JP3335497B2 - 中層浮魚礁 - Google Patents

中層浮魚礁

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JP3335497B2 JP09282295A JP9282295A JP3335497B2 JP 3335497 B2 JP3335497 B2 JP 3335497B2 JP 09282295 A JP09282295 A JP 09282295A JP 9282295 A JP9282295 A JP 9282295A JP 3335497 B2 JP3335497 B2 JP 3335497B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Artificial Fish Reefs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集魚効果に優れた中層
浮魚礁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の中層浮魚礁の礁体は、本発明で言
う礁体本体のみであった。例えば、実公昭59−428
69号公報は、外周に網を張った籠状の礁体であり、実
公昭58−50860号公報は、柱状浮力体の外側に骨
材をジャングルジム状に取付けた礁体であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらは礁体の長さ
が、概して10〜20m位と短いため、その設置深度付
近の生息魚類だけしか集魚しないので集魚効果が悪かっ
た。また、礁体を単に長くしたとしても、水深1000
m程度の外洋に設置した場合、静水中では礁体上端が水
面化20mであっても、流速が速くなると礁体と係留ロ
ープが抵抗を受けるため、海底に固定されたアンカーを
中心にして回転し、その結果、礁体深度が深くなって、
魚類の生息水深から外れて、集魚効果が悪くなるという
欠点があった。 本発明は、礁体と数珠状に配した浮力
体という特定な組合せを採用したことにより、礁体深度
を魚類の生息深度付近に容易に設置することができ、か
つ食物連鎖による集魚効果が倍増する中層浮魚礁を提供
せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題点を
解決するため、以下の構成を採用するものである。すな
わち、本発明の中層浮魚礁は、余剰浮力 0.5トン以上を
有する柱状の礁体本体と、この礁体本体の少なくとも
球形の浮力体を数珠状に配した補助礁体と、この補
助礁体の下方に配したアンカーとを具備し、前記礁体本
体と補助礁体との浮力バランスにより礁体本体の下部に
配した補助礁体が水面下 100m以下の浅い中深度位置に
設置できるように構成したことを特徴とするものであ
る。
【0005】
【作用】すなわち、本発明は、礁体と数珠状に配した浮
力体を補助礁体として使用するという特定な組合せを採
用したことにより、礁体深度が魚類の生息深度付近に設
置することができる利点があり、これが食物連鎖による
集魚効果が加わることを見出し、本発明を完成したもの
である。
【0006】以下、図面に基づいて説明する。図1は本
発明の一実施例を示す図である。礁体本体1は従来の礁
体に相当するものであり、主な目的は対象魚種を集魚さ
せるもので、それは礁体本体自体の効果と上部に集まっ
た小型魚を餌とする食物連鎖の効果とで実施される。こ
のため、ある程度の大きさが必要であり、外寸のなす空
体積が、好ましくは10m3 以上、さらに好ましくは3
0m3 以上が良い。本実施例は直径1.3m、長さ8
m、空体積10.6m3 である。形状は柱状であるのが
好ましいが、断面形状は多角柱状、円柱状でも良い。構
造は特に限定されず、鉄管やFRP管を密閉して浮力体
を兼ねたものも使用できるが、図1に示すように複数個
の枠2を設けて、外周に網3を張ったものが、内部の水
の流れが良いため、魚類の生息環境が良くなることと、
流れによる抵抗が小さくなることによって前記のアンカ
ー4を中心とした回転による礁体本体1の深度変化が小
さくなること、とにより集魚効果が高まるので良い。枠
2はプラスチック、FRP、金属の棒あるいはパイプな
どで構成され、浮力はプラスチックの球形の浮力体5を
付けたり、枠自体を中空密閉型にすることなどによって
得ることができる。浮力は余剰浮力で礁体の深度変化を
小さくするため、0.5トン以上が必要で、さらに1ト
ン以上が好ましい。網3は合成繊維の糸やロープ、プラ
スチックやFRPの棒や帯状のもので構成され、材質は
特に限定されないが、網目の大きさは一辺が10cm以
上が好ましく、さらに、20cm以上が前述した効果に
より、集魚効果が良いので好ましい。下部補助礁体6は
浮力体7を数珠状に配して連結ロープ8などで連結して
構成する。下部補助礁体6で重要なことは、中深度や大
深度の大型魚類を集魚させることができることであり、
このため、ある程度の長さがあるのが好ましく、好まし
くは10m以上の長さがよい。また、礁体全体の深度を
魚類の多く生息するあるいは游泳する深度である100
m以下の浅いところに設置して集魚効果を高めることで
あり、このため、浮力体7は球形であることが好まし
く、また下部補助礁体の浮力は好ましくは0.5トン以
上とするのがよい。
【0007】浮力体7が球形が好ましい理由について説
明する。水中の抵抗F(トン)は次式によって計算され
る。
【0008】F=(W/2g)CD 2 S ここで、W:水の単位体積重量(トン/m3 )。CD
抗力係数、V:流速(m/sec)、S:流れの方向の
投影面積(m2 )である。
【0009】球形は抗力係数CD が0.5であり、例え
ば長い円柱の1.0と比べて抵抗が小さいため、礁体深
度が深くならないことによる。また浮力が0.5トン以
上であることが好ましい理由は、礁体深度は上向きの浮
力と横向きの上式で計算した総抵抗との釣り合いで求ま
るが、これより小さいと、魚類の生息水深より深くなる
ため、蝟集効果が悪くなる。具体的には、水深1000
mで海面の潮流が2ノットの場合、下部補助礁体の浮力
が0.49トンであると、礁体の深度、詳しくは上端深
度は計算によると114mとなって本発明の効果を達成
できない。ところが、浮力が0.9トンであると深度は
96mとなって、本発明の効果を達成する。すなわち、
このわずかな深度差が集魚効果に大きい影響を与えるの
である。一方、礁体深度100m以下の浅いところに設
置する他の方法として、下部補助礁体の浮力は小さくて
も、礁体本体1の浮力を大きくすることも考えられる
が、この場合、礁体本体の浮力を大きくすることは、浮
力体5を多くすることになるので、礁体本体内の水の通
りが悪くなって集魚効果が悪くなるので好ましくない。
また、下部補助礁体の浮力を小さくすると、すなわち、
浮力体7の個数を少なくしたり、小さくしたりすると、
下部補助礁体の集魚効果が悪くなり、本発明の効果は達
成できない。要するに、礁体本体と下部補助礁体の浮力
のバランスが重要である。係留ロープ9は、各種の合成
繊維ロープやワイヤーロープなどを使用できるが、礁体
深度を深くしないために、比重の小さい合成繊維ロープ
が好ましく、さらに、JIS−L2707で規定するリ
ードが3.6以上が好ましい。この理由は、リードが大
きくなると伸度が小さくなるため、礁体深度を正確に設
置できることと、強力が大きくなるため直径が細くでき
て、抵抗が小さくなり礁体深度が深くならないこととに
より、本発明の効果を達成しやすい。係留ロープ9の外
周は、塩ビやポリエチレン樹脂、あるいは合成樹脂の布
やテープなどで被覆することが好ましい。この理由は、
リードが大きくなると、ロープの集束が悪くなって取扱
い性が悪くなることと、ロープを保護して耐久性を高め
るためである。人工海草10は合成繊維の布やフィルム
あるいはロープなどで作られ、礁体本体の内外部や下部
補助礁体に取付けて集魚効果を高める。本発明において
人工海草10は重要である。理由は前述した抵抗の計算
式において、投影面積Sが小さいため、抵抗が小さいの
で、礁体深度が深くなりにくいことと、礁体の一部を形
成することとによって、集魚効果を高める。
【0010】図2は他の実施例を示す図で、礁体本体1
の上部には、浮力体7を配した上部補助礁体11を有す
る。
【0011】この図の魚礁の特徴は、上部補助礁体11
によって、小型魚などの表層魚類の集魚効果を高め、食
物連鎖を大きくして、礁体本体1付近での対象魚類の集
魚効果を向上させるものである。
【0012】図3は、さらに他の実施例を示す図で、上
部補助礁体11によって表層魚類を集魚させ、礁体本体
1によって対象魚類を集魚させ、下部補助礁体6によっ
て中深度や大深度あるいは底魚などの魚類を集魚させ
る。すなわち、海面から大深度までの全ての魚類を集魚
させるもので、食物連鎖の効果が大きく集魚効果が高
い。
【0013】
【実施例】以下実施例で本発明をさらに説明する。 実施例1 図1に示す中層浮魚礁を作製した。礁体本体1の全体の
寸法は直径1.3m、高さ8mの円柱型で空体積は1
0.6m3 であった。浮力は余剰浮力で約1.1トンで
あった。枠2は外径90mmのFRPパイプで直径1.
3mのリングとし、内部には同様のパイプで十文字状の
補強を入れた。枠2は、上端は2段に組立て、中央と下
端に各1個使用した。網3は、テトロンロープ(直径1
0mm)をグリーン色に染色して、一辺30cmの網を
作り、各枠を連結するロープと各枠とに取り付け、図の
ように円柱形とした。浮力体5はABS樹脂製直径36
0mmを、枠2の上部と各枠のセンター間に、合計58
個取付けた。下部浮力体7はABS製直径450mm2
4個を、連結ロープ8でピッチ約0.6mで取付け、全
長15mとした。余剰浮力は約0.9トンであった。係
留ロープ9は、高強力テトロン糸使いの直径28mm、
リード4.5のクロスロープで、外周を厚さ2mmにカ
ーボン入りの半硬質塩ビで被覆したものを使用した。人
工海草10は、テトロン黒原着糸不織布を幅10cmに
カットして、礁体本体内部には約1.5mピッチで束ね
て、また、下部礁体には長さ1.5mの短冊状にして取
付けた。でき上った中層浮魚礁に鉄製のアンカーをつけ
て、水深1000mの外洋に、礁体上端が静水時に水面
下20mになるように設定して設置した。翌年の5月に
魚探で調査したところ、礁体上端は水面下約70mにあ
って、魚探反応は礁体本体および下部補助礁体の周辺だ
けでなく、これらの上方にも下方にも強い魚影があり、
魚群を形成していた。この集魚効果は後で述べる比較例
と比べて格段にすぐれたものであった。
【0014】比較例1 実施例と同様な礁体本体を作製し、下部浮力体7は実施
例より小さい直径360mmの浮力体を同数の24個取
付けた。下部補助礁体の余剰浮力は約0.49トンであ
った。他は実施例と同じものとした。設置も実施例と同
様にして、約5km離して設置した。実施例と同じ日に
調査したところ、礁体上端は水面下約100mにあり、
魚探反応は礁体本体および下部補助礁体の周辺に弱い魚
影が見られる程度であった。
【0015】
【発明の効果】本発明の効果をまとめると、特定の礁体
構造であるため、礁体自体の集魚効果が高い。礁体深度
を魚類の生息深度付近に設置できる。表層魚種だけでな
く中深度魚種も大深度魚種も集魚させることができる。
さらに大きい効果は、これらの集魚によって食物連鎖の
効果が加わり集魚効果が高い。また、本発明は浅い大陸
棚や内海にも設置して、同様の効果を上げることができ
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は本発明の中層浮魚礁の一例を示す図。
【図2】この図は本発明の中層浮魚礁の他の例を示す
図。
【図3】この図は本発明の中層浮魚礁のさらに他の例を
示す図。
【符号の説明】
1:礁体本体 2:枠 3:網 4:アンカー 5:浮力体 6:下部補助礁体 7:浮力体 8:連結ロープ 9:係留ロープ 10:人工海草 11:上部補助礁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 61/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 余剰浮力 0.5トン以上を有する柱状の
    礁体本体と、この礁体本体の少なくとも下部球形の
    力体を数珠状に配した補助礁体と、この補助礁体の下方
    に配したアンカーとを具 備し、前記礁体本体と補助礁体
    との浮力バランスにより礁 体本体の下部に配した補助礁
    体が水面下 100m以下の浅い 中深度位置に設置できるよ
    うに構成されたことを特徴とする中層浮魚礁。
  2. 【請求項2】 該補助礁体の浮力が、合計浮力で 0.5ト
    ン以上である請求項1に記載の中層浮魚礁。
  3. 【請求項3】 補助礁体の長さは、少なくとも10mであ
    る請求項1または2 記載の中層浮魚礁。
  4. 【請求項4】 該礁体本体の外周が網であり、かつ、柱
    状に形状を保持する枠が少なくとも上端と下端にあり、
    かつ、該枠が浮力を有する請求項1〜3に記載の中層浮
    魚礁。
  5. 【請求項5】 アンカーが、礁体本体の下部に配した補
    助礁体に連なる係留 ロープに設けられている請求項1〜
    4のいずれかに記載の中 層浮魚礁。
  6. 【請求項6】 中層浮魚礁の少なくとも一部に人工海草
    を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の中層浮魚礁。
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