JP3246053B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

Info

Publication number
JP3246053B2
JP3246053B2 JP07687493A JP7687493A JP3246053B2 JP 3246053 B2 JP3246053 B2 JP 3246053B2 JP 07687493 A JP07687493 A JP 07687493A JP 7687493 A JP7687493 A JP 7687493A JP 3246053 B2 JP3246053 B2 JP 3246053B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
organic
general formula
unsubstituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07687493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07150136A (ja
Inventor
年男 榎田
Original Assignee
東洋インキ製造株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東洋インキ製造株式会社 filed Critical 東洋インキ製造株式会社
Priority to JP07687493A priority Critical patent/JP3246053B2/ja
Publication of JPH07150136A publication Critical patent/JPH07150136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3246053B2 publication Critical patent/JP3246053B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平面光源や表示に使用さ
れる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】有機物質を使用したEL素子は、固体発
光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が
有望視され、多くの開発が行われている。一般にEL
は、発光層および該層をはさんだ一対の対向電極から構
成されている。発光は、両電極間に電界が印加される
と、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入
される。さらに、この電子が発光層において正孔と再結
合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際に
エネルギーを光として放出する現象である。
【0003】従来の有機EL素子は、無機EL素子に比
べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かった。
また、特性劣化も著しく実用化には至っていなかった。
近年、10V以下の低電圧で発光する高い蛍光量子効率
を持った有機化合物を含有した薄膜を積層した有機EL
素子が報告され、関心を集めている(アプライド・フィ
ジクス・レターズ、51巻、913ページ、1987年
参照)。
【0004】この方法では、金属キレート錯体を蛍光体
層、アミン系化合物を正孔注入層に使用して、高輝度の
緑色発光を得ており、6〜7Vの直流電圧で輝度は数1
00cd/m2、最大発光効率は1.5lm/Wを達成
して、実用領域に近い性能を持っている。しかしなが
ら、現在までの有機EL素子は、構成の改善により発光
強度は改良されているが、未だ充分な発光輝度は有して
いない。また、繰り返し使用時の安定性に劣るという大
きな問題を持っている。従って、より大きな発光輝度を
持ち、繰り返し使用時での安定性の優れた有機EL素子
の開発が望まれているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発光
強度が大きく、繰り返し使用時での安定性の優れた有機
EL素子の提供にある。本発明者らが鋭意検討した結
果、一般式[1]および/または一般式[2]で表され
る有機化合物を使用した有機EL素子が、発光強度が大
きく、繰り返し使用時での安定性も優れていることを見
いだし、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、第一の発明は、一
対の電極間に、一層または複数層の有機化合物薄膜より
なる発光層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子
において、少なくとも一層が下記一般式[1]および/
または一般式[2]で示される化合物を含有する層であ
る有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0007】一般式[1]
【0008】
【化1】
【0009】一般式[2]
【0010】
【化2】
【0011】[式中、AおよびBはそれぞれ独立に、置
換もしくは未置換の脂肪族式環基、置換もしくは未置換
の炭素環式芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環式
芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。−
1−、−X2−、=Y1および=Y2はそれぞれ独立に、
O、S、Se、Te、NR1またはPR2を示す。R1
よびR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、エステル基、モノ
またはジ置換アミノ基、アシルアミノ基、水酸基、アル
コキシ基、メルカプト基、アルキルオキシ基、アルキル
チオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、シロキシ
基、アシル基、シクロアルキル基、カルバモイル基、カ
ルボン酸基、スルフォン酸基、置換もしくは未置換の脂
肪族基、置換もしくは未置換の脂肪族式環基、置換もし
くは未置換の炭素環式芳香族環基、置換もしくは未置換
の複素環式芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基
を表す。
【0012】また、第二の発明は、一対の電極間に一層
または複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた
有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が
一般式[1]および/または一般式[2]で示される化
合物を含有する層である有機エレクトロルミネッセンス
素子である。
【0013】本発明における一般式[1]および一般式
[2]で示される化合物の基、および、その基に付加す
る置換原子または置換基の例としては、水素原子、ハロ
ゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ
基、スルフォン基、アミノ基、アシルアミノ基、エステ
ル基、モノまたはジ置換アミノ基、アルコキシ基、メル
カプト基、またはメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステア
リル基、トリクロロメチル基、アミノメチル基、アセト
オキシメチル基、アセトオキシエチル基、アセトオキシ
プロピル基、アセトオキシブチル基、ヒドロキシメチル
基、ヒドロキシルエチル基、ヒドロキシルプロピル基、
ヒドロキシルブチル基、ビニル基、スチリル基、アセチ
レン基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルオキシ
基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ
基、シロキシ基、アシル基、シクロアルキル基、カルバ
モイル基等の置換基および置換もしくは未置換の非環式
炭化水素基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、
1,3−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン
−1−イル基、2,4−シクロペンタジエン−1−イリ
デニル基、フェニル基、ビフェニレニル基、トリフェニ
レニル基、テトラフェニレニル基、2−メチルフェニル
基、3−ニトロフェニル基、4−メチルチオフェニル
基、3,5−ジシアノフェニル基、o−,m−およびp
−トリル基、キシリル基、o−,m−およびp−クメニ
ル基、メシチル基等の置換もしくは未置換の単環式炭化
水素基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、
アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、
フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、アン
トラキノニル基、3−メチルアントリル基、フェナント
リル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル
基、2−エチル−1−クリセニル基、ピセニル基、ペリ
レニル基、6−クロロペリレニル基、ペンタフェニル
基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフ
ェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル
基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセ
ニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等の置換もし
くは未置換の縮合多環式炭化水素、チエニル基、フリル
基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリ
ジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル
基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、フタ
ラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カル
バゾリル基、アクリジニル基、フェナジニル基、フルフ
リル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、フラザ
ニル基、フェノキサジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベ
ンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、2−メチ
ルピリジル基、3−シアノピリジル基等の置換もしくは
未置換の複素環基または置換もしくは未置換の芳香族復
素環基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブト
キシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ステア
リルオキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、エチルチ
オ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブチル
チオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘ
キシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、フェ
ニルチオ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミ
ノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピル
アミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビ
ス(アセトオキシメチル)アミノ基、ビス(アセトオキ
シエチル)アミノ基、ビス(アセトオキシプロピル)ア
ミノ基、ビス(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベン
ジルアミノ基、メチルスルファモイル基、ジメチルスル
ファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスル
ファモイル基、プロピルスルファモイル基、ブチルスル
ファモイル基、フェニルスルファモイル基、ジフェニル
スルファモイル基、メチルカルバモイル基、ジメチルカ
ルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバ
モイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイ
ル基、フェニルカルバモイル基、メチルカルボニルアミ
ノ基、エチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニル
アミノ基、ブチルカルボニルアミノ基、フェニルカルボ
ニルアミノ基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシ
カルボニルアミノ基、プロポキシカルボニルアミノ基、
ブトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニル
基、2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ基、2−
(2−エトキシエトキシ)エチルチオ基、2−〔2−
(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチルチオ基等で
あるが、これらの置換基に限定されるものではない。
【0014】本発明に用いる一般式[1]および一般式
[2]の化合物の置換原子または置換基の種類、数、お
よび位置は特に限定されるものではない。以下に、本発
明で使用する一般式[1]および一般式[2]の化合物
の代表例を、表1に具体的に例示するが、本発明は以下
の代表例に限定されるものではない。
【0015】
【表1】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】図1〜3に、本発明で使用される有機EL
素子の模式図の一例を示した。図中、一般的に電極Aで
ある2は陽極であり、電極Bである6は陰極である。ま
た、これらの層構成以外にも、(電極A/発光層/電子
注入層/電極B)の順で積層した有機EL素子があり、
一般式[1]の化合物は、この素子構成においても好適
に使用することが出来る。
【0021】一般式[1]および一般式[2]の化合物
は、強い発光と大きなキャリア輸送能力を合わせもって
いるので、正孔注入層3、発光層4、電子注入層5のい
ずれの層に発光物質、発光補助剤、キャリア輸送物質と
して使用できる。図1の発光層4には、必要があれば、
本発明の一般式[1]および一般式[2]の化合物に加
えて、発光物質、発光補助材料、キャリア輸送を行う正
孔輸送材料や電子輸送材料を使用することもできる。
【0022】図2の構造は、発光層4と正孔注入層3を
分離している。この構造により、正孔注入層3から発光
層4への正孔注入効率が向上して、発光輝度や発光効率
を増加させることができる。この場合、発光効率のため
には、発光層に使用される発光物質自身が電子輸送性で
あること、または発光層中に電子輸送輸送材料を添加し
て発光層を電子輸送性にすることが望ましい。
【0023】図3の構造は、正孔注入層3に加えて電子
注入層5を有し、発光層4での正孔と電子の再結合の効
率を向上させている。このように、有機EL素子を多層
構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命
の低下を防ぐことができる。図2および図3の素子にお
いても、必要があれば、発光物質、発光補助材料、キャ
リア輸送を行う正孔輸送材料や電子輸送材料を組み合わ
せて使用することが出来る。
【0024】有機EL素子の陽極に使用される導電性物
質としては、4eVより大きな仕事関数を持つものが好
適であり、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジ
ウム等およびそれらの合金、ITO基板、NESA基板
と称される酸化スズ、酸化インジウム等の酸化金属、さ
らにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹
脂が用いられる。陰極に使用される導電性物質として
は、4eVより小さな仕事関数を持つものが好適であ
り、マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、
イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン等およ
びそれらの合金が用いられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0025】有機EL素子では、効率良く発光させるた
めに、2で示される電極Aまたは6で示される電極Bの
うち、少なくとも一方は素子の発光波長領域において充
分透明にすることが望ましい。また、基板1も透明であ
ることが望ましい。透明電極は、上記した導電性物質を
使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光
性が確保するように設定する。発光を取り出す電極は、
光透過率を10%以上にすることが望ましい。基板1
は、機械的、熱的強度を有し、透明なものであれば限定
されるものではないが、例示すると、ガラス基板、ポリ
エチレン板、ポリエーテルサルフォン板、ポリプロピレ
ン板等の透明樹脂があげられる。
【0026】本発明に係わる有機EL素子の各層の形成
は、真空蒸着、スパッタリング等の乾式成膜法やスピン
コーティング、ディッピング等の湿式成膜法のいずれの
方法を適用することができる。膜厚は特に限定されるも
のではないが、各層は適切な膜厚に設定する必要があ
る。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために大き
な印加電圧が必要になり効率が悪くなる。膜厚が薄すぎ
るとピンホール等が発生して、電界を印加しても充分な
発光輝度が得られない。通常の膜厚は10nmから10
μmの範囲であり、好ましくは100オングストローム
から2000オングストロームの範囲である。
【0027】湿式成膜法の場合、各層を形成する材料
を、クロロフォルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等の適切な溶媒に溶解または分散させた液を使用して薄
膜を形成するが、その溶媒はいずれであっても良い。ま
た、いずれの有機層においても、成膜性向上、膜のピン
ホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用しても良
い。このような樹脂としては、ポリスチレン、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート等の絶縁性樹脂、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオ
フェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げることがで
きる。
【0028】本有機EL素子は、発光層、正孔注入層、
電子注入層において、必要があれば、一般式[1]また
は一般式[2]の化合物に加えて、公知の発光物質、発
光補助材料、正孔輸送材料、電子輸送材料を使用するこ
ともできる。その場合、一般式[1]または一般式
[2]の化合物を主発光物質として、下記公知の発光補
助材料をドーピングして、または、下記公知の発光補助
材料を主発光物質として一般式[1]または一般式
[2]の化合物をドーピングして、適切な発光輝度、発
光波長を有する有機EL素子を得ることができる。発光
補助材料のドーピング量は、それぞれの材料によって異
なり、いずれの量であっても良いが、発光物質100重
量部に対して発光補助材料は0.1〜50重量部、好ま
しくは0.5〜10重量部のドーピング量が望ましい。
【0029】公知の発光物質または発光物質の補助材料
としては、アントラセン、ナフタレン、フェナントレ
ン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオ
レセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレ
ン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジ
フェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマ
リン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサ
ゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエ
ン、オキシン、アミノキノリン、イミン、ジフェニルエ
チレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、
ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミ
ダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン
等およびそれらの誘導体があるが、これらに限定される
ものではない。
【0030】正孔輸送材料としては、正孔を輸送する能
力を持ち、発光層または発光物質に対して優れた正孔注
入効果を有し、発光層で生成した励起子の電子注入層ま
たは電子輸送材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能の
優れた化合物が挙げられる。具体的には、フラロシアニ
ン類、ポルフィリン系化合物、オキサジアゾール、トリ
アゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾール
チオン、ピラゾリン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダ
ゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラゾ
ン、アシルヒドラゾン、ポリアリールアルカン、スチル
ベン、ブタジエン、ベンジジン型トリフェニルアミン、
スチリルアミン型トリフェニルアミン、ジアミン型トリ
フェニルアミン等と、それらの誘導体、およびポリビニ
ルカルバゾール、ポリシラン、導電性高分子等の高分子
材料等があるが、これらに限定されるものではない。
【0031】電子輸送材料としては、電子を輸送する能
力を持ち、発光層または発光物質に対して優れた電子注
入効果を有し、発光層で生成した励起子の正孔注入層ま
たは正孔輸送材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能の
優れた化合物が挙げられる。例えば、フルオレノン、ア
ントラキノジメタン、ジフェニルキノン、チオピランジ
オキシド、オキサジアゾール、ペリレンテトラカルボン
酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、
アントロン等とそれらの誘導体があるが、これらに限定
されるものではない。また、正孔輸送材料に電子受容物
質を、電子輸送材料に電子供与性物質を添加することに
より増感させることもできる。
【0032】図1,2および3に示される有機EL素子
において、一般式[1]および一般式[2]の化合物
は、いずれの層に使用することができ、発光物質、発光
補助材料、正孔輸送材料および電子輸送材料の少なくと
も1種が同一層に含有されてもよい。
【0033】また、本発明により得られた有機EL素子
の、温度、湿度、雰囲気等に対する安定性の向上のため
に、素子の表面に保護層を設けたり、シリコンオイル等
を封入して素子全体を保護することも可能である。以上
のように、本発明では有機EL素子に一般式[1]およ
び/または一般式[2]の化合物を用いたため、発光効
率と発光輝度を高くできた。また、この素子は熱や電流
に対して非常に安定であり、さらには低い駆動電圧で実
用的に使用可能の発光輝度が得られるため、従来まで大
きな問題であった劣化も大幅に低下させることができ
た。
【0034】本発明の有機EL素子は、壁掛けテレビ等
のフラットパネルディスプレイや、平面発光体として、
複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器
類等の光源、表示板、標識灯等へ応用が考えられ、その
工業的価値は非常に大きい。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。例中で部とは重量部を表す。
【0036】(合成例)化合物(2)の合成方法 フラスコ中にフェニルチオグリコール酸−o−カルボン
酸を20部、水酸化ナトリウムを100部を溶融、冷却
後、水で希釈して、水酸化ナトリウムの一部を酸で中和
後、赤血塩30部を添加した後ろ過水洗して、16部の
赤色沈澱物を得た。質量分析、赤外線吸収スペクトル等
の分析の結果、化合物(2)で示されるチオインジゴで
あることが認められた。
【0037】実施例1 洗浄したITO電極付きガラス板上に、化合物(1)を
クロロフォルムに溶解分散させ、スピンコーティング法
により発光層を形成して、500オングストロームの膜
厚の発光層を得た。その上に、マグネシウムと銀を1
0:1で混合した合金で1500オングストロームの膜
厚の電極を形成して図1に示す有機EL素子を得た。こ
の素子は、直流電圧10Vで約35cd/m2の発光が
得られた。
【0038】実施例2 洗浄したITO電極付きガラス板上に、化合物(2)の
発光層を真空蒸着法により形成させて、有機EL素子を
作製した。発光層は10-6Torrの真空中で、基板温
度室温の条件下で蒸着した。その上に、マグネシウムと
銀を10:1で混合した合金で1500オングストロー
ムの膜厚の電極を形成して図1に示す有機EL素子を得
た。この素子は、直流電圧10Vで約35cd/m2
発光が得られた。
【0039】実施例3 洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N'―ジフ
ェニル―N,N'―(3―メチルフェニル)―1,1'―
ビフェニル―4,4'―ジアミンを真空蒸着して、30
0オングストロームの膜厚の正孔注入層を得た。次い
で、真空蒸着法により化合物(2)の膜厚500オング
ストロームの発光層を作成し、その上に、マグネシウム
と銀を10:1で混合した合金で1500オングストロ
ームの膜厚の電極を形成して図2に示す有機EL素子を
得た。正孔注入層および発光層は10-6Torrの真空
中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。この素子は、
直流電圧10Vで約280cd/m2の発光が得られ
た。この結果から、本発明の化合物は電子輸送をする発
光物質であることが解る。
【0040】実施例4 洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N'―ジフ
ェニル―N,N'―(3―メチルフェニル)―1,1'―
ビフェニル―4,4'―ジアミンを真空蒸着して、30
0オングストロームの膜厚の正孔注入層を得た。次い
で、真空蒸着法により化合物(6)の膜厚500オング
ストロームの発光層を作成し、その上に、マグネシウム
と銀を10:1で混合した合金で1500オングストロ
ームの膜厚の電極を形成して図2に示す有機EL素子を
得た。正孔注入層および発光層は10-6Torrの真空
中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。この素子は、
直流電圧10Vで約210cd/m2の発光が得られ
た。この結果から、本発明の化合物は電子輸送をする発
光物質であることが解る。
【0041】実施例5 洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N'―ジフ
ェニル―N,N'―(3―メチルフェニル)―1,1'―
ビフェニル―4,4'―ジアミンを真空蒸着して、30
0オングストロームの膜厚の正孔注入層を得た。次い
で、真空蒸着法により8−アルミキノリノール錯体10
0部および化合物(6)5部を10-6Torrの真空中
で共蒸着して膜厚500オングストロームの発光層を作
成し、その上にマグネシウムと銀を10:1で混合した
合金で1500オングストロームの膜厚の電極を形成し
て、図2に示す有機EL素子を得た。この素子は直流電
圧10Vで約520cd/m2の発光が得られた。
【0042】比較例1 洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N'―ジフ
ェニル―N,N'―(3―メチルフェニル)―1,1'―
ビフェニル―4,4'―ジアミンを真空蒸着して、30
0オングストロームの膜厚の正孔注入層を得た。次い
で、真空蒸着法により8−アルミキノリノール錯体を1
-6Torrの真空中で共蒸着して膜厚500オングス
トロームの発光層を作成し、その上にマグネシウムと銀
を10:1で混合した合金で1500オングストローム
の膜厚の電極を形成して、図2に示す有機EL素子を得
た。この素子は直流電圧10Vで約120cd/m2
発光が得られた。
【0043】実施例5および比較例1の結果から、本発
明の化合物を、他の公知発光物質の発光補助材料とし
て、発光層中にドーピングすることによって、発光輝度
を大幅に改良出来ることが解った。さらには1mA/c
2で連続発光させたところ、発光時間も5倍以上改良
されていることが解った。
【0044】実施例6 洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N'―ジフ
ェニル―N,N'―(3―メチルフェニル)―1,1'―
ビフェニル―4,4'―ジアミンを真空蒸着して、膜厚
300オングストロームの正孔注入層を得た。次いで、
真空蒸着法により化合物(23)の膜厚200オングス
トロームの発光層を作成し、さらに真空蒸着法により
[2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(ビフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール]の膜厚20
0オングストロームの電子注入層を得た。その上に、マ
グネシウムと銀を10:1で混合した合金で膜厚150
0オングストロームの電極を形成して図3に示す有機E
L素子を得た。この素子は、直流電圧10Vで約340
cd/m2の発光が得られた。
【0045】本実施例で示された全ての有機EL素子に
ついて、1mA/cm2で連続発光させたところ、10
00時間以上安定な発光を観測することができた。本発
明の有機EL素子は発光効率、発光輝度の向上と長寿命
化を達成するものであり、併せて使用される発光物質、
発光補助材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、増感剤、
樹脂、電極材料等および素子作製方法を限定するもので
はない。
【0046】
【発明の効果】本発明により、従来に比べて高発光効
率、高輝度であり、長寿命の有機EL素子を得ることが
できた。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1,2で使用した有機EL素子の概略
構造を表す断面図
【図2】 実施例3,4,5および比較例1で使用した
有機EL素子の概略構造を表す断面図
【図3】 実施例6で使用した有機EL素子の概略構造
を表す断面図である。
【符号の説明】
1.基板 2.電極A 3.正孔注入層 4.発光層 5.電子注入層 6.電極B
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/06 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極間に、一層または複数層の有
    機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機エレクトロル
    ミネッセンス素子において、少なくとも一層が下記一般
    式[1]および/または一般式[2]で示される化合物
    を含有する層であることを特徴とする有機エレクトロル
    ミネッセンス素子。一般式[1] 【化1】 一般式[2] 【化2】 [式中、AおよびBはそれぞれ独立に、置換もしくは未
    置換の脂肪族式環基、置換もしくは未置換の炭素環式芳
    香族環基、置換もしくは未置換の複素環式芳香族環基、
    置換もしくは未置換の複素環基を表す。−X1−、−X2
    −、=Y1および=Y2はそれぞれ独立に、O、S、S
    e、Te、NR1またはPR2を示す。R1およびR2は、
    それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、
    ニトロ基、アミノ基、エステル基、モノまたはジ置換ア
    ミノ基、アシルアミノ基、水酸基、アルコキシ基、メル
    カプト基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリー
    ルオキシ基、アリールチオ基、シロキシ基、アシル基、
    シクロアルキル基、カルバモイル基、カルボン酸基、ス
    ルフォン酸基、置換もしくは未置換の脂肪族基、置換も
    しくは未置換の脂肪族式環基、置換もしくは未置換の炭
    素環式芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環式芳香
    族環基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。]
  2. 【請求項2】 一対の電極間に一層または複数層の有機
    化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子において、発光層が一般式[1]および
    /または一般式[2]で示される化合物を含有する層で
    あることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロル
    ミネッセンス素子。
JP07687493A 1993-04-02 1993-04-02 有機エレクトロルミネッセンス素子 Expired - Fee Related JP3246053B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07687493A JP3246053B2 (ja) 1993-04-02 1993-04-02 有機エレクトロルミネッセンス素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07687493A JP3246053B2 (ja) 1993-04-02 1993-04-02 有機エレクトロルミネッセンス素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07150136A JPH07150136A (ja) 1995-06-13
JP3246053B2 true JP3246053B2 (ja) 2002-01-15

Family

ID=13617787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07687493A Expired - Fee Related JP3246053B2 (ja) 1993-04-02 1993-04-02 有機エレクトロルミネッセンス素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3246053B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19616532A1 (de) * 1996-04-25 1998-02-26 Heinz Langhals Donor-substituierte Oxindigo-Derivate und ihre Verwendung als Farbstoffe
JPH10125469A (ja) * 1996-10-24 1998-05-15 Tdk Corp 有機el発光素子
JPWO2005062677A1 (ja) * 2003-12-22 2007-12-13 日立化成工業株式会社 発光システム、発光方法及び発光用化学物質
KR101065403B1 (ko) * 2009-07-28 2011-09-16 삼성모바일디스플레이주식회사 유기 발광 표시 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07150136A (ja) 1995-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3114445B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3070356B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3079909B2 (ja) 正孔輸送材料およびその用途
JP3067469B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3223632B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2001043979A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用正孔輸送材料
JP3341394B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3409356B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH0913026A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3151997B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3246053B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3409366B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH06228555A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3580078B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH06228554A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH06322361A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3211450B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3321873B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH08298186A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3341330B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3235243B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3230314B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3341270B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH06228556A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3341331B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees