JP3337811B2 - エンジンの過給装置 - Google Patents

エンジンの過給装置

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JP3337811B2 JP05705694A JP5705694A JP3337811B2 JP 3337811 B2 JP3337811 B2 JP 3337811B2 JP 05705694 A JP05705694 A JP 05705694A JP 5705694 A JP5705694 A JP 5705694A JP 3337811 B2 JP3337811 B2 JP 3337811B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ターボ過給機と、これ
を補助駆動する電動機と備えたエンジンの過給装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ターボ過給機を補助駆動する手段
として、電動機がよく用いられている。例えば、特公平
5−25007号公報には、アクセルペダルの踏み込み
量等に基づいて要求ブースト圧を算出し、このブースト
圧と実際のブースト圧との差に相当する電力と、ターボ
過給機のタービン回転速度に対応する電力とを演算し、
両電力を加算した必要供給電力を電動機に供給すること
により、急加速時にも十分なブースト圧が迅速に得られ
るようにした過給装置が示されている。
【0003】また、特公昭63−5565号公報には、
エンジン出力軸の回転力を利用して発電を行い、これに
より得られた電力を利用して補助駆動用の電動機を回す
ようにしたものが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような過給装置
では、比較的エンジン回転数の低い低速領域では、エン
ジン回転数を迅速に立ち上げるために大きなトルクを要
する反面、ターボ過給機の高回転は必要とされない。逆
に、比較的エンジン回転数の高い高速領域では、排気圧
上昇によるノッキングや排気昇温を防止する上からもタ
ーボ過給機の高速回転を維持する必要がある反面、大き
な駆動トルクは要求されない。
【0005】しかしながら、従来装置は上記のような特
性が考慮されておらず、このため、電動機の駆動に相当
な電力を消費してエンジン負荷を増大させているにもか
かわらず、低速領域において大きなターボラグが発生し
たり、高速領域において排気圧が上昇したりするおそれ
がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、電力消
費を極力抑えながら運転性能を効率良くアップすること
ができるエンジンの過給装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、コンプレッサとタービンとこ
れらを連結するターボ回転軸とをもつターボ過給機と、
上記ターボ回転軸を補助駆動する電動機と、この電動機
を駆動するためのパルス信号を作成するパルス作成手段
とを備え、上記パルス信号の波形の変化により上記電動
機の駆動が制御されるエンジンの過給装置において、予
め設定された過給領域においてエンジン回転数が高いほ
ど上記電動機への実質供給電圧の周波数を高めかつ供給
有効電圧を下げるように上記パルス信号の波形を制御す
るパルス制御手段を備えたものである(請求項1)。
【0008】このエンジンでは、エンジンの運転状態に
応じて要求過給圧を設定する要求過給圧設定手段を備
え、この設定された要求過給圧が一定以上の領域を上記
過給領域に設定するのが、好ましい(請求項2)。
【0009】また、エンジン回転数とスロットル開度と
に基づいて要求デューティー比を設定する要求デューテ
ィー比設定手段と、エンジン回転数とスロットル開度と
に基づいて要求周波数を設定する要求周波数設定手段と
を備え、これらの要求デューティー比及び要求周波数に
基づいて上記パルス信号の波形を制御するように上記パ
ルス制御手段を構成すれば、より優れた効果が得られる
(請求項3)。
【0010】この場合、上記要求デューティー比設定手
段はエンジン回転数及びスロットル開度と要求デューテ
ィー比とについて予め設定されたマップを記憶し、上記
要求周波数設定手段はエンジン回転数及びスロットル開
度と要求周波数とについて予め設定されたマップを記憶
するものが好適である(請求項4)。
【0011】また、エンジン回転数と実際の過給圧とに
基づいて現在のコンプレッサ回転数に対応する周波数を
演算する現在周波数演算手段と、この演算された周波数
と上記要求周波数とに基づいて最終的な出力周波数を設
定する出力周波数設定手段を備えることにより、さらに
好ましいものとなる(請求項5)。
【0012】上記各装置では、上記電動機の駆動に伴う
エンジン負荷の増大によってエンジンのトルク変動を相
殺するように上記パルス信号のデューティー比を補正す
るトルク変動抑制手段を備えたり(請求項6)、上記電
動機の温度が高いほど上記パルス信号のデューティー比
を高めに補正する温度補正手段を備えたり(請求項
7)、エンジンのアイドリング時にターボチャージャー
が過給を行っている状態が検出された場合に上記ターボ
チャージャーによる過給を阻止するアイドリング過給防
止手段を備えたり(請求項8)、エンジン加速時での実
際の過給圧が要求過給圧を一定以上上回る場合に上記タ
ーボチャージャーによる過給を阻止する異常過給防止手
段を備えたりする(請求項9)のが、より好ましい。
【0013】また、電力系統としては、エンジン出力軸
の回転力を利用してバッテリー電圧よりも高い電圧での
発電を行う発電手段と、この発電手段により生成された
電力を降圧してバッテリーに蓄電させる電圧降下手段と
を備え、上記発電手段により生成された電力を直接上記
パルス作成手段にパルス信号用電源として供給する電力
供給回路を構成したものが好適である(請求項10)。
【0014】上記ターボ回転軸は、一体型のものでも良
いが、このターボ回転軸をコンプレッサ側軸とタービン
側軸とに分割し、両者を切り離す状態と両者をトルク伝
達可能に連結する状態とに切換えるクラッチ手段を備え
るとともに、上記コンプレッサ側軸を補助駆動するよう
に上記電動機を構成することにより、後述のようなより
優れた効果が得られる(請求項11)。
【0015】この場合、上記クラッチ手段としては磁気
継手が好適であり(請求項12)、この磁気継手を構成
する永久磁石を上記電動機の回転子として共用すること
により、さらに好ましいものとなる(請求項13)。
【0016】
【作用】請求項1記載の装置によれば、予め設定された
過給領域において、パルス信号を元に電動機が駆動さ
れ、これによりターボ過給機が補助駆動される。そし
て、エンジン回転数が低い状態では、上記電動機への供
給電圧の周波数を下げかつ供給有効電圧を上げるように
上記パルス信号の波形が制御されることにより、加速を
行うのに十分な過給機トルクが効率良く確保される一
方、エンジン回転数が高い状態では、電動機への供給電
圧を下げながら周波数を高めることにより、電力消費は
抑えながらコンプレッサ回転数が十分高く維持される。
【0017】ここで、請求項2記載の装置では、設定さ
れた要求過給圧が一定以上の領域が過給領域として設定
されているため、要求過給圧が低い状態、すなわち過給
をほとんど要しない状態で電動機による補助駆動が無駄
に行われることが防がれる。
【0018】請求項3記載の装置では、エンジン回転数
とスロットル開度とに基づき、実際のエンジン運転状態
に見合った要求デューティー比及び要求周波数が設定さ
れ、これらに基づいて電動機駆動用パルス信号の波形が
適正に制御される。
【0019】より具体的に、請求項4記載の装置では、
上記要求デューティー比設定手段及び要求周波数設定手
段で予め記憶されたマップに基づき、上記要求デューテ
ィー比及び要求周波数がエンジンの運転状態の変化に応
じて迅速に設定される。
【0020】また、請求項5記載の装置では、エンジン
回転数と実際の過給圧とに基づいて実際のコンプレッサ
回転数に対応した周波数が演算され、この周波数と上記
要求周波数とに基づいて最終的な出力周波数が設定され
ることにより、実際のターボ過給機の運転状態をも考慮
したより適切な周波数制御が実行される。
【0021】請求項6記載の装置では、上記電動機の駆
動に伴うエンジン負荷の増大を利用して、エンジンのト
ルク変動が相殺される。従って、電動機による過給機補
助駆動を行いながらエンジントルクの変動抑制が果たさ
れる。
【0022】上記のような電動機を用いる場合には、そ
の温度が高くなるほどインピーダンスが増大して出力が
低下する傾向があるが、請求項7記載の装置では、電動
機の温度が高いほど上記パルス信号のデューティー比を
高めに補正する、すなわち実質電圧を低くするデューテ
ィー比制御が行われるため、温度変動にかかわらず電動
機の出力は正確に制御される。
【0023】請求項8,9記載の装置では、異常な過給
状態、例えば、エンジンのアイドリング時にターボチャ
ージャーが過給を行っている状態や、エンジン加速時で
の実際の過給圧が要求過給圧を一定以上上回る状態が検
出された場合に、上記ターボチャージャーによる過給が
阻止されることにより、過剰な過給が防がれる。
【0024】請求項10記載の装置では、エンジン出力
軸の回転力を利用して発電手段によりバッテリー電圧よ
りも高い電圧での発電が行われ、この電力がバッテリー
を通さずに、すなわち降圧されずに直接上記パルス作成
手段に送られるため、電動機は効率良く駆動されること
になる。
【0025】請求項11記載の装置によれば、タービン
回転数が低い状態では、クラッチ手段によりコンプレッ
サ側軸とタービン側軸とを切り離して慣性モーメントの
低いコンプレッサ側軸及びコンプレッサのみを電動機で
駆動することにより、少ない電力で迅速にコンプレッサ
回転数を高めることができる一方、タービン回転数が十
分に上昇した状態で上記コンプレッサ側軸とタービン側
軸とを連結することにより、排気エネルギを利用してタ
ーボ過給機を効率良く駆動することができる。
【0026】ここで、請求項12記載の装置では、上記
クラッチ手段が磁気継手であるため、油圧や電気を利用
せずにコンプレッサ側軸とタービン側軸との連結及び切
離しを回転数に応じて行うことができる。すなわち、コ
ンプレッサ側軸及びタービン側軸が静止している状態で
は、磁気による吸引力で両軸が連結される一方、始動時
においてコンプレッサ側軸の駆動トルクが一定以上高ま
った状態でそのトルクが上記磁気による吸引力を上回っ
て両軸が切り離され、コンプレッサ側軸のみの補助駆動
が行われる。その後、タービン側軸の回転数がコンプレ
ッサ側軸の回転数にほぼ追い着いた時点、すなわち両軸
の相対回転速度がほぼ0となった時点で上記磁気の吸引
力により両軸が自動的に連結され、排気エネルギを利用
したターボ回転軸全体の駆動が開始される。
【0027】さらに、請求項13記載の装置では、上記
磁気継手を構成する永久磁石が上記電動機の回転子とし
て共用されることにより、装置全体がよりコンパクト化
及び軽量化される。
【0028】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図7に基づいて
説明する。
【0029】図1に示すエンジン10の各気筒には、吸
気マニホールド12を介して共通吸気管14が接続され
ている。この共通吸気管14の途中には、上流側から順
にエアクリーナー18、ターボ過給機24のコンプレッ
サ26(詳細後述)、インタクーラー16、スロットル
弁15等が設けられている。上記各気筒には排気マニホ
ールド19を介して共通排気管20が接続されており、
その途中に、上記ターボ過給機24のタービン28(詳
細後述)、NOx浄化用触媒22、マフラー23等が設
けられている。
【0030】上記コンプレッサ26の上流側と下流側と
は上記コンプレッサ26を迂回するバイパス通路を介し
て接続され、その途中にエアバイパスバルブ(以下AB
Vと称する。)11が設けられている。また、スロット
ル弁15の上流側と下流側ともこのスロットル弁15を
迂回するバイパス通路で接続され、その途中にアイドル
回転数制御弁(以下ISC弁と称する。)21が設けら
れている。
【0031】上記ターボ過給機24の内部構造を図2に
示す。このターボ過給機24は、上記コンプレッサ26
及びタービン28を連結するターボ回転軸33を備えて
いる。コンプレッサ26はコンプレッサハウジング30
に収容され、タービン28はタービンハウジング32に
収容されており、コンプレッサハウジング30は上記共
通吸気管14の途中に組み込まれ、タービンハウジング
32は上記共通排気管20の途中に組み込まれている。
両ハウジング30,32は略円筒状の本体ハウジング3
4を介して連結され、この本体ハウジング34に軸受4
2を介して上記ターボ回転軸33が回転可能に支えられ
ている。
【0032】このターボ回転軸33の略中央部には、永
久磁石からなる回転子132が固定されている。本体ハ
ウジング34の内壁面において上記回転子132を取り
巻く位置には、コイルからなる固定子134が固定さ
れ、そのコイル銅線135が両端から導出されており、
この固定子134と上記回転子132とにより、上記タ
ーボ回転軸33を補助駆動する電動機136が構成され
ている。この電動機136としては、固定子と回転子と
が接触しない非接触型のモータが好ましく、具体的に
は、図示の直流ブラシレスモータの他、誘導モータ、リ
ラクタンスモータ等の交流モータも適用可能である。
【0033】前記図1に示すように、上記エンジン10
のクランク軸(エンジン出力軸)102には、駆動伝達
機構104を介してオルタネータ(発電手段)106が
連結されている。このオルタネータ106は、上記クラ
ンク軸102の回転力を利用してバッテリー電圧よりも
高い電圧で交流発電を行い、かつこれを整流して最終的
に直流電流を出力するものであり、その出力電流がコン
トローラ(電圧降下手段)108で降圧されてバッテリ
ー110に充電される一方、降圧しないまま直接インバ
ータ130に直接供給されるようになっている。このイ
ンバータ(パルス作成手段)130は、後述のECU1
20から入力される制御信号に基づき、上記オルタネー
タ106から供給される直流電流をパルス信号に変換し
て上記固定子134に供給し、電動機136を作動させ
るものである。
【0034】なお、この電動機136として交流モータ
を用いる場合には、電動機136とインバータ130と
の間に、インバータ130で作成されたパルス信号を交
流電流に変換するD/A変換器を設ければよい。
【0035】このエンジンには、クランク回転角を検出
するクランク角センサ112、スロットル開度を検出す
るスロットルセンサ114、スロットル弁15下流側の
吸気管内負圧を検出する吸気管負圧センサ116、吸入
空気量を検出するエアフローメータ118などが設けら
れ、これらの検出信号が上記ECU(コントロールユニ
ット)120に入力されるようになっている。
【0036】このECU120は、各センサからの入力
検出信号に基づき、上記インバータ130から固定子1
34に入力されるパルス信号の波形を制御し、これをも
って上記固定子134に供給されるパルス信号の有効電
圧と実質電圧の周波数とを制御するものである。その原
理は、一般のデューティー比制御と同様であり、次のよ
うなものである。 図4(a)に示すように、定められた周期内に含ま
れるパルスのパルス幅を徐々に増減させることによっ
て、同図(b)に示すように実質電圧を正弦曲線的に変
化させる。 図5(a)に示すように、各パルスのデューティー
比を増大させることにより、有効電圧を高め、逆に、同
図(b)に示すようにデューティー比を減少させること
により、有効電圧を下げる。前者の場合には、電動機1
36によるターボ回転軸33の補助駆動トルクを増や
し、後者の場合には補助駆動トルクを減らすことができ
る。 図6(a)に示すように、1周期内に含まれるパル
ス数を減らすことにより実質電圧の周波数を高め、逆
に、同図(b)に示すように1周期内に含まれるパルス
数を増やすことにより実質電圧の周波数を下げる。前者
のような周波数増加により、ターボ回転軸33の回転数
を高く維持することが可能となる。
【0037】このECU120は、上記のような制御を
具体的に行う手段として、図3に示すような要求過給圧
設定手段121、要求デューティー比設定手段122、
要求周波数設定手段123、及びパルス制御手段124
を備えている。
【0038】要求過給圧設定手段121は、クランク角
センサ112の検出信号に基づき求められるエンジン回
転数と、スロットルセンサ114の検出するスロットル
開度とに基づき、現在要求されていると判断できる要求
過給圧を設定するものである。具体的に、この要求過給
圧設定手段121は、図7(a)に示すような、エンジ
ン回転数及びスロットル開度と要求過給圧との関係につ
いて予め設定されたマップを記憶しており、このマップ
に基づいて要求過給圧を瞬時に設定するように構成され
ている。このマップでは、スロットル開度が大きいほど
高い要求過給圧が設定されており、この実施例では、要
求過給圧が0mmHg以上の運転領域が過給領域に設定され
ている。
【0039】要求デューティー比設定手段122は、上
記エンジン回転数とスロットル開度とに基づき、現在要
求されていると判断できる補助駆動トルクに対応する要
求デューティー比を設定するものである。具体的に、こ
の要求デューティー比設定手段122は、図7(b)に
示すような、エンジン回転数及びスロットル開度と要求
デューティー比との関係について予め設定されたマップ
を記憶しており、このマップに基づいて要求デューティ
ー比を瞬時に設定するように構成されている。このマッ
プでは、要求過給圧が0mmHgの領域において、エンジン
回転数が高くまたスロットル開度が大きいほど小さなデ
ューティー比が設定されている。
【0040】要求周波数設定手段123は、上記エンジ
ン回転数とスロットル開度とに基づき、現在要求されて
いると判断できるターボ回転数に対応する要求周波数を
設定するものである。具体的に、この要求周波数設定手
段123は、図7(c)に示すような、エンジン回転数
及びスロットル開度と要求周波数との関係について予め
設定されたマップを記憶しており、このマップに基づい
て要求周波数を瞬時に設定するように構成されている。
このマップでは、要求過給圧が0mmHgの領域において、
エンジン回転数が高くまたスロットル開度が大きいほど
高い周波数が設定されている。
【0041】パルス制御手段124は、上記要求過給圧
設定手段121により設定された要求過給圧が0mmHg未
満である場合には、インバータ130から固定子134
への電力供給を停止させる一方、上記要求過給圧が0mm
Hg以上である場合には、上記要求デューティー比設定手
段122により設定された要求デューティー比及び上記
要求周波数設定手段123により設定された要求周波数
が得られるパルス信号を固定子134へ入力させるよう
に、上記インバータ130に制御信号を出力するもので
ある。
【0042】次に、この装置の作用を説明する。
【0043】上記エンジン本体10が始動すると、その
出力軸であるクランク軸102に連結されているオルタ
ネータ106が発電を行い、その出力電流の一部がイン
バータ130に入力される。
【0044】一方、ECU120では、図7(a)に示
すようなマップとエンジン回転数及びスロットル開度と
に基づき要求過給圧が設定される。この要求過給圧が0
mmHg未満の場合、すなわち過給を特に必要としない場合
には、インバータ130から固定子134への電力供給
が止められ、電力の浪費が抑えられる。これに対し、要
求過給圧が0mmHg以上の場合には、図7(b)(c)に
示すマップと上記エンジン回転数及びスロットル開度と
に基づいて要求デューティー比及び要求周波数がそれぞ
れ設定され、これらの要求デューティー比及び要求周波
数を満足するパルス信号がインバータ130から固定子
134に入力されて、電動機136によるターボ回転軸
33の補助駆動が実行される。
【0045】ここで、エンジン回転数の低い状態では、
エンジン回転数を迅速に立ち上げるために大きなターボ
駆動トルクを要する反面、ターボ回転軸33の高速回転
は特に要しないという要求特性がある。この状態におい
て、図7(b)に示すように要求デューティー比には大
きな値が設定される一方、同図(c)に示すように要求
周波数には低い値が設定されるため、固定子134に
は、ターボ回転軸33を低速高トルクで駆動するための
パルス信号が入力されることになり、よって電動機13
6は上記要求特性に適合した状態で作動することにな
る。
【0046】逆に、エンジン回転数が高い状態では、エ
ンジン回転数を立ち上げるための大きなターボ駆動トル
クは必要とされない反面、ノッキング防止や排気昇温防
止の観点から、排気圧上昇を防ぐべくターボ回転軸33
の回転数を高く維持したいという要求特性がある。この
状態において、図7(b)に示すように要求デューティ
ー比には小さな値が設定される一方、同図(c)に示す
ように要求周波数には高い値が設定されるため、固定子
134には、ターボ回転軸33を高速低トルクで駆動す
るためのパルス信号が入力されることになり、この状態
においても電動機136は上記要求特性に適合した状態
で作動することになる。
【0047】従って、この装置によれば、エンジンの運
転状態にかかわらず、少ない電力で実際の要求特性に見
合ったターボ補助駆動を行うことができ、エンジン負荷
を最小限に抑えつつ運転性能の向上を図ることができ
る。
【0048】特に、この実施例では、要求過給圧設定手
段121、要求デューティー比設定手段122、要求周
波数設定手段123にそれぞれマップを記憶させ、この
マップに基づいて上記要求過給圧、要求デューティー
比、要求周波数をそれぞれ設定させるようにしているの
で、各要求値をより迅速に設定でき、制御精度を高める
ことが可能となっている。
【0049】なお、上記エンジンにおいて、バッテリー
110をパルス信号の電源として用いても良いが、上記
実施例のように、バッテリー電圧よりも高い電圧で発電
を行うオルタネータ106の出力電流を直接インバータ
130に導く電力供給回路を構成すれば、高圧電流をそ
のまま電動機136の駆動に利用することができ、電気
効率をさらに高めかつ良好な制御性を維持することが可
能となる。
【0050】次に、第2実施例を図8及び図9に基づい
て説明する。
【0051】一般に、過給機付エンジンでは、同一排気
量の自然吸気エンジンに比べて燃焼圧力が増大すること
から、図9上段に示すようなエンジン出力軸トルクの変
動幅も大きく、振動、騒音が増大しやすいという難点が
ある。一方、前記実施例で示した電動機136の駆動を
実行すると、その分エンジン負荷が増大してエンジン出
力軸トルクが減少するため、この電動機136の駆動に
消費する電力を変化させることにより、上記軸トルクを
意図的に変化させることが可能である。
【0052】そこで、この実施例では、図8に示すよう
なデューティー比補正手段(トルク変動抑制手段)12
5を備え、クランク角センサ112からの検出信号に基
づいて実際の軸トルクの振動周期及び位相を演算すると
ともに、図9下段に示すように、軸トルク振動の山に対
応する時点では実際のデューティー比を要求デューティ
ー比に維持し、この山の時点から谷の時点まで実際のデ
ューティー比を要求デューティー比から徐々に減らして
電動機136への実質供給電圧を下げるようにしてい
る。
【0053】このような構成にすれば、従前は軸トルク
が減少していた領域でこれに合せてエンジン負荷を削減
することにより、軸トルクの変動を相殺して軸トルクを
ほぼ一定化することができ、上記振動や騒音といった不
都合を効果的に緩和もしくは完全防止することができ
る。
【0054】次に、第3実施例を図10及び図11に基
づいて説明する。
【0055】一般に、電動機温度が上昇するとそのイン
ピーダンスが増大するため、上記各実施例に示したエン
ジンにおいて電動機136の温度が変動するとこの電動
機136による補助駆動トルクも変動し、安定したトル
クを得ることが難しくなる。そこで、この実施例では、
図10に示すような温度演算手段126及び温度補正手
段127を備えている。
【0056】同図において、温度演算手段126は、ク
ランク角センサ112及び吸気管負圧センサ116の検
出信号に基づき、過去の運転履歴を積算し、この積算し
た運転履歴に基づいて電動機136の推定温度を演算す
るものである。温度補正手段127は、図11に示すよ
うなマップ、すなわち、演算された電動機温度と実質電
圧とについて予め設定されたマップを記憶し、電動機温
度に応じて上記マップに示された実質電圧が得られるよ
うにデューティー比の補正をするものである。
【0057】このような構成によれば、上記図11に示
すように、所定温度(この実施例では200℃)に至る
までは温度上昇に応じて徐々に実質電圧が上げられ、す
なわちデューティー比が増やされ、上記所定温度以上の
高温域でのみ最高実質電圧Voが維持される、すなわち
デューティー比を最高デューティー比(任意のエンジン
回転数及びスロットル開度に対応して設定される最高の
デューティー比)に設定されるので、インピーダンスが
温度変化に伴って変動しても電動機136による安定し
た補助駆動トルクを得ることができる。
【0058】次に、第4実施例を図12及び図13に基
づいて説明する。
【0059】一般に、エンジン回転数及び過給圧とター
ボ過給機24のコンプレッサ回転数との間には図13に
示すような相関関係があり、従って、この関係から、エ
ンジン回転数及び過給圧に基づいて実際のコンプレッサ
回転数を推定演算することが可能である。
【0060】そこで、この実施例では、図12に示すよ
うな現在周波数演算手段128及び出力周波数設定手段
129を付加し、前記第1実施例と同様にして要求周波
数設定手段121で設定された要求周波数F1と、図1
2に示される関係に基づいて現在周波数演算手段128
で求められた現在周波数(すなわち、図12に基づいて
演算される現在コンプレッサ回転数に対応する周波数)
F2に基づき、出力周波数設定手段129により最終的
な出力周波数Fが設定されるようにしている。具体的
に、この出力周波数設定手段129は、例えば次のよう
な式に基づいて出力周波数Fを演算する。
【0061】
【数1】F= √(F1×F2) このような構成によれば、特別なセンサなどを設けるこ
となく実際のコンプレッサ回転数を把握し、このコンプ
レッサ回転数に基づいて実際の過給状態を考慮したパル
ス周波数制御を行うことが可能となる。
【0062】次に、第5実施例を説明する。
【0063】上記のような電動機付ターボ過給機では、
何らかの要因で電動機136が暴走などすると、過剰な
過給が行われるおそれがある。このような異常過給の態
様としては、主に次の二つが挙げられる。 a)エンジンがアイドリング状態であるにもかかわらず
電動機136による補助駆動が行われている。 b)エンジン加速時に電動機136が過剰な補助駆動を
行っている。
【0064】そこでこの実施例では、上記ECU120
をアイドリング過給防止手段及び過剰過給防止手段と
し、上記のa)b)に対する手段としてそれぞれ次のよ
うな制御動作を行うように構成している。
【0065】A)ISC弁21の開度補正量が、予め設
定された正常範囲を上回った場合に、電動機136が補
助駆動を行っているものと判断してABV11を開く。
【0066】B)図14に示すように、吸気管負圧セン
サ116により検出される検出吸気管内負圧(同図破
線)の絶対値が、前記図7(a)のマップに基づいて算
出された要求過給圧(すなわち算出吸気管内負圧;同図
実線)を上回る場合に、電動機136が過剰な補助駆動
を行っていると判断し、ABV11を開く。
【0067】このような構成によれば、何らかの要因で
電動機136の補助駆動が過剰状態になっても、適宜A
BV11を開くことによって過給圧の過度の上昇を未然
に防ぐことができ、安全性をより高めることができる。
【0068】なお、上記異常過給状態を検出する手段は
特に問わず、例えばアイドリング時では、スロットル弁
15が全閉でかつエンジン回転数がアイドル回転数以下
の状態でのエアフローメータ118による検出吸入空気
量が予め設定された正常範囲を超える場合に、電動機1
36の補助駆動が行われていると判定してもよい。
【0069】また、上記実施例では、検出負圧が要求過
給圧を少しでも上回る場合にABV11を開くものを示
したが、検出負圧の絶対値が要求過給圧を0よりも大き
い一定値以上の場合(前記実施例は一定値が0の場合に
該当する。)にABV11を開くようにしてもよい。
【0070】次に、第6実施例を図15及び図16に基
づいて説明する。
【0071】この実施例では、前記各実施例におけるタ
ーボ回転軸33がコンプレッサ側軸36とタービン側軸
38とに軸方向に分割され、両者間に磁気継手139が
設けられている。詳しくは、上記コンプレッサ側軸36
の端部に円筒部36aが形成され、この円筒部36aの
先端に円筒状のコンプレッサ側永久磁石137が固定さ
れる一方、タービン側軸38の端部であって上記コンプ
レッサ側永久磁石137の内側に位置する部分の周囲に
円筒状のタービン側永久磁石138が固定されている。
両永久磁石137,138は、計4極のN極及びS極が
周方向に交互に配されたものであり、静止状態におい
て、コンプレッサ側永久磁石137のN極の内周面には
タービン側永久磁石138のS極の外周面が対向し、コ
ンプレッサ側永久磁石137のS極の内周面にはタービ
ン側永久磁石138のN極の外周面が対向するように配
置されている。そして、コンプレッサ側永久磁石137
の周囲に前記電動機136の固定子134が配設されて
おり、コンプレッサ側永久磁石137が当該電動機13
6の回転子として兼用されている。
【0072】このような装置によれば、両軸36,38
が静止した状態では、コンプレッサ側永久磁石137の
N極及びS極とタービン側永久磁石138のS極及びN
極との間の吸引力により、両軸36,38が一体に連結
される。この状態から固定子134が通電され、電動機
136が作動すると、コンプレッサ側永久磁石137に
駆動トルクが与えられるが、この駆動トルクが一定以上
になった時点、より具体的には上記駆動トルクが永久磁
石137,138同士の吸着力による伝達可能最大トル
クを上回った時点で、コンプレッサ側永久磁石137が
タービン側永久磁石138から切り離され、コンプレッ
サ側軸36及びコンプレッサ26のみが電動機136に
よって補助駆動され始める。
【0073】なお、補助駆動開始後は、コンプレッサ側
永久磁石137の例えばN極が、タービン側永久磁石1
38のS極に吸引される状態とN極に反発される状態と
を交互に繰り返すため、両者の吸引及び反発が駆動トル
クに与える影響力の平均は0となり、磁気継手139が
ない場合と同等の平均トルクでコンプレッサ側軸36が
補助駆動されることとなる。
【0074】このような補助駆動により、コンプレッサ
回転数がタービン回転数に先行して上昇するが、その後
排気エネルギが上昇してタービン回転数がコンプレッサ
回転数にほぼ追い着くと(すなわちコンプレッサ側軸3
6とタービン側軸38との相対回転速度がほぼ0になる
と)、両永久磁石137,138同士の吸引力により両
軸36,38が再び連結され、ターボ回転軸33として
一体に駆動される状態となる。
【0075】従って、この装置によれば、タービン回転
数が低い状態では、磁気継手139の作用で自動的にコ
ンプレッサ側軸36をタービン側軸38から切離し、比
較的慣性モーメントの小さいコンプレッサ26及びコン
プレッサ側軸36のみを補助駆動することにより、迅速
にコンプレッサ回転数を高め、過給応答性を向上させる
ことができる。しかも、タービン回転数がコンプレッサ
回転数とほぼ同等の回転数まで高まると、上記磁気継手
139の作用で自動的に両軸36,38を連結し、一体
に回転させることにより、排気エネルギを有効に利用し
た過給を行うことができる。
【0076】また、上記磁気継手139は、電磁クラッ
チや油圧クラッチと異なり電気や油圧の供給を要しない
ので、その切換の際にエンジン負荷を増大させることが
なく、また構造自体も簡略化できる。さらに、上記実施
例では磁気継手139のコンプレッサ側永久磁石137
を電動機136の回転子として兼用しているので、装置
全体の小型化及び軽量化をさらに進めることが可能とな
っている。
【0077】ただし、本願請求項11記載の発明では、
クラッチ手段の種類を問わず、上記電磁クラッチや油圧
クラッチで両軸36,38の連結及び切離しを行うこと
も可能である。
【0078】次に、第7実施例を図17に基づいて説明
する。
【0079】この実施例では、タービン側軸38の端部
に上記円筒部36aと同様の円筒部38aが設けられ、
その端部に円筒状のタービン側永久磁石138が固定さ
れる一方、コンプレッサ側軸36の端部に、上記タービ
ン側永久磁石138よりも軸方向寸法の大きなコンプレ
ッサ側永久磁石137が固定され、このコンプレッサ側
永久磁石137の約半分のみがタービン側永久磁石13
8の内側に挿入された状態となっている。そして、残り
の半分の外側に電動機136の固定子134が配され、
よってこの実施例でも上記コンプレッサ側永久磁石13
7が電動機136の回転子として共用された状態となっ
ている。
【0080】このような構造によれば、前記第6実施例
とは逆に、コンプレッサ側永久磁石137がタービン側
永久磁石138の内側に配されているので、コンプレッ
サ側の慣性モーメントをより小さくすることができ、両
軸36,38を切り離した状態でコンプレッサ回転数を
より迅速に上昇させることが可能になる。
【0081】なお、両永久磁石137,138の配置は
上記のようなものに限らず、例えば第8実施例として図
18及び図19に示すように、コンプレッサ側永久磁石
137とタービン側永久磁石138とを軸方向に対向さ
せるようにしてもよい。ただし、この場合は、各部品の
軸方向の寸法誤差や組立て誤差の積算によって両永久磁
石137,138間の隙間寸法を正確に得ることが難し
いのに対し、前記第6実施例や第7実施例にに示すよう
に両永久磁石137,138を径方向に対向させること
により、両永久磁石137,138間の隙間寸法を比較
的容易に精度良く確保することができる利点が生じる。
【0082】この磁気継手139では、必ずしもコンプ
レッサ側軸36とタービン側軸38との双方に永久磁石
を設ける必要はなく、例えば第9実施例として図20及
び図21に示すように、前記第7実施例で示したタービ
ン側軸38の円筒部38aを鋼などの磁性体で構成して
その内周面にコンプレッサ側永久磁石137の磁極数と
同数の軸方向の溝38bを形成し、これら溝38b同士
の間に形成された突出部38cの内周面を直接上記コン
プレッサ側永久磁石137の外周面に対向させるように
してもよい。この場合も、コンプレッサ側永久磁石13
7による磁力で各突出部38cが相互独立して磁化され
ることにより、これらコンプレッサ側永久磁石137と
円筒部38aとの間に吸引力が発生することとなる。
【0083】
【発明の効果】以上のように本発明は、ターボ回転軸を
電動機により適宜補助駆動する過給装置であって、予め
設定された過給領域において、エンジン回転数が低い状
態では、上記電動機への供給電圧の周波数を下げかつ供
給有効電圧を上げるように電動機駆動用パルス信号の波
形を制御する一方、エンジン回転数が高い状態では、電
動機への供給電圧を下げながら周波数を高めるように上
記パルス信号の波形を制御するようにしたものであるの
で、低速運転時には、ターボ回転数を抑制する一方でエ
ンジン回転数立ち上げのために十分な補助駆動トルクを
確保し、逆に高速運転時には、補助駆動トルクを抑える
一方で補助駆動速度を高めてターボ回転数を高く維持
し、排気圧上昇に起因する排気昇温やノッキングなどの
発生を防ぐことができる。すなわち、電動機の駆動によ
る電力消費及びエンジン負荷の増大を極力抑えながらエ
ンジンの運転性能を向上させることができる効果があ
る。
【0084】ここで、請求項2記載の装置では、エンジ
ンの運転状態に応じて要求過給圧を設定し、この要求過
給圧が一定以上の領域を過給領域としているため、要求
過給圧が低い状態、すなわち過給をほとんど要しない状
態では電動機による補助駆動を停止することにより、電
力消費量をさらに抑えることができる効果がある。
【0085】請求項3記載の装置では、エンジン回転数
とスロットル開度とに基づいて要求デューティー比及び
要求周波数を設定し、これらに基づいて上記パルス信号
の波形制御を行うようにしているので、実際のエンジン
運転状態に見合ったデューティー比及び周波数をもつパ
ルス信号を形成でき、上記電動機の補助駆動をより適正
に制御することができる効果がある。
【0086】ここで、請求項4記載の装置では、上記要
求デューティー比設定手段及び要求周波数設定手段にマ
ップを記憶させ、このマップに基づき上記要求デューテ
ィー比及び要求周波数の設定を行うようにしているの
で、これら要求デューティー比及び要求周波数の設定動
作をより迅速にし、制御応答性を高めることができる効
果がある。
【0087】また、請求項5記載の装置では、上記要求
周波数と実際のコンプレッサ回転数に対応する周波数と
に基づいて最終的な出力周波数を設定するようにしてい
るので、実際のターボ過給機の運転状態をも考慮したよ
り適切な周波数制御を実行することができる効果があ
る。また、上記実際のコンプレッサ回転数をエンジン回
転数と実際の過給圧とに基づいて演算するようにしてい
るので、特別なセンサなどを用いずに安価な構造で上記
制御を実行することができる。
【0088】請求項6記載の装置は、上記電動機の駆動
に伴うエンジン負荷の増大を利用してエンジンのトルク
変動を相殺するように上記パルス信号のデューティー比
を補正するものであるので、電動機による過給機補助駆
動を行いながらエンジントルクの変動を効果的に抑制す
ることができ、このようなトルク変動に起因する振動や
騒音などの不都合を特別な手段を用いることなく十分低
減させることができる効果がある。
【0089】請求項7記載の装置では、電動機の温度が
高いほど上記パルス信号のデューティー比を高めに補正
する温度補正手段を備えているので、温度変動にかかわ
らず電動機の出力を正確に制御でき、温度変動に起因す
る補助駆動トルクの変動を十分に抑制できる効果があ
る。
【0090】請求項8,9記載の装置では、異常な過給
状態、例えば、エンジンのアイドリング時にターボチャ
ージャーが過給を行っている状態や、エンジン加速時で
の実際の過給圧が要求過給圧を一定以上上回る状態が検
出された場合に、上記ターボチャージャーによる過給を
阻止する手段を備えているので、電動機の暴走などによ
って過剰な過給が行われるのを未然に防ぐことができ、
安全性をさらに高めることができる効果がある。
【0091】請求項10記載の装置では、エンジン出力
軸の回転力を利用してバッテリー電圧よりも高い電圧で
発電を行う発電手段を備え、その出力電流を上記バッテ
リーを通さずに直接上記パルス入力手段に供給する電力
供給回路を備えているので、降圧されずに供給された高
圧電流でパルス信号を作成することにより、効率良く上
記電動機を駆動することができる効果がある。
【0092】請求項11記載の装置は、上記ターボ回転
軸をコンプレッサ側軸とタービン側軸とに分割し、両者
の連結及び切離しを行うクラッチ手段を備えるととも
に、上記コンプレッサ側軸を補助駆動するように上記電
動機を構成したものであるので、タービン回転数が比較
的低い状態では、クラッチ手段によりコンプレッサ側軸
とタービン側軸とを切り離して慣性モーメントの低いコ
ンプレッサ側軸及びコンプレッサのみを電動機で駆動す
ることにより、少ない電力で迅速にコンプレッサ回転数
を上昇することができる一方、タービン回転数がある程
度上昇した状態では上記コンプレッサ側軸とタービン側
軸とを連結することにより、排気エネルギを利用してタ
ーボ過給機を効率良く駆動することができる効果があ
る。
【0093】ここで、請求項12記載の装置では、上記
クラッチ手段として磁気継手を利用しているので、油圧
や電気を用いることなく、タービン回転数が低い状態で
両軸を自動的に切離し、タービン回転数がコンプレッサ
回転数とほぼ同等の高い回転数にまで達した時点からは
両軸を自動的に連結することができる効果がある。
【0094】さらに、請求項13記載の装置では、上記
磁気クラッチを構成する永久磁石を上記電動機の回転子
として共用しているので、装置全体をより小型化及び軽
量化することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるエンジンの全体構
成図である。
【図2】上記エンジンに搭載されるターボ過給機の断面
図である。
【図3】上記エンジンに装備されるコントロールユニッ
トの機能構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は上記エンジンのターボ過給機に設けら
れた電動機に入力されるパルス信号の一例を示すグラ
フ、(b)は上記パルス信号の波形に対応する実質電圧
の波形を示すグラフである。
【図5】(a)は上記パルス信号におけるデューティー
比を大きく設定した例を示すグラフ、(b)は上記デュ
ーティー比を小さく設定した例を示すグラフである。
【図6】(a)は上記パルス信号において1周期あたり
のパルス数を少なく設定した例を示すグラフ、(b)は
上記パルス数を多く設定した例を示すグラフである。
【図7】(a)はエンジン回転数及びスロットル開度と
要求過給圧との関係について予め設定されたマップ、
(b)はエンジン回転数及びスロットル開度と要求デュ
ーティー比との関係について予め設定されたマップ、
(c)はエンジン回転数及びスロットル開度と要求周波
数との関係について予め設定されたマップである。
【図8】本発明の第2実施例におけるコントロールユニ
ットの機能構成を示すブロック図である。
【図9】上記実施例におけるエンジン出力軸のトルク変
動と電動機に供給される実質電圧の変動との関係を示す
グラフである。
【図10】本発明の第3実施例におけるコントロールユ
ニットの機能構成を示すブロック図である。
【図11】上記実施例における制御下での電動機温度と
実質電圧との関係を示すグラフである。
【図12】本発明の第4実施例におけるコントロールユ
ニットの機能構成を示すブロック図である。
【図13】上記実施例において演算されるコンプレッサ
回転数とエンジン回転数及び過給圧との関係を示すグラ
フである。
【図14】本発明の第5実施例において検出吸気管内負
圧が算出吸気管内負圧を上回った状態を示すグラフであ
る。
【図15】本発明の第6実施例におけるターボ過給機の
要部を示す断面正面図である。
【図16】上記ターボ過給機の断面側面図である。
【図17】本発明の第7実施例におけるターボ過給機の
要部を示す断面正面図である。
【図18】本発明の第8実施例におけるターボ過給機の
要部を示す断面正面図である。
【図19】(a)は図18のA−A線断面図、(b)は
図18のB−B線断面図である。
【図20】図21のC−C線断面図である。
【図21】本発明の第9実施例におけるターボ過給機の
磁気継手を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
10 エンジン本体 11 ABV(アイドリング過給防止手段及び過剰過給
防止手段) 14 吸気通路 15 スロットル弁 20 排気通路 24 ターボ過給機 26 コンプレッサ 28 タービン 33 ターボ回転軸 36 コンプレッサ側軸 38 タービン側軸 106 オルタネータ(発電手段) 110 バッテリー 112 クランク角センサ 114 スロットルセンサ 116 吸気管負圧センサ 118 エアフローメータ 120 ECU(アイドリング過給防止手段及び過剰過
給防止手段) 121 要求過給圧設定手段 122 要求デューティー比設定手段 123 要求周波数設定手段 124 パルス制御手段 125 デューティー比補正手段(トルク変動抑制手
段) 126 温度演算手段 127 温度補正手段 128 現在周波数演算手段 129 出力周波数設定手段 130 インバータ(パルス作成手段) 132 回転子 134 固定子 136 電動機 137 コンプレッサ側永久磁石 138 タービン側永久磁石 139 磁気継手
フロントページの続き (72)発明者 清水 勉 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 山本 研一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 川戸 康史 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 須原 俊男 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 平木 英治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 37/10 F02B 37/12

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンプレッサとタービンとこれらを連結
    するターボ回転軸とをもつターボ過給機と、上記ターボ
    回転軸を補助駆動する電動機と、この電動機を駆動する
    ためのパルス信号を作成するパルス作成手段とを備え、
    上記パルス信号の波形の変化により上記電動機の駆動が
    制御されるエンジンの過給装置において、予め設定され
    た過給領域においてエンジン回転数が高いほど上記電動
    機への実質供給電圧の周波数を高めかつ供給有効電圧を
    下げるように上記パルス信号の波形を制御するパルス制
    御手段を備えたことを特徴とするエンジンの過給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの過給装置にお
    いて、エンジンの運転状態に応じて要求過給圧を設定す
    る要求過給圧設定手段を備え、この設定された要求過給
    圧が一定以上の領域を上記過給領域に設定したことを特
    徴とするエンジンの過給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のエンジンの過給
    装置において、エンジン回転数とスロットル開度とに基
    づいて要求デューティー比を設定する要求デューティー
    比設定手段と、エンジン回転数とスロットル開度とに基
    づいて要求周波数を設定する要求周波数設定手段とを備
    え、これらの要求デューティー比及び要求周波数に基づ
    いて上記パルス信号の波形を制御するように上記パルス
    制御手段を構成したことを特徴とするエンジンの過給装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエンジンの過給装置にお
    いて、上記要求デューティー比設定手段はエンジン回転
    数及びスロットル開度と要求デューティー比とについて
    予め設定されたマップを記憶し、上記要求周波数設定手
    段はエンジン回転数及びスロットル開度と要求周波数と
    について予め設定されたマップを記憶していることを特
    徴とするエンジンの過給装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載のエンジンの過給
    装置において、エンジン回転数と実際の過給圧とに基づ
    いて現在のコンプレッサ回転数に対応する周波数を演算
    する現在周波数演算手段と、この演算された周波数と上
    記要求周波数とに基づいて最終的な出力周波数を設定す
    る出力周波数設定手段を備えたことを特徴とするエンジ
    ンの過給装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のエンジ
    ンの過給装置において、上記電動機の駆動に伴うエンジ
    ン負荷の増大によってエンジンのトルク変動を相殺する
    ように上記パルス信号のデューティー比を補正するトル
    ク変動抑制手段を備えたことを特徴とするエンジンの過
    給装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のエンジ
    ンの過給装置において、上記電動機の温度が高いほど上
    記パルス信号のデューティー比を高めに補正する温度補
    正手段を備えたことを特徴とするエンジンの過給装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のエンジ
    ンの過給装置において、エンジンのアイドリング時にタ
    ーボチャージャーが過給を行っている状態が検出された
    場合に上記ターボチャージャーによる過給を阻止するア
    イドリング過給防止手段を備えたことを特徴とするエン
    ジンの過給装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のエンジ
    ンの過給装置において、エンジン加速時での実際の過給
    圧が要求過給圧を一定以上上回る場合に上記ターボチャ
    ージャーによる過給を阻止する異常過給防止手段を備え
    たことを特徴とするエンジンの過給装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のエン
    ジンの過給装置において、エンジン出力軸の回転力を利
    用してバッテリー電圧よりも高い電圧での発電を行う発
    電手段と、この発電手段により生成された電力を降圧し
    てバッテリーに蓄電させる電圧降下手段とを備え、上記
    発電手段により生成された電力を直接上記パルス作成手
    段にパルス信号用電源として供給する電力供給回路を構
    成したことを特徴とするエンジンの過給装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のエ
    ンジンの過給装置において、上記ターボ回転軸をコンプ
    レッサ側軸とタービン側軸とに分割し、両者を切り離す
    状態と両者をトルク伝達可能に連結する状態とに切換え
    るクラッチ手段を備えるとともに、上記コンプレッサ側
    軸を補助駆動するように上記電動機を構成したことを特
    徴とするエンジンの過給装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のエンジンの過給装置
    において、上記クラッチ手段を磁気継手で構成したこと
    を特徴とするエンジンの過給装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のエンジンの過給装置
    において、上記磁気継手を構成する永久磁石を上記電動
    機の回転子として共用したことを特徴とするエンジンの
    過給装置。
JP05705694A 1994-03-28 1994-03-28 エンジンの過給装置 Expired - Fee Related JP3337811B2 (ja)

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