JP3334246B2 - TiAl基恒温鍛造合金の製造方法 - Google Patents
TiAl基恒温鍛造合金の製造方法Info
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- JP3334246B2 JP3334246B2 JP10879493A JP10879493A JP3334246B2 JP 3334246 B2 JP3334246 B2 JP 3334246B2 JP 10879493 A JP10879493 A JP 10879493A JP 10879493 A JP10879493 A JP 10879493A JP 3334246 B2 JP3334246 B2 JP 3334246B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機用エンジン部材
や自動車エンジン部材等の製造への実用化を図ったTi
Al基恒温鍛造合金の製造方法に関するものである。
や自動車エンジン部材等の製造への実用化を図ったTi
Al基恒温鍛造合金の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TiAl基合金(チタンアルミナイド)
は、軽量で耐熱性に優れる(例えば、ニッケル基耐熱合
金よりも高温での比強度に優れ、チタン合金よりも耐熱
性,耐酸化性及び耐水素脆化性に優れる)ことから、航
空機用エンジン部材、自動車用エンジン部材(例えばタ
ービンの静翼やリング、ケーシング)等への適用が期待
されている。
は、軽量で耐熱性に優れる(例えば、ニッケル基耐熱合
金よりも高温での比強度に優れ、チタン合金よりも耐熱
性,耐酸化性及び耐水素脆化性に優れる)ことから、航
空機用エンジン部材、自動車用エンジン部材(例えばタ
ービンの静翼やリング、ケーシング)等への適用が期待
されている。
【0003】このTiAl基合金は、常温延性が低くか
つ高温でも歪速度依存性が高いという実用化の前に解決
しなければならない問題があり、最近では、物理冶金的
な研究が進み常温延性の改善は大きく前進しつつあるが
実用部品の試作は鋳造法によるものが主体となってい
る。
つ高温でも歪速度依存性が高いという実用化の前に解決
しなければならない問題があり、最近では、物理冶金的
な研究が進み常温延性の改善は大きく前進しつつあるが
実用部品の試作は鋳造法によるものが主体となってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、TiAl基
合金のような難加工材の熱間加工法としては恒温鍛造が
適しているが、TiAl基合金は高温でも歪速度依存性
が高いため実用部品を成形するためには、1000〜1150℃
で1×10-5/s〜1×10-6/sの歪速度で恒温鍛造を行
う必要があり恒温鍛造の温度が高いと共に速度が遅いの
で、経済的に不利益が大きく実用には適さない。例え
ば、TiAl基合金の加工を恒温鍛造で行おうとする
と、鍛造速度が遅いのでゆっくり鍛造を行わなければな
らず、1回の鍛造に時間がかかり、多数の部品の加工に
は適さない。
合金のような難加工材の熱間加工法としては恒温鍛造が
適しているが、TiAl基合金は高温でも歪速度依存性
が高いため実用部品を成形するためには、1000〜1150℃
で1×10-5/s〜1×10-6/sの歪速度で恒温鍛造を行
う必要があり恒温鍛造の温度が高いと共に速度が遅いの
で、経済的に不利益が大きく実用には適さない。例え
ば、TiAl基合金の加工を恒温鍛造で行おうとする
と、鍛造速度が遅いのでゆっくり鍛造を行わなければな
らず、1回の鍛造に時間がかかり、多数の部品の加工に
は適さない。
【0005】そこで、本発明は、このような事情を考慮
してなされたものであり、その目的は、高温加工性に優
れたTiAl基合金材を製造することができるTiAl
基恒温鍛造合金の製造方法を提供することにある。
してなされたものであり、その目的は、高温加工性に優
れたTiAl基合金材を製造することができるTiAl
基恒温鍛造合金の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高温加工
性に優れたTiAl基合金材を製造するために鋭意検討
した結果、本発明を完成したのであり、本発明のTiA
l基恒温鍛造合金の製造方法は、Alを31.0〜33.0重量
%、Feを1.8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有
し、残部がTiからなるTiAl基合金材に、1300〜13
50℃で20〜1時間加熱保持する均質化処理を施した
後、この合金材に、不活性ガス雰囲気中、1150〜1300℃
で2時間以上加熱保持するという第2熱処理を施して合
金中にβ相を4体積%以上析出させるものである。
性に優れたTiAl基合金材を製造するために鋭意検討
した結果、本発明を完成したのであり、本発明のTiA
l基恒温鍛造合金の製造方法は、Alを31.0〜33.0重量
%、Feを1.8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有
し、残部がTiからなるTiAl基合金材に、1300〜13
50℃で20〜1時間加熱保持する均質化処理を施した
後、この合金材に、不活性ガス雰囲気中、1150〜1300℃
で2時間以上加熱保持するという第2熱処理を施して合
金中にβ相を4体積%以上析出させるものである。
【0007】また、本発明のTiAl基恒温鍛造合金の
製造方法は、Alを31.0〜33.0重量%、Feを1.8〜2.0
重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有し、残部がTiからな
るTiAl基合金材に、1300〜1350℃で20〜1時間加
熱保持する均質化処理を施した後、この合金材に、不活
性ガス雰囲気中、1150〜1300℃で2時間以上加熱保持す
るという第2熱処理を施して合金中にβ相を4体積%以
上析出させ、その後、この合金材に恒温鍛造加工を施し
た後、1000〜1080℃で8時間以上加熱保持するという第
3熱処理を施して合金中に析出していたβ相を消失させ
るものである。
製造方法は、Alを31.0〜33.0重量%、Feを1.8〜2.0
重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有し、残部がTiからな
るTiAl基合金材に、1300〜1350℃で20〜1時間加
熱保持する均質化処理を施した後、この合金材に、不活
性ガス雰囲気中、1150〜1300℃で2時間以上加熱保持す
るという第2熱処理を施して合金中にβ相を4体積%以
上析出させ、その後、この合金材に恒温鍛造加工を施し
た後、1000〜1080℃で8時間以上加熱保持するという第
3熱処理を施して合金中に析出していたβ相を消失させ
るものである。
【0008】本発明においてAlの含有量は、31.0〜3
3.0重量%にする必要があり、これにより常温延性の改
善を図れる。その含有量が31.0重量%未満の場合には常
温延性が著しく低下し、一方、33.0重量%を越える場合
には常温での破壊靭性値が低下する。
3.0重量%にする必要があり、これにより常温延性の改
善を図れる。その含有量が31.0重量%未満の場合には常
温延性が著しく低下し、一方、33.0重量%を越える場合
には常温での破壊靭性値が低下する。
【0009】Fe及びVは、β相を析出させるための元
素で、その含有量は、 1.8〜2.0 重量%及び 1.4〜1.8
重量%にする必要があり、Fe及びVのいずれについて
も下限値未満の場合には添加の効果(β相の析出)が十
分でない。一方、上限値を越える場合には脆くなる。
素で、その含有量は、 1.8〜2.0 重量%及び 1.4〜1.8
重量%にする必要があり、Fe及びVのいずれについて
も下限値未満の場合には添加の効果(β相の析出)が十
分でない。一方、上限値を越える場合には脆くなる。
【0010】TiAlにFe、Vを複合添加し、これを
均質化処理した後、熱処理することによりβ相を析出す
ることができる。β相はb.c.c構造(体心立方構
造)で高温では比較的大きな変形能があることで知ら
れ、高温で金属とほぼ同様に塑性変形するので延性が期
待できる。このため、合金中にβ相が4体積%以上含ま
れると、恒温鍛造を行う際の温度及び速度を改善するこ
とが可能となる。
均質化処理した後、熱処理することによりβ相を析出す
ることができる。β相はb.c.c構造(体心立方構
造)で高温では比較的大きな変形能があることで知ら
れ、高温で金属とほぼ同様に塑性変形するので延性が期
待できる。このため、合金中にβ相が4体積%以上含ま
れると、恒温鍛造を行う際の温度及び速度を改善するこ
とが可能となる。
【0011】均質化処理は、Al,Ti,Fe及びV等
の元素を均質にするための処理で、例えば1300〜1350℃
で20〜1時間加熱保持する熱処理(第1熱処理)があ
る。
の元素を均質にするための処理で、例えば1300〜1350℃
で20〜1時間加熱保持する熱処理(第1熱処理)があ
る。
【0012】β相を析出する熱処理(均質化処理が第1
熱処理の場合には第2熱処理)は、Ar等の不活性ガス
の雰囲気中で1150〜1300℃で2時間以上加熱保持する必
要があり、これにより合金中にβ相が4体積%以上析出
する。上記規定値以外ではβ相の析出が4体積%未満と
なり恒温鍛造を行う際の温度及び速度を十分に改善する
ことができない。
熱処理の場合には第2熱処理)は、Ar等の不活性ガス
の雰囲気中で1150〜1300℃で2時間以上加熱保持する必
要があり、これにより合金中にβ相が4体積%以上析出
する。上記規定値以外ではβ相の析出が4体積%未満と
なり恒温鍛造を行う際の温度及び速度を十分に改善する
ことができない。
【0013】本発明では、上記成分に加えて硼素(B)
等を添加してもよい。Bの添加により粒界強化を図るこ
とができ、その添加量は0.07〜0.12重量%が好ましい。
添加量が0.07重量%未満の場合には粒界強化の効果が少
なく、又ミクロ組織が不安定になり、0.12重量%を越え
る場合にはチタンボライドの分散が見られるようにな
る。
等を添加してもよい。Bの添加により粒界強化を図るこ
とができ、その添加量は0.07〜0.12重量%が好ましい。
添加量が0.07重量%未満の場合には粒界強化の効果が少
なく、又ミクロ組織が不安定になり、0.12重量%を越え
る場合にはチタンボライドの分散が見られるようにな
る。
【0014】また、TiAl基合金には上記成分の他に
も酸素(O),窒素(N)等の不可避不純物が含まれ
る。具体的には酸素は0.06重量%以下、窒素は0.02重量
%以下含まれる。
も酸素(O),窒素(N)等の不可避不純物が含まれ
る。具体的には酸素は0.06重量%以下、窒素は0.02重量
%以下含まれる。
【0015】従って、Al31.0〜33.0重量%、Fe 1.8
〜2.0 重量%、V 1.4〜1.8 重量%を含有し、残部がT
iからなるTiAl基合金を均質化処理した後、これに
不活性ガス雰囲気中で1150〜1300℃で2時間以上加熱保
持する熱処理を施すことにより、合金中に高温で延性が
期待できるβ相が4体積%以上析出するので、TiAl
基合金の高温加工性の改善を図れる。すなわち、本発明
は高温で延性が期待できるβ相を積極的に利用しようと
するもので、β相を最大限(4体積%以上)析出させ
て、TiAl基合金の高温加工性の改善を図ったもので
ある。これにより、従来のTiAl基合金の恒温鍛造温
度1000〜1150℃よりも低い約 900℃付近の温度での恒温
鍛造が可能となると共に、 900℃以上で恒温鍛造する場
合は変形速度を1×10-3/s〜1×10-4/sと従来(1
×10-5/s〜1×10-6/s)に比して2桁近く速くする
ことが可能となり、高温加工性に優れたTiAl基合金
が得られることになる。
〜2.0 重量%、V 1.4〜1.8 重量%を含有し、残部がT
iからなるTiAl基合金を均質化処理した後、これに
不活性ガス雰囲気中で1150〜1300℃で2時間以上加熱保
持する熱処理を施すことにより、合金中に高温で延性が
期待できるβ相が4体積%以上析出するので、TiAl
基合金の高温加工性の改善を図れる。すなわち、本発明
は高温で延性が期待できるβ相を積極的に利用しようと
するもので、β相を最大限(4体積%以上)析出させ
て、TiAl基合金の高温加工性の改善を図ったもので
ある。これにより、従来のTiAl基合金の恒温鍛造温
度1000〜1150℃よりも低い約 900℃付近の温度での恒温
鍛造が可能となると共に、 900℃以上で恒温鍛造する場
合は変形速度を1×10-3/s〜1×10-4/sと従来(1
×10-5/s〜1×10-6/s)に比して2桁近く速くする
ことが可能となり、高温加工性に優れたTiAl基合金
が得られることになる。
【0016】また、恒温鍛造後の合金材に、1000〜1080
℃で8時間以上加熱保持する第3熱処理を施す。第3熱
処理は、前述した第2熱処理によって合金材中に析出し
ていたβ相を消失させるためのもので、温度が1000℃未
満ではβ相の消失が十分に行えず、また1080℃を越えて
もβ相の消失は十分でなくなる。このように恒温鍛造後
の合金材に第3熱処理を施すことにより、β相が消失す
る。このβ相が合金中に存在すると常温での延性が悪く
なるため、これが消失することにより、第3熱処理後の
合金材を部品の最終形状に成形するのが容易になる。
℃で8時間以上加熱保持する第3熱処理を施す。第3熱
処理は、前述した第2熱処理によって合金材中に析出し
ていたβ相を消失させるためのもので、温度が1000℃未
満ではβ相の消失が十分に行えず、また1080℃を越えて
もβ相の消失は十分でなくなる。このように恒温鍛造後
の合金材に第3熱処理を施すことにより、β相が消失す
る。このβ相が合金中に存在すると常温での延性が悪く
なるため、これが消失することにより、第3熱処理後の
合金材を部品の最終形状に成形するのが容易になる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
説明する。
【0018】まず、Alを31.0〜33.0重量%、Feを1.
8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%、Bを0.07〜0.12重
量%、O2 を0.06重量%以下、N2 を0.02重量%以下、残
部がTiからなるTiAl基合金を調製し、この合金材
に均質化処理を施した。
8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%、Bを0.07〜0.12重
量%、O2 を0.06重量%以下、N2 を0.02重量%以下、残
部がTiからなるTiAl基合金を調製し、この合金材
に均質化処理を施した。
【0019】この均質化処理は、TiAl基合金をAr
ガス雰囲気中で特定の温度、時間加熱保持して行った
(第1熱処理)。その結果、図1に示すように、斜線領
域以外の高温・長時間の熱処理では均質化は十分である
が粗粒化が生じることが分った。恒温鍛造特性を向上さ
せるためには初期結晶粒径が細粒であることが要求され
ることから、均質化処理(第1熱処理)の条件は1300℃
/20hから1350℃/ 1hの温度・時間以内でプリフォー
ム容量に応じて行うこととなる。
ガス雰囲気中で特定の温度、時間加熱保持して行った
(第1熱処理)。その結果、図1に示すように、斜線領
域以外の高温・長時間の熱処理では均質化は十分である
が粗粒化が生じることが分った。恒温鍛造特性を向上さ
せるためには初期結晶粒径が細粒であることが要求され
ることから、均質化処理(第1熱処理)の条件は1300℃
/20hから1350℃/ 1hの温度・時間以内でプリフォー
ム容量に応じて行うこととなる。
【0020】 次に、均質化処理した合金材にβ相を析
出するための熱処理(第2熱処理)をArガス雰囲気中
で施した。第2熱処理は、2,8,20時間について行っ
た。その結果、図2に示すように、鋳放し材では極く少
量析出していた。β相は、電子顕微鏡(15.0KV,×100
0)でみると図3に示すように白い部分となってγ相粒
を包むように増加する。なお、図3はβ相を約5重量%
析出させたTiAl−Fe−V−B合金の金属組織を示
す写真である。そこで、β相の析出量と恒温鍛造特性の
関係について調べると、β相を4体積%以上析出させる
ことにより恒温鍛造温度及び速度を十分に改善すること
ができることが分った。これによって、恒温鍛造特性を
向上させるための条件は図2中のハンチング枠内の1150
〜1300℃で2時間以上加熱保持することとなる。
出するための熱処理(第2熱処理)をArガス雰囲気中
で施した。第2熱処理は、2,8,20時間について行っ
た。その結果、図2に示すように、鋳放し材では極く少
量析出していた。β相は、電子顕微鏡(15.0KV,×100
0)でみると図3に示すように白い部分となってγ相粒
を包むように増加する。なお、図3はβ相を約5重量%
析出させたTiAl−Fe−V−B合金の金属組織を示
す写真である。そこで、β相の析出量と恒温鍛造特性の
関係について調べると、β相を4体積%以上析出させる
ことにより恒温鍛造温度及び速度を十分に改善すること
ができることが分った。これによって、恒温鍛造特性を
向上させるための条件は図2中のハンチング枠内の1150
〜1300℃で2時間以上加熱保持することとなる。
【0021】そして、第2熱処理後、合金材を急冷し、
その後、真空(1×10-4Torr) [もしくはArガス等の
不活性ガス雰囲気中] で恒温鍛造を行った。その結果、
本発明の第2熱処理を行ったものでは恒温鍛造の下方限
界温度が約 900℃となり、第2熱処理を行わない従来の
もの(1000〜1150℃)に比して 100℃以上鍛造温度を低
くすることができた。また加工速度(変形速度)も1×
10-3/s〜1×10-4/sとなり、従来(1×10-5/s〜
1×10-6/s)に比して2桁近く速くすることが可能と
なった。すなわち、恒温鍛造を約 900〜1150℃の作業温
度及び1×10-3/s〜1×10-4/sの変形速度で行え
る。
その後、真空(1×10-4Torr) [もしくはArガス等の
不活性ガス雰囲気中] で恒温鍛造を行った。その結果、
本発明の第2熱処理を行ったものでは恒温鍛造の下方限
界温度が約 900℃となり、第2熱処理を行わない従来の
もの(1000〜1150℃)に比して 100℃以上鍛造温度を低
くすることができた。また加工速度(変形速度)も1×
10-3/s〜1×10-4/sとなり、従来(1×10-5/s〜
1×10-6/s)に比して2桁近く速くすることが可能と
なった。すなわち、恒温鍛造を約 900〜1150℃の作業温
度及び1×10-3/s〜1×10-4/sの変形速度で行え
る。
【0022】よって、本発明の合金(β相を4体積%以
上析出させた合金)と従来材とを比較すると、恒温鍛造
温度が同一の場合には、加工に要する時間が著しく短縮
することができ、作業効率が10倍前後向上する。ま
た、恒温鍛造速度が同一の場合には、加工に必要な温度
を約 100℃以上低下させることができるため、加熱、冷
却系等の装置・設備の小型化を図れる。また運転費の節
約も図れる。
上析出させた合金)と従来材とを比較すると、恒温鍛造
温度が同一の場合には、加工に要する時間が著しく短縮
することができ、作業効率が10倍前後向上する。ま
た、恒温鍛造速度が同一の場合には、加工に必要な温度
を約 100℃以上低下させることができるため、加熱、冷
却系等の装置・設備の小型化を図れる。また運転費の節
約も図れる。
【0023】そして、恒温鍛造後の合金材を冷却し、そ
の後、この合金材に1000〜1080℃で8時間以上加熱保持
するという第3熱処理を施した。この第3熱処理によ
り、合金材中のβ相が消失した。このように合金材中の
β相を消失することで、合金材を部品の最終形状に成形
しやすくなった。すなわち、β相は常温での延性が悪い
ので、これが存在すると脆く成形加工しにくくなり、鍛
造で粗成形したものを切削加工等で実用部品に仕上げる
のが難しい。
の後、この合金材に1000〜1080℃で8時間以上加熱保持
するという第3熱処理を施した。この第3熱処理によ
り、合金材中のβ相が消失した。このように合金材中の
β相を消失することで、合金材を部品の最終形状に成形
しやすくなった。すなわち、β相は常温での延性が悪い
ので、これが存在すると脆く成形加工しにくくなり、鍛
造で粗成形したものを切削加工等で実用部品に仕上げる
のが難しい。
【0024】従って、Alを31.0〜33.0重量%、Feを
1.8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%及び残部がTiか
らなる成分のTiAl基合金材を作り、この合金材に、
1300〜1350℃で20〜1時間加熱保持する均質化処理
(第1熱処理)を施した後、第2熱処理を施すことによ
り、合金中にβ相が4体積%以上析出するので、高温変
形能にすぐれたTiAl基合金材を製造することができ
る。
1.8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%及び残部がTiか
らなる成分のTiAl基合金材を作り、この合金材に、
1300〜1350℃で20〜1時間加熱保持する均質化処理
(第1熱処理)を施した後、第2熱処理を施すことによ
り、合金中にβ相が4体積%以上析出するので、高温変
形能にすぐれたTiAl基合金材を製造することができ
る。
【0025】また、そのβ相を析出させた合金材に恒温
鍛造加工を施した後、1000〜1080℃で8時間以上加熱保
持するという第3熱処理を施すことで、合金中に析出し
ていたβ相を消失させられるので、第3熱処理後の合金
材を部品の最終形状に成形するのが容易になる。
鍛造加工を施した後、1000〜1080℃で8時間以上加熱保
持するという第3熱処理を施すことで、合金中に析出し
ていたβ相を消失させられるので、第3熱処理後の合金
材を部品の最終形状に成形するのが容易になる。
【0026】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、Alを3
1.0〜33.0重量%、Feを1.8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.
8重量%含有し、残部がTiからなるTiAl基合金材
に、1300〜1350℃で20〜1時間加熱保持する均質化処
理を施した後、この合金材に、不活性ガス雰囲気中、11
50〜1300℃で2時間以上加熱保持するという第2熱処理
を施して合金中にβ相を4体積%以上析出させているた
め、高温加工性に優れたTiAl基恒温鍛造合金材を製
造することができる。
1.0〜33.0重量%、Feを1.8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.
8重量%含有し、残部がTiからなるTiAl基合金材
に、1300〜1350℃で20〜1時間加熱保持する均質化処
理を施した後、この合金材に、不活性ガス雰囲気中、11
50〜1300℃で2時間以上加熱保持するという第2熱処理
を施して合金中にβ相を4体積%以上析出させているた
め、高温加工性に優れたTiAl基恒温鍛造合金材を製
造することができる。
【0027】また、Alを31.0〜33.0重量%、Feを1.
8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有し、残部がTi
からなるTiAl基合金材に、1300〜1350℃で20〜1
時間加熱保持する均質化処理を施した後、この合金材
に、不活性ガス雰囲気中、1150〜1300℃で2時間以上加
熱保持するという第2熱処理を施して合金中にβ相を4
体積%以上析出させ、その後、この合金材に恒温鍛造加
工を施した後、1000〜1080℃で8時間以上加熱保持する
という第3熱処理を施して合金中に析出していたβ相を
消失させているため、高温加工性に優れたTiAl基恒
温鍛造合金材を製造することができ、また、第3熱処理
後の合金材を部品の最終形状に成形するのが容易にな
る。
8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有し、残部がTi
からなるTiAl基合金材に、1300〜1350℃で20〜1
時間加熱保持する均質化処理を施した後、この合金材
に、不活性ガス雰囲気中、1150〜1300℃で2時間以上加
熱保持するという第2熱処理を施して合金中にβ相を4
体積%以上析出させ、その後、この合金材に恒温鍛造加
工を施した後、1000〜1080℃で8時間以上加熱保持する
という第3熱処理を施して合金中に析出していたβ相を
消失させているため、高温加工性に優れたTiAl基恒
温鍛造合金材を製造することができ、また、第3熱処理
後の合金材を部品の最終形状に成形するのが容易にな
る。
【図1】均質化処理における時間と温度との関係を示す
図である。
図である。
【図2】本発明の熱処理におけるβ相析出量と温度との
関係を示す図である。
関係を示す図である。
【図3】β相を析出させた合金の金属組織を示す写真で
ある。
ある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−274850(JP,A) 特開 平3−285051(JP,A) 特開 平3−257130(JP,A) 特開 昭63−171862(JP,A) 特開 平3−226538(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22F 1/18 C22C 14/00 C22F 1/02
Claims (2)
- 【請求項1】 Alを31.0〜33.0重量%、Feを1.8〜
2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有し、残部がTiか
らなるTiAl基合金材に、1300〜1350℃で20〜1時
間加熱保持する均質化処理を施した後、この合金材に、
不活性ガス雰囲気中、1150〜1300℃で2時間以上加熱保
持するという第2熱処理を施して合金中にβ相を4体積
%以上析出させることを特徴とするTiAl基恒温鍛造
合金の製造方法。 - 【請求項2】 Alを31.0〜33.0重量%、Feを1.8〜
2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有し、残部がTiか
らなるTiAl基合金材に、1300〜1350℃で20〜1時
間加熱保持する均質化処理を施した後、この合金材に、
不活性ガス雰囲気中、1150〜1300℃で2時間以上加熱保
持するという第2熱処理を施して合金中にβ相を4体積
%以上析出させ、その後、この合金材に恒温鍛造加工を
施した後、1000〜1080℃で8時間以上加熱保持するとい
う第3熱処理を施して合金中に析出していたβ相を消失
させることを特徴とするTiAl基恒温鍛造合金の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10879493A JP3334246B2 (ja) | 1993-04-13 | 1993-04-13 | TiAl基恒温鍛造合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10879493A JP3334246B2 (ja) | 1993-04-13 | 1993-04-13 | TiAl基恒温鍛造合金の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06299306A JPH06299306A (ja) | 1994-10-25 |
JP3334246B2 true JP3334246B2 (ja) | 2002-10-15 |
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ID=14493655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10879493A Expired - Fee Related JP3334246B2 (ja) | 1993-04-13 | 1993-04-13 | TiAl基恒温鍛造合金の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3334246B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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ES2532582T3 (es) * | 2012-08-09 | 2015-03-30 | Mtu Aero Engines Gmbh | Método para fabricar un segmento de corona de álabes de TiAl para una turbina de gas, así como un correspondiente segmento de corona de álabes |
CN111850440B (zh) * | 2020-07-01 | 2021-12-10 | 西北工业大学 | 一种加速钛合金微观组织转变的小变形控制工艺 |
-
1993
- 1993-04-13 JP JP10879493A patent/JP3334246B2/ja not_active Expired - Fee Related
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