JP3342007B2 - 低分子ヘパリン修飾体及び皮膚潰瘍治療剤 - Google Patents
低分子ヘパリン修飾体及び皮膚潰瘍治療剤Info
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Description
剤に関するものである。とくに、この発明は、細胞増殖
因子、サイトカイン類又は細胞接着因子との結合性を保
持していて、しかも抗血液凝固活性を実質的に喪失した
ヘパリン修飾体を皮膚潰瘍治療剤として使用することに
関するものであり、またそのような皮膚潰瘍治療剤を作
るに好適な低分子ヘパリン修飾体に関するものである。
凝固阻止作用を持っていることが大きな特徴とされる。
ヘパリンは健康な食用獣の肝、肺、腸、脾に多く見ら
れ、毛細管周辺のマスト細胞で特異的に産生される。ヘ
パリンは、種々の程度にO−硫酸基、N−硫酸基、又は
N−アセチル基を持ったグルコサミノグリカンであっ
て、分子量が6,000〜20,000のヘテロ多糖類
である。
すような10種類の二糖の組み合わせで構成されてい
る。
はN−アセチル−D−グルコサミン、GlcNSはN−
スルホ−D−グルコサミン、GlcA(2OS)は2−
スルホ−D−グルクロン酸、GlcNS(6OS)はN
−スルホ−D−グルコサミン−6−硫酸、GlcNS
(3,6diOS)はN−スルホ−D−グルコサミン−
3,6−ジ硫酸、IdAはL−イズロン酸、IdA(2
OS)は2−スルホ−L−イズロン酸である。
リンは多種類の細胞増殖因子、サイトカイン類又は細胞
接着因子と結合し、またアンチトロンピンIIIを始め多
くの血液凝固・線溶系の酵素及び作用因子と結合して、
前述のように血液凝固を阻害する。
るとは考えられない。なぜならば、ヘパリンを皮膚の潰
瘍に接触させると、ヘパリンが血液凝固を阻害する性質
を持つために、却って出血を促し、潰瘍を悪化させるこ
とになるおそれがある、と考えられるからである。
たり、ヘパリンを化学的に修飾して薬剤として用いよう
とする試みがなされている。例えば、特開昭54−30
277号公報は、ヘパリンを解重合して分子量が2,0
00〜5,000の低分子ヘパリンにするとともに、化
学的に修飾して、これを血栓症治療用薬剤として使用す
ることを提案している。
硝酸で処理したり、又は過沃素酸により酸化し次いでア
ルカリによりβ−脱離反応を行って、抗トロンビン作用
が弱く、抗Xa因子活性が増強された選択的抗血液凝固
活性を有する低分子ヘパリンが得られたことを記載して
いる。
して親和性を示すとともに、特異な核磁気共鳴スペクト
ルを示すヘパリン型の少糖類が、筋肉及び血管の治療用
に使用できることを記載している。
度にして、細胞の保存及び回復用に使用することを記載
している。
合することなく、ヘパリンを過沃素酸で酸化し、次いで
水素化硼素で還元してヘパリン修飾体を作り、これを筋
肉細胞増殖阻止のための注射薬として使用することを記
載している。
の2−O−硫酸基及び3−O−硫酸基を様々な程度に除
去して、癌などの疾病の予防や治療に用いることを記載
している。
又は酵素的に切断して得られた各種少糖類又はオリゴ糖
について、細胞成長因子との結合性を指標として種々の
画分に分け、各画分を特定の細胞に対する増殖調整剤と
して用いることを提案している。
より切断して低分子ヘパリンとし、得られた低分子ヘパ
リンを過沃素酸で酸化し、次いで水素化硼素で還元し
て、抗血液凝固活性を持たない低分子ヘパリン修飾体を
得て、これを血栓生成阻止のための注射薬として使用す
ることを記載している。
より解重合して低分子ヘパリンとし、次いで低分子ヘパ
リンを過沃素酸により酸化し、その後に水素化硼素で還
元して抗血液凝固活性を示さない低分子ヘパリン修飾体
を得て、これを腎臓、心筋梗塞症等の治療用に使用する
ことを記載している。
れた低分子ヘパリン又はヘパリンそのものを化学的に修
飾し、得られた修飾体を薬剤として使用することが知ら
れているが、その薬剤は主に注射用のものであって、心
臓、腎臓などの臓器疾患の治療に供せられるものであ
る。
トカイン類又は細胞接着因子との結合性を保持させたま
ま、ヘパリンの持つ抗血液凝固作用及び出血、線溶作用
を消滅させるか又は最小限に抑えると、得られたものは
創傷、褥瘡治療効果を示すことになろうと考えた。
ンを過沃素酸で酸化し次いで水素化硼素で還元してヘパ
リン修飾体を作り、さらにこれを化学的に切断して平均
分子量を約1,500〜8,000の範囲内にとどめた
ところ、得られた低分子ヘパリン修飾体が細胞増殖因
子、サイトカイン類又は細胞接着因子などとの結合性を
保持しており、しかも血液凝固性を喪失したものとなる
ことを確認した。
体を適当な基剤と混合してこれを塗布薬とし、この塗布
薬を皮膚潰瘍のある患者に塗布して経過を観察した結
果、この塗布薬がすぐれた創傷治療効果、とくに褥瘡治
療効果を示すことを見出した。この知見を根拠に、この
発明者等はさらに検討を重ねた結果、この発明を完成す
るに至ったのである。
り、ヘパリンの持つ細胞増殖因子、サイトカイン類又は
細胞接着因子との結合性を残したまま、抗血液凝固活性
を減弱させて得られたヘパリン修飾体を皮膚潰瘍治療剤
として使用することを骨子とするものである。また、こ
の発明は、そのような皮膚潰瘍治療剤として使用するの
にとくに好適な低分子ヘパリン修飾体を提供するもので
ある。
類又は細胞接着因子との結合性とは、例えば免疫応答の
制御作用、抗潰瘍作用、抗ウイルス作用、細胞増殖、分
化の調節作用などを示すこと、また細胞から放出され、
細胞間相互作用を媒介する蛋白質性因子、サイトカイン
類又は細胞接着因子と相互作用を持つこと、さらに互い
の作用を増強(場合によっては減弱)することを意味し
ている。また、上記の蛋白質性因子としては、例えばイ
ンターフェロンγ、インターロイキン、腫瘍壊死因子、
リンホトキシン、コロニー刺激因子、上皮増殖因子、繊
維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子β、
血管内皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、ラミニン、フ
ィブロネクチンなどが挙げられる。
を云うのである。抗血液凝固活性は、APTT(Activat
ed Partial Thromboplastin Time、活性部分トロンボプ
ラスチン時間)により抗トロンビン活性を測り、また抗
Xa因子活性測定法によって抗Xa因子活性を測って、
それらの値をもって知ることができる。これら活性の測
定方法は、例えば、T. W. Barrowcliffe氏の記述(Hepa
rin assays and standardization in Heparin, D.
A. Lane and U. Lindahl ed. Edward Arnold, 198
9, P. 393-415)に詳しく説明されているので、これに
よって抗血液凝固活性を知ることができる。
1はヘパリンと比較した実施例1、実施例2、実施例
3、参考例1及び参考例2の化合物の高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)による分析結果を示しており、
図2は試験例1における実施例1、実施例2、実施例3
及び参考例2の化合物による皮膚潰瘍治療日数の比較を
示しており、図3は試験例2におけるワセリンとヘパリ
ン又は参考例1の化合物の皮膚潰瘍治療日数の比較を示
し、図4は試験例1におけるワセリンのみによる治療1
1日目の染色した組織標本の顕微鏡写真を示し、図5は
試験例1における実施例1、実施例2及び実施例3の化
合物による治療11日目の染色した組織標本の顕微鏡写
真を示し、図6は試験例2における参考例2の化合物に
よる治療11日目の染色した組織標本の顕微鏡写真を示
している。
又はヘパリンを低分子化するとともに修飾して低分子ヘ
パリン修飾体としたものを皮膚潰瘍治療剤として用い
る。低分子化と化学的修飾とは、何れを先にしてもよ
い。従って、低分子ヘパリン修飾体は、低分子ヘパリン
を入手してこれに化学的修飾を施すだけで得られたもの
であってもよく、またヘパリンをまず化学的に修飾して
のち、得られた修飾体の分子を切断して低分子ヘパリン
としたものであってもよい。
ずヘパリンを化学的に修飾してヘパリンの血液凝固性を
喪失させ、その後に低分子化する方法を用いた。化学的
に修飾するには、古くから知られている過沃素酸により
まず酸化し、次いで水素化硼素により還元する方法を用
いた。過沃素酸は既に知られているように、一般に隣接
するジオール構造又はアミノアルコール構造を有する部
分に作用して、2個のアルデヒド基を生成させる(例え
ば、L.-A. Fransson等、Carbohydr. Res., 80, 131-14
5, 1980 )。ヘパリンに過沃素酸を作用させると、化学
式表2に示すように、ヘパリンの中では硫酸基を持たな
いヘキスロン酸(グルクロン酸及びイズロン酸)が、こ
の酸化を受ける。酸化の程度は、試薬の濃度、反応のと
きのpH、温度、時間によって著しく左右される。
る。pH3程度の低いpHではイズロン酸が優先的に酸化さ
れ、pHが約5以上ではグルクロン酸も酸化される。抗血
液凝固活性を喪失させるためには、グルクロン酸を酸化
する必要があるので、この発明ではpHを3〜6、好まし
くは5とする。こうして、化学式表2中でアルデヒド基
を持った化合物(c)を得る。この化合物(c)をさらに水素
化硼素によって還元して、化学式表2中の化合物(a)を
得る。化合物(a)は血液凝固活性を持たないものである
(B.Basu et al, Arzneim. -Forsh./Drug Res.,36,637-
642, 1986 )。化合物(a)は、米国特許第5,280,
016号に記載されている化合物である。
還元を示しているが、グルクロン酸の場合も同様であ
る。化学式(a)で表されるヘパリン修飾体は酸性で低分
子化するが、この時pH、温度、反応時間を調節すること
により、適当な大きさの低分子物を得ることができる。
化学式(a)及び(c)で表されるヘパリン修飾体は、皮膚潰
瘍治療作用を有するが、その治療作用はこれを低分子化
した低分子ヘパリン修飾体に比べると劣っていることが
判明している。
アルカリ性の下では化学式表2に示したように、β脱離
反応を起こして低分子化し、(b)で示す化合物を生じて
さらに分解される。こうして得られた低分子ヘパリン修
飾体(d)も、皮膚潰瘍治療剤として使用することができ
る。
示されたヘパリン修飾体は、何れも皮膚潰瘍治療剤とし
て使用できるが、これらはさきに述べたように、これを
低分子化したものに比べると、潰瘍治療効果において劣
るものである。
ヘパリン修飾体を低分子化することにより、細胞増殖因
子、サイトカイン類又は細胞接着因子との結合性を保持
していて、しかも抗血液凝固活性を実質的に喪失した低
分子ヘパリン修飾体(e)及び(f)を得ることができる。
は、例えば加水分解法、脱アミノ化分解法、過沃素酸酸
化分解法、ラジカル誘導酸化還元分解法、加硫酸分解
法、及び脱離反応による分解法などが挙げられる(長沢
金蔵、糖鎖工学、(株)産業調査会・バイオテクノロジー
情報センター発行、1992年8月、P.315-342 )。
脱アミノ化分解法を用いた。何れの方法を用いても、充
分に制御された条件の下で反応を進めれば、満足な効果
を得ることができる。
し温度を60℃とすれば3時間で完全に加水分解を行う
ことができる。こうして化学式表2の左下に示すよう
に、最終的にはすべてのヘキスロン酸のところで分子を
切断することができる。そこで、反応時間を適当に短縮
したり、反応温度を下げたりすることによって、加水分
解を適当のところで止め、所望の平均分子量を持った低
分子ヘパリン修飾体(e)及び(f)を得ることができる。
リコンであるL−トレオン酸のカルボキシル基をエステ
ル化、アミド化等によって修飾して得られる二次変換体
も低分子ヘパリン修飾体に含まれる。
3に示すように行われる。亜硝酸は低いpHではアミノ糖
のN−硫酸基に反応して中間体として不安定なN−ニト
ロソ体を生じ、この中間体が分子内縮環により2、5−
アンヒドロ−D−マンノースを形成し、アミノ糖のグリ
コシド結合が切断される。亜硝酸とアミノ糖のN−硫酸
基との反応はpH1.5で最も迅速に進行し、pHの上昇と
ともに反応速度が低下し、pH4になると反応が実質的に
進行しなくなる。従って、亜硝酸の濃度(量)、反応時
間、pH及び反応温度を調節することにより、所望の平均
分子量を持った低分子ヘパリン修飾体を得ることができ
る。
の還元末端である2、5−アンヒドロ−D−マンノース
のアルデヒド基は、下記の化学式表4に示すような種々
の化学修飾をすることができる。例えば、アミノ基を持
った化合物と反応させてシッフ塩基を形成させて誘導体
にすることができ、また、炭酸水素ナトリウムの存在下
に水又はアルコール等の溶媒中で当量の水酸化硼素ナト
リウムを用いて氷冷ないし室温で還元することにより対
応するアルコールにすることができ、またセライト存在
下に活性二酸化マンガンを1ないし5当量用いて水又は
アルコール中で酸化することにより対応するカルボン酸
にすることができる。さらにこうして得られたカルボン
酸をエステル化又はアミド化することにより、対応する
種々のエステル体又はアミド体にすることができ、また
アミンの存在下に水素化硼素による還元アミノ化反応に
より対応する種々の置換アミノメチル体にすることがで
きる。こうして得られた二次変換体も、皮膚潰瘍治療効
果を発揮する。従って、この二次変換体も、低分子ヘパ
リン修飾体に含まれる。
500〜8,000のものが好ましく、とりわけ約2,
000〜6,000のものが好ましい。ヘパリン修飾体
と、もとのヘパリンと、低分子ヘパリン修飾体(例え
ば、のちに述べる実施例1〜実施例3で得られた低分子
ヘパリン修飾体)とは高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)によって明瞭に区別することができる。
0 SWXL(直径0.78cm、長さ30cm)を使
用し、この中にシリカ樹脂を加工して分子篩の性質を持
たせたものを充填して行ったHPLCの結果を示すもの
である。このカラムはヘパリンのような直鎖状に近い分
子の場合に、分子量が約500から20,000の範囲
内で有効な分別を行うことができるものである。
のクロマトパックC−R4Aに接続した。溶媒として
0.15M食塩を含むpH7.3の0.01M燐酸緩衝液
を用い、1分あたり0.5mの流速で展開した。室温
で行い溶出液に210nmの光をあてて、この光の吸収
によりヘパリン及びその誘導体を検出した。
0nmの光の吸収の相対強度を目盛ったものである。図
1において、四角印を含む線はヘパリンを示し、丸印を
含む線はヘパリン修飾体(参考例2で得られたヘパリン
修飾体)を示し、三角印を含む線は低分子ヘパリン(参
考例1で得られたもの)を示し、無印の太い実線は低分
子ヘパリン修飾体(実施例1、実施例2及び実施例3で
得られたもの)を示している。低分子ヘパリン修飾体は
分子量約1,500〜8,000の領域に溶出されてい
る。このように、低分子ヘパリン修飾体はもとのヘパリ
ン及びヘパリン修飾体とは明瞭に区別できる。なお、図
1では参考例2で得られたヘパリン修飾体がやや低分子
物のように振る舞っているが、これは分子変形のため
で、恐らくヘキスロン酸が開環したために、分子がやや
湾曲したことによるものと考えられる。また、溶出時間
約22分の位置に見られるピークは塩類に相当する。
パリン修飾体は、自体公知の方法で適宜分離精製して治
療剤として使用する。分離精製する方法としては、有機
溶媒(アルコール、アセトンなど)を用いる沈殿法、各
種のクロマトグラフィー(例えば、イオン交換樹脂クロ
マトグラフィー、活性炭、抗体、セファロースなどを用
いるクロマトグラフィーなど)、分子篩による精製など
を用いることができる。
られた低分子化されていないヘパリン修飾体と、低分子
化されたヘパリン修飾体とを用いることができるが、そ
のうちで好ましいのは低分子ヘパリン修飾体である。
L−トレオン酸をアグリコンとするアミノ糖、非還元末
端にアミノ糖を有するものが得られ、低分子化を脱アミ
ノ化分解法で行った場合には、還元末端に2、5−アン
ヒドロ−D−マンノース、非還元末端にウロン酸を有す
るものが得られる。
飾体(以下、この両者を併せてヘパリン誘導体という)
は、遊離体又は各種の塩として用いることができる。塩
としては薬理学的に許容される塩であれば、どのような
ものであってもよい。例えば、酢酸などの有機酸、又は
塩酸などの無機酸の塩として用いることができる。ま
た、ヘパリン誘導体中の硫酸残基などの酸性基をアルカ
リ金属、アルカリ土類金属の塩として用いることもでき
る。また、修飾体は単一化合物でなくて混合物であって
もよい。
膚組織の壊死、剥離、融解等によりもたらされる皮膚の
破損、欠損など、さらに具体的には創傷、褥瘡、熱傷、
凍傷または手術創、皮膚感染により発症する潰瘍(例、
皮膚真菌症、乾癬、水疱瘡、水虫、たむし、ニキビな
ど)の治療に有効である。
経口または経口により投与することができる。好ましく
は、非経口投与により用いられる。投与形態としては、
非経口の場合は、経皮投与製剤の形態、すなわち皮膚患
部に投与できる形態であればいずれでも良い。経皮的に
活性成分を投与し得る製剤として、好ましくは、パッチ
剤、パップ剤、軟膏剤(クリーム剤も含む)、硬膏剤、
テープ剤、ローション剤、液剤、懸濁剤、乳剤、噴霧剤
(スプレー剤も含む)などが挙げられる。また、活性成
分のコントロール等の点からパッチ剤、パップ剤、テー
プ剤、硬膏剤等の貼付剤、軟膏剤および噴霧剤が特に好
ましい。
は、製剤分野において自体公知の溶剤、懸濁化剤、乳化
剤、噴射剤、基剤などと共に活性成分を配合して製造す
ることができる。その際、必要により、防腐剤(例、パ
ラオキシ安息香酸エチル、塩化ベンザルコニウムなど)
を配合することもできる。
分野において自体公知の基剤を用いて、必要に応じて防
腐剤などを加え、適当な担持体に吸収または付着させ製
造することができる。担持体としては、高分子膜(例、
ポリエチレン、酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンフタ
レートなど)、織布、不織布、紙、アルミニウム箔など
が挙げられる。パッチ剤、パップ剤、テープ剤に用いら
れる粘着剤としてはポリアルキルビニルエーテル系、ポ
リアルキルアクリレート系、ポリイソブチレン系、天然
ゴム系、合成ゴム系粘着剤が挙げられる。また、適度な
可塑性と粘着性を保持させるために動物油(例、スクワ
レン、スクワランなど)、植物油(例、オリーブ油、ホ
ホバ油など)、ワセリン、ラノリンなどが加えられても
よい。
の経皮投与製剤を製造する際には、経皮吸収を調節する
成分、例えば脂質や脂溶性物質、具体的にはレシチンな
どのリン脂質、固形パラフィン、ミツロウ、カルナウバ
ロウ、硬化ヒマシ油、ラノリン、ワセリン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリ
コール、グリセリン脂肪酸エステル、コレステロール、
炭素数約6〜約22の脂肪族カルボン酸(例、カプロン
酸、カプリル酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸など)
およびその塩類、炭素数約6〜約22の脂肪族アルコー
ル(例、n−オクチルアルコール、n−セチルアルコー
ル、ステアリルアルコールなど)、シリコン樹脂及び低
級アルコール(例、エタノール、イソプロピルアルコー
ルなど)などを配合することができる。当然、活性成分
とこれらの基剤単独または複合で用いてもよい。
ど)、炭素数約2〜約6のアルカンジオール(例、グリ
セリンなど)、炭素数約3〜約7のアルカントリオール
(例、グリセリンなど)などが挙げられる。
シメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ナ
トリウムなどが挙げられる。
しては、例えば、ワセリン、固形パラフィン、植物油、
鉱物油、ラノリン、蝋類、マクロゴール類などが挙げら
れる。硬膏基剤としては、ミツ蝋、パラフィン、マクロ
ゴール類、グリセリン脂肪酸エステル類などが挙げられ
る。
1、フレオン12、フレオン13など)などが挙げられ
る。
剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などとして投与
され、これらは常法にしたがって製造できる。
配合量は所望の治療効果を発揮できる量であれば特に制
限はない。投与する対象がヒトあるいは動物により異な
ると同時に、その疾患の種類および疾患の程度により異
なる。例えば、本発明の褥瘡治療剤における活性成分の
ヘパリン誘導体は経皮製剤全重量の約0.001重量%
〜約30重量%、好ましくは、0.01重量%〜約10
重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%
であり、パッチ剤、硬膏剤、テープ剤などにおいては単
位面積当たりでは、約0.1mg〜約200mg/cm
2 、好ましくは約1mg〜約20mg/cm2 である。
投与回数は疾患およびその程度により適宜選択される
が、例えば、1日1回ないし数回経皮貼付あるいは投与
され、貼付日数あるいは投与日数は2日以上である。
ない限り、有効成分として他の薬剤を含有していても良
い。かかる他の薬剤としては、皮膚潰瘍治療を阻害しな
いものであればいずれでも良く、例えば各種の細胞増殖
因子、サイトカイン類または細胞接着因子(好ましくは
トランスフォーミング増殖因子β、血管内皮細胞増殖因
子、繊維芽細胞成長因子、肝細胞増殖因子)、各種抗生
物質(抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤など)、各種ス
テロイド剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン
剤などが挙げられる。
脂溶性物質としては例えば動物油(例、スクワレン、ス
クワランなど)、植物油(例、オリーブ油、ホホバ油な
ど)、固形パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、硬
化ヒマシ油、ラノリン、ワセリン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、
グリセリン脂肪酸エステル、コレステロール、炭素数約
6〜約22の脂肪族カルボン酸(例、カプロン酸、カプ
リル酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸など)およびそ
の塩類、炭素数約6〜約22の脂肪族アルコール(例、
n−オクチルアルコール、n−セチルアルコール、ステ
アリルアルコールなど)、好ましくはワセリン、ポリエ
チレングリコール、炭素数約6〜約22の脂肪族アルコ
ール(例、n−オクチルアルコール、n−セチルアルコ
ール、ステアリルアルコールなど)、より好ましくはワ
セリン、ポリエチレングリコール、ステアリルアルコー
ルなどが挙げられる。
与においても副作用あるいは毒性がほとんど見られな
い。従って、本発明のヘパリン誘導体を含んでなる経皮
投与製剤は前述の皮膚潰瘍、特に褥瘡治療のために安全
に経皮投与することができる。
は投与が簡便であり、特に褥瘡の治療では院内使用のみ
ならず在宅治療における患者およびその介護の負担を大
幅に軽減することができる。
く説明されるが、これらは単なる例であって本発明を限
定するものではない。
し、これに室温で5%亜硝酸ナトリウム水溶液1.25
mlを加えた。次いで、撹拌しながら33%酢酸水溶液
1.25mlを加え、さらに室温で50分間撹拌した。
反応溶液に1M炭酸ナトリウム水溶液4mlおよび1M
水酸化ナトリウム水溶液1mlを順次加え、反応溶液の
pHを9.0に調整した。これに0.25M水素化硼素ナ
トリウムを含有する0.01M水酸化ナトリウム溶液
0.3mlを加え、50℃で30分間放置した。ついで
氷酢酸を加えて過剰の水素化硼素ナトリウムを分解した
後、0.3M酢酸ナトリウムで平衡化したセファデック
スG−25のカラムに通した。得られた高分子量画分を
減圧下に濃縮した後、エタノールを加えて目的物を沈殿
させた。これを濾別後、乾燥して抗血液凝固活性を有す
る低分子ヘパリン約0.9g を得た。
を有する低分子ヘパリンを得ることができる。ここで得
られた低分子ヘパリンのHPLCでの振る舞いは、図1
に三角印を含む線で示した。
素酸ナトリウムを含む0.05M酢酸緩衝液(pH5.
0)に溶解し、4℃で暗所に72時間放置した。反応液
にグリセロールを加えて、過剰の過沃素酸を分解した
後、透析用半透膜(S pectrum社製 CodeN
umber530−3518,MW500cut)を用
いて、約5℃の蒸留水で3日間透析した。透析した反応
液を凍結乾燥に付し、得られた凍結乾燥品を0.2M水
素化硼素ナトリウムを含有する0.25M炭酸水素ナト
リウム(pH9.5)に10%になるように溶解した。こ
の反応液を4℃で3時間放置した。氷酢酸を加えて過剰
の水素化硼素ナトリウムを分解しながら、反応液のpHを
5.0に調整し、30分放置した。次いで、反応液を
0.1M水酸化ナトリウム水溶液で中和した。得られた
反応液は再度透析用半透膜を用いて、約5℃の蒸留水で
3日間透析した後、凍結乾燥に付し、ヘパリン修飾体
0.85gの凍結乾燥品を得た。
を得ることができる。
いは図1に丸印を含む線で示したが、元のヘパリンに比
して見かけ上やや低分子である。これは分子の変形によ
るものと考えられ、ここに示した修飾では本来分子量の
変化は起こらない筈である。
リン1gを20mlの、0.1M過沃素酸ナトリウムを
含む0.05M酢酸緩衝液(pH5.0)に溶解し、4℃
で暗所に72時間放置した。反応液にグリセロールを加
えて、過剰の過沃素酸を分解した後、透析用半透膜(S
pectrum社製 Code Number530−
3518,MW500cut)を用いて、約5℃の蒸留
水で3日間透析した。透析した反応液を凍結乾燥に付
し、得られた凍結乾燥品を0.2M水素化硼素ナトリウ
ム溶液を含有する0.25M炭酸水素ナトリウム(pH
9.5)水溶液に10%になるように溶解した。この反
応液を4℃で3時間放置した。氷酢酸を加えて過剰の水
素化硼素ナトリウムを分解しながら、反応液のpHを5.
0に調整し、30分放置した。次いで、反応液を0.1
M水酸化ナトリウム水溶液で中和した。得られた反応液
は再度透析用半透膜を用いて、約5℃の蒸留水で3日間
透析した後、凍結乾燥に付し、本発明の抗血液凝固活性
を有しない低分子ヘパリン修飾体0.7gの凍結乾燥品
を得た。
低分子ヘパリン修飾体を得ることができる。
振る舞いは図1に無印の太い実線で示したが、ヘパリン
及び参考例2で得られたヘパリン修飾体に比して明らか
に低分子である。分子量は見かけ上約1,500から
8,000の範囲にある。
飾体1gを0.1M塩酸20mlに溶解し、pHを注意深
く2.0に調節した。60℃に急速に加温し、約1時間
放置した。直ちに氷冷しながら0.1M水酸化ナトリウ
ムで中和し、透析用半透膜(S pectrum社製 C
odeNumber 530−3518,MW500c
ut)を用いて約5℃で、蒸留水に対して3日間透析し
た。内液を凍結乾燥して、0.7gの本発明の低分子ヘ
パリン修飾体を得た。
低分子ヘパリン修飾体を得ることができる。
振る舞いは図1の無印の太い実線で示したが、見かけ上
実施例1で得られた低分子ヘパリン修飾体と同じであ
る。
飾体1gを蒸留水12.5mlに溶解し、これに室温で
5%亜硝酸ナトリウム1.25mlを加えた。次いで攪
拌しながら33%酢酸1.25mlを加え、さらに室温
で50分間攪拌した。反応溶液に1M炭酸ナトリウム4
ml及び1M水酸化ナトリウム1mlを順次加えてpHを
9.0に調節した。これに0.25M水素化硼素ナトリ
ウムを含有する0.01M水酸化ナトリウム0.3ml
を加え、5℃で30分間放置した。次いで氷酢酸を加え
て過剰の水素化硼素ナトリウムを分解した後、0.3M
酢酸ナトリウムで平衡化したセファデックスG−25の
カラムを通すか、あるいは、実施例1又は実施例2の場
合と同様、透析した。カラム通過液(分子量の大きい画
分)又は透析内液を濃縮した後エタノールを加えて目的
物を沈殿させた。乾燥して0.9gを得た。
パリン修飾体を得ることができる。
振る舞いは、無印の太い実線で示した実施例1及び実施
例2で得られた低分子ヘパリン修飾体と見かけ上同じで
あった。
コールを混和後、ステアリルアルコールを加え、混和撹
拌により均一な膏体を調製後、粘着成分のポリアルキル
ビニルエーテルと混和して均一な膏体とした。
約0.1mmとなるように塗布し、膏体層を形成後、ポ
リエステルフィルムに展着して低分子ヘパリン修飾体1
%(W/W)配合貼付剤を得た。
治療に用いることができる。
のガーゼ(織布)に厚さ約0.1mmとなるように塗布
して低分子ヘパリン修飾体1%(W/W)配合塗布剤を
得た。
治療に用いることができる。
部の大きさに応じて適宜塗布して治療に用いることがで
きる。
およびミニブタを実験動物として用い、本発明の皮膚潰
瘍治癒試験を行うことができる。本試験例ではモルモッ
トを用いた例を以下に記す。
に、背骨を中心として左右にそれぞれ3ケ所ずつ、径8
mm、深さ2〜3mmの皮膚潰瘍を金属製パンチ等を用
いて形成せしめた。ワセリン1g当たりに1mgの実施
例1〜3の何れかで得られた低分子ヘパリン修飾体を加
えてよく混和したもの1gを左右いずれかの潰瘍部に塗
布し、その対称の位置に薬剤を含まないワセリン1gを
塗布して、これを対照とした。背部全体をトランスペア
レントドレッシング(10cm×12cm)で覆い、伸
縮テープで固定した。
を対照と比較すること、および(ii)潰瘍部の組織切
片を染色(ヘマトキシリン−エオジン染色)後、解析す
ること、の両方法で判定した。
は見かけ上の治療(表面の修復)でも22±2日を要す
るのに対し、実施例1〜3の何れかで得られた低分子ヘ
パリン修飾体では、16±2日と顕著な治癒日数短縮効
果が有意に見られた。参考例2の化合物では17±2日
と、実施例1〜3の何れかで得られた低分子ヘパリン修
飾体と一見匹敵するような効果が見られたが、組織を検
査した結果は、この効果があくまで見かけ上のものであ
ることが分かった。(ii)11日目に採取した組織標
本について染色すると、ワセリンのみでは、図4に示す
ように、表面の修復が見られず再表皮化が起こっていな
いと判断された。実施例1〜3の何れかで得られた低分
子ヘパリン修飾体では、図5に示すように、角層も付属
器も形成されてほぼ完全な表皮形成が見られた。一方、
参考例2の化合物では、図6に示すように、一応表面は
修復されているように見えるものの角層も付属器の形成
も不十分で、実施例1〜3の何れかで得られた低分子ヘ
パリン修飾体とは著しく異なっていた。これらの結果か
ら、本発明の低分子ヘパリン修飾体は皮膚潰瘍治療に有
効であることが確認された。
活性を有する参考例1の化合物の皮膚潰瘍治癒試験を行
った。その結果、完全治癒日数の短縮効果(図3)およ
び組織標本における上皮形成ともに有意な差は認められ
なかった。
優れた創傷治療効果、特に褥瘡治療効果などの皮膚潰瘍
治療効果を有し、しかも極めて毒性が低くて長期投与に
おいても副作用あるいは毒性がほとんど見られないの
で、皮膚潰瘍治療剤として有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】 ヘパリンを過沃素酸で酸化し、次いで水
素化硼素で還元して作られ、抗血液凝固活性を実質的に
喪失し、細胞増殖因子、サイトカイン類又は細胞接着因
子との結合性を保持しているヘパリン修飾体を含有して
いることを特徴とする、皮膚潰瘍治療剤。 - 【請求項2】 ヘパリンを過沃素酸で酸化し、次いで水
素化硼素で還元し、その後低分子化して作られ、1,5
00〜8,000の平均分子量を持ち、抗血液凝固活性
を実質的に喪失し、細胞増殖因子、サイトカイン類又は
細胞接着因子との結合性を保持している低分子ヘパリン
修飾体を含有していることを特徴とする、皮膚潰瘍治療
剤。 - 【請求項3】 ヘパリンを低分子化し、その後これを過
沃素酸で酸化し、次いで水素化硼素で還元して作られ、
抗血液凝固活性を実質的に喪失し、細胞増殖因子、サイ
トカイン類又は細胞接着因子との結合性を保持している
低分子ヘパリン修飾体を含有していることを特徴とす
る、皮膚潰瘍治療剤。 - 【請求項4】 ヘパリンを過沃素酸で酸化し、次いで水
素化硼素で還元し、その後低分子化して得られた低分子
ヘパリン修飾体の末端にあるアルデヒド基を対応するカ
ルボキシル基、そのエステル、そのアミド又はシッフ塩
基に変化させて作られ、1,500〜8,000の平均
分子量を持ち、抗血液凝固活性を実質的に喪失し、細胞
増殖因子、サイトカイン類又は細胞接着因子との結合性
を保持している、皮膚潰瘍治療剤用低分子ヘパリン修飾
体。 - 【請求項5】 請求項1−3の何れか1つの項に記載の
皮膚潰瘍治療剤、又は請求項4に記載の皮膚潰瘍治療剤
用低分子ヘパリン修飾体を、経皮吸収調整剤及び粘着剤
と混合し、得られた混合物を坦持体に塗布してなる皮膚
潰瘍治療用貼付剤。 - 【請求項6】 請求項5に記載の皮膚潰瘍治療剤又は皮
膚潰瘍治療剤用低分子ヘパリン修飾体が混合物中で0.
001重量%〜30重量%を占めている皮膚潰瘍治療用
貼付剤。
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