JP3333896B2 - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents
炭化珪素半導体装置の製造方法Info
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Description
iCと略記する)を用いた半導体装置の製造方法、特に
電極の形成方法に関する。
シリコンに比較して熱伝導度が3倍、最大電界強度が1
0倍、電子のドリフト速度2倍という物性値を有してお
り、次世代半導体材料として、各研究機関等で精力的な
研究が行われている。実際に半導体素子としても、耐圧
1.1kVのショットキーバリアダイオード(以下SB
Dと記す)が木本等によって、耐圧100〜200Vの
縦型MOSFET(MOS電界効果トランジスタ)が上
野等によって報告されている〔SiCおよび関連ワイド
ギャップ半導体研究会第2回講演予稿集、19頁、19
93年、平成6年秋季応用物理学会予稿集 19p−M
H−4〕。
ショットキーダイオードやMOSFETのような半導体
装置を製造する上で、オーミックな電極を作成すること
が必要になる。従来、幾つかの方法が試みられている
が、いずれも実用上解決すべき問題があった。たとえ
ば、シリコン半導体で最も一般的に用いられているアル
ミニウム(以下Alと記す)の電極をn型SiC表面上
に設けると、オーミック電極にならず、ショットキー電
極になってしまう。従来n型SiC表面上に設ける電極
金属としてはニッケル(以下Niと記す)が用いられて
いるが、1000℃以上の熱処理を必要とした。またp
型SiC用のオーミック電極としてはAl−Si(Si
1%)が使用されているが、この場合も900℃以上の
高温熱処理が必要であり、良いオーミック電極が簡単に
は得られなかった。
もち、かつゲート酸化膜の界面特性が重要になるような
素子では、界面特性や微細構造等に影響しないようにで
きるだけ熱処理温度が低いことが望ましい。以上の問題
に鑑みて本発明の目的は、容易に接触抵抗の小さいオー
ミック電極が得られるようなSiC半導体装置の製造方
法を提供することにある。
本発明は、n型炭化珪素基板に、イオンの注入により、
アモルファス層を形成後、そのアモルファス層上に電極
金属としてNiを堆積し、1000℃以下の熱処理温度
で熱処理をすることによりオーム性接触の電極を形成す
るものとする。n型炭化珪素基板に、イオンを含んだガ
ス中でのプラズマドーピングにより、アモルファス層を
形成後、そのアモルファス層上に電極金属としてNiを
堆積し、1000℃以下の熱処理温度で熱処理をするこ
とによりオーム性接触の電極を形成してもよい。
のSiC基体表面とは違い、極めて反応性に富むセンシ
ティブな層であり、低温でシリサイドを生じ易い。特に
イオンが電極を形成する炭化珪素半導体の部分の導電型
を変えないものであることが重要であり、イオンが電極
金属と同じ金属であればさらに良い。そのようにすれ
ば、濃度が高められ、或いは反応に与かる原子数が増
す。
ものとする。そうであれば、電極形成が容易であり、か
つ炭化珪素半導体の微細な構造等に与える影響が小さ
い。
低温でも金属がSiC半導体基体と相互拡散するような
状態をつくりだす必要がある。発明者が行った実験にお
いて以下の事実が判明した。 1)n型SiC上にNi電極を800nm形成した直後
は整流特性を示す。しかし、1200℃で10分間熱処
理を施すと、オーム性の特性を示した。この時Niはシ
リサイド化して180nm程度SiC内部に拡散してい
た。オージェ(Auger)分析をしたところ、熱処理
後の電極表面から炭素が検出された。これはNiとSi
Cが反応して相互拡散していることを示している。
したところアモルファス層が形成されていた。アモルフ
ァス層の確認は、透過電子顕微鏡で行った。また、この
アモルファス層は通常のSiC基体表面とは違い、非常
に酸化などの影響を受けやすく、極めて反応性に富むセ
ンシティブな層であることが分かった。上記の知見か
ら、本発明の炭化珪素半導体装置の製造方法は、イオン
の注入や、イオンを含んだガス中でのプラズマドーピン
グにより、アモルファス層を形成後、そのアモルファス
層上に電極金属を堆積し、熱処理をすることによりオー
ム性接触の電極を形成するものである。
導体の部分の導電型を変えないものであることや、電極
金属と同じ金属であればなお良い。
する。図1(a)ないし(d)は、本発明の製造方法を
説明するための主な工程ごとの断面図である。半導体と
してはショットキーダイオードの例で示す。以下、図に
沿って説明する。なお図では、上側を裏面、下側を表面
とする。
さ400μmのn型SiCサブストレート1のC面上に
窒素ドープの不純物濃度2×1018cm-3、厚さ5μm
のエピタキシャル層2を成膜したエピタキシャルウェハ
を使用し、n型SiCサブストレート1の裏面にフォト
レジストを塗布し、レジストパターン3を形成した〔図
1(a)〕。
注入した〔同図(b)〕。加速電圧は25keV、ドー
ズ量は1×1012cm-2とした。このイオン注入によ
り、深さ150nm程度のアモルファス層5が形成され
る。イオン注入後、レジストパターン3は剥離液で除去
する。その後、アモルファス層4の上にスパッタリング
によりNi電極膜5(厚さ800nm)を堆積する〔同
図(c)〕。
で10分間の熱処理を行った。この熱処理によって、N
i電極膜5はアモルファス層4と反応してNiシリサイ
ド電極7となる。このとき、Niシリサイド電極7はエ
ピタキシャル層2の表面から約180nmの深さ迄拡散
していた。次にエピタキシャル層2の表面上に金(A
u)を室温で烝着しショットキー電極8とした〔同図
(c)〕。
特性を測定したところ、室温から300℃の範囲ですぐ
れたダイオード特性を示し、裏面電極4がオーミック接
触になっていることが確認された。また、Niシリサイ
ド電極7の接触抵抗を測定したところ、8×10-4Ωc
m2 であった。これは、n型SiCエピタキシャル層2
のドーピングレベルとしては大分低い値である。
ス層を利用してオーミック電極を形成すれば、従来のN
iのような1000℃以上の高温熱処理は不要で、オー
ミック電極が容易に形成でき、十分低い接触抵抗がえら
れる。しかも、温度が低いので、半導体装置の界面特性
や微細構造に与える影響が小さくて済む。 〔実施例2〕 実施例1と同様に6H型の不純物濃度5×1018c
m-3、厚さ400μmのn型SiCサブストレート1の
C面上に窒素ドープの不純物濃度2×1018cm-3、厚
さ5μmのエピタキシャル層を成膜したエピタキシャル
ウェハを使用し、SBDを試作した。エピタキシャル層
の表面に、熱酸化により酸化膜を形成し、その酸化膜に
フォトレジストを塗布し、パターンを形成した。
中で、エピタキシャルウェハを200℃に加熱し、1
3.56MHz、900Vの高周波を引加し、プラズマ
ドーピングを行った。このプラズマドーピングにより、
深さ100nm程度のアモルファス層15が形成され
る。その後、アモルファス層の上にスパッタリングによ
りNi電極膜(厚さ800nm)を堆積し、以下実施例
1と同様の工程でショツトキーダイオードを試作した。
室温から300℃の範囲ですぐれたダイオード特性を示
し、裏面電極がオーミック接触になっていることが確認
された。また、Niシリサイド電極7の接触抵抗を測定
したところ、8×10-4Ωcm2 であった。これは、n
型SiCエピタキシャル層のドーピングレベルとしては
大分低い値である。
モルファス層を利用してオーミック電極を形成すれば、
従来のNiのように1000℃以上の高温の熱処理は不
要で容易に形成でき、十分低い接触抵抗がえられる。上
記実施例としては、n型炭化珪素表面へのNiイオンの
注入および窒素のプラズマドーピングの例を挙げた。こ
こで、注入する表面の導電型を変えない元素であること
が重要であり、できれば、電極となる元素であることが
望ましい。また半導体装置としては、上記ショットキー
ダイオードの他に、他の半導体装置例えばバイポーラト
ランジスタ、MOSFETなどにも本発明は適用できる
ことはいうまでもない。
それぞれ電気的特性が異なるが、現在は作成の容易さか
ら、6H型のSiCが主に検討されている。以上の議論
では6H型のSiCについて議論を進めたが、本発明の
有効性はその他の結晶形態(3H型、4H型等)でも同
様であり、6H型に限定されるものではない。
イオン注入やプラズマドーピングによって、n型炭化珪
素表面にアモルファス層を形成し、その上に電極金属と
してNiを堆積し熱処理することによつて、接触抵抗の
小さなオーミック電極が容易に形成できる。よって本発
明は、特に炭化珪素を用いたパワー用半導体装置の発展
に大きく寄与するものである。
かるショットキーダイオードの製造工程ごとの断面図
Claims (4)
- 【請求項1】n型炭化珪素基板に、イオンの注入によ
り、アモルファス層を形成後、そのアモルファス層上に
電極金属としてNiを堆積し、1000℃以下の熱処理
温度で熱処理をすることによりオーム性接触の電極を形
成することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方
法。 - 【請求項2】n型炭化珪素基板に、イオンを含んだガス
中でのプラズマドーピングにより、アモルファス層を形
成後、そのアモルファス層上に電極金属としてNiを堆
積し、1000℃以下の熱処理温度で熱処理をすること
によりオーム性接触の電極を形成することを特徴とする
炭化珪素半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】イオンが電極を形成する炭化珪素半導体の
部分の導電型を変えないものであることを特徴とする請
求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方
法。 - 【請求項4】イオンが電極金属と同じ金属であることを
特徴とする請求項3に記載の炭化珪素半導体装置の製造
方法。
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