下流側には、丸線材20がボビン等に巻かれていた
時の巻き癖を矯正するための矯正ローラ30が配置さ
れ、矯正された平角被覆電線材22が、図示しないモー
タによって回転するステータ32に順次巻回される。
【0025】ところで、丸線材20が銅線の場合、当該
丸線材20は、圧力が加えられて塑性変形することによ
り性質変化を起こし、平角被覆電線材22の抵抗値は丸
線材20に対して2〜3%上昇する。このように線径方
向に圧縮され塑性変形させられた平角被覆電線材22を
図1に示すように、層配列して通電カシメを行うと、そ
の通電により平角被覆電線材22自体も発熱するように
なる。つまり、まず、口金14を介して平角被覆電線材
22に伝達された電極16の熱は平角被覆電線材22上
の絶縁被覆を焼却する。そして、絶縁被覆の焼却が一部
で起こると平角被覆電線材22にも電流が流れだし、平
角被覆電線材22が発熱を開始する。従って、平角被覆
電線材22自体の発熱によって絶縁被覆の焼却が開始さ
れる。その結果、当該絶縁被覆の焼却が外側及び内側か
ら行われることになり、短時間で、かつ完全で効率的な
絶縁被覆の焼却・除去を行うことが可能になる。
【0026】図3には、前述したような層配列して通電
カシメを行う場合に、電気機器の接続端子を同時にかし
めて被覆電線材の束ね接続作業と電気機器との接続作業
とを同時に行う例が示されている。電気機器の接続端
子、例えば回転電機の電力供給用のターミナル34とス
テータに配置されるコイルとの接続は、通常、ネジ止め
等によって行われるが、この場合、部品点数が増加する
と共に、作業工程も増加する。そこで、ターミナル34
に突起34aを形成し、環状の口金14に前記突起34
aを挿入する。そして、口金14と突起34aとの間に
平角被覆電線材10を層配列する。図3の場合、突起3
4aの両側に一層ずつ配置しているが、束ねる平角被覆
電線材10の本数によって、突起34aの片側でもよい
し、多層配列してもよい。そして、図1と同様に一対の
電極16により口金14を圧縮しつつ、通電することに
より、口金14に挿入された平角被覆電線材10の挿入
部分の絶縁被覆が電極16の発生する熱によって焼却さ
れる。この場合、平角被覆電線材10を層配列して、タ
ーミナル34と共に通電カシメを行うことにより、前作
業として絶縁被覆の剥離作業を行うことなく、容易かつ
完全に絶縁被覆の除去が行えると共に、同時に、平角被
覆電線材10の接続とターミナル34との接続を行うこ
とができる。その結果、作業効率が向上すると共に、回
転電機等の電気機器との接続部品の削減も可能になり、
コストダウン及び電気機器の小型化に寄与することもで
きる。
【0027】図4(a),(b)には、平角被覆電線材
10と他の形態のターミナル36との接続例が示されて
いる。このターミナル36は、ラッパ状の口金38が一
体化されている。口金38がラッパ状に開いていること
により、口金38に対して、層配列した平角被覆電線材
10の挿入を容易に行うことができる。図4(a),
(b)に示すように、平角被覆電線材10の挿入後の通
電カシメ作業は、前述した各例と同じであり、同様の効
果を得ることができる。このように、口金38をターミ
ナル36と一体化することにより効率的な絶縁被覆の除
去を行い、信頼性の高い平角被覆電線材10の接合を行
いつつ、部品点数の削減及び接続作業の容易化を行うこ
とができる。
【0028】図5(a)〜図5(d)には、さらに、平
角被覆電線材10と他の形態のターミナルとの接続例が
示されている。図5(a)に示すターミナル40は、図
3と同様に突起40aを有していると共に、当該突起4
0aを囲むように植設された口金42を有している。口
金42がターミナル40に一体化されている場合、かし
め作業を行うと、口金42の先端部側は自由に変形でき
る反面、基端部側は植設部によって規制を受け自由に変
形できない傾向がある。そこで、図5に示すように基端
部側に突起40aを設けることによって、口金42の僅
かな変形でも当該口金42と平角被覆電線材10とが密
着できるようにすることができる。その結果、電極16
からの熱伝導を効率的に行うことができると共に、通電
カシメ後は良好な電気的接続を得ることができる。な
お、図5(b)は、突起44aが口金44の内壁側に形
成されている例であり、前述と同様な効果を得ることが
できる。
【0029】また、前述したように、口金がターミナル
に一体化されている場合、かしめ作業を行う時に無理な
応力がかかり、口金部分が折れてしまう可能性がある。
そこで、図5(c)に示すように、ターミナル46と一
体化した口金48の外周部にリブ48a(図5(c)で
は、2カ所であるが、配置数は任意である)を形成する
こともできる。このリブ48aを設けることによって、
通電カシメ作業時及びかしめ後の機械的強度の向上を行
うことができる。さらに、図5(d)は、口金50の外
側及び内壁側にもリブ50aを突出させた例であり、図
5(b),(c)の効果を両方有する例である。
【0030】図6(a),(b)には、さらに、他のタ
ーミナル52の形態が示されている。このターミナル5
2には、一対の板状の口金54a,54bが植設されて
いる。そして、一方の口金54bには、平角被覆電線材
10が確実かつ容易に層配列できるように、平角被覆電
線材10の挿入方向に沿った溝56が形成されている。
溝56を形成し、平角被覆電線材10を個別に挿入する
ことにより、挿入された平角被覆電線材10と口金54
aまたは口金54bとの接触可能部分が増加し、電極1
6からの効率的な熱伝達が可能になり効率的な絶縁被覆
の焼却を行うことができる。また、溝56によって平角
被覆電線材10をしっかりと包み込むためカシメ作業後
の平角被覆電線材10と口金54bとの機械的強度の確
保も容易に行うことができる。
【0031】図7は、さらに、迅速な絶縁被覆の焼却除
去を可能にする口金一体型ターミナルの例を示してい
る。略円筒形で例えば銅材で形成されたターミナル58
は、一部がカットされ、平面部58aを有している。こ
の平面部58aには、例えば鉄材で形成された断面略コ
の字形状の口金60が平角被覆電線材10の収納空間を
有して固定されている。そして、前記収納空間に層配列
した平角被覆電線材10を挿入し、電極16により加圧
しながら所定量の電流を印加して、通電カシメを実施す
る。電極16で発生した熱はターミナル58を介して、
平角被覆電線材10に伝わり、絶縁被覆の焼却を行う。
また、口金60が高抵抗体であるため、当該口金60も
急激に発熱し、接触する平角被覆電線材10の絶縁被覆
の焼却を行う。このように、層配列した平角被覆電線材
10に直接接触する口金60を高抵抗体にすることで、
さらに効率的かつ確実な絶縁被覆の除去を可能にし、接
続信頼性を向上する。
【0032】ところで、前述したように、ターミナルに
口金を植設すると、通電カシメ時の口金の変形の影響が
ターミナル本体側にも及びターミナルの変形につなが
る。そこで、図8(a),(b)に示すように、ターミ
ナル本体側に通電カシメ時の応力が影響しないように、
『逃げ』を設けることが望ましい。図8(a)は、図5
(a)のターミナル40を改良したものである。図8
(a)の場合、口金42の内周及び外周に沿ってターミ
ナル40側に逃げ溝62a,62bを形成している。逃
げ溝62a,62bによって、口金42が通電カシメに
より変形した場合でも、その応力等を逃げ溝62a,6
2bで吸収し、ターミナル40側の変形が最小限になる
ようにしている。図8(b)は、図6(a),(b)に
類似する口金64a,64bを有するターミナル66を
示している。この場合も、口金64a,64bを介して
通電カシメを行った場合の応力の影響がターミナル66
側に伝わらないように、逃げ部68が形成されている。
つまり、口金64a,64bを圧縮した場合に、口金6
4aの逃げ部68が撓み、かしめ時の応力を吸収してい
る。その結果、ターミナル66側の変形が最小限になる
ようにしている。
【0033】図9(a),(b),(c)に示す口金一
体型ターミナルも通電カシメ時の口金の変形をターミナ
ル側に伝達しないための構成を有している。口金68
は、図9(c)に示すように、断面が蒲鉾型を呈し、タ
ーミナル70とは、前記断面の平板部分のみで接続され
るように、スリット68aが形成されている(図9
(b)参照)。そして、前記口金68の内部に層配列し
た平角被覆電線材10が挿入された状態で、通電カシメ
が行われる。この場合、電極16で通電カシメされる時
には、主に口金68の断面湾曲部分が押し潰されるが
(図9(c)参照)、スリット68aによって、かしめ
による応力が遮断される。このように、層配列した平角
被覆電線材10を通電カシメする場合でも、電極16か
らの熱を効率よく平角被覆電線材10に伝達すると共
に、ターミナル70側は、通電カシメの影響を受けるこ
とがなく、信頼性の高い平角被覆電線材10の接続を行
うことができる。
【0034】なお、上述した実施形態においては、回転
電機のステータに使用するコイルを作成する場合及び、
そのコイルを電力供給用のターミナルに接続する場合を
例に取って説明したが、平角被覆電線材10を束ねて断
面積を実質的に大きくした電線材が要求される場合に
は、本実施形態と同様な方法が適用可能であり、設備の
電気配線等に利用する電線材を本実施形態と同様に作成
してもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、複数の被覆電線材を束
ねて実質的に断面積の大きな電線材にする場合に、平角
形状の被覆電線材を層配列して口金に挿入するので、通
電カシメ時にかしめられた口金と被覆電線材とを密着さ
せることができる。そして、電極に発生する熱を口金を
介して効率よく被覆電線材に伝達させることができる。
その結果、口金に挿入された被覆電線材の絶縁被覆を効
率よく焼却し、電気的及び機械的に強固かつ容易に接合
することができる。そして、信頼性の高い被覆電線材の
接合を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の被覆電線材の接合方法を
説明する説明図である。
【図2】 本発明の実施形態の被覆電線材の接合方法に
使用する平角被覆電線材の加工方法を説明する説明図で
ある。
【図3】 本発明の実施形態の被覆電線材とターミナル
との接合方法を説明する説明図である。
【図4】 本発明の実施形態の被覆電線材と他の形態の
ターミナルとの接合方法を説明する説明図である。
【図5】 本発明の実施形態の被覆電線材と他の形態の
ターミナルとの接合方法を説明する説明図である。
【図6】 本発明の実施形態の被覆電線材と他の形態の
ターミナルとの接合方法を説明する説明図である。
【図7】 本発明の実施形態の被覆電線材と他の形態の
ターミナルとの接合方法を説明する説明図である。
【図8】 本発明の実施形態の被覆電線材と他の形態の
ターミナルとの接合方法を説明する説明図である。
【図9】 本発明の実施形態の被覆電線材と他の形態の
ターミナルとの接合方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 平角被覆電線材、10a 芯線、12 絶縁被
覆、14 口金、16電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−78131(JP,A) 特開 平5−74541(JP,A) 特開 平1−84517(JP,A) 特開 平6−215851(JP,A) 特開 平7−256464(JP,A) 特開 平9−237525(JP,A) 特開 平10−233326(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 43/048 H01R 43/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に絶縁被覆を有する複数の平角被覆
    電線材を束ねて実質的に断面積の大きな電線材にすると
    共に相互を電気的及び機械的に接合する被覆電線材の接
    合方法であって、 前記平角被覆電線材を隣接する線材が平らに並ぶように
    層配列する配列ステップと、 層配列した平角被覆電線材を環状の口金に挿入する挿入
    ステップと、 前記平角被覆電線材が挿入された口金の表面に電極を当
    接させ、所定圧力で加圧しつつ所定の電流を印加し、発
    生する熱により前記口金に挿入された平角被覆電線材の
    絶縁被覆を焼却しつつ口金をかしめる通電カシメステッ
    プと、 を含むことを特徴とする被覆電線材の接合方法。
  2. 【請求項2】 表面に絶縁被覆を有する複数の被覆電線
    材を束ねて実質的に断面積の大きな電線材にすると共に
    相互を電気的及び機械的に接合する被覆電線材の接合方
    法であって、 前記被覆線材を線径方向に圧縮して電気抵抗を増加させ
    ると共に、断面略矩形の平角被覆電線材に変形させる塑
    性変形ステップと、 前記平角被覆電線材を隣接する線材が平らに並ぶように
    層配列する配列ステップと、 層配列した平角被覆電線材を環状の口金に挿入する挿入
    ステップと、 前記平角被覆電線材が挿入された口金の表面に電極を当
    接させ、所定圧力で加圧しつつ所定の電流を印加し、発
    生する熱により前記口金に挿入された平角被覆電線材の
    絶縁被覆を焼却しつつ口金をかしめる通電カシメステッ
    プと、 を含むことを特徴とする被覆電線材の接合方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の方法にお
    いて、 前記口金は、 電気機器の接続端子の一部を平角被覆電線材と同時にか
    しめることを特徴とする被覆電線材の接合方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の方法にお
    いて、 前記口金は、 電気機器の接続端子の一部であることを特徴とする被覆
    電線材の接合方法。
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