JP3341394B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP3341394B2 JP25273293A JP25273293A JP3341394B2 JP 3341394 B2 JP3341394 B2 JP 3341394B2 JP 25273293 A JP25273293 A JP 25273293A JP 25273293 A JP25273293 A JP 25273293A JP 3341394 B2 JP3341394 B2 JP 3341394B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平面光源や表示デバイス
等に使用される有機エレクトロルミネッセンス(EL)
素子材料に関するものであり、更に、それを使用した有
機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機物質を使用したEL素子は、固体発
光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が
有望視され、多くの開発が行われている。一般にEL
は、発光層および該層をはさんだ一対の対向電極から構
成されている。発光は、両電極間に電界が印加される
と、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入
される。さらに、この電子が発光層において正孔と再結
合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際に
エネルギーを光として放出する現象である。
【0003】従来の有機EL素子は、無機EL素子に比
べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かった。
また、特性劣化も著しく実用化には至っていなかった。
近年、10V以下の低電圧で発光する高い蛍光量子効率
を持った有機化合物を含有した薄膜を積層した有機EL
素子が報告され、関心を集めている(アプライド・フィ
ジクス・レターズ、51巻、913ページ、1987年
参照)。この方法では、金属キレート錯体を蛍光体層、
アミン系化合物を正孔注入層に使用して、高輝度の緑色
発光を得ており、6〜7Vの直流電圧で輝度は数100
cd/m2、最大発光効率は1.5lm/Wを達成し
て、実用領域に近い性能を持っている。しかしながら、
現在までの有機EL素子は、構成の改善により発光強度
は改良されているが、未だ充分な発光輝度は有していな
い。また、繰り返し使用時の安定性に劣るという大きな
問題を持っている。従って、より大きな発光輝度を持
ち、繰り返し使用時での安定性の優れた有機EL素子の
開発が望まれているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発光
強度が大きく、繰り返し使用時での安定性の優れた有機
EL素子の提供にある。本発明者らが鋭意検討した結
果、一般式[1]で表わされる有機EL素子材料を少な
くとも一層に使用した有機EL素子が、発光強度が大き
く、繰り返し使用時での安定性も優れていることを見い
だし本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、第一の発明は、下
記一般式[1]で示されることを特徴とする有機エレク
トロルミネッセンス素子材料である。
【0006】一般式[1]
【化2】 [式中、R1ないしR6は、それぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミ
ノ基、エステル基、モノまたはジ置換アミノ基、アシル
アミノ基、水酸基、アルコキシ基、メルカプト基、アル
キルオキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、ア
リールチオ基、シロキシ基、アシル基、シクロアルキル
基、カルバモイル基、カルボン酸基、スルフォン酸基、
置換もしくは未置換の脂肪族基、置換もしくは未置換の
脂肪族式環基、置換もしくは未置換の炭素環式芳香族環
基、置換もしくは未置換の複素環式芳香族環基、置換も
しくは未置換の複素環基を表す。また、隣接した置換基
同士で置換もしくは未置換の脂肪族式環、置換もしくは
未置換の炭素環式芳香族環、置換もしくは未置換の複素
環式芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環を形成し
ても良い。X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、−
N=もしくは−C(R7)=である。R7はR1ないしR6
と同様の置換基を意味する。Lはハロゲン原子、水酸
基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは
未置換のメルカプト基、置換もしくは未置換のアルキル
オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換
もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置
換のアリールチオ基を示す。]
【0007】第二の発明は、一対の電極間に、一層また
は複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機
エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも一
層が一般式[1]で示される化合物を含有する層である
有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0008】第三の発明は、一対の電極間に一層または
複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機エ
レクトロルミネッセンス素子において、正孔注入層が一
般式[1]で示される化合物を含有する層である有機エ
レクトロルミネッセンス素子である。
【0009】本発明における一般式[1]で示される化
合物の基、および、その基に付加する置換原子または置
換基の例としては、水素原子、ハロゲン原子、シアノ
基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、スルフォン
基、アミノ基、アシルアミノ基、エステル基、モノまた
はジ置換アミノ基、アルコキシ基、メルカプト基、また
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリク
ロロメチル基、アミノメチル基、アセトオキシメチル
基、アセトオキシエチル基、アセトオキシプロピル基、
アセトオキシブチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキ
シルエチル基、ヒドロキシルプロピル基、ヒドロキシル
ブチル基、ビニル基、スチリル基、アセチレン基、アル
コキシ基、メルカプト基、アルキルオキシ基、アルキル
チオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、シロキシ
基、アシル基、シクロアルキル基、カルバモイル基等の
置換基および置換もしくは未置換の非環式炭化水素基、
シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロ
ヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−イル基、
2,4−シクロペンタジエン−1−イリデニル基、フェ
ニル基、ビフェニレニル基、トリフェニレニル基、テト
ラフェニレニル基、2−メチルフェニル基、3−ニトロ
フェニル基、4−メチルチオフェニル基、3,5−ジシ
アノフェニル基、o−,m−およびp−トリル基、キシ
リル基、o−,m−およびp−クメニル基、メシチル基
等の置換もしくは未置換の単環式炭化水素基、ペンタレ
ニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘ
プタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、
フルオレニル基、アントリル基、アントラキノニル基、
3−メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェ
ニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、2−エチル−
1−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、6−ク
ロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル
基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサ
セニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレ
ニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラント
レニル基、オバレニル基等の置換もしくは未置換の縮合
多環式炭化水素、チエニル基、フリル基、ピロリル基、
イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニ
ル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル
基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、キ
ノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、ア
クリジニル基、フェナジニル基、フルフリル基、イソチ
アゾリル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノ
キサジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリ
ル基、ベンズイミダゾリル基、2−メチルピリジル基、
3−シアノピリジル基等の置換もしくは未置換の複素環
基または置換もしくは未置換の芳香族復素環基、水酸
基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペン
チルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ
基、フェノキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロ
ピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t
ert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ
基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、フェニルチオ
基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ
基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(ア
セトオキシメチル)アミノ基、ビス(アセトオキシエチ
ル)アミノ基、ビス(アセトオキシプロピル)アミノ
基、ビス(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベンジル
アミノ基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファ
モイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファ
モイル基、プロピルスルファモイル基、ブチルスルファ
モイル基、フェニルスルファモイル基、ジフェニルスル
ファモイル基、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバ
モイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイ
ル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル
基、フェニルカルバモイル基、メチルカルボニルアミノ
基、エチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルア
ミノ基、ブチルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニ
ルアミノ基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカ
ルボニルアミノ基、プロポキシカルボニルアミノ基、ブ
トキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニル基、
2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ基、2−(2−
エトキシエトキシ)エチルチオ基、2−〔2−(2−メ
トキシエトキシ)エトキシ〕エチルチオ基等であるが、
これらの置換基に限定されるものではない。また、これ
らの置換基にさらにいずれの置換基を有していても良
い。
【0010】本発明に用いる一般式[1]の化合物の置
換原子または置換基の種類、数、および位置は特に限定
されるものではない。
【0011】本発明の化合物は、ホウ素またはホウ素化
合物とホウ素に配位することが可能な化合物を適切な有
機溶媒中で加熱撹拌することにより得ることが出来る。
【0012】本発明の化合物の合成で用いられるホウ素
またはホウ素化合物は、いずれのものでも良く、ハロゲ
ン化ホウ素、酢酸ホウ素、アセチルアセトネートホウ
素、ホウ素アルコキシド、水酸化ホウ素等が挙げられ
る。ホウ素に配位することが可能な化合物としては、い
ずれのものでも良く、フタロニトリル、アミノイミノイ
ソインドレニン等の化合物が挙げられる。本発明で使用
される触媒は、原料を溶解して、反応を行なわせるもの
であればいずれのものでも良い。例えば、トルエン、キ
シレン、ニトロベンゼン、ジメチルスルホキシド、N,
N−ジメチルホルムアミド、1−クロロナフタレン、キ
ノリン、スルフォラン等の溶媒が挙げられる。反応を促
進させるために塩基を使用することも可能であり、使用
される塩基は、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化
ナトリウムのような無機塩基、ピリジン、ピコリン、ト
リエチルアミン、N−メチルピロリジン、1,5−ジア
ザビシクロ[5,4,0]ウンデセン(DBU)のよう
な有機塩基が挙げられる。反応温度は特に限定されるも
のではないが、100℃から250℃の温度範囲、好ま
しくは150℃から220℃が良い。合成された化合物
は、水、酸、アルカリおよびメタノール、アセトン等の
有機溶媒で洗浄精製することが出来る。また、昇華精製
等の物理的精製によっても化合物の純度を向上させるこ
とが出来る。
【0013】以下に、本発明の化合物の代表例を表1に
具体的に例示するが、本発明は以下の代表例に限定され
るものではない。
【0014】
【表1】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】図1〜3に、本発明で使用される有機EL
素子の模式図の一例を示した。図中、一般的に電極Aで
ある2は陽極であり、電極Bである6は陰極である。ま
た、(電極A/発光層/電子注入層/電極B)の層構成
で積層した有機EL素子もあり、一般式[1]の化合物
は、この素子構成においても好適に使用することが出来
る。一般式[1]の化合物は、大きな正孔輸送能力を持
っているので、正孔注入層3、発光層4のいずれの層に
おいても、キャリア輸送物質として使用できる。また、
発光層中において、適切な発光物質のドーピング剤とし
て使用し、発光波長の適切な選択、発光強度の増大を促
進させることも可能である。
【0020】図1の発光層4には、本発明の一般式
[1]の化合物に加えて、発光物質、発光補助材料、キ
ャリアを輸送する正孔輸送材料や電子輸送材料を使用す
ることもできる。図2の構造は発光層4と正孔注入層3
を分離している。この構造により、正孔注入層3から発
光層4への正孔注入効率が向上して、発光輝度や発光効
率を増加させることができる。この場合、発光効率のた
めには、発光層に使用される発光物質自身が電子輸送性
であること、または発光層中に電子輸送輸送材料を添加
して発光層を電子輸送性にすることが望ましい。
【0021】図3の構造は、正孔注入層3に加えて電子
注入層5を有し、発光層4での正孔と電子の再結合の効
率を向上させている。このように、有機EL素子を多層
構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命
の低下を防ぐことができる。図2および図3の素子にお
いても、必要があれば、発光物質、発光補助材料、キャ
リア輸送を行う正孔輸送材料や電子輸送材料を組み合わ
せて使用することが出来る。本発明により見いだされた
一般式[1]の化合物は、何れの素子構造においても最
適に使用することが可能である。
【0022】有機EL素子の陽極に使用される導電性物
質としては、4eVより大きな仕事関数を持つものが好
適であり、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジ
ウム等およびそれらの合金、ITO基板、NESA基板
と称される酸化スズ、酸化インジウム等の酸化金属、さ
らにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹
脂が用いられる。陰極に使用される導電性物質として
は、4eVより小さな仕事関数を持つものが好適であ
り、マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、
イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン等およ
びそれらの合金が用いられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0023】有機EL素子では、効率良く発光させるた
めに、2で示される電極Aまたは6で示される電極Bの
うち、少なくとも一方は素子の発光波長領域において充
分透明にすることが望ましい。また、基板1も透明であ
ることが望ましい。透明電極は、上記した導電性物質を
使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光
性が確保するように設定する。発光を取り出す電極は、
光透過率を10%以上にすることが望ましい。
【0024】基板1は、機械的、熱的強度を有し、透明
なものであれば限定されるものではないが、例示する
と、ガラス基板、ポリエチレン板、ポリエーテルサルフ
ォン板、ポリプロピレン板等の透明樹脂があげられる。
【0025】本発明に係わる有機EL素子の各層の形成
は、真空蒸着、スパッタリング等の乾式成膜法やスピン
コーティング、ディッピング等の湿式成膜法のいずれの
方法を適用することができる。膜厚は特に限定されるも
のではないが、各層は適切な膜厚に設定する必要があ
る。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために大き
な印加電圧が必要になり効率が悪くなる。膜厚が薄すぎ
るとピンホール等が発生して、電界を印加しても充分な
発光輝度が得られない。通常の膜厚は10nmから10
μmの範囲であり、好ましくは100オングストローム
から2000オングストロームの範囲である。
【0026】湿式成膜法の場合、各層を形成する材料
を、クロロフォルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等の適切な溶媒に溶解または分散させた液を使用して薄
膜を形成するが、その溶媒はいずれであっても良い。ま
た、いずれの有機層においても、成膜性向上、膜のピン
ホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用しても良
い。このような樹脂としては、ポリスチレン、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミ
ド、ウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリメチルアクリレート等の絶縁性樹脂、ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹
脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙
げることができる。
【0027】本有機EL素子は、発光層、正孔注入層、
電子注入層において、必要があれば、一般式[1]の化
合物に加えて、公知の発光物質、発光補助材料、正孔輸
送材料、電子輸送材料を使用することもできる。
【0028】公知の発光物質または発光物質の補助材料
としては、アントラセン、ナフタレン、フェナントレ
ン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオ
レセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレ
ン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジ
フェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマ
リン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサ
ゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエ
ン、オキシン、アミノキノリン、イミン、ジフェニルエ
チレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、
ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミ
ダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン
等およびそれらの誘導体があるが、これらに限定される
ものではない。
【0029】正孔輸送材料としては、正孔を輸送する能
力を持ち、発光層または発光物質に対して優れた正孔注
入効果を有し、発光層で生成した励起子の電子注入層ま
たは電子輸送材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能の
優れた化合物が挙げられる。具体的には、フタロシアニ
ン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン
系化合物、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾ
ール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリ
ン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾ
ール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾ
ン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン、
ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型ト
リフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン等
と、それらの誘導体、およびポリビニルカルバゾール、
ポリシラン、導電性高分子等の高分子材料等があるが、
これらに限定されるものではない。
【0030】電子輸送材料としては、電子を輸送する能
力を持ち、発光層または発光物質に対して優れた電子注
入効果を有し、発光層で生成した励起子の正孔注入層ま
たは正孔輸送材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能の
優れた化合物が挙げられる。例えば、フルオレノン、ア
ントラキノジメタン、ジフェニルキノン、チオピランジ
オキシド、オキサジアゾール、ペリレンテトラカルボン
酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、
アントロン等とそれらの誘導体があるが、これらに限定
されるものではない。また、正孔輸送材料に電子受容物
質を、電子輸送材料に電子供与性物質を添加することに
より増感させることもできる。
【0031】図1,2および3に示される有機EL素子
において、本発明の一般式[1]の化合物は、発光層ま
たは正孔注入層に使用出来る。また、一般式[1]の化
合物の他に、発光物質、発光補助材料、正孔輸送材料お
よび電子輸送材料の少なくとも1種が同一層に含有され
てもよい。また、本発明により得られた有機EL素子
の、温度、湿度、雰囲気等に対する安定性の向上のため
に、素子の表面に保護層を設けたり、シリコンオイル等
を封入して素子全体を保護することも可能である。以上
のように、本発明では有機EL素子に一般式[1]の化
合物を用いたため、発光効率と発光輝度を高くすること
ができた。また、この素子は熱や電流に対して非常に安
定であり、さらには低い駆動電圧で実用的に使用可能の
発光輝度が得られるため、従来まで大きな問題であった
劣化も大幅に低下させることができた。本発明の有機E
L素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレ
イや、平面発光体として、複写機やプリンター等の光
源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識
灯等へ応用が考えられ、その工業的価値は非常に大き
い。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。 (合成例)化合物(7)の合成方法 冷却したフラスコ中に、三塩化ホウ素25g、フタロニ
トリル81.8g、1−クロロナフタレン400gを入
れ、窒素雰囲気下で昇温して170℃で2時間反応させ
た。反応終了後に室温まで冷却し、メタノール、水でろ
過して73.5gの化合物を得た。得られた化合物を質
量分析、赤外線吸収スペクトル、NMRスペクトルで解
析した結果、化合物(7)であることが解った。
【0033】実施例1 洗浄したITO電極付きガラス板上に、化合物(7)、
N,N'―ジフェニル―N,N'―(3―メチルフェニ
ル)―1,1'―ビフェニル―4,4'―ジアミン、ポリ
−N−ビニルカルバゾールを3:2:5の比率でクロロ
フォルムに溶解分散させ、スピンコーティング法により
1000オングストロームの膜厚の発光層を得た。その
上に、マグネシウムと銀を10:1で混合した合金で1
500オングストロームの膜厚の電極を形成して図1に
示す有機EL素子を得た。この素子は、直流電圧10V
で80cd/m2の発光が得られた。
【0034】実施例2 洗浄したITO電極付きガラス板上に、化合物(23)
を真空蒸着して、300オングストロームの膜厚の正孔
注入層を得た。次いで、トリス(8−ヒドロキシキノリ
ン)アルミニウム錯体を真空蒸着して膜厚500オング
ストロームの発光層を作成し、その上に、マグネシウム
と銀を10:1で混合した合金で1500オングストロ
ームの膜厚の電極を形成して図2に示す有機EL素子を
得た。正孔注入層および発光層は10-6Torrの真空
中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。この素子は、
直流電圧10Vで約320cd/m2の発光が得られ
た。
【0035】実施例3 洗浄したITO電極付きガラス板上に、スピンコート法
により化合物(29)の膜厚200オングストロームの
正孔輸送層を作成し、トリス(8−ヒドロキシキノリ
ン)アルミニウム錯体を真空蒸着して膜厚500オング
ストロームの発光層を作成し、さらに真空蒸着法により
[2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(ビフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール]の膜厚20
0オングストロームの電子注入層を得た。その上に、マ
グネシウムと銀を10:1で混合した合金で膜厚150
0オングストロームの電極を形成して図3に示す有機E
L素子を得た。この素子は、直流電圧10Vで約490
cd/m2の発光が得られた。
【0036】本実施例で示された全ての有機EL素子に
ついて、1mA/cm2で連続発光させたところ、10
00時間以上安定な発光を観測することができた。本発
明の有機EL素子は発光効率、発光輝度の向上と長寿命
化を達成するものであり、併せて使用される発光物質、
発光補助材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、増感剤、
樹脂、電極材料等および素子作製方法を限定するもので
はない。
【0037】
【発明の効果】本発明により、従来に比べて高発光効
率、高輝度であり、長寿命の有機EL素子を得ることが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用した有機EL素子の概略構造を
表す断面図
【図2】実施例2で使用した有機EL素子の概略構造を
表す断面図
【図3】実施例3で使用した有機EL素子の概略構造を
表す断面図
【符号の説明】 1.基板 2.電極A 3.正孔注入層 4.発光層 5.電子注入層 6.電極B
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/14 C09K 11/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]で示されることを特徴
    とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。一般式
    [1] 【化1】 [式中、R1ないしR6は、それぞれ独立に、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミ
    ノ基、エステル基、モノまたはジ置換アミノ基、アシル
    アミノ基、水酸基、アルコキシ基、メルカプト基、アル
    キルオキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、ア
    リールチオ基、シロキシ基、アシル基、シクロアルキル
    基、カルバモイル基、カルボン酸基、スルフォン酸基、
    置換もしくは未置換の脂肪族基、置換もしくは未置換の
    脂肪族式環基、置換もしくは未置換の炭素環式芳香族環
    基、置換もしくは未置換の複素環式芳香族環基、置換も
    しくは未置換の複素環基を表す。また、隣接した置換基
    同士で置換もしくは未置換の脂肪族式環、置換もしくは
    未置換の炭素環式芳香族環、置換もしくは未置換の複素
    環式芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環を形成し
    ても良い。X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、−
    N=もしくは−C(R7)=である。R7はR1ないしR6
    と同様の置換基を意味する。Lはハロゲン原子、水酸
    基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは
    未置換のメルカプト基、置換もしくは未置換のアルキル
    オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換
    もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置
    換のアリールチオ基を示す。]
  2. 【請求項2】 一対の電極間に、一層または複数層の有
    機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機エレクトロル
    ミネッセンス素子において、少なくとも一層が請求項1
    記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料を含有す
    る層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  3. 【請求項3】 一対の電極間に一層または複数層の有機
    化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子において、正孔注入層が請求項1記載の
    有機エレクトロルミネッセンス素子材料を含有する層で
    あることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
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