JP3345851B2 - 複数のNi−Ti系形状記憶合金細線の同時製造方法 - Google Patents

複数のNi−Ti系形状記憶合金細線の同時製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のNi−Ti
系形状記憶合金細線の同時製造方法に関するもので、具
体的には複数本の細線を同時に、引抜伸線加工(細径化
加工)、焼鈍、直線記憶処理する製造方法で、この製造
方法により、表面の酸化の少ない良質のNi−Ti系形
状記憶合金細線を安価に供給することが可能となる。
【0002】
【従来の技術】近年、Ni−Ti系形状記憶合金細線
(例えば外径20〜120μmの細線)は、その形状記
憶特性若しくは超弾性特性を利用して、FRP(Fiber
Reinforced Plastics)、FRM(Fiber Reinforced Met
als)等の複合材の芯材としての使用が期待されるように
なってきた。しかしながら、Ni−Ti系形状記憶合金
は、加工性が悪い。特に冷間加工における加工が困難
で、冷間伸線時に焼鈍を必要とする冷間加工率(減面
率)は、30%以下で低く、伸線工程において、多くの
焼鈍と伸線を繰り返しながら、1パス当たり8〜15%
程度の加工率で伸線を行い、所定の径の線とする。従っ
て、大量生産が困難であり、高価となる問題がある。
【0003】また、焼鈍回数が多くなると線材表面の酸
化膜が厚くなり、表面に傷が付きやすく断線の原因とな
るため、途中で数回の酸洗工程も必要であった。以上の
ように、Ni−Ti系合金の細線は、その加工性、歩留
り等が悪く、安価で良質のNi−Ti系形状記憶合金細
線の製造は、困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
で述べた問題点を解決することであり、具体的には、伸
線工程において、焼鈍で生じる線材表面の酸化を防止
し、且つ複数本の細線を同時に伸線加工することによ
り、安価で酸化の少ない良質の細線の製造方法を見出す
ことである。また、本発明の他の課題は、Ni−Ti系
合金の特性に合致し、上記製造目的に適合する、具体的
な細線の製造方法を見出すことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の前記課題を解決
するための請求項1の発明は、予め直線記憶処理が施さ
れたNi−Ti系形状記憶合金素線の複数本を、その素
線の変態点より高い温度の状態に保持しながら、金属製
の外装材で被覆して複合体素線を形成し、続いてその複
合体素線の冷間縮径加工と焼鈍を繰り返して細径化して
所定の細線サイズに到達した後、直線記憶処理を施し、
しかる後に外装材を除去することを特徴とする複数のN
i−Ti系形状記憶合金細線の同時製造方法である。
【0006】また、請求項2の発明は、前記Ni−Ti
系形状記憶合金素線は、Ni49.5〜51.5at
%、残TiからなるNi−Ti合金、及び前記Ni−T
i合金におけるNiまたは/およびTiの一部をV、C
r、Fe、Co、Alの1種又は2種以上で、且つその
合計量を0.1〜3.0at%の範囲で置換したNi−
Ti系合金、若しくは前記Ni−Ti合金あるいはNi
−Ti系合金におけるNiまたは/およびTiの一部を
Cu、Pd、Nbのいずれかで且つその量が5〜10a
t%の範囲で置換したNi−Ti系合金からなることを
特徴とする請求項1に記載の複数のNi−Ti系形状記
憶合金細線の同時製造方法であり、
【0007】請求項3の発明は、前記Ni−Ti系形状
記憶合金素線が、予めその表面が清浄にされている素線
であることを特徴とする請求項1に記載の複数のNi−
Ti系形状記憶合金細線の同時製造方法であり、
【0008】さらに請求項4の発明は、前記外装材が、
軟鋼材若しくはCu−Ni系合金材からなることを特徴
とする請求項1に記載の複数のNi−Ti系形状記憶合
金細線の同時製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、前記各発明について、詳細
に説明する。まず請求項1の発明について説明する。請
求項1の発明は、予め直線記憶処理が施されたNi−T
i系形状記憶合金素線の複数本を、その素線の変態点よ
り高い温度の状態に保持しながら、金属製の外装材で被
覆して複合体素線を形成し、続いてその複合体素線の冷
間縮径加工と焼鈍を繰り返して細径化して所定の細線サ
イズとした後、直線記憶処理を施し、しかる後に外装材
を除去する複数の細線の同時製造方法である。
【0010】本発明は、外装材例えば軟鋼管(JIS規
格G34541)内に、直線記憶処理したNi−Ti系
形状記憶合金素線の複数本を、平行状態に挿入して複合
体素線を形成し、その複合体素線について、冷間伸線と
焼鈍を繰り返し行うことにより、外装材内部の細線例え
ば径50μm以下のNi−Ti系形状記憶合金細線を、
同時に多数本製造するものである。即ち、本発明は、直
線記憶処理した素線を互いに平行な状態で、外装材であ
る被覆管に挿入して、複合体素線を作製し、その複合体
素線について加工(伸線)と焼鈍を繰り返して縮径して
複合体伸線材とした場合、、外装材に挿入されている1
本1本のNi−Ti系形状記憶合金線が、例えば径50
μm相当の太さの細線になっても、断線することも、太
さの極端な変動もなく、表面に酸化物のない良質の細線
が得られるものである。ここで、前記の冷間縮径加工
(冷間伸線)には、再結晶温度以下の温間加工、即ち5
00℃以下での加工が含まれる。温度を上げることで、
焼鈍間の加工を大きくできるし、上記温度範囲では線同
志の結合は、生じないことが判っている。
【0011】図7は、加工後の複合体伸線材の外径0.
3mmの断面状態を示す光学顕微鏡写真である。このよ
うにして得られた外装材内部の細線は、基本的には六角
形の断面を有しており、外装材除去後でも、細線の1本
1本は接合しておらず、容易に分離することができる。
なお、この断面六角形の細線は、そのまま使用に供する
ことも出来るし、又用途によっては、後に一回〜数回の
引抜き加工と熱処理の組み合わせにより、断面を円形、
六角形以外の多角形、その他の異形(楕円形、樽形等)
に加工することもできる。
【0012】本発明の製造方法において、外装材に挿入
するNi−Ti系形状記憶合金素線に予め直線記憶処理
を施こすのは、外装材に対して素線が互いに平行な状態
で挿入されるようにするためである。また、素線をその
変態点(Af点)より高い温度の状態に保持しながら外
装材に挿入するのは、予め直線記憶処理が施されたNi
−Ti系形状記憶合金素線が、挿入が完了するまでの
間、直線を維持して各線が交差することなく平行に挿入
されるようにするためである。これらの長尺素線を扱う
場合において、変態点(Af点)が室温より高い場合に
は、加熱炉等を通して加熱しながら直線のまま、複合体
化のプロセスに送りこんでやると、線の重なりがなくな
り、複合体素線の長手方向での形状変動・断線を防止で
きる。
【0013】前記のように複数の素線を、外装材に挿入
若しくは外装材で被覆して複合体素線とするが、次にこ
れを常法に従って、冷間で縮径加工と焼鈍を繰り返して
細径化して所定のサイズの複合体伸線材とし、次にこの
複合体伸線材について直線記憶処理を施す。複合体伸線
材について直線記憶処理するのは、最後に外装材を除去
して細線の1本1本を取り出す際、取り出しを容易にす
る、即ちからむことなく取り出せるようにするためであ
る。また、後のこの細線の利用に際して、取り扱いを容
易にするためである。なお、外装材を除去する前に、直
線記憶処理することにより、得られる各細線若しくはそ
の束は、形状記憶あるいは超弾性特性を有している。
【0014】最初のNi−Ti系合金素線の直線記憶処
理と最後の複合体伸線材の直線記憶処理は、350〜9
00℃、好ましくは450〜750℃の温度で、線を直
線状に走行させながら、熱処理するのが好ましい(走間
熱処理、走間焼鈍)。
【0015】このように直線記憶処理した複合体伸線材
は、その後外装材を除去して、中のNi−Ti系形状記
憶合金細線を束として巻かれたり、1本1本を取り出し
て、リール等に巻かれる。
【0016】なお、Ni−Ti系形状記憶合金素線を挿
入若しくは被覆する外装材に関する金属の材質の詳細に
ついては後述の請求項4で説明するが、外装材の形状
は、図1に示すような継目無管による外装材、図4に示
すようなフォーミング溶接管による外装材、図5に示す
ようなフォーミング重ね巻き管による外装材、図6に示
すような金属テープによる外装材が採用できる。
【0017】次に、請求項2の発明について説明する。
本発明に使用するNi−Ti系形状記憶合金は、Ni−
Ti合金をベースとするものならばいずれの合金系でも
対応可能である。即ち、Ni−Ti二元系、これにV、
Cr、Fe、Co、Al、Cu、Pd、Nb等の元素を
添加した多元系の合金に対応できる。請求項2の発明
は、外装材に挿入するNi−Ti系形状記憶合金素線の
好ましい実施態様である。即ち、そのNi−Ti系形状
記憶合金素線は、Ni49.5〜51.5at%、残T
iからなるNi−Ti合金、及び前記Ni−Ti合金に
おけるNiまたは/およびTiの一部をV、Cr、F
e、Co、Alの1種又は2種以上で、且つその合計量
を0.1〜3.0at%の範囲で置換したNi−Ti系
合金、若しくは前記Ni−Ti合金あるいはNi−Ti
系合金におけるNiまたは/およびTiの一部をCu、
Pd、Nbのいずれかで且つその量が5〜10at%の
範囲で置換したNi−Ti系合金である。
【0018】本発明に用いるNi49.5〜51.5a
t%、残TiのNi−Ti合金において、Ni及びTi
の組成範囲をこのようにしたのは、下限未満でも又上限
を越えても、形状記憶効果若しくは超弾性効果が得られ
ないからである。
【0019】また、本発明に用いるNi−Ti系合金
は、前記Ni−Ti合金におけるNiまたは/およびT
iの一部をV、Cr、Fe、Co、Alの1種又は2種
以上で、且つその添加の合計を0.1〜3.0at%の
範囲で置換したNi−Ti系合金であり、このような合
金組成としたのは、前述の形状記憶効果若しくは超弾性
効果の特性を有し、これを阻害することなく、材料の強
度、製造加工性等の向上をはかるためである。前記各添
加元素の合計量が、0.1at%未満では、その効果が
小さく、また3.0at%を越えると伸線加工時の加工
性を低下させる。従って各元素の置換添加量は、その合
計量を0.1〜3.0at%の範囲とした。
【0020】更に、本発明に用いるNi−Ti系合金
は、前記のNi−Ti合金あるいはV、Cr、Fe、C
o、Alの1種又は2種以上含有するNi−Ti系合金
におけるNiまたは/およびTiの一部をCu、Pd、
Nbのいずれかで且つその量が5〜10at%の範囲で
置換したNi−Ti系合金である。必要に応じて、C
u、Pd、Nbのいずれかを、且つその量が5〜10a
t%の範囲で置換添加するのは、5at%未満では形状
記憶若しくは超弾性特性の改善が不十分であり、また1
0at%を越えると加工性が悪くなり製品化が困難とな
るからである。
【0021】次に、請求項3の発明について説明する。
請求項3の発明は、請求項1の発明の実施態様であり、
前記Ni−Ti系形状記憶合金素線は、予めその表面が
清浄にされている素線を使用するものである。具体的に
は、各素線を酸洗後、不活性雰囲気中で直線記憶処理を
施すか、大気中で直線記憶処理をした後に酸洗し、これ
らの素線を図1に示すように外装材(継目無管)に挿入
して複合体素線を形成し、次に図2に示すように、この
複合体素線の一端をスエージャーにより口付け加工し、
次にこの口付け部より伸線することにより、外装材とN
i−Ti系合金素線若しくは素線同志が密着して外装材
内部の空気が外部に排出される。このようにすると、後
の伸線と焼鈍工程において、内部のNi−Ti系合金線
は、表面が酸化されない。また、短いものでは、図3に
示すように、外装材に前記と同様のNi−Ti系合金素
線を挿入した後、両端を真空封着して複合体素線とし、
これを冷間伸線と焼鈍を繰り返して縮径加工すれば、表
面が酸化されない清浄な細線を得ることができる。
【0022】次に、請求項4の発明について説明する。
請求項4の発明は、請求項1の発明の好ましい実施態様
であり、前記外装材が、軟鋼材若しくはCu−Ni系合
金材からなるものである。本発明に用いる外装材は、上
記に限定されるものではないが、軟鋼材若しくはCu−
Ni系合金材を用いるのが好ましい。この軟鋼材は、適
度の機械的特性と加工性を有する点で、炭素含有量が
0.15〜0.3wt%程度のものが好ましい。炭素含
有量が0.5wt%以上の中炭素鋼では、変形抵抗が大
きすぎて加工が困難になる。また、Cu−Ni系合金材
は、適度の機械的特性と加工性等を有するため、好まし
い。例えば、Cu、Cu−Zn合金は、軟らかすぎた
り、熱処理時の結晶粒粗大化により適合しない。
【0023】外装材は、少量の製造で短い素線を使用す
る場合は、短い軟鋼管を使用するのが便利である。ま
た、長尺の素線を使用する場合は、図4に示すように、
外装材となるテープ材をフォーミング・溶接しながら素
線を供給してもよく、また、図5に示すように、テープ
材をフォーミングしながら、素線を包んでいく方法等、
従来の技術を採用することができる。
【0024】本発明による製造方法は、外装材と直線記
憶処理した複数本のNi−Ti系形状記憶合金素線を組
み合わせて複合体素線とし、これを加工(伸線、焼鈍)
するため、Ni−Ti系形状記憶合金線材を酸化させる
ことなく、多数の細径線材を同時に、且つ容易に得るこ
とができる。また、本発明による製造方法は、焼鈍間の
伸線加工率を従来の単線引きに比べて、20〜30%程
度多く引き落とすことが可能であり、かつ複数本を同時
に製造できるので、安価な細線を製造することができ
る。更に、被覆管等の外装材に、軟鋼材若しくはCu−
Ni系合金材を用いているので、伸線ダイスへの焼き付
き度合いも、Ni−Ti系形状記憶合金の単線引きに比
べ少ないので、伸線工程での断線が皆無となる効果があ
る。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施例(本発明例)につい
て、具体的に説明する。 〔実施例1〕直径1mmのNi51.0at%、残Ti
からなるNi−Ti合金素線を酸洗い後、650℃のア
ルゴンガス中で直線記憶処理を行って超弾性特性を付与
した。この素線の変態点(Af点)は、−10℃であ
る。次に、外径15mm、内径11mm、長さ1000
mmの軟鋼(SS41)製被覆管(外装材)に、この直
線記憶処理した素線96本を、図1に示すように、常温
で、各線が平行になるように挿入して、複合体素線を作
製した。
【0026】次に、図2に示すように、この複合体素線
をの一端をスエージャーで絞り、被覆管とNi−Ti系
合金素線が、完全に密着するまで焼鈍なしで伸線した。
このようにするのは、複合体素線内部の空気を完全に追
い出すことによって、加工(伸線、焼鈍)中のNi−T
i系合金素線の表面酸化を防止するためである。次に、
この複合体素線について、700℃×20分の焼鈍と冷
間伸線を繰り返して、複合体伸線材の外径が0.3mm
になるまで伸線した。複合体伸線材の外径が0.3mm
まで伸線したところの断面の状態を、図5(写真1)に
示す。内部のNi−Ti合金細線は、その断面がほぼ6
角形となっている。次に、前記外径が0.3mmの複合
体伸線材について、520℃×30分間の直線記憶処理
を行った後、被覆管を刃物で除去したところ、内部のN
i−Ti系合金細線は、1本1本を容易に分離すること
ができた。また、そのNi−Ti合金細線のサイズは、
対向辺で20μmとなり、表面酸化も少なく、断面形状
(面積)もほぼ一定で、断線のない良好な細線を製造す
ることができた。
【0027】〔実施例2〕外装材となる被覆管(外径1
5mm、内径11mm、長さ1000mm)としてCu
−Ni系合金、JIS7100(Cu−20wt%Ni
−0.8wt%Fe−0.5wt%Mn合金)を用いた
こと、最後の複合体伸線材の直線記憶処理の熱処理条件
を600℃×30分としたこと以外は、実施例1と全く
同様にNi−Ti合金細線を製造したところ、実施例1
と同様に良好な細線が得られた。
【0028】〔実施例3〕50.0at%Ni−50.
0at%Ti−10at%Cu合金の直径1mmの線を
酸洗い後、炉雰囲気温度650℃、長さ5mの長尺炉中
で、1m/minで走行させながら、走間直線記憶処理
を行った。この線を50本、厚さ0.5mmの軟鋼(S
S41)製のテープ材にくるんで、外径9mm程度の複
合体素線を作った。その断面を図6に示す。この複合体
素線をスエージャーで口付けした後、実施例1と同様
に、外装材とNi−Ti系合金素線が、完全に密着する
まで焼鈍なしで伸線した。次に、この複合体素線につい
て、700℃×20分の焼鈍と冷間伸線を繰り返して、
複合体伸線材の外径が0.8mmになるまで伸線し、続
いて直線状に保持して530℃×5分、走間炉で直線記
憶処理を行った後、外装材を除去して、外径約0.1m
m相当で、表面の良好なの超弾性特性を有する細線、5
0本を製造した。
【0029】この細線の変態点(Af)は80℃であ
り、この細線数本をこれより高い100℃位に暖めつ
つ、不織布に並べてはさみ、接着した。この細線をはさ
んだ不織布を常温で曲げた後、90℃以上のお湯に浸す
と、平らで真っ直ぐな不織布となった。なお、Ni−T
i−Cu合金の代わりに、Ni−Ti−0.3at%C
r合金素線を用いて、本実施例と同様に製造して、表面
の良好なの超弾性特性を有する細線を得た。この細線を
シリコンゴムの間にサンドウイッチして、超弾性シート
を得た。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、Ni−T
i系形状記憶合金の細線が複数本同時に製造できるこ
と、更に複数本同時に記憶処理できることで、形状記憶
特性及び超弾性特性を有するNi−Ti系合金細線を安
価にかつ多量に供給することが可能となり、広範囲な用
途開発が展開できる等工業上顕著な効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】継目無管外装材による複合体素線の断面拡大図
である。
【図2】一端をスエージャー加工で絞った複合体素線の
外観図である。
【図3】両端を真空封着した複合体素線の外観図であ
る。
【図4】フォーミング溶接管外装材による複合体素線の
断面拡大図である。
【図5】フォーミング重ね巻き管外装材による複合体素
線の断面拡大図である。
【図6】金属テープ外装材による複合体素線の断面拡大
図である。
【図7】本発明に係わる複合体伸線材(外径0.3m
m)の断面内部の細線の状態を示す光学顕微鏡写真であ
る。
【符号の説明】
1 Ni−Ti系合金素線 2 金属製外装材 21 継目無管による外装材 22 フォーミング溶接管による外装材 23 フォーミング重ね巻き管による外装材 24 金属テープによる外装材 3 スエージャー加工部 4、4' 封止部 5 溶接部 6 重ね部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C22K 1:00 C22K 1:00 (72)発明者 茂木 久 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−290529(JP,A) 特開 昭63−90315(JP,A) 特開 平8−13068(JP,A) 特開 平1−273609(JP,A) 特開 平4−323353(JP,A) 特開 平4−279212(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 1/00 - 19/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め直線記憶処理が施されたNi−Ti
    系形状記憶合金素線の複数本を、その素線の変態点より
    高い温度の状態に保持しながら、金属製の外装材で被覆
    して複合体素線を形成し、続いてその複合体素線の冷間
    縮径加工と焼鈍を繰り返して細径化して所定の細線サイ
    ズに到達した後、直線記憶処理を施し、しかる後に外装
    材を除去することを特徴とする複数のNi−Ti系形状
    記憶合金細線の同時製造方法。
  2. 【請求項2】 前記Ni−Ti系形状記憶合金素線は、
    Ni49.5〜51.5at%、残TiからなるNi−
    Ti合金、及び前記Ni−Ti合金におけるNiまたは
    /およびTiの一部をV、Cr、Fe、Co、Alの1
    種又は2種以上で、且つその合計量を0.1〜3.0a
    t%の範囲で置換したNi−Ti系合金、若しくは前記
    Ni−Ti合金あるいはNi−Ti系合金におけるNi
    または/およびTiの一部をCu、Pd、Nbのいずれ
    かで且つその量が5〜10at%の範囲で置換したNi
    −Ti系合金からなることを特徴とする請求項1に記載
    の複数のNi−Ti系形状記憶合金細線の同時製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記Ni−Ti系形状記憶合金素線は、
    予めその表面が清浄にされている素線であることを特徴
    とする請求項1及び2に記載の複数のNi−Ti系形状
    記憶合金細線の同時製造方法。
  4. 【請求項4】 前記外装材が、軟鋼材若しくはCu−N
    i系合金材からなることを特徴とする請求項1、2、及
    び3に記載の複数のNi−Ti系形状記憶合金細線の同
    時製造方法。
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