JP3342161B2 - 導電性繊維シート及び導電性ロール - Google Patents

導電性繊維シート及び導電性ロール

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JP3342161B2
JP3342161B2 JP05802994A JP5802994A JP3342161B2 JP 3342161 B2 JP3342161 B2 JP 3342161B2 JP 05802994 A JP05802994 A JP 05802994A JP 5802994 A JP5802994 A JP 5802994A JP 3342161 B2 JP3342161 B2 JP 3342161B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は除電シート、電磁波シー
ルド材、電波反射材、電極などとして使用できる導電性
繊維シート、及び導電性ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、成形性の優れた導電性繊
維シートとして、特開平4−108168号公報におい
て、高巻縮繊維を主体とする高伸度布に、無電解メッ
キ、金属蒸着、スパッタリング、或いは導電性塗料の塗
布などの導電加工を施したものを開示した。この導電性
繊維シートは伸長しても、高巻縮繊維の巻縮が伸ばされ
るだけで、繊維表面の金属に亀裂や脱落が生じないた
め、導電性及び成形性に優れたものであった。
【0003】しかしながら、この導電性繊維シートの伸
度は、伸長前の長さに対して、100%程度伸張するの
が限度であり、これ以上伸長すると、繊維表面の金属に
亀裂や脱落が生じ、導電性が悪くなったり、この導電性
繊維シートをロールに巻回すると、伸長回復性が悪く、
ロール表面に密着しないため、使用しずらいものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するためになされたものであり、伸長性及び密着性
に、より優れた導電性繊維シート、及び導電性ロールを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性繊維シー
トは、合成ゴム及び/又はエラストマーを主体とする繊
維シート表面が、電子共役系ポリマーで被覆された、伸
長前の長さに対して、200%以上の伸長性を有するも
のである。特に、電子共役系ポリマーによる被覆量が、
繊維シート重量の0.05〜15%であると、導電性繊
維シートを伸長しても、導電性が低下せず、しかも電子
共役系ポリマーの剥離も生じない。この繊維シートが不
織布であると、伸長性により優れている。なお、この不
織布がメルトブロー法により得たものであると、様々な
性能を付与することができる。
【0006】また、上記導電性繊維シートの少なくとも
片面に、不連続の突起体が配列されていると、耐磨耗性
に優れた導電性繊維シートである。
【0007】本発明の導電性繊維シートは紙などの搬送
用途又は電極として使用できる。本発明の導電性ロール
は、上記導電性繊維シートを、ロールに巻回したもので
ある。
【0008】
【作用】本発明の導電性繊維シートは、合成ゴム及び/
又はエラストマーを主体とする繊維シート表面が、電子
共役系ポリマーで被覆されたものであり、従来では得ら
れなかった、伸長前の長さに対して、200%以上の伸
長性を有し、電子共役系ポリマーは繊維シートの伸長に
追従できるので、導電性の低下もない。しかも、伸長回
復性にも優れているため、他の材料との密着性にも優れ
ている。
【0009】本発明の繊維シートとしては、例えば、不
織布、織物、編物などで良く、特に限定するものではな
いが、これらの中でも不織布は三次元的に繊維が配列し
ているため、コロナ放電が生じやすく、除電性能に優れ
ていたり、立体的な空間を有し、伸縮性及び弾性に優れ
ているため、好適に使用できる。なお、紙などの搬送用
途に使用する場合には、紙粉などをその空間中に保持
し、導電性繊維シートの表面粘性や導電性を低下させな
いという特長があり、他方、電極として使用する場合に
は、その空間に他の物質を多く充填できるという特長が
ある。
【0010】この不織布の製造方法としては、例えば、
カード法、エアレイ法などの乾式法、湿式法、スパンボ
ンド法、メルトブロー法などにより得られる繊維ウエブ
を、水流やニードルにより絡合する方法、他の接着剤に
より接着する方法、ステッチボンド法などがある。な
お、スパンボンド法やメルトブロー法などにより得られ
る繊維ウエブをそのまま不織布として使用しても良い。
【0011】このスパンボンド法やメルトブロー法は、
合成ゴム及び/又はエラストマーを主体とする不織布を
形成する場合に取り扱いやすいため、好適な方法であ
る。特に、メルトブロー法によって得られる繊維は平均
繊維径が0.5〜20μm程度と細く、しかも同じ目付の
不織布であれば、繊維本数が多く、コロナ放電しやすい
ため、除電性に優れ、しかも、繊維シート表面が平滑
で、弾性があるため、例えば、紙などを効率的に搬送で
きるという特長がある。また、電極として使用した場合
には、表面積が広いため、電極反応が効率的に行なうこ
とができたり、液体保持性に優れている。そのため、例
えば、生体電極として好適に使用できるという特長があ
る。更に、導電性繊維シートを感光ドラム付近で使用し
た場合、繊維が脱離して感光ドラムに付着したとして
も、瞬時に焼失し、電流がリークして感光ドラムを損傷
する恐れがないという特長も有する。
【0012】本発明の繊維シートを構成する合成ゴムと
しては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエ
ンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合
体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレ
ンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、
多硫化ゴム、水素化ニトリルゴム、ポリエーテル系特殊
ゴム、フッ素ゴム、4フッ化エチレン−プロピレンゴ
ム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴ
ム、エピクロロヒドリンゴム、プロピレンオキサイドゴ
ム、エチレン−アクリルゴム、液状ゴム、ノルボルネン
ゴムなどがあり、エラストマーとしては、スチレン系、
オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミ
ド系、1,2−ポリブタジエン系、塩ビ系、フッ素系な
どの熱可塑性のものを単独で、或いは混合して使用でき
る。これらの中でも、スチレン系、オレフィン系、ウレ
タン系、ポリエステル系、ポリアミド系の熱可塑性エラ
ストマーは、メルトブロー法により、弾性に富み、繊維
径の小さい繊維を得ることが容易なため、特に好適に使
用できる。
【0013】なお、これら合成ゴムやエラストマー以外
に、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ
塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂などからな
る合成繊維、再生繊維、半合成繊維、無機繊維、植物繊
維、動物繊維、鉱物繊維などを併用しても良いが、繊維
シートの伸長性を損わないように、50重量%を越えて
使用しないようにする。好ましくはこれら繊維を20重
量%以下に抑えて使用する。最も好ましくは、合成ゴム
やエラストマーのみで繊維シートを形成する。
【0014】このような繊維シートを電子共役系ポリマ
ーで被覆することにより、本発明の導電性繊維シートを
得る。電子共役系ポリマーは繊維シートとの密着性が良
く、耐久性、柔軟性に優れ、しかも繊維シートの伸長に
追従できる。
【0015】この被覆方法としては、例えば、塩化鉄
(III)、塩化銅(II)などの酸化剤を含む溶液を、繊
維シートに付着した後、モノマーに接触させて重合させ
る方法がある。なお、モノマーとの接触方法は、モノマ
ーが液体状態の場合、酸化剤の付着した繊維シートにモ
ノマーを含浸したり、塗布したり、スプレーしたりすれ
ば良く、モノマーが気体状態の場合、モノマーで充填し
た容器内に、酸化剤の付着した繊維シートを載置すれば
良く、特に限定するものではない。
【0016】この重合させるモノマーとして、例えば、
アセチレン、ベンゼン、アニリン、フェニルアセチレ
ン、ピロール、フラン、チオフェン、インドール及びこ
れらモノマーの誘導体などがある。これらの中でも、ピ
ロールは導電性、重合性に優れているため、最も好適に
使用できる。
【0017】このように、電子共役系ポリマーで被覆さ
らた繊維シートの表面抵抗は、用途によって異なるが、
例えば、複写機などの搬送ロールとして使用し、除電性
を付与する場合には、1×100〜1×109Ω/□であ
るのが好ましい。表面抵抗が1×100Ω/□未満であ
ると、除電シートから脱離した繊維が感光ドラムに付着
した際に、電流がリークして感光ドラムを損傷し、表面
抵抗が1×109Ω/□を越えると、除電性能が著しく
低下するためである。より好ましくは、1×102〜1
×106Ω/□、最も好ましくは1×102〜1×104
Ω/□である。他方、生体電極として使用する場合に
は、1×103Ω/□以下、電磁波シールド用途に使用
する場合には、1×102Ω/□以下であるのが好まし
い。
【0018】なお、電子共役系ポリマーによる被覆量
は、繊維シート重量の0.05〜15%であるのが好ま
しい。0.05%未満であると、電子共役系ポリマー量
が少なすぎて、導電性が損われやすく、15%を越える
と、電子共役系ポリマーの量が多すぎて、伸長した際
に、電子共役系ポリマーが剥離しやすいためである。よ
り好ましくは、繊維シート重量の0.1〜10%であ
る。
【0019】本発明の導電性繊維シートは、このまま使
用しても構わないが、ロールに巻回し、紙などを搬送す
る導電性ロールとして使用する場合には、耐磨耗性をも
たせるために、導電性繊維シートの少なくとも片面に、
不連続の突起体を配列するのが好ましい。
【0020】この突起体2について、導電性繊維シート
1の正面図である図1(a)〜(d)をもとにして説明
すると、突起体2は(a)のように、直線状に多数平行
に配列していても良く、一方向に対してのみ連続であれ
ば、不連続と考える。この導電性繊維シート1は突起体
2の配列方向に対して直角方向に伸長性がある。
【0021】また、突起体2は図1(b)のように、た
て方向及びよこ方向に対して、直線状に規則性をもって
繰り返し配列していても良い。この場合、たて、よこ、
左斜め、右斜め方向に伸長性がある。
【0022】また、突起体2は図1(c)、(d)のよ
うに、点状に配列していると、全方向に対して、伸長性
があるため、最も好適な配列状態である。なお、点状に
配列する場合、(c)のように、前後左右の突起体2と
等間隔に配列しても良いし、(d)のように、千鳥状に
規則正しく配列しても良いし、ランダムに配列していて
も良い。
【0023】なお、突起体2の形状は特に限定するもの
ではなく、半球状、直方体状、蒲鉾状などで良い。
【0024】また、突起体2は導電性繊維シート1の表
面積(平滑とみなした場合、以下同様に考える)中、1
0〜90%の表面積を占めるように配列するのが好まし
く、10%未満では、導電性繊維シート1の磨耗を突起
体2によって防ぐことができず、90%を越えると、導
電性繊維シート1の伸長性が低下しやすいためであり、
より好ましくは20〜80%である。
【0025】また、耐磨耗性と伸長性とを兼ね備えるよ
うに、1個の突起体2の占める面積は、好ましくは0.
3〜20mm2であり、より好ましくは0.5〜10mm2
ある。
【0026】また、隣接する突起体とは0.5〜20mm
離れているのが好ましく、0.5mm未満であると、導電
性繊維シート1の露出する面積が狭くなり、除電性が低
下し、20mmを越えると、導電性繊維シート1の露出す
る面積が広く、帯電物と接触しやすくなり、耐磨耗性が
悪くなるためである。より好ましくは、0.5mm〜10m
mである。なお、この隣接する突起体とは距離的に最も
近い突起体をいう。
【0027】この突起体を構成する材料としては、例え
ば、繊維シートを構成する合成ゴムやエラストマーと同
様のものの他に、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコー
ル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹
脂、これら樹脂からなる合成繊維、再生繊維、半合成繊
維、無機繊維、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維などがあ
る。これらの中でも、合成ゴム及び/又はエラストマー
を使用すると、帯電物を搬送する際に滑りが生じず、確
実に搬送することができ、しかも突起体自身も伸長で
き、導電性繊維シートの伸長性を損わないので、好適に
使用できる。この合成ゴムやエラストマーの中でも、ウ
レタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴ
ムなどの合成ゴムや、ポリエステル系、ポリアミド系、
ウレタン系、フッ素系の熱可塑性エラストマーは耐熱
性、耐久性及び耐候性に優れているため、最も好適に使
用できる。また、金属繊維、炭素繊維、或いは炭素粉末
や金属粉末などの導電性物質を一部又は全部含む突起体
は、より除電性能に優れているため、好適に使用でき
る。
【0028】このような突起体は、それぞれの性質によ
って適宜配列することができる。例えば、突起体が合成
ゴム、エラストマー、樹脂(合成繊維を含む)の場合に
は、架橋剤や樹脂自身のもつ可塑性、或いは他の接着剤
を利用して、固定することができ、無機繊維などの可塑
性を有しない場合には、他の接着剤を利用して固定する
ことができる。なお、他の接着剤を利用して固定する場
合には、接着剤にカーボンなどの導電性粒子を混入させ
るなど、接着剤にも導電性をもたせるのがより好まし
い。
【0029】本発明の導電性繊維シートの使用形態とし
ては、特に限定するものではないが、例えば、シート
状、ロール状、テープ状、糸状に加工した形態、或いは
金属ロールなどのロール基材に平巻き、或いは螺旋状に
巻回して使用できる。このように、ロール基材に巻回し
たとしても、本発明の導電性繊維シートは伸長回復性に
優れているため、ロール基材に密着しており、優れた除
電作用などを発揮する。
【0030】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例、
比較例中の表面抵抗はロレスタAP MCP−T400
(三菱油化(株)製)により測定した値である。
【0031】
【実施例】
(実施例1)メルトブロー法により、ポリブチレンテレ
フタレートとポリエーテルとのブロック共重合体からな
る、目付150g/m2、厚さ0.54mmの不織布を形成し
た。この不織布に30%濃度の塩化鉄(III)を含浸し
た後、ピロール溶液を蒸発させたピロールモノマーガス
に接触、重合させて、繊維表面を5g/m2量のポリピロー
ルで被覆した、表面抵抗0.19×103Ω/□、目付1
55g/m2(不織布重量の3.3%)の導電性繊維シート
を得た。
【0032】(実施例2)実施例1と同様にして得た不
織布に、30%濃度の塩化鉄(III)を含浸した後、ピ
ロールモノマーガスとの接触時間を調節し、2g/m2量の
ポリピロールで被覆した、表面抵抗11×103Ω/
□、目付152g/m2(不織布重量の1.3%)の導電性
繊維シートを得た。
【0033】(実施例3)実施例1と同様にして得た不
織布に、30%濃度の塩化鉄(III)を含浸した後、ピ
ロールモノマーガスとの接触時間を調節し、0.2g/m2
量のポリピロールで被覆した、表面抵抗2.1×106Ω
/□、目付150.2g/m2(不織布重量の0.13%)の
導電性繊維シートを得た。
【0034】(実施例4)実施例1と同様にして得た不
織布に、30%濃度の塩化鉄(III)を含浸した後、ピ
ロールモノマーガスとの接触時間を調節し、20g/m2
のポリピロールで被覆した、表面抵抗38Ω/□、目付
170g/m2(不織布重量の13.3%)の導電性繊維シ
ートを得た。
【0035】(比較例)繊度2デニール、繊維長15m
m、巻縮数10〜20個/インチの潜在巻縮ポリエステ
ル繊維(ユニチカ株式会社製、ユニチカエステルC−8
1)を用いて、カード法により繊維ウエブを形成した
後、針密度60本/cm2でニードルパンチ処理して、不
織布を得た。その後、この不織布を180℃で熱処理
し、巻縮を発現させて、目付100g/m2、厚さ1.5mm
の伸縮性不織布を得た。なお、熱処理後の巻縮数は50
〜80個/インチであった。この伸縮性不織布を実施例
1と全く同様にして、繊維表面を3g/m2量のポリピロー
ルで被覆した、表面抵抗0.5×103Ω/□、目付10
3g/m2の導電性繊維シートを得た。
【0036】(伸長時の表面抵抗の測定)幅10mm、長
さ50mmに裁断したテープ状の実施例1〜4及び比較例
の導電性繊維シートを、テープ状の導電性繊維シートの
長さに対して、20、40、60、80、100、15
0、200、250%伸長時の表面抵抗を、ロレスタA
PMCP−T400(三菱油化(株)製)により測定し
た。この結果は表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】(伸長回復時の表面抵抗の測定)幅10m
m、長さ50mmに裁断したテープ状の実施例1〜4及び
比較例の導電性繊維シートを、テープ状の導電性繊維シ
ートの長さに対して、50%及び100%伸長させ、回
復させた後の表面抵抗を、ロレスタAP MCP−T4
00(三菱油化(株)製)により測定した。この結果は
表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】(除電効果試験)ポリイミドフィルムを羊
毛布で摩擦することにより、13.0KVの静電気を帯電
させ、この帯電ポリイミドフィルム上に、50%伸長
し、回復させた、実施例1〜4及び比較例の導電性繊維
シート(10cm×10cm)を、3mmの間隔を設けて設置
した。その後、ポリイミドフィルムを速度30cm/secで
移動させた時の残留帯電圧を測定した。なお、この摩擦
帯電方法及び帯電圧測定はJIS規格、L1092参考
法に準拠の摩擦帯電圧試験装置(カネボウエンジニアリ
ング株式会社製、EST−7)により行った。また、こ
の測定は温度20℃、湿度50%の条件下で行なった。
この結果は表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】(剥離性試験)幅10mm、長さ50mmに裁
断したテープ状の実施例1〜4及び比較例の導電性繊維
シートを、引張強伸度試験機((株)オリエンテック
製)のチャック間(30mm)に挟み、速度10cm/分
で、チャック間が60mmになるまで伸張した後、同速で
チャック間が30mmになるまで戻すという作業を10回
繰り返した。その後、この導電性繊維シートを、たて2
4mm、よこ50mmのセロハン製粘着テープ((株)共和
製、商標:パイロン)上に載置し、15g/cm2加重した
後、導電性繊維シートを粘着テープから剥がし、粘着テ
ープにポリピロールの黒色粉が粘着しているかどうかを
観察した。この結果も表3に示す。
【0043】
【発明の効果】本発明の導電性繊維シートは、合成ゴム
及び/又はエラストマーを主体とする繊維シート表面
が、電子共役系ポリマーで被覆されたものであり、従来
では得られなかった、伸長前の長さに対して、200%
以上の伸長性を有し、電子共役系ポリマーは繊維シート
の伸長に追従することができるので、導電性の低下のな
いものである。しかも、伸長回復性にも優れているた
め、他の材料への密着性に優れたものである。
【0044】特に、電子共役系ポリマーによる被覆量
が、繊維シート重量の0.05〜15%であると、導電
性繊維シートを伸長しても、導電性が損われず、電子共
役系ポリマーが剥離するなどの問題を生じない。
【0045】この繊維シートが不織布であると、コロナ
放電性、伸縮性、弾性、或いは各種物質の保持性に優れ
ている。また、この不織布がメルトブロー法により得た
ものであると、より様々な用途に適合させることができ
る。
【0046】上記の導電性繊維シートの少なくとも片面
に、不連続の突起体が配列されていると、耐磨耗性に優
れているため、例えば、除電シートとして使用すること
ができる。
【0047】本発明の導電性繊維シートは紙などの搬送
用途又は電極として使用できる。本発明の導電性ロール
は、上記導電性繊維シートをロールに巻回しているた
め、ロールに密着しており、導電性繊維シートの有する
除電性などの効果を効率的に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の導電性繊維シートの正面図 (b) 本発明の他の導電性繊維シートの正面図 (c) 本発明の他の導電性繊維シートの正面図 (d) 本発明の他の導電性繊維シートの正面図
【符号の説明】
1 導電性繊維シート 2 突起体
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 15/00 - 15/72

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成ゴム及び/又はエラストマーを主体
    とする繊維シート表面が、電子共役系ポリマーで被覆
    れた、伸長前の長さに対して、200%以上の伸長性を
    有することを特徴とする導電性繊維シート。
  2. 【請求項2】 電子共役系ポリマーによる被覆量が、繊
    維シート重量の0.05〜15%であることを特徴とす
    る請求項1記載の導電性繊維シート。
  3. 【請求項3】 繊維シートが不織布であることを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の導電性繊維シート。
  4. 【請求項4】 メルトブロー法により得た不織布である
    ことを特徴とする請求項3記載の導電性繊維シート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性
    繊維シートの少なくとも片面に、不連続の突起体が配列
    されていることを特徴とする導電性繊維シート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の導電性
    繊維シートを、紙などの搬送用途又は電極として使用す
    ることを特徴とする導電性繊維シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性
    繊維シートを、ロールに巻回したことを特徴とする導電
    性ロール。
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