JP3341339B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳片中心部の偏析やセン
ターポロシティを可及的に減少させることのできる連続
鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造方法においては、鋳片中心部に
生じる偏析やセンターポロシティを如何に軽減するかと
いうことが重要課題の一つとなっている。偏析防止に関
しては、電磁撹拌技術の適用や低温鋳造の実施、或は不
均一核生成促進物質の添加等に代表される偏析分散技術
が実用化され、更には溶鋼内不純物濃度の低減を図る為
の高度清浄化技術の導入、更には鋳片引抜工程中のバル
ジング防止技術の導入等が実施され、相当の成果が挙げ
られている。
【0003】一方凝固末期の凝固収縮に伴う溶鋼流動に
よって惹起される偏析、或は該凝固収縮の直接的結果で
あるセンターポロシティの形成については、十分な解決
策が確立されていないというのが実情である。
【0004】そこで近年の連続鋳造技術においては、鋳
片引抜工程における終盤過程に多数の圧下用ロールを設
け、中心部に未凝固部を残している凝固末期鋳片を低圧
化率で圧下することが提案されている。この様な低率圧
下を与えると、前記溶鋼流動を抑制して偏析の防止に寄
与すると共に、凝固収縮に対する補償が行なわれてセン
ターポロシティの生成が防止され、鋳造欠陥のない連続
鋳造製品を提供することが可能となる。
【0005】この様な低率圧下付与技術としては、特公
昭59−16862号、特公平3−8863号、同3−
8864号、同3−6855号、同4−20696号、
同4−22664号各公報に記載のものが知られてい
る。これらの公知技術は、低率圧下を行う位置(引抜工
程の終盤過程において、鋳片中心部の未凝固状態を考慮
して低率圧下を開始してから終了するまでの区間の意
味、以下同じ)について一応の統一概念(中心部の固相
率を基準とする考え方)を提示しているが、圧下の程度
については、例えば圧下率(1.5%以下)、割合
(0.5〜2.5mm/分)、単位時間の圧下量0.6ξ
〜1.1ξ(ξは偏平比の1/4)といった種々の概念
が提示されており、未だ確定的な概念には至っていない
様である。
【0006】一方上記の様な低率圧下を行う為の具体的
装置技術としては、例えば特開昭50−55529号や
特公昭54−38978号の各公報に記載されている様
に、鋳片幅と同一か、又はより長い実効長さを有するロ
ール(一般にフラットロールと称される)を用いて圧下
を加える方法と、例えば特公平2−56982号公報に
開示されている様にロールの長さ方向中央部の径を、鋳
片幅寸法より短い範囲で大きく(ロール両端部の径より
大きく)したロール(本明細書では中太ロールと称す)
を用いて圧下する方法が知られている(図6参照:図に
おいて、1は中太ロール、2は鋳片、3は未凝固部、4
は軸を夫々示す)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した様に従来の低
率圧下技術では、低率圧下工程の条件、例えば圧下の程
度をどの様に規定するかという角度からの検討が混沌と
しており、未解決課題として残されている。しかも低率
圧下を実施している過程でも刻刻進行している中心固相
率の変化については、従来余り顧慮されておらず、中心
固相率の変化に応じて圧下の程度を工夫するという発想
は全く知られておらない。従って特に例えば圧下によっ
て内部割れを生じ易い高炭素鋼を対象とする場合をも含
めた適正圧下条件についての検討は極めて不十分である
と言わざるを得なかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の様な事情
に鑑みてなされたものであって、凝固末期における低率
圧下の度合いに関して圧下勾配なる新しい概念を導入す
ると共に、凝固末期における中心固相率の増大に対応し
て上記圧下勾配を変化させるという手法を確立すること
により、上記課題を達成したものである。即ち本発明の
連続鋳造方法とは、鋳片の中心固相率が多くとも0.05の
時点から圧下を開始することとし、且つ単位時間当りの
鋳片厚みに対する圧下勾配が下記式を満足する様な条件
で圧下することを要旨とするものである。 中心固相率=0.05〜0.2 の範囲 4.5 × 10-4・G ≦圧下勾配(%/min) ≦1.5 × 10-3・G (1) 中心固相率=0.2 〜0.5 の範囲 3.1 × 10-4・G ≦圧下勾配(%/min) ≦1.2 × 10-3・G (2) 中心固相率=0.5 〜0.8 の範囲 1.5 × 10-4・G ≦圧下勾配(%/min) ≦9.2 × 10-4・G (3) [式中、Gは鋳片引抜ライン方向に隣り合った圧下用ロ
ール間隔(単位:mm)を意味する]
【0009】
【作用】本発明において低率圧下を行う区間は、凝固末
期の鋳片中心部における固相率、即ち下記計算式で求め
られる中心固相率を基準として定める。
【0010】
【数1】 式中 T:鋳片中心部温度 %C:鋳片のC濃度
【0011】即ち上記計算式によって求められる中心固
相率が多くとも0.05の位置[換言すれば鋳片中心部
において固相率が0.05の値を示す位置より上流側
(鋳型側)の位置]から低率圧下を開始する。そしてそ
れより下流側において中心固相率が次第に増大していく
間は低率圧下を継続し、鋳片中心部に残されている未凝
固物の凝固が進んで流動性を示す限界となる様な中心固
相率0.8に至るまでは必らず前記低率圧下を継続す
る。
【0012】もし中心固相率が0.05を超えてから低
率圧下を開始する様なことになると、低率圧下の開始が
遅過ぎて、その時点では既に凝固末期部分における凝固
収縮が始まって溶鋼流動を惹起し、それによる偏析を生
じる。一方流動相限界固相率である0.8となる以前に
低率圧下を中止すると、凝固収縮による溶鋼流動を生じ
る状態で低率圧下を解除したことになるので、偏析の形
成は回避できない。また凝固収縮に対する補償が行なわ
れないこととなるので、センターポロシティが形成され
てしまう。尚低率圧下の継続中も鋳片温度は徐々に降下
し中心固相率も増大していく。そこで本発明は中心固相
率の増大に対応して圧下度合いを変化させることとして
いるが、圧下度合いを示すものとして圧下勾配なる概念
を用いることとしている。圧下勾配とは、毎分当たり鋳
片厚み方向に対してどの程度の圧下比率で圧下を行うか
を数値化して示すものであり、%/min の単位で与えら
れる。
【0013】従って圧下勾配は、ある注目した1対の圧
下用ロールに対する鋳片の引抜速度と、鋳片が該1対の
圧下用ロール間隙へ引込まれることによる鋳片厚み方向
への圧下量との関係によって定められるものである。と
ころが本発明者らが種々検討したところによれば、前記
1対の圧下用ロール間の間隙の大小による圧下量への影
響もさることながら、鋳片引抜ラインに沿って隣り合っ
た圧下用ロール同士の間隔の影響は一層大きいものであ
ることが分かった。
【0014】即ち凝固末期の鋳片に対して低率圧下を加
える場合において、上流側ロールとこれに隣接する下流
側ロールとの間に距離(以下単にロール間隔という)の
みを変化させて幾つかの実験を行ったところ、上流側ロ
ールを通過して圧下を受けた鋳片が、その通過直後か
ら、該圧下に逆う様に膨らみ(一般にバルジング現象と
いう)を見せるが、このバルジング現象は、ロール間隔
が大きいとき程顕著に認められることが分かった。この
様にバルジングした鋳片表面は、直下流側ロールによっ
て最終的に圧下されはするが、該下流側ロールによる圧
下作用はまずバルジング分の圧下に費やされ、その残り
が凝固収縮分の圧下に利用されているに過ぎない。従っ
てロール間隔が大きいときは、圧下による未凝固断面積
の減少化効率(以下圧下効率という)は少なくなり、従
って圧下による中心偏析改善効果も期待される程大きな
ものではなくなってくる。この様なところから本発明者
らは、凝固末期鋳片に対する低率圧下による効果を安定
ならしめる為には、ロール間隔についての適正管理が必
要であるとの推論を得た。
【0015】そこで本発明者らは、1組のロール間隔に
注目してバルジングを考慮した圧下解析を行った。その
結果、上流側ロールによって圧下された鋳片表面のプロ
フィルは、バルジングによって図1に示す様な変位を見
せ、その膨らみ過程の途中で下流側ロールによる圧下に
遭遇して鋳片厚みが減少を開始するのである。このこと
から、鋳片中心の未凝固部界面も上流側ロールから下流
側ロールへ移行する過程において単調な減少を生じてい
るのではなく、下流側ロールによる圧下影響を受け始め
る位置からほぼ一定の区間をおいて減少していると理解
される。図1に示した,,の各区間が未凝固部の
実質的な減少区間であり、,,の各区間長さの各
ロール間隔(400mm,800mm,1200mm)に対す
る割合は、ロール間隔が大きくなる程小さくなっていく
ことが分かる。
【0016】図2は未凝固部界面の変形パターンを考慮
した必要圧下勾配を模式的に示すものである。もし未凝
固部界面がロール間に亘り単調に減少するのであれば、
実線(A)で示す様な圧下ラインをとれば良いはずであ
るが、実際には図1で検討した様に、圧下による未凝固
部断面の減少は下流側ロールによる影響を受けてからほ
ぼ一定の区間においてしか働かない。その為下記(5)
式を満足する実線(B−1),(B−2),(B−3)
で示す様な圧下勾配を与える圧下用ロールを用いること
が必要になってくる。 L・ΔS/2=ξ・L・ΔS’/2 (5) L :ロール間隔 ΔS:出側での必要未凝固部断面減少量(未凝固部界面
がロール間に亘り単調に減少すると仮定した場合) ΔS’:出側での実際に必要な未凝固部断面減少量 ξ :未凝固部断面の実質的な減少区間の、ロール間隔
に対する割合
【0017】また図2に見られる様に、未凝固部断面の
実際的減少に寄与している領域(図2のξ部分)の、ロ
ール間隔(400mm,800mm,1200mm等)に対す
る割合は、ロール間隔が大きくなるに従って減少してい
ることが分かる。このことより、ロール間隔が大きくな
るに従って必要圧下勾配は急激に増加するのである。こ
うして図1,2から、必要圧下勾配はロール間隔を考慮
して適正にコントロールされなければならないとの結論
に導かれる。
【0018】そこで図1に基づいてロール1段当たりの
圧下量をロール間隔の2次関数に近似してみた。更にロ
ール間隔及び鋳造速度を種々変化させつつ、中心固相率
毎に最適と思われる圧下勾配を調査し、ここに最適圧下
条件として与えられた結果を圧下勾配で規定する式とし
て、前記(1),(2),(3)式を求めたのである。
【0019】この式の意味を説明すると、中心固相率が
小さいとき、例えば0.05〜0.2 の範囲では、ある与えら
れたロール間隔の下でのバルジングが大きい数値範囲に
シフトする傾向を示す為、圧下勾配を(1)式で示す様
に大きい数値範囲することが必要であり、中心固相率が
0.2 〜0.5 の範囲、更に0.5 〜0.8 の範囲と大きくなっ
て凝固末期に一層近づくにつれて、バルジングが小さい
数値範囲にシフトしていくので、圧下勾配を(2)→
(3)の様に順次小さい数値範囲にシフトすることが可
能となる。
【0020】更に本発明ではこの様な低率圧下を、前記
流動限界である中心固相率0.8を超えた後も引続き行
うことが可能であり、このときの圧下勾配は前記(3)
式に従って定めれば良い。この様に中心固相率0.8〜
1.0の領域でも低率圧下を加えるならばミクロ偏析や
ミクロポロシティの防止効果が非常に高いものとなる。
【0021】本発明で使用する低率圧下ロールについて
は格別制限されることがなく、前記したフラットロール
や中太ロールは本発明において使用可能である。しかし
より好ましいのは、本出願人において開発した後述の短
幅ロールである。即ちフラットロールや中太ロールには
次に述べる様な問題がある。
【0022】まずフラットロールでは、鋳片の両側面か
ら中央方向へ向けて成長したシェルが高剛性を示すため
圧下抵抗が大きく(特に偏平比の小さいブルーム鋳片の
場合に顕著)、中心の未凝固部断面積の縮小に効く効率
(圧下効率)が悪い為、偏析防止の為には大きな圧下量
が必要になってロールにかかる付加が増大し、ロールや
軸受けの摩耗が激しくなるという問題がある。また必要
圧下量に対応する為の設備コストや運転コストも高くな
る。一方中太ロールでは、ロール両端部より大径にされ
た中央部分のみで鋳片に対する実効的な圧下が加えられ
るため、前記シェルによる圧下抵抗が少なく、従って圧
下効率が向上し、比較的小さい圧下量でも偏析やセンタ
ーポロシティの防止効果が高いと評価されているが、鋳
片からの熱的影響によるロールの熱反りを極力少なくし
て圧下精度を保持しようとすれば、ロール両端側の直径
が結構大きいロールでなければならず、勢い中央部の直
径が大きくなり、従って鋳片引抜方向に隣接している短
幅ロールとの間隔(ロールピッチ)も大きくなり、鋳片
のバルジング(ロール間隔で生じる鋳片の膨張)が大き
くなって偏析やセンターポロシティの防止効果が失われ
るという問題がある。
【0023】この様なところから本願出願人は、鋳片幅
の0.2〜0.8倍の実効長さを有する圧下ロールを開
発し、既に特許出願を行っている(特願平5−5958
号)。
【0024】図4,5は本発明における短幅ロールの使
用概念を示す説明図であり、図中1は短幅ロール、2は
鋳片、3は未凝固部、4は軸、5はフラットロールを示
す。図4は鋳片の上下から同一寸法の短幅ロールを作用
させた場合を示し、図5は鋳片の上側から短幅ロールを
作用させ、下側はフラットロール5で支持した場合を示
す。この短幅ロール1は既に特願平5−5958号にお
いてその詳細を説明しているが、要は短幅ロール1の軸
方向長さWが鋳片2の幅寸法W’より実質的に短いもの
であって、特に下記の関係を満足するものが好んで用い
られ、本明細書ではこのWを実効長さと称している。 0.2W’≦ W ≦ 0.8W’ (6) 尚より好ましいのは 0.3W’≦ W ≦ 0.7W’ (7) の関係を満たすものである。
【0025】この様な短幅ロールは軸方向長さが短いの
で、殊更大きい径としなくとも十分な剛性を発揮する。
従ってロール径を小さくすることができ、ロールピッチ
の短縮化が図れるから、中太ロールを使用していた従来
技術の欠点であるバルジングを抑えることが可能となっ
た。尚バルジング防止の観点から、ロールピッチは35
0mm以下とすることが推奨される。
【0026】また図4,5から明らかである様に、本発
明の短幅ロールは未凝固部3の存在する鋳片中心部を効
率よく集中的に圧下できるので、偏析防止やセンターポ
ロシティ防止の為の必要圧下量も少なくて済み、運転コ
ストを低減できる。またロール表面やロール軸の摩擦も
少なくなるので設備のメンテナンスコストも低減可能で
ある。尚図4の配置構成では鋳片の両側から鋳片中心部
を圧下しており、また図5の配置構成では鋳片の上側か
ら鋳片中心部を圧下しているが、前記した様な圧下勾配
条件を満足する様な低率圧下を行う限り、偏析防止やセ
ンターポロシティ防止効果は両者において実質的な差異
はない。
【0027】上記(6)式を満足しない場合、例えばW
が0.2W’より小さくなると、未凝固部3をその全幅
に亘って圧下することができないので、偏析防止等の所
期の効果は不十分となる。一方Wが0.8W’を超える
と、凝固シェルによる圧下抵抗を受けるので、低率圧下
では偏析防止等を達成することが困難となる。尚短幅ロ
ールは、前記した図4,5の配置構成例で示す様に、鋳
片2の上下両方から圧下する様な配置や、上または下の
いずれか一方のみを本発明の短幅ロールとし、反対側を
前記したフラットロールとして圧下する様に構成するこ
とが好ましいが、鋳片引抜方向全長に亘って全てを同一
配置構成としなければならない訳ではなく、例えば図
4,5の配置構成を交互に採用するといった設計変更も
可能である。また本発明は中・低炭素鋼から高炭素鋼に
至るまで幅広く適用でき、いずれの場合も、期待通りの
効果が得られることが分かった。
【0028】
【実施例】C濃度0.7〜1.20%の各種鋼種(表1
参照)を用い、鋳片サイズ380×600(mm)、鋳造
速度0.6m/min 、鋳型内電磁攪拌併用として連続鋳
造を実施した。
【0029】
【表1】
【0030】鋳造末期において中心固相率0.05の位置か
ら0.8 の位置までを下記圧下ロールにより種々の圧下勾
配で低率圧下した。即ち上方側より300mm幅の短幅圧
下ロール(直径:300mm、ロールピッチ:320mm)
を作用させ、下方側はフラットロール(直径:300m
m、ロールピッチ:320mm)を用いて低率圧下を施し
た(図5の配置構成)。
【0031】表2は各種実験条件と得られた鋳片の中心
偏析度(最大値)を示す。中心偏析度は、5mmφドリル
を用い鋳片中心部より鋳造方向に向って10mmピッチで
連続的に採取した30サンプルにおけるC分析値の最大
値で示した。尚図3は表1中の各条件A〜Lの圧下パタ
ーンを示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2にはロール間隔によって求められる条
件式(1)〜(3)の値を併記した。条件A,Gは中心
固相率の全区間に亘って圧下勾配が大き過ぎる為、逆V
偏析が多く、最大中心偏析度もかなり高い。条件B,H
は中心固相率0.2以降の圧下勾配が大きい為、逆V偏
析が多く最大中心偏析度も高い。条件C,Iは中心固相
率0.5までは最適であったが、最後の中心固相率0.
5〜0.8の区間で圧下勾配が高かった為、最大中心偏
析度はかなりの改善を見ているにもかかわらず最後にな
って若干の逆V偏析が認められた。
【0034】条件D,Jは全区間に亘って良好な圧下条
件が採用されたので、V偏析も逆V偏析も認められず、
且つ最大中心偏析度も最善の効果を示した。条件E,
F,Kは中心固相率0.05〜0.2の区間における圧
下が不十分であり、且つ条件Lは更に加えて中心固相率
0.2〜0.5の区間でも圧下が不足したので、圧下不
足分に対応して最大中心偏析度の低下が認められ、且つ
V偏析も発生していた。
【0035】
【発明の効果】本発明は上記の様に構成され、凝固末期
におけるロール間隔と圧下勾配の間の良好な相関に基づ
く制御を行う様にしたので、圧下の過不足がなくなり、
ロール摩耗や軸摩耗を生じない最適な低率圧下条件の採
用により、中心偏析、センターポロシティ、内部割れ等
のない鋳片を連続鋳造法によって製造することが可能と
なった。特にブルーム連鋳の様に鋳造欠陥を生じ易いも
のに対しても優れた効果を発揮できることが確認され
た。またバルジングを生じない為、中心偏析が安定的に
解消されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧下用ロール間隔と鋳片表面の変位量を、バル
ジングを考慮に入れて解析したグラフ。
【図2】未凝固部界面の変形パターンを考慮した必要圧
下勾配を示すグラフ。
【図3】実施例における圧下パターンを示す図。
【図4】本発明における短幅ロールの使用概念説明図。
【図5】本発明における短幅ロールの他の使用概念説明
図。
【図6】従来の中太ロールの説明図。
【符号の説明】
1 短幅ロール 2 鋳片 3 未凝固部 5 フラットロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 綾田 研三 兵庫県加古川市尾上町池田字池田開拓 2222番地1株式会社神戸製鋼所 加古川 研究地区内 (56)参考文献 特開 平3−90260(JP,A) 特開 平3−90263(JP,A) 特開 平2−151354(JP,A) 特開 昭60−121054(JP,A) 実開 平1−100661(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/128 350 B22D 11/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造法の鋳片引抜工程における終盤
    過程で該引抜中の鋳片に対して圧下力を加える方法であ
    って、該鋳片の中心固相率が多くとも0.05の時点から圧
    下を開始することとし、且つ単位時間当りの鋳片厚みに
    対する圧下勾配が下記式を満足する様な条件で圧下する
    ことを特徴とする連続鋳造方法。 中心固相率=0.05〜0.2 の範囲 4.5 × 10-4・G ≦圧下勾配(%/min) ≦1.5 × 10-3・G 中心固相率=0.2 〜0.5 の範囲 3.1 × 10-4・G ≦圧下勾配(%/min) ≦1.2 × 10-3・G 中心固相率=0.5 〜0.8 の範囲 1.5 × 10-4・G ≦圧下勾配(%/min) ≦9.2 × 10-4・G [式中、Gは鋳片引抜ライン方向に隣り合った圧下用ロ
    ール間隔(単位:mm)を意味する]
  2. 【請求項2】 中心固相率が多くとも0.05の時点から開
    始する圧下は、鋳片幅の0.2 〜0.8 倍の実効長さを有す
    る圧下ロールを用い、該鋳片の上下両方から又はいずれ
    か一方から作用させて行う請求項1に記載の連続鋳造方
    法。
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