JP3341910B2 - 液体水素ポンプ - Google Patents

液体水素ポンプ

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JP3341910B2
JP3341910B2 JP33010192A JP33010192A JP3341910B2 JP 3341910 B2 JP3341910 B2 JP 3341910B2 JP 33010192 A JP33010192 A JP 33010192A JP 33010192 A JP33010192 A JP 33010192A JP 3341910 B2 JP3341910 B2 JP 3341910B2
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cylinder
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pump
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    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B15/00Pumps adapted to handle specific fluids, e.g. by selection of specific materials for pumps or pump parts
    • F04B15/06Pumps adapted to handle specific fluids, e.g. by selection of specific materials for pumps or pump parts for liquids near their boiling point, e.g. under subnormal pressure
    • F04B15/08Pumps adapted to handle specific fluids, e.g. by selection of specific materials for pumps or pump parts for liquids near their boiling point, e.g. under subnormal pressure the liquids having low boiling points
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M37/00Apparatus or systems for feeding liquid fuel from storage containers to carburettors or fuel-injection apparatus; Arrangements for purifying liquid fuel specially adapted for, or arranged on, internal-combustion engines
    • F02M37/04Feeding by means of driven pumps
    • F02M37/043Arrangements for driving reciprocating piston-type pumps

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  • Reciprocating Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば極低温状態で液
化された液体水素を水素エンジン等に向けて吐出供給す
るのに好適に用いられる液体水素ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】図6に従来技術の液体水素ポンプが設け
られた水素エンジン用の燃料供給装置を示す。
【0003】図において、1は液体水素2を貯蔵するタ
ンクとしての水素燃料タンクを示し、該水素燃料タンク
1は断熱材料によって二重壁構造に形成され、断熱壁1
A,1B間には真空層1Cが設けられている。そして、
該水素燃料タンク1内には100リットル程度の液体水
素2が、例えば−253℃の極低温状態で0.05〜
0.1MPa(メガパスカル)程度の圧力をもって収容
されている。
【0004】3は水素燃料タンク1に設けられた液体水
素ポンプを示し、該液体水素ポンプ3は、有底筒状に形
成され、水素燃料タンク1の上端側から下端側に向けて
上下方向に伸長した細長いポンプハウジング4と、該ポ
ンプハウジング4の下端側内周に固着されたシリンダ5
と、該シリンダ5内に摺動可能に挿嵌され、該シリンダ
5内を上,下に往復動するピストン6と、ポンプハウジ
ング4の上端側に設けられ、水素燃料タンク1の外部に
突出したポンプヘッド7とから大略構成されている。
【0005】ここで、該ポンプヘッド7には、外部の直
流電動モータ(図示せず)によりベルト車8を介して回
転駆動されるクランク軸9と、該クランク軸9に連接棒
10を介して連結され、ポンプヘッド7内を上,下に往
復動するクロスヘッド11とが設けられ、該クロスヘッ
ド11の下端側には、細長い小径のロッド状に形成さ
れ、前記シリンダ5内でピストン6をクロスヘッド11
に同期して往復動させる連結棒12が設けられている。
【0006】また、ポンプハウジング4の底部側には吸
込弁13を介して水素燃料タンク1内に連通する吸込管
14が接続され、ポンプハウジング4内には一端側がピ
ストン6内の吐出弁(図示せず)に連通し、他端側がポ
ンプヘッド7側から外部に導出された吐出管15が上下
方向に延びて配設されている。そして、液体水素ポンプ
3はシリンダ5内でピストン6を往復動させることによ
り、水素燃料タンク1内の液体水素2を吸込管14から
吸込弁13を介して吸込みつつ、例えば10MPa程度
の圧力をもって吐出管15から外部に吐出させる。
【0007】16は吐出管15の先端側に設けられた熱
交換器を示し、該熱交換器16は外部から温水等が供給
され、吐出管15から吐出されてくる液体水素2を加温
することにより水素ガスに気化させる。そして、該熱交
換器16は温水等によって気化された水素ガスを下流側
の供給配管17を介して後述の水素噴射弁25に向けて
供給する。
【0008】18は供給配管17の途中に設けられたサ
ージタンクを示し、該サージタンク18は熱交換器16
によって気化された水素ガスを常温下で、例えば10M
Pa程度の圧力をもって収容し、この水素ガスが噴射弁
25から噴射されるときに脈動が生じるのを防止してい
る。
【0009】19は自動車等に搭載される水素エンジン
を示し、該水素エンジン19は、シリンダ20内を往復
動するピストン21と、シリンダ20上に設けられ、該
ピストン21との間に燃焼室22を画成したシリンダヘ
ッド23とから大略構成され、該シリンダヘッド23に
は燃焼室22内に臨むように点火プラグ24が取付けら
れている。そして、該点火プラグ24は水素噴射弁25
から燃焼室22内に噴射された水素ガスに着火を行い、
シリンダ20内に水素ガスによる燃焼圧を発生させる。
【0010】25は水素エンジン19のシリンダヘッド
23に設けられた水素噴射弁を示し、該水素噴射弁25
はプランジャ25Aにより弁ばね25Bに抗して弁体2
5Cを開弁することにより、供給配管17からの水素ガ
スを燃焼室22内に噴射する。ここで、該水素噴射弁2
5のプランジャ25Aは、例えばディーゼル用の噴射ポ
ンプ26により配管27を介して高圧油が供給される
と、このときの圧力によって開弁方向に駆動され、この
高圧油が配管28を介してリザーバ29側に排出される
ときに弁ばね25Bによって閉弁方向に押動される。
【0011】このように構成される従来技術では、液体
水素ポンプ3のクランク軸9をベルト車8を介して回転
駆動すると、ポンプヘッド7内でクロスヘッド11が往
復動し、該クロスヘッド11に長尺の連結棒12を介し
て連結されたピストン6がシリンダ5内で往復動するこ
とにより、水素燃料タンク1内の液体水素2が吸込管1
4からシリンダ5内に吸込まれつつ、吐出管15から吐
出される。そして、該吐出管15内に吐出された液体水
素2は熱交換器16により水素ガスに気化され、サージ
タンク18を介して供給配管17から水素噴射弁25に
供給される。
【0012】ここで、該水素噴射弁25は噴射ポンプ2
6からの高圧油でプランジャ25Aを駆動することによ
り、弁ばね25Bに抗して弁体25Cを開弁させ、例え
ば10MPa程度の水素ガスを水素エンジン19の燃焼
室22内に向けて噴射する。そして、水素エンジン19
は燃焼室22内に噴射された水素ガスを吸入空気と混合
させつつ、点火プラグ24によってこの混合気に点火さ
せ、このときに発生する燃焼圧でピストン21を駆動す
ることにより、クランク軸(図示せず)から回転出力を
導出する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、水素燃料タンク1内に液体水素2を、例え
ば−253℃程度の極低温下で0.05〜0.1MPa
程度の圧力をもって収容し、この液体水素2を液体水素
ポンプ3により吐出管15内へと10MPa程度の圧力
をもって吐出させるようにしているので、外部からの熱
侵入を防止すべくポンプヘッド7とシリンダ5とを大き
く離間させ、ピストン6とクロスヘッド11とを連結す
る連結棒12を長尺に形成する必要がある。そして、長
尺の連結棒12はシリンダ5内で低圧の液体水素2をピ
ストン6により、例えば10MPa程度まで加圧すると
きに、大きな圧縮荷重が作用し座屈等の問題が生じ易
い。
【0014】また、クロスヘッド11に長尺の連結棒1
2を介して連結したピストン6はシリンダ5内に同軸に
配置するのが難しく、該シリンダ5内でピストン6が僅
かでも傾くと、該ピストン6の摺動時にシリンダ5との
間で摩擦熱が発生し、このときの熱影響で液体水素2が
気化し易くなり、水素燃料タンク1内を極低温状態に保
つのが難しくなる。
【0015】そこで、本発明者等は先に図7に示す先行
技術のように、液体水素ポンプのハウジング下端側にピ
ストン固定管31を介してピストン32を固定して設
け、該ピストン32に対してシリンダ33を往復動させ
るべく、略コ字形状に形成したホルダ34の先端側をシ
リンダ33に固着し、該ホルダ34の基端側を自在継手
35を介して連結棒12の先端側に連結し、連結棒12
にクロスヘッド11から引張り力を作用させ、シリンダ
33を上向きに引上げることにより、吸込弁13とピス
トン32との間で液体水素を10MPa程度の圧力に加
圧することを提案した。
【0016】ここで、ピストン固定管31の下端側に
は、ホルダ34の各腕部34Aが挿通される一対の挿通
穴31A,31Aと、ピストン32に連結されるロッド
部31Bとが設けられ、シリンダ33の下端側には吸込
弁13が離着座し、例えば図6に示す吸込管14が接続
される弁座筒36が螺着されている。そして、前記クロ
スヘッド11によりシリンダ33をピストン32に対し
て上,下に往復動させ、該ピストン32と吸込弁13と
の間で液体水素を加圧するときには、連結棒12に矢示
F方向の引張り力が作用するので、連結棒12が液体水
素の圧力によって座屈する等の問題を解消できる。
【0017】しかし、この先行技術では、連結棒12に
自在継手35、ホルダ34を介して連結したシリンダ3
3がピストン固定管31およびピストン32に対して、
例えば角度θだけ傾くことがあり、この状態でピストン
32をシリンダ33内で相対変位させると、両者の間に
摩擦熱が発生し、液体水素が気化し易くなるという未解
決な問題がある。
【0018】また、ピストン32とシリンダ33との間
の隙間を大きくすれば、前記摩擦熱の発生を抑えること
ができるものの、この場合には、液体水素が前記隙間か
ら漏洩し易くなり、液体水素ポンプとしての吐出効率が
低下してしまう。
【0019】本発明は上述した先行技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はピストンとシリンダとを自動的
に調心でき、両者の間で摩擦熱が発生するのを防止でき
る上に、吐出効率を確実に向上できるようにした液体水
素ポンプを提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明が採用する構成は、極低温状態
の液体水素を収容するタンクに設けられ、底部側に液体
水素の吸込口が形成された筒状のポンプハウジングと、
該ポンプハウジングの上端側に設けられ、外部の駆動源
によって往復動されるポンプ駆動部と、上端側が該ポン
プ駆動部に連結され、前記ポンプハウジング内を軸方向
に伸長した長尺の連結棒と、該連結棒の下端側に第1の
自在継手を介して揺動可能に連結され、前記ポンプハウ
ジング内に往復動可能に収容されたシリンダと、該シリ
ンダ内に摺動可能に挿嵌され、該シリンダに対して相対
変位することにより、前記吸込口から吸込んだ液体水素
を前記ポンプハウジングの外部に吐出させるピストン
と、上端側が該ピストンに固定され、下端側が第2の自
在継手を介して前記ポンプハウジングの底部側に揺動可
能に連結されたピストン保持体と、該ピストン保持体が
前記ポンプハウジング内で径方向に変位するのを許し、
軸方向に変位するのを規制する変位補正手段とからな
り、該変位補正手段は、前記ポンプハウジングの底部に
形成した段付きの係合凹部と、下端側が該係合凹部に係
合することにより、前記ポンプハウジングの軸方向に抜
止めされ、径方向に変位可能となった係合ロッドとから
構成し、該係合ロッドの上端側を前記ピストン保持体の
下端側に前記第2の自在継手を介して連結する構成とし
ている。
【0021】
【0022】
【作用】上記構成により、ピストンはピストン保持体を
介してポンプハウジングの径方向に変位可能となり、軸
方向の変位が規制されるので、シリンダに対してピスト
ンが径方向に位置ずれするのを防止できる。また、シリ
ンダは連結棒の下端側に第1の自在継手を介して連結さ
れ、ピストンはピストン保持体と共に第2の自在継手を
介してポンプハウジングの底部側に連結されているの
で、各自在継手によってシリンダとピストンとの傾きを
補正でき、両者を確実に同軸状態に保持できると共に、
シリンダとピストンとの間の隙間を可及的に小さくする
ことが可能となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図5に基
づき説明する。なお、実施例では前述した図6に示す従
来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。
【0024】図中、41は本実施例の液体水素ポンプ、
42は該液体水素ポンプ41の本体を構成するポンプハ
ウジングを示し、該ポンプハウジング42は従来技術で
述べたポンプハウジング4とほぼ同様に長尺の有底筒状
に形成され、水素燃料タンク1内に上下方向に伸長して
配設される。そして、該ポンプハウジング42の底部4
2A側には吸込口43が径方向に突出して設けられ、該
吸込口43は図6に示した吸込管14を介して水素燃料
タンク1の底部側に接続される。また、該ポンプハウジ
ング42の底部42A中央には図2に示す如く、環状の
段部42Bを有する段付きの係合凹部42Cが形成さ
れ、該係合凹部42Cには後述の係合ロッド73が径方
向に変位可能に係合している。
【0025】44はポンプハウジング42の上端側に設
けられた有底筒状の取付フランジ、45は該取付フラン
ジ44上に衝合して設けられた他の取付フランジを示
し、該取付フランジ44,45は水素燃料タンク1の上
端側にボルト等を介して取付けられ、ポンプハウジング
42を水素燃料タンク1内に垂下した状態で位置決めす
る。そして、取付フランジ44の底部44A中央にはポ
ンプハウジング42の上端側外周が嵌合固着され、取付
フランジ44,45はポンプハウジング42内を後述の
ポンプヘッド46内に連通させる。
【0026】46は取付フランジ45上に同軸に配設さ
れたポンプヘッドを示し、該ポンプヘッド46は従来技
術で述べたポンプヘッド7と同様に水素燃料タンク1外
に突出し、その上部側にはクランク軸47が回転可能に
設けられている。そして、該クランク軸47は外部の駆
動源となる直流電動モータ(図示せず)等によりベルト
車8(図6参照)を介して回転駆動され、ポンプヘッド
46内でクロスヘッド48を連接棒49を介して上,下
に往復動させる。ここで、該クロスヘッド48はクラン
ク軸47等と共にポンプ駆動部を構成し、ポンプヘッド
46および取付フランジ45内にライナ50を介して摺
動可能に挿嵌されている。
【0027】51は上端部がクロスヘッド48に連結さ
れ、ポンプハウジング42内に垂下された長尺の連結棒
を示し、該連結棒51はステンレス鋼等の高剛性材料に
より細長いロッド状に形成され、その下端側は後述のシ
リンダ54に連結されている。そして、該連結棒51は
クロスヘッド48と共に上下方向に駆動され、後述のピ
ストン58に対してシリンダ54を相対的に往復動させ
る。
【0028】52は連結棒51の下端側に設けられた第
1の自在継手を示し、該自在継手52は図2に示す如く
上,下の連結具52A,52B間を互いに直交するピン
52C,52Dを介して回動可能に連結し、連結具52
Bの下端側は後述のシリンダホルダ53に固着されてい
る。そして、該自在継手52はシリンダホルダ53が連
結棒51に対してポンプハウジング42内で前,後、
左,右等に傾いたり、揺動したりするのを許し、シリン
ダホルダ53を連結棒51によって上下方向に駆動させ
る構成となっている。
【0029】53は連結棒51の下端側に自在継手52
を介して連結されたシリンダホルダを示し、該シリンダ
ホルダ53は図2に示す如く、円板状に形成され、自在
継手52の連結具52Bに固着された連結部53Aと、
該連結部53Aの外周側から左右方向で対向するように
下向きに延設され、図4に示す如く断面円弧状に形成さ
れた一対の腕部53B,53Bとからなり、該各腕部5
3Bは後述するピストンホルダ66の各挿通穴70Aを
介してピストンホルダ66内に挿通されている。そし
て、該各腕部53Bの下端側にはめねじ53Cが形成さ
れ、該めねじ53Cは図3に示す如くシリンダ54に螺
着されている。
【0030】54はシリンダホルダ53の各腕部53B
を介してピストンホルダ66内に上,下動可能に収容さ
れたシリンダを示し、該シリンダ54はステンレス鋼等
の高強度の金属材料により段付円筒状に形成され、その
上部側はシリンダホルダ53のめねじ53Cに螺合する
おねじ部54Aとなっている。また、該シリンダ54の
下端側内周には筒状の弁座部材55が螺着され、該弁座
部材55には吸込弁56が開,閉弁可能に取付けられて
いる。そして、弁座部材55には液体水素2の通路55
A,55A,…が吸込弁56の周囲に形成され、該各通
路55Aは吸込弁56の開弁時に液体水素2をピストン
58内に向けて流通させる。
【0031】57は弁座部材55の下端側外周に螺着さ
れたテーパ筒を示し、該テーパ筒57は下端側に向け漸
次縮径するように形成され、ピストンホルダ66内でシ
リンダ54と共に弁座部材55が上,下動するときに、
ピストンホルダ66内で液体水素2が撹拌されるのを抑
えるようになっている。
【0032】58はシリンダ54内にリング59を介し
て摺動可能に挿嵌されたピストンを示し、該ピストン5
8はステンレス鋼等の金属材料により段付円筒状に形成
され、ポンプハウジング42内でピストンホルダ66に
より軸方向の変位が規制されている。また、該ピストン
58の下端側には筒状のリング押え60が螺着され、該
リング押え60はピストン58の外周側に筒状のリング
59を固定している。そして、該ピストン58はシリン
ダ54がポンプハウジング42内で上,下動するとき
に、シリンダ54内でリング59を介して相対的に往復
動し、吸込弁56側から吸込んだ液体水素2を後述の吐
出弁61から吐出させる。
【0033】61はピストン58内に弁座筒62を介し
て開,閉弁可能に設けられた吐出弁を示し、該吐出弁6
1はピストン58内で弁座筒62とスペーサ筒63との
間に上,下動可能に収容され、弁座筒62上に離着座す
る。64はピストン58内に螺着されたスペーサ押えを
示し、該スペーサ押え64はピストン58内にスペーサ
筒63を介して弁座筒62を位置決めしている。また、
該スペーサ押え64にはスペーサ筒63の通路63Aに
連通する連通孔64A,64A,…が穿設され、該各連
通孔64Aは吐出弁61の開弁時にスペーサ筒63の通
路63A側から後述のプラグ65側に向けて液体水素2
を流通させる。
【0034】65はピストン58の上端側内周に螺着さ
れ、該ピストン58の上端側を閉塞したプラグを示し、
該プラグ65には斜めに吐出穴65Aが穿設され、該吐
出穴65Aは後述の吐出管74に接続されている。そし
て、該吐出穴65Aは吐出弁61を介してピストン58
内に吐出された液体水素2を吐出管74内に向けて吐出
させる。
【0035】66はポンプハウジング42内でピストン
58を保持したピストン保持体としてのピストンホルダ
を示し、該ピストンホルダ66は図2に示す如く、ポン
プハウジング42内に隙間をもって配設され、シリンダ
54を上,下動可能に収容すべく、ポンプハウジング4
2の軸方向で互いに連結された段付円筒状のピストン固
定管67,68と、該ピストン固定管68の上端側内周
に筒状ボルト69を介して固着され、内周側がピストン
58の上端側外周に固着された固定環70と、ピストン
固定管67の下端側に固着され、後述の自在継手72を
介してポンプハウジング42の底部42Aに連結された
底蓋71とから大略構成され、該底蓋71にはピストン
ホルダ66の内,外を連通する連通穴71A,71A,
…が形成されている。
【0036】ここで、該ピストンホルダ66は後述の係
合ロッド73および自在継手72を介してポンプハウジ
ング42内での軸方向変位が規制され、シリンダ54が
連結棒51等を介して上,下動するときでも、ピストン
58を軸方向に位置決めしている。また、該ピストンホ
ルダ66の固定環70には図4に示す如く円弧状に湾曲
した挿通穴70A,70Aが左,右に離間して形成さ
れ、該各挿通穴70A内には前記シリンダホルダ53の
各腕部53Bが隙間をもって挿通されている。そして、
該各挿通穴70Aはシリンダホルダ53を介してシリン
ダ54がピストン固定管67,68内で上,下に往復動
するのを補償している。
【0037】72はピストンホルダ66の底蓋71に設
けられた第2の自在継手を示し、該自在継手72は上,
下の連結具72A,72B間を互いに直交するピン72
C,72Dを介して回動可能に連結し、連結具72Bの
下端側は係合ロッド73に固着されている。そして、該
自在継手72はピストンホルダ66が係合ロッド73に
対してポンプハウジング42内で前,後、左,右等に傾
いたり、揺動したりするのを許し、シリンダホルダ53
側の自在継手52と共にシリンダ54、ピストン58を
図5に示す軸線O1 −O1 上に自動調心させる。
【0038】73はポンプハウジング42の係合凹部4
2Cに係合し、該係合凹部42Cと共に変位補正手段を
構成した係合ロッドを示し、該係合ロッド73の下端側
には係合凹部42Cの段部42Bに係合する略円板状の
鍔部73Aが一体に設けられ、該鍔部73Aは係合凹部
42C内で径方向の変位が許され、軸方向の変位が規制
されている。そして、該係合ロッド73はポンプハウジ
ング42内でピストン58がピストンホルダ66を介し
て径方向に変位するのを許し、軸方向の変位を規制する
ことにより、ピストン58がシリンダ54に対して径方
向に位置ずれするのを補正し、ピストン58をシリンダ
54内で同軸に保持させる構成となっている。
【0039】さらに、74はポンプハウジング42内に
軸方向に伸長して設けられた吐出管を示し、該吐出管7
4は小径のステンレス管等によって形成され、その下端
側はプラグ65の吐出穴65Aに銀ろう付け等の手段を
用いて接続されている。そして、該吐出管74は上端側
が取付フランジ45に図1に示す如く形成した吐出口7
5に継手76を介して接続され、前記吐出弁61の開弁
時にピストン58内から吐出される液体水素2を吐出口
75に向けて吐出させる。また、該吐出口75には外部
の吐出管(図示せず)が接続され、この吐出管は従来技
術で述べた吐出管15と同様に熱交換器16に接続され
る。
【0040】本実施例による液体水素ポンプ41は上述
の如き構成を有するもので、次にその作動について説明
する。
【0041】まず、外部の駆動源によってポンプヘッド
46側でクランク軸47を回転駆動すると、該クランク
軸47に連接棒49を介して連結されたクロスヘッド4
8がライナ50内を上,下に往復動し、この往復動が長
尺の連結棒51、自在継手52およびシリンダホルダ5
3等を介してシリンダ54に伝えられ、該シリンダ54
がポンプハウジング42内でピストン58に対して相対
的に往復動する。そして、ピストン58とシリンダ54
との相対的な往復動により、水素燃料タンク1内の液体
水素2は吸込口43、底蓋71の各連通穴71Aおよび
吸込弁56等を介してシリンダ54内に吸込まれ、ピス
トン58内の吐出弁61から吐出管74、取付フランジ
45の吐出口75等を介して外部の熱交換器16に向
け、例えば10MPa程度の吐出圧をもって吐出され
る。
【0042】ところで、シリンダ54はポンプハウジン
グ42内で長尺の連結棒51にシリンダホルダ53等を
介して連結され、ピストン58はポンプハウジング42
の底部42Aにピストンホルダ66等を介して連結され
ているから、ピストン58とシリンダ54とがポンプハ
ウジグ42の径方向に位置ずれすると、例えばシリンダ
54に対するピストン58の摺動抵抗が大きくなり、両
者の間に摩擦熱が発生し、吐出管74から吐出すべき液
体水素2がシリンダ54内で気化し易くなってしまう。
【0043】そこで、本実施例では、ピストンホルダ6
6の底蓋71を自在継手72を介して係合ロッド73に
連結し、該係合ロッド73の鍔部73Aをポンプハウジ
ング42の底部42Aに係合凹部42Cを介して係合さ
せ、ピストンホルダ66をピストン58と共にポンプハ
ウジング42の軸方向に位置決めし、径方向に移動可能
としている。
【0044】これにより、ポンプハウジング42内でピ
ストン58がシリンダ54に対して径方向に位置ずれし
たとしても、シリンダ54がポンプハウジング42内で
僅かでも上,下動するときに、ピストン58はピストン
ホルダ66と共にポンプハウジング42の径方向に移動
し、シリンダ54とピストン58との径方向の位置ずれ
を自動的に補正できる。
【0045】また、長尺の連結棒51がポンプハウジン
グ42内に傾いた状態で配設されている場合でも、連結
棒51の下端側は自在継手52を介してシリンダホルダ
53に連結され、ピストンホルダ66の底蓋71は自在
継手72を介してポンプハウジング42の底部42Aに
連結されているから、例えば図5に例示した原理図の如
く、ポンプハウジング42の中心線O−Oに対して角度
θだけ傾いた軸線O1−O1 上にシリンダ54とピスト
ン58とを同軸状態で配置でき、図7に示した先行技術
の如くピストン32に対してシリンダ33が傾いたりす
るのを防止できる。
【0046】かくして、本実施例によれば、図5に示す
矢示F方向で連結棒51に引張り力を作用させ、シリン
ダ54内に吸込んだ液体水素2を吸込弁56とピストン
58との間で加圧するとき等に、該ピストン58をシリ
ンダ54と共に軸線O1 −O1 上に自動調心した状態で
配置でき、シリンダ54に対してピストン58をスムー
ズに往復動させることができる。また、シリンダ54と
ピストン58のリング59との間の隙間を確実に小さく
することができ、両者の間から液体水素2が漏洩するの
を効果的に防止できる。
【0047】従って、本実施例では、シリンダ54内で
ピストン58を往復動させ、液体水素2を加圧するとき
に、シリンダ54とピストン58との間で摩擦熱が発生
するのを効果的に抑えることができ、液体水素2がシリ
ンダ54内で気化する等の問題を確実に防止できる。ま
た、前記リング59とシリンダ54との間の隙間を、例
えば3.0〜3.5μm程度まで小さくすることが可能
となり、液体水素2の吐出効率を確実に向上できること
が実験によっても確認できた。そして、シリンダ54と
ピストン58との摩擦熱による気化水素量を大幅に低減
でき、水素燃料タンク1内に熱侵入が発生するのを確実
に防止できることも確認された。
【0048】なお、前記実施例では、自在継手52,7
2をピン52C,52D,72C,72Dでピン結合し
た連結具52A,52B,72A,72Bにより構成す
るものとして述べたが、これに替えて、例えばボールジ
ョイント等により各自在継手を構成してもよい。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、ポン
プ駆動部によって駆動される長尺の連結棒の下端側に第
1の自在継手およびシリンダホルダを介してシリンダを
連結し、該シリンダ内に摺動可能に挿嵌されるピストン
をピストン保持体および第2の自在継手を介してポンプ
ハウジングの底部側に連結すると共に前記ピストン保
持体ポンプハウジング内で径方向に変位するのを許
軸方向の変位を規制する変位補正手段を、前記ポンプハ
ウジングの底部に形成した段付きの係合凹部と、下端側
が該係合凹部に係合することにより前記ポンプハウジン
グの軸方向に抜止めされ径方向に変位可能となった係合
ロッドとから構成し、該係合ロッドの上端側を前記ピス
トン保持体の下端側に前記第2の自在継手を介して連結
する構成としたから、シリンダとピストンとの径方向の
位置ずれを自動的に補正できると共に、両者の傾きも補
正でき、ピストンとシリンダとを同一の軸線上に自動調
心させることができる。
【0050】従って、前記シリンダ内でピストンを相対
変位させ液体水素を加圧するとき等に、前記シリンダ
とピストンとの間で摩擦熱が発生するのを防止でき、液
体水素がシリンダ内で気化する等の問題を解消できる。
また、シリンダとピストンとの間の隙間を小さくするこ
とが可能となり、液体水素の吐出効率を確実に向上させ
ることができる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による液体水素ポンプの上部側
を破断して示す正面図である。
【図2】液体水素ポンプの下部側を示す図1中の矢示II
−II方向拡大断面図である。
【図3】図2中の要部を拡大して示す断面図である。
【図4】図3中の矢示IV−IV方向拡大断面図である。
【図5】本発明の実施例による自動調心作用を説明する
ための原理図である。
【図6】従来技術による水素エンジン用の燃料供給装置
を示す全体構成図である。
【図7】先行技術による液体水素ポンプの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 水素燃料タンク 2 液体水素 41 液体水素ポンプ 42 ポンプハウジング 42C 係合凹部 43 吸込口 46 ポンプヘッド 47 クランク軸 48 クロスヘッド(ポンプ駆動部) 49 連接棒 51 連結棒 52,72 自在継手 53 シリンダホルダ 54 シリンダ 56 吸込弁 58 ピストン 61 吐出弁 66 ピストンホルダ(ピストン保持体) 73 係合ロッド 74 吐出管 75 吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 公高 東京都世田谷区玉堤1丁目28番1号 武 蔵工業大学内 (56)参考文献 特開 平1−138358(JP,A) 特開 昭62−28508(JP,A) 特開 昭46−1577(JP,A) 特開 昭58−61310(JP,A) 特開 昭63−212779(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 21/02 F02B 43/10 F04B 7/00 - 7/06 F04B 15/00 - 15/08 F04B 53/00 - 53/22 F16C 11/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極低温状態の液体水素を収容するタンク
    に設けられ、底部側に液体水素の吸込口が形成された筒
    状のポンプハウジングと ポンプハウジングの上端側に設けられ、外部の駆動源
    によって往復動されるポンプ駆動部と 端側が該ポンプ駆動部に連結され、前記ポンプハウジ
    ング内を軸方向に伸長した長尺の連結棒と 連結棒の下端側に第1の自在継手を介して揺動可能に
    連結され、前記ポンプハウジング内に往復動可能に収容
    されたシリンダと シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、該シリンダに対し
    て相対変位することにより、前記吸込口から吸込んだ液
    体水素を前記ポンプハウジングの外部に吐出させるピス
    トンと 端側が該ピストンに固定され、下端側が第2の自在継
    手を介して前記ポンプハウジングの底部側に揺動可能に
    連結されたピストン保持体と ピストン保持体が前記ポンプハウジング内で径方向に
    変位するのを許し、軸方向に変位するのを規制する変位
    補正手段とからなり、 該変位補正手段は、前記ポンプハウジングの底部に形成
    した段付きの係合凹部と、下端側が該係合凹部に係合す
    ることにより、前記ポンプハウジングの軸方向に抜止め
    され、径方向に変位可能となった係合ロッドとから構成
    し、 該係合ロッドの上端側を前記ピストン保持体の下端側に
    前記第2の自在継手を介して連結する構成と してなる液
    体水素ポンプ。
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