JP3339348B2 - 高炉の炉底煉瓦築炉方法 - Google Patents

高炉の炉底煉瓦築炉方法

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JP3339348B2
JP3339348B2 JP02953397A JP2953397A JP3339348B2 JP 3339348 B2 JP3339348 B2 JP 3339348B2 JP 02953397 A JP02953397 A JP 02953397A JP 2953397 A JP2953397 A JP 2953397A JP 3339348 B2 JP3339348 B2 JP 3339348B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高炉の炉底煉瓦
築炉技術に係り、煉瓦積み施工の作業性および安全性の
向上と工期の短縮をはかることができる炉底煉瓦築炉方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉の改修工事においては、稼働率の維
持および経済的見地から可及的に短期間で行うことが要
請される。特に、炉底煉瓦積みの改修工事は、全体の改
修工事期間の約40〜50%を占めることから、この炉
底煉瓦積みの改修工事期間を短縮することは高炉の生産
性を維持する上で極めて重要であり、従来より炉底煉瓦
積み改修工事の期間短縮をはかるための手段が種々提案
されている。
【0003】例えば、特開昭61−190010号公報
には、高炉の炉腹部内に設けられた仮設デッキにホイス
トクレーンを取付け、炉内に搬入された煉瓦を一個ずつ
前記ホイストクレーンにて所定位置まで運び、該クレー
ンに吊下げた状態でジャッキ等により当該煉瓦を押し動
かして位置決めし、順次煉瓦を積み上げる方式の煉瓦積
み装置が示されている。
【0004】また、特開平7−316613号公報に
は、搬入装置により炉内に搬入された煉瓦を、仮設デッ
キに設けられた昇降装置により炉底に降ろし、しかる後
マニプレータにより把持し、位置計測手段による位置デ
ータに基づいた制御系により煉瓦を煉瓦積み位置まで移
動させて順次積み上げる方式の煉瓦積み装置が開示され
ている。
【0005】しかしながら、前記した従来の炉底煉瓦積
み装置では、以下に記載する欠点がある。すなわち、特
開昭61−190010号公報に記載の煉瓦積み装置の
場合は、100kg程度の軽い煉瓦から数トンもある重
い煉瓦まで1個ずつ炉外から炉底部に搬入し、ホイスト
クレーンにより吊下げた状態で所定位置まで移動し、か
つ煉瓦積みごとにジャッキアップして煉瓦目地締めを施
工しながら1個ずつ積上げていく方式であるから、多く
の時間と手間を要し非能率的である。例えば4500m
級高炉の炉底築炉作業においては、炉底部から炉床部
の大型煉瓦ブロック数は約3500〜4500個にも達
するため、上記従来の煉瓦積み装置では必然的に多くの
築炉作業員を要し、かつ長い作業日数がかかり、築炉費
用の増大を余儀なくされる。従って、築炉工期短縮をは
かるための煉瓦積み装置としては有効性に欠ける。
【0006】また、特開平7−316613号公報に記
載の煉瓦積み装置は、100kg程度の軽い煉瓦から数
トンもある重い煉瓦まで1個ずつ炉底部所定位置に移動
せしめて煉瓦積みする工程を搬入装置、昇降装置および
マニプレータを用いて自動化したものであるが、この装
置の場合は、煉瓦積みを開始する前に、該装置を設置す
る必要があり、事前工事として搬入装置、昇降装置およ
びマニプレータの炉内取込み、組立ておよび試運転と、
煉瓦積み作業終了後に行うこれらの装置の事後工事であ
る分解、炉外取出し作業に多くの手間と時間を要し、炉
底煉瓦積み改修工事の期間を十分に短縮することができ
ない。この他、数トンもあるような高重量の煉瓦をマニ
プレータで把持するには、アームに過大な曲げモーメン
トがかかることからアームを強大化する必要があり、マ
ニプレータの大型化、高重量化を余儀なくされ、炉底部
の狭い空間内に設置する装置としては好ましくないこ
と、また、シール状の目地材を付着させた煉瓦を所定位
置に移動して煉瓦どうしの合わせ目地部に隙間が生じな
いように目地締めのための油圧ジャッキ等の煉瓦押圧手
段を別段取りで対応する必要があり、さらに前記従来工
法と同様、煉瓦積みごとにジャッキアップして煉瓦目地
締めを施工しながら1個ずつ積上げていくため、作業性
が悪く、かつ安全性の面でも好ましくなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、高炉改修
工事期間の律速となる炉底煉瓦築炉工事において、築炉
用煉瓦を複数個合体した大ブロック化することで、飛躍
的に煉瓦積み施工の作業性および安全性の向上と工期の
短縮をはかることができ、かつ縦目地のモルタル部に空
気溜り(空隙)の発生を抑制することができ、またブロ
ック化煉瓦の大型化に対応した均等目地押し手段を採用
することにより目地切れなどを解消し得る高炉炉底煉瓦
築炉方法を提案しようとするものである
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る炉底煉瓦
築炉方法は、高炉内に搬入する炉底煉瓦を、複数の煉瓦
を予め目地材で結合し目地締め一体化して構成したブロ
ック化煉瓦とし、このブロック化煉瓦を高炉内に搬入し
て所定場所に該ブロック化煉瓦どうしの目地部を除く目
地部の目地押しを行いつつ順次積み上げる高炉の炉底煉
瓦築炉方法であって、前記ブロック化煉瓦を懸吊する吊
りビームに上下動操作機能を有する可動アクチュエータ
を設置し、該アクチュエータにより前記ブロック化煉瓦
の継目地部で摺揉み操作を付与することにより目地モル
タル部に空気溜りが発生するのを抑制すること、また、
ブロック化煉瓦どうしの目地部を除く目地部の目地押し
手段として、ゴムベローズで構成される空気ばねを用い
た均等面押し機能を有する目地押し装置を使用すること
を特徴とし、さらに側壁リングカーボン煉瓦のブロック
化煉瓦築炉方法において、最初にモルタルを塗布した該
ブロック化煉瓦を炉芯からの内周壁に沿って固定後、そ
の両側に目地押し用空間スペースを確保して円周方向に
モルタル未塗布のブロック化煉瓦を仮配列し、このモル
タル未塗布のブロック化煉瓦を目地押し反力として利用
し、しかる後該モルタル未塗布のブロック化煉瓦にモル
タルを塗布し、順次目地押しを繰返して築炉することを
特徴とする。
【0009】また、この炉底煉瓦築炉方法における前記
ブロック化煉瓦は、メタルフープにより緊縛結束され、
かつ該ブロック化煉瓦を構成する一部または全部の煉瓦
の上面側に突設した懸吊ボルトにより吊下げ可能とな
し、かつ炉体側壁部に仮設した搬入用コンベアと炉内に
設置した昇降装置にて炉底側に運び込み、炉内に仮設し
たホイストクレーンにて所定場所に位置決めするもので
ある。
【0010】前記ブロック化煉瓦を構成する一部または
全部の煉瓦の上面側に突設した懸吊ボルトにより吊下げ
可能となしたブロック化煉瓦を吊りビームを介して懸吊
し炉底煉瓦を築炉する場合は、前記吊りビームに懸吊重
量物の重心位置を自動的に検出する吊具を取付け、前記
ブロック化煉瓦をその重心位置で水平に懸吊して築炉す
る。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】この発明において、複数の煉瓦を予め目地
材で結合し目地締めして一体化して構成したブロック化
煉瓦を積上げていく方式を採用したのは、以下に示す理
由による。すなわち、高炉改修工事における炉底煉瓦積
み作業能率を分析した結果、煉瓦個数当りの作業能率
は、炉底煉瓦の各段共ほぼ同じ能率(個/日)を示すこ
とが判明したことにより、築炉工期短縮をはかるために
は煉瓦個数を減らすことが有効であることを知見した。
煉瓦個数を減らす手段としては、煉瓦サイズを大型化す
る方法が考えられるが、煉瓦の最大製造サイズには自ず
から制約があるため、煉瓦サイズの大型化を採用するこ
とはできない。そこで、この発明は煉瓦個数を減らす手
段として、既存の炉底煉瓦を複数個組合わせて一体化す
る方法を採用したのである。
【0015】複数の煉瓦を予め目地材で結合し目地締め
して一体化してブロック化煉瓦を構成する場合、炉底敷
カーボン煉瓦の単重は約0.8〜1.0トン/個位であ
るので、一体化して構成するブロック化煉瓦の重量は、
運搬作業性および炉内での煉瓦積み用ホイストクレーン
の容量を考慮すると最大約5トン程度となる。したがっ
て、炉底敷カーボン煉瓦の場合は、3個ないし5個程度
の煉瓦を一体化して構成するのが好ましい。また、炉底
側壁リングカーボン煉瓦の重量は約0.5〜1トン/個
位であるので、この場合は2個ないし4個程度の煉瓦を
一体化して構成するのが好ましい。
【0016】また、炉底耐火敷(シャモット)煉瓦の場
合は、単品のサイズは他の煉瓦に比べ小さいので、1ブ
ロック化煉瓦の重量が前記の約5トン程度相当あるいは
それに近い重量となるように多数個結合して一体化すれ
ばよい。
【0017】複数個の煉瓦を結合して構成するブロック
化煉瓦の形状としては、下記理由により矩形状が望まし
い。 a.煉瓦のブロック化は工場において行われるため、製
品寸法精度の確保と現地納入前の工場内地組試験におけ
る寸法管理が容易である。工場出荷前の製品寸法精度の
保証、管理が容易であることは、現地の実炉での築炉作
業において寸法調整作業とか、手直し工事等の本来不要
な出戻り作業を回避することが可能となり、築炉作業能
率を向上できる。 b.工場出荷から現地仮置場までの運搬、さらには実炉
までの運搬工程における梱包およびハンドリングが容易
であると同時に、実炉での目地合せ、築炉精度の確保が
容易である。 c.複数個の煉瓦を結合する際、個々の煉瓦が相互に接
触する面の目地は、モルタルを充填して個々の煉瓦を接
着、結合する組積み構造体として構造上の安定性、ガス
の浸透やスラグ、メタルの侵食を防止するために芋目地
(通し目地ともいう)を避け、継ぎ目地とするが、矩形
状にした場合、必ず並形形状の煉瓦に煉瓦半枚分の形状
のもの(半ます)を組込まざるを得ないが、矩形状ブロ
ック毎を前記と同じ個々の煉瓦組積み構造体と同様に、
芋目地にならないように継ぎ目地となる築炉をすること
である。
【0018】さらに、前記ブロック化煉瓦の運搬、移動
時においても煉瓦目地結合部に振動やずれ等の影響を与
えないようにメタルフープ等により緊縛し結束するのが
望ましい。その際は、フープテンションを0.8〜1.
2トン程度に強固に緊縛し結束するのが好ましい。
【0019】また、ブロック化煉瓦の懸吊ボルトの一例
としては、既存のコーン打込みアンカーのような打込み
ボルトの頭部を吊環状に形成したアイボルト等を用いる
ことができる。この種の懸吊ボルトは、外周にグリップ
溝と縦スリットを有するスリーブと、このスリーブに螺
合した末広がり形のテーパ部を形成したボルトとから構
成され、このスリーブ付きボルトをブロック化煉瓦の上
面に形成した円筒状の凹部孔に嵌入し、該ボルトをねじ
込むことによってスリーブが拡張して円筒状凹部孔に食
い込んで煉瓦に固着される構造となったものである。ま
た、もう一つの例として、内側にテーパ形状溝が形成さ
れ、複数個に分割されたスリーブと、頭部を吊環状にし
た末広がり形のテーパ部を形成した吊りボルトが前記ス
リーブに螺合する構造となし、重量物の煉瓦を吊り上げ
る際、前記吊りボルトを上方に引上げると、テーパ対偶
によりスリーブが拡張して円筒状凹部孔に食い込んで煉
瓦に固着される構造のものもある。これら懸吊ボルトの
個数は、ブロック化煉瓦の大きさ、重量および重心位置
を勘案して決めればよい。通常は2〜4個程度取付け
る。実際には2点吊りの方が懸吊バランスがとり易く、
炉周側の煉瓦移動アクセスが容易である。
【0020】上記の懸吊ボルトによりブロック化煉瓦を
懸吊する場合は、懸吊ボルトに直接ワイヤロープを掛け
て懸吊するのではなく、天秤棒のような吊りビームを用
いて、懸吊ボルトの軸芯上、すなわち垂直方向に煉瓦重
量が作用するように水平に懸吊するのが好ましい。その
理由は、機械的に脆い材料の煉瓦に形成した凹部孔に懸
吊ボルトを挿入して把持する構造であるため、懸吊ボル
トに曲げモーメントが作用するような斜め吊り等の吊り
方では、懸吊ボルトが煉瓦面近傍で曲損するばかりでな
く、該ボルトを挿入している凹部孔周辺の煉瓦を破損す
ることになるからである。
【0021】また、前記吊りビームは、ブロック化煉瓦
をホイスト等で懸吊する際、必ずその重心位置でかつ水
平に懸吊しなければならない。また、各種ブロック化煉
瓦毎に保有するのではなく、懸吊位置が変更可能なよう
に共用化した構造、機能を有するのが望ましい。さら
に、ブロック化煉瓦を目地部にモルタルをつけて所定位
置に降ろして縦目地を合わす際、ブロック化煉瓦懸垂中
ホイストするのではなく上下動機能を付与したアクチュ
エータ設置するのが望ましい。その理由は、いわゆる手
積み感覚で上下動の摺揉み操作を行うことにより縦目地
のモルタル部に空気溜(空隙)の発生を抑制するためで
ある。
【0022】煉瓦積みの際の目地押しは、従来方法とし
ては金枠等で構成したジャッキ受台を構築して、角材と
複数個のジャッキ(油圧式または手動式)を駆使して煉
瓦押し当て面側に角板等の当て材をあてがって押圧する
方法がとられるが、この従来方法で煉瓦をブロック化し
て大型化した場合、目地押し時の押圧面も大きくなり、
複数個のジャッキを配列しなければならなくなるので、
複数個のジャッキの押圧力を均等に操作するのが困難と
なり、局部押しになる可能性があり、煉瓦面に不均等に
力が作用して複数個の煉瓦を結合して構成したブロック
化煉瓦にとっても結合部の目地切れが懸念されるので好
ましくないと同時に、目地押し力も分散され、片押し状
態となり易く、縦目地モルタル部に空気溜が生じる可能
性もある。一方、炉底敷カーボン煉瓦およびリングカー
ボン煉瓦の所要目地押し力は、1〜2kgf/cm
(10〜20T/m)位であることを知見してい
る。この知見より、面圧的に1〜2kgf/cm程度
であることに着目して、ゴムベローズで構成される空気
ばねの機能、機構を生かした均等面押しが可能な目地押
し装置を見い出した。この目地押し装置の特徴として
は、内圧(供給圧)を変えることによって負荷加重
(押圧力)範囲が広くとれる、内圧を変えるとほぼ比
例してゴムのばね定数が変わるので、荷重の大きさとは
無関係に一定にでき、煉瓦面に対してもソフトタッチに
押圧可能、ゴムベローズであるので、柔らかいばね定
数が得られる、メカニカルなものがないため給油等が
必要なく、メンテナンスが不要、アクチュエータとし
ては、取付け高さの割りにはストロークが大きくとれ、
コンパクトでシンプルである等があげられ、ブロック化
煉瓦の大型化に十分に対応できる。
【0023】また、炉内へのブロック化煉瓦の搬入、移
動手段として、ローラコンベア、昇降装置(リフト)と
ホイストクレーンを用いたのは、短期改修に対応した煉
瓦積み期間を短縮して作業能率を向上させるためであ
る。すなわち、炉内へのブロック化煉瓦の搬入手段にロ
ーラコンベア、昇降装置(リフト)を用いることによ
り、100kgから数トンもあるブロック化煉瓦を簡易
迅速に炉内の炉底部に取込むことができる。その際、ブ
ロック化煉瓦は、炉内の仮設のホイストクレーンによる
煩雑な玉掛け作業を必要とすることなく炉底部に搬入す
ることができるので、スムースにかつ安全に行うことが
できる。炉底部までの搬入後、所定煉瓦積み位置までの
移動は、前記吊りビームを用いホイストクレーンを使用
して行うものである。
【0024】
【発明の実施の形態】図1はこの発明を適用する高炉炉
底部の煉瓦内張構造を示す概略縦断面図、図2は図1の
横断平面図で、(A)は図1のaーa線上の一部を示す
横断平面図、(B)は図1のbーb線上の一部を示す横
断平面図、(C)は図1のcーc線上の一部を示す横断
平面図、(D)は図1のdーd線上の一部を示す横断平
面図、図3はこの発明方法の一実施例における装置構成
を示す概略図、図4〜図9はこの発明に係るブロック化
煉瓦を例示したもので、図4は炉底敷カーボン煉瓦から
なる2個1組のブロック化煉瓦を示す斜視図、図5
(A)は同じく炉底敷カーボン煉瓦からなる8個1組の
ブロック化煉瓦を示す斜視図、図5(B)は同じく炉底
敷カーボン煉瓦からなる3個1組のブロック化煉瓦を示
す斜視図、図6(A)は同じく炉底敷カーボン煉瓦から
なる7個1組のブロック化煉瓦を示す斜視図、図6
(B)は同じく炉底敷カーボン煉瓦からなる3個1組の
ブロック化煉瓦を示す斜視図、図7は炉底耐火敷(シャ
モット)煉瓦からなるブロック化煉瓦を示す斜視図、図
8は炉底側壁リングカーボン煉瓦からなる2個1組のブ
ロック化煉瓦を示す斜視図、図9は同じく炉底側壁リン
グカーボン煉瓦からなる3個1組のブロック化煉瓦を示
す斜視図、図10は同上のブロック化煉瓦における懸吊
ボルトの一例を示す拡大縦断面図、図11は同上のブロ
ック化煉瓦における他の懸吊ボルトを例示したもので、
(A)は煉瓦に懸吊ボルトを挿入した状態を示す拡大縦
断面図、(B)は懸吊ボルトが煉瓦に取着された状態を
示す拡大縦断面図、図12は吊りビームを用いたブロッ
ク化煉瓦の懸吊状態を例示したもので、(A)はブロッ
ク化煉瓦の重心位置で寸動アクチュエータが伸びた状態
を示す正面図、(B)は同上の寸動アクチュエータが縮
んだ状態を示す一部省略図、図13は図12に示す吊り
ビームの自己調整型吊り具を拡大して示す図で、(A)
はワイヤロープにテンションがかかっていない状態図、
(B)はワイヤロープにテンションがかかりフック固定
された状態図、図14は図12に示す寸動アクチュエー
タの構成を拡大して示す斜視図、図15は3個1組にブ
ロック化した炉底側壁リングカーボン煉瓦の築炉方法
と、8個1組にブロック化した炉底敷カーボン煉瓦の築
炉方法を示す概略図、図16はブロック化した炉底敷カ
ーボン煉瓦の図2(A)(B)における目地押し要領を
示す概略横断平面図、図17は図16のIーI線上の一
部を示す拡大縦断面図で、(A)は空気バネ式目地押し
装置のブロック化煉瓦目地押し前の状態図、(B)は同
上の目地押し装置のブロック化煉瓦目地押し時の状態
図、図18は同上の空気バネ式目地押し装置を示す斜視
図、図19は同上の空気バネ式目地押し装置のシステム
構成の一例を概略図、図20は同上の空気バネ式目地押
し装置における空気ばねの撓みと静荷重の関係を示す特
性曲線図、図21は同上の空気バネ式目地押し装置によ
るリングカーボン煉瓦の目地押し要領の一例を示す概略
平面図で、1は炉底底板、2は炉底鉄皮、3は炉底スタ
ンプ、4は側壁スタンプ、5はブロック化煉瓦、6、
7、8は炉底敷カーボン煉瓦、9、10は炉底側壁リン
グカーボン煉瓦、11、12は炉底耐火敷(シャモッ
ト)煉瓦、13は鋳床、14は炉体鉄皮開口部、15は
ローラコンベア、16は張出しデッキ、17はボッシュ
ステーブ、18は仮設安全デッキ、19は旋回ホイスト
ビーム、20はホイストクレーン、21は煉瓦受けパレ
ッター、22は昇降装置(リフト)、23は目地材、2
4は懸吊ボルトである。
【0025】図1において、高炉炉底部は炉底底板1お
よび炉底鉄皮2の炉殻に囲まれた構造となっており、炉
底底板1の上部には炉底スタンプ3が敷設され、その上
面部はカーボン煉瓦を積むためのレベル基準となるため
精度よく仕上げ研磨されている。この炉底スタンプ3の
上に積まれる炉底敷カーボン煉瓦6、7、8の煉瓦積み
方向は、各段毎45度ずつ振って積み上げられ、一段
目、二段目および三段目の各炉底敷カーボン煉瓦6、
7、8の煉瓦積み方式は、各段共芋目地を防ぐため半枚
継ぎの煉瓦割りとするのが一般的である。また、三段目
の炉底敷カーボン煉瓦8の上には、炉底側壁リングカー
ボン煉瓦9が放射状リングに積まれ、炉底鉄皮2との間
に側壁スタンプ4が充填される。炉底側壁リングカーボ
ン煉瓦9の内側には、ここでは三段縦積みに炉底耐火敷
(シャモット)煉瓦11、12を90度ずつ振って半枚
継ぎの煉瓦割りで多段に積み上げられる。さらに、炉底
側壁リングカーボン煉瓦9の上に同じ側壁リングカーボ
ン煉瓦10が放射状リングに積み上げられる。
【0026】この発明では、上記図1、図2に示す炉底
敷カーボン煉瓦6、7、8と炉底側壁リングカーボン煉
瓦9、10について、複数個の煉瓦を予め目地材23で
結合してブロック化することで、煉瓦積み個数を減ら
し、炉底煉瓦築炉工事期間の短縮をはかろうとするもの
で、以下図面に基づいて具体的に説明する。
【0027】この発明に係る炉底敷カーボン煉瓦からな
るブロック化煉瓦の一例を示す図4は、最小単位の並形
の炉底敷カーボン煉瓦6を2個1組としたブロック化煉
瓦5を示したもので、2個の炉底敷カーボン煉瓦6は目
地材23で結合してブロック化され、両カーボン煉瓦に
は懸吊ボルト24が取着されている。
【0028】次に、図5(A)および図6(A)は、図
2(A)(B)の斜線で示す炉底敷カーボン煉瓦6、7
に対応する8個1組および7個1組のブロック化煉瓦を
示したもので、それぞれ単重約0.4〜1.0トン/個
位の炉底敷カーボン煉瓦6、7で構成され、そのブロッ
ク化に際しては、それぞれ並形の炉底敷カーボン煉瓦
6、7と、煉瓦半枚分の形状(半ます)の煉瓦6′、
7′を目地材23で矩形に組合わせてブロック化煉瓦5
−1、5−2を構成する。また、煉瓦の組積み構造体と
して、上記の矩形状のブロック化煉瓦5−1、5−2ど
うしは、図2(A)(B)に示すごとく、前記した芋目
地を回避し、継ぎ目地になるように築炉する。また、図
5(B)、図6(B)は炉底敷カーボン煉瓦6、7を組
積構造体としてではなく、目地材23で各々3個一体の
ブロック化した簡素な形態の懸吊ボルト24を2個ない
し4個取着したブロック化煉瓦を示す。
【0029】また、図7に示すブロック化煉瓦5−3も
前記のブロック化煉瓦と同様、並形の炉底敷カーボン煉
瓦11と半ますの煉瓦11′を目地材23で矩形に組合
わせて構成し、図2(C)に示すごとく継ぎ目地になる
ように築炉する。
【0030】図8、図9に示す炉底側壁リングカーボン
煉瓦からなるブロック化煉瓦は、それぞれ図2(C)
(D)の斜線で示す炉底側壁リングカーボン煉瓦9、1
0に対応する2個1組のブロック化煉瓦5−4と3個1
組のブロック化煉瓦5−5を例示したもので、それぞれ
単重約0.5〜1.0トン/個位の炉底側壁リングカー
ボン煉瓦で構成され、図8に示す炉底側壁リングカーボ
ン煉瓦2個1組のブロック化煉瓦5−4は、この2個の
煉瓦を予め目地材23で結合し、また、図9に示す炉底
側壁リングカーボン煉瓦3個1組のブロック化煉瓦5−
5は3個の煉瓦を予め目地材23で結合し、それぞれ全
重量が最大4トン位になるように一体化したものであ
る。
【0031】なお、上記した各ブロック化煉瓦は、工場
内で目地材23で強固に接着強度を発現して矩形状の構
造体として製造できることを基礎試験で確認している
が、運搬、移動時においても煉瓦目地結合部に振動やず
れなどの影響を与えないよう、メタルフープ等で緊縛す
るのが望ましい。
【0032】次に、上記した各ブロック化煉瓦の上面に
取付ける懸吊ボルトの構造について説明する。図10に
示す懸吊ボルト24は、外周にグリップ溝24−6と縦
スリット24−5を有するスリーブ24−4と、このス
リーブに螺合する末広がり形のテーパ部24−3を形成
したボルト24−2とから構成され、ボルト頭部には吊
環24−1を有している。すなわち、この懸吊ボルト2
4は該ボルトをねじ込むことによってスリーブ24−4
が外側に拡張する構造となったもので、この懸吊ボルト
24をブロック化煉瓦5に取付ける際は、該ブロック化
煉瓦の上面に形成した円筒状の凹部孔25にスリーブ2
4−4がほぼ没する深さまで当該ボルトを嵌入し、しか
る後該ボルトをねじ込んでスリーブ24−4を円筒状凹
部孔25に食い込ませて取着する。
【0033】また、図11に示す懸吊ボルト24′は、
内側がテーパ形状となった複数個の分割されたスリーブ
24′−4と、頭部の吊環24′−1を有する末広がり
形のテーパー部24′−3とから構成されており、その
使用に際しては(A)に示すごとく、吊環24′−1付
きテーパー部24′−3を下方に位置させた状態で該懸
吊ボルト24′をブロック化煉瓦5の凹部孔25に挿入
し、吊環24′−1を介して該懸吊ボルト24′を上方
に引上げるとテーパー部24′−3が上方に移動するこ
とによってスリーブ24′−4がテーパ対偶で拡張して
凹部孔25に食い込み固着された状態となって、ブロッ
ク化煉瓦5が該懸吊ボルト24′で吊り上げ可能とな
る。
【0034】なお、上記懸吊ボルト24、24′はブロ
ック化煉瓦5を懸吊した時にその重心に位置するように
2〜4個取着する。また、この懸吊ボルト24、24′
を取除いた後の凹部孔25は、例えば当該ブロック化煉
瓦と同一材質の円筒ブロックをモルタルを塗布して挿入
したり、あるいは凹部孔25にスタンプ材を充填する等
の手段にて埋めることができる。
【0035】ブロック化煉瓦を炉内に搬入する設備は、
図3に示すごとく、炉底煉瓦取込用の炉体鉄皮開口部1
4に炉内側先端部を凹形に形成した張出しデッキ16を
設け、鋳床13からローラコンベア15を敷設して構成
する。一方、炉内仮設設備の一つであるホイストクレー
ン20は、据付の完了したボッシュステーブ17にブラ
ケットを介して取付けた仮設安全デッキ18下部に設置
したリング状モノレール19−1をガイドに2〜3台の
旋回ホイストビーム19に炉内半径方位に移動可能に取
付けられている。また、昇降装置22は、前記張出しデ
ッキ16の真下の炉底部に設置し、その構造は基板22
−1上に流体圧シリンダー等の動力にて昇降するパンタ
グラフ式の昇降機構22−2が設置され、煉瓦受けパレ
ット21に搭載されたブロック化煉瓦5を受けて炉底側
に降ろす機構となっている。
【0036】上記設備の場合は、煉瓦受けパレット21
に搭載したブロック化煉瓦5を、昇降装置22を下降動
作させて炉底側に移動させ、この炉底側に下降させた位
置でホイストクレーン20のワイヤロープ20−1の先
端につないだフック20−2に吊架されている吊りビー
ムユニット27に懸吊ボルト24を介してブロック化煉
瓦5を懸吊し、ホイストクレーン20を操作してブロッ
ク化煉瓦5を昇降装置22より離して所定煉瓦積み位置
まで移動させ、着床させて煉瓦積み作業に入るようにな
っている。
【0037】ここで、上記ブロック化煉瓦の懸吊手段を
図12〜図14に基づいて詳細に説明すると、図12は
ブロック化煉瓦をホイストクレーン20により懸吊した
状態を例示したもので、懸吊ボルト24の軸芯方向に煉
瓦重量が作用するように、吊りビームユニット27を用
いるもので、この吊りビームユニット27は、主として
吊りビーム28、吊り具29および寸動アクチュエータ
32で構成される。ブロック化煉瓦5を懸吊する場合
は、必ず重心位置Gでかつ水平に保持しなければならな
いが、その機構は図12に示すごとく、2点吊りの場合
は吊りビーム28は各種ブロック煉瓦5の吊り点位置が
変わっても対応可能なように、吊りビーム28の中心振
り分けに複数個の吊り孔28−1を設ける。そして、こ
の吊り孔28−1にシャックル30を取付け、ブロック
化煉瓦5の吊環ボルト24との間はナイロンスリング2
8−2やワイヤロープ等でつなぐ。
【0038】また、ブロック化煉瓦5は懸吊時その重心
位置Gに対応するように、懸吊ボルト24が配設される
が、懸吊ボルト24の凹部孔25での挿入深さや、引上
げ時固定位置等が左右異なることがあるので、重量物で
あるブロック化煉瓦5を吊下げる場合、重心位置を見つ
け出し、水平に保持することが必要であるが、実際には
困難であるため、この発明では迅速に重心位置を探し出
すことが可能な公知の吊り具29(商品名:センターキ
ャッチ)を用いることとした。この吊り具29は図13
に示すごとく、3本のピン29−3によって結合された
フックホール29−1を持つ2枚の板29−2の間にフ
ック31−1付きのワイヤロープ31をフックホール2
9−1用のパイプに一巻き巻きつけてあり、かつ板29
−2とピン29−3はワイヤロープ31が外れない構造
となったもので、ワイヤロープ31がブロック化煉瓦5
の重心位置で固定されるように該ロープの性質を応用し
て一巻きパイプに巻きつけて自動的に締まるような原理
を適用したものである。
【0039】図13(A)はワイヤロープ31が緩んで
いる状態を示したもので、ホイストクレーン21を吊り
ビーム28を介してブロック化煉瓦5の重心Gと思われ
る辺りにセットし、フックホール29−1に入れて結合
されたシャックル30を介してホイストクレーン20側
のフック20−2を持ち上げ、ワイヤロープ31のフッ
ク31−1を吊りビーム28に掛けてブロック化煉瓦5
を持ち上げれば、図13(B)に示すごとく、ワイヤロ
ープ31が吊り具29の端のピン29−3によってガイ
ドされながらフックホール29−1のパイプに沿って当
該パイプを締め付けるように動き、吊り具29は水平移
動しつつ重心位置でワイヤロープ31がフックホール2
9−1のパイプに巻きついて固定される。なお、的確に
重心が取れない場合は、ワイヤロープ31を緩め、ホイ
ストクレーン20側のフック20−2を移動して上記と
同じ動作を繰返せばよい。
【0040】また、寸動アクチュエータ32は、機構的
には内圧(空気圧)により伸縮可能な空気ばねを利用し
たもので、その構造は図12、図14に示すごとく、ゴ
ムベローズ構造の空気ばね33と、この空気ばね33の
保持と上下寸動範囲を規制する2つのケーシング32−
1、32−2とから構成されたもので、2つのケーシン
グ32−1、32−2には各々別々に上下に吊環32−
1a、32−2aが取付けてある。この上下動の寸動機
能を有する寸動アクチュエータ32を導入したのは、ブ
ロック化煉瓦を所定位置にて相手ブロック化煉瓦と接合
する際に、いわゆる手積み間隔で上下動の寸動でブロッ
ク化煉瓦を摺り揉み操作することによって相手ブロック
化煉瓦の縦目地モルタル22に空気溜りが生じるのを制
御するためである。
【0041】図12(A)は内圧を導入して空気ばね3
3を膨らませた状態を示し、同図(B)は内圧を排気し
て空気ばね33を縮めた状態を示す。この空気ばね33
の伸縮ストロークLで摺り揉み操作を行う。また、伸縮
手段に空気ばね33を適用したことにより、ブロック化
煉瓦5の着床時には、ショックアブソーバーの役目も果
たすので衝撃等によるブロック化煉瓦への悪影響はほと
んどないという副次的効果もある。
【0042】なお、上記の寸動アクチュエータ32は、
ここに例示した機構に限定するものではなく、要は築炉
時に手積み間隔が付与されて縦目地モルタル22に空気
溜りが生じるのを制御し得る効果が得られるものであれ
ばよい。
【0043】次に、この発明の炉底ブロック化煉瓦の築
炉方法を図15に基づいて説明すると、炉内に設置され
た仮設安全デッキ18の下面に付設されたリング状モノ
レール19−1にガイドされ、炉芯軸を中心に旋回可能
な旋回ホイストビーム19を2台設置し、各旋回ホイス
トビーム19に半径方向に走行可能に懸架したホイスト
クレーン20に吊りビームユニット27を懸垂し、一方
は3個1組にブロック化した炉底側壁リングカーボン煉
瓦5−5の築炉方法を示し、他方は8個1組にブロック
化した炉底敷カーボン煉瓦5−1の築炉方法を示す。し
ずれもホイストクレーン20のワイヤロープ20−1の
先端につないだフック20−2に吊架されている吊りビ
ームユニット27に懸吊ボルト24を介してブロック化
煉瓦5−5、5−1を懸吊し、それぞれのホイストクレ
ーン20を操作してブロック化煉瓦を所定煉瓦積み位置
まで移動させ、着床させて煉瓦積みを行う。
【0044】ここで、一例としてブロック化した炉底敷
カーボン煉瓦5の目地押し要領を図16に基づいて説明
すると、図中斜線で示す炉底敷カーボン煉瓦5は、炉芯
Cに水糸を張り、墨付けを行って図中A列の0度〜18
0度方位よりモルタルを十分塗布市、煉瓦目地は1mm
とし、所定の目地管理を行って順次煉瓦積みを開始す
る。次に、B列ないしB′列以降の煉瓦積みには目地押
しが必要になるので、炉芯Cを通る通り芯0度ー180
度より90度および270度方位の控え墨a、Bに合せ
て、90度および270度側にブロック化煉瓦5′を目
地部にモルタルをつけない空目地状態で仮配列を行っ
て、これらの配列ブロック体を目地押し反力として使用
する。一方、90度および270度側炉底鉄皮2の三ケ
月範囲は、煉瓦受金枠34を炉底鉄皮2に溶接で固定す
る。溶接に際しては、カーボン煉瓦に通電しないよう当
て木等を施して炉底鉄皮2にアースを取る注意が必要で
ある。続いて、0度ー180度方位を境に90度側およ
び270度側の2方位より、B列→C列……と、B′列
→C′列……のごとく、2組に分れて煉瓦積みを開始す
る。
【0045】図16中、36は空気ばね式目地押し装置
であり、その構造は図17、図18にその概要を示すご
とく、基本構造は前記した寸動アクチュエータ32と同
様、ゴムベローズで構成される空気ばね36−1を用い
たもので、従来の目地押しで用いている手動もしくは油
圧ジャッキに比べて面板36−2の当り面積が大きいの
で、給気ノズル37から供給される内圧により均等面押
し機能を有する。図17(A)は空気ばね36−1が内
蔵スプリング36−3により収縮した状態を示すもの
で、ブロック化煉瓦5、5′の間に目地押し代△Sを残
した状態で設置することができる。空気ばね36−1
は、半割りパイプ状ガイド36−4に収納され、搬送、
移動が容易なようにキャスター36−5を備えている。
図17(B)はブロック化煉瓦5の目地押し状態を示す
もので、仮配列してあるブロック化煉瓦5′を目地押し
反力受けとして、給気ノズル37より内圧を空気ばね3
6−1に導入することにより、空気ばね36−1がスト
ロークS伸張して継目地モルタル26の目地押しをす
る。
【0046】なお、図16における目地押し空間スペー
スdが長い場合は、該空気ばね式目地押し装置36を直
列に接続する方法や材木等の椀木で目地押し力が効率的
に発揮できるようにすることができる。また、空気ばね
36−1の収縮用としての内蔵スプリング36−3は、
空気ばね自体のばね定数が低いので当該スプリングのば
ね定数も小さくてよい。
【0047】上記目地押し装置のシステム構成として
は、図19にその一例を示すごとく、空気ばね36−1
に内圧Pを導入することにより、加圧力Wは有効受圧面
積A(=π/4・D)に内圧Pを乗ずることによりW
=P×Aで求めることができる。給気ラインの上流側に
は、給気バルブ43、給気内圧調整用の減圧弁42が取
付けられ、空気ばね36−1の内圧Pを一定に保つ逆止
弁41を介して補助タンク39および内圧監視用圧力計
38を通して空気ばね側に給気されるように構成されて
いる。空気ばね36−1を収縮する場合は、排気切換バ
ルブ40を切換えることにより、内蔵スプリング36−
3の引張力で空気ばね36−1が収縮し、排気ノズルよ
り排気される。前記排気切換バルブ40には、手元操作
のペンダントタイプか足元で操作可能なワート弁タイプ
等を適用するのが望ましい。
【0048】図20は上記空気ばねの撓みと静荷重の関
係を示す特性曲線である。この図より給気内圧Pがパラ
メータとなり、静荷重の調整が可能であることがわか
る。ちなみに、ここに例示の目地押し装置36としての
空気ばねの出力は、空気バネ有効径D=260mm、撓
み量80mm、給気圧P=1〜3kg/cmGとすれ
ば、2〜7トンの出力(静荷重)を得ることができる。
【0049】ここでは1つのブロック化煉瓦5に対して
2セットの空気ばね式目地押し装置36を用いるもの
で、均等面押しが可能である。一方、複数個の油圧ジャ
ッキによる従来の方式の場合は局部押しとなるため煉瓦
面に当て板を必要としたが、この発明方法では均等面押
しが可能であるから当て板は不要である。
【0050】次に、リングカーボン煉瓦5−5の目地押
し方法を図21に基づいて説明する。 図21は3個1
組のブロック化したリングカーボン煉瓦5−5を前記図
15に示すごとく、懸吊ボルト24を用いた吊りビーム
ユニット27を使って炉芯Cからの内周墨に沿って築炉
施工するものである。かかる施工において、ジャッキ反
力受けとしては、ブロック化煉瓦5−5′を目地部にモ
ルタルをつけない状態(空目地)で円周方向に仮配列を
行って、これら配列のブロック体を目地押し反力として
使用する方法である。
【0051】ここでは、単体のリングカーボン煉瓦の1
個分約500〜600mm空けたスペースにこの発明の
空気ばね式目地押し装置36を2台用いて、炉体鉄皮2
側に楔48を打込んで均等締めつけを行いつつ目地押し
を行うものである。また、図21中、リングカーボン煉
瓦の内周側スペースdと外周側スペースdの距離が
異なっても、この発明の空気ばね式目地押し装置36は
空気ばね36−1の有する横剛性も適当に利用できる機
能を有するので、当り角度が変わっても均等面押し機能
は変化しないという特徴がある。
【0052】築炉の手順としては、ブロック化煉瓦5−
5′と5−5″の間に単体のリングカーボン煉瓦の1個
分約500〜600mm空けたスペースを設けて順次円
周方向に沿って目地押しを施工する。
【0053】以上の手順で順次ブロック化煉瓦5を炉内
に搬入し、所定場所に該ブロック化煉瓦どうしの目地部
の目地押しを行いつつ順次積み上げて築炉工事を行う。
【0054】
【発明の効果】以上説明したごとく、この発明方法によ
れば、ブロック化煉瓦を目地部にモルタルをつけて所定
位置に降ろして縦目地を合わす際、ブロック化煉瓦懸垂
中ホイストするのではなく上下動機能を付与したアクチ
ュエータにより、手積み感覚で上下動の摺揉み操作を行
うことにより縦目地のモルタル部に空気溜(空隙)の発
生を抑制することができ、また煉瓦積みの際の目地押し
手段として、ブロック化煉瓦の大型化に対応した空気ば
ねを利用した均等面押し機能を有する目地押し装置を使
用することにより、炉底煉瓦築炉作業を効率的にしかも
安全に行うことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用する高炉炉底部の煉瓦内張構造
を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の横断平面図で、(A)は図1のaーa線
上の一部を示す横断平面図、(B)は図1のbーb線上
の一部を示す横断平面図、(C)は図1のcーc線上の
一部を示す横断平面図、(D)は図1のdーd線上の一
部を示す横断平面図である。
【図3】この発明方法の一実施例における装置構成を示
す概略図である。
【図4】この発明に係る炉底敷カーボン煉瓦からなる2
個1組のブロック化煉瓦を示す斜視図である。
【図5】同じく炉底敷カーボン煉瓦からなるブロック化
煉瓦を例示したもので、(A)は8個1組のブロック化
煉瓦を示す斜視図、(B)は3個1組のブロック化煉瓦
を示す斜視図である。
【図6】同じく炉底敷カーボン煉瓦からなるブロック化
煉瓦を例示したもので、(A)は7個1組のブロック化
煉瓦を示す斜視図、(B)は3個1組のブロック化煉瓦
を示す斜視図である。
【図7】同じく炉底耐火敷(シャモット)煉瓦からなる
ブロック化煉瓦を示す斜視図である。
【図8】同じく炉底側壁リングカーボン煉瓦からなる2
個1組のブロック化煉瓦を示す斜視図である。
【図9】同じく炉底側壁リングカーボン煉瓦からなる3
個1組のブロック化煉瓦を示す斜視図である。
【図10】同上のブロック化煉瓦における懸吊ボルトの
一例を示す拡大縦断面図である。
【図11】同上のブロック化煉瓦における他の懸吊ボル
トを例示したもので、(A)は煉瓦に懸吊ボルトを挿入
した状態を示す拡大縦断面図、(B)は懸吊ボルトが煉
瓦に取着された状態を示す拡大縦断面図である。
【図12】この発明に係る吊りビームを用いたブロック
化煉瓦の懸吊状態を例示したもので、(A)はブロック
化煉瓦の重心位置で寸動アクチュエータが伸びた状態を
示す正面図、(B)は同上の寸動アクチュエータが縮ん
だ状態を示す一部省略図である。
【図13】図12に示す吊りビームの自己調整型吊り具
を拡大して示す図で、(A)はワイヤロープにテンショ
ンがかかっていない状態図、(B)はワイヤロープにワ
イヤロープにテンションがかかりフック固定された状態
図である。
【図14】図12に示す寸動アクチュエータの構成を拡
大して示す斜視図である。
【図15】3個1組にブロック化した炉底側壁リングカ
ーボン煉瓦の築炉方法と、8個1組にブロック化した炉
底敷カーボン煉瓦の築炉方法を示す概略図である。
【図16】ブロック化した炉底敷カーボン煉瓦の図2
(A)(B)における目地押し要領を示す概略横断平面
図である。
【図17】図16のIーI線上の一部を示す拡大縦断面
図で、(A)は空気バネ式目地押し装置のブロック化煉
瓦目地押し前の状態図、(B)は同上の目地押し装置の
ブロック化煉瓦目地押し時の状態図である。
【図18】同上の空気バネ式目地押し装置を示す斜視図
である。
【図19】同上の空気バネ式目地押し装置のシステム構
成の一例を概略図である。
【図20】同上の空気バネ式目地押し装置における空気
ばねの撓みと静荷重の関係を示す特性曲線図である。
【図21】同上の空気バネ式目地押し装置によるリング
カーボン煉瓦の目地押し要領の一例を示す概略平面図で
ある。
【符号の説明】
1 炉底底板 2 炉底鉄皮 3 炉底スタンプ 4 側壁スタンプ 5 ブロック化煉瓦 6、7、8 炉底敷カーボン煉瓦 9、10 炉底側壁リングカーボン煉瓦 11、12 炉底耐火敷(シャモット)煉瓦 13 鋳床 14 炉体鉄皮開口部 15 ローラコンベア 16 張出しデッキ 17 ボッシュステーブ 18 仮設安全デッキ 19 旋回ホイストビーム 20 ホイストクレーン 21 煉瓦受けパレッター 22 昇降装置(リフト) 23 目地材 24 懸吊ボルト 25 凹部孔 26 目地モルタル 27 吊りビームユニット 28 吊りビーム 29 吊り具 30 シャックル 31 ワイヤロープ 32 寸動アクチュエータ 33 空気ばね 34 煉瓦受金枠 36 空気ばね式目地押し装置 37 給気ノズル 38 圧力計 39 補助タンク 40 排気切換バルブ 41 逆止弁 42 減圧弁 43 給気バルブ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−133989(JP,A) 特開 昭54−104404(JP,A) 特開 昭61−190010(JP,A) 特開 平10−46216(JP,A) 実開 昭59−38698(JP,U) 実開 昭60−128297(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21B 7/00 C21B 7/06 F27D 1/00 - 1/16 C21C 5/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉内に搬入する炉底煉瓦を、複数の煉
    瓦を予め目地材で結合し目地締め一体化して構成したブ
    ロック化煉瓦とし、このブロック化煉瓦を高炉内に搬入
    して所定場所に該ブロック化煉瓦どうしの目地部を除く
    目地部の目地押しを行いつつ順次積み上げる高炉の炉底
    煉瓦築炉方法であって、前記ブロック化煉瓦を懸吊する
    吊りビームに上下動操作機能を有する可動アクチュエー
    タを設置し、該アクチュエータにより前記ブロック化煉
    瓦の継目地部で摺揉み操作を付与することにより目地モ
    ルタル部に空気溜りが発生するのを抑制することを特徴
    とする高炉の炉底煉瓦築炉方法。
  2. 【請求項2】 高炉内に搬入する炉底煉瓦を、複数の煉
    瓦を予め目地材で結合し目地締め一体化して構成したブ
    ロック化煉瓦とし、このブロック化煉瓦を高炉内に搬入
    して所定場所に該ブロック化煉瓦どうしの目地部を除く
    目地部の目地押しを行いつつ順次積み上げる高炉の炉底
    煉瓦築炉方法であって、前記ブロック化煉瓦どうしの目
    地部を除く目地部の目地押し手段として、ゴムベローズ
    で構成される空気ばねを用いた均等面押し機能を有する
    目地押し装置を使用することを特徴とする高炉の炉底煉
    瓦築炉方法。
  3. 【請求項3】 高炉内に搬入する側壁リングカーボン煉
    瓦を、複数の煉瓦を予め目地材で結合し目地締め一体化
    して構成したブロック化煉瓦とし、このブロック化煉瓦
    を高炉内に搬入して所定場所に該ブロック化煉瓦どうし
    の目地部を除く目地部の目地押しを行いつつ順次積み上
    げる高炉の側壁リングカーボン煉瓦のブロック化煉瓦築
    炉方法であって、最初にモルタルを塗布した該ブロック
    化煉瓦を炉芯からの内周壁に沿って固定後、その両側に
    目地押し用空間スペースを確保して円周方向にモルタル
    未塗布のブロック化煉瓦を仮配列し、このモルタル未塗
    布のブロック化煉瓦を目地押し反力として利用し、しか
    る後該モルタル未塗布のブロック化煉瓦にモルタルを塗
    布し、順次目地押しを繰返して築炉することを特徴とす
    る高炉の炉底煉瓦築炉方法。
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