JPH07330743A - O−ベンザルマロネート置換基を有するs−トリアジン誘導体及びその製造法並びにこれを含有する紫外線吸収剤及び化粧料 - Google Patents
O−ベンザルマロネート置換基を有するs−トリアジン誘導体及びその製造法並びにこれを含有する紫外線吸収剤及び化粧料Info
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- JPH07330743A JPH07330743A JP12874294A JP12874294A JPH07330743A JP H07330743 A JPH07330743 A JP H07330743A JP 12874294 A JP12874294 A JP 12874294A JP 12874294 A JP12874294 A JP 12874294A JP H07330743 A JPH07330743 A JP H07330743A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 次の一般式(1)
【化1】
〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なっていてもよい炭
化水素基を示す〕で表わされるs−トリアジン誘導体、
その製造法、これを含む紫外線吸収剤及び化粧料。 【効果】 広い波長領域の紫外線を吸収し、光に安定で
ある。
化水素基を示す〕で表わされるs−トリアジン誘導体、
その製造法、これを含む紫外線吸収剤及び化粧料。 【効果】 広い波長領域の紫外線を吸収し、光に安定で
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、UV−A及びUV−B
のほぼ全波長領域にわたって優れた紫外線吸収作用を有
し、かつ安定性及び光安定性に優れ、かつ化粧料原料と
して有用な新規なO−ベンザルマロネート置換基を有す
るs−トリアジン誘導体及びその製造方法、並びにこれ
を含有する紫外線吸収剤及び化粧料に関する。
のほぼ全波長領域にわたって優れた紫外線吸収作用を有
し、かつ安定性及び光安定性に優れ、かつ化粧料原料と
して有用な新規なO−ベンザルマロネート置換基を有す
るs−トリアジン誘導体及びその製造方法、並びにこれ
を含有する紫外線吸収剤及び化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層の破壊による紫外線強化
及び皮膚科学の発達により、紫外線の皮膚への影響が危
惧されている。
及び皮膚科学の発達により、紫外線の皮膚への影響が危
惧されている。
【0003】紫外線は、皮膚科学的には作用波長によ
り、400〜320nmの長波長紫外線(UV−A)、3
20〜290nmの中波長紫外線(UV−B)及び290
nm以下の短波長紫外線(UV−C)に分けることができ
る。これらのうち、オゾン層において吸収され、地上に
はほとんど到達しないUV−Cを除くUV−A及びUV
−Bは、種々の皮膚障害を引き起こすことが知られてい
る。例えば、UV−Aを浴びると直ちに皮膚が黒化され
(即時黒化作用)、そのエネルギーが真皮にまで到達す
ることにより、血管壁や結合組織中の弾性繊維にも変化
を及ぼす。一方、UV−Bを過度に浴びると紅斑や水疱
が生じ、またメラニン形成が亢進され、色素沈着などの
障害をもたらす。更に、UV−A及びUV−Bともに過
度に浴びると、皮膚の老化が促進され、しみ、しわ、そ
ばかすなどの発生原因になり、長期的には皮膚癌の原因
ともなると考えられている。
り、400〜320nmの長波長紫外線(UV−A)、3
20〜290nmの中波長紫外線(UV−B)及び290
nm以下の短波長紫外線(UV−C)に分けることができ
る。これらのうち、オゾン層において吸収され、地上に
はほとんど到達しないUV−Cを除くUV−A及びUV
−Bは、種々の皮膚障害を引き起こすことが知られてい
る。例えば、UV−Aを浴びると直ちに皮膚が黒化され
(即時黒化作用)、そのエネルギーが真皮にまで到達す
ることにより、血管壁や結合組織中の弾性繊維にも変化
を及ぼす。一方、UV−Bを過度に浴びると紅斑や水疱
が生じ、またメラニン形成が亢進され、色素沈着などの
障害をもたらす。更に、UV−A及びUV−Bともに過
度に浴びると、皮膚の老化が促進され、しみ、しわ、そ
ばかすなどの発生原因になり、長期的には皮膚癌の原因
ともなると考えられている。
【0004】また、紫外線は毛髪に対しても褪色、きめ
の変化、水の吸収の減少、弾力の喪失及びケラチン構造
の変化などのダメージを与えることが知られている。
の変化、水の吸収の減少、弾力の喪失及びケラチン構造
の変化などのダメージを与えることが知られている。
【0005】このように紫外線がヒトの皮膚・毛髪に及
ぼす影響が明らかになるにともない、これを防ぐために
UV−A及びUV−Bを吸収する化合物(紫外線吸収
剤)の開発が行われるようになってきている。例えば、
UV−Aの吸収剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイ
ルメタンなどの誘導体を含むものが知られており、UV
−Bの吸収剤としては、桂皮酸、ベンゾフェノン、4−
アミノ安息香酸、サリチル酸などの誘導体を含むものが
知られている。
ぼす影響が明らかになるにともない、これを防ぐために
UV−A及びUV−Bを吸収する化合物(紫外線吸収
剤)の開発が行われるようになってきている。例えば、
UV−Aの吸収剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイ
ルメタンなどの誘導体を含むものが知られており、UV
−Bの吸収剤としては、桂皮酸、ベンゾフェノン、4−
アミノ安息香酸、サリチル酸などの誘導体を含むものが
知られている。
【0006】しかし、これらは、(a)UV−A及びU
V−Bを可能な限り吸収すること、(b)光や熱に対し
て安定であること、(c)皮膚に対する毒性、刺激性、
その他の有害作用がないこと、(d)効果が持続するこ
と、(e)化粧品基剤との相溶性に優れていることなど
の皮膚及び毛髪を保護する紫外線吸収剤として要求され
る各性質をすべて満足するものはない。従来の紫外線吸
収剤はこれらの性質の中でも特に光(紫外線)に対する
安定性が不十分であり、紫外線による分解や反応が起こ
ることが知られている〔例えば、Int.J.Cosm
etic Science,10,53(1988)参
照〕。このような紫外線吸収剤の分解は、効果の持続の
低下を招くのみならず、分解物自体又は分解物と配合物
との反応による生成物が皮膚に与える影響も無視できな
い〔フレグランス ジャーナル,84,32(198
7)〕。
V−Bを可能な限り吸収すること、(b)光や熱に対し
て安定であること、(c)皮膚に対する毒性、刺激性、
その他の有害作用がないこと、(d)効果が持続するこ
と、(e)化粧品基剤との相溶性に優れていることなど
の皮膚及び毛髪を保護する紫外線吸収剤として要求され
る各性質をすべて満足するものはない。従来の紫外線吸
収剤はこれらの性質の中でも特に光(紫外線)に対する
安定性が不十分であり、紫外線による分解や反応が起こ
ることが知られている〔例えば、Int.J.Cosm
etic Science,10,53(1988)参
照〕。このような紫外線吸収剤の分解は、効果の持続の
低下を招くのみならず、分解物自体又は分解物と配合物
との反応による生成物が皮膚に与える影響も無視できな
い〔フレグランス ジャーナル,84,32(198
7)〕。
【0007】一方、紫外線吸収剤として使用できるs−
トリアジン誘導体として、4−アミノベンゾエート置換
基を有するs−トリアジン誘導体が特開昭58−157
774号公報に、4−アミノ桂皮酸置換基を有するs−
トリアジン誘導体が特開平5−78334号公報に、ア
ミノベンザルマロネート及びアミノベンジリデンカンフ
ァー置換基を有するs−トリアジン誘導体が特開平5−
230040号公報及び特開平5−230041号公報
に提案されている。しかし、これらに記載の化合物は、
前記の紫外線吸収剤に要求される上記(a)〜(e)の
条件を全て満足しているとはいえず、UV−Bあるいは
UV−Aの限られた波長領域の紫外線しか吸収しない、
化粧品基剤との相溶性に欠ける、アミノベンゾエート置
換基及びアミノ桂皮酸置換基は光安定性が不十分である
〔例えば、Photochem.Photobio
l.,36,395(1982)、Int.J.Cos
metic Science,10,53(198
8)、フレグランス ジャーナル,84,32(198
7)参照〕といった欠点を有し、更にいずれの化合物も
アミノ基を有しており、その塩基性及びアミノ基上の活
性な水素原子の存在により安定性に欠けるとともに処方
が制限されるという種々の問題がある。
トリアジン誘導体として、4−アミノベンゾエート置換
基を有するs−トリアジン誘導体が特開昭58−157
774号公報に、4−アミノ桂皮酸置換基を有するs−
トリアジン誘導体が特開平5−78334号公報に、ア
ミノベンザルマロネート及びアミノベンジリデンカンフ
ァー置換基を有するs−トリアジン誘導体が特開平5−
230040号公報及び特開平5−230041号公報
に提案されている。しかし、これらに記載の化合物は、
前記の紫外線吸収剤に要求される上記(a)〜(e)の
条件を全て満足しているとはいえず、UV−Bあるいは
UV−Aの限られた波長領域の紫外線しか吸収しない、
化粧品基剤との相溶性に欠ける、アミノベンゾエート置
換基及びアミノ桂皮酸置換基は光安定性が不十分である
〔例えば、Photochem.Photobio
l.,36,395(1982)、Int.J.Cos
metic Science,10,53(198
8)、フレグランス ジャーナル,84,32(198
7)参照〕といった欠点を有し、更にいずれの化合物も
アミノ基を有しており、その塩基性及びアミノ基上の活
性な水素原子の存在により安定性に欠けるとともに処方
が制限されるという種々の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、紫
外線吸収剤に要求される上記(a)〜(e)の条件、特
に従来不十分だったUV−AからUV−Bにわたる広い
波長領域での吸収作用、安定性及び光安定性に優れてい
る新規なO−ベンザルマロネート置換基を有するs−ト
リアジン誘導体を提供することを目的とし、更にこれを
含有する紫外線吸収剤及び化粧料を提供することを目的
とする。
外線吸収剤に要求される上記(a)〜(e)の条件、特
に従来不十分だったUV−AからUV−Bにわたる広い
波長領域での吸収作用、安定性及び光安定性に優れてい
る新規なO−ベンザルマロネート置換基を有するs−ト
リアジン誘導体を提供することを目的とし、更にこれを
含有する紫外線吸収剤及び化粧料を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる実情
に鑑み鋭意検討した結果、後記一般式(1)で表わされ
る新規なO−ベンザルマロネート置換基を有するs−ト
リアジン誘導体が、UV−AからUV−Bにわたる広い
波長領域で優れた紫外線吸収作用を示すとともに、安定
性及び光安定性に優れ、かつ油溶性も良好であり、化粧
料等に使用でき、これを含有する紫外線吸収剤及び化粧
料は持続時間の長い優れた紫外線防御作用を発揮できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
に鑑み鋭意検討した結果、後記一般式(1)で表わされ
る新規なO−ベンザルマロネート置換基を有するs−ト
リアジン誘導体が、UV−AからUV−Bにわたる広い
波長領域で優れた紫外線吸収作用を示すとともに、安定
性及び光安定性に優れ、かつ油溶性も良好であり、化粧
料等に使用でき、これを含有する紫外線吸収剤及び化粧
料は持続時間の長い優れた紫外線防御作用を発揮できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、次の一般式(1)
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
いてもよい炭化水素基を示す〕で表わされるs−トリア
ジン誘導体及びその製造法、並びにこれを含有する紫外
線吸収剤及び化粧料を提供するものである。
いてもよい炭化水素基を示す〕で表わされるs−トリア
ジン誘導体及びその製造法、並びにこれを含有する紫外
線吸収剤及び化粧料を提供するものである。
【0013】本発明のs−トリアジン誘導体は、一般式
(1)で表わされるものであるが、式中、R1 及びR2
で示される炭化水素基としては、炭素数1〜20のもの
が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘ
プチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシ
ル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−
オクタデシル基などの直鎖アルキル基;イソプロピル
基、イソブチル基、t−ブチル基、2,2−ジメチルプ
ロピル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル
基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル
基、2−エチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘ
キシル基、2−プロピルヘプチル基、3,7−ジメチル
オクチル基、2−ヘキシルウンデシル基、5,7,7−
トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)ヘ
キシル基などの分岐鎖アルキル基;シクロヘキシル基な
どの環状アルキル基;アリル基、3−ブテニル基、10
−ウンデセニル基などの直鎖アルケニル基、1−メチル
−2−プロペニル、3−メチル−3−ブテニル基などの
分岐鎖アルケニル基;ベンジル基などのアルアルキル基
などを挙げることができる。これらのなかでも、直鎖又
は分岐鎖のアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜12
の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。なお、R1
及びR2 は同一でも異なっていてもよいが、入手の容易
さから同一である場合が好ましい。
(1)で表わされるものであるが、式中、R1 及びR2
で示される炭化水素基としては、炭素数1〜20のもの
が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘ
プチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシ
ル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−
オクタデシル基などの直鎖アルキル基;イソプロピル
基、イソブチル基、t−ブチル基、2,2−ジメチルプ
ロピル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル
基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル
基、2−エチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘ
キシル基、2−プロピルヘプチル基、3,7−ジメチル
オクチル基、2−ヘキシルウンデシル基、5,7,7−
トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)ヘ
キシル基などの分岐鎖アルキル基;シクロヘキシル基な
どの環状アルキル基;アリル基、3−ブテニル基、10
−ウンデセニル基などの直鎖アルケニル基、1−メチル
−2−プロペニル、3−メチル−3−ブテニル基などの
分岐鎖アルケニル基;ベンジル基などのアルアルキル基
などを挙げることができる。これらのなかでも、直鎖又
は分岐鎖のアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜12
の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。なお、R1
及びR2 は同一でも異なっていてもよいが、入手の容易
さから同一である場合が好ましい。
【0014】本発明のベンザルマロネート誘導体(1)
は、例えば次の反応式に従って製造することができる。
は、例えば次の反応式に従って製造することができる。
【0015】
【化5】
【0016】〔式中、R1 及びR2 は前記と同じものを
示す〕 すなわち、上記式(2)で表わされる2,4,6−トリ
(4−ホルミルフェノキシ)−s−トリアジンと一般式
(3)で表わされるマロネート誘導体を反応せしめれば
目的とするs−トリアジン誘導体(1)が得られる。
示す〕 すなわち、上記式(2)で表わされる2,4,6−トリ
(4−ホルミルフェノキシ)−s−トリアジンと一般式
(3)で表わされるマロネート誘導体を反応せしめれば
目的とするs−トリアジン誘導体(1)が得られる。
【0017】この反応において、式(2)で表わされる
2,4,6−トリ(4−ホルミルフェノキシ)−s−ト
リアジンは公知の方法で製造することができ、〔Re
c.trav.chim.,78,375(195
9)〕、塩化シアヌールと4−ヒドロキシベンズアルデ
ヒドを、好ましくは1:3〜1:4のモル比で、4−ヒ
ドロキシベンズアルデヒドと等モル量のアルカリ金属水
酸化物などの塩基の存在下、反応させることにより製造
することができる。
2,4,6−トリ(4−ホルミルフェノキシ)−s−ト
リアジンは公知の方法で製造することができ、〔Re
c.trav.chim.,78,375(195
9)〕、塩化シアヌールと4−ヒドロキシベンズアルデ
ヒドを、好ましくは1:3〜1:4のモル比で、4−ヒ
ドロキシベンズアルデヒドと等モル量のアルカリ金属水
酸化物などの塩基の存在下、反応させることにより製造
することができる。
【0018】一方、一般式(3)で表わされるマロネー
ト誘導体はマロン酸とアルコール(ROH、Rは前記と
同じものを示す)を、酸触媒を用いた通常のエステル化
の条件で反応させることにより得ることができ、アルコ
ールの種類を変えることにより種々のマロネート誘導体
(3)、更に本発明のs−トリアジン誘導体(1)を製
造することができる。
ト誘導体はマロン酸とアルコール(ROH、Rは前記と
同じものを示す)を、酸触媒を用いた通常のエステル化
の条件で反応させることにより得ることができ、アルコ
ールの種類を変えることにより種々のマロネート誘導体
(3)、更に本発明のs−トリアジン誘導体(1)を製
造することができる。
【0019】s−トリアジン誘導体(1)は、上記反応
式に従い無溶媒又は溶媒中、触媒の存在下で縮合(Kn
oevenagel縮合)させることにより得ることが
できる。2,4,6−トリ(4−ホルミルフェノキシ)
−s−トリアジンと一般式(3)で表わされるマロネー
ト誘導体の使用割合は特に限定されないが、2,4,6
−トリ(4−ホルミルフェノキシ)−s−トリアジン1
モルに対してマロネート誘導体(3)3モルが反応して
一般式(1)で示される目的化合物が得られるので、収
率及び経済上の有利さからマロネート誘導体(3)を約
3倍モル量使用するのが好ましい。
式に従い無溶媒又は溶媒中、触媒の存在下で縮合(Kn
oevenagel縮合)させることにより得ることが
できる。2,4,6−トリ(4−ホルミルフェノキシ)
−s−トリアジンと一般式(3)で表わされるマロネー
ト誘導体の使用割合は特に限定されないが、2,4,6
−トリ(4−ホルミルフェノキシ)−s−トリアジン1
モルに対してマロネート誘導体(3)3モルが反応して
一般式(1)で示される目的化合物が得られるので、収
率及び経済上の有利さからマロネート誘導体(3)を約
3倍モル量使用するのが好ましい。
【0020】この反応で用いる溶媒としては、反応を阻
害しないものであれば特に限定されず、ベンゼン、トル
エン、キシレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サン、アルコール類などを挙げることができる。触媒と
しては、ピペリジン、ピリジンなどのアミン、酢酸、安
息香酸、塩化亜鉛、四塩化チタンなどの酸、酢酸ナトリ
ウム、酢酸アンモニウムなどのカルボン酸塩、無水酢酸
などの酸無水物などを挙げることができ、これらは適宜
組み合わせて用いることができる。この反応は加熱し、
かつ反応により生じた水を反応系外に除去しながら行う
ことが好ましい。
害しないものであれば特に限定されず、ベンゼン、トル
エン、キシレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サン、アルコール類などを挙げることができる。触媒と
しては、ピペリジン、ピリジンなどのアミン、酢酸、安
息香酸、塩化亜鉛、四塩化チタンなどの酸、酢酸ナトリ
ウム、酢酸アンモニウムなどのカルボン酸塩、無水酢酸
などの酸無水物などを挙げることができ、これらは適宜
組み合わせて用いることができる。この反応は加熱し、
かつ反応により生じた水を反応系外に除去しながら行う
ことが好ましい。
【0021】本発明の紫外線吸収剤は、上記の如くして
得られたs−トリアジン誘導体(1)をそのまま用いた
ものであってもよいが、これを適当な担体に担持させた
ものが好ましい。ここで用いる担体は、s−トリアジン
誘導体(1)に対し不活性なものであれば特に制限され
ず、固体、液体、乳状体、ゲル等いずれの形態のもので
もよい。具体的には、水、アルコール、油脂(炭化水素
オイル、フッ素系油剤、脂肪酸エステル、高級アルコー
ル、シリコーンオイルなど)、澱粉、タルクなどの微粉
末、エアゾール噴射剤として使用される低沸点炭化水素
又はハロゲン化炭化水素などを挙げることができる。
得られたs−トリアジン誘導体(1)をそのまま用いた
ものであってもよいが、これを適当な担体に担持させた
ものが好ましい。ここで用いる担体は、s−トリアジン
誘導体(1)に対し不活性なものであれば特に制限され
ず、固体、液体、乳状体、ゲル等いずれの形態のもので
もよい。具体的には、水、アルコール、油脂(炭化水素
オイル、フッ素系油剤、脂肪酸エステル、高級アルコー
ル、シリコーンオイルなど)、澱粉、タルクなどの微粉
末、エアゾール噴射剤として使用される低沸点炭化水素
又はハロゲン化炭化水素などを挙げることができる。
【0022】また、本発明の紫外線吸収剤には、他の紫
外線吸収剤を配合することもできる。この他の紫外線吸
収剤としては、p−メチルベンジリデン−D,L−ショ
ウノウ又はそのスルホン酸ナトリウム塩、2−フェニル
ベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩、
3,4−ジメチルフェニルグリオキシル酸ナトリウム
塩、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾ
フェノン−2′−カルボン酸イソオクチルエステル、4
−メトキシ桂皮酸エステル、2−フェニル−5−メチル
ベンズオキサゾール、4−ジメチルアミノ安息香酸エス
テル、4−メトキシ−2′−カルボキシジベンゾイルメ
タン、4−メトキシ−4′−t−ブチルジベンゾイルメ
タン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、1−
(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−
1,3−ペンタンジオン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン又はジベンジリデンカンファー類など
を挙げることができる。更に、本発明の紫外線吸収剤に
は、必要に応じて他の成分、例えば、防腐剤、香料、着
色料、界面活性剤を配合することができる。
外線吸収剤を配合することもできる。この他の紫外線吸
収剤としては、p−メチルベンジリデン−D,L−ショ
ウノウ又はそのスルホン酸ナトリウム塩、2−フェニル
ベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩、
3,4−ジメチルフェニルグリオキシル酸ナトリウム
塩、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾ
フェノン−2′−カルボン酸イソオクチルエステル、4
−メトキシ桂皮酸エステル、2−フェニル−5−メチル
ベンズオキサゾール、4−ジメチルアミノ安息香酸エス
テル、4−メトキシ−2′−カルボキシジベンゾイルメ
タン、4−メトキシ−4′−t−ブチルジベンゾイルメ
タン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、1−
(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−
1,3−ペンタンジオン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン又はジベンジリデンカンファー類など
を挙げることができる。更に、本発明の紫外線吸収剤に
は、必要に応じて他の成分、例えば、防腐剤、香料、着
色料、界面活性剤を配合することができる。
【0023】本発明のs−トリアジン誘導体(1)は、
皮膚及び毛髪の紫外線防御に用いられるのみならず、プ
ラスチック等の紫外線により影響を受ける物質に配合す
る紫外線防御剤として使用することもできる。
皮膚及び毛髪の紫外線防御に用いられるのみならず、プ
ラスチック等の紫外線により影響を受ける物質に配合す
る紫外線防御剤として使用することもできる。
【0024】本発明の化粧料は、s−トリアジン誘導体
(1)を公知の化粧料基剤、各種配合成分とともに配合
することにより得ることができる。化粧料の剤型は特に
制限されるものではなく、クリーム、化粧水、溶液、油
剤、スプレー、スティック、乳液、ファンデーション、
軟膏、シャンプー、リンスなどの所望の剤型にすること
ができる。
(1)を公知の化粧料基剤、各種配合成分とともに配合
することにより得ることができる。化粧料の剤型は特に
制限されるものではなく、クリーム、化粧水、溶液、油
剤、スプレー、スティック、乳液、ファンデーション、
軟膏、シャンプー、リンスなどの所望の剤型にすること
ができる。
【0025】公知の化粧料基剤としては、固体状又は液
状パラフィン、クリスタルオイル、セレシン、オゾケラ
イト、モンタンロウなどの炭化水素類;オリーブ、地ロ
ウ、カルナウバロウ、ラノリン、鯨ロウなどの植物もし
くは動物性油脂及びロウ;ステアリン酸、パルミチン
酸、オレイン酸、グリセリンモノステアリン酸エステ
ル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンモ
ノオレイン酸エステル、イソプロピルミリスチン酸エス
テル、イソプロピルステアリン酸エステル、ブチルステ
アリン酸エステルなどの脂肪酸及びそれらのエステル
類;メチルポリシロキサン、メチルポリシクロシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、シリコーンポリエ
ーテルコポリマーなどのシリコーン類;パーフルオロポ
リエーテル、フッ素変性シリコーンなどのフッ素系油
剤;エタノール、イソプロピルアルコール、セチルアル
コール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコー
ル、ヘキシルドデシルアルコールなどのアルコール類;
グリコール、グリセリン、ソルビトールなどの保湿作用
を有する多価アルコール類などを挙げることができる。
状パラフィン、クリスタルオイル、セレシン、オゾケラ
イト、モンタンロウなどの炭化水素類;オリーブ、地ロ
ウ、カルナウバロウ、ラノリン、鯨ロウなどの植物もし
くは動物性油脂及びロウ;ステアリン酸、パルミチン
酸、オレイン酸、グリセリンモノステアリン酸エステ
ル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンモ
ノオレイン酸エステル、イソプロピルミリスチン酸エス
テル、イソプロピルステアリン酸エステル、ブチルステ
アリン酸エステルなどの脂肪酸及びそれらのエステル
類;メチルポリシロキサン、メチルポリシクロシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、シリコーンポリエ
ーテルコポリマーなどのシリコーン類;パーフルオロポ
リエーテル、フッ素変性シリコーンなどのフッ素系油
剤;エタノール、イソプロピルアルコール、セチルアル
コール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコー
ル、ヘキシルドデシルアルコールなどのアルコール類;
グリコール、グリセリン、ソルビトールなどの保湿作用
を有する多価アルコール類などを挙げることができる。
【0026】粉体基剤としては、マイカ、タルク、セリ
サイト、カオリン、ナイロンパウダー、ポリメチルシル
セスキオキサン、硫酸バリウムなどの体質顔料;赤色2
02号、226号、黄色4号、アルミニウムレーキなど
の有機顔料;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄などの紫外
線散乱剤などを用いることができる。これらのうち酸化
チタン、酸化亜鉛としては、粒子径が100nm以下の微
粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、特開平1−1759
21号公報の特許請求の範囲の欄に記載の薄片状酸化亜
鉛を用いることができる。また、これらの体質顔料、有
機顔料、紫外線散乱剤は、公知の方法でメチルハイドロ
ジェンポリシロキサンなどのシリコーン、パーフルオロ
アルキルリン酸エステルなどのフッ素化合物、金属石
鹸、N−アシルグルタル酸、シリカ、アルミナ、シリカ
・アルミナなどで表面処理したものを用いることもでき
る。
サイト、カオリン、ナイロンパウダー、ポリメチルシル
セスキオキサン、硫酸バリウムなどの体質顔料;赤色2
02号、226号、黄色4号、アルミニウムレーキなど
の有機顔料;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄などの紫外
線散乱剤などを用いることができる。これらのうち酸化
チタン、酸化亜鉛としては、粒子径が100nm以下の微
粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、特開平1−1759
21号公報の特許請求の範囲の欄に記載の薄片状酸化亜
鉛を用いることができる。また、これらの体質顔料、有
機顔料、紫外線散乱剤は、公知の方法でメチルハイドロ
ジェンポリシロキサンなどのシリコーン、パーフルオロ
アルキルリン酸エステルなどのフッ素化合物、金属石
鹸、N−アシルグルタル酸、シリカ、アルミナ、シリカ
・アルミナなどで表面処理したものを用いることもでき
る。
【0027】更に本発明の化粧料には、上記した公知の
紫外線吸収剤、W/O又はO/W型乳化剤、各種シリコ
ーンオイルを乳化させるためのポリエーテル変性シリコ
ーン、ポリエーテル・アルキル変性シリコーン、グリセ
リルエーテル変性シリコーン、更にメチルセルロース、
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ
アクリル酸、トラガント、寒天、ゼラチンなどの増粘
剤、香料、防腐剤、保湿剤、乳化安定剤、各種薬効成
分、生理的に許容できる着色剤などを配合することもで
きる。
紫外線吸収剤、W/O又はO/W型乳化剤、各種シリコ
ーンオイルを乳化させるためのポリエーテル変性シリコ
ーン、ポリエーテル・アルキル変性シリコーン、グリセ
リルエーテル変性シリコーン、更にメチルセルロース、
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ
アクリル酸、トラガント、寒天、ゼラチンなどの増粘
剤、香料、防腐剤、保湿剤、乳化安定剤、各種薬効成
分、生理的に許容できる着色剤などを配合することもで
きる。
【0028】化粧料中における式(1)で表わされるs
−トリアジン誘導体の含有割合は化粧料の種類に応じて
適宜決定することができるが、一般には0.1〜20重
量%が好ましく、0.5〜10重量%が特に好ましい。
−トリアジン誘導体の含有割合は化粧料の種類に応じて
適宜決定することができるが、一般には0.1〜20重
量%が好ましく、0.5〜10重量%が特に好ましい。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらにより制限されるものではな
い。
するが、本発明はこれらにより制限されるものではな
い。
【0030】実施例1 一般式(1)において、R1 及びR2 が2−エチルヘキ
シル基である化合物(1a)を製造した。まず、1l2
口フラスコに2,4,6−トリ(4−ホルミルフェノキ
シ)−s−トリアジン2.00g(4.53mmol)を入
れ、これをベンゼン700mlに溶解させた。次にジ(2
−エチルヘキシル) マロネート4.61g(14.0
mmol)、ピペリジン0.13g(1.36mmol)及び酢
酸0.047g(0.820mmol)を加え、ディーン
スターク(Dean Stark)により生成する水を
共沸脱水しながら攪拌下で2日加熱還流した。途中、ピ
ペリジン0.26g(2.72mmol)を5回追加した。
冷却後、反応混合物を水で3回洗浄した。有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去して黄色油
状物を得た。この油状物を、ヘキサン+酢酸エチル(4
0:1〜20:1)を展開溶媒として用いてシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物
(1a)3.90g(収率63%)を無色透明油状物と
して得た。
シル基である化合物(1a)を製造した。まず、1l2
口フラスコに2,4,6−トリ(4−ホルミルフェノキ
シ)−s−トリアジン2.00g(4.53mmol)を入
れ、これをベンゼン700mlに溶解させた。次にジ(2
−エチルヘキシル) マロネート4.61g(14.0
mmol)、ピペリジン0.13g(1.36mmol)及び酢
酸0.047g(0.820mmol)を加え、ディーン
スターク(Dean Stark)により生成する水を
共沸脱水しながら攪拌下で2日加熱還流した。途中、ピ
ペリジン0.26g(2.72mmol)を5回追加した。
冷却後、反応混合物を水で3回洗浄した。有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去して黄色油
状物を得た。この油状物を、ヘキサン+酢酸エチル(4
0:1〜20:1)を展開溶媒として用いてシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物
(1a)3.90g(収率63%)を無色透明油状物と
して得た。
【0031】IR(νneat,cm-1):3385、2930、
1725、1605、1515、1470、1380、
1315、1255、1240、1190、1170、
1115、1070、995、940、8301 H-NMR(CDCl3,δppm):0.86(18H,t,J=
7.5Hz),0.90(18H,t,J=5.7H
z),1.10−1.47(48H,m),1.47−
1.75(6H,m),4.05−4.30(12H,
m),6.80(6H,d,J=8.6Hz),7.3
4(6H,d,J=8.6Hz),7.64(3H,
s)
1725、1605、1515、1470、1380、
1315、1255、1240、1190、1170、
1115、1070、995、940、8301 H-NMR(CDCl3,δppm):0.86(18H,t,J=
7.5Hz),0.90(18H,t,J=5.7H
z),1.10−1.47(48H,m),1.47−
1.75(6H,m),4.05−4.30(12H,
m),6.80(6H,d,J=8.6Hz),7.3
4(6H,d,J=8.6Hz),7.64(3H,
s)
【0032】試験例1 実施例1で得られた本発明化合物(1a)からなる紫外
線吸収剤と、現在汎用されている紫外線吸収剤である2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(比較例
1)及び4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル(比較
例2)を用い、下記の方法により紫外線吸収効果(吸光
度)を測定した。結果を表1に示す。
線吸収剤と、現在汎用されている紫外線吸収剤である2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(比較例
1)及び4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル(比較
例2)を用い、下記の方法により紫外線吸収効果(吸光
度)を測定した。結果を表1に示す。
【0033】(測定方法)各紫外線吸収剤をエタノール
(99.5%試薬特級)に溶解して、2.5×10-5mo
l/l濃度の溶液を調製し、これを石英セル(1×1c
m)に入れたのち、自記分光光度計(日立社製U−34
10型)により吸光度を測定した。
(99.5%試薬特級)に溶解して、2.5×10-5mo
l/l濃度の溶液を調製し、これを石英セル(1×1c
m)に入れたのち、自記分光光度計(日立社製U−34
10型)により吸光度を測定した。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなとおり、本発明の化合物
からなる紫外線吸収剤は、比較例1及び2と比べても非
常に優れた吸収効果を示し、UV−AからUV−Bにわ
たる広い波長領域に優れた吸収効果を示した。
からなる紫外線吸収剤は、比較例1及び2と比べても非
常に優れた吸収効果を示し、UV−AからUV−Bにわ
たる広い波長領域に優れた吸収効果を示した。
【0036】試験例2 実施例1で得られた本発明化合物(1a)更に、別途製
造した一般式(1)においてR1 及びR2 がエチル基で
ある本発明化合物(1b)からなる紫外線吸収剤と、4
−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル(比較例2)、同
じく現在汎用されている紫外線吸収剤である4−ジメチ
ルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(比較例3)及び
特開昭58−157774号公報の実施例1に記載の
1,3,5−トリアニリノ−p−(カルボ−2−エチル
ヘキシル−1−オキシ)−s−トリアジン(比較例4)
を用い、下記の方法により光に対する安定性を測定し
た。結果を表2に示す。
造した一般式(1)においてR1 及びR2 がエチル基で
ある本発明化合物(1b)からなる紫外線吸収剤と、4
−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル(比較例2)、同
じく現在汎用されている紫外線吸収剤である4−ジメチ
ルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(比較例3)及び
特開昭58−157774号公報の実施例1に記載の
1,3,5−トリアニリノ−p−(カルボ−2−エチル
ヘキシル−1−オキシ)−s−トリアジン(比較例4)
を用い、下記の方法により光に対する安定性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0037】(測定方法)各紫外線吸収剤をエタノール
(99.5%試薬特級)に溶解して、2.0×10-5mo
l/l濃度の溶液を調製し、これを石英セル(1×1c
m)に入れたのち、自記分光光度計(日立社製U−34
10型)により吸光度を測定した。次に、この石英セル
に入れた各溶液に、キセノン耐光試験機(Heraeu
s社製;SUNTEST CPS型)を用いて2時間又
は6時間、夏期の太陽光に近似した波長及び強度の光を
照射後、再び前記と同様にして吸光度を測定した。これ
らの吸光度の値から、紫外線吸収効果の残存率を求め、
光安定性を評価した。なお、残存率は、光照射後のλ
maxにおける吸光度の値を光照射前のλmaxにおける吸光
度の値で除したものの百分率である。
(99.5%試薬特級)に溶解して、2.0×10-5mo
l/l濃度の溶液を調製し、これを石英セル(1×1c
m)に入れたのち、自記分光光度計(日立社製U−34
10型)により吸光度を測定した。次に、この石英セル
に入れた各溶液に、キセノン耐光試験機(Heraeu
s社製;SUNTEST CPS型)を用いて2時間又
は6時間、夏期の太陽光に近似した波長及び強度の光を
照射後、再び前記と同様にして吸光度を測定した。これ
らの吸光度の値から、紫外線吸収効果の残存率を求め、
光安定性を評価した。なお、残存率は、光照射後のλ
maxにおける吸光度の値を光照射前のλmaxにおける吸光
度の値で除したものの百分率である。
【0038】
【表2】
【0039】表2から明らかなとおり、本発明の紫外線
吸収剤は比較例の紫外線吸収剤に比べて、2時間又は6
時間の光照射後においても高い紫外線吸収効果を維持し
ており、また時間の経過による吸収効果の低下も非常に
小さかった。
吸収剤は比較例の紫外線吸収剤に比べて、2時間又は6
時間の光照射後においても高い紫外線吸収効果を維持し
ており、また時間の経過による吸収効果の低下も非常に
小さかった。
【0040】試験例3 実施例1で得られた本発明化合物(1a)と1,3,5
−トリアニリノ−p−(カルボ−2−エチルヘキシル−
1−オキシ)−s−トリアジン(比較例4)の化粧品基
剤への溶解性を評価した。
−トリアニリノ−p−(カルボ−2−エチルヘキシル−
1−オキシ)−s−トリアジン(比較例4)の化粧品基
剤への溶解性を評価した。
【0041】(評価方法)各紫外線吸収剤を、エタノー
ル(99.5%試薬特級)に10重量%添加した時の室
温における溶解性を観察した。結果を表3に示す。
ル(99.5%試薬特級)に10重量%添加した時の室
温における溶解性を観察した。結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3から明らかなとおり、本発明化合物は
比較例の紫外線吸収剤に比べてエタノールへの溶解性に
優れていた。
比較例の紫外線吸収剤に比べてエタノールへの溶解性に
優れていた。
【0044】実施例2 常法により、下記組成のパウダーファンデーションを製
造した。
造した。
【0045】
【表4】 (組成) (配合割合;重量%) マイカ 残量 タルク 20 酸化チタン 10 ベンガラ 1 黄酸化鉄 2 黒酸化鉄 1 流動パラフィン 10 ミツロウ 2 防腐剤 適量 本発明化合物(1a) 5香料 適量 計 100.0
【0046】更に、本発明化合物(1a)の代わりに本
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でパウ
ダーファンデーションを製造した。
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でパウ
ダーファンデーションを製造した。
【0047】実施例3 常法により、下記組成のクリーム状ファンデーションを
製造した。
製造した。
【0048】
【表5】 (組成) (配合割合;重量%) ステアリン酸 5 親油型モノステアリン酸グリセリン 3 セトステアリルアルコール 1 モノラウリン酸プロピレングリコール 3 スクワラン 7 オリーブ油 8 精製水 残量 防腐剤 適量 トリエタノールアミン 1.2 ソルビット 3 酸化チタン 10 タルク 5 着色顔料 適量 本発明化合物(1a) 7香料 適量 計 100.0
【0049】更に、本発明化合物(1a)の代わりに本
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でクリ
ーム状ファンデーションを製造した。
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でクリ
ーム状ファンデーションを製造した。
【0050】実施例4 常法により、下記組成のパウダーファンデーションを製
造した。
造した。
【0051】
【表6】 (組成) (配合割合;重量%) 本発明化合物(1a) 5 タルク 残量 カオリン 12 酸化チタン 13 ベンガラ 1.5 黄酸化鉄 20 黒酸化鉄 0.5 流動パラフィン 15 パルミチン酸イソプロピル 10 ラノリンアルコール 3 ミクロクリスタリンワックス 7 オゾケライト 8 防腐剤 適量香料 適量 計 100.0
【0052】更に、本発明化合物(1a)の代わりに本
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でパウ
ダーファンデーションを製造した。
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でパウ
ダーファンデーションを製造した。
【0053】実施例5 常法により、下記組成のO/W型クリームを製造した。
【0054】
【表7】 (組成) (配合割合;重量%) ミツロウ 6 セチルアルコール 5 水添ラノリン 7 スクワラン 33 脂肪酸グリセリン 3.5 親油型モノステアリン酸グリセリン 2 ポリオキシエチレン(EO20)ソルビタン モノラウリン酸エステル 2 本発明化合物(1a) 6 香料 微量 防腐剤 適量 酸化防止剤 適量精製水 残量 計 100.0
【0055】更に、本発明化合物(1a)の代わりに本
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でO/
W型クリームを製造した。
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でO/
W型クリームを製造した。
【0056】実施例6 常法により、下記組成のO/W型クリームを製造した。
【0057】
【表8】 (組成) (配合割合;重量%) 本発明化合物(1a) 5 4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 2 シリコーン処理酸化チタン 1 親油型モノオレイン酸グリセリン 2 ポリオキシエチレン(EO20)ソルビタン モノラウリン酸エステル 1 スクワラン 10 シリコーン処理タルク 5 グリセリン 5 防腐剤 適量 香料 適量 酸化防止剤 適量精製水 残量 計 100.0
【0058】更に、本発明化合物(1a)の代わりに本
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でO/
W型クリームを製造した。
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でO/
W型クリームを製造した。
【0059】実施例7 常法により、下記組成のW/O型クリームを製造した。
【0060】
【表9】 (組成) (配合割合;重量%) 本発明化合物(1a) 4 シリコーン処理薄片状酸化亜鉛 2 4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 4 ジメチルポリシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン) シロキサン共重合体 3 メチルポリシロキサン 10 メチルポリシクロポリシロキサン 10 スクワラン 4 硫酸マグネシウム 0.5 グリセリン 7 香料 微量 防腐剤 適量 酸化防止剤 適量精製水 残量 計 100.0
【0061】更に、本発明化合物(1a)の代わりに本
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でW/
O型クリームを製造した。
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でW/
O型クリームを製造した。
【0062】実施例8 常法により、下記組成のO/W型乳液を製造した。
【0063】
【表10】 (組成) (配合割合;重量%) 本発明化合物(1a) 4 シリコーン処理酸化チタン 1 4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 4 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8 ポリオキシエチレン(EO20)オレイルエーテル 1.2 スクワラン 5 ワセリン 2 ミツロウ 0.5 シリコーン処理タルク 5 プロピレングリコール 5 エタノール 5 カルボキシビニルポリマー10%水溶液 20 水酸化カリウム 0.1精製水 残量 計 100.0
【0064】更に、本発明化合物(1a)の代わりに本
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でO/
W型乳液を製造した。
発明化合物(1b)を使用する以外は同様の組成でO/
W型乳液を製造した。
【0065】
【発明の効果】本発明のO−ベンザルマロネート置換基
を有するs−トリアジン誘導体は、UV−BからUV−
Aにわたる広い波長領域に優れた紫外線吸収作用を有し
ており、光に対しても安定で、ヒトが日常的に浴びる量
の太陽光によってはほとんど分解しない。このため、分
解生成物等による皮膚への影響もほとんどない。また、
安定性、毒性、刺激性などの問題もない。更に、他の化
粧品基剤との親和性にも優れている。よって、本発明の
s−トリアジン誘導体を含有する紫外線吸収剤及び化粧
料は、いずれも優れた使用感及び優れた紫外線防御作用
の持続性を発揮することができる。
を有するs−トリアジン誘導体は、UV−BからUV−
Aにわたる広い波長領域に優れた紫外線吸収作用を有し
ており、光に対しても安定で、ヒトが日常的に浴びる量
の太陽光によってはほとんど分解しない。このため、分
解生成物等による皮膚への影響もほとんどない。また、
安定性、毒性、刺激性などの問題もない。更に、他の化
粧品基剤との親和性にも優れている。よって、本発明の
s−トリアジン誘導体を含有する紫外線吸収剤及び化粧
料は、いずれも優れた使用感及び優れた紫外線防御作用
の持続性を発揮することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芋川 玄爾 栃木県宇都宮市氷室町1022−89
Claims (4)
- 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なっていてもよい炭
化水素基を示す〕で表わされるs−トリアジン誘導体。 - 【請求項2】 次の式(2) 【化2】 で表わされる2,4,6−トリ(4−ホルミルフェノキ
シ)−s−トリアジンと次の一般式(3) 【化3】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なっていてもよい炭
化水素基を示す〕で表わされるマロネート誘導体を反応
させることを特徴とする請求項1記載のs−トリアジン
誘導体の製造法。 - 【請求項3】 請求項1記載のs−トリアジン誘導体を
含有する紫外線吸収剤。 - 【請求項4】 請求項1記載のs−トリアジン誘導体を
含有する化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12874294A JPH07330743A (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | O−ベンザルマロネート置換基を有するs−トリアジン誘導体及びその製造法並びにこれを含有する紫外線吸収剤及び化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12874294A JPH07330743A (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | O−ベンザルマロネート置換基を有するs−トリアジン誘導体及びその製造法並びにこれを含有する紫外線吸収剤及び化粧料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07330743A true JPH07330743A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=14992339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12874294A Pending JPH07330743A (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | O−ベンザルマロネート置換基を有するs−トリアジン誘導体及びその製造法並びにこれを含有する紫外線吸収剤及び化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07330743A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000063366A (ja) * | 1998-04-09 | 2000-02-29 | Ciba Specialty Chem Holding Inc | ジレゾルシニル―アルコキシ―および―アリ―ルオキシ―s―トリアジン |
-
1994
- 1994-06-10 JP JP12874294A patent/JPH07330743A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000063366A (ja) * | 1998-04-09 | 2000-02-29 | Ciba Specialty Chem Holding Inc | ジレゾルシニル―アルコキシ―および―アリ―ルオキシ―s―トリアジン |
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