JP3334231B2 - TiAl基鍛造合金の製造方法 - Google Patents

TiAl基鍛造合金の製造方法

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謙治 松田
貞郎 錦織
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機用エンジン部材
や自動車エンジン部材等への適用が期待されるTiAl
基鍛造合金の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TiAl基合金(チタンアルミナイド)
は、軽量で耐熱性に優れる(例えば、ニッケル基耐熱合
金よりも高温での比強度に優れ、チタン合金よりも耐熱
性,耐酸化性及び耐水素脆化性に優れる)ことから、航
空機用エンジン部材、自動車用エンジン部材(例えばタ
ービンの静翼やリング、ケーシング)等への適用が期待
されている。
【0003】このTiAl基合金は、常温延性が低くか
つ高温でも歪速度依存性が高いという実用化の前に解決
しなければならない問題があり、最近では、物理冶金的
な研究が進み常温延性の改善は大きく前進しつつあるが
実用部品の試作は鋳造法によるものが主体となってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、TiAl基
合金のような難加工材の熱間加工法としては鍛造が適し
ているが、TiAl基合金は高温でも歪速度依存性が高
いため実用部品を成形するためには1000〜1150℃の高温
で恒温鍛造を行う必要があり、大がかりな恒温鍛造設備
が必要になる。
【0005】そこで、本発明は、このような事情を考慮
してなされたものであり、その目的は、通常の熱間鍛造
で加工を行えるTiAl基合金材を製造することができ
るTiAl基鍛造合金の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、通常の熱
間鍛造で加工を行えるTiAl基合金を得るために鋭意
検討した結果、本発明を完成したのであり、本発明のT
iAl基鍛造合金の製造方法は、Al30.0〜35.0重量
%、Feを1.8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有
TiAl基合金不活性ガス雰囲気中1170〜13
00℃で8時間以上加熱保持するという熱処理を施して合
金中にβ相を5〜10体積%析出させるものである。
【0007】本発明においてAlの含有量は、30.0〜3
5.0重量%にする必要があり、これにより常温延性の改
善を図れる。その含有量が30.0重量%未満の場合には常
温延性が著しく低下し、一方、35.0重量%を越える場合
には常温での破壊靭性値が低下する。
【0008】Fe及びVは、β相を析出させるための元
素で、その含有量はそれぞれ1.8〜2.0重量%、1.4〜1.8
重量%にする必要があり、Fe及びVのいずれについて
も下限値未満の場合には添加の効果(β相の析出)が不
十分となり、上限値える場合には脆くなる。また、
TiAl基合金材は、熱処理によりβ相を析出させるβ
相析出元素として、Fe及びVの他に、Nb、Mo、C
rの内の少なくとも1つを含有していてもよい。TiA
l基合金材におけるFe及びVを含むβ相析出元素の含
有量は、10.0重量%以下とする。
【0009】熱処理は、TiAl基合金をArガス等の
不活性ガス雰囲気中で1170〜1300℃で8時間以上加熱保
持するもので、これにより合金の均質化処理が行われる
と共に、合金中にβ相が5〜10体積%析出する。熱処理
温度が1170℃未満の場合にはβ相が十分に析出せず、13
00℃を越える場合には結晶粒が粗大化してしまう。熱処
理時間が8時間未満の場合には、均質化処理とβ相析出
の両方を十分に行えないからであり、例えば均質化処理
が行われてもβ相が十分に析出しないことがある。
【0010】β相はb.c.c構造(体心立方構造)で
高温では比較的大きな変形能があることで知られ、高温
で金属とほぼ同様に塑性変形するので延性が期待でき
る。このβ相を5〜10体積%析出させるようにしたの
は、5〜10体積%析出させることで 800〜950 ℃の温度
で鍛造を行えるからであり、これにより通常の熱間鍛造
でTiAl基鍛造合金材の加工を行えることになる。
【0011】従って、Al30.0〜35.0重量%、Feを
1.8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有するTiAl
基合金不活性ガス雰囲気中1170〜1300℃で8時
間以上加熱保持する熱処理を施すことにより、合金材中
に高温で延性が期待できるβ相が5〜10体積%析出
し、800〜950℃の低い温度で鍛造を行える。これによ
り、通常の鍛造でTiAl基合金材の加工を行えること
になる。すなわち、本発明は高温で延性が期待できるβ
相を積極的に利用しようとするもので、β相を5〜10
体積%析出させて、TiAl基合金材を通常の合金鍛造
に近い条件で熱間鍛造が行えるようにしたものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0013】まず、Al30.0〜35.0重量%、Fe1.
8〜2.0 重量%、V1.4〜1.8 重量%、B0.07〜0.12
重量%、O2 0.06重量%以下2 0.02重量%以下
有するTiAl基合金を調製し、製造した。
【0014】次に、このTiAl基合金材に熱処理を施
した。熱処理は、Arガスなどの不活性ガス雰囲気中
1170〜1300℃で8時間以上加熱保持することにより行
。この熱処理の条件は、合金の均質化処理が行われる
と共に、常温では硬く脆いが高温では比較的大きい変形
能があるβ相が合金中に5〜10体積%析出するように
規定されている。これは、本発明者らがTiAl基合金
材を通常の金属合金に近い条件で鍛造成形ることを可
能にするために見出したのである。すなわち、β相は常
温では硬く脆いため従来はβ相を析出させないようにし
ていたが、本発明では高温で延性が期待できるβ相を積
極的に利用しようとするもので、β相を5〜10体積%
析出させる熱処理条件を見出したのである。
【0015】まず、TiAl基合金のAlの割合によっ
て、常温での延性を改善することができることから、A
lの含有量を30.0〜35.0重量%に特定した。
【0016】次に、高温加工性の改善を図るためにβ相
に着目した。β相はbcc構造(体心立方格子構造)で
高温では比較的大きな変形能があることで知られ、高温
で金属とほぼ同様に塑性変形するので延性が期待でき
る。このため、β相を析出させるために鋭意検討した結
果、β相析出元素としてFe及びVを含有するTiAl
基合金材を作製し、このTiAl基合金材に所定の熱処
理条件で熱処理を施すことを見出した。Fe及びVの含
有量は、それぞれ1.8〜2.0重量%、1.4〜1.8重量%にす
る必要がある。これは、Fe及びVのいずれについても
下限値未満の場合にはβ相の析出が十分でなく、上限値
えると脆くなるからである。また、TiAl基合金
材は、熱処理によりβ相を析出させるβ相析出元素とし
て、Fe及びVの他に、Nb、Mo、Crの内の少なく
とも1つを含有していてもよい。TiAl基合金材にお
けるFe及びVを含むβ相析出元素の含有量は、10.
0重量%以下とする。
【0017】熱処理条件は、TiAl基合金をArガス
等の不活性ガス雰囲気中で約1170〜1300℃で8時間以上
加熱保持することとなる。これは、β相の析出量と合金
の鍛造特性の関係を調べた結果、β相を5〜10体積%析
出させることにより、約 800〜950 ℃の温度で鍛造を行
えることが分ったことに基づき規定された。具体的に
は、Al30.0〜35.0重量%、Fe 1.8〜2.0 重量%、V
1.4〜1.8 重量%、B0.07〜0.12重量%、O2 0.06重量
%以下,N2 0.02重量%以下、残部がTiからなるTi
Al基合金を均質化処理した後、β相を析出するための
熱処理を施した。熱処理は、Arガス雰囲気中で保持す
ることを、2,8,20時間について行った。その結果、
β相析出量と熱処理条件(温度)の関係を示す図1に示
すように、約1170〜1300℃の温度で8時間以上の保持で
β相が5〜10体積%析出することが分った。また、合金
の均質化処理は熱を利用することが多い(例えば1300℃
位の温度で行う)ため、約1170〜1300℃の温度でのβ相
の析出と合金の均質化処理との関係を調べた。その結
果、Arガス雰囲気中で約1170〜1300℃の温度で8時間
以上加熱保持することにより、β相の析出と合金の均質
化処理の両方を行えることが分った。これによって熱処
理条件が特定された。
【0018】そして、熱処理後、合金材を急冷し、その
後、大気中で鍛造を行った結果、約800〜950 ℃の低い
温度で鍛造を行えた。また加工速度(歪速度)も1×10
-2/s〜1×10-3/sとなり、従来の恒温鍛造(1×10
-5/s〜1×10-6/s)に比して2桁以上も歪速度を速
くすることが可能となった。
【0019】従って、Al30.0〜35.0重量%、Feを
1.8〜2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有するTiAl
基合金不活性ガス雰囲気中1170〜1300℃で8時
間以上加熱保持する熱処理を施すことにより、合金中に
β相が5〜10体積%以上析出するので、高温変形能に
すぐれたTiAl基合金材を製造することができる。こ
れにより、従来、真空又は不活性ガス雰囲気中、1000〜
1150℃の温度で行っていた恒温鍛造加工、大気中、80
0〜950℃の温度で行う通常鍛造加工に変更することが
でき、かつ鍛造温度を50〜350℃低減させることが
きるので、設備費及び運転費大幅に節約することがで
きる。また、鍛造速度が飛躍的に改善され、大気中
鍛造加工が可能となるので、真空系設備が不要となり、
鍛造装置簡素化することができ、かつ操作・作業効
率が著しく向上する。尚、1000℃以上の大気中にTiA
l基合金材を長時間保持すると、TiAl基合金材の表
面に多量の酸化層が発生し、表面が荒れてしまうので、
従来は真空又は不活性ガス雰囲気中で恒温鍛造加工を行
っていた。
【0020】さらに、β相析出元素として、Fe及びV
の他に、Nb、Mo、Crの内の少なくとも1つを含有
していると、TiAl基合金の耐酸化性向上、80
0〜950℃での酸化損傷は軽微なものとなる。すなわち、
TiAl基合金を800〜950℃の大気中に保持すると、
TiAl基合金といえども、その表面に多少酸化層
が発生し表面が荒れてしまう、β相析出元素として、
Fe及びVの他に、耐酸化性を向上させ得るNb、M
o、Crの内の少なくとも1つを含有させることで、T
iAl基合金の酸化損傷を軽微なものとすることがで
きる
【0021】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、通常の熱
間鍛造で加工を行えるTiAl基合金材を製造できると
いう優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】TiAl基合金を熱処理したときのβ相析出量
と温度との関係を示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−274850(JP,A) 特開 平3−226538(JP,A) 特開 平3−257130(JP,A) 特開 昭63−171862(JP,A) 特開 平3−285051(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22F 1/18 C22C 14/00 C22F 1/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al30.0〜35.0重量%、Feを1.8〜
    2.0重量%、Vを1.4〜1.8重量%含有するTiAl基合
    不活性ガス雰囲気中1170〜1300℃で8時間以
    上加熱保持するという熱処理を施して合金中にβ相を5
    〜10体積%析出させることを特徴とするTiAl基鍛
    造合金の製造方法。
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