JPH0440544B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は往復動プランジヤ型の燃料噴射ポン
プに関する。

〔従来の技術〕

燃料噴射ポンプにおいて、本体と、本体の内孔
中に取付けられ、本体から延び、かつばね受をも
つプランジヤと、プランジヤを内孔から引き出す
方向に偏倚する圧縮コイルばねと、使用時に、機
関の振動アームによつて作動されて、前記ばねの
作用に抗じてプランジヤの内向き運動を与えるス
ラスト部材を含む型式の燃料噴射ポンプは公知で
あつて、内孔と連通する流出部をもち、この流出
部は燃料噴射ノズルに接続される。このノズルは
ポンプに組付けて取付けられ或はポンプから離れ
た場所に配置されてパイプによつて流出部に接続
される。内孔にはしばしばその壁にポートが設け
られ、そのポートは燃料源に接続される。。ポー
トはプランジヤの内向き運動中はプランジヤによ
つて覆われ、かつポートが覆われているときは、
内孔の燃料は加圧されて流出部から排除される。
プランジヤは装着機関の回転部分に正しい関係を
保つて装着されることが大切で、そのために、も
し機関の前記構成部分が振動アームであれば、或
る形式のねじ調節装置が設けられる。もしこの構
成部品が機関のカムであれば、プランジヤは調節
が行われる前に内孔内の既知の位置内に設置され
ることが必要である。

このために、ゲージを利用することが知られて
いるが、このようなゲージはポンプ装置とは別部
品であり、破損したり失つたりする。プランジヤ
の溝内に取付けられた突起を係合することも知ら
れているが、この突起を便利な作用位置に配設す
るための十分な余地を見付けることは必ずしも容
易ではない。

〔課題を解決するための手段〕

この発明では前記の欠点を解消し、かつ極めて
製作容易で、しかも機関への取付けが簡単な燃料
噴射ポンプを得たものであつて、ポンプ本体の内
孔を往復動するプランジヤは環状の段部を有し、
本体は押方向の孔を備え、その孔には孔の長さよ
り長い直径を有するボール状の止め具が滑動可能
に存在し、プランジヤの段部と止め具の係合によ
り、プランジヤの外方向の運動を規制するように
したものである。

〔実施例〕

第１図はこの発明の一実施例の側断面図であつ
て、ポンプは当業者がバレルと称するポンプ本体
１０を有している。バレルは保持ナツト１２によ
つてハウジング１１に形成された凹部内に配置さ
れ、このナツト１２は、バレルの１端面を凹部の
端面と密封係合状態に押接するようにバレルのフ
ランジと係合する。このバレル（ポンプ本体）１
０には内孔１３が形成され、その中をプランジヤ
１４が滑動する。プランジヤは内孔の末端から延
びかつその外端（図では上端）にばね受１５を有
している。さらにバレルの裾部がハウジングから
延び、かつ別のばね受１６がこれを取り囲んでい
る。

ばね受１５は、ばね受１６の中空円筒形延長部
１６Ａ内を滑動可能な中空筒形部分１５Ａを含ん
でいる。圧縮コイルばね１７がこれら２つのばね
受１５，１６の間に延び、このコイルばねは後述
するようにプランジヤ１４の外向き運動を実施す
る。

内孔１３は流出部１８と連通し、１対のポート
１９が内孔内に開口し、これらのポートは凹部に
形成された燃料供給通路２０と連通する。この通
路２０は燃料流入部と連通する。

ばね受１５は上部に凹部１５Ｂを有し、第１図
に示す例では円筒形部材２３がばね受１５の内孔
の内部に配置されている。この円筒形部材２３は
上部に平坦な頭部２３Ａを有し、この頭部２３Ａ
はばね受１５の凹部１５Ｂに係止されていて、凹
部１５Ｂの底壁を形成している。

スラスト部材２２はばね受１５の凹部１５Ｂ内
にあり、前記の平坦頭部２３Ａの上にのつてい
る。

第２図はポンプの要部を説明のため第１図より
若干簡単な構成にして示した断面図であつて、第
２図では円筒形部材を省略してばね受１５の凹部
１５Ｂに平坦な板２３′が係止されていて、その
上にスラスト部材２２がのつているように簡略化
して示されている。それでスラスト部材２２は頭
部２３Ａ（第２図では板２３′）上を滑動すること
ができる。

スラスト部材２２は球形凹部２２Ａを有し、こ
の凹部中に、作動時には機関によつて駆動される
カムにより作動される振動アーム３４（第３図）
の先端に担持される調節スクリユ３３の球形端が
位置する。

振動アーム３４が動くと、調節スクリユの先端
の球形部を介してスラスト部材を押し、平坦頭部
２３Ａ又は板２３′を介してばね受１５及びピス
トン１４を押圧するが、その際スラスト部材２２
は頭部２３Ａ又は板２３′の表面上を振動アーム
３４及びその先端の調節スクリユ３３の傾きに対
応して滑動できるので、ばね受への側方スラスト
の伝達は最小となる。なおプランジヤ１４とばね
受１５のピン／溝結合（第１図）となつている。
この溝孔はピンよりは僅かに大きく、プランジヤ
とばね受の制限された相対軸方向運動を許すよう
に作用する。

第２図に明らかに示されるように、プランジヤ
１４は段部２４を有し、バレル１０は、ハウジン
グを越して延びかつばね受１６によつて覆われた
部分をもつ複数の円筒形の横方向の孔２５をもつ
ている。それぞれボールの形状の止め具２６がこ
れらの孔内に配置される。ボールの直径は、孔２
５の軸方向長さより大きく、かつ第２図の左側部
分に、ボール２６は段部材２４と当接して位置
し、プランジヤの外向き運動範囲を制限する。ば
ね受１５は、プランジヤに対し、その組立完成位
置において保持されるから、ボール２６または圧
縮コイルばね１７と共にプランジヤおよびばね受
１５が本体１０から外れるのを防ぐ、第２図の右
方部分には種々の構成部品の組立を示し、最初に
プランジヤ１４はばね受１５、圧縮コイルばね１
７およびばね受１６と組立てられる。次にプラン
ジヤは内孔１６内に部分組立てられ、かつ孔２５
がばね受１６によつて覆われる前に、ボール２６
が孔内に配置しされる。ここでプランジヤはさら
に内向きに第２図の左方に示す位置に移動され
る。ここに注目すべきことは、ばね受１６がその
中心孔に拡がり末端部分をもつことでこの拡がり
部分の効果はプランジヤの運動軸線に対して横方
向に、ボールにスラストを与えることである。プ
ランジヤが内向きに移動すると、ばね１７は圧縮
され、かつ段部２４がボールを通る過ぎると直ち
にボールは第２図の位置に内向きの押動される。
さらに、ばね受１６は、この時点でボールが配置
された孔２５を覆うように軸方向へ滑動できる。
ばね１７は完全に組立てられた状態で軽く負荷さ
れ、これによつてばね受１６を、ボール２６が外
向きに動くような位置に維持されるように配置さ
れる。段部２４と孔２５の位置は、ボール２６と
段部２４との協働動作がプランジヤの最大外向き
運動を決定するから慎重に選択されなければなら
ない。

さらに、プランジヤとバレル１０は、ボールが
段部２４に向つて位置するとき、プランジヤ位置
がボート１９が実質的に露呈された既知の位置を
とるように正確加工される。よつて、ポンプが機
関に取付けられたとき、ひとたび機関が正しい位
置に設定されれば、適切な調節が実施される。第
２図において、ばね受１５とこのばね受に担持さ
れるらスラスト部材をプランジヤと直接係合され
る板部材と係合状態に保つためにサークリツプが
プランジヤ上に設けられる。

再び第１図において、ハウジング１１は燃料噴
射ノズル２７を取付け、流出部１８は、噴射ノズ
ルの燃料流入部に接続される。このノズルはばね
負荷型弁部材を含み、このばねはハウジングに形
成された室２８内に収容される。この室はハウジ
ングの周縁上に開口する適切なドレンポート２９
に接続され、かつ第３図に示すように、このドレ
ンポートは機関のシリンダヘツド３６に形成され
た適切な通路３５に開口するから、このポートを
流れる燃料は供給タンクに戻される。

もし、ポンプ／噴射装置の使用命数中の或る時
期に、例えば摩耗などの理由でプランジヤおよび
バレル１０をも交換する必要があれば、ばね受１
６を除去してボールを孔２５内で外向きに移動し
てプランジヤをさらに外方へ移動させることが必
要である。これはばね受１６をばねの作用に抗し
て移動することによつて実施される。

第１図に示すポンプ／噴射装置は、ノズルを通
つて供給される燃料量が一般に３０で示し、かつ
３１にて電磁作動器によつて制御される溢流弁に
よつて制御される。弁３０は流出部１８とドレン
ポート２９間の燃料流量を制御し、かつ弁が作動
器３１の付勢によつて閉じられると、流出部１８
を通る燃料はノズルおよび装着機関に流れる。も
し弁３０がプランジヤ１４が内向き移動中に開か
れれば、プランジヤによつて排除された燃料はド
レンポートに流れる。

弁３０はハウジング１１の延長部分３８内に螺
接された弁本体３７を含む。本体はハウジングの
凹部に形成された段部に向けてフランジ付きスリ
ーブ３９を戻すように作用する。ワツシヤ４０が
スリーブと段部間に介装され、このワツシヤは第
４図に示す外郭形状をもつ。ポンプ流入部１８に
接続されたポート４１が段部に開口し、このポー
トはスリーブ内の通路４２によつてスリーブの内
孔の拡大部とを連通する。ワツシヤ４０は孔４３
を具えて燃料を流通させ、さらにハウジング延長
部分３８によつて担持されかつスリーブ３９の位
置決め溝孔内に延びる突起部４５と係合する位置
決め溝孔４４をもつ。凹部の幅狭部分はポート２
９と連通し、かつスリーブの内孔は頭部４７をも
つ滑り弁部材４６を取付け、この弁部材は作動器
３１の付勢によつて弁座と接触状態に押動されて
燃料がポンプから溢れるのを防止する。

第３図に示すように、ハウジングの下方部分は
ノズル２７と共に機関のシリンダヘツドの一般に
これと補合する凹部内に配置される。ノズルの末
端部分は機関の燃料室内に延び、ワツシヤ４８は
ガスが燃料室から孔内へ漏出するのを防ぐ。ポー
ト２９と反対側のハウジング１１には「Ｏ」リン
グシールが取付けられ、このＯリングは内孔の壁
と協働して内孔の上端からの漏洩するポートから
漏出しかつ内孔の１部分とハウジングとの間に形
成された室４９内への燃料が漏れるのを防ぐ。こ
の室は燃料源に接続され、燃料流入部２１がこの
室４９と連通する。

ハウジングの延長部分３８はシリンダヘツドに
形成された凹部５０内に配置され、ポンプ／噴射
装置は緊締リング５１によつて所定位置に保持さ
れる。

〔効果〕

この発明の燃料噴射ポンプは簡単な構成で、確
実にプランジヤの外方向運動の限界を規制でき、
製作も、機関への組み付けも簡単で容易な燃料噴
射ポンプを得たものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の所謂ポンプ／噴
射装置の側方断面図、第２図は第１図のポンプの
部分を簡略化して示した拡大図で、一部の部品は
２つの異なる位置で示され、第３図は機関のシリ
ンダヘツドへのポンプ／噴射装置の取付図、第４
図はポンプ／噴射装置の部分を形成するワツシヤ
の形状を示す。 図の符号、１０……ポンプ本体、１１……ハウ
ジング、１２……保持ナツト、１３……内孔、１
４……プランジヤ、１５……ばね受、１５Ａ……
ばね受部分、１６……ばね受、１６Ａ……ばね受
部分、１７……圧縮コイルばね、１８……流出
部、１９……ポート、２０……燃料供給通路、２
１……流入部、２２……スラスト部材、２３……
円筒形部材、２４……段部、２５……孔、２６…
…ボール、２７……燃料噴射ノズル、２８……
室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機関の燃焼室へ燃料を供給するための往復動
   プランジヤ型の燃料噴射ポンプにおいて、 内孔１３を有する本体１０と、 その内孔中を滑動することができ、かつその上
   部はばね受１５を担持するプランジヤ１４と、 本体１０と係合しうる別のばね受１６と、 ばね受１５と１６の間に介在する圧縮コイルば
   ね１７と、 本体１０の壁にある横方向の孔２５と、 プランジヤ１４上に形成された環状の断部２４
   と、 前記の横方向の孔２５中を滑動しうるボール状
   の止め具２６と、 前記のプランジヤ１４の外端と係合するスラス
   ト部材２２、 とからなり、 前記のボール状の止め具２６は前記の横方向の
   孔２５の長さより大きい直径を有し、 又このボール状の止め具２６は、ばね１７の作
   動によつてプランジヤが内孔１３中でそれ以上外
   側へ動くのを防止するために、プランジヤ１４の
   段部２４が、ボール状の止め具２６と係合する位
   置で、前記の別のばね受１６によつて孔２５中に
   保持されており、 さらに前記のスラスト部材２２は、使用中ばね
   １７の作用に抗して内孔１３中へのプランジヤ１
   ４の内方運動を行なわすために、機関で駆動され
   る振動アーム３４によつて動かされることを特徴
   とする燃料噴射ポンプ。