JP3342506B2 - 水素化物二次電池およびその製造方法 - Google Patents
水素化物二次電池およびその製造方法Info
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- JP3342506B2 JP3342506B2 JP12122992A JP12122992A JP3342506B2 JP 3342506 B2 JP3342506 B2 JP 3342506B2 JP 12122992 A JP12122992 A JP 12122992A JP 12122992 A JP12122992 A JP 12122992A JP 3342506 B2 JP3342506 B2 JP 3342506B2
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- negative electrode
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/24—Alkaline accumulators
- H01M10/26—Selection of materials as electrolytes
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/34—Gastight accumulators
- H01M10/345—Gastight metal hydride accumulators
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素化物二次電池およ
びその製造方法に関する。
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金は多量の水素を吸蔵、放出
する能力を有していて、これを負極に用いた水素化物二
次電池は、アルカリ水溶液中においても電気化学的に多
量の水素の吸蔵、放出を行うことができる。
する能力を有していて、これを負極に用いた水素化物二
次電池は、アルカリ水溶液中においても電気化学的に多
量の水素の吸蔵、放出を行うことができる。
【0003】この水素吸蔵合金を負極に用い、ニッケル
水酸化物を正極に用いた水素化物二次電池では、次に示
すような反応式で電池反応が進行する。反応式におい
て、充電反応は左から右方向への矢印で示し、放電反応
は右から左方向への矢印で示す。つまり、〔式1〕と
〔式3〕が充電反応で、〔式2〕と〔式4〕が放電反応
である。
水酸化物を正極に用いた水素化物二次電池では、次に示
すような反応式で電池反応が進行する。反応式におい
て、充電反応は左から右方向への矢印で示し、放電反応
は右から左方向への矢印で示す。つまり、〔式1〕と
〔式3〕が充電反応で、〔式2〕と〔式4〕が放電反応
である。
【0004】〔正極〕 〔式1〕 Ni(OH)2 +OH- → NiOOH+
H2 O+e- 〔式2〕 Ni(OH)2 +OH- ← NiOOH+
H2 O+e-
H2 O+e- 〔式2〕 Ni(OH)2 +OH- ← NiOOH+
H2 O+e-
【0005】〔負極〕 〔式3〕 M+H2 O+e- → M(H)+OH- 〔式4〕 M+H2 O+e- ← M(H)+OH-
【0006】〔式3〕および〔式4〕中のMは水素吸蔵
合金を示している。充電反応において、負極の水素吸蔵
合金Mは、〔式3〕に示すように、アルカリ水溶液中の
水を電気分解して、水素を吸蔵し、M(H)で示す状態
になり、水酸基(OH- )を生じ、〔式1〕に示すよう
に、その水酸基が正極のNi(OH)2 と反応して、N
iOOHになり、水を生じる。
合金を示している。充電反応において、負極の水素吸蔵
合金Mは、〔式3〕に示すように、アルカリ水溶液中の
水を電気分解して、水素を吸蔵し、M(H)で示す状態
になり、水酸基(OH- )を生じ、〔式1〕に示すよう
に、その水酸基が正極のNi(OH)2 と反応して、N
iOOHになり、水を生じる。
【0007】放電反応においては、この逆反応が生じ
る。つまり、充電は水素吸蔵合金の水素の吸蔵であり、
放電は水素吸蔵合金の水素の放出となる。
る。つまり、充電は水素吸蔵合金の水素の吸蔵であり、
放電は水素吸蔵合金の水素の放出となる。
【0008】そして、この水素化物二次電池は、工業的
にはほとんど筒形密閉電池として製造され、負極の容量
が正極の容量より大きくなるように設計されている。
にはほとんど筒形密閉電池として製造され、負極の容量
が正極の容量より大きくなるように設計されている。
【0009】これは、放電時の分極を減少させ、放電電
圧の平坦性を向上させ、過充電時に正極から発生する酸
素を負極表面上で還元させて、水に戻し、電池内圧を高
めないようにするためである。
圧の平坦性を向上させ、過充電時に正極から発生する酸
素を負極表面上で還元させて、水に戻し、電池内圧を高
めないようにするためである。
【0010】この際の正極、負極の反応は、〔式5〕〜
〔式7〕のようになる。 〔正極〕 〔式5〕 4OH- → 2H2 O+O2 +4e-
〔式7〕のようになる。 〔正極〕 〔式5〕 4OH- → 2H2 O+O2 +4e-
【0011】〔負極〕 〔式6〕 4MH+O2 → 4M+2H2 O+Q 〔式7〕 4M+4H2 O+4e- → 4MH+4O
H-
H-
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、〔式6〕が発
熱(Qで示す)を伴う反応であるため、負極表面の温度
が上昇し、初期の充放電サイクルでは、平衡水素圧力の
関係から水素が負極から離脱して、電池内圧を上昇させ
ることになる。
熱(Qで示す)を伴う反応であるため、負極表面の温度
が上昇し、初期の充放電サイクルでは、平衡水素圧力の
関係から水素が負極から離脱して、電池内圧を上昇させ
ることになる。
【0013】さらに充放電サイクルを繰り返すことによ
り、負極表面は徐々に酸化され、また負極の水素吸蔵合
金が微粉末化して、分極が増加し、前記のような酸素を
水に還元する能力が低下するので、過充電時の電池内部
は酸素により圧力上昇をきたす。
り、負極表面は徐々に酸化され、また負極の水素吸蔵合
金が微粉末化して、分極が増加し、前記のような酸素を
水に還元する能力が低下するので、過充電時の電池内部
は酸素により圧力上昇をきたす。
【0014】そして、終期の充放電サイクルでは、負極
の劣化がさらに進み、容量が負極規制になり、過充電時
に大量の水素が発生して、電池内部は大量の水素と酸素
で圧力がさらに上昇し、電解液の漏出や内部抵抗の増加
を引き起こす。
の劣化がさらに進み、容量が負極規制になり、過充電時
に大量の水素が発生して、電池内部は大量の水素と酸素
で圧力がさらに上昇し、電解液の漏出や内部抵抗の増加
を引き起こす。
【0015】その結果、電池の安全性が低下し、また充
放電容量が低下して、電池寿命を短くさせる原因にな
る。
放電容量が低下して、電池寿命を短くさせる原因にな
る。
【0016】そこで、これを解消するため、負極に白金
などの貴金属触媒を添加し、酸素ガスのイオン化を促進
させる方法や酸素ガスの吸収層を設けるなどの方法が行
われている。しかし、白金などの触媒は高価でコストを
上げることになり、吸収層を電池内部または負極に設置
すると、活物質の充填量を減じ、体積効率を減少させる
ことになる。
などの貴金属触媒を添加し、酸素ガスのイオン化を促進
させる方法や酸素ガスの吸収層を設けるなどの方法が行
われている。しかし、白金などの触媒は高価でコストを
上げることになり、吸収層を電池内部または負極に設置
すると、活物質の充填量を減じ、体積効率を減少させる
ことになる。
【0017】また、負極の水素吸蔵合金は、合金材料を
アーク(高周波)溶解炉で溶解し、インゴット状に形成
した後、水素の吸蔵、放出により微粉末化させ、負極の
作製に使用されている。
アーク(高周波)溶解炉で溶解し、インゴット状に形成
した後、水素の吸蔵、放出により微粉末化させ、負極の
作製に使用されている。
【0018】そして、負極をぺースト式で作製する場合
には、上記の水素吸蔵合金粉末を結着剤としてのポリテ
トラフルオロエチレンの分散液と混合し、それを集電体
に塗布、乾燥することによって、負極が作製される。
には、上記の水素吸蔵合金粉末を結着剤としてのポリテ
トラフルオロエチレンの分散液と混合し、それを集電体
に塗布、乾燥することによって、負極が作製される。
【0019】この負極作製は、通常、空気中で行われる
ので、水素吸蔵合金粉末の表面には、薄い酸化物層が形
成される。
ので、水素吸蔵合金粉末の表面には、薄い酸化物層が形
成される。
【0020】そこで、この酸化物層が形成された負極と
正極とを組み合わせ、電解液中で放電すると、上記酸化
物層のために所定の放電容量に達するまでに、数サイク
ルの充放電が必要になる。
正極とを組み合わせ、電解液中で放電すると、上記酸化
物層のために所定の放電容量に達するまでに、数サイク
ルの充放電が必要になる。
【0021】つまり、充放電を数回繰り返して、上記酸
化物層を除去しないと、所定の放電容量が得られない。
化物層を除去しないと、所定の放電容量が得られない。
【0022】そのため、電池組立後、高温(40〜70
℃)で長時間エージングしたり、水素吸蔵合金粉末をア
ルカリ水溶液で処理してから負極を作製するなどの、い
わゆる活性化処理が行われている(例えば、特開昭63
−146353号公報)。
℃)で長時間エージングしたり、水素吸蔵合金粉末をア
ルカリ水溶液で処理してから負極を作製するなどの、い
わゆる活性化処理が行われている(例えば、特開昭63
−146353号公報)。
【0023】また、活性化処理に代えて、電池製造工程
をすべて不活性ガス雰囲気中または水素雰囲気中で行う
ことも行われている。
をすべて不活性ガス雰囲気中または水素雰囲気中で行う
ことも行われている。
【0024】しかし、高温で長時間エージングする場合
は、セパレータを損傷させることになり、水素吸蔵合金
粉末をアルカリ水溶液で処理する場合は、その後の負極
作製での取扱いを困難にすることになる。
は、セパレータを損傷させることになり、水素吸蔵合金
粉末をアルカリ水溶液で処理する場合は、その後の負極
作製での取扱いを困難にすることになる。
【0025】また、電池の製造を特定雰囲気中で行うた
めには、その設備に多大の費用が必要になる。
めには、その設備に多大の費用が必要になる。
【0026】さらに、水素化物二次電池では、正極のニ
ッケル電極の自己分解による酸素発生や、あるいは電池
内部に残留する酸素により、自己放電が促進され、その
速度がニッケル−カドミウム電池の場合より速いため、
水素化物二次電池はニッケル−カドミウム電池よりも自
己放電による電池の容量低下が大きいという問題もあ
る。また、水素化物二次電池では、負極の活性化が充分
に行われていないと、大電流や低温で放電した場合の放
電電圧の低下、放電容量の減少という問題も生じる。
ッケル電極の自己分解による酸素発生や、あるいは電池
内部に残留する酸素により、自己放電が促進され、その
速度がニッケル−カドミウム電池の場合より速いため、
水素化物二次電池はニッケル−カドミウム電池よりも自
己放電による電池の容量低下が大きいという問題もあ
る。また、水素化物二次電池では、負極の活性化が充分
に行われていないと、大電流や低温で放電した場合の放
電電圧の低下、放電容量の減少という問題も生じる。
【0027】本発明は、上記のような水素化物二次電池
における種々の問題点を解決し、電池内圧の上昇が少な
く、かつ活性化処理が簡略化でき、しかも自己放電が少
なく、大電流放電特性、低温放電特性に優れた水素化物
二次電池を提供することを目的とする。
における種々の問題点を解決し、電池内圧の上昇が少な
く、かつ活性化処理が簡略化でき、しかも自己放電が少
なく、大電流放電特性、低温放電特性に優れた水素化物
二次電池を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、ニッケル酸化
物またはニッケル水酸化物を含む正極と、水素吸蔵合金
を含む負極と、アルカリ水溶液からなる電解液を有する
水素化物二次電池において、電解液中に水素化ホウ素ナ
トリウムなどの可溶性水素化物を含有させておくことに
より、電池内圧の上昇を抑制し、活性化処理を簡略化
し、自己放電を少なくし、大電流放電特性、低温放電特
性を向上させる技術を提供するものである。
物またはニッケル水酸化物を含む正極と、水素吸蔵合金
を含む負極と、アルカリ水溶液からなる電解液を有する
水素化物二次電池において、電解液中に水素化ホウ素ナ
トリウムなどの可溶性水素化物を含有させておくことに
より、電池内圧の上昇を抑制し、活性化処理を簡略化
し、自己放電を少なくし、大電流放電特性、低温放電特
性を向上させる技術を提供するものである。
【0029】本発明において、上記効果が奏される理由
を、可溶性水素化物として水素化ホウ素ナトリウム(N
aBH4 )を用いた場合を例にあげて説明すると、水素
化ホウ素ナトリウムはアルカリ水溶液からなる電解液中
で安定で、〔式8〕、〔式9〕に示すように水素を放出
する。
を、可溶性水素化物として水素化ホウ素ナトリウム(N
aBH4 )を用いた場合を例にあげて説明すると、水素
化ホウ素ナトリウムはアルカリ水溶液からなる電解液中
で安定で、〔式8〕、〔式9〕に示すように水素を放出
する。
【0030】 〔式8〕 NaBH4 → Na+ +BH4 - 〔式9〕 BH4 - +2H2 O → BO2 - +4H2
【0031】また、次の〔式10〕に示す反応が平衡電
位−1.23V(vs.Hg/HgO)で生じる。 〔式10〕 BH4 - +8OH- → BO2 - +6H
2 O+8e-
位−1.23V(vs.Hg/HgO)で生じる。 〔式10〕 BH4 - +8OH- → BO2 - +6H
2 O+8e-
【0032】上記〔式9〕で発生した水素は負極に吸蔵
され、また、負極表面で〔式10〕で示す反応が生じる
ことにより、〔式3〕の充電反応が誘起され、負極が充
電された状態になる。
され、また、負極表面で〔式10〕で示す反応が生じる
ことにより、〔式3〕の充電反応が誘起され、負極が充
電された状態になる。
【0033】このようにして充電反応が進行するので、
負極表面の酸化物層が除去され、その結果、電池組立後
の高温で長時間のエージング処理が不要になり、活性化
処理が簡略化される。
負極表面の酸化物層が除去され、その結果、電池組立後
の高温で長時間のエージング処理が不要になり、活性化
処理が簡略化される。
【0034】例えば、電池組立後、25〜80℃で0.
1〜4時間保存することによって、活性化処理が行い得
るようになり、従来、活性化処理に12時間を超える長
時間を必要としていたのに比べて、活性化処理に要する
時間が短縮される。
1〜4時間保存することによって、活性化処理が行い得
るようになり、従来、活性化処理に12時間を超える長
時間を必要としていたのに比べて、活性化処理に要する
時間が短縮される。
【0035】そして、充放電サイクルにおいて、負極の
劣化に伴い電池内部に水素が発生すると、この水素は電
解液中に溶解し、BO2 - と反応して、再びBH4 - に
戻る。
劣化に伴い電池内部に水素が発生すると、この水素は電
解液中に溶解し、BO2 - と反応して、再びBH4 - に
戻る。
【0036】つまり、〔式9〕の逆反応が生じ、その結
果、水素化ホウ素ナトリウムを添加した分だけ、過充電
時の電池内圧の上昇が抑制され、その結果、電池の内圧
上昇による過電圧上昇や漏液の発生などが抑制され、ま
た、負極からの水素が正極に到達して自己放電を引き起
こすのが抑制されるようになる。
果、水素化ホウ素ナトリウムを添加した分だけ、過充電
時の電池内圧の上昇が抑制され、その結果、電池の内圧
上昇による過電圧上昇や漏液の発生などが抑制され、ま
た、負極からの水素が正極に到達して自己放電を引き起
こすのが抑制されるようになる。
【0037】本発明において、可溶性水素化物として
は、例えば、上記の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
4 )や、水素化ホウ素カリウム(KBH4 )、水素化ア
ルミニウムリチウム(LiAlH4 )など、各種の化合
物が用いられる。これらの可溶性水素化物は、強い還元
剤であり、わずかな添加量で上記〔式8〕〜〔式10〕
に示す反応が短時間で生じる。
は、例えば、上記の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
4 )や、水素化ホウ素カリウム(KBH4 )、水素化ア
ルミニウムリチウム(LiAlH4 )など、各種の化合
物が用いられる。これらの可溶性水素化物は、強い還元
剤であり、わずかな添加量で上記〔式8〕〜〔式10〕
に示す反応が短時間で生じる。
【0038】電解液はアルカリ水溶液で構成されるが、
このアルカリ水溶液としては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金
属の水酸化物の水溶液が用いられる。
このアルカリ水溶液としては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金
属の水酸化物の水溶液が用いられる。
【0039】電解液中に含有させる可溶性水素化物の量
としては、電解液中における可溶性水素化物の濃度が
0.001〜5重量%の範囲になるようにするのが好ま
しい。
としては、電解液中における可溶性水素化物の濃度が
0.001〜5重量%の範囲になるようにするのが好ま
しい。
【0040】電解液中の可溶性水素化物の濃度が0.0
01重量%より少ない場合は、前記〔式8〕〜〔式1
0〕で示す反応が充分に起こらないため、効果が充分に
得られず、また5重量%を超えると〔式8〕〜〔式1
0〕で示す反応が急速に生じるため、負極の水素吸蔵合
金が基体から剥離するおそれがある。電解液中での可溶
性水素化物の特に好ましい濃度は0.2〜3重量%の範
囲である。
01重量%より少ない場合は、前記〔式8〕〜〔式1
0〕で示す反応が充分に起こらないため、効果が充分に
得られず、また5重量%を超えると〔式8〕〜〔式1
0〕で示す反応が急速に生じるため、負極の水素吸蔵合
金が基体から剥離するおそれがある。電解液中での可溶
性水素化物の特に好ましい濃度は0.2〜3重量%の範
囲である。
【0041】電解液中に可溶性水素化物を含有させるに
あたっては、可溶性水素化物を調製済の電解液中に添加
してもよいし、また、電解液の調製時に可溶性水素化物
を添加し、可溶性水素化物を含有した状態の電解液とし
て調製してもよい。
あたっては、可溶性水素化物を調製済の電解液中に添加
してもよいし、また、電解液の調製時に可溶性水素化物
を添加し、可溶性水素化物を含有した状態の電解液とし
て調製してもよい。
【0042】本発明において、負極に用いる水素吸蔵合
金としては、例えば、実施例で用いるようなTi17Zr
16V23Ni37Cr7 などをはじめ、La0.9 Zr0.1N
i4. 5 Al0.5 、TiNi系、TiNiZr系、(Ti
2-X ZrX V4-X Ni)1-Z Cr2 (x=0〜1.5、
y=0.6〜3.5、z≧0.2)系、MmNi5 系な
どの水素吸蔵合金が挙げられる。水素吸蔵合金とは、可
逆的に水素を吸蔵、放出できる合金をいい、通常、水素
を完全に脱蔵(放出)した状態で合成される。そして、
この水素吸蔵合金を用いた負極では、充電は水素の吸蔵
であり、放電は水素の放出である。
金としては、例えば、実施例で用いるようなTi17Zr
16V23Ni37Cr7 などをはじめ、La0.9 Zr0.1N
i4. 5 Al0.5 、TiNi系、TiNiZr系、(Ti
2-X ZrX V4-X Ni)1-Z Cr2 (x=0〜1.5、
y=0.6〜3.5、z≧0.2)系、MmNi5 系な
どの水素吸蔵合金が挙げられる。水素吸蔵合金とは、可
逆的に水素を吸蔵、放出できる合金をいい、通常、水素
を完全に脱蔵(放出)した状態で合成される。そして、
この水素吸蔵合金を用いた負極では、充電は水素の吸蔵
であり、放電は水素の放出である。
【0043】負極は、焼結式、ぺースト式のいずれで作
製してもよい。なお、焼結式による負極の作製方法と
は、例えば金網、パンチングメタル、エキスパンドメタ
ルなどの多孔性金属を基体とし、これに上記の水素吸蔵
合金の粉末を圧着して、焼結し、シート状に成形するこ
とによって負極を作製する方法であり、ぺースト式によ
る負極の作製方法とは、上記水素吸蔵合金の粉末を結着
剤などと共にぺースト状にし、そのぺーストを上記多孔
性金属からなる基体に添着し、乾燥後、プレスなどで圧
着することによって負極を作製する方法である。
製してもよい。なお、焼結式による負極の作製方法と
は、例えば金網、パンチングメタル、エキスパンドメタ
ルなどの多孔性金属を基体とし、これに上記の水素吸蔵
合金の粉末を圧着して、焼結し、シート状に成形するこ
とによって負極を作製する方法であり、ぺースト式によ
る負極の作製方法とは、上記水素吸蔵合金の粉末を結着
剤などと共にぺースト状にし、そのぺーストを上記多孔
性金属からなる基体に添着し、乾燥後、プレスなどで圧
着することによって負極を作製する方法である。
【0044】また、正極に用いるニッケル酸化物やニッ
ケル水酸化物としては、例えば、一酸化ニッケル(Ni
O)、二酸化ニッケル(NiO2 )、水酸化ニッケル
〔Ni(OH)2 〕などが挙げられる。ただし、これら
は、正極が放電状態にあるときであり、正極が充電状態
では、上記ニッケル酸化物やニッケル水酸化物は別の化
合物として存在する。
ケル水酸化物としては、例えば、一酸化ニッケル(Ni
O)、二酸化ニッケル(NiO2 )、水酸化ニッケル
〔Ni(OH)2 〕などが挙げられる。ただし、これら
は、正極が放電状態にあるときであり、正極が充電状態
では、上記ニッケル酸化物やニッケル水酸化物は別の化
合物として存在する。
【0045】正極は、例えば、ニッケル焼結体を基体と
し、これにニッケル酸化物またはニッケル水酸化物を充
填する焼結式や、金網、パンチングメタル、エキスパン
ドメタル、金属発泡体などの多孔性金属を基体とし、こ
れにニッケル酸化物またはニッケル水酸化物を添着する
ぺースト式などでシート状の成形体として作製される
が、本発明の実施にあたっては、例えば、焼結式やぺー
スト式などで作製した公知のニッケル電極を使用するこ
とができる。
し、これにニッケル酸化物またはニッケル水酸化物を充
填する焼結式や、金網、パンチングメタル、エキスパン
ドメタル、金属発泡体などの多孔性金属を基体とし、こ
れにニッケル酸化物またはニッケル水酸化物を添着する
ぺースト式などでシート状の成形体として作製される
が、本発明の実施にあたっては、例えば、焼結式やぺー
スト式などで作製した公知のニッケル電極を使用するこ
とができる。
【0046】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。
に説明する。
【0047】実施例1 市販品のTi(チタン)、Zr(ジルコニウム)、V
(バナジウム)、Ni(ニッケル)およびCr(クロ
ム)をTi17Zr16V23Ni37Cr7 の組成になるよう
に秤量し、高周波溶解炉によって加熱溶解して、上記組
成の多相系合金を得た。
(バナジウム)、Ni(ニッケル)およびCr(クロ
ム)をTi17Zr16V23Ni37Cr7 の組成になるよう
に秤量し、高周波溶解炉によって加熱溶解して、上記組
成の多相系合金を得た。
【0048】この合金を耐圧容器内に入れ、該容器内を
10-4torrまで真空吸引し、Ar(アルゴン)で3
回パージを行った後、水素圧力14kg/cm2 で24
時間保持し、水素を排気後、400℃で加熱して水素を
完全に脱蔵することにより、粒径20〜100μmの水
素吸蔵合金粉末を得た。
10-4torrまで真空吸引し、Ar(アルゴン)で3
回パージを行った後、水素圧力14kg/cm2 で24
時間保持し、水素を排気後、400℃で加熱して水素を
完全に脱蔵することにより、粒径20〜100μmの水
素吸蔵合金粉末を得た。
【0049】この水素吸蔵合金粉末16gにポリテトラ
フルオロエチレンの分散液をその固形分量が全重量の4
重量%になるように添加して混練した。
フルオロエチレンの分散液をその固形分量が全重量の4
重量%になるように添加して混練した。
【0050】この混練物をローラーにより、280mm
×38mm×0.4mmのシート状にし、それをニッケ
ル集電体(線径0.178mmで、14メッシュのニッ
ケル製網からなり、その一端にニッケル製のリード体が
取り付けられている)に圧着して負極を作製した。
×38mm×0.4mmのシート状にし、それをニッケ
ル集電体(線径0.178mmで、14メッシュのニッ
ケル製網からなり、その一端にニッケル製のリード体が
取り付けられている)に圧着して負極を作製した。
【0051】正極には焼結式で作製した公知のニッケル
電極(240mm×38mm)を用いた。電池の公称容
量を3500mAhにするため、負極は理論容量が52
00mAhになるように作製し、正極は理論容量が40
00mAhになるように作製したものを用いた。
電極(240mm×38mm)を用いた。電池の公称容
量を3500mAhにするため、負極は理論容量が52
00mAhになるように作製し、正極は理論容量が40
00mAhになるように作製したものを用いた。
【0052】上記負極と正極とをセパレータを介して渦
巻状に巻回して図1に示すような渦巻状の電極体を作製
し、その渦巻状の電極体を単2サイズの電池ケースと同
体積の耐圧容器内に入れ、封口して、図2に示すような
内圧測定が可能な電池を作製した。
巻状に巻回して図1に示すような渦巻状の電極体を作製
し、その渦巻状の電極体を単2サイズの電池ケースと同
体積の耐圧容器内に入れ、封口して、図2に示すような
内圧測定が可能な電池を作製した。
【0053】図1に示す渦巻状の電極体について説明す
ると、1は正極であり、この正極1は焼結式で作製した
ニッケル電極からなる。2は負極であり、この負極2は
Ti17Zr16V23Ni37Cr7 の組成を持つ水素吸蔵合
金を含む成形体からなる。ただし、これらの正極1や負
極2には集電体としての作用を兼ねて基体が使用されて
いるが、図1にそれらを図示すると繁雑化するため、図
1にはそれらを図示していない。
ると、1は正極であり、この正極1は焼結式で作製した
ニッケル電極からなる。2は負極であり、この負極2は
Ti17Zr16V23Ni37Cr7 の組成を持つ水素吸蔵合
金を含む成形体からなる。ただし、これらの正極1や負
極2には集電体としての作用を兼ねて基体が使用されて
いるが、図1にそれらを図示すると繁雑化するため、図
1にはそれらを図示していない。
【0054】3はセパレータであり、このセパレータ3
はポリアミド不織布からなり、前記正極1と負極2はこ
のセパレータ3を介して渦巻状に巻回され、図示のよう
な渦巻状の電極体にされている。
はポリアミド不織布からなり、前記正極1と負極2はこ
のセパレータ3を介して渦巻状に巻回され、図示のよう
な渦巻状の電極体にされている。
【0055】図2に示す電池について説明すると、上記
渦巻状の電極体4は耐圧容器5内に収納され、負極リー
ド体6は耐圧容器5の内壁にスポット溶接され、正極リ
ード体7は電極体4上部のアクリル板部分8より取り出
している。電解液は注入口9より耐圧容器5内に注入
し、注入口9は電解液の注入後、封止され、図2にはそ
の状態が示されている。電池の内部圧力はゲージ(ブル
ドンゲージ)10によって読み取ることができるように
なっている。
渦巻状の電極体4は耐圧容器5内に収納され、負極リー
ド体6は耐圧容器5の内壁にスポット溶接され、正極リ
ード体7は電極体4上部のアクリル板部分8より取り出
している。電解液は注入口9より耐圧容器5内に注入
し、注入口9は電解液の注入後、封止され、図2にはそ
の状態が示されている。電池の内部圧力はゲージ(ブル
ドンゲージ)10によって読み取ることができるように
なっている。
【0056】使用された電解液は、30重量%水酸化カ
リウム水溶液に水素化ホウ素ナトリウムを0.2重量%
含有させたものであり、その注入量は6.5mlであ
る。上記水素化ホウ素ナトリウムを含有する電解液を注
入後、電池を60℃で2時間保存した。
リウム水溶液に水素化ホウ素ナトリウムを0.2重量%
含有させたものであり、その注入量は6.5mlであ
る。上記水素化ホウ素ナトリウムを含有する電解液を注
入後、電池を60℃で2時間保存した。
【0057】保存後、上記電池を350mAで15時間
充電し、700mAで0.9Vまで放電した。これを1
サイクルとし、6サイクルまで充放電した場合の各サイ
クル毎の放電容量を調べた。
充電し、700mAで0.9Vまで放電した。これを1
サイクルとし、6サイクルまで充放電した場合の各サイ
クル毎の放電容量を調べた。
【0058】
【0059】比較例1 電解液として水素化ホウ素ナトリウムを含有させていな
い30重量%水酸化カリウム水溶液を用いたほかは、実
施例1と同様にして電池を作製した。この電池について
も、電解液の注入後、60℃で2時間保存したのち、実
施例1と同様に充放電して、各サイクル毎の放電容量を
調べた。
い30重量%水酸化カリウム水溶液を用いたほかは、実
施例1と同様にして電池を作製した。この電池について
も、電解液の注入後、60℃で2時間保存したのち、実
施例1と同様に充放電して、各サイクル毎の放電容量を
調べた。
【0060】上記実施例1の電池および比較例1の電池
の定格容量(これらの電池の場合は3.5Ahである)
に到達するまでの充放電サイクル数と放電容量との関係
を図3に示す。
の定格容量(これらの電池の場合は3.5Ahである)
に到達するまでの充放電サイクル数と放電容量との関係
を図3に示す。
【0061】図3に示すように、比較例1の電池では、
定格容量の3.5Ahに到達するのに充放電を5回繰り
返すことを必要としたが、実施例1の電池では、充放電
を2回行うだけで定格容量に到達した。
定格容量の3.5Ahに到達するのに充放電を5回繰り
返すことを必要としたが、実施例1の電池では、充放電
を2回行うだけで定格容量に到達した。
【0062】この結果は、電解液に水素化ホウ素ナトリ
ウムを0.2重量%含有させることによって、定格容量
に到達するまでの充放電回数を減少させることができ、
活性化処理を簡略化できることを示している。
ウムを0.2重量%含有させることによって、定格容量
に到達するまでの充放電回数を減少させることができ、
活性化処理を簡略化できることを示している。
【0063】上記実施例1の電池と比較例1の電池につ
いて350mAで充電した時の充電時間と電池電圧との
関係を図4に示す。また、上記充電時における実施例1
の電池と比較例1の電池の充電時間と電池内圧との関係
を図5に示す。
いて350mAで充電した時の充電時間と電池電圧との
関係を図4に示す。また、上記充電時における実施例1
の電池と比較例1の電池の充電時間と電池内圧との関係
を図5に示す。
【0064】図4においては、ほぼ重なって図示されて
いる曲線に実施例1および比較例1の表示が付されてい
るが、これは実施例1の電池、比較例1の電池とも、電
池電圧に関しては同じような挙動を示したためである。
いる曲線に実施例1および比較例1の表示が付されてい
るが、これは実施例1の電池、比較例1の電池とも、電
池電圧に関しては同じような挙動を示したためである。
【0065】すなわち、電池電圧は、図4に示すよう
に、実施例1の電池、比較例1の電池とも、充電時間が
10時間に達するまでは、同じように少しずつ上昇し、
充電時間が10時間を超えると、同じようにそれ以上は
上昇しない。
に、実施例1の電池、比較例1の電池とも、充電時間が
10時間に達するまでは、同じように少しずつ上昇し、
充電時間が10時間を超えると、同じようにそれ以上は
上昇しない。
【0066】これは、これらの電池では、10時間充電
すると、充電100%に達し、それ以上の充電は過充電
であることを示している。
すると、充電100%に達し、それ以上の充電は過充電
であることを示している。
【0067】しかし、電池内圧は、図5に示すように、
充電時間が9時間を過ぎる頃から異なる挙動を示し、比
較例1の電池では充電時間9時間を過ぎた頃から電池内
圧が上昇し、充電時間の増加に伴って実施例1の電池と
の差が大きくなる。
充電時間が9時間を過ぎる頃から異なる挙動を示し、比
較例1の電池では充電時間9時間を過ぎた頃から電池内
圧が上昇し、充電時間の増加に伴って実施例1の電池と
の差が大きくなる。
【0068】これに対し、実施例1の電池は充電時間が
10時間を過ぎてから電池内圧が上昇するが、その増加
の程度は少なく、比較例1の電池に比べると電池内圧の
上昇が少ない。
10時間を過ぎてから電池内圧が上昇するが、その増加
の程度は少なく、比較例1の電池に比べると電池内圧の
上昇が少ない。
【0069】この結果は、実施例1の電池にあっては、
電解液中に存在する水素化ホウ素ナトリウムが水素吸蔵
合金に作用して合金中に水素を含有させる、すなわち、
負極は結果的に予備充電されることによって合金の活性
化が促進され、充電時に生ずる非平衡の水素発生が抑制
されたことを示している。
電解液中に存在する水素化ホウ素ナトリウムが水素吸蔵
合金に作用して合金中に水素を含有させる、すなわち、
負極は結果的に予備充電されることによって合金の活性
化が促進され、充電時に生ずる非平衡の水素発生が抑制
されたことを示している。
【0070】つぎに、前記実施例1の電池および比較例
1の電池について、350mAで15時間充電し、70
0mAで0.9Vまで放電する充放電を繰り返した時の
充放電サイクル数と放電容量との関係を図6に示す。
1の電池について、350mAで15時間充電し、70
0mAで0.9Vまで放電する充放電を繰り返した時の
充放電サイクル数と放電容量との関係を図6に示す。
【0071】図6に示すように、比較例1の電池は40
0サイクル付近で放電容量が急激に低下していわゆる失
落し、使用できなくなったが、実施例1の電池は充放電
を700サイクル以上繰り返しても放電容量の低下がほ
とんどなく、初期の容量の90%以上を保持していた。
0サイクル付近で放電容量が急激に低下していわゆる失
落し、使用できなくなったが、実施例1の電池は充放電
を700サイクル以上繰り返しても放電容量の低下がほ
とんどなく、初期の容量の90%以上を保持していた。
【0072】上記充放電時において、実施例1の電池お
よび比較例1の電池の50サイクル時、200サイクル
時および450サイクル時の電池内圧を測定した結果を
表1に示す。
よび比較例1の電池の50サイクル時、200サイクル
時および450サイクル時の電池内圧を測定した結果を
表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】表1に示すように、比較例1の電池は45
0サイクル後に電池内圧が21kg/cm2 に上昇した
が、実施例1の電池では450サイクル後でも電池内圧
がわずか5kg/cm2 にしか上昇しなかった。
0サイクル後に電池内圧が21kg/cm2 に上昇した
が、実施例1の電池では450サイクル後でも電池内圧
がわずか5kg/cm2 にしか上昇しなかった。
【0075】また、上記実施例1の電池および比較例1
の電池を20℃で30日間貯蔵し、各貯蔵日毎に放電容
量を測定して、初期の放電容量に対する容量保持率を次
式により求めた。
の電池を20℃で30日間貯蔵し、各貯蔵日毎に放電容
量を測定して、初期の放電容量に対する容量保持率を次
式により求めた。
【0076】容量保持率(%)=(A/B)×100 A:貯蔵後の放電容量(mAh) B:貯蔵前の放電容量(mAh)
【0077】貯蔵日数と容量保持率との関係を図7に示
す。図7に示すように、貯蔵開始当初は実施例1の電池
も比較例1の電池もほぼ同様の容量保持率であったが、
貯蔵期間の増加に伴って両者の間に差が生じ、実施例1
の電池の容量保持率の方が比較例1の電池の容量保持率
より大きくなった。
す。図7に示すように、貯蔵開始当初は実施例1の電池
も比較例1の電池もほぼ同様の容量保持率であったが、
貯蔵期間の増加に伴って両者の間に差が生じ、実施例1
の電池の容量保持率の方が比較例1の電池の容量保持率
より大きくなった。
【0078】この結果は、電解液中に水素化ホウ素ナト
リウムを含有させることにより、貯蔵中における自己放
電が抑制されたことを示している。
リウムを含有させることにより、貯蔵中における自己放
電が抑制されたことを示している。
【0079】実施例2 電解液中の水素化ホウ素ナトリウムの濃度を0.1重量
%、0.2重量%、0.5重量%、1重量%、2重量
%、3重量%、4重量%および5重量%に変え、それ以
外は実施例1と同様に電池組立を行い、電池組立後、そ
れぞれ25℃、45℃、60℃および80℃で2時間保
存した。
%、0.2重量%、0.5重量%、1重量%、2重量
%、3重量%、4重量%および5重量%に変え、それ以
外は実施例1と同様に電池組立を行い、電池組立後、そ
れぞれ25℃、45℃、60℃および80℃で2時間保
存した。
【0080】そして、上記電池について、実施例1と同
様に充放電し、定格容量(3.5Ah)に到達するまで
の充放電サイクル数を調べた。
様に充放電し、定格容量(3.5Ah)に到達するまで
の充放電サイクル数を調べた。
【0081】各温度での、定格容量に到達するまでの充
放電サイクル数と電解液中の水素化ホウ素ナトリウムの
濃度との関係を図8に示す。
放電サイクル数と電解液中の水素化ホウ素ナトリウムの
濃度との関係を図8に示す。
【0082】図8に示すように、電解液中に水素化ホウ
素ナトリウムを含有させることにより、温度にもよる
が、その濃度が0.2重量%と低い場合でも、定格容量
に到達するまでの充放電サイクル数を少なくすることが
できる。
素ナトリウムを含有させることにより、温度にもよる
が、その濃度が0.2重量%と低い場合でも、定格容量
に到達するまでの充放電サイクル数を少なくすることが
できる。
【0083】そして、水素化ホウ素ナトリウムの濃度が
2重量%以上になると、処理温度が25℃と常温であっ
ても、2回の充放電で定格容量に到達することができ
る。
2重量%以上になると、処理温度が25℃と常温であっ
ても、2回の充放電で定格容量に到達することができ
る。
【0084】つぎに、実施例1の電池および比較例1の
電池について、25℃における大電流(3C相当)放電
での放電特性を調べた。その結果を図9に示す。図9に
示すように、水素化ホウ素ナトリウムを電解液に添加し
た実施例1の電池は、比較例1の電池に比べて大電流放
電における放電電圧、放電容量ともに改善されているこ
とがわかる。
電池について、25℃における大電流(3C相当)放電
での放電特性を調べた。その結果を図9に示す。図9に
示すように、水素化ホウ素ナトリウムを電解液に添加し
た実施例1の電池は、比較例1の電池に比べて大電流放
電における放電電圧、放電容量ともに改善されているこ
とがわかる。
【0085】さらに、実施例1および比較例1の電池に
ついて、0℃で0.5C相当の放電電流で放電したとき
の放電特性を図10に示す。図10に示すように、水素
化ホウ素ナトリウムを電解液に添加した実施例1の電池
は、比較例1の電池に比べて低温放電における放電電
圧、放電容量ともに改善されていることがわかる。
ついて、0℃で0.5C相当の放電電流で放電したとき
の放電特性を図10に示す。図10に示すように、水素
化ホウ素ナトリウムを電解液に添加した実施例1の電池
は、比較例1の電池に比べて低温放電における放電電
圧、放電容量ともに改善されていることがわかる。
【0086】実施例3 電解液として、30重量%水酸化カリウム水溶液に水酸
化リチウムを17g/lの割合で添加し、水素化アルミ
ニウムリチウムを0.2重量%含有させたものを用いた
ほかは、実施例1と同様にして電池を組み立て、電池組
立後、実施例1と同様に60℃で2時間保存した。
化リチウムを17g/lの割合で添加し、水素化アルミ
ニウムリチウムを0.2重量%含有させたものを用いた
ほかは、実施例1と同様にして電池を組み立て、電池組
立後、実施例1と同様に60℃で2時間保存した。
【0087】この電池について、定格容量に到達するま
でに要する充放電サイクル数、充電時間と電池内圧との
関係、充放電サイクルに伴う電池内圧の変化などを調べ
たところ、実施例1と同様の結果を示した。
でに要する充放電サイクル数、充電時間と電池内圧との
関係、充放電サイクルに伴う電池内圧の変化などを調べ
たところ、実施例1と同様の結果を示した。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、電解
液中に可溶性水素化物を含有させることによって、電池
内圧の上昇を抑制し、充放電サイクル特性を向上させ、
活性化処理を簡略化し、自己放電を少なくすることがで
き、かつ大電流放電における放電特性や低温放電におけ
る放電特性を向上させることができた。
液中に可溶性水素化物を含有させることによって、電池
内圧の上昇を抑制し、充放電サイクル特性を向上させ、
活性化処理を簡略化し、自己放電を少なくすることがで
き、かつ大電流放電における放電特性や低温放電におけ
る放電特性を向上させることができた。
【図1】本発明の水素化物二次電池における渦巻状の電
極体の概略平面図である。
極体の概略平面図である。
【図2】電池内圧の測定が可能な電池の概略斜視図であ
る。
る。
【図3】実施例1の電池および比較例1の電池の定格容
量に到達するまでの間における充放電サイクル数と放電
容量との関係を示す図である。
量に到達するまでの間における充放電サイクル数と放電
容量との関係を示す図である。
【図4】実施例1の電池および比較例1の電池の充電時
間と電池電圧との関係を示す図である。
間と電池電圧との関係を示す図である。
【図5】実施例1の電池および比較例1の電池の充電時
間と電池内圧との関係を示す図である。
間と電池内圧との関係を示す図である。
【図6】実施例1の電池と比較例1の電池の充放電サイ
クル数の増加に伴う放電容量の変化を示す図である。
クル数の増加に伴う放電容量の変化を示す図である。
【図7】実施例1の電池と比較例1の電池の貯蔵日数の
増加に伴う容量保持率の変化を示す図である。
増加に伴う容量保持率の変化を示す図である。
【図8】実施例2において定格容量に到達するまでの電
解液中の水素化ホウ素ナトリウムの濃度と充放電サイク
ル数との関係を示す図である。
解液中の水素化ホウ素ナトリウムの濃度と充放電サイク
ル数との関係を示す図である。
【図9】実施例1の電池および比較例1の電池の大電流
放電での放電特性を示す図である。
放電での放電特性を示す図である。
【図10】実施例1の電池および比較例1の電池の低温
放電での放電特性を示す図である。
放電での放電特性を示す図である。
1 正極 2 負極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 章 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−18876(JP,A) 特開 平1−186757(JP,A) 特開 平3−49154(JP,A) 特開 平5−225976(JP,A) 特開 平4−322068(JP,A) 特開 平4−126358(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/24 - 10/30 H01M 4/24 - 4/38
Claims (3)
- 【請求項1】 ニッケル酸化物またはニッケル水酸化物
を含む正極と、水素吸蔵合金を含む負極と、アルカリ水
溶液からなる電解液を有する水素化物二次電池におい
て、電解液が水素化ホウ素ナトリウムなどの可溶性水素
化物を含有していることを特徴とする水素化物二次電
池。 - 【請求項2】 可溶性水素化物が水素化ホウ素ナトリウ
ムであって、その電解液中の濃度が0.001〜5重量
%であることを特徴とする請求項1記載の水素化物二次
電池。 - 【請求項3】 電池組立後、25〜80℃で0.1〜4
時間保存することを特徴とする請求項1または2記載の
水素化物二次電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12122992A JP3342506B2 (ja) | 1991-04-19 | 1992-04-15 | 水素化物二次電池およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11688691 | 1991-04-19 | ||
JP3-116886 | 1991-04-19 | ||
JP12122992A JP3342506B2 (ja) | 1991-04-19 | 1992-04-15 | 水素化物二次電池およびその製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002042426A Division JP3342699B2 (ja) | 1991-04-19 | 2002-02-20 | 水素化物電池およびその負極の充電方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05135797A JPH05135797A (ja) | 1993-06-01 |
JP3342506B2 true JP3342506B2 (ja) | 2002-11-11 |
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ID=26455115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12122992A Expired - Fee Related JP3342506B2 (ja) | 1991-04-19 | 1992-04-15 | 水素化物二次電池およびその製造方法 |
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---|---|
JP (1) | JP3342506B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3680517B2 (ja) * | 1997-09-25 | 2005-08-10 | トヨタ自動車株式会社 | ニッケル−水素電池の再生処理方法 |
-
1992
- 1992-04-15 JP JP12122992A patent/JP3342506B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05135797A (ja) | 1993-06-01 |
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