JP3334264B2 - 半導体セラミック素子 - Google Patents

半導体セラミック素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、負の抵抗温度係数を有
するセラミック素体を用いた半導体セラミック素子に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、スイッチング電源ではスイッチ
を入れた瞬間に過電流が流れることから、この初期の突
入電流を吸収する素子として、いわゆるNTCサーミス
タ素子が用いられている。このNTCサーミスタ素子
は、室温での抵抗値が高く、温度の上昇と共に抵抗値が
低下する機能を有しており、これによって初期の突入電
流を抑制し、その後自己発熱により昇温して低抵抗とな
り、定常状態では電力消費量が低減できる。このような
NTCサーミスタ素子のセラミック素体としては、従来
からスピネル酸化物が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなNTCサー
ミスタ素子を突入電流防止用に用いた場合、上述のよう
に自己発熱による昇温状態で抵抗値が小さくならなけれ
ばならない。しかしながら、従来のスピネル酸化物を用
いたNTCサーミスタ素子は、一般に比抵抗を小さくす
るほどB定数が小さくなる傾向にあり、昇温状態におけ
る抵抗値を十分に小さくすることができず、定常状態に
おける電力消費量を低減することができないという問題
があった。
【0004】また、従来のNTCサーミスタ素子では、
外気温度の変化により初期抵抗値にばらつきがあり、特
に0℃以下の低温では抵抗値の立ち上がりが遅れるとい
う問題があった。このような問題を改善するためには、
常温付近でのB定数が小さく、高温でのB定数が大きく
なる特性が必要である。
【0005】本発明の目的は、低温での抵抗値の立ち上
がりが向上し、昇温状態での抵抗値を小さくして電力消
費量を低減すると共に、大電流にも対応可能とし、かつ
信頼性に優れた突入電流防止用半導体セラミック素子を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、B定数が室温で小さく高温で大きくな
る負の抵抗温度特性を示すセラミック組成物について鋭
意検討したところ、希土類遷移元素からなる酸化物セラ
ミック組成がこのような特性を有しており、かつこのよ
うな希土類遷移元素酸化物のセラミック素体の空隙率を
3〜20体積%とすることにより、信頼性の高い半導体
セラミック素子が得られることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の突入電流防止用半導体
セラミック素子は、セラミック素体がLaCo系酸化物
から形成され、かつセラミック素体の空隙率が3〜20
体積%であることを特徴としている。
【0008】本発明において用いるLaCo系酸化物
は、温度上昇によるB定数の増加が大きく、かつ室温に
おけるB定数が小さいので、優れた特性を得ることがで
きる。
【0009】
【作用】希土類遷移元素酸化物が、低抵抗で室温のB定
数が小さく、かつ高温でのB定数が大きいという特性に
ついては、例えば、V.G.Bhide、D.S.Ra
−joriaによる文献(Phys.Rev.B6
〔3〕1021(1972))等に記載されている。本
発明者らは、このような特性が実際に素子に適用できる
か否かについて実用試験を種々試みた結果、大電流を流
しても破壊されず、十分に電流抑制効果を示すものの、
抵抗値の変化率が製造条件によって大きく影響され、こ
の原因が成形充填圧力や焼成温度、あるいはバインダの
含有率によって決まる焼成体の空隙率に大きく依存して
いることを見い出した。本発明では、このようなセラミ
ック素体の空隙率を3〜20体積%とし、信頼性の高い
安定した特性を示す半導体セラミック素子としている。
セラミック素体の空隙率が3体積%より小さくなると、
酸化が容易に進まないためB定数が小さくなり、20体
積%を超えると、信頼性が低下する。
【0010】本発明に従いLaCo系酸化物からなるセ
ラミック素体を用い、かつその空隙率を3〜20体積%
とすることにより、信頼性及び室温抵抗値の安定性を向
上させることができ、室温状態での抵抗の低抵抗化、定
常状態での電力消費量の低減化、及び許容電流値の大電
流化を図ることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。実施例 希土類遷移元素酸化物として、LaX CoY 3 (X/
Y=0.9〜1.1)となるように、Co3 4 、La
2 3 の粉末を秤量し混合する。この粉末を、純水を用
いてボールミルで16時間湿式混合した後、乾燥させて
1000℃で2時間仮焼する。この仮焼粉末にバインダ
を5重量%加えて、再度ボールミルで5時間湿式混合し
て粉砕し、濾過、乾燥させた後、室温抵抗値が10Ωと
なるように、円板状に加圧成形し、該成形体を大気中で
1400℃で2時間焼成して焼成体(8.2体積%)と
する。次に、この焼成体の両面に銀ペーストを塗布した
後に、650℃で焼き付けて電極を形成し、NTCサー
ミスタ素子を得る。
【0012】比較例 比較のため、従来のNTCサーミスタ素子を製造する。
Co3 4 、Mn3 4 及びCuCO3 をそれぞれ重量
比で6:3:1の割合となるように秤量し、この粉末を
用いて、上記実施例と同様にしてNTCサーミスタ素子
を製造する。
【0013】図1は、上記実施例及び比較例のNTCサ
ーミスタ素子の比抵抗の温度依存性を示す特性図であ
る。図1に示されるように、比較例のNTC素子では、
25℃の比抵抗が100Ω・cmと高く、また温度上昇
によるB定数の増加が小さい。これに対して、本発明に
従う実施例のNTC素子では、25℃の比抵抗が20Ω
・cm以下と小さく、さらに温度上昇によるB定数の増
加が大きく、高温において比較例のNTC素子よりも低
抵抗が得られることを示している。
【0014】実施例のNTC素子と比較例のNTC素子
とをそれぞれスイッチング電源に直列接続し、電源投入
時のスイッチング電源電流値の時間変化を測定した。こ
の結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1から明らかなように、比較例の素子の
場合も電流遅延効果はあるが、外気温が60℃と−30
℃の時、1秒後の電流値がそれぞれ9.1A及び1.3
Aを示しており、立ち上がり特性のばらつきが大きいこ
とがわかる。
【0017】図2は、実施例のNTC素子の繰り返し通
電試験の結果を示す図である。試験は、1分間電流を通
電後、30分間電源を切り25℃に冷却するというヒー
トサイクルを10000回行った。図2には、1回目の
特性と、10000回目の特性が示されており、100
00回行っても特性の変化がまったく認められないこと
がわかる。
【0018】また、実施例のNTC素子100個に対
し、20Aを通電して実用試験を行った結果、いずれの
素子も破壊することがなく、大電流にも適用できること
が確認された。
【0019】次に、上記実施例において仮焼粉末に加え
るバインダの量を0〜15重量%と変化させることによ
り、下記の表2に示すような空隙率の異なる焼成体を作
製し、これらの焼成体から上記実施例と同様にしてNT
Cサーミスタ素子を製造した。これらのNTCサーミス
タ素子それぞれ50個に対し、高温放置試験(200
℃,1000時間)、及び通電試験(10A,1000
時間)における抵抗値の変化率を測定し、その結果を表
2に示した。またB定数を測定し、表2に示した。ここ
でB定数は、温度をT、比抵抗をρ、自然対数をLnと
すると、 B(T)={Lnρ(T0 )−Lnρ(T)}/(T0
−T) で定義される定数であり、温度による抵抗変化を示して
いる。この数値が大きいほど温度による抵抗変化が大き
い。ここで示したB定数は、室温25℃から200℃に
上昇させたときの定数を示す。
【0020】なお、表2において、試料番号に*を付け
たものは、空隙率が本発明の範囲外である比較例であ
る。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、空隙率が本発明
の範囲よりも小さい試料番号1及び2では、高温でのB
定数が小さくなっている。また空隙率が本発明の範囲よ
りも大きい試料番号9及び10では、高温放置試験にお
ける抵抗変化率及び通電試験における抵抗変化率が−1
0%以上の変化を示しており、信頼性が低いことがわか
る。
【0023】上記実施例では、円板状のNTCサーミス
タ素子を製造し説明しているが、本発明の半導体セラミ
ック素子はこのような形状に限定されるものではなく、
積層素子、円筒形素子など他の素子形状のものにも適用
されるものである。また上記実施例においては、素子の
電極としてAgを用いたが、Pd、Pt、あるいはそれ
らの合金など他の電極材料を用いても同様の特性を得る
ことができる。
【0024】
【発明の効果】本発明に従い、LaCo系酸化物からな
るセラミック素体を用いることにより、室温でのB定数
が小さく、かつ温度上昇によるB定数が大きい素子とす
ることができ、定常状態でき電力消費量を低減すること
ができ、大電流にも適用することができる。またセラミ
ック素体の空隙率を3〜20体積%とすることにより、
高温でのB定数の向上、高温放置試験、通電試験等の信
頼性試験における特性値の安定性などを著しく向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるNTCサーミスタ素子
の比抵抗の温度依存性を示す図。
【図2】本発明の実施例のヒートサイクル試験の時間−
電流特性を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−290549(JP,A) 特開 昭50−18961(JP,A) 特開 昭51−80989(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負の抵抗温度係数を有するセラミック素
    体を用いた突入電流防止用半導体セラミック素子におい
    て、 前記セラミック素体がLaCo系酸化物により形成さ
    れ、かつセラミック素体の空隙率が3〜20体積%であ
    ることを特徴とする、半導体セラミック素子
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