JPH07230902A - 半導体セラミック素子 - Google Patents

半導体セラミック素子

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JPH07230902A
JPH07230902A JP2053794A JP2053794A JPH07230902A JP H07230902 A JPH07230902 A JP H07230902A JP 2053794 A JP2053794 A JP 2053794A JP 2053794 A JP2053794 A JP 2053794A JP H07230902 A JPH07230902 A JP H07230902A
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JP
Japan
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semiconductor ceramic
temperature
resistance
resistance value
characteristic
Prior art date
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Pending
Application number
JP2053794A
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English (en)
Inventor
Kenjirou Mihara
賢二良 三原
Hideaki Niimi
秀明 新見
Yuichi Takaoka
祐一 高岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇温状態での抵抗値を小さくして電力消費量
を低減するとともに、大電流にも対応可能とし、かつ電
極の改良により、特性値の安定性、信頼性が得られる負
の温度特性を有する半導体セラミック素子を提供するこ
とである。 【構成】 ペロブスカイト構造を持つランタンコバルト
系酸化物からなる負の抵抗温度特性を有するセラミック
素体を用いた半導体セラミック素子において、半導体セ
ラミック素体の表面に形成された電極が乾式めっき薄膜
であることを特徴とする半導体セラミック素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、負の抵抗温度特性を
有するセラミック素体を用いた半導体セラミック素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、スイッチング電源ではスイッチ
を入れた瞬間に過電流が流れることから、この初期の突
入電流を吸収する素子として、いわゆる負の抵抗温度特
性を有する半導体セラミック素子(以下、NTCサーミ
スタ素子という)が用いられている。このNTCサーミ
スタ素子は、室温での抵抗値が高く、温度の上昇ととも
に抵抗値が低下する機能を有しており、これにより初期
の突入電流を抑制し、その後自己発熱により昇温して低
抵抗となり、定常状態では電力消費量を低減できる。こ
のようなNTCサーミスタ素子のセラミック素体として
は、従来からスピネル酸化物が用いられている。
【0003】ところで、NTCサーミスタ素子を突入電
流防止用に用いた場合、自己発熱による昇温状態で抵抗
値が小さくならなければならない。しかしながら、従来
のスピネル酸化物を用いたNTCサーミスタ素子は、一
般に比抵抗を小さくするほどB定数が小さくなる傾向に
あり、昇温状態における抵抗値を充分に小さくすること
ができず、定常状態における電力消費量が低減できない
という問題があった。
【0004】そこで、特公昭48ー6352号公報にお
いて、B定数が大きくなるNTCサーミスタ素子とし
て、BaTiO3にLi23を添加した組成のセラミッ
クが提案されている。しかしながら、このような上記N
TCサーミスタ素子においては、140℃の比抵抗が1
5Ω・cm以上と大きいことから、定常状態における電
力消費量が増大するという問題がある。
【0005】また、VO2系セラミックを用いた素子
は、80℃での比抵抗が10から0.01Ω・cmに低下
する抵抗値急変特性を示すことから、突入電流防止用と
して優れている。しかし、このVO2系セラミック素子
は、不安定であり、また還元焼成後急冷して製造する必
要があり、その形状はビード状に限定されるという問題
点があった。さらに、許容電流値が数十mAと小さいこと
から、スイッチング電源などの大電流が流れる箇所にお
いては使用することができない。
【0006】ところが、希土類遷移元素系酸化物を用い
れば、B定数が室温で小さく、高温で大きい、負の抵抗
温度特性を有することについてはブイ.ジー.ブハイデ
(V.G.Bhide)およびディー.エス.ラジョリ
ア(D.S.Rajoria)の文献(Phys.Re
v.B6,[3] 1021(1972))等で示され
ている。
【0007】そこで、前記文献に示された希土類遷移元
素系酸化物を検討した結果、特に、希土類コバルト系酸
化物を用いることで、従来のスピネル系酸化物を用いた
NTCサーミスタ素子よりも、優れた突入電流防止特性
を示すことを見いだし、提案している(特願平5−18
997号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の組成で
単板タイプの素子を製作評価した場合、電極ペーストに
よって素子の抵抗値、B定数が不安定になり、通電試験
における抵抗値変化が大きいことがわかった。この原因
を調べた結果、電極ペースト中のガラスフリットが抵抗
値を不安定にしていることがわかった。
【0009】この発明の目的は、昇温状態での抵抗値を
小さくして電力消費量を低減するとともに、大電流にも
対応可能とし、ばらつきが小さく、特性値の安定で高
い、信頼性の負の抵抗温度特性を有する半導体セラミッ
ク素子を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ペロブスカイト構造を持つ希土類遷移元素系酸化物から
なる負の抵抗温度特性を有するセラミック素体を用いた
半導体セラミック素子において、前記半導体セラミック
素体の表面に形成された電極が乾式めっき薄膜である半
導体セラミック素子である。
【0011】請求項2に係る発明は、希土類遷移元素系
酸化物がランタンコバルト系酸化物からなる半導体セラ
ミック素子である。
【0012】請求項3に係る発明は、半導体セラミック
素体に形成された電極は、スパッタリング膜、蒸着膜、
化学気相成長膜、イオンプレーティング膜のいずれかで
ある半導体セラミック素子である。
【0013】
【作用】この発明の半導体セラミック素子において、該
素子に希土類遷移元素系酸化物、特にランタンコバルト
系酸化物を用いたことで、室温でのB定数は小さく、高
温でのB定数が大きい。また、電極を乾式めっきによる
薄膜電極にしたことで、抵抗値、B定数のばらつきが抑
えられ、安定化がはかれる。昇温状態での抵抗の低抵抗
化、定常状態での電力消費量低減化、許容電流の大電流
化が得られる。さらにまた、ヒートサイクル試験後の特
性変化がなく、通電試験後の抵抗値変化が少ない、信頼
性の高い半導体セラミック素子が得られる。
【0014】
【実施例】
(実施例)まず、Co34、La23を準備し、LaX
CoY3(X/Y=0.9〜1.1)となるように秤量
し混合した。この混合粉末を純水、及びジルコニアボー
ルとともにポリエチレン製ポットで7時間湿式混合した
後、乾燥させて1000℃で2時間仮焼し仮焼粉を作製
した。この仮焼粉末に有機バインダ5wt%加えて、再度
ポリエチレン製ポットで5時間湿式混合して粉砕し、濾
過、乾燥させた後、室温抵抗値が12Ωになるように、
円板状に加圧成形し、該成形体を大気中で1400℃で
2時間焼成してセラミック素体とする。この焼成体の両
面にスパッタリング方法により銀の薄膜電極を形成し、
NTCサーミスタ素子を得た。
【0015】(比較例1)Co34、Mn34、CuC
3のそれぞれを重量比で6:3:1の割合で秤量し、
この粉末を用いて、上記実施例と同様にしてNTCサー
ミスタ素子の焼成体を作製し、その素子の両面に、所定
量の銀粉末、ワニス、グレーズで構成した電極ペースト
を塗布、乾燥、800℃で焼き付けて、NTCサーミス
タ素子を得た。
【0016】(比較例2)上記実施例と同じようにして
得られた焼成体の両面に比較例1と同じグレーズの入っ
た銀ペーストを塗布乾燥した後、800℃で焼き付けて
NTCサーミスタ素子を得た。
【0017】図1は、上記実施例及び比較例1のNTC
サーミスタ素子の比抵抗の温度依存性を示す特性図であ
る。縦軸に比抵抗(Ω・cm)、横軸に温度(℃)をと
り、曲線で表した。図1に示すように、比較例1のNT
Cサーミスタ素子では、25℃の比抵抗が100Ω・cm
と高く、また温度上昇によるB定数の増加が小さい。こ
れに対して、この発明のNTCサーミスタ素子では、2
5℃の比抵抗が20Ω・cm以下と小さく、さらに温度上
昇によるB定数の増加が大きく、高温において比較例1
のNTCサーミスタ素子よりも低抵抗が得られることを
示している。
【0018】図2は、実施例のNTCサーミスタ素子の
繰り返し通電試験の結果を示す図である。縦軸に電流
(A)、横軸に時間(s)をとっている。試験は1分間
電流を通電後、30分間電源を切り、25℃に冷却する
というヒートサイクルを10000回行った。図2の−
○は1回目の特性、−□は10000回目の特性を示し
ていて、10000回行っても特性の変化が全く認めら
れないことがわかる。
【0019】また、実施例のNTCサーミスタ素子10
0個に対し、20Aを通電して実用試験を行った結果、
いずれの素子も破壊することなく、大電流にも適用でき
ることが確認された。
【0020】次に、実施例と比較例2の初期抵抗値、B
定数、及び通電試験結果を表1に示す。初期抵抗値(室
温25℃)、B定数はそれぞれ50個の試料を用い、通
電試験(10A、1000時間)は20個の試料を用い
て平均値、最大値、最小値を示す。ここで、B定数は、
温度をT、比抵抗をρ、lnを自然対数とすると、B
(T)={lnρ(T0)−lnρ(T)}/(T0
T)の式より導き出される定数であり、温度による抵抗
変化を示している。この数値が大きいほど温度による抵
抗変化が大きい。なお、T0は25℃、Tは200℃と
した。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、比較例2の場
合、初期抵抗値、B定数に大きなばらつきがみられるの
に対し、実施例では安定しており、通電試験でも比較例
2の試料は最大27.44%も変化したのに対し、実施
例では2.6%に抑えられ、信頼性面で向上しているこ
とがわかる。
【0023】上記の実施例では、円板状のNTCサーミ
スタ素子を用いて説明しているが、この発明の半導体セ
ラミック素子はこのような形状に限定されるものではな
く、積層素子、円筒形素子、角型チップ素子など他の素
子形状のものにも適用されるものである。また、上記実
施例においては、半導体セラミック素子の電極として銀
を用いたが、白金、パラジウム、ニッケル、銅、クロ
ム、あるいはそれらの合金などの電極材料を用いても同
様の特性を得ることができる。さらに、本実施例では薄
膜電極にスパッタリング膜を用いたが、蒸着膜、化学気
相成長膜、イオンプレーティング膜で行っても同様の効
果が得られる。
【0024】
【発明の効果】この発明の希土類遷移元素系酸化物を用
いて、電極を乾式めっきの薄膜電極にしたことで、室温
でのB定数が小さく、かつ温度上昇によるB定数が大き
い素子を作ることができ、定常状態での電力消費量を低
減でき、大電流にも適用できる。また、初期抵抗値、B
定数のばらつきの少ない安定性のある素子の製造が可能
となり、生産性の歩留まりを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例と比較例1におけるNTCサ
ーミスタ素子の比抵抗の温度依存性を示す図である。
【図2】この発明の実施例のヒートサイクル試験の時間
−電流特性を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペロブスカイト構造を持つ希土類遷移元
    素系酸化物からなる負の抵抗温度特性を有するセラミッ
    ク素体を用いた半導体セラミック素子において、前記半
    導体セラミック素体の表面に形成された電極が乾式めっ
    き薄膜であることを特徴とする半導体セラミック素子。
  2. 【請求項2】 前記希土類遷移元素系酸化物がランタン
    コバルト系酸化物からなることを特徴とする請求項1記
    載の半導体セラミック素子。
  3. 【請求項3】 前記半導体セラミック素体に形成された
    電極は、スパッタリング膜、蒸着膜、化学気相成長膜、
    イオンプレーティング膜のいずれかであることを特徴と
    する請求項1記載の半導体セラミック素子。
JP2053794A 1994-02-17 1994-02-17 半導体セラミック素子 Pending JPH07230902A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0635852A2 (en) * 1993-07-19 1995-01-25 Murata Manufacturing Co., Ltd. Semiconductor ceramic device
US6475604B1 (en) 1999-06-03 2002-11-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Thin film thermistor element and method for the fabrication of thin film thermistor element

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0635852A2 (en) * 1993-07-19 1995-01-25 Murata Manufacturing Co., Ltd. Semiconductor ceramic device
EP0635852A3 (en) * 1993-07-19 1996-04-10 Murata Manufacturing Co Ceramic semiconductor device.
US6475604B1 (en) 1999-06-03 2002-11-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Thin film thermistor element and method for the fabrication of thin film thermistor element

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