JP3337325B2 - 熱可塑性エラストマーの製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマーの製造方法

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JP3337325B2
JP3337325B2 JP18260694A JP18260694A JP3337325B2 JP 3337325 B2 JP3337325 B2 JP 3337325B2 JP 18260694 A JP18260694 A JP 18260694A JP 18260694 A JP18260694 A JP 18260694A JP 3337325 B2 JP3337325 B2 JP 3337325B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性エラストマー
の製造方法に関するものである。更に詳しくは、柔軟性
に富み、広い温度範囲にわたるゴム特性、高温クリープ
性能、常温、高温における機械強度、耐熱性、成形加工
性に優れ、且つ難燃性を付与しているため、各種成形物
の素材として使用できる新規な熱可塑性エラストマーの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム的な軟質材料であって、加硫
工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を
有する熱可塑性エラストマーが自動車部品、家電部品、
電線被覆材、医療部品、雑貨、履物等の分野で利用され
ている。熱可塑性エラストマーの構造の代表的な例とし
ては特開昭61−34050号公報等に記載されている
ように共重合体鎖中にハードセグメント及びソフトセグ
メントを交互に含有している種類のものがある。そし
て、これらは各セグメントの割合を変えることにより柔
軟性に富むものから、剛性のあるものまで各種のグレー
ドが製造されている。更に、安価でそして容易に入手で
きる原料物質から導かれた別種類の熱可塑性エラストマ
ーもある。即ち、特開昭53−21021号公報等に記
載されているように有機過酸化物を用いて部分架橋した
モノオレフィン共重合体ゴムとポリオレフィン樹脂との
熱可塑性ブレンドあるいはモノオレフィン共重合体ゴム
とポリオレフィン樹脂に架橋助剤として有機過酸化物を
用いて溶融混練を行い、部分架橋した組成物がこれに該
当する。しかしながら、前者の共重合体鎖中にハードセ
グメント及びソフトセグメントを交互に含有している構
造を持つ熱可塑性エラストマーの場合、柔軟性のある熱
可塑性エラストマーとするためにはソフトセグメントを
多量に含むことが必要となる。通常、ソフトセグメント
は引張強度が弱く、耐熱性、流動性、耐油性が悪いこと
からこのようなソフトセグメントを多量に含む柔軟性の
ある熱可塑性エラストマー組成物はやはり、引張強度が
弱く、耐熱性、流動性、耐油性が悪いといった欠点を持
ち、広範囲にわたっての各種用途に用いる事が出来な
い。また、柔軟性グレードを多段合成法により合成する
場合は、ハードセグメントとソフトセグメントを別々に
合成する必要があるため、重合装置が非常に複雑になる
とともに、重合段階での各セグメントの性状や割合のコ
ントロールが非常に難しく、またグレードの切り替え時
に不良品が発生する事もある。更に生成したポリマーの
回収もゴム的な性状のものが多量に含まれることから非
常に困難である。
【0003】後者の、成分中のモノオレフィン共重合体
ゴムに部分架橋を施した構造の熱可塑性エラストマーの
場合は、部分架橋であるために耐油性及び高温下での形
状回復性等が不十分であるために広範囲にわたっての各
種用途に用いる事が出来ない。また、有機過酸化物を用
いているために、架橋と同時に有機過酸化物に起因する
ラジカルによりポリマー鎖の切断が起こり機械強度の低
下もみられるという欠点も有している。この欠点を克服
する手段が特公昭58−46138号公報等に記載され
ている。即ち架橋剤として熱反応性アルキルフェノール
樹脂を用いる事によりモノオレフィン共重合体ゴムの架
橋のみを優先的に進めるという手段である。この手段で
得られる熱可塑性エラストマ−は完全架橋であるため耐
油性及び高温下での形状回復性等は十分であるが、アル
キルフェノール樹脂を用いているため耐光性が著しく悪
く、調色の自由度が求められる自動車部品、家電用部
品、電線被覆等の用途に用いる事が出来ない。また、架
橋剤としてアルキルフェノール樹脂の代わりに有機オル
ガノシロキサン化合物を用いる手法がUSP48032
44に記載されている。この方法ではアルキルフェノー
ル樹脂架橋と同時にモノオレフィン共重合体ゴムの架橋
のみを優先的に進めることができ、耐油性、高温下での
形状回復性及び耐光性等に非常に優れた材料が得られ
る。しかし、前述したエラストマーは全て燃え易いとい
う欠点がある。この欠点を改良するため、ハロゲン系や
燐系あるいは窒素系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム等いわゆる添加型難燃剤を配合する手法
が行われてきたが、これらの手法のみでは得られる組成
物の難燃性が不十分であるいう問題があった。最も良い
難燃化の手法は、樹脂自体を難燃性にする手法であり、
熱可塑性エラストマーの場合、ハロゲン化ポリオレフィ
ンを配合する方法が用いられてきたが、この方法では、
難燃性は向上するものの、環境破壊で問題となっている
ハロゲンを多量に用いなければならないという問題があ
った。以上から、熱可塑性エラストマーとハロゲンを含
まない難燃性樹脂とのポリマーアロイにより熱可塑性樹
脂の難燃化を行うことが出来れば最も好ましいが、熱可
塑性樹脂は、他の樹脂との相溶性が悪いため、従来この
ような方法による難燃化は見いだされていなかった。こ
れらの欠点を改良の為、熱可塑性樹脂に難燃性良好なフ
ェノールホルムアルデヒド樹脂を配合した組成物に関す
る方法が特公平4−1245号公報に記載されている
が、この発明のポリオレフィン系組成物は難燃性に関し
ては改善効果を有しているものの、この方法ではフェノ
ール樹脂を配合することによって耐寒性、機械特性の低
下等が生じ、実用化レベルなものは得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は調色及び衛生
性、耐光性が求められる用途も含めての広範囲にわたっ
ての各種用途に適用可能、且つ特性の低下を招くことな
く、また広い温度範囲にわたり、良好なゴム特性を維持
しながら、ノンハロゲンで難燃性の向上した熱可塑性エ
ラストマ−を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は従来の熱可塑性
エラストマー組成物では困難であった問題を解決するた
めになされたものであり、広い温度範囲にわたって良好
なゴム特性を維持しつつ、低温耐衝撃性、低い残留重金
属物等の特徴を有しているため、衛生性や難燃性が求め
られる用途も含めての広範囲にわたっての各種用途に用
いることができる。更に熱可塑性エラストマーに難燃性
を付与させるべく熱可塑性エラストマーと無機系難燃剤
と難燃性良好なフェノールノボラック樹脂について検討
した結果、熱可塑性エラストマーと無機系難燃剤とフェ
ノールノボラック樹脂を単純にブレンドする方法につい
て検討したが、この方法では難燃性は改善されるが耐寒
性、機械特性の低下を招くという欠点が生じることが判
った。そこで更に鋭意検討した結果、フェノールノボラ
ック樹脂と容易に反応するエポキシ基を有するエポキシ
変性樹脂を配合することにより、比較的低分子量で脆い
フェノールノボラック樹脂をカバーし、難燃性を損なう
こと無く、従来の欠点であった耐寒性、機械特性等が改
善されることを見いだし本発明を完成するに至ったもの
である。
【0006】即ち本発明は、エチレン−α・オレフィン
非共役ジエン共重合ゴム(a)、ポリオレフィン系樹脂
(b)、分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノ
シロキサン系架橋剤(c)及びハイドロシリル化触媒
(d)からなる樹脂組成物(h)に対し、フェノールノ
ボラック樹脂(e)、分子内にエポキシ基を有するエポ
キシ変性ポリオレフィン系樹脂、または、少なくとも1
個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと
少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロックよりなるブロック共重合体を水素添加して得ら
れる水添ブロック共重合体のエポキシ変性物の中から選
ばれた1種以上の樹脂(f)及びAl(OH)3、Mg
(OH)2、赤リン等の中から選ばれた1種以上の無機
系添加型難燃剤(g)を添加し、動的に熱処理すること
を特徴とする熱可塑性エラストマーの製造方法である。
この場合樹脂組成物(h)は予め動的に熱処理されてい
る方が好ましい。
【0007】本発明で用いられるエチレン−α・オレフ
ィン−非共役ジエン共重合体ゴム(a)はその組成にお
けるα・オレフィンは炭素数3〜15のものが適する。
非共役ジエンとしてはジシクロペンタジエン、1,4−
ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、及びメチレン
ノルボルネン等が使用できる。本発明においては入手の
容易さ、耐衝撃性改良の観点からα・オレフィンとして
はポリプロピレンが適する。従って、EPDMが好適と
なる。共重合ゴムのエチレン/α・オレフィン比は重量
比で50/50〜90/10、更に好適には60/40
〜80/20が適する。ここで、用いられるゴムのムー
ニ粘度、ML1+4(100℃)は100〜120、好ま
しくは40〜100の範囲から好適に選ぶ事ができる。
このムーニ粘度が10未満のものを用いた場合、好まし
い架橋が得られず高温での圧縮永久歪みの改良が期待で
きず、好ましくない。また、120を超えたものは成形
加工性が著しく悪化し、更に成形品の外観が悪化するた
め好ましくない。また、このゴムのヨウ素価は5〜3
0、特に10〜20のものが好ましい。
【0008】次に、本発明に用いられているポリオレフ
ィン系樹脂(b)は、得られる組成物の加工性、耐熱性
向上に有効である。結晶性ポリオレフィン樹脂と非晶性
ポリオレフィン樹脂の2つに大別される。ここで、結晶
性オレフィン系樹脂は、例えばポリエチレン、アイソタ
クチックポリプロピレンやプロピレンと他の少量のα−
オレフィンのランダムまたは及びブロック共重合体、具
体的にはポリプロピレン−エチレン共重合体、プロピレ
ン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−
1ペンテン共重合体、及びポリ4−メチル−1−ペンテ
ン、ポリブテン−1等をあげることができる。結晶性オ
レフィン系樹脂として、アイソタクチックポリプロピレ
ンまたはその共重合体を用いる場合のMFR(JIS K6758
230℃×2.16Kg)は0.1〜50g/10分特に0.5
〜30g/10分の範囲のものが好適に使用できる。ま
た、非晶性オレフィン系樹脂は環状オレフィン構造を有
する重合体単独ないし環状オレフィンとα−オレフィン
との共重合体である。また、2種以上のポリオレフィン
樹脂を組み合わせて使用しても良い。ここで結晶性ポリ
オレフィン樹脂を用いた方が成形加工性が良好である。
ポリオレフィン樹脂(b)の配合量は、ゴム成分(a)
100重量部に対し5〜300重量部が好ましく、さら
に好ましくは10〜200重量部である。300重量部
を越えた配合では、得られるエラストマー状組成物の硬
度が高くなり柔軟性が失われる傾向にあり、5重量部未
満の配合では加工性が悪くなる傾向にある。
【0009】次に本発明で用いられるゴムの架橋剤
(c)はSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサ
ン化合物類である。この架橋法はSiH基のゴム成分中
の不飽和炭化水素への選択的な付加反応(ハイドロシリ
ル化)を利用したものである。架橋剤となり得るために
は2分子以上のゴムに付加することが必要条件であるか
ら分子中に2つ以上のSiH基を持つ必要がある。具体
的な化合物例は以下に示すように環状ポリシロキサン
類、線状ポリシロキサン類、四面体シロキサン類の構造
を持つ化合物が代表的である。また、該化合物から誘導
された化合物及びまたはポリマーを用いても良い。
【0010】《環状ポリシロキサン類》 《線状ポリシロキサン類》 《四面体シロキサン類》 mは3〜30の整数、nは0から200までの整数、R
は、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基また
はアリールオキシ基であり、かつ珪素原子に結合してい
る少なくとも1個のRが水素である珪素原子が分子中に
2個以上存在するものである。上記のような構造を持つ
有機オルガノシロキサンがゴムに対して選択的な架橋を
行うことができる。
【0011】本発明に用いられる架橋反応触媒(d)は
ハイドロシリル化反応を促進する触媒全般を指す。触媒
の例としては、貴金属系触媒または過酸化物がよく用い
られる。最も一般的な触媒とすれば塩化白金酸等が挙げ
られる。ここで動加硫された熱可塑性エラストマー組成
物とは、本発明で得られた組成物1gを沸騰キシレンを
用いてソックスレー抽出器で10時間リフラックスし、
残留物を80メッシュの金網で濾過し、メッシュ上に残
留した不溶物乾燥重量(g)/組成物1g中に含まれる
成分(a)の重量の比を100倍した値で示されるゲル
含量が少なくとも30%、好ましくは50%以上(ただ
し、無機充填物等の不溶成分はこれに含まない)となる
ように加硫したものであり、かつ該加硫が熱可塑性エラ
ストマー組成物の溶融混練中に行われることを特徴とす
る。このような動加硫された熱可塑性エラストマー組成
物を得るため、成分(c)の配合量は、成分(a)10
0重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは1〜
20重量部の中から好適に選ぶことができ、そのゲル含
量を調節することができる。また触媒の添加量はゴム成
分100重量部に対して0.001〜5重量部の触媒を
任意に添加することができる。ここで、0.001未満
の場合、実用的速度で架橋が進まない。また、5重量部
超では増量する効果がないばかりか失活した触媒が黒色
状ブツとなり外観不良となったり、熱処理をすると好ま
しくない副反応(未反応のSiH基の分解等)を引きお
こす傾向がある。
【0012】本発明で用いるパラフィン系オイル(i)
は、得られる組成物の硬度を調整し柔軟性を与える作用
を持ち、必要に応じて添加される。一般にゴムの軟化、
増容加工性向上に用いられるプロセスオイルまたはエク
ステンダーオイルとよばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は芳
香族環、ナフテン環、パラフィン鎖の3者が組わさった
混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数の50
%以上占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環
炭素数が30から45%のものがナフテン系、芳香環炭
素数が30%を越えるものが芳香族系とされる。本発明
で用いられるオイルは上記区分でパラフィン系のものが
好ましく、ナフテン系、芳香族系のものは分散性、溶解
性の点で好ましくない。パラフィン系ゴム用軟化剤の性
状は37.8℃における動粘度はが20〜500cs
t、流動点が−10〜−15℃および引火点が170〜
300℃を示す。パラフィン系オイル(i)の好ましい
配合量はゴム成分(a)100重量部に対して30〜3
00重量部であり、さらに好ましくは30〜250重量
部である300重量部をこえた配合のものは、軟化剤の
ブリードアウトを生じやすく、最終製品に粘着性を生じ
る恐れがあり、機械的性質を低下させる傾向がある。ま
た30重量部未満だと添加する意味がない。
【0013】本発明の製法で得られる熱可塑性エラスト
マー組成物は公知技術の有機過酸化物を用いて部分架橋
した熱可塑性エラストマー組成物に比べ、高温での良好
な圧縮永久歪み及び常温、高温における高い機械強度を
しめす組成物を与える。更に該熱可塑性エラストマーに
難燃性を付与するべく、熱可塑性エラストマーと無機系
難燃剤と難燃性良好なフェノールノボラック樹脂につい
て検討した結果、熱可塑性エラストマーと無機系難燃剤
とフェノールノボラック樹脂を単純にブレンドする方法
について検討したが、この方法では難燃性は改善される
がフェノールノボラック樹脂は比較的低分子量で脆いた
め、この方法によって得られる熱可塑性エラストマーは
耐寒性、機械特性の低下を招くという欠点が生じること
が判った。そこで更に鋭意検討した結果、フェノールノ
ボラック樹脂と容易に反応するエポキシ基を有するエポ
キシ変性樹脂を配合することにより、比較的低分子量で
脆いフェノールノボラック樹脂をカバーし、難燃性を損
なうこと無く、従来の欠点であった耐寒性、機械特性等
が改善されることを見いだし本発明を完成するに至っ
た。即ち本発明は、樹脂組成物(h)100重量部に対
し、無機系難燃剤(g)100〜150重量部とフェノ
ールノボラック樹脂(e)及びエポキシ変性樹脂(f)
を10:90〜80:20(重量比)の比率で、また好
ましくはフェノールノボラック樹脂(e)とエポキシ変
性樹脂(f)の比率が30:70〜70:30(重量
比)の比率で10〜100重量部を配合し、溶融混練し
てなる優れたゴム特性、引張強度、耐油性を維持しなが
ら且つ、優れた難燃性を有した熱可塑性エラストマーの
製造方法である。
【0014】本発明の成分(e)として用いられるフェ
ノールノボラック樹脂は特に限定するものでなく市販さ
れているものであり、例えば、フェノール類とホルムア
ルデヒドとをホルムアルデヒド/フェノール類のモル比
が、0.5〜1.0となるような配合比率で反応釜に仕
込み、更にシュウ酸、塩酸、硫酸、トルエンスルフォン
酸等の触媒を加えた後加熱し、適当な時間還流反応を行
った後、分離した水を除去するため真空脱水あるいは静
置脱水し、更に残っている水と未反応のフェノール類を
除去する方法により得ることができる。これらの樹脂あ
るいは複数の原料成分を用いることにより得られる共縮
合フェノール樹脂は、単独あるいは二種以上組み合わせ
て用いられる。
【0015】本発明の成分(f)であるエポキシ変性樹
脂は比較的低分子量でかつ脆い樹脂であるフェノ−ルノ
ボラック樹脂を熱可塑性エラストマ−に配合した際に低
下する耐寒性、機械特性を改善する働きを持つ大変重要
な成分である。本発明で用いられる分子内にエポキシ基
を含有する変性ポリオレフィンは、特に限定するもので
なく市販されているものであり、エチレンとグリシジル
メタアクリレートとの共重合体あるいはエチレン・アク
リル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エ
チレン・アクリレート共重合体、エチレン・メタクリレ
ート共重合体とグリシジルメタアクリレートとの3元共
重合体、グリシジルメタアクリレートをグラフトしたポ
リプロピレン等が挙げられる。本発明で用いられるエポ
キシ基を含有する水添ブロック共重合体は特に限定する
ものでなく市販されているものであり、エポキシ化スチ
レン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合
体、エポキシ化スチレン−エチレン・プロピレン−スチ
レンブロック共重合体等が挙げられる。
【0016】本発明の樹脂組成物(h)100重量部に
対し、成分(g)を100〜150重量部、成分(e)
のフェノールノボラック樹脂及び成分(f)のエポキシ
変性樹脂の混合物を10:90〜80:20(重量比)
の比率で10〜100重量部の範囲で配合しなければな
らない。成分(e)のフェノールノボラック樹脂と成分
(f)のエポキシ変性樹脂の混合物中の成分(f)のエ
ポキシ変性樹脂の割合が20wt%を下回るとフェノー
ル樹脂を熱可塑性エラストマーに配合した際、低下する
耐寒性、機械特性の改善が不十分となり、90wt%を
上回るとフェノール樹脂との相溶性が低下する。樹脂組
成物(h)100重量部に対し、成分(e)のフェノー
ルノボラック樹脂及び成分(f)のエポキシ変性樹脂の
混合物が10重量部を下回ると難燃性の改善効果が不十
分となり、100重量部を超えると樹脂組成物(h)の
持つ様々な長所が低下する。このように本発明によって
得られる熱可塑性エラストマーは、樹脂組成物(h)の
特性の低下をほとんど招くことなく難燃性を向上する効
果を有しているが、その理由として、成分(e)のフェ
ノールノボラック樹脂と成分(f)のエポキシ変性樹脂
のエポキシ基がフェノール樹脂と反応することにより成
分(e)のフェノールノボラック樹脂と成分(f)のエ
ポキシ変性樹脂が海島構造をとり、フェノールノボラッ
ク樹脂の脆さがカバーされ、樹脂組成物(h)中で、成
分(e)のフェノールノボラック樹脂と成分(f)のエ
ポキシ変性樹脂との混合物がミクロ相分離構造をとるこ
とが可能になったためと考えられる。
【0017】上記の成分の他に、本発明の組成物は更に
必要に応じて、造核剤、外滑剤、内滑剤、ヒンダードア
ミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、
着色剤、シリコンオイル等を添加しても良い。また、ス
チレン系ブロックコポリマー(SBC)、熱可塑性ウレ
タン樹脂のような他の熱可塑性樹脂をブレンドすること
もできる。本発明の組成物を製造する方法としては、通
常の樹脂組成物、ゴム組成物の製造に用いられる一般的
な全ての方法を採用できる。次に混練方法についてであ
るが、基本的には機械的溶融混練方法であり、これらに
は単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、各種
ニーダー、ブラベンダー、ロール等が用いられる。樹脂
組成物(h)の混練について、各成分の添加順序には制
限がなく、例えば、ゴム、樹脂成分を前もってヘンシェ
ルミキサー、ブレンダー等の混合機で予備混合し上記の
混練機で溶融混練し、次いで架橋剤、触媒成分を添加し
動加硫したり、使用するゴムのスコーチ時間が十分長い
場合は触媒以外の成分を前もって溶融混練し、更に触媒
を添加し溶融混練する等の添加方法も採用できる。ま
た、この際溶融混練する温度は180℃〜300℃の中
から好適に選ぶことが出来る。
【0018】ここで得られた動加硫したエラストマー組
成物は熱可塑性であるので一般に使用される熱可塑性樹
脂成形機を用いて成形することが可能であって、射出成
形、押出成形、カレンダー成形、ブロー成形等の各種の
成形方法が適用可能である。更に、樹脂組成物(h)と
成分(e)と成分(f)と成分(g)を一括投入し、上
記の混練機にて150〜200℃、10〜30分間溶融
混練する方法、又は成分(e)と成分(f)と成分
(g)を予め160〜200℃、10〜30分間溶融混
練した後、樹脂組成物(h)を添加し更に溶融混練する
方法により得られるが、後者の方が成分(e)のフェノ
−ルノボラック樹脂と成分(f)のエポキシ変性樹脂が
選択的に混ざり合う為より好ましい。次に熱可塑性エラ
ストマ−のゴム成分の動加硫について、樹脂組成物
(h)の混練時に動加硫を行う場合と、樹脂組成物
(h)に対し、予め混練した成分(e)と成分(f)と
成分(g)を混合、混練時に動加硫を行う場合がある
が、いずれの場合でも差はなく、良好な架橋度及び難燃
性を有した熱可塑性エラストマ−が得られる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが本発明は、これら実施例に限定されるものでは
ない。以下に示す実施例及び比較例において配合した各
成分は以下の通りである。 <成分a EPDM> エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム 日本合成ゴム(株)製 EP57C[プロピレン含量:2
8重量% ム−ニ粘度ML 1+4(100℃):90 ヨウ
素価:15 Tg:−40℃] <成分b PP> ポリプロピレン 住友化学工業(株)製 W501[MFR(230℃×2.16K
g)=8.0g/10分 熱変形温度:115℃] <成分c SiH> 1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン 東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン(株)製 <成分d 触媒> 塩化白金酸6水和物 安田薬品工業(株)製 <成分e PN> ストレ−トフェノ−ルノボラック樹脂 住友デュレズ(株)製 スミライトレジンR R−514
70 <成分e PN> パラオクチルフェノ−ルノボラック樹脂 住友デュレズ(株)製 スミライトレジンR PR−19
900 <成分f EP−PO> エポキシ変性ポリオレフィン樹脂 住友化学工業(株)製ボンドファ−ストR 2C <成分f EP−SEBS> エポキシ変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン
ブロック共重合体 旭化成工業(株)製 タフテックR Z−514 <成分g Mg(OH)2> 水酸化マグネシウム 協和化学工業(株)製 キスマ5B <成分g Al(OH)3> 水酸化アルミニウム 昭和軽金属(株)製 ハイジライト−42M <成分g 赤リン> 燐化学(株)製 ノーバレッド #120 <成分i OIL> パラフィン系プロセスオイル 出光興産(株)製 ダイアナプロセスオイルPW−380
[パラフィン系プロセスオイル、動粘度:381,6c
st(40℃)、30,1(100℃)、平均分子量7
46、環分析値:CA=0%、CN=27%、CP=73
%]
【0020】《実施例1〜32及び比較例1〜32》成
分(c)、(d)、(e),(f)または(g)を除く
全ての成分を十分ドライブレンドした後、2軸混練機を
用いて樹脂温190〜230℃になるような条件で溶融
混練し、押出動加硫する前の樹脂組成物を得、これをペ
レット化した。このペレットに対し、実施例1〜32の
うち偶数の実施例については、このペレットに相当量の
成分(c)及び(d)を添加配合し、再び2軸混練機に
て混練し、樹脂温が190〜230℃の状態でこれを動
加硫させた後、予め混練させた成分(e)、(f)及び
(g)のペレットをサイドフィ−ドさせ、溶融混練させ
ることにより熱可塑性エラストマ−を得た。また、奇数
の実施例については前述のペレットと予め混練させた成
分(e)及び(f)のペレットをブレンダ−にてブレン
ドし、このブレンドしたペレットに相当量の成分(c)
及び(d)を添加配合し、再び2軸混練機にて混練し樹
脂温が190〜230℃の状態でこれを動加硫させるこ
とにより、熱可塑性エラストマ−を得た。表1に樹脂組
成物(h)の配合を、また樹脂組成物(h)に対する成
分(e)、(f)及び(g)の配合及び評価結果を表2
〜9に示した(表2〜表5には実施例を表示し、表6〜
9には比較例を表示した)。
【0022】
【0023】 表 2 実 施 例 1 2 3 4 5 6 7 8 配合(重量部) 樹脂組成物h1 100 100 100 100 100 100 100 100 OIL 100 100 100 100 100 100 100 100 PN 21 21 25 25 PN 16 16 9 9 EP−PO 9 9 25 25 EP−SEBS 24 24 21 21 Mg(OH)2 100 100 100 100 100 100 100 100 特性 酸素指数 31 31 31 31 32 32 31 31 耐寒性(℃) -60 -60 -56 -56 -54 -55 -59 -60 TS(MPa) 11 11 12 11 11 12 13 12 Eb(%) 510 520 530 510 510 520 530 530 UL94 1回目着火 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2回目着火 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 溶融液滴 無 無 無 無 無 無 無 無 HD 82 82 82 81 81 82 80 81 圧縮永久歪(%) 45 45 44 44 44 45 43 44 耐油性(%) 18 17 18 17 17 18 18 19 耐光性(%) 90 91 90 90 90 92 90 91
【0024】 表 3 実 施 例 9 10 11 12 13 14 15 16 配合(重量部) 樹脂組成物h2 100 100 100 100 100 100 100 100 OIL 200 200 200 200 200 200 200 200 PN 21 21 25 25 PN 16 16 9 9 EP−PO 9 9 25 25 EP−SEBS 24 24 21 21 Mg(OH)2 100 100 100 100 100 100 100 100 特性 酸素指数 30 31 31 30 32 32 30 31 耐寒性(℃) -60 -60 -60 -59 -60 -59 -61 -60 TS(MPa) 16 16 17 15 15 16 17 16 Eb(%) 550 560 580 550 550 560 570 570 UL94 1回目着火 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2回目着火 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 溶融液滴 無 無 無 無 無 無 無 無 HD 90 89 89 90 89 90 89 89 圧縮永久歪(%) 48 47 48 48 47 47 47 48 耐油性(%) 18 18 18 17 18 17 17 17 耐光性(%) 90 90 91 91 91 90 90 91
【0025】 表 4 実 施 例 17 18 19 20 21 22 23 24 配合(重量部) 樹脂組成物h3 100 100 100 100 100 100 100 100 OIL 190 190 190 190 190 190 190 190 PN 21 21 25 25 PN 16 16 9 9 EP−PO 9 9 25 25 EP−SEBS 24 24 21 21 Al(OH)3 100 100 100 100 100 100 100 100 特性 酸素指数 30 30 31 31 31 30 31 30 耐寒性(℃) -60 -60 -61 -62 -61 -60 -61 -60 TS(MPa) 10 10 9 10 10 11 10 11 Eb(%) 500 510 510 500 520 500 510 500 UL94 1回目着火 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2回目着火 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 溶融液滴 無 無 無 無 無 無 無 無 HD 79 79 79 80 81 81 80 79 圧縮永久歪(%) 45 44 44 45 44 44 45 45 耐油性(%) 17 17 17 18 17 18 18 17 耐光性(%) 90 90 91 91 91 90 90 91
【0026】 表 5 実 施 例 25 26 27 28 29 30 31 32 配合(重量部) 樹脂組成物h4 100 100 100 100 100 100 100 100 OIL 195 195 195 195 195 195 195 195 PN 21 21 25 25 PN 16 16 9 9 EP−PO 9 9 25 25 EP−SEBS 24 24 21 21 赤リン 100 100 100 100 100 100 100 100 特性 酸素指数 31 30 30 31 30 30 30 31 耐寒性(℃) -60 -61 -61 -61 -60 -61 -60 -60 TS(MPa) 16 17 17 17 16 17 17 17 Eb(%) 560 560 560 570 570 560 570 560 UL94 1回目着火 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2回目着火 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 溶融液滴 無 無 無 無 無 無 無 無 HD 89 90 90 90 91 89 89 90 圧縮永久歪(%) 39 40 39 38 38 39 40 39 耐油性(%) 18 17 18 17 17 18 18 19 耐光性(%) 91 90 91 90 90 91 91 91
【0027】 表 6 比 較 例 1 2 3 4 5 6 7 8 配合(重量部) 樹脂組成物h1 100 100 100 100 100 100 100 100 OIL 100 100 100 100 100 100 100 100 PN 2 2 PN 24 24 60 60 EP−PO 38 38 EP−SEBS 6 6 Mg(OH)2 100 100 100 100 100 100 100 100 特性 酸素指数 28 28 28 27 30 31 32 32 耐寒性(℃) -60 -60 -60 -58 -28 -28 -20 -21 TS(MPa) 16 17 17 17 8 9 7 6 Eb(%) 560 560 560 570 230 230 200 210 UL94 1回目着火 × × × × ○ ○ ○ ○ 2回目着火 × × × × ○ ○ ○ ○ 溶融液滴 有 有 有 有 無 無 無 無 HD 80 80 80 81 79 81 80 80 圧縮永久歪(%) 45 45 47 46 47 47 49 49 耐油性(%) 18 17 18 17 17 18 18 19 耐光性(%) 90 90 91 90 90 91 91 91
【0028】 表 7 比 較 例 9 10 11 12 13 14 15 16 配合(重量部) 樹脂組成物h2 100 100 100 100 100 100 100 100 OIL 200 200 200 200 200 200 200 200 PN 2 2 PN 24 24 60 60 EP−PO 38 38 EP−SEBS 6 6 Mg(OH)2 100 100 100 100 100 100 100 100 特性 酸素指数 28 28 28 27 30 30 31 31 耐寒性(℃) -60 -60 -60 -58 -28 -28 -20 -20 TS(MPa) 16 17 17 17 8 9 6 7 Eb(%) 560 560 560 570 260 260 200 210 UL94 1回目着火 × × × × ○ ○ ○ ○ 2回目着火 × × × × ○ ○ ○ ○ 溶融液滴 有 有 有 有 無 無 無 無 HD 90 90 90 91 89 90 89 89 圧縮永久歪(%) 45 46 47 46 47 46 45 46 耐油性(%) 18 17 18 17 18 18 18 19 耐光性(%) 90 90 91 91 91 90 91 90
【0029】 表 8 比 較 例 17 18 19 20 21 22 23 24 配合(重量部) 樹脂組成物h3 100 100 100 100 100 100 100 100 OIL 190 190 190 190 190 190 190 190 PN 2 2 PN 24 24 60 60 EP−PO 38 38 EP−SEBS 6 6 Al(OH)3 100 100 100 100 100 100 100 100 特性 酸素指数 28 28 28 27 30 30 32 32 耐寒性(℃) -60 -60 -60 -58 -26 -26 -30 -31 TS(MPa) 16 17 17 17 6 6 5 5 Eb(%) 560 560 560 570 220 230 150 150 UL94 1回目着火 × × × × ○ ○ ○ ○ 2回目着火 × × × × ○ ○ ○ ○ 溶融液滴 有 有 有 有 無 無 無 無 HD 79 80 80 79 80 81 80 80 圧縮永久歪(%) 44 44 45 45 45 46 45 44 耐油性(%) 17 17 18 18 18 18 18 17 耐光性(%) 90 90 91 92 90 90 91 91
【0030】 表 9 比 較 例 25 26 27 28 29 30 31 32 配合(重量部) 樹脂組成物h4 100 100 100 100 100 100 100 100 OIL 195 195 195 195 195 195 195 195 PN 2 2 PN 24 24 60 60 EP−PO 38 38 EP−SEBS 6 6 赤リン 100 100 100 100 100 100 100 100 特性 酸素指数 28 28 28 27 31 31 30 30 耐寒性(℃) -60 -60 -60 -58 -30 -31 -31 -31 TS(MPa) 16 17 17 17 6 6 7 6 Eb(%) 560 560 560 570 240 230 220 240 UL94 1回目着火 × × × × ○ ○ ○ ○ 2回目着火 × × × × ○ ○ ○ ○ 溶融液滴 有 有 有 有 無 無 無 無 HD 88 89 89 89 90 89 90 91 圧縮永久歪(%) 46 46 48 48 48 49 47 48 耐油性(%) 18 17 17 18 17 18 18 18 耐光性(%) 91 90 90 91 90 91 90 91
【0031】
【発明の効果】本発明によって得られる熱可塑性エラス
トマーは、機械強度、ゴム特性を維持したまま難燃性が
顕著に改善された新規な材料であり、通常の熱可塑性エ
ラストマーに用いられている加工方法、例えば射出成
形、押出成形等により容易に成形品に加工され、耐寒
性、機械強度、ゴム特性、成形性等の物性のバランスに
優れた製品を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 61:06 C08L 23:26 23:26 53:02 53:02)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−α・オレフィン非共役ジエン
    共重合ゴム(a)、ポリオレフィン系樹脂(b)、分子
    内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサン系
    架橋剤(c)及びハイドロシリル化触媒(d)からなる
    樹脂組成物(h)に対し、フェノールノボラック樹脂
    (e)、分子内にエポキシ基を有するエポキシ変性ポリ
    オレフィン系樹脂、または、少なくとも1個のビニル芳
    香族化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1
    個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックより
    なるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロ
    ック共重合体のエポキシ変性物の中から選ばれた1種以
    上の樹脂(f)及びAl(OH)3、Mg(OH)2、赤
    リン等の中から選ばれた1種以上の無機系添加型難燃剤
    (g)を添加し、動的に熱処理することを特徴とする熱
    可塑性エラストマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 エチレン−α・オレフィン非共役ジエン
    共重合ゴム(a)、ポリオレフィン系樹脂(b)、分子
    内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサン系
    架橋剤(c)及びハイドロシリル化触媒(d)からなる
    樹脂組成物(h)を動的に熱処理した後、フェノールノ
    ボラック樹脂(e)、分子内にエポキシ基を有するエポ
    キシ変性ポリオレフィン系樹脂、または少なくとも1個
    のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと少
    なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブ
    ロックよりなるブロック共重合体を水素添加して得られ
    る水添ブロック共重合体のエポキシ変性物の中から選ば
    れた1種以上の樹脂(f)及びAl(OH)3、Mg
    (OH)2、赤リン等の中から選ばれた1種以上の無機
    系添加型難燃剤(g)を添加し、更に、溶融混練するこ
    とを特徴とする熱可塑性エラストマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 成分(a)100重量部に対し、成分
    (b)5〜300重量部、成分(c)0.5〜30重量
    部及び成分(d)0.001〜5重量部配合し、更に成
    分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(d)より
    なる樹脂組成物(h)100重量部に対し、成分(e)
    及び成分(f)を10〜100重量部、更に成分(g)
    を100〜150重量部配合し、溶融混練してなる請求
    項1または2記載の耐寒性及び難燃性良好な熱可塑性エ
    ラストマーの製造方法。
  4. 【請求項4】 成分(a)100重量部対し、30〜3
    00重量部のパラフィン系オイル(i)を含む請求項3
    記載の熱可塑性エラストマーの製造方法。
  5. 【請求項5】 成分(e)と成分(f)との比率が、1
    0:90〜80:20(重量比)である請求項3又は4
    記載の熱可塑性エラストマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 成分(e)と成分(f)との比率が、3
    0:70〜70:30(重量比)である請求項3又は4
    記載の熱可塑性エラストマーの製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン系樹脂(b)が、結晶性
    ポリオレフィン樹脂である請求項1、2、3、4、5ま
    たは6記載の熱可塑性エラストマーの製造方法。
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