JP3336665B2 - 微粒子発生方法及び装置 - Google Patents

微粒子発生方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体デバイス分野にお
いて微粒子を用いたキャパシタ等を製作したり、工業分
野において焼結体を用いた高性能セラミックス等を作る
のに利用できる微粒子を発生させる方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の微粒子の形成には、図
5、図6に示すような熱CVD装置を応用したもの、図
7に示すような誘導型プラズマCVD装置を応用したも
の、等が採用されている。図5に示す熱CVD装置を応
用した微粒子発生装置は、真空容器1内に、発生微粒子
を受け溜めるプレート2を配置して接地しておくととも
に、それに対向させて、その上方にガスノズル51を設
け、さらに、容器1には排気量調整弁41及び排気ポン
プ42を含む排気装置4を配管接続し、前記ガスノズル
51にはマスフローコントローラ521、522・・・
及び開閉弁531、532・・・を介して微粒子生成用
ガス源541、542・・・を配管接続したものであ
り、真空容器1にはその壁に沿って加熱用ヒータ6が配
置してあり、また、ガス源541、542・・・内の物
質が液体である場合に、必要に応じこれを容器1へ供給
するに先立って気化させるための加熱ヒータ7がガス源
から容器に到る管路に付設してある。
【0003】図6に示す微粒子発生装置は、図5の装置
においてプレート2の部分が変更されたもので、図5の
プレート2に代えて接地部材20が設けられており、こ
れにサセプタ201を介して発生微粒子を受け溜めるプ
レートSが設置される。サセプタ201の下にはプレー
トSの加熱用ヒータ202が内蔵されている。他の点は
図5の装置と同様の構成である。
【0004】図7に示す誘導型プラズマCVD装置を応
用した微粒子発生装置は、真空容器1内に、発生微粒子
を受けるプレート2を配置して接地してあるとともに、
その上方において、容器1に石英管室11を連設し、そ
の周りに高周波コイル81を巻回し、このコイル81に
マッチングボックス82を介して高周波電源83を接続
したものである。また、石英管室11にはマスフローコ
ントローラ521、522・・・及び開閉弁531、5
32・・・を介して微粒子生成用ガス源541、542
・・・を配管接続してある。この配管にも、ガス源内の
物質が液体の場合に、必要に応じこれを気化させる加熱
ヒータ7を付設してある。また、図5、図6の装置の場
合と同様に、容器1には排気量調節弁41及び排気ポン
プ42を含む排気装置4を配管接続してあり、容器壁に
沿って加熱用ヒータ6を配置してある。
【0005】図5及び図6の微粒子発生装置では、焼結
体を作る微粒子として窒化シリコン(SiN)微粒子を
形成する場合を例にとると、ガス源541はシラン(S
iH 4 )源又は塩化シリコン(SiCl4 )とされ、ガ
ス源542はメタンガス(CH4 )源とされる。そし
て、弁531、532が開かれるとともに、マスフロー
コントローラ521、522にてそれらからのガス流量
がコントロールされつつ、シランガス(又は塩化シリコ
ンガス)がメタンガスと共にガスノズル51から容器1
内へ導入される一方、容器1内が排気装置4にて所定の
微粒子生成真空度に維持され、導入されたガスはヒータ
6による加熱にて1000℃以上の高温に加熱分解され
るとともに、目的とする窒化シリコン微粒子が生成す
る。この微粒子は図5の装置ではプレート2に、図6の
装置ではプレートSに降り注ぎ、そこに受け溜められ
る。なお、図6の装置においては、必要に応じ、接地部
材ヒータ202によりプレートSが加熱される。
【0006】特に図6の微粒子発生装置では、これを利
用して、例えば、LSI基板上に直接キャパシタ等を形
成するための微粒子を付着させる工程を実施することも
試みられている。この場合、プレートSとしてLSI基
板Sが採用され、該基板S上には、粒子を堆積させる部
分を除いて予めマスクを形成してあり、キャパシタ形成
対象部分に微粒子を付着堆積させる。このような工程
は、最近、ダイナミックRAMのパターン幅が狭くなっ
てきていることに対応して要求される、小面積で大きな
電気容量を持つキャパシタ形成の一環として試みられて
いる。
【0007】図7の微粒子発生装置では、焼結体を作る
微粒子としてシリコンカーバイト(SiC)微粒子を形
成する場合を例にとると、ガス源541はシラン(Si
4)源とされ、ガス源542はメタンガス(CH4
源とされ、これらガスは弁531、532を開き、マス
フローコントローラ521、522による流量制御のも
とに、所定量、同時に石英管室11へ導入される。ま
た、真空容器1及び石英管室11内は排気装置4にて所
定の真空度(0.1〜15Torr程度)に維持され
る。石英管室11に導入されたガスは、高周波コイル8
1に電源83から高周波電力が供給されることでプラズ
マ化されるとともに、シリコンカーバイト(SiC)微
粒子が生成し、プレート2上に堆積する。また、この場
合、ヒータ6を運転することで、真空容器内に熱勾配を
形成し、それによって発生微粒子をプレート2へ集める
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
微粒子発生方法及び装置によると、形成される微粒子は
粒径が極めて不均一であり、従って、この微粒子を用い
て焼結体を作るとき、加熱と加圧は勿論のこと、多量の
バインダーが必要であった。また、加熱加圧にも高温高
圧が必要であった。
【0009】また、例えばLSI基板上に直接キャパシ
タ等を作る試みにおいても、基板上に付着する微粒子の
粒径の不均一さのために、所望のキャパシタ等を得るこ
とができなかった。そこで本発明は、従来の微粒子発生
方法及び装置に比べると、粒径が均一化された所望の微
粒子を効率良く発生させることができる微粒子発生方法
及び装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の微粒子発生方法は、微粒子生成用ガスを真空容器内
に導入して所定真空度のもとに該ガスに対し高周波電力
を印加して該ガスをプラズマ化するとともに目的とする
微粒子を生成させ、前記高周波電力印加に際しては、該
高周波電力をパルス状に供給することを特徴とする。
【0011】この方法においては、前記微粒子生成用ガ
スもパルス状に供給してもよい。また、前記課題を解決
する本発明の微粒子発生装置は、排気装置により所定真
空度に維持可能の真空容器と、前記真空容器へ微粒子生
成用ガスを供給するガス供給部と、前記真空容器に導入
されたガスに対し高周波電力を印加する手段と、前記真
空容器内に発生する微粒子を受ける微粒子受け部とを有
し、前記高周波電力印加手段は高周波電力をパルス状に
供給する手段を含んでいることを特徴とする。
【0012】この装置においては、前記ガス供給部が前
記微粒子生成用ガスをパルス状に供給するための手段を
含んでいてもよい。かかる本発明の方法及び装置におい
て、微粒子生成用ガスに対し高周波電力を印加して該ガ
スをプラズマ化する手法、手段には、RFプラズマ、ヘ
リコン波プラズマ、ECRプラズマ等のいずれを採用し
てもよい。
【0013】また、前記微粒子生成用ガスをパルス状に
供給するにあたっては、該ガスが複数種あるときは、各
ガスごとに予め定めたタイミング、パルス間隔で供給し
てもよく、さらに、各ガス供給ごとに印加する高周波電
力をコントロールしてもよい。また、本発明の装置にお
いては、前記微粒子受け部をキャパシタ等の形成が要求
されている半導体デバイス基板とすることも考えられ
る。
【0014】
【作用】本発明方法及び装置によると、微粒子生成用ガ
スが真空容器内に導入され、所定真空度のもとに該ガス
に対し高周波電力が印加され、該ガスはプラズマ化され
るとともに目的とする微粒子が生成する。高周波電力印
加に際しては、該高周波電力はパルス状に供給され、こ
れによって粒径が制御され、均一化された微粒子が効率
よく生成する。
【0015】微粒子生成用ガスもパルス状に供給すると
きは、これによって一層粒径が制御され、均一化された
微粒子が効率よく生成する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明に係る微粒子発生装置の1例の概略
構成を示す図であり、図2は本発明に係る微粒子発生装
置の他の例の概略構成を示す図である。図1に示す装置
は、焼結体を作るための微粒子を発生させるのに適した
装置であり、図7に示す従来装置を改良したものであ
る。この図1に示す装置では、図7に示す従来装置にお
けるガス供給部を構成するマスフローコントローラ52
1、522、開閉弁531、532、ガス源541、5
42及びヒータ7のうち、開閉弁の部分が、高速で開閉
できる弁(本例では電磁開閉弁)531a、532aに
代えられ、さらに、図7に示す従来装置におけるマッチ
ングボックス82及び高周波電源83に代え、マッチン
グボックス84、高周波アンプ(RFアンプ)85及び
任意波形発生器(ファンクションジェネレータ)86を
接続したものである。この高周波電力印加手段による
と、波形発生器86で形成した波形はアンプ85で増幅
され、マッチングボックス84を介して高周波コイル8
1に供給される。
【0017】次にこの装置による本発明方法実施の例
(実施例1、実施例2)を、焼結体を作るためのシリコ
ンカーバイト(SiC)微粒子を発生させる場合を例に
とって説明する。 実施例1 この実施例では、図3に示すように、高周波電力のパル
ス幅は2msecで、デューティ 50%(1msecオ
ン、1msecオフ)とした。また、シランガスとメタンガ
スは同時に石英管室11に導入した。
【0018】プロセス条件を示すと次のとおりである。 微粒子生成真空度:1.0 Torr プロセスガス :シランガス(SiH4 ) 100c
cm メタンガス(CH4 ) 100ccm RFパワー :13.56MHz、500W 変調周波数 :500Hz デューティ :50% 以上の条件のもとに微粒子を発生させたところ、 微粒子生成速度 :1μm/min 粒径 :1μm〜1.5μm であった。
【0019】なお、実施例1との比較のため、前記プロ
セス条件において、デューティを25%(0.5msecオ
ン、1.5msecオフ)として微粒子を発生させたとこ
ろ、微粒子生成速度は0.5μm/min、粒径は0.
5μm〜1.0μmとなった。このことより、微粒子径
はデューティ制御によっても可能であることが分かる。 実施例2 この実施例では、図4に示すように、高周波電力のパル
ス幅は500msecで、デューティ 50%とした。
また、図4に示すように、シランガス導入と、メタンガ
ス導入とを時期をずらせ、交互に行い、高周波電力の出
力は、シランガス導入時は200W、メタンガス導入時
は500Wとした。各プロセスガスの供給パルス幅は1
secとし、各供給時間は250msecとした。
【0020】プロセス条件を示すと次のとおりである。 微粒子生成真空度:1.0 Torr プロセスガス :シランガス(SiH4 ) 100c
cm メタンガス(CH4 ) 100ccm RFパワー :シランガス導入時 13.56MH
z、200W メタンガス導入時 13.56MHz、500W 変調周波数 :2Hz デューティ :50% 以上の条件のもとに微粒子を発生させたところ、 微粒子生成速度 :0.8μm/min 粒径 :1μm〜1.3μm であった。
【0021】プロセスガスもそれぞれパルス状に供給
し、それに合わせてRFパワーもパルス状に印加した結
果、実施例1のときよりも、粒径コントロールが向上
し、粒径が一層均一化した。以上説明した実施例1、実
施例2によると、粒径が従来より均一化された焼結体用
の微粒子を効率よく発生させることができ、この微粒子
によると、焼結圧力を従来と同様とした場合、従来バイ
ンダー量の1/2〜1/3のバインダーを用いて、従来
より約500℃低温の1000℃程度で焼結体とするこ
とができた。
【0022】次に、図2に示す装置は、例えば、半導体
基板上にキャパシタを形成するために該基板上にキャパ
シタ形成用の微粒子を付着させる等に適する装置であ
る。この装置は、図6に示す従来装置を改良したもので
ある。この図2に示す装置では、図6に示す従来装置に
おけるガスノズル51を高周波電極3を兼ねるものと
し、ガス供給部を構成するマスフローコントローラ52
1、522、開閉弁531、532、ガス源541、5
42及びヒータ7のうち、開閉弁の部分が、高速で開閉
できる弁(本例では電磁開閉弁)531a、532aに
代えられ、さらに、高周波電極3にマッチングボックス
31、高周波アンプ(RFアンプ)32及び任意波形発
生器(ファンクションジェネレータ)33を接続したも
のである。この高周波電力印加手段によると、波形発生
器33で形成した波形はアンプ32で増幅され、マッチ
ングボックス31を介して高周波電極3に供給される。
【0023】次にこの装置による本発明方法実施の例
(実施例3)を、シリコン基板上にキャパシタ形成用の
ポリシリコン微粒子を付着させる場合を例にとって説明
する。 実施例3 この実施例では、発生微粒子を受け溜めるプレートSと
して、シリコン基板Sを採用し、該基板上には予め、微
粒子を付着させる部分以外にマスクを形成しておいた。
また、高周波電力のパルス幅は実施例1と同様に2ms
ecで、デューティ 50%(1msecオン、1msecオ
フ)とした。
【0024】プロセス条件を示すと次のとおりである。 基板S :6インチ シリコンウエハ 基板温度(微粒子生成付着温度):500℃ 微粒子生成真空度:0.5 Torr プロセスガス :シランガス(SiH4 ) 50cc
m 高周波電極3 :直径200mm RFパワー :13.56MHz、500W 変調周波数 :500Hz デューティ :50% 以上の条件のもとに微粒子を発生させたところ、 微粒子生成速度 :0.2μm/min 粒径 :0.5μm〜0.8μm であっ
た。
【0025】このように微粒子の粒径が均一化され、キ
ャパシタ形成に十分利用できる微粒子が基板S上に直接
得られた。以上説明したように、本発明方法及び装置に
よると、熱CVD装置を応用した従来の微粒子発生方法
及び装置に比べると、比較的低温で所望の微粒子を発生
させることができ、高周波電力供給のパルス幅やデュー
ティの選択で微粒子の粒径制御を大幅に改善でき、粒径
を均一化できる利点があり、焼結体形成用の微粒子、半
導体デバイス用キャパシタ等形成用の微粒子の生成に好
都合である。
【0026】また、前記実施例の場合、微粒子径のバラ
ツキは従来比で1/1.5程度にも改善でき、焼結体を
得るにあたってはバインダー使用量を大幅に減らすこと
ができる。なお、高周波電力供給のパルス幅決定に際し
ては、一般的に言えば、約0.1〜約1000Hzの範
囲内で振幅変調をかけることが考えられる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、従
来の微粒子発生方法及び装置に比べて粒径が均一化され
た所望の微粒子を効率良く発生させることができ、焼結
体用微粒子や半導体デバイスのキャパシタ等形成用の微
粒子のような微粒子の生成に適する微粒子発生方法及び
装置を提供することができる。
【0028】また、微粒子生成用ガスもパルス状に供給
するときは、粒径を一層均一化する方向に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る微粒子発生装置の1例の概略構成
を示す図である。
【図2】本発明に係る微粒子発生装置の他の例の概略構
成を示す図である。
【図3】本発明による高周波電力供給パターンの1例を
示す図である。
【図4】本発明によるプロセスガス供給パターンの1例
及びそれに伴うなう高周波電力供給パターンの1例を示
す図である。
【図5】従来例の概略構成を示す図である。
【図6】他の従来例の概略構成を示す図である。
【図7】さらに他の従来例の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 真空容器 11 石英管室 2、S 微粒子受け溜めプレート 20 接地部材 201 サセプタ 202 ヒータ 31、84 マッチングボックス 32、85 高周波アンプ 33、86 任意波形発生器 4 排気装置 41 排気量調整弁 42 排気ポンプ 51 ガスノズル 521、522 マスフローコントローラ 531a、532a 開閉弁 541、542 微粒子生成用ガス源 6 ヒータ 7 ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 19/00 - 19/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子生成用ガスを真空容器内に導入し
    て所定真空度のもとに該ガスに対し高周波電力を印加し
    て該ガスをプラズマ化するとともに目的とする微粒子を
    生成させ、前記高周波電力印加に際しては、該高周波電
    力をパルス状に供給することを特徴とする微粒子発生方
    法。
  2. 【請求項2】 前記微粒子生成用ガスもパルス状に供給
    する請求項1記載の微粒子発生方法。
  3. 【請求項3】 排気装置により所定真空度に維持可能の
    真空容器と、前記真空容器へ微粒子生成用ガスを供給す
    るガス供給部と、前記真空容器に導入されたガスに対し
    高周波電力を印加する手段と、前記真空容器内に発生す
    る微粒子を受ける微粒子受け部とを有し、前記高周波電
    力印加手段は高周波電力をパルス状に供給する手段を含
    んでいることを特徴とする微粒子発生装置。
  4. 【請求項4】 前記ガス供給部が前記微粒子生成用ガス
    をパルス状に供給するための手段を含んでいる請求項3
    記載の微粒子発生装置。
  5. 【請求項5】 前記微粒子受け部を半導体デバイス基板
    とした請求項3又は4記載の微粒子発生装置。
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