JP3345492B2 - 2,6−ナフタレンビス(メチレンマロン酸ジエステル)誘導体、これを含有する紫外線吸収剤及び化粧料 - Google Patents

2,6−ナフタレンビス(メチレンマロン酸ジエステル)誘導体、これを含有する紫外線吸収剤及び化粧料

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JP3345492B2 JP32759893A JP32759893A JP3345492B2 JP 3345492 B2 JP3345492 B2 JP 3345492B2 JP 32759893 A JP32759893 A JP 32759893A JP 32759893 A JP32759893 A JP 32759893A JP 3345492 B2 JP3345492 B2 JP 3345492B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,6−ナフタレンビ
ス(メチレンマロン酸ジエステル)誘導体、これを含有
する紫外線吸収剤及び化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線は、皮膚科学的には作用波長によ
り、400〜320nmの長波長紫外線(UV−A)、3
20〜290nmの中波長紫外線(UV−B)及び290
nm以下の短波長紫外線(UV−C)に分けることができ
る。これらのうち、オゾン層において吸収され、地上に
はほとんど到達しないUV−Cを除くUV−A及びUV
−Bは、種々の皮膚障害を引き起こすことが知られてい
る。例えば、UV−Aを浴びると直ちに皮膚が黒化され
(即時黒化作用)、そのエネルギーが真皮にまで到達す
ることにより、血管壁や結合組織中の弾性繊維にも変化
を及ぼす。一方、UV−Bを過度に浴びると紅斑や水疱
が生じ、またメラニン形成が亢進され、色素沈着などの
障害をもたらす。更に、UV−A及びUV−Bともに過
度に浴びると、皮膚の老化が促進され、しみ、しわ、そ
ばかすなどの発生原因になり、長期的には皮膚癌の原因
にもなると考えられている。
【0003】このように紫外線がヒトの皮膚に及ぼす影
響が明らかになるにともない、UV−A及びUV−Bを
吸収する化合物(紫外線吸収剤)の開発が行われるよう
になってきている。例えば、UV−Aの吸収剤として
は、ベンゾフェノン、ベンゾイルメタンなどの誘導体を
含むものが知られており、UV−Bの吸収剤としては、
桂皮酸、ベンゾフェノン、p−アミノ安息香酸、サリチ
ル酸などの誘導体を含むものが知られている。しかし、
これらのなかには、(a)UV−A及びUV−Bを可能
な限り吸収すること、(b)光や熱に対して安定である
こと、(c)皮膚に対する毒性、刺激性、その他の有害
作用がないこと、(d)効果が持続すること、(e)化
粧品基剤との相溶性に優れていることなどの紫外線吸収
剤として要求される各性質をすべて満足するものはな
い。従来の紫外線吸収剤はこれらの性質の中でも特に光
(紫外線)に対する安定性が不十分であり、紫外線によ
る分解や反応が起こることが知られている[例えば、I
nt.J.CosmeticScience,10,5
3(1988)参照]。このような紫外線吸収剤の分解
は、効果の持続の低下を招くのみならず、分解物自体又
は分解物と配合物との反応による生成物が皮膚に与える
影響も無視できない[フレグランス ジャーナル,8
4,32(1987)]。更に、従来の紫外線吸収剤
は、UV−A及びUV−Bのなかで吸収を示さない波長
領域がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、紫外線吸収剤に要求される上記(a)〜
(e)の条件、特に従来不十分であった光に対する安定
性が優れ、更に広い波長領域にわたり優れた紫外線吸収
作用を示すナフタレン誘導体を提供することを目的と
し、更にこれを含有する紫外線吸収剤及び化粧料を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは種
々のナフタレン骨格を有する化合物を合成し、その紫外
線吸収作用、光安定性などについて検討してきたとこ
ろ、後記式(1)で表される2,6−ナフタレンビス
(メチレンマロン酸ジエステル)誘導体が優れた紫外線
吸収作用を有し、かつ光に対する安定性も良好であり、
化粧料等に使用できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0006】すなわち、本発明は、次式(1);
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1及びR2はそれぞれ炭化水素基
を示す)で表される2,6−ナフタレンビス(メチレン
マロン酸ジエステル)誘導体に係るものである。
【0009】また、本発明は、上記式(1)で表される
2,6−ナフタレンビス(メチレンマロン酸ジエステ
ル)誘導体を含有する紫外線吸収剤及び化粧料に係るも
のである。
【0010】式(1)中のR1及びR2で示される炭化水
素基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−
ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オ
クチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラ
デシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基な
どの直鎖アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、
t−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−メチ
ルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシル
エチル基、2−エチルヘキシル基、3,3,5−トリメ
チルヘキシル基、2−ヘキシルウンデシル基、5,7,
7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチ
ル)ヘキシル基などの分岐鎖アルキル基;シクロヘキシ
ル基などの環状アルキル基;アリル基、3−ブテニル
基、10−ウンデセニル基などの直鎖アルケニル基、1
−メチル−2−プロペニル、3−メチル−3−ブテニル
基などの分岐鎖アルケニル基;ベンジル基などのアルア
ルキル基などを挙げることができる。これらのなかで
も、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、特に炭素
数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。
なお、R1及びR2が同一の基である場合が好ましい。
【0011】次に、式(1)で表される2,6−ナフタ
レンビス(メチレンマロン酸ジエステル)誘導体の製造
方法を説明する。2,6−ナフタレンビス(メチレンマ
ロン酸ジエステル)誘導体は、2,6−ナフタレンジア
ルデヒド(2)とマロン酸ジエステル(3)を、無溶媒
又は溶媒中、触媒の存在下で縮合(Knoevenagel 縮合)
させることにより得ることができる(下記反応式参
照)。
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R1及びR2の意味は上記と同じで
ある) この反応で用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
アルコール類などを挙げることができる。触媒として
は、ピペリジン、ピリジンなどのアミン、酢酸、安息香
酸、塩化亜鉛、四塩化チタンなどの酸、酢酸ナトリウ
ム、酢酸アンモニウムなどのカルボン酸塩、無水酢酸な
どの酸無水物などを挙げることができ、これらは適宜組
み合わせて用いることができる。この反応は加熱し、か
つ反応により生じた水を除去しながら行うことが好まし
い。
【0014】本発明の紫外線吸収剤は、式(1)で表さ
れる2,6−ナフタレンビス(メチレンマロン酸ジエス
テル)誘導体のみで構成することもできるが、それを適
当な担体に担持させた形態のものが好ましい。この担体
は式(1)で表される2,6−ナフタレンビス(メチレ
ンマロン酸ジエステル)誘導体に対して不活性なのもで
あれば特に制限されず、固体、液体、乳状体、泡状体、
ゲルなどのいずれの形態のものでもよい。このような担
体としては、水、アルコール、油脂(炭化水素オイル、
脂肪酸エステル、高級アルコール、シリコーンオイルな
ど)、澱粉、タルクなどの微粉末、エアゾール噴射剤と
して使用される低沸点炭化水素又はハロゲン化炭化水素
などを挙げることができる。
【0015】また、本発明の紫外線吸収剤には、他の紫
外線吸収剤を配合することもできる。この他の紫外線吸
収剤としては、p−メチルベンジリデン−D,L−ショ
ウノウ又はそのスルホン酸ナトリウム塩、2−フェニル
ベンズイミダソール−5−スルホン酸ナトリウム塩、
3,4−ジメチルフェニルグリオキシル酸ナトリウム
塩、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾ
フェノン−2’−カルボン酸イソオクチルエステル、4
−メトキシ桂皮酸エステル、2−フェニル−5−メチル
ベンズオキサゾール、4−ジメチルアミノ安息香酸エス
テル、4−メトキシ−2’−カルボキシジベンゾイルメ
タン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメ
タン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、1−
(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−
1,3−ペンタンジオン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン又はジベンジリデンカンファー類など
を挙げることができる。更に、本発明の紫外線吸収剤に
は、必要に応じて他の成分、例えば、防腐剤、香料、着
色料、界面活性剤を配合することができる。
【0016】本発明の化粧料は、式(1)で表される
2,6−ナフタレンビス(メチレンマロン酸ジエステ
ル)誘導体を公知の化粧料基剤、各種配合成分とともに
配合することにより得ることができる。化粧料の剤型は
特に制限されるものではなく、クリーム、化粧水、溶
液、油剤、スプレー、スティック、乳液、ファンデーシ
ョン、軟膏などの所望の剤型にすることができる。
【0017】公知の化粧料基剤としては、固体状又は液
状パラフィン、クリスタルオイル、セレシン、オゾケラ
イト又はモンタンロウなどの炭化水素類;オリーブ、地
ロウ、カルナウバロウ、ラノリン又は鯨ロウなどの植物
もしくは動物性油脂及びロウ;ステアリン酸、パルミチ
ン酸、オレイン酸、グリセリンモノステアリン酸エステ
ル、グリセリンジステアリン酸エステル、グルセリンモ
ノオレイン酸エステル、イソプロピルミリスチン酸エス
テル、イソプロピルステアリン酸エステル又はブチルス
テアリン酸エステルなどの脂肪酸及びそれらのエステル
類;メチルポリシロキサン、メチルポリシクロシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、シリコーンポリエ
ーテルコポリマーなどのシリコーン類;エタノール、イ
ソプロピルアルコール、セチルアルコール、ステアリル
アルコール、パルミチルアルコール又はヘキシルドデシ
ルアルコールなどのアルコール類;グリコール、グリセ
リン又はソルビトールなどの保湿作用を有する多価アル
コール類などを挙げることができる。
【0018】また、基剤としては、マイカ、タルク、セ
リサイト、カオリン、ナイロンパウダー、ポリメチルシ
ルセスキオキサン、硫酸バリウムなどの体質顔料;赤色
202号、226号、黄色4号、アルミニウムレーキな
どの有機顔料;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄などの紫
外線散乱剤などを用いることができる。これらのうち酸
化チタン、酸化亜鉛としては、粒子径が100nm以下の
微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、特開平1−175
921号公報特許請求の範囲の欄に記載の薄片状酸化亜
鉛を用いることができる。また、これらの体質顔料、有
機顔料、紫外線散乱剤は、公知の方法でメチルハイドロ
ジェンポリシロキサンなどのシリコーン、パーフルオロ
アルキルリン酸エステル、金属石鹸、N−アシルグルタ
ル酸、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナなどで表面
処理したものを用いることもできる。
【0019】更に本発明の化粧料には、上記した公知の
紫外線吸収剤、W/O又はO/W型乳化剤、各種シリコ
ーンオイル、シリコーンオイルを乳化させるためのポリ
エーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル変性
シリコーン、グリセリルエーテル変性シリコーン、更に
メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリアクリル酸、トラガント、寒天、ゼ
ラチンなどの増粘剤、香料、防腐剤、保湿剤、乳化安定
剤、各種薬効成分、生理的に許容できる着色剤などを配
合することもできる。
【0020】化粧料中における式(1)で表される2,
6−ナフタレンビス(メチレンマロン酸ジエステル)誘
導体の含有割合は化粧料の種類に応じて適宜決定するこ
とができるが、一般には0.1〜20重量%が好まし
く、0.5〜10重量%が特に好ましい。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらにより制限されるものではな
い。
【0022】実施例1 下記に示す方法により、次式;
【0023】
【化4】
【0024】で表される2,6−ナフタレンビス(メチ
レンマロン酸ジエチル)を製造した。まず、300mlの
二口フラスコに2,6−ナフタレンジアルデヒド35
0.0mg(1.90mmol)を入れ、これをベンゼン17
0mlにより溶解させた。次に、マロン酸ジエチル91
3.0mg(5.70mmol),ピペリジン47μl(0.
48mmol)及び酢酸16μl(0.29mmol)を加え、
Dean Starkにより生成する水を共沸脱水しな
がら、攪拌下で40時間加熱還流した。冷却後、反応混
合物を水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を留去して黄色結晶を得た。この結晶を
酢酸エチルを用いて再結晶し、淡黄色結晶である標記化
合物533.8mg(収率60%)を得た。 融点:133.0℃ IR(νKBr,cm-1):1730、1720、163
0、1400、1385、1335、1260、121
5、1165、1140、1065、10251 H−NMR(CDCl3 ,δppm):1.30(6
H,t,J=7.1Hz)、1.36(6H,t,J=
7.1Hz)、4.32(4H,q,J=7.1H
z)、4.37(4H,q,J=7.1Hz)、7.5
5(2H,dd,J=8.5,1.3Hz)、7.87
(2H,d,J=8.5Hz)、7.88(2H,
s)、7.94(2H,br.s)
【0025】実施例2 下記に示す方法により、次式;
【0026】
【化5】
【0027】で表される2,6−ナフタレンビス[メチ
レンマロン酸ジ(2−エチルヘキシル)]を製造した。
まず、200mlの二口フラスコに2,6−ナフタレンジ
アルデヒド511.0mg(2.77mmol)を入れ、これ
をベンゼン110mlにより溶解させた。次に、マロン酸
ジ(2−エチルヘキシル)2.00g(6.10mmo
l),ピペリジン0.11ml(1.11mmol)及び酢酸
38μl(0.66mmol)を加え、DeanStark
により生成する水を共沸脱水しながら、攪拌下で76時
間加熱還流した。冷却後、反応混合物を水で3回洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去
して茶色の油状物を得た。この油状物をヘキサン−酢酸
エチル(50:1〜20:1)を展開溶媒として用いて
シルカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡
黄色油状物である標記化合物949.3mg(収率34
%)を得た。 IR(νneat,cm-1):3565、2935、172
5、1630、1465、1380、1340、125
5、1230、1135、1065、945、815、
7651 H−NMR(CDCl3 ,δppm):0.80(1
2H,t,J=7.2Hz)、0.85−1.05(1
2H,m)、1.05−1.50(32H,m)、1.
50−1.80(4H,m)、4.10−4.30(8
H,m)、7.54(2H,dd,J=1.1,8.6
Hz)、7.81(2H,d,J=8.6)、7.86
(2H,s)、7.92(2H,br.s)
【0028】試験例1 実施例1及び2で得られた各2,6−ナフタレンビス
(メチレンマロン酸ジエステル)誘導体からなる紫外線
吸収剤と、公知の紫外線吸収剤である2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン(比較例1)及び4−メト
キシ桂皮酸2−エチルヘキシル(比較例2)を用い、下
記の方法により紫外線吸収効果(吸光度)を測定した。
結果を表1に示す。 (測定方法)各紫外線吸収剤をエタノール(99.5%
試薬特級)に溶解して、2.5×10-5mol /l濃度の
溶液を調製し、これを石英セル(1×1cm)に入れたの
ち、自記分光光度計(日立社製U−3410型)により
吸光度を測定した。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなとおり、本発明の化合物
からなる紫外線吸収剤は、比較例1及び2と比べても同
等又はそれ以上の吸収効果を示した。また、比較例1及
び2と比べると、広い波長領域において吸収効果を示し
た。
【0031】試験例2 実施例1及び2で得られた各2,6−ナフタレンビス
(メチレンマロン酸ジエステル)誘導体からなる紫外線
吸収剤と、公知の紫外線吸収剤である4−メトキシ桂皮
酸2−エチルヘキシル(比較例2)及び4−ジメチルア
ミノ安息香酸2−エチルヘキシル(比較例3)を用い、
下記の方法により光に対する安定性をを測定した。結果
を表2に示す。 (測定方法)各紫外線吸収剤をエタノール(99.5%
試薬特級)に溶解して、1.0×10-4mol /l濃度の
溶液を調製し、これを石英セル(1×1cm)に入れたの
ち、自記分光光度計(日立社製U−3410型)により
吸光度を測定した。次に、この石英セルに入れた各溶液
に、キセノン耐光試験機(Heraeus 社製;SUNTEST CPS
型)を用いて2時間又は6時間、夏期の太陽光に近似し
た波長及び強度の光を照射後、再び前記と同様にして吸
光度を測定した。これらの吸光度の値から、紫外線吸収
効果の残存率を求め、光安定性を評価した。なお、残存
率は、光照射後のλmax における吸光度の値を光照射前
のλmax における吸光度の値で除したものの百分率であ
る。
【0032】
【表2】
【0033】表2から明らかなとおり、本発明の紫外線
吸収剤は比較例の紫外線吸収剤に比べて、2時間又は6
時間の光照射後においても高い紫外線吸収効果を維持し
ており、また時間の経過による吸収効果の低下も非常に
小さかった。
【0034】実施例3 常法により、下記組成のパウダーファンデーションを製
造した。
【0035】
【表3】 (組成) (配合割合;重量%) マイカ 残量 タルク 20 酸化チタン 10 ベンガラ 1 黄酸化鉄 2 黒酸化鉄 1 流動パラフィン 10 ミツロウ 2 防腐剤 適量 実施例1の化合物 5香料 適量 計 100
【0036】実施例4 常法により、下記組成のクリーム状ファンデーションを
製造した。
【0037】
【表4】 (組成) (配合割合;重量%) ステアリン酸 5 親油型モノステアリン酸グリセリン 3 セトステアリルアルコール 1 モノラウリン酸プロピレングリコール 3 スクワラン 7 オリーブ油 8 精製水 残量 防腐剤 適量 トリエタノールアミン 1.2 ソルビット 3 酸化チタン 10 タルク 5 着色顔料 適量 実施例2の化合物 7香料 適量 計 100
【0038】実施例5 常法により、下記組成の油性ファンデーションを製造し
た。
【0039】
【表5】 (組成) (配合割合;重量%) 別途製造した本発明の化合物 2,6-ナフタレンビス [メチレンマロン酸ジ(3-メチル-3- ブテニル)] 5 タルク 残量 カオリン 12 酸化チタン 13 ベンガラ 1.5 黄酸化鉄 20 黒酸化鉄 0.5 流動パラフィン 15 パルミチン酸イソプロピル 10 ラノリンアルコール 3 ミクロクリスタリンワックス 7 オゾケライト 8 防腐剤 適量香料 適量 計 100
【0040】実施例6 常法により、下記組成のO/W型クリームを製造した。
【0041】
【表6】 (組成) (配合割合;重量%) ミツロウ 6 セチルアルコール 5 水添ラノリン 7 スクワラン 33 脂肪酸グリセリン 3.5 親油型モノステアリン酸グリセリン 2 ポリオキシエチレン(EO 20 )ソルビタン モノラウリン酸エステル 2 別途製造した本発明の化合物 2,6-ナフタレンビス [メチレンマロン酸ジ(3,5,5-トリメチルヘキシル)] 6 香料 微量 防腐剤 適量 酸化防止剤 適量精製水 残量 計 100
【0042】実施例7 常法により、下記組成のW/O型クリームを製造した。
【0043】
【表7】 (組成) (配合割合;重量%) 別途製造した本発明の化合物 2,6-ナフタレンビス [メチレンマロン酸ジ(2-ヘキシルデシル)] 5 4−メトキシ桂皮酸2−エチルへキシル 3 シリコーン処理酸化チタン 0.5 ジメチルポリシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン) シロキサン共重合体 3 メチルポリシロキサン 10 メチルポリシクロポリシロキサン 10 スクワラン 5 硫酸マグネシウム 0.7 グリセリン 7 香料 微量 防腐剤 適量 酸化防止剤 適量精製水 残量 計 100
【0044】実施例8 常法により、下記組成のW/O型クリームを製造した。
【0045】
【表8】 (組成) (配合割合;重量%) 実施例2の化合物 4 シリコーン処理薄片状酸化亜鉛 2 4−メトキシ桂皮酸2−エチルへキシル 4 ジメチルポリシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン) シロキサン共重合体 3 メチルポリシロキサン 10 メチルポリシクロポリシロキサン 10 スクワラン 4 硫酸マグネシウム 0.5 グリセリン 7 香料 微量 防腐剤 適量 酸化防止剤 適量精製水 残量 計 100
【0046】実施例9 常法により、下記組成のO/W型乳液を製造した。
【0047】
【表9】 (組成) (配合割合;重量%) 実施例2の化合物 4 シリコーン処理酸化チタン 1 4−メトキシ桂皮酸2−エチルへキシル 4 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8 ポリオキシエチレン(EO 20 )オレイルエーテル 1.2 スクワラン 5 ワセリン 2 ミツロウ 0.5 シリコーン処理タルク 5 プロピレングリコール 5 エタノール 5 カルボキシビニルポリマー10%水溶液 20 水酸化カリウム 0.1精製水 残量 計 100
【0048】実施例10 常法により、下記組成のO/W型クリームを製造した。
【0049】
【表10】 (組成) (配合割合;重量%) 別途製造した本発明の化合物 2,6-ナフタレンビス (メチレンマロン酸ジアリル) 5 4−メトキシ桂皮酸2−エチルへキシル 2 シリコーン処理酸化チタン 1 親油型モノオレイン酸グリセリン 2 ポリオキシエチレン(EO 20 )ソルビタン モノラウリン酸エステル 1 スクワラン 10 シリコーン処理タルク 5 グリセリン 5 防腐剤 適量 香料 適量 酸化防止剤 適量精製水 残量 計 100
【0050】
【発明の効果】本発明の2,6−ナフタレンビス(メチ
レンマロン酸ジエステル)誘導体は、UV−A及びUV
−Bのほぼ全波長領域にわたって優れた紫外線吸収効果
を有しており、光に対しても安定で、ヒトが日常的に浴
びる量の太陽光によってはほとんど分解しない。このた
め、分解生成物等による皮膚への影響もほとんどない。
また、毒性、刺激性などの問題もなく、他の化粧品基剤
との相溶性もよい。よって、本発明の2,6−ナフタレ
ンビス(メチレンマロン酸ジエステル)誘導体を含有す
る紫外線吸収剤及び化粧料は、いずれも使用感がよく、
持続時間の長い優れた紫外線吸収作用を発揮することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芋川 玄爾 栃木県宇都宮市氷室町1022−89 (56)参考文献 特開 昭48−54042(JP,A) 米国特許4726942(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/618 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(1); 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ炭化水素基を示す)で表
    される2,6−ナフタレンビス(メチレンマロン酸ジエ
    ステル)誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の式(1)で表される2,
    6−ナフタレンビス(メチレンマロン酸ジエステル)誘
    導体を含有する紫外線吸収剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の式(1)で表される2,
    6−ナフタレンビス(メチレンマロン酸ジエステル)誘
    導体を含有する化粧料。
JP32759893A 1993-12-24 1993-12-24 2,6−ナフタレンビス(メチレンマロン酸ジエステル)誘導体、これを含有する紫外線吸収剤及び化粧料 Expired - Fee Related JP3345492B2 (ja)

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US08/363,247 US5508025A (en) 1993-12-24 1994-12-23 Naphthalenemethylenemalonic diesters, and UV absorbers and cosmetic compositions containing the diesters
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