JP3342709B2 - エポキシ樹脂組成物及びそれからのプリプレグ - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びそれからのプリプレグ

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JP3342709B2 JP14651992A JP14651992A JP3342709B2 JP 3342709 B2 JP3342709 B2 JP 3342709B2 JP 14651992 A JP14651992 A JP 14651992A JP 14651992 A JP14651992 A JP 14651992A JP 3342709 B2 JP3342709 B2 JP 3342709B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温で硬化するエポキ
シ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物と補強用繊維と
を組み合わせた繊維強化複合材料用プリプレグに関す
る。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は硬化後の樹脂の機械的特
性、電気的特性に優れるため広い分野に用いられてい
る。例えば、電子材料用封止剤、塗料・舗装材料、ある
いは接着剤と多岐に渡っている。さらに近年、機械特
性、耐熱性に優れることから繊維複合材料用マトリック
ス樹脂として用いられるようになってきており、航空機
用から釣竿、ゴルフクラブシャフト等の汎用用途まで広
く用いられている。
【0003】この中で一般汎用用途に用いられるプリプ
レグ(マトリックス樹脂と補強繊維とを組み合わせた複
合材料用前駆体)用のマトリックス樹脂としては、硬化
後の機械特性に優れること、プリプレグの室温における
安定性、取扱い性に優れることが要求される。また成形
サイクルの短縮化、エネルギーコストの低減のため低温
硬化、あるいは短時間硬化のマトリックス樹脂に対する
要求が近年高まっている。これらに対して室温から80
〜90℃の低温で硬化する樹脂は既にいくらか知られて
いる。しかしこれらの殆んどは、硬化直前に主剤と硬化
剤とを混合するいわゆるハンドレイアップ用の樹脂組成
物であり、室温における安定性は悪く、その可使時間
は、分から時間のオーダーである。また、混合直後の樹
脂粘度が低く取扱い性、作業環境ともに悪い。これらの
欠点を改良した低温で硬化し、かつ現行120℃の硬化
マトリックス樹脂同様ホットメルトフィルム法によるプ
リプレグ化が可能なマトリックス樹脂の出現は前記の問
題をすべて解決するものとして大きな期待がかけられて
いる。
【0004】これらの要求に対していくつかの発明が行
われている。特開昭61−43616号公報には、エポ
キシ樹脂と2塩基酸ジヒドラジド化合物、尿素化合物及
び融点が50℃以上のアルコール系、フェノール系化合
物との組み合わせが開示されている。ここに用いられて
いるエポキシ樹脂化合物は、30℃での安定性は14日
以上あるが、100℃で2時間という高温長時間の硬化
条件が要求され、90℃以下の温度では硬化不良のため
実用上用いることはできない。
【0005】また、特開平1−129084号公報には
エポキシ樹脂、ビスフェノールAとビスフェノールAの
モノグリシジルエーテルとの反応生成物、及び硬化剤兼
硬化促進剤であるイミダゾール化合物から成る樹脂接着
剤が開示されている。この樹脂組成物も硬化に96℃で
2時間という高温、長時間を要すると共に、この樹脂組
成物をマトリックス樹脂とするCFRP特性は、一方向
CFRP0°方向曲げ強度FS//=1.17GPa,
ILSS=76MPaと、現行120℃硬化の汎用用途
に用いられているCFRP特性FS//=1.76GP
a,ILSS=98GPaと比較して極端に低い。ま
た、本樹脂組成物は樹脂調整時に粘度上昇が大きく、ホ
ットメルトフィルム化が困難である。
【0006】これら以外にも、P−ヒドロキシスチレン
を用いた樹脂組成物(特公昭32−18551号公報、
米国特許3,884,992号明細書)あるいは三フッ
化ホウ素錯体を用いた樹脂組成物(欧州特許公告第16
5,230号公報)等が報告されているが、何れも室温
における安定性が悪かったり、硬化に高温長時間を要す
るため要求を十分に満足するものではない。
【0007】
【発明が解決すべき課題】本発明は、以上に鑑み、室温
における安定性が20日以上を有し、かつ70〜90℃
の温度では実用上十分な特性を有するまで硬化し、現行
汎用CFRP用プリプレグの硬化温度120〜130℃
では30分以内で硬化する樹脂組成物を目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)エポキ
シ樹脂100重量部、(b)ビスフェノール化合物、又
はビスフェノール化合物とビスフェノール化合物のモノ
グリシジルエーテルとの反応生成物5〜100重量部、
(c)ジシアンジアミド、2,6−キシレンビグアニ
ド、o−トリルビグアニド、ジフェニルグアニジン、ア
ジピルジヒドラジド、アゼライルジヒドラジド及びイソ
フタル酸ジヒドラジドからなる群から選ばれた少なくと
も1種の化合物2〜20重量部及び(d)分子内に活性
水素部位と、触媒機能部位を有するアミンアダクト型硬
化剤2〜30重量部からなるエポキシ樹脂組成物、及び
該エポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせた繊維強
化複合材料用プリプレグにある。
【0009】本発明の樹脂組成物を構成する(a)成分
であるエポキシ樹脂としては、特に制限はなく、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、あ
るいはグリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。
これらのうち取扱い性、得られるCFRP特性あるいは
経済性からバランスのとれたビスフェノールA型エポキ
シ樹脂の使用が好ましい。
【0010】更に取扱い性の点から液状エポキシ樹脂と
固形状エポキシ樹脂を混合し使用上最適な粘度として用
いる。これにはエポキシ当量100〜200を有する液
状エポキシ樹脂と、エポキシ当量400〜4000を有
する固形エポキシ樹脂との混合物が適する。また、前記
エポキシ樹脂をゲル化しない範囲でアミン化合物、ある
いは酸無水物と反応させた生成物を用いることも本発明
のより好ましい実施の態様である。
【0011】成分(b)であるビスフェノール化合物と
は、ビスフェノールA型、ビスフェノールF、ビスフェ
ノールSを示し、これらは単独で用いることも、混合し
て用いてもよい。また、これらビスフェノール化合物と
ビスフェノール化合物のモノグリシジルエーテルとの反
応生成物を用いることがより好ましい。この反応生成物
は原料化合物を混合し、トリフェニルフォスフィン等の
触媒を用いて100℃1時間加熱することにより容易に
合成することが可能である。またダウ・ケミカル・カン
パニーからDEH−85としてビスフェノールAとビス
フェノールAモノグリシジルエーテルの反応物が上市さ
れている。本発明ではこれら化合物を5〜100重量部
の範囲で用いる。5重量部以下の添加量では得られる硬
化樹脂の伸度が低く、得られるCFRP特性にも悪影響
を与える。100重量部以上では樹脂組成物の低温での
硬化性能が悪くなり好ましくない。
【0012】成分(c)の硬化剤は、2〜20重量部の
範囲で用いられる。2重量部以下では樹脂硬化性が悪く
なり、20重量部以上では樹脂組成物の室温安定性が悪
くなり好ましくない。4〜10重量部の範囲がより好ま
しい。これらの硬化剤は、ジシアンジアミド、2,6−
キシレンビグアニド、o−トリルビグアニド、ジフェニ
ルグアニジン、アジピルジヒドラジド、アゼライルジヒ
ドラジド及びイソフタル酸ジヒドラジドからなる群から
選ばれる。これら化合物は単独又は2種以上を混合して
用いる。
【0013】成分(d)で示されるアミンアダクト型の
硬化剤兼硬化促進剤は市販のエポキシ樹脂とアミン化合
物とを反応させた化合物であり、アミン化合物を単独で
用いるよりも得られる樹脂組成物の安定性が格段に向上
する。このアミンアダクトの添加量は2〜30重量部の
範囲である。さらに2〜10重量部の範囲がより好まし
い。添加量が2重量部以下では硬化性が悪く、30重量
部以上では得られる樹脂組成物の安定性が悪く好ましく
ない。
【0014】このような目的に合致する化合物の例とし
ては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、例えばEp8
28および活性水素部位を有する化合物、例えば2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールと
を100℃で1時間加熱して得られる反応生成物が挙げ
られる。この場合、反応させるエポキシ樹脂と、活性水
素部位を有する化合物の比はエポキシ樹脂1モルに対し
て活性水素部位を有する化合物を0.1〜1.5モルの
範囲で用いる。この量が0.1モル以下では得られる樹
脂組成物の硬化性が悪くなり、1.5モル以上では未硬
化樹脂安定性が悪化し、好ましくない。
【0015】エポキシ樹脂としては前記の成分(a)に
挙げたエポキシ樹脂と同様なものが挙げられる。また、
活性水素部位を有する化合物としては、前記の2,4,
6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのほ
か、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−ジ
メチルアミノエタノールなどの−OH及び3級アミンを
有する化合物、あるいは2−フェニル−1−シアノエチ
ルイミダゾール、2−メチル−3−シアノエチルイミダ
ゾール等のイミダゾール類が挙げられる。また、味の素
(株)よりアミキュアーMY−24,PN−23として
市販されている。
【0016】これら(b)〜(d)で示される硬化剤
は、単独で既に使用されており、それ相応の性能を有す
る樹脂組成物が得られている。しかし、本発明の目的で
ある低温で硬化し、しかも室温における貯蔵安定性に優
れた樹脂組成物は得られていない。本発明の、ここに示
した3つの硬化剤を用いることによりはじめてこれらの
目的が達成できたのであり、この硬化剤、及び硬化促進
剤の選択、組み合わせが本発明の特徴とするところであ
る。
【0017】以上説明したエポキシ樹脂組成物は補強用
繊維と組合わせて繊維強化複合材料用プリプレグを与え
る。エポキシ樹脂組成物と組合わせる補強繊維として
は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等が挙げられ
るが、特に制限されるものではない。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物は、前述のご
とく優れた安定性を有するため樹脂を加熱して離型紙上
に樹脂の薄膜を形成するいわゆるホットメルトフィルム
が安定に調整可能である。このため従来の低温硬化樹脂
では不可能であったホットメルト法によるCFRP用前
駆体であるプリプレグの製造が可能と成る。このことは
これまでの低温硬化樹脂において一般的であったハンド
レイアップ法、あるいは溶剤を用いるラッカー法によら
ないプリプレグの製造が可能となり、経済的にも作業環
境的にも非常に有利となる。さらに本発明の樹脂組成物
を用いて得られるプリプレグの室温安定性は20日以上
を有し、更にこのプリプレグを用いたCFRP特性は現
行120℃硬化品と同等の値が得られる。
【0019】本発明の樹脂組成物は70〜90℃と言う
低温で2〜6時間で実用上十分な程度に硬化し、120
〜140℃の温度では30分以内という極めて短時間で
実用上十分な程度に硬化する。また本発明の樹脂組成物
を用いたホットメルトフィルム法によるCFRP用プリ
プレグは、室温で20日以上という十分な貯蔵安定性を
有しており、得られるCFRP特性も現行120℃硬化
品と同等の性能が得られる。
【0020】このように、本発明のエポキシ樹脂組成物
は、生産上、経済上、あるいは近年特に問題となってい
る作業環境の問題においても、従来の低温硬化エポキシ
樹脂組成物に比べて大きな特徴を有している。このため
これまで硬化条件、プリプレグの室温安定性、あるいは
作業環境上使用されていなかった分野への用途が期待さ
れる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。実施例中の使用化合物の略号は以下の通りであ
る。 Ep1001;ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂
(油化シェル社製) Ep828 ;ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂
(油化シェル社製) Ep152 ;フェノールノボラック型エポキシ樹脂
(油化シェル社製) LCB=100;Ep828とジアミノジフェニルスル
フォン(DDS)との反応物 DEH−85;ビスフェノールAとビスフェノールAモ
ノグリシジルエーテルとの反応生成物(ダウケミカル社
製) DICY ;ジシアンジアミド B−1 ;ジフェニルグアニジン B−2 ;o−トリルビグアニド B−3 ;イソフタル酸ジヒドラジド MY−24,PN−23;アミンアダクト(味の素社
製)
【0022】実施例、及び比較例中の物性測定方法は以
下の通りである。 (1)硬化樹脂3点曲げ試験 所定の硬化条件で硬化した長さ60mm、幅8mm、厚
さ2mmの板状試験片を用いてスパン間隔32mmの支
点(先端半径3.2mm)に置いた試験片の中央を先端
半径3.2mmの圧子で押さえて、クロスヘッド速度2
mm/分で3点曲げ試験を実施し、下記式により各特性
を計算した。 曲げ強度 FS=3PL/2WT2 (kg/mm2 ) 曲げ弾性率FM=L3 P’/4WT3 a(kg/mm
2 ) 曲げ伸度 ε=6Tl(CHS)×100/L2 (C
S)(%) なお、式中の略号は以下に示す値である。 P;破断最大荷重(kg) L;スパン長(mm) W;試験片幅(mm) T;試験片厚み(mm) a;ある一定歪(mm) P’;歪aにおける荷重(kg) l;破断までのチャートの読み(mm) (CS);チャートスピード(mm/min) (CHS);クロスヘッドスピード(mm/min)
【0023】(2)硬化樹脂粘弾性特性 長さ60mm、幅10mm、厚さ2mmの板状試験片を
用いて下記条件で樹脂粘弾性特性を測定した。 機種;RD−7700(レオメトリック製) 測定条件;Heating Rate:2℃/min. Strain:0.5% Rate:1Hz 測定温度範囲:50℃〜 (3)CFRP層間せん断強度(ILSS) 所定の条件で硬化した厚さ2mmのCFRPを長さ15
mm,幅10mmに切断し、スパン間隔を8mmにした
以外は樹脂曲げ試験と同様にして試験を実施し、次式に
よりILSSを計算した。 ILSS=3P/4WT(kg/mm2 ) (4)CFRP0°曲げ強度(FS//) 所定の条件で硬化した厚さ2mmのCFRPを長さ10
0mm,幅10mmに切断し、スパン間隔を80mmに
した以外は樹脂曲げ試験と同様にして試験を実施し、次
式によりFS//を計算した。 FS//=3PL/2WT2 (kg/mm2 ) (5)CFRP90°曲げ強度(FSl) 所定の条件で硬化した厚さ2mmのCFRPを長さ60
mm,幅10mmに切断し、スパン間隔を32mmにし
た以外は樹脂曲げ試験と同様にして試験を実施し、次式
によりFSlを計算した。 FSl=3PL/2WT2 (kg/mm2
【0024】[実施例1]エポキシ樹脂Ep1001を
20重量部、Ep828を80重量部及びフェノール系
硬化剤DEH−85を60重量部を、90℃に加熱した
ニーダーに投入し均一に混合した。ニーダー加熱温度を
55℃に冷却、樹脂温度も低下したことを確認した後、
DICY8重量部、MY−24を6重量部添加して混合
し均一な樹脂組成物を得た。
【0025】この樹脂組成物を厚さ2mmのテフロン板
をスペーサーとするガラスセルの間に流し込んで所定の
温度、時間で加熱硬化して透明な硬化樹脂を得た。この
樹脂板を用いて、3点曲げ試験、粘弾性測定を実施し
た。その硬化樹脂特性を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】[実施例2]実施例1で調整した樹脂組成
物を50〜55℃に加熱軟化し、離型紙上に薄膜を形成
させてホットメルトフィルムを作成した。このフィルム
をドラムに巻き付け、一方向に引き揃えた炭素繊維(三
菱レイヨン(株)製、パイロフィルTR−40)を70
℃で約20秒加熱含浸してプリプレグを作成した。得ら
れたプリプレグは適当な粘着性と硬さを有しており、2
5℃で1カ月保管した後も粘着性や硬さに変化は少なく
良好な貯蔵安定性を有していた。なお、粘着性及び硬さ
の評価は、直径8mmの鉛筆にプリプレグを巻き付け、
プリプレグの割れや巻き戻りが起こらないことを確認
し、良否の判断を行った。
【0028】次に、このプリプレグを一方向に積層し、
成形後の炭素繊維の含有量が60体積%になるように調
整した後、真空成形法を用いて80℃で5時間加熱して
CFRPを得た。得られたCFRPの曲げ特性と層間せ
ん断強度を測定した結果FS//=184kg/mm
2 、ILSS=9.8mm2 、及びFSl=13.6k
g/mm2 が得られた。
【0029】[実施例3]DEH−85の量を表2の如
く変えた以外は実施例1、及び2と同様にして樹脂組成
物を調整、硬化して硬化樹脂、及びCFRPを作成し
た。得られた硬化樹脂及びCFRP特性を表2に併せて
示した。硬化条件はすべて80℃で5時間とした。表2
から明らかなように本発明の組成を用いると硬化樹脂、
CFRPとも高い物性を示すことがわかる。
【0030】
【表2】
【0031】[比較例1]実施例1に於いてDEH−8
5を添加しない外は同様にして樹脂組成物を調整した。
この樹脂組成物を80℃、5時間の条件で硬化して透明
な樹脂硬化板を得た。実施例1と同様にして3点曲げ試
験を実施したところ、FS=9.8kg/mm2 、FM
=345kg/mm2 ε=3.8%と弾性率は同等であ
るが、強度、伸度は本発明の樹脂に比べて著しく低く実
用に適さないものであった。
【0032】[比較例2]実施例1に於いてDICYを
添加しない外は同様にして樹脂組成物を調整した。この
樹脂組成物は70〜90℃では硬化しないか、あるいは
硬化したとしても曲げ伸度3.4%と非常に低く実用に
は問題であった。またこの温度で硬化させるためにはM
Y−24を25重量部添加する必要があり、この場合硬
化はするものの樹脂の安定性が悪かった。
【0033】[比較例3]実施例1に於いてMY−24
を添加しない外は同様にして樹脂組成物を調整した。こ
の樹脂組成物は120℃以下では全く硬化せず汎用CF
RP用の樹脂としては使用できなかった。
【0034】[実施例4](b)成分であるDEH−8
5を60重量部と一定にし、樹脂組成を表3のように変
えた以外は実施例1、及び実施例2と同様にして樹脂を
調整、硬化して、硬化樹脂、及びCFRPを作成した。
得られた硬化樹脂、CFRPを切断して前述の方法に準
じて曲げ試験を実施した。結果を表4に示した。なお、
硬化条件はすべて80℃、5時間とした。表からわかる
ように本発明の樹脂組成物を用いると80℃で十分硬化
し、得られる樹脂、CFRPの物性は現行120℃硬化
樹脂を用いたものと同等の値を示した。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】[実施例5]エポキシ樹脂Ep828 1
モル(360g)と2,4,6−トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノール1モル(265g)を100℃で
2時間反応させて、反応物を得た(d−1)。実施例1
のMY−24の代りにこの反応物(d−1)5重量部を
添加した外は実施例1と同様にして2mm厚の樹脂硬化
物を得た。80℃×5時間で硬化した樹脂板特性はFS
=16.2kg/mm2 ,FM=351kg/mm2
ε=7.6%であった。
【0038】また、樹脂組成物を用いて実施例2と同様
にして一方向プリプレグを得た。得られたプリプレグを
積層して、80℃、5時間加熱して得られたCFRPは
FS//=182kg/mm2 、ILSS=9.6mm
2 、及びFSl=13.1kg/mm2 という優れた値
を有していた。
【0039】[実施例6]エポキシ樹脂Ep828 1
モル(360g)と、2−メチル−3−シアノエチルイ
ミダゾール0.3モル(59.1g)を添加し、80℃
で1時間加熱して、反応物を得た(d−2)。実施例1
のMY−24の代りにd2を3重量部を加えた外は、実
施例1と同様にして2.0mm厚の樹脂硬化物を得た。
80℃、5時間硬化して得られた樹脂板特性はFS=
1.6kg/mm2 、FM=358kg/mm2 、ε=
7.2%であった。
【0040】また本樹脂組成物を用いて実施例2と同様
にして一方向よりプリプレグを作成、続いて、このプリ
プレグを積層して80℃、5時間加熱することにより、
一方向CFRPを得た。このCFRP特性は、FS=1
84kg/mm2 、ILSS=9.2kg/mm2 、お
よびFSl=13.0kg/mm2 という優れた値を有
していた。
【0041】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、70℃〜90℃
という低温で硬化し、しかも、本樹脂組成物を用いたプ
リプレグは室温で20日以上という実用上十分な貯蔵安
定性を有している。このため、低耐熱性の高強力繊維の
利用、ハンドレイアップ法代替、CFRP成形品の補修
用途、さらには型用の材料として非常に広い範囲での使
用が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−129084(JP,A) 特開 昭57−147513(JP,A) 特開 昭57−164117(JP,A) 特開 昭61−43615(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/40 C08G 59/56 C08G 59/62 C08J 5/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エポキシ樹脂100重量部、
    (b)ビスフェノール化合物、又はビスフェノール化合
    物とビスフェノール化合物のモノグリシジルエーテルと
    の反応生成物5〜100重量部、(c)ジシアンジアミ
    ド、2,6−キシレンビグアニド、o−トリルビグアニ
    ド、ジフェニルグアニジン、アジピルジヒドラジド、ア
    ゼライルジヒドラジド及びイソフタル酸ジヒドラジドか
    らなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物2〜20
    重量部及び(d)分子内に活性水素部位と、触媒機能部
    位を有するアミンアダクト型硬化剤2〜30重量部から
    なることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂がエポキシ当量100〜2
    00を有する液状エポキシ樹脂と、エポキシ当量400
    〜4000を有する固形エポキシ樹脂との混合物である
    請求項1のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (b)成分の硬化剤がビスフェノールA
    とビスフェノールAのモノグリシジルエーテルとの反応
    生成物である請求項1のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (a)エポキシ樹脂100重量部、
    (b)ビスフェノール化合物、又はビスフェノール化合
    物とビスフェノール化合物のモノグリシジルエーテルと
    の反応生成物5〜100重量部、(c)ジシアンジアミ
    ド、2,6−キシレンビグアニド、o−トリルビグアニ
    ド、ジフェニルグアニジン、アジピルジヒドラジド、ア
    ゼライルジヒドラジド及びイソフタル酸ジヒドラジドか
    ら選ばれた少なくとも1種の化合物2〜20重量部、
    (d)分子内に活性水素部位と、触媒機能部位を有する
    アミンアダクト型硬化剤2〜30重量部及び(e)補強
    繊維からなることを特徴とする複合材料用プリプレグ。
  5. 【請求項5】 補強繊維が炭素繊維である請求項4の複
    合材料用プリプレグ。
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