JP2000144220A - 高炉の建設方法、解体方法及び改修方法 - Google Patents

高炉の建設方法、解体方法及び改修方法

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JP2000144220A
JP2000144220A JP10321594A JP32159498A JP2000144220A JP 2000144220 A JP2000144220 A JP 2000144220A JP 10321594 A JP10321594 A JP 10321594A JP 32159498 A JP32159498 A JP 32159498A JP 2000144220 A JP2000144220 A JP 2000144220A
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furnace
block
furnace body
lifting
tower
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Tsuneo Araki
常夫 荒木
Haruhisa Yamada
晴久 山田
Kenichi Fukagawa
謙一 深川
Yuji Nishimura
有二 西村
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な設備の付加により、高炉の建設、解
体、改修を短期間で安全に行うことができる方法を提供
する。 【解決手段】 横移動台車12を炉体櫓1内に移動さ
せ、吊綱9の上部を炉体櫓1に設けられた油圧ジャッキ
13に結合し、吊り具10の高さ調整を行い、吊り具1
0を炉体シャフト部2の最上段部に固定する。このよう
な状態で、炉体シャフト部2最上段部を、適当な大きさ
のリング状に切断する。切り離された炉体ブロック2’
を、必要に応じて油圧ジャッキ13で少し吊り上げた状
態で、横移動台車12の吊綱係止装置を働かせて吊綱を
クランプする。次に、炉体ブロック昇降装置7の位置ま
で横移動台車12を走行させる。そして、吊綱9を、油
圧ジャッキ8に結合して、油圧ジャッキ8を用いて、炉
体ブロック2’を、地上に設けられた搬送装置15に降
ろし、その状態で吊り具10から炉体ブロック2’を切
り離して、搬送装置15により搬出する。これを繰り返
すことにより炉体部を解体する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉の建設、解体
および改修方法に関するものであり、さらに詳しくは、
短期間に建設、解体および改修作業を行うことを可能に
する作業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高炉の改修に際しては、炉体櫓の
炉頂付近に設けられたアウトリガークレーンを用いて、
炉体の上部から炉底部まで順次解体した後、全く逆の手
順で炉底部から炉体上部までを順次組み立てる手法が用
いられていた。この工法を図6に示す。炉体櫓21の上
部にはアウトリガークレーン22が設けられ、細かく分
割された炉体部23の一部23’がこのアウトリガーク
レーン22によって吊り上げられ、炉体櫓21の外部に
横持ちされた上で地上に下ろされる。このようにして、
順次羽口部24、炉底部25が解体される。炉の建設に
あたっては、これと全く逆に、まず炉底部25の部材が
アウトリガークレーン22によって運び込まれて組み立
てられ、以下、順次、羽口部24、炉体部23が下部か
ら組み立てられていく。
【0003】しかしながら、アウトリガークレーン22
の吊り上げ能力は60〜100トン程度にすぎないた
め、解体、組み立てに際しては、炉体の鉄皮や耐火レン
ガ等を数多くの小ブロックに分けて行わなければなら
ず、改修終了までには相当の期間(120〜150日)
を要していた。また、高炉を新設する場合にも、同様の
問題点があった。
【0004】このような問題点を解消する方法として、
これまでにも種々の改修又は建設方法が提案されてい
る。たとえば、特開昭53−87906号公報、特開昭
53−87907号公報には、炉体を、炉体櫓に3ヶ所
以上設けた油圧ジャッキで吊り下げ、羽口部から順次輪
切りにして、操業床から台車で搬出する方法が記載され
ている。この方法は、装入装置の撤去が不要である他、
輪切りにした炉体を炉体下部で水平に搬出入することが
できるため、従来工法に比して安全であり、かつ工期が
短縮できるという効果を有する。また、操業床部に搬出
入用ステージを設けているため、フリースタンド式高炉
では、炉底部と朝顔−シャフト部での並行作業が可能で
あり、この面からも工期の短縮が可能となる。
【0005】特開昭59−158983号公報には、予
め鉄皮及び耐火物を一体化して各炉体区分を製作してお
き、これら炉体区分を順次接合して炉体を構築する工法
が記載されている。この方法は、従来の方法に比して、
冷却装置の取り付けやレンガ積みの工期を短縮すること
ができ、また一部取替えによる修復工事が容易であると
いう利点を有している。
【0006】特開昭60−43404号公報には、改修
すべき炉体部の上部炉体を油圧式釣上装置で吊り、損傷
炉体を輪切りにし、張り出しデッキに載置した搬送台車
で搬出し、クーリングステーブ(CS)やレンガを組み
込んだ新ブロックを搬送台車で引き込んで改修する方法
が記載されている。この方法も、特開昭53−8790
6号公報、特開昭93−87907号公報に記載される
技術と同様、従来工法に比して安全であり、かつ工期が
短縮できるという効果を有する。
【0007】また、特開平9−143521号公報に
は、炉体をレンガ積部の歪み防止・真円度確保の対策を
講じた、複数のリング状ブロックに分け、高炉基礎以外
の場所で建造した後、リング状ブロックを横送りで高炉
基礎上に搬送し、リフトアップ工法で炉頂部から順次リ
フトアップして接合していく方法が記載されている。こ
の工法の概略図を図7に示す。図は炉体部22に対応す
る部分がA、B、Cの3つに分けられて接合され、炉体
櫓21上に設けられた油圧ジャッキ25により吊り下げ
られている状態を示している。
【0008】この図の状態に至る前に、まず、炉体22
のA部が搬送台車26に載せられて炉の基礎27の真横
まで運ばれ、基礎27上を摺動させられて炉体櫓21中
心部まで横持ちされる。そして、油圧ジャッキ25によ
り、炉体22のB部が下部に入る高さに吊り上げられ
る。その後、同様の手段により炉体22のB部を炉体櫓
21中心部まで搬送し、その位置でA部とB部を接合
し、油圧ジャッキ25により、接合されたA、B部を、
炉体22のC部が下部に入るまで吊り上げる。炉体部C
についても同じ作業を行い、図のような状態になる。図
においては、羽口部を含む炉底部24が外部で組立てら
れ、搬送台車26に載せられて炉の基礎27の真横まで
運ばれている。炉体部22を構成するA、B、C部は、
油圧ジャッキ25により、その下部に炉底部24が入る
高さに吊り上げられている。この状態から、炉底部24
を横持ちして基礎27上に設置し、炉体部を構成するC
部と接合して高炉の組立てが完了する。
【0009】この方法においても、特開昭53−879
06号公報、特開昭93−87907号公報に記載され
る技術と同様、従来工法に比して安全であり、かつ工期
が短縮できるという効果を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上に
紹介した新技術は、それぞれ以下のような問題点を有し
ている。特開昭53−87906号公報、特開昭93−
87907号公報に記載される技術は、いずれも操業床
から台車で炉体ブロックを搬出入しているので、操業床
まで炉体ブロックを搬出入する搬送手段が別途必要であ
る。このような設備を設けることは、高炉の設備配置上
から困難な場合が多い。また、炉体部分を吊り上げる必
要があるので、炉体櫓をこれらの荷重に耐えられるもの
とする必要がある。
【0011】特開昭60−43404号公報に記載され
る技術は、張り出しデッキから炉体ブロックを搬出入し
ているので、張り出しデッキまで炉体ブロックを搬出入
する搬送手段が別途必要である。このような設備を設け
ることは、高炉の設備配置上から困難な場合が多い。ま
た、炉体部分を吊り上げる必要があるので、炉体櫓をこ
れらの荷重に耐えられるものとする必要がある。
【0012】特開平9−143521号公報に記載され
る技術は、炉口部から朝顔部までをリフトアップするも
のであるため、炉体櫓をこれらの荷重に耐えられるもの
とする必要があり、炉体櫓の支柱間の距離も大きくする
必要がある。さらに、炉体廻りに吊り装置を昇降させる
スペースがあることも必要である。また、高炉の基礎の
レベルでブロックを横移動するため、炉体基礎に接して
ブロックを搬出入できるスペースが必要となり、高炉基
礎に隣接する設備(出銑滓設備等)の大幅な事前解体を
必要とする。また、炉腹部を炉体櫓で支持する構造の高
炉には適用することができない。
【0013】本発明は、このような従来の種々の技術が
有する問題点を解決するためになされたもので、簡単な
設備の付加により、高炉の建設、解体、改修を短期間で
安全に行うことができる方法を提供することを課題とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、既存炉体を解体した後、その基礎上に
高炉を再建するか、全く新たに高炉を建設する方法であ
って、以下の工程を有してなる高炉の建設方法(請求項
1)である。 (a) 既存の炉体櫓又は新設した炉体櫓に隣接して炉体ブ
ロック昇降装置を設置する工程 (b) 当該炉体ブロック昇降装置と炉体櫓を連結し、その
上に設けられたガーダーレール上を走行する横移動台車
により、炉体ブロックを炉体櫓内まで搬入可能とする横
移動台車走行用ガーダーを設ける工程、 (c) 横移動台車走行ガーダーのガーダーレール上に、横
移動台車を載置する工程 (d) リング分割された炉体ブロックのうち、炉体支持部
に支持される最下部のブロックを吊り具に固定し、吊り
具に設けられた吊綱を介して炉体ブロック昇降装置に設
けられた昇降具により、所定高さまで吊り上げ、横移動
台車に設けられた吊綱係止装置によりその位置で吊綱を
係止した後、前記昇降具から吊綱を開放し、横移動台車
を炉体櫓内部所定位置に移動させ、その高さで炉体支持
部への固定が可能であれば炉体支持部に固定し、炉体支
持部への固定が可能でなければ、吊綱を炉体櫓に設けら
れた昇降具に固定し、横移動台車の吊綱係止装置の係止
を開放すした後、炉体櫓に設けられた昇降具により、炉
体ブロックを吊り降ろし、炉体櫓の支持部に固定する工
程 (e) 既に設置されている炉体ブロックの上に載置される
リング分割された炉体ブロックを吊り具に固定し、吊り
具に設けられた吊綱を介して、炉体ブロック昇降装置に
設けられた昇降具により、所定高さまで吊り上げ、横移
動台車に設けられた吊綱係止装置によりその位置で吊綱
を係止した後、前記昇降具から吊綱を開放し、横移動台
車を炉体櫓内部所定位置に移動させ、その高さで下部の
炉体ブロックと接合が可能であれば接合を行い、接合が
不可能であれば、吊綱を炉体櫓に設けられた昇降具に固
定し、横移動台車の吊綱係止装置の係止を開放し、その
後、炉体櫓に設けられた昇降具により、炉体ブロックを
吊り降ろし、下部の炉体ブロックと接合する工程 (f) (e)の工程を必要回数繰り返す工程
【0015】本手段においては、まず、炉体櫓に隣接し
て炉体ブロック昇降装置を設置する。「炉体櫓に隣接」
とは、必ずしも炉体櫓に近接している必要はなく、炉体
廻りの機器配置と干渉しない位置に離して設けることを
も含むものである。
【0016】炉体ブロック昇降装置は、地上から炉体ブ
ロックを所定の高さまで吊り上げ可能なものとし、最大
吊り上げ荷重は、最大重量を有する炉体ブロックを吊り
上げ可能なものとする。炉体ブロック昇降装置は、高炉
の基礎や作業床とは独立に設置できるので、高炉の基礎
工事や炉体櫓の建設工事と並行して設置しておくことが
できる。炉体ブロック昇降装置には、油圧ジャッキ等か
らなる昇降具が設けられ、この昇降具により吊綱を介し
て炉体ブロックを昇降させる。
【0017】次に、炉体ブロック昇降装置と炉体櫓を連
結する、横移動台車走行用ガーダーを設置する。横移動
台車走行用ガーダーは、その上に設けられたガーダーレ
ール上に載置される横移動台車が、炉体櫓内の所定位置
(炉体ブロックが設置される位置)まで走行可能なよう
な長さとされる。横移動台車走行用ガーダーの取りつけ
後、横移動台車をガーダーレール上に載置する。
【0018】横移動台車には、吊綱係止装置が設けられ
ており、これにより炉体ブロックが吊り下げられた吊綱
を係止し、炉体ブロックを吊り下げたまま、炉体ブロッ
ク昇降装置と炉体櫓内所定位置間を移動できるようにな
っている。
【0019】以上の準備作業が完了した後、炉体の組立
てに入る。まず、リング分割された炉体ブロックのう
ち、炉体支持部に支持される最下部のブロックを吊り具
に固定し、吊り具に設けられた吊綱を介して炉体ブロッ
ク昇降装置に設けられた昇降具により、所定高さまで吊
り上げる。そして、その位置で横移動台車に設けられた
吊綱係止装置によりその位置で吊綱を係止した後、炉体
ブロック昇降装置に設けられた昇降具から吊綱を開放す
る。その後、横移動台車を炉体櫓内の所定位置に移動さ
せる。
【0020】この場合、炉体ブロックの高さ調整なし
で、炉体ブロックを炉体支持部に固定することが可能で
あれば、そのままの状態で炉体ブロックの固定作業を行
い、それが完了したら、吊り具を炉体ブロックから開放
して、横移動台車を炉体ブロック昇降装置側に戻す。炉
体ブロックを炉体支持部に固定するために、炉体ブロッ
クの高さ調整が必要であれば、吊綱を炉体櫓に設けられ
た油圧ジャッキ等の昇降具に固定し、横移動台車の吊綱
係止装置の係止を開放した後、炉体櫓に設けられた昇降
具により、炉体ブロックを吊り降ろして高さ調整の後、
炉体ブロックの固定作業を行い、それが完了したら、吊
り具を炉体ブロックから開放しすると共に、吊綱を横移
動台車の吊綱係止装置で係止し、炉体櫓に設けられた昇
降具から開放してから横移動台車を炉体ブロック昇降装
置側に戻す。
【0021】前記説明中、「炉体ブロックの高さ調整な
しで、炉体ブロックを炉体支持部に固定することが可能
である場合」とは、炉体ブロックと炉体支持部間に油圧
ジャッキ等を介在させ、これにより高さを調整して固定
を行う場合を含むものである。また、「炉体支持部に支
持される最下部のブロック」とは、炉体支持部が高炉の
基礎である場合には炉底部ブロックであり、炉腹部を炉
体櫓で支持する構造の高炉の場合は、炉底部ブロックで
あることもあるし、炉体櫓で支持される炉腹部の最下部
のブロックのこともある。特に、炉体櫓で支持される炉
腹部の最下部のブロックの場合には、後述するように、
炉腹部の建設と炉底部の建設を分割して並行作業とする
ことができるというメリットを有する。
【0022】以下、既に設置の炉体ブロックの上に載置
される炉体ブロックを同様の手法で炉体櫓内の所定位置
に搬入し、既に設置されている下部の炉体ブロックとの
接合を行う。この場合も、接合のために、搬入された炉
体ブロックの高さ調整が必要であれば、炉体櫓に設置さ
れた昇降具を使用して高さ調整を行う。これを繰り返し
て、最上段の炉体ブロックまでを炉体櫓内に搬入して設
置する。「接合のために、搬入された炉体ブロックの高
さ調整が不必要な場合」とは、炉体ブロック間に油圧ジ
ャッキ等を介在させ、これにより高さを調整して固定を
行う場合を含むものである。
【0023】本手段においては、炉体ブロック昇降装置
を、作業床と干渉しない位置に設けることができ、かつ
作業床への搬入台車等を必要としない。また、炉体ブロ
ックの横移動は、炉体基礎とは異なったレベルで行われ
るので、高炉基礎に隣接する設備(出銑滓設備等)の建
設と並行作業ができる。よって、安全に作業を行うこと
ができると共に、工期の短縮が可能になる。また、炉腹
部を炉体櫓で支持する構造の高炉にも、基礎により炉体
全体を支持する構造の高炉にも適用することができる。
さらに、炉体ブロック昇降装置及び炉体櫓に設けられた
昇降具の吊り上げ荷重は、最大の炉体ブロック分あれば
よいので、炉体ブロック昇降装置が小型で済むと共に、
炉体櫓の強度制約を少なくすることができる。
【0024】前記課題を解決するための第2の手段は、
既存炉体を解体した後、その基礎上に高炉を再建する
か、全く新たに高炉を建設する方法であって、以下の工
程を有してなる高炉の建設方法(請求項2)である。 (a) 既存の炉体櫓又は新設した炉体櫓に隣接して、炉体
ブロックを吊上・横移動するための横移動台車を搭載す
る横移動台車ガーダー・架橋を設け、横移動台車により
炉体ブロックを炉体櫓内まで搬入可能とするように、ガ
ーダーと炉体櫓を直結する工程 (b) 横移動台車走行ガーダーのガーダーレール上に、昇
降装置を有する横移動台車を載置する工程 (c) リング分割された炉体ブロックのうち、炉体支持部
に支持される最下部のブロックを吊り具に固定し、吊り
具に設けられた吊綱を介して、横移動台車に設けられた
昇降装置により、所定高さまで吊り上げ、横移動台車を
炉体櫓内部所定位置に移動させ、横移動台車に設けられ
た昇降装置により、炉体ブロックを吊り降ろし、炉体櫓
の支持部に固定する工程 (d) 既に設置されている炉体ブロックの上に載置され
る、リング分割された炉体ブロックを吊り具に固定し、
吊り具に設けられた吊綱を介して、横移動台車に設けら
れた昇降装置により、所定高さまで吊り上げ、横移動台
車を炉体櫓内部所定位置に移動させ、炉体ブロック昇降
装置に設けられた昇降具により、所定高さまで吊り上
げ、横移動台車に設けられた昇降装置により、炉体ブロ
ックを吊り降ろし、下部の炉体ブロックと接合する工程 (e) (d)の工程を必要回数繰り返す工程
【0025】本手段は、前記第1の手段とは、横移動台
車が昇降装置を有している点で大きく異なっている。よ
って、第1の手段のように、炉体ブロック昇降装置を特
別に設ける必要は無く、対応する場所までガーダーを延
長し、そのガーダーを架橋で支えるようにすればよい。
ガーダーは、炉体ブロックを所定設置位置まで搬入可能
なように、炉体櫓に直結される。ガーダーの他端は、第
1の手段の炉体ブロック昇降装置が設けられた位置、す
なわち、地上に搬入された炉体ブロックを横移動台車で
吊上げ可能な位置に設けられる。
【0026】炉体ブロックの搬入、据付・組立の手順
は、基本的には第1の手段と同じである。ただし、横移
動台車が昇降装置を有しているため、炉体ブロック昇降
装置や、炉体櫓に設けられた昇降装置を使用する必要が
なく、作業の段取りが簡単になる。
【0027】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段であって、少なくとも一
部の工程において吊り具を用いず、炉体ブロックを直接
吊綱で吊るようにしたことを特徴とするもの(請求項
3)である。
【0028】本手段においては、治具である吊り具を用
いず、炉体ブロックを直接吊綱で吊るようにしているの
で、設備費を安くすることができる。
【0029】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、高
炉の構造が炉腹部を炉体櫓で支持するものであり、前記
(第1の手段の(d)、第2の手段の(c)に記載の)炉体支
持部に支持される最下部のブロックは炉体櫓で支持され
るものであって、炉底部の建設は、請求項1の(d)〜(f)
の工程、又は請求項2の(c)〜(e)の工程の少なくとも一
部と重複して行われることを特徴とするもの(請求項
3)である。
【0030】炉腹部を炉体櫓で支持する構造の高炉にお
いては、炉体櫓で支持される炉腹部の部分のみを前記第
1の手段又は第2の手段で建設し、それより下の炉底部
はそれと並行して別工程により建設するようにすること
ができる。これにより、更なる工期の短縮を図ることが
できる。
【0031】前記課題を解決するための第5の手段は、
高炉の既存炉体を解体する方法であって、以下の工程を
有してなる高炉の解体方法(請求項5)である。 (a) 既存の炉体櫓に隣接して炉体ブロック昇降装置を設
置する工程 (b) 当該炉体ブロック昇降装置と炉体櫓を連結し、その
上に設けられたガーダーレール上を走行する横移動台車
により、炉体ブロックを炉体櫓から搬出可能とする横移
動台車走行用ガーダーを設ける工程 (c) 横移動台車走行ガーダーのガーダーレール上に、横
移動台車を載置する工程 (d) 炉体部分の最上段部を、吊綱を介して横移動台車に
吊り下げられた吊り具に固定して保持してから、適当な
大きさのリング状ブロックに分割し、必要があれば吊り
具に固定された吊綱を炉体櫓に設けられた昇降具に固定
してから横移動台車に設けられた吊綱係止装置を解放し
て昇降具により吊り上げ、その状態で横移動台車に設け
られた吊綱係止装置によりその位置で吊綱を係止して前
記昇降具から吊綱を開放した後、必要がなければそのま
ま、横移動台車を炉体ブロック昇降装置位置まで移動さ
せ、炉体ブロック昇降装置に設けられた昇降具に吊綱を
固定した後、横移動台車の吊綱係止装置の係止を開放
し、炉体ブロック昇降装置に設けられた昇降具により、
炉体ブロックを地上に降ろす工程 (e) 残された炉体部分について、(d)の工程を繰り返す
工程
【0032】本手段においては、まず、炉体櫓に隣接し
て炉体ブロック昇降装置を設置する。「炉体櫓に隣接」
とは、必ずしも炉体櫓に近接している必要はなく、炉体
廻りの機器配置と干渉しない位置に離して設けることを
も含むものである。
【0033】炉体ブロック昇降装置は、地上から炉体ブ
ロックを所定の高さまで吊り上げ可能なものとし、最大
吊り上げ荷重は、最大重量を有する炉体ブロックを吊り
上げ可能なものとする。炉体ブロック昇降装置は、高炉
の基礎や作業床とは独立に設置できるので、予め高炉の
運転中に設置しておくことができる。炉体ブロック昇降
装置には、油圧ジャッキ等からなる昇降具が設けられ、
この昇降具により吊綱を介して炉体ブロックを昇降させ
る。
【0034】次に、炉体ブロック昇降装置と炉体櫓を連
結する、横移動台車走行用ガーダーを設置する。横移動
台車走行用ガーダーは、その上に設けられたガーダーレ
ール上に載置される横移動台車が、炉体櫓内の所定位置
(炉体が設置されている位置)まで走行可能なような長
さとされる。横移動台車走行用ガーダーの取りつけ後、
横移動台車をガーダーレール上に載置する。この作業
も、高炉の作業床と干渉しないので、高炉の運転中に行
うことができる。
【0035】横移動台車には、吊綱係止装置が設けられ
ており、これにより炉体ブロックが吊り下げられた吊綱
を係止し、炉体ブロックを吊り下げたまま、炉体ブロッ
ク昇降装置と炉体櫓内所定位置間を移動できるようにな
っている。
【0036】以上の準備作業が完了した後、吊綱を介し
て横移動台車に吊り下げられた吊り具に固定してから、
適当な大きさのリング状ブロックに分割する。吊綱は、
横移動台車の吊綱係止装置により係止されている。そし
て、そのままの吊高さで、分割されたリング状ブロック
を炉体櫓外に搬出できれば、そのままの状態で横移動台
車を炉体ブロック昇降装置の位置まで搬送し、炉体ブロ
ック昇降装置に設けられた昇降具に吊綱を固定した後、
横移動台車の吊綱係止装置の係止を開放し、炉体ブロッ
ク昇降装置に設けられた昇降具により、炉体ブロックを
地上に降ろす。
【0037】そのままの吊高さでは、炉体櫓との干渉等
により、分割されたリング状ブロックを炉体櫓外に搬出
できない場合には、吊り具に固定された吊綱を炉体櫓に
設けられた昇降具に固定して吊り上げて適当な高さとし
(このとき、横移動台車の吊綱係止装置を開放すること
はいうまでもない)、その状態で横移動台車に設けられ
た吊綱係止装置によりその位置で吊綱を係止して前記昇
降具から吊綱を開放し、横移動台車を炉体ブロック昇降
装置の位置まで搬送し、炉体ブロック昇降装置に設けら
れた昇降具に吊綱を固定した後、横移動台車の吊綱係止
装置の係止を開放し、炉体ブロック昇降装置に設けられ
た昇降具により、炉体ブロックを地上に降ろす。
【0038】以下、この工程を繰り返して、炉体支持部
に支持される最下部のブロックまでを、炉体ブロック昇
降装置を介して地上に降ろす。ここに、「炉体支持部に
支持される最下部のブロック」とは、前記第1の手段の
説明で述べた意味と同じである。
【0039】本手段においては、炉体ブロック昇降装置
を、作業床と干渉しない位置に設けることができ、かつ
作業床からの搬出台車等を必要としない。また、炉体ブ
ロックの横移動は、炉体基礎とは異なったレベルで行わ
れるので、高炉基礎に隣接する設備(出銑滓設備等)の
事前解体作業等が必要でない。よって、安全に作業を行
うことができると共に、工期の短縮が可能になる。ま
た、炉腹部を炉体櫓で支持する構造の高炉にも、基礎に
より炉体全体を支持する構造の高炉にも適用することが
できる。
【0040】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第5の手段のうち(d)の工程の何回かを、以下の
(d')の工程に代えたことを特徴とするもの(請求項6)
である。 (d')炉体部分の最上段部を、適当な大きさのリング状ブ
ロックに分割した後、吊り具に固定し、必要があれば吊
り具に固定された吊綱を炉体櫓に設けられた昇降具に固
定して吊り上げ、その状態で横移動台車に設けられた吊
綱係止装置によりその位置で吊綱を係止して前記昇降具
から吊綱を開放した後、必要が無ければそのまま、吊綱
を介して横移動台車に吊り下げられた吊り具に固定して
保持した後、横移動台車を炉体ブロック昇降装置位置ま
で移動させ、炉体ブロック昇降装置に設けられた昇降具
に吊綱を固定した後、横移動台車の吊綱係止装置の係止
を開放し、炉体ブロック昇降装置に設けられた昇降具に
より、炉体ブロックを地上に降ろす工程
【0041】本手段においては、炉体部分の最上段部
を、適当な大きさのリング状ブロックに分割した後、必
要があれば吊り具に固定された吊綱を炉体櫓に設けられ
た昇降具に固定して吊り上げてから横移動台車によって
吊り下げるようにし、必要がなければそのまま横移動台
車によって吊り下げるようにする工程が、前記第4の手
段と異なっている。この違いはわずかなものであり、よ
って、本手段も、前記第4の手段と同様の作用を有す
る。
【0042】本手段において、必要がない場合とは、炉
体を分割した後、分割した炉体ブロックと炉体間に油圧
ジャッキ等を介在させ、分割された炉体ブロックを搬出
に必要なだけ上昇させることができる場合を含む。
【0043】前記課題を解決するための第7の手段は、
高炉の既存炉体を解体する方法であって、以下の工程を
有してなる高炉の解体方法(請求項7)である。 (a) 既存の炉体櫓又は新設した炉体櫓に隣接して、炉体
ブロックを吊上・横移動するための横移動台車を搭載す
る横移動台車ガーダー・架橋を設け、横移動台車により
炉体ブロックを炉体櫓から搬出可能とするように、ガー
ダーと炉体櫓を直結する工程 (b) 横移動台車走行ガーダーのガーダーレール上に、昇
降装置を有する横移動台車を載置する工程 (c) 炉体部分の最上段部を、必要があれば吊綱を介して
横移動台車に吊り下げられた吊り具に固定して保持して
から適当な大きさのリング状ブロックに分割し、必要が
無ければ適当な大きさのリング状ブロックに分割してか
ら吊綱を介して横移動台車に吊り下げられた吊り具に固
定して、その後、横移動台車の昇降装置により吊上げ
て、横移動台車により炉体櫓の外に搬出し、その後、横
移動台車の昇降装置により、地上に降ろす工程 (d) 残された炉体部分について、(c)の工程を繰り返す
工程
【0044】本手段は、前記第5の手段、第6の手段と
は、横移動台車が昇降装置を有している点で大きく異な
っている。よって、第5の手段、第6の手段のように、
炉体ブロック昇降装置を特別に設ける必要は無く、対応
する場所までガーダーを延長し、そのガーダーを架橋で
支えるようにすればよい。ガーダーは、炉体ブロックを
所定設置位置から搬出可能なように、炉体櫓に直結され
る。ガーダーの他端は、第5の手段、第6の手段の炉体
ブロック昇降装置が設けられた位置、炉体ブロックを横
移動台車で吊下げて、地上の搬出装置に積載可能な位置
に設置される。
【0045】炉体ブロックの解体、搬出の手順は、基本
的には第5の手段、第6の手段と同じである。ただし、
横移動台車が昇降装置を有しているため、炉体ブロック
昇降装置や、炉体櫓に設けられた昇降装置を使用する必
要がなく、作業の段取りが簡単になる。
【0046】前記課題を解決するための第8の手段は、
前記第5の手段から第7の手段のいずれかであって、少
なくとも一部の工程において吊り具を用いず、炉体ブロ
ックを直接吊綱で吊るようにしたことを特徴とするもの
(請求項8)である。
【0047】本手段においては、治具である吊り具を用
いず、炉体ブロックを直接吊綱で吊るようにしているの
で、設備費を安くすることができる。
【0048】前記課題を解決するための第9の手段は、
前記第5の手段から第8の手段のいずれかであって、高
炉の構造が炉腹部を炉体櫓で支持するものであり、炉体
支持部に支持される最下部のブロック(第5の手段の
(d)、第6の手段の(d')の工程、又は第7の(c)の工程に
より最終に撤去される炉体ブロック)は炉体櫓で支持さ
れるものであって、炉底部の解体は、前記請求項5の
(d)〜(f)の工程、請求項6の(d')〜(f)の工程、又は請
求項7の(c)〜(d)の工程の少なくとも一部と重複して行
われることを特徴とするもの(請求項9)である。
【0049】炉腹部を炉体櫓で支持する構造の高炉にお
いては、炉体櫓で支持される炉腹部の部分のみを前記第
5の手段から第8の手段のいずれかで解体し、それより
下の炉底部はそれと並行して別工程により解体するよう
にすることができる。これにより、更なる工期の短縮を
図ることができる。
【0050】前記課題を解決するための第10の手段
は、前記第5の手段から第9の手段のいずれかの手段に
より高炉を解体した後、前記第1の手段から第4の手段
のうちいずれかで、第1の手段の(a)〜(c)の工程、また
は第2の手段の(a)〜(b)の工程を省略した高炉の建設方
法によって高炉を建設する工程を有してなること前記第
1の手段から第3の手段のいずれかの手段により高炉を
建設する工程を有してなることを特徴とする高炉の改修
方法(請求項10)である。
【0051】本手段によれば、既に説明したように、解
体作業も建設作業も、安全かつ短工期で実施することが
できるので、改修作業全体の工期も短縮することができ
る。また、本工法は、炉腹部を炉体櫓で支持する構造の
高炉にも、基礎により炉体全体を支持する構造の高炉に
も適用することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて説明する。図5は、解体前の高炉の概要を示
す図であり、1は炉体櫓、2は炉体シャフト(炉腹)
部、3は装入装置、4は炉体羽口部、5は炉底部、6は
基礎を示す。
【0053】この高炉は、炉体シャフト部2と炉体羽口
部4がそれぞれ別々に炉体櫓1によって支持されている
ものである。以下の実施の形態においては、炉体シャフ
ト部2をA、B、Cの3つの部分に輪切りにして解体し
て新たな炉体シャフト部を取り付けると共に、炉体羽口
部4及び炉底部の改修は、これと並行した別工程により
行う。
【0054】図1に、本発明の実施の形態の1例である
方法によって炉体の解体が行われている途中の図を示
す。以下の図においては、発明の実施の形態の欄におけ
る前出の図で示された構成要素と同じ構成要素には、同
じ符号を付してその説明を省略する。図1において、
2’は炉体ブロック、7は炉体ブロック昇降装置、8は
油圧ジャッキ、9は吊綱、10は吊り具、11は横移動
台車走行用ガーダー、12は横移動台車、13は油圧ジ
ャッキ、14は安全デッキ、15は搬送装置である。
【0055】炉体の解体に先立ち、まず、炉体櫓1に隣
接して炉体ブロック昇降装置7を設置する。ただし、炉
体ブロック昇降装置7は、必ずしも炉体櫓1の直近に設
ける必要はなく、離れていてもよいので、炉廻りの機器
の配置に応じて、炉体ブロックの外部からの搬入が可能
な場所、事前解体工事の少ない場所に設けることが望ま
しい。炉体ブロック昇降装置7には、油圧ジャッキ8が
設けられ、吊綱9により炉体ブロック2’を吊るように
なっている。その際、必要に応じて治具である吊り具1
0が用いられる。炉体ブロック昇降装置7の吊荷重、油
圧ジャッキの吊荷重は、最大重量の炉体ブロック(+吊
り具)が吊り上げられるように設定する。
【0056】次に、炉体ブロック昇降装置7と炉体櫓1
を結ぶ横移動台車走行用ガーダー11を設置する。この
設置工事も、安全上問題がない限り、事前工事として高
炉の操業中に行うことができる。横移動台車走行用ガー
ダー11としては、曲がりガーダーを使用することもで
き、炉体ブロック昇降装置7と炉体櫓1内の間を、タ設
備と干渉無く、炉体ブロック2’を搬送できるような経
路に設置される。横移動台車走行用ガーダーの高さは、
炉体シャフト部2の最上部より高く、装入装置3よりも
低くなるようにされている。これは、装入装置3を解体
することなく、炉体部の改修を行うことを可能にするた
めである。
【0057】次に、横移動台車走行用ガーダー11上に
設けられたガーダーレール上に、横移動台車12を載置
する。横移動台車走行用ガーダー11と横移動台車12
の耐荷重も、最大重量の炉体ブロック(+吊り具)を吊
り上げて搬送できるように設定する。横移動台車12に
は、油圧ジャッキのような昇降具は設けられていない
が、吊綱をクランプする吊綱係止装置が設けられてお
り、最大重量の炉体ブロック(+吊り具)を吊り上げた
状態で、吊綱をクランプして固定することができるよう
になっている。
【0058】以上のような事前準備を行った上で、高炉
の操業を停止し、解体作業を開始する。まず、羽口部4
の下に安全デッキ14を設け、それより上部の作業と下
部の作業が、安全に並行して可能なようにする。そし
て、横移動台車12で、吊綱9を介して吊り具10を吊
った状態で、横移動台車12を炉体櫓1内に移動させ、
炉体中心に位置するような位置で止めて、吊綱9の上部
を炉体櫓1に設けられた油圧ジャッキ13に結合し、横
移動台車12の吊綱係止装置を開放する。そして、油圧
ジャッキ13により、吊り具10の高さ調整を行い、吊
り具10を炉体シャフト部2の最上段部に固定する。
【0059】このような状態で、炉体シャフト部2最上
段部を、適当な大きさのリング状に切断する。この際、
鉄皮、クーリングステーブ、耐火物を同時に一体に切断
する。切断が完了したら、切り離された炉体ブロック
2’を、必要に応じて油圧ジャッキ13で少し吊り上げ
た状態で、横移動台車12の吊綱係止装置を働かせて吊
綱をクランプする。そして、油圧ジャッキ13に結合さ
れた吊綱9を開放する。次に、炉体ブロック昇降装置7
の位置まで横移動台車12を走行させる。
【0060】横移動台車12が炉体ブロック昇降装置7
の定位置に停止してから、吊綱9を、油圧ジャッキ8に
結合して、横移動台車12の吊綱係止装置を開放する。
そして、油圧ジャッキ8を用いて、炉体ブロック2’
を、地上に設けられた搬送装置15に降ろし、その状態
で吊り具10から炉体ブロック2’を切り離して、搬送
装置15により搬出する。
【0061】そして、再び、横移動台車12を炉体櫓1
内に移動させ、炉体中心に位置するような位置で止め
て、吊綱9の上部を炉体櫓1に設けられた油圧ジャッキ
13に結合し、横移動台車12の吊綱係止装置を開放す
る。そして、油圧ジャッキ13により、吊り具10の高
さ調整を行い、吊り具10を炉体シャフト部2の残され
た最上段部に固定する。
【0062】これらの工程においては、炉体最上部に吊
り具10を固定してから炉体の切断を行っているが、場
合によっては、炉体の切断を行ってから、炉体最上部に
吊り具10を固定してもよい。
【0063】以下、前に述べたような手順で、炉体シャ
フト部2の切断と搬出を行い、これを繰り返して、炉体
シャフト部最下段までを解体して搬出する。図は、炉体
シャフト部2の最下段A部が炉体ブロック2’となって
搬出されている様子を示している。
【0064】この間、安全デッキ13の下側では、炉底
部5のレンガの解体が行われる。炉底部5の上部は、安
全デッキ14によって保護されているので、安全にレン
ガの解体作業を行うことができる。
【0065】なお、この実施の形態は、炉体櫓1によっ
て、炉腹部を支持している高炉の例であるので、炉体シ
ャフト部2だけをリング状に分割して搬出しているが、
たとえば朝顔リングプレート支持構造のように、最下段
を炉体櫓で支持する方式の場合は、朝顔部までをリング
状に分割して搬出することもでき、特開平9−1435
21号公報に記載されるようなフリースタンド方式の高
炉においては、炉底部までをリング状に分割して搬出す
ることもできる。
【0066】図2に、本発明の実施の形態の1例である
方法によって炉体の建設が行われている途中の図を示
す。図2において、16はクレーンである。高炉の新設
の場合は、高炉の基礎工事が行われている時間等を利用
して、炉体櫓1に隣接して炉体ブロック昇降装置7を設
置する。そして、炉体櫓1が設置された時点で、炉体ブ
ロック昇降装置7と炉体櫓1を結ぶ横移動台車走行用ガ
ーダー11を設置し、そのガーダーレール上に横移動台
車12を載置する。炉体ブロック昇降装置7、横移動台
車走行用ガーダー11、横移動台車12は、図1の説明
において説明したものと同様のものである。高炉の改修
の場合は、高炉の解体に使用したこれらの装置をそのま
ま使用する。高炉の炉体シャフト部2を構成する部分
は、複数のリング状の炉体ブロックに分割され、鉄皮、
クーリングステーブ、耐火物等が一体に工事現場の他の
場所で予め組み立てられている。
【0067】以上のような事前準備を行った上で、高炉
の建設作業を開始する。まず、羽口部4の下に安全デッ
キ14を設け、それより上部の作業と下部の作業が、安
全に並行して可能なようにする。そして、まず、炉体櫓
1に支えられる炉体シャフト部の再下段を構成する炉体
ブロック2’を、搬送装置15により炉体ブロック昇降
装置7の下に搬送する。その後、吊り具10が炉体ブロ
ック2’に取り付けられ、吊り具に固定されている吊綱
9が、炉体ブロック昇降装置7上の油圧ジャッキ8によ
って吊り上げられ、炉体ブロック2’は所定の高さまで
上昇する。そして、その位置で横移動台車12の吊綱係
止装置により、吊綱9がロックされ、油圧ジャッキ8に
よる吊綱の拘束が解放される。
【0068】この状態から、横移動台車12が炉体櫓1
内に移動し、所定の位置で停止する。そして、炉体櫓1
に設けられた油圧ジャッキ13に吊綱13を固定し、横
移動台車12の吊綱係止装置を解放する。この状態で、
油圧ジャッキ13により炉体ブロック2’が吊り降ろさ
れ、炉体櫓1の支持部に載置される。図は、炉体櫓1に
支持される炉体ブロック2’の最下部にあたるAが炉体
ブロック昇降装置7油圧ジャッキ8で吊り上げられ、炉
体櫓1内に横持ちされ、炉体櫓1に設けられた油圧ジャ
ッキ13で吊り下げられる状態を示している。
【0069】その後、再び、横移動台車12を炉体ブロ
ック昇降装置7の位置に移動させ、所定の位置で止め
て、搬送装置15によって運び込まれた次段の炉体ブロ
ック2’を同様の方法で吊り上げ、炉体櫓1内の所定の
位置に運搬する。そして、同様の方法で、先に設置済み
の炉体ブロック2’の最上部に接続する。これを繰り返
して、炉体シャフト部の最上部の炉体ブロック2’まで
を順次組み立てていく。
【0070】この間、炉底部5では、クレーン16を使
用して炉底のレンガ積みが行われる。炉体シャフト部2
の組立作業エリアと、炉底レンガ積み作業エリアとは、
安全デッキ14で隔離されているので、安全上の問題は
ない。
【0071】図3は、本発明の実施の形態である高炉の
建設方法の例でを示すであり、炉体櫓1に油圧ジャッキ
を設けずに作業を行う例を示すものである。図は高炉の
建設作業を示すものであり、炉体櫓1に支持される下か
ら2番目の炉体ブロックBが炉体ブロック昇降装置7の
油圧ジャッキ8により所定高さまで吊り上げられ、横移
動台車12により炉体櫓1内に搬送され、既に設置済み
の炉体ブロックAと接合される様子を示している。この
場合、炉体ブロック昇降装置7の油圧ジャッキ8によ
り、Bに相当する炉体ブロック2’の下面位置が、Aに
相当する炉体ブロック2’の上面位置に対して、さらな
る位置調整を必要としない程度に調整可能であれば、B
に相当する炉体ブロック2’を炉体櫓1内に搬送した位
置で、Aに相当する炉体ブロック2’との接合作業を行
うことができるので、炉体櫓には油圧ジャッキを必要と
しない。
【0072】ただし、この場合でも、AとBの炉体ブロ
ック2’の隙間を完全に無くすような状態でBのブロッ
クを運び込むことは不可能であるので、AとBとのブロ
ックの間に油圧ジャッキを介在させる等により、Bのブ
ロックを持ち上げてから吊り具10から解放し、その後
油圧ジャッキ等で隙間を調整する作業は必要である。
【0073】このように、炉体櫓1に油圧ジャッキを設
けない方法は、炉体の解体時においても採用することが
できる。この場合は、炉体最上部を切断してから、油圧
ジャッキ等で切断した炉体最上部を持ち上げ、その状態
で炉体最上部を吊り具10に固定して横移動台車12で
炉体ブロック昇降装置7まで運ぶようにすればよい。
【0074】図4は、本発明の実施の形態である高炉の
建設方法の例でを示すであり、吊り具を使用しない施工
例を示す図である。その他の部分は図3に示した工法と
同じであるので、その説明を省略し、図3の工法と異な
る部分のみを説明する。図4において17は張り出し部
である。
【0075】図4においては、炉体ブロック2’を吊り
上げるのに、吊り具を使用せず、直接吊り上げている。
すなわち、炉体ブロック2’に張り出し部17を設け、
この部分を吊綱9で吊り上げる。この際、吊綱9を、炉
体ブロック2’のシャフトアングルと同じだけ傾けて吊
るようにすることにより、吊り具を設けなくても、横移
動台車12の大きさを炉体ブロック2’より小さくする
ことができる。また、それにあわせて、炉体ブロック昇
降装置7上の油圧ジャッキ8も、吊綱9を斜め方向に引
っ張れるように角度を持たせて設置する。吊綱9の角度
は、各炉体ブロック毎に、その大きさと吊り上げ高さに
合わせて変えるようにする。
【0076】なお、図4においては、図3におけると同
じように、炉体櫓1には油圧ジャッキが設けられていな
いが、油圧ジャッキを設けて炉体ブロック2’の高さ調
整ができるようにしてもよい。
【0077】以上の説明においては、いずれも横移動台
車12が昇降装置を有しない場合について説明した。横
移動台車12に昇降装置を設けるとクレーンとなり、ク
レーンの設置検査を受けなければならないので、その時
間だけ余分な工程が必要とされる。しかし、その余裕さ
えあれば、横移動台車12に昇降装置を設けることによ
り、炉体ブロックを直接吊上げて横持ちすることができ
るので、炉体ブロック昇降装置7や炉体櫓の油圧ジャッ
キ13を設ける必要がなくなるばかりでなく、これらに
吊綱を結合したり開放したり、横移動台車12の係止装
置に吊綱を係止したり開放したりする段取りが簡素化さ
れ、これに伴って全体の工程の短縮が可能である。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明においては、炉体ブロック昇降装置を、
作業床と干渉しない位置に設けることができ、かつ作業
床への搬入台車等を必要としない。また、炉体ブロック
の横移動は、炉体基礎とは異なったレベルで行われるの
で、高炉基礎に隣接する設備(出銑滓設備等)の建設と
並行作業ができる。よって、安全に作業を行うことがで
きると共に、工期の短縮が可能になる。また、炉腹部を
炉体櫓で支持する構造の高炉にも、基礎により炉体全体
を支持する構造の高炉にも適用することができる。さら
に、炉体ブロック昇降装置及び炉体櫓に設けられた昇降
具の吊り上げ荷重は、最大の炉体ブロック分あればよい
ので、炉体ブロック昇降装置が小型で済むと共に、炉体
櫓の強度制約を少なくすることができる。
【0079】請求項2に係る発明においては、横移動台
車が昇降装置を有しているため、炉体ブロック昇降装置
や、炉体櫓に設けられた昇降装置を使用する必要がな
く、作業の段取りが簡単になる。
【0080】請求項3に係る発明においては、治具であ
る吊り具を用いず、炉体ブロックを直接吊綱で吊るよう
にしているので、設備費を安くすることができる。
【0081】請求項4に係る発明においては、炉体櫓で
支持される炉腹部の部分の建設工事と、それより下の炉
底部の建設工事を平行して実施することができるので、
更なる工期の短縮を図ることができる。
【0082】請求項5に係る発明、及び請求項6に係る
発明においては、炉体ブロック昇降装置を、作業床と干
渉しない位置に設けることができ、かつ作業床からの搬
出台車等を必要としない。また、炉体ブロックの横移動
は、炉体基礎とは異なったレベルで行われるので、高炉
基礎に隣接する設備(出銑滓設備等)の事前解体作業等
が必要でない。よって、安全に作業を行うことができる
と共に、工期の短縮が可能になる。また、炉腹部を炉体
櫓で支持する構造の高炉にも、基礎により炉体全体を支
持する構造の高炉にも適用することができる。さらに、
炉体ブロック昇降装置及び炉体櫓に設けられた昇降具の
吊り上げ荷重は、最大の炉体ブロック分あればよいの
で、炉体ブロック昇降装置が小型で済むと共に、炉体櫓
の強度制約を少なくすることができる。
【0083】請求項7に係る発明においては、横移動台
車が昇降装置を有しているため、炉体ブロック昇降装置
や、炉体櫓に設けられた昇降装置を使用する必要がな
く、作業の段取りが簡単になる。
【0084】請求項8に係る発明においては、治具であ
る吊り具を用いず、炉体ブロックを直接吊綱で吊るよう
にしているので、設備費を安くすることができる。
【0085】請求項9に係る発明においては、炉体櫓で
支持される炉腹部の部分の解体工事と、それより下の炉
底部の解体工事を並行して実施することができるので、
更なる工期の短縮を図ることができる。
【0086】請求項10に係る発明においては、解体作
業も建設作業も、安全かつ短工期で実施することができ
るので、改修作業全体の工期も短縮することができる。
また、本工法は、炉腹部を炉体櫓で支持する構造の高炉
にも、基礎により炉体全体を支持する構造の高炉にも適
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である高炉炉体の解体方法
の例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態である高炉炉体の建設方法
の例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態である高炉炉体の建設方法
の例を示す図であり、炉体櫓に昇降具を設けない方法を
示すものである。
【図4】本発明の実施の形態である高炉炉体の建設方法
の例を示す図であり、吊り具を用いない施工方法を示す
図である。
【図5】解体前の高炉の構造の概要を示す図である。
【図6】従来の高炉の解体、建設方法を示す図である。
【図7】公開特許公報に示された、高炉の建設方法を示
す図である。
【符号の説明】
1…炉体櫓、2’…炉体ブロック、2…炉体シャフト
(炉腹)部、3…装入装置、4…炉体羽口部、5…炉底
部、6…基礎、7…炉体ブロック昇降装置、8…油圧ジ
ャッキ、9…吊綱、10…吊り具、11…横移動台車走
行用ガーダー、12…横移動台車、13…油圧ジャッ
キ、14…安全デッキ、15…搬送装置、16…クレー
ン、17…張り出し部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深川 謙一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 西村 有二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K051 AA01 BB00 CA00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存炉体を解体した後、その基礎上に高
    炉を再建するか、全く新たに高炉を建設する方法であっ
    て、以下の工程を有してなる高炉の建設方法。 (a) 既存の炉体櫓又は新設した炉体櫓に隣接して炉体ブ
    ロック昇降装置を設置する工程 (b) 当該炉体ブロック昇降装置と炉体櫓を連結し、その
    上に設けられたガーダーレール上を走行する横移動台車
    により、炉体ブロックを炉体櫓内まで搬入可能とする横
    移動台車走行用ガーダーを設ける工程 (c) 横移動台車走行ガーダーのガーダーレール上に、横
    移動台車を載置する工程 (d) リング分割された炉体ブロックのうち、炉体支持部
    に支持される最下部のブロックを吊り具に固定し、吊り
    具に設けられた吊綱を介して炉体ブロック昇降装置に設
    けられた昇降具により、所定高さまで吊り上げ、横移動
    台車に設けられた吊綱係止装置によりその位置で吊綱を
    係止した後、前記昇降具から吊綱を開放し、横移動台車
    を炉体櫓内部所定位置に移動させ、その高さで炉体支持
    部への固定が可能であれば炉体支持部に固定し、炉体支
    持部への固定が可能でなければ、吊綱を炉体櫓に設けら
    れた昇降具に固定し、横移動台車の吊綱係止装置の係止
    を開放した後、炉体櫓に設けられた昇降具により、炉体
    ブロックを吊り降ろし、炉体櫓の支持部に固定する工程 (e) 既に設置されている炉体ブロックの上に載置され
    る、リング分割された炉体ブロックを吊り具に固定し、
    吊り具に設けられた吊綱を介して、炉体ブロック昇降装
    置に設けられた昇降具により、所定高さまで吊り上げ、
    横移動台車に設けられた吊綱係止装置によりその位置で
    吊綱を係止した後、前記昇降具から吊綱を開放し、横移
    動台車を炉体櫓内部所定位置に移動させ、その高さで下
    部の炉体ブロックと接合が可能であれば接合を行い、接
    合が不可能であれば、吊綱を炉体櫓に設けられた昇降具
    に固定し、横移動台車の吊綱係止装置の係止を開放し、
    その後、炉体櫓に設けられた昇降具により、炉体ブロッ
    クを吊り降ろし、下部の炉体ブロックと接合する工程 (f) (e)の工程を必要回数繰り返す工程
  2. 【請求項2】 既存炉体を解体した後、その基礎上に高
    炉を再建するか、全く新たに高炉を建設する方法であっ
    て、以下の工程を有してなる高炉の建設方法。 (a) 既存の炉体櫓又は新設した炉体櫓に隣接して、炉体
    ブロックを吊上・横移動するための横移動台車を搭載す
    る横移動台車ガーダー・架橋を設け、横移動台車により
    炉体ブロックを炉体櫓内まで搬入可能とするように、ガ
    ーダーと炉体櫓を直結する工程 (b) 横移動台車走行ガーダーのガーダーレール上に、昇
    降装置を有する横移動台車を載置する工程 (c) リング分割された炉体ブロックのうち、炉体支持部
    に支持される最下部のブロックを吊り具に固定し、吊り
    具に設けられた吊綱を介して、横移動台車に設けられた
    昇降装置により、所定高さまで吊り上げ、横移動台車を
    炉体櫓内部所定位置に移動させ、横移動台車に設けられ
    た昇降装置により、炉体ブロックを吊り降ろし、炉体櫓
    の支持部に固定する工程 (d) 既に設置されている炉体ブロックの上に載置され
    る、リング分割された炉体ブロックを吊り具に固定し、
    吊り具に設けられた吊綱を介して、横移動台車に設けら
    れた昇降装置により、所定高さまで吊り上げ、横移動台
    車を炉体櫓内部所定位置に移動させ、炉体ブロック昇降
    装置に設けられた昇降具により、所定高さまで吊り上
    げ、横移動台車に設けられた昇降装置により、炉体ブロ
    ックを吊り降ろし、下部の炉体ブロックと接合する工程 (e) (d)の工程を必要回数繰り返す工程
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の高炉の建
    設方法において、少なくとも一部の工程において吊り具
    を用いず、炉体ブロックを直接吊綱で吊るようにしたこ
    とを特徴とする高炉の建設方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちいずれか1
    項に記載の高炉の建設方法であって、高炉の構造が炉腹
    部を炉体櫓で支持するものであり、炉体支持部に支持さ
    れる最下部のブロックは炉体櫓で支持されるものであっ
    て、炉底部の建設は、請求項1の(d)〜(f)の工程、又は
    請求項2の(c)〜(e)の工程の少なくとも一部と重複して
    行われることを特徴とする高炉の建設方法。
  5. 【請求項5】 高炉の既存炉体を解体する方法であっ
    て、以下の工程を有してなる高炉の解体方法。 (a) 既存の炉体櫓に隣接して炉体ブロック昇降装置を設
    置する工程、(b) 当該炉体ブロック昇降装置と炉体櫓を
    連結し、その上に設けられたガーダーレール上を走行す
    る横移動台車により、炉体ブロックを炉体櫓内から搬出
    可能とする横移動台車走行用ガーダーを設ける工程、
    (c) 横移動台車走行ガーダーのガーダーレール上に、横
    移動台車を載置する工程、(d) 炉体部分の最上段部を、
    吊綱を介して横移動台車に吊り下げられた吊り具に固定
    して保持してから、適当な大きさのリング状ブロックに
    分割し、必要があれば吊り具に固定された吊綱を炉体櫓
    に設けられた昇降具に固定してから横移動台車に設けら
    れた吊綱係止装置を解放して昇降具により吊り上げ、そ
    の状態で横移動台車に設けられた吊綱係止装置によりそ
    の位置で吊綱を係止して前記昇降具から吊綱を開放した
    後、必要がなければそのまま、横移動台車を炉体ブロッ
    ク昇降装置位置まで移動させ、炉体ブロック昇降装置に
    設けられた昇降具に吊綱を固定した後、横移動台車の吊
    綱係止装置の係止を開放し、炉体ブロック昇降装置に設
    けられた昇降具により、炉体ブロックを地上に降ろす工
    程 (e) 残された炉体部分について、(d)の工程を繰り返す
    工程
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の高炉の解体方法におい
    て、(d)の工程を繰り返す際に、そのうちのひとつ以上
    の工程において、(d)の工程に代えて、以下の(d')の工
    程を実施することを特徴とする高炉の解体方法。 (d')炉体部分の最上段部を、適当な大きさのリング状ブ
    ロックに分割した後、吊り具に固定し、必要があれば吊
    り具に固定された吊綱を炉体櫓に設けられた昇降具に固
    定して吊り上げ、その状態で横移動台車に設けられた吊
    綱係止装置によりその位置で吊綱を係止して前記昇降具
    から吊綱を開放した後、必要が無ければそのまま、吊綱
    を介して横移動台車に吊り下げられた吊り具に固定して
    保持した後、横移動台車を炉体ブロック昇降装置位置ま
    で移動させ、炉体ブロック昇降装置に設けられた昇降具
    に吊綱を固定した後、横移動台車の吊綱係止装置の係止
    を開放し、炉体ブロック昇降装置に設けられた昇降具に
    より、炉体ブロックを地上に降ろす工程
  7. 【請求項7】 高炉の既存炉体を解体する方法であっ
    て、以下の工程を有してなる高炉の解体方法。 (a) 既存の炉体櫓又は新設した炉体櫓に隣接して、炉体
    ブロックを吊上・横移動するための横移動台車を搭載す
    る横移動台車ガーダー・架橋を設け、横移動台車により
    炉体ブロックを炉体櫓から搬出可能とするように、ガー
    ダーと炉体櫓を直結する工程 (b) 横移動台車走行ガーダーのガーダーレール上に、昇
    降装置を有する横移動台車を載置する工程 (c) 炉体部分の最上段部を、必要があれば吊綱を介して
    横移動台車に吊り下げられた吊り具に固定して保持して
    から適当な大きさのリング状ブロックに分割し、必要が
    無ければ適当な大きさのリング状ブロックに分割してか
    ら吊綱を介して横移動台車に吊り下げられた吊り具に固
    定して、その後、横移動台車の昇降装置により吊上げ
    て、横移動台車により炉体櫓の外に搬出し、その後、横
    移動台車の昇降装置により、地上に降ろす工程 (d) 残された炉体部分について、(c)の工程を繰り返す
    工程
  8. 【請求項8】 請求項5から請求項7のうちいずれか1
    項に記載の高炉の解体方法において、少なくとも一部の
    工程において吊り具を用いず、炉体ブロックを直接吊綱
    で吊るようにしたことを特徴とする高炉の解体方法。
  9. 【請求項9】 請求項5から請求項8のうちいずれか1
    項に記載の高炉の建設方法であって、高炉の構造が炉腹
    部を炉体櫓で支持するものであり、前記炉体支持部に支
    持される最下部のブロックは炉体櫓で支持されるもので
    あって、炉底部の解体は、前記請求項5の(d)〜(f)の工
    程、請求項6の(d')〜(f)の工程、又は請求項7の(c)〜
    (d)の工程の少なくとも一部と重複して行われることを
    特徴とする高炉の解体方法。
  10. 【請求項10】 請求項5から請求項9のうちいずれか
    1項に記載の高炉の解体方法によって、高炉を解体した
    後、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の
    もので、請求項1の(a)〜(c)の工程、又は請求項2の
    (a)〜(b)の工程を省略した高炉の建設方法によって高炉
    を建設する工程を有してなることを特徴とする高炉の改
    修方法。
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JP2007169742A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Nippon Steel Engineering Co Ltd 高炉炉体のブロックの欠陥検査方法、および、その欠陥補修方法
JP2009270179A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Nippon Steel Engineering Co Ltd 出銑口装置の設置方法および出銑口装置。
CN110186284A (zh) * 2019-05-20 2019-08-30 河南天利热工装备股份有限公司 一种电动推杆升降炉盖结构

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