JP3333184B2 - 光学活性を有する(s)−3,4−エポキシ酪酸塩の製造方法 - Google Patents

光学活性を有する(s)−3,4−エポキシ酪酸塩の製造方法

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JP3333184B2 JP2000561183A JP2000561183A JP3333184B2 JP 3333184 B2 JP3333184 B2 JP 3333184B2 JP 2000561183 A JP2000561183 A JP 2000561183A JP 2000561183 A JP2000561183 A JP 2000561183A JP 3333184 B2 JP3333184 B2 JP 3333184B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光学活性を有する(S)-3,
4-エポキシ酪酸塩の製造方法に関するもので、より詳細
には光学活性を有する(S)-3-ヒドロキシブチロラクトン
を利用して経済的な開環反応及びエポキシ化を行ってキ
ラルセンターがそのまま維持される、次の化学式で表さ
れる(S)-3,4-エポキシ酪酸塩の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【化2】 上記式中、R1はアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原
子、アルキルアミン基、或いは4級アミン基を示す
【0003】
【従来の技術】上記の化学式(1)で表される、光学活
性を有する(S)-3,4-エポキシ酪酸塩は、エポキシ基の合
成的な有用性により各種のキラル医薬品の中間体として
用いられる重要な物質である。特に、上記の化学式
(1)で表される(S)-3,4-エポキシ酪酸塩は水溶液の条
件下でも反応性が優れるので、化学反応での利用性は最
も大きいといえる。光学活性な(S)-3,4-エポキシ酪酸塩
は脳機能改善剤及び老人性痴呆剤、抗生剤、高血圧治療
剤及び高脂血症治療剤等の原料として有用に利用されて
いる。
【0004】いままで開発された(S)-3,4-エポキシ酪酸
塩と関連のある典型的な製造方法、および同様な反応性
を有する化合物は次のとおりである。(S)-3,4-エポキシ
酪酸塩の製造方法は、非対称性エポキシ化を通じて立体
的にエポキシ基を導入し、続く酸化反応を経るが、目的
物の収率及び光学純度であって(11-25%の収率及び55
%の光学純度)、工業的に使用するには不適当である
[J. Org. Chem., 49, 3707(1984)]。また別の方法[Hel
v, Chim, Acta, 70, 142(1987); ヨロッパー第237,983
号]によれば、(S)-3,4-エポキシ酪酸塩を製造する方法
であって、ラセミ3,4-エポキシ酪酸エステルを製造して
酵素の使用によって光学分割による製造方法を開示して
いる。この方法は、光学純度は優れるが、生物学的反応
を鑑みて長期間の反応時間、酵素の反応条件の維持及び
光学分割反応の側面から、50%を超える収率を得ること
ができない問題がある。
【0005】加えて、(S)-3-ヒドロキシブチロラクトン
から(S)-3,4-エポキシ酪酸塩エステルを製造する方法が
報告されている[Tetrahedron Letters 28, 1781(1987):
Tetrahedron 46, 3227(1990); 国際特許公開 WO93/068
26号]。上記の製造過程を次の反応式1に簡略的に示
す。
【0006】
【化3】
【反応式1】
【0007】上記の反応式1は幾つかの不利な点を認
め、a)ヨウ素エステル化試薬として高価であるヨウ素ト
リメチルシラン(SiI(CH3)3)を使用するので、無水溶媒
の条件下で反応を進行しなければならない;b)エポキシ
化の時に高価の酸化銀(AgO)を試薬として使用すること
により非経済的であり;及び c)上記した従来の方法に
より製造されている(S)-3,4-エポキシ酪酸塩エステルは
水溶液での反応性がないので、その使用範囲が極めて限
定されている。その一例としては、グリシン誘導体は有
機溶媒に不溶性であるので、(S)-3,4-エポキシ酪酸塩エ
ステルとグリシン誘導体とのアミン化において、先ずベ
ンジルアルデヒドで修飾して有機溶媒に対するその溶解
性を増加させなければならない。また、(S)-3,4-エポキ
シ酪酸塩エステルと反応するときに、4-ヒドロキシ-2-
ブテン酸エステルが、グリシン誘導体の塩基度に付随し
た除去反応によって副産物として生成される。
【0008】これに対して、本発明の目的物である(S)-
3,4-エポキシ酪酸塩は水溶液での反応性が優れるので、
グリシン或いはグリシン誘導体直接にアミン化を水溶液
の中で行うことができて、よって、複雑な製造方法が単
純化される。
【0009】
【発明の概要】このような研究の一環として、本発明者
は、水溶液での反応性が優れて工業的に有用な(S)-3,4-
エポキシ酪酸塩をより効率的に製造する方法を開発しよ
うと努力してきた。その結果、容易に得られる低価の乳
糖から経済的に合成される(S)-3-ヒドロキシラクトンを
原料物質として使用し、これをハロゲン化水素酸-カル
ボン酸を利用した開環反応及び塩基の存在下でエポキシ
化を行う工程により(S)-3,4-エポキシ酪酸塩を簡便に且
つ経済的に製造することで、本発明を完成した。本発明
は、既存の製造方法に比べて高価の試薬、又は取扱いの
難しい試薬を全然使用せずに、低価の試薬を使用して高
収率及び高い光学純度の(S)-3,4-エポキシ酪酸塩を製造
する方法を提供することにその目的がある。さらに、本
発明の(S)-3,4-エポキシ酪酸塩の製造方法は、当技術分
野に関連して今まで適用されておらず、光学活性を有す
る(S)-3-ヒドロキシラクトンを出発物質として酪酸誘導
体に転換させることを介して、光学純度の高い(S)-3,4-
エポキシ酪酸塩を製造するように設計された経済的な技
術である。よって本発明はその新規性や応用性において
非常に先途的であるといえる。
【0010】
【詳細な説明】本発明は、次の化学式(2)で表される
(S)-3-ヒドロキシラクトンをハロゲン化水素酸-カルボ
ン酸を使用した開環反応により次の化学式(3)で表さ
れる酪酸誘導体を製造し、上記の酪酸誘導体を塩基の存
在下及び水溶液の中で、-20〜100℃の温度範囲でエポキ
シ化させる、次の化学式(1)で表される(S)-3,4-エポ
キシ酪酸塩の製造方法をその特徴とする。
【0011】
【化4】
【0012】上記式中、R1はアルカリ金属原子、アルカ
リ土類金属原子、アルキルアミン基、或いは4級アミン
基;R2はエポキシ化が可能であるハロゲン基;また、R3
は水素原子、或いは脂肪族アシル基を示す。上記した本
発明による(S)-3,4-エポキシ酪酸塩の製造過程を次の反
応式2に簡略に示す。
【0013】
【化5】
【反応式2】
【0014】式中、R1、R2及びR3はそれぞれ上記から定
義したもののとおりである。本発明の原料物質である、
上記の式(2)で表される(S)-3-ヒドロキシブチロラク
トンは、ヨーロッパ特許第513,430号に報告された方法
に基づいて乳糖から経済的に合成される。上記の式
(2)で表される(S)-3-ヒドロキシラクトンの開環反応
は、ハロゲン化水素酸を含むカルボン酸の存在下で0〜1
50℃の一定温度で行う。一般的な開環反応は、ハロゲン
化物とアルコール溶媒の存在下で行っている。しかしな
がら反応の終了後、有機溶媒だけで化学反応ができるエ
ポキシドエステル化合物が得られる。それは、水溶液の
中で反応できるエポキシド塩の形態ではない。該エポキ
シドエステル化合物は、有機溶媒に不溶である親核性物
質と容易に反応せず、親核性物質の塩基度により除去反
応が起こって4-ヒドロキシ-2-ブテン酸エステルが副産
物として生成される。
【0015】これに対して、本発明は、ハロゲン化水素
酸とカルボン酸の混合物を使用して、水溶液の中で塩基
を反応させる態様で、光学活性を有する(S)-エポキシド
塩を最終生成物として得ることができる。水溶液中で、
該最終生成物は、除去反応なく、有機溶媒に不溶である
親核性物質との容易に反応し、各種の医薬品のキラル中
間体が容易に合成される。加えて、本発明の最終生成物
は、有機溶媒の存在下で任意の親核性物質と反応するこ
とができる有用な中間体であって、光学活性を有する
(S)-エポキシド塩を酸性化させて光学活性を有する(S)-
エポキシド化水素酸を製造し、その後、そのような酸を
弱酸性の条件下でアルコール溶媒と反応させて(S)-エポ
キシド塩エステルを製造することができる。
【0016】上記の開環反応で使用されるカルボン酸の
例としては、酢酸を含むC1-C4のアルキルカルボン酸が
あり、ハロゲン化水素酸の例には塩酸及び臭素酸等が含
まれる。上記したハロゲン化水素酸とカルボン酸との混
合比は、1:1-1:3の体積比とするのが好ましい。過量の
カルボン酸を使用すれば、反応速度が遅くて、過量のカ
ルボン酸を除去しにくい問題がある。加えて、過量のハ
ロゲン化水素酸を使用すれば、次の反応を進ませる時に
多量の塩基を投入しなければならないし、塩基による任
意の副反応を避けるように塩基の量を正確に決定しなけ
ればならない問題がある。上記した開環反応温度は0〜1
50℃の範囲を維持することが望ましい。上述の開環反応
によって、副産物の生成及び光学活性度の損失なしに、
上記の式(3)で表される(S)-酪酸誘導体を合成するこ
とができる。最終工程として、式(3)で表される(S)-
酪酸誘導体を、塩基と反応させてキラル性を維持させな
がら、式(1)で表される(S)-3,4-エポキシ酪酸塩を製
造する。上記のエポキシ化のメカニズムは次の反応式3
に示す。
【0017】
【化6】
【反応式3】
【0018】式中、R1、R2及びR3はそれぞれ上記から定
義したもののとおりである。上記のエポキシ化に使用さ
れる塩基の具体例として、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム及び水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化バリ
ウム等のアルカリ土類金属水酸化物;メトキシ ナトリ
ウム、エトキシド ナトリウム及びt-ブトキシド カリウ
ム等のアルカリ金属アルコキシド;NHR4R5(式中、R4R5
はそれぞれC2-7のアルキル基である。)及びNH2R6(R6はC
3-9のアルキル基でる。)で表されるアルキルアミン;ま
た、テトラブチルアンモニウム水酸化物及びベンジルト
リメチルアンモニウム水酸化物等の4級アミン水酸化物
が挙げられる。
【0019】上記のエポキシ化は、塩基の存在下で-20
〜100℃の範囲で行う。この時に、反応溶媒として水を
単独に使用、又は必要に応じて水と有機溶媒の混合溶媒
を使用して行う。溶媒として混合溶媒を使用する場合に
は、水に対して少量の有機溶媒が添加する。この時に、
水と共に使用される有機溶媒の具体例は、C1-4のアルコ
ール、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びアセトニト
リルである。次の実施例は本発明を説明する意図であっ
て、添付の請求の範囲によって規定される発明の範囲を
制限するものではない。
【0020】実施例1:(S)-3-アセトキシ-4-ブロモ酪
酸の製造 温度計、還流冷却器及び攪拌器の付着された250mlのフ
ラスコに、純度85%の(S)-3-ヒドロキシブチロラクトン
(10g)と30%の臭素酸/酢酸溶液(40ml)を入れて40〜-60
℃で5時間にわたって攪拌した。反応を完結した後に、
反応混合物を常温に冷却し、塩化メチレン(200ml)を添
加して1M酢酸ナトリウム水溶液で洗浄した。反応混合
物の有機層を分離して無水硫酸マグネシウムを添加して
水分を除去し、ろ過・濃縮した。濃縮された(S)-3-アセ
トキシ-4-ブロモ酪酸に残っている酢酸を除去するため
にトルエン(100ml)を添加し、減圧・蒸留して18.74gの
(S)-3-アセトキシ-4-ブロモ酪酸(収率:85%)を得た。1 H-NMR(CDCl3,ppm): δ2.1(s, 3H, CH3COO), 2.8-2.9(d
d,2H,CH3COOH), 3,5-3.6(dd, 2H, BrCH2CH), 5.3-5.5
(m, 1H, CHCOCOCH3)
【0021】実施例2:(S)-3,4-エポキシ酪酸の製造 温度計、pH測定器及び攪拌器の付着された1リットルの
フラスコに、(S)-3-アセトキシ-4-ブロモ酪酸(27g、0.1
2mol)を投入し、1N NaOH水溶液(363ml、0.363 mol)を
20分にわたって滴下し、0〜5℃で2時間にわたって攪拌
して(S)-3,4-エポキシ酪酸を製造した。反応液は1N
塩酸水溶液でpHを3〜4に酸性化させた後に、エチルエー
テルで抽出した。上記の反応液を無水硫酸マグネシウム
で乾燥・ろ過した後に、減圧・蒸留して7.8gの(S)-3,4-
エポキシ酪酸(収率:65%)を得た。1 H-NMR(D2O,ppm): δ2.3-2.8(m, 2H, CH2COOH),2.6-2.9
(m,2H, 4-H), 3.3-3.4(m, 1H, 3-H)13 C-NMR(D2O, ppm): δ37.56(CH2COOH), 49.47(4-CH2),
47.75(3-CH), 175.43(COOH)
【0022】実施例3:(S)-3,4-エポキシ酪酸ナトリウ
ム塩の製造 温度計、pH測定器及び攪拌器の付着された100mlのフラ
スコに、(S)-3-アセトキシ-4-ブロモ酪酸(0.9g、0.004
mol)投入し、1N NaOH水溶液(12ml、0.012 mol)を20分
にわたって滴下し、0〜5℃で2時間にわたって攪拌して
(S)-3,4-エポキシ酪酸ナトリウム塩を製造した。核磁気
共鳴分析法により (S)-3,4-エポキシ酪酸ナトリウム塩
が99%以上転換されたことが認められた。1 -NMR(D2O, ppm): δ2.3-2.5(m, 2H, CH2COONa), 2.6-
2.9(m, 2H, 4-H), 3.2-3.3(m, 1H, 3-H)13 C-NMR(D2O, ppm): δ40.87(CH2COONa), 48.24(4-C
H2), 51.08(3-CH), 179.41(COONa)
【0023】実施例4:(S)-3,4-エポキシ酪酸ナトリウ
ム塩の製造 温度計、pH測定器及び攪拌器の付着された100mlのフラ
スコに、蒸留水(10ml)、(S)-3-アセトキシ-4-ブロモ酪
酸(0.9g、0.004 mol)及びメトキシナトリウム(0.654g、
0.012 mol)を投入し、0〜5℃で2時間にわたって攪拌し
て(S)-3,4-エポキシ酪酸ナトリウム塩を製造した。核磁
気共鳴分析法により(S)-3,4-エポキシ酪酸ナトリウム塩
が99%以上転換されたことが認められた。1 H-NMR(D2O, ppm): δ2.3-2.5(m, 2H, CH2COONa), 2.6-
2.9(m, 2H, 4-H), 3.2-3.3(m, 1H, 3-H)
【0024】実施例5:(S)-3,4-エポキシ酪酸カルシウ
ム塩の製造 温度計、pH測定器及び攪拌器の付着された100mlのフラ
スコに、蒸留水(10ml)、(S)-3-アセトキシ-4-ブロモ酪
酸(0.9g、0.004 mol)及び水酸化カルシウム(0.45g、0.0
06 mol)を投入し、0〜5℃で2時間にわたって攪拌して
(S)-3,4-エポキシ酪酸カルシウム塩を製造した。核磁気
共鳴分析法により(S)-3,4-エポキシ酪酸カルシウム塩が
99%以上転換されたことが認められた。1 H-NMR(D2O, ppm): δ2.3-2.4(m, 2H, CH2COONa), 2.5-
2.8(m, 2H, 4-H), 3.2-3.3(m, 1H, 3-H)
【0025】実施例6:(S)-3,4-エポキシ酪酸テトラブ
チルアンモニウム塩の製造 温度計、pH測定器及び攪拌器の付着された100mlのフラ
スコに、蒸留水(10ml)、(S)-3-アセトキシ-4-ブロモ酪
酸(0.9g、0.004 mol)及びテトラブチルアンモニウム水
酸化物の1.0M メタノル溶液(12ml、0.012 mol)を投入
し、0-5℃で2時間にわたって攪拌して(S)-3,4-エポキ
シ酪酸テトラブチルアンモニウム塩を製造した。核磁気
共鳴分析法により(S)-3,4-エポキシ酪酸テトラブチルア
ンモニウム塩が99%以上転換されたことが認められた。1 H-NMR(D2O, ppm): δ2.2-2.3(m, 2H, CH2COONa), 2.5-
2.8(m, 2H, 4-H),3.2-3.3(m, 1H, 3-H)
【0026】実施例7:(S)-3,4-エポキシ酪酸トリエチ
ルアミン塩の製造 温度計、pH測定器及び攪拌器の付着された100mlのフラ
スコに、蒸留水(10ml)、(S)-3-アセトキシ-4-ブロモ酪
酸(0.9g、0.004 mol)及びトリエチルアミン(1.21g、0.0
12 mol)を投入し、0〜5℃で2時間にわたって攪拌して
(S)-3,4-エポキシ酪酸トリエチルアミン塩を製造した。
核磁気共鳴分析法により(S)-3,4-エポキシ酪酸トリエチ
ルアミン塩が99%以上転換されたことが認められた。1 H-NMR(D2O, ppm): δ2.2-2.4(m, 2H, CH2COONEt3), 2.
5-2.8(m, 2H, 4-H), 3.1-3.2(m, 1H, 3-H)
【0027】実施例8:(S)-3,4-エポキシ酪酸ジイソプ
ロピルアミン塩の製造 温度計、pH測定器及び攪拌器の付着された100mlのフラ
スコに、蒸留水(10ml)、(S)-3-アセトキシ-4-ブロモ酪
酸(0.9g、0.004 mol)及びジイソプロピルアミン(1.21
g、0.012 mol)を投入し、0〜5℃で2時間にわたって攪
拌して(S)-3,4-エポキシ酪酸ジイソプロピルアミン塩を
製造した。核磁気共鳴分析法により(S)-3,4-エポキシ酪
酸ジイソプロピルアミン塩が99%以上転換されたことが
認められた。1 H-NMR(D2O, ppm): δ2.2-2.4(m, 2H, CH2COONH2iPr2),
2.5-2.8(m, 2H, 4-H), 3.1-3.2(m, 1H, 3-H)
【0028】実施例9:(S)-3,4-エポキシ酪酸 t-ブチ
ルアミン塩の製造 温度計、pH測定器及び攪拌器の付着された100mlのフラ
スコに、蒸留水(10ml)、(S)-3-アセトキシ-4-ブロモ酪
酸(0.9g、0.004 mol)及びt-ブチルアミン(0.88g、0.012
mol)を投入し、0-5℃で2時間にわたって攪拌して(S)-
3,4-エポキシ酪酸 t-ブチルアミン塩を製造した。核磁
気共鳴分析法により(S)-3,4-エポキシ酪酸 t-ブチルア
ミン塩が99%以上転換されたことが認められた。1 H-NMR(D2O, ppm): δ2.1-2.4(m, 2H, CH2COONH3But),
2.5-2.8(m, 2H, 4-H), 3.1-3.2(m, 1H, 3-H)
【0029】上に述べたように、本発明は、a)低価の反
応試薬を使用して高純度及び高収率で(S)-3,4-エポキシ
酪酸塩が製造され、b)本発明により製造された(S)-3,4-
エポキシ酪酸塩は、水溶液の中で親核性を有する各種の
化学原料と容易に反応することができるので、有機溶媒
に不溶である酸素、窒素を含む親核体、酸、硫黄及び炭
素親核体といった多様な物質とエポキシド塩とを開環反
応させて、産業的に有用である多様なキラル誘導体を製
造することができるといった幾つかの利点を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チョー イク ヘン 大韓民国 テジョン 305−503 ユース ン−ク ソンカン−ドン チョンソル アパートメント 514−109 (72)発明者 パク ヨン ミ 大韓民国 テジョン 305−503 ユース ン−ク ソンカン−ドン チュンソル アパートメント 513−1401 (72)発明者 ビュン イル スク 大韓民国 テジョン 302−173 スー− ク ドゥーサン−1−ドン 1388 ラッ キー−ハンマルー アパートメント 108−602 審査官 齋藤 恵 (56)参考文献 特開 昭62−272984(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 301/00 - 301/26 C07D 303/00 - 303/38 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (S)-3,4-エポキシ酪酸塩の製造方法にお
    いて、下記式(2)で表される(S)-3-ヒドロキシラクト
    ンをハロゲン化水素酸-カルボン酸を利用した開環反応
    により下記式(3)で表される酪酸誘導体を製造し、該
    酪酸誘導体を塩基の存在下及び水溶液中で、-20〜100℃
    の範囲でエポキシ化させることを特徴とする下記式
    (1)で表される(S)-3,4-エポキシ酪酸塩の製造方法。 【化1】 式中、R1はアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、
    アルキルアミン基、或いは4級アミン基;R2はハロゲン
    基;また、R3は水素原子、或いは脂肪族アシル基を示
    す。
  2. 【請求項2】 上記のエポキシ化を、水を単独溶媒とし
    て使用して実施、又は必要に応じて少量の有機溶媒が水
    に添加された混合有機溶媒の存在下で実施することを特
    徴とする請求項1記載の(S)-3,4-エポキシ酪酸塩の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 上記の水と共に使用される有機溶媒が、
    C1-4のアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン及
    びアセトニトリルの中から選ばれたことを特徴とする請
    求項2記載の(S)-3,4-エポキシ酪酸塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記のエポキシ化に使用される塩基は、
    アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、ア
    ルカリ金属アルコキシド、アルキルアミン及び4級アミ
    ン水酸化物の中から選ばれたことを特徴とする請求項1
    記載の(S)-3,4-エポキシ酪酸塩の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記のアルカリ金属水酸化物は水酸化ナ
    トリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムの中から
    選ばれたものであり;上記のアルカリ土類金属水酸化物
    は水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化バ
    リウムの中から選ばれたものであり;上記のアルカリ金
    属アルコキシドはメトキシド ナトリウム、エトキシド
    ナトリウム及びt-ブトキシド カリウムの中から選ばれ
    たものであり;上記のアルキルアミンはNHR4R5 (式中、
    R4及びR5はそれぞれC2-7のアルキル基である。)及び NH
    2R6(式中、R6はC3-9のアルキル基である。)の中から選
    ばれたものであり;また、4級アミン水酸化物はテトラ
    ブチルアンモニウム水酸化物及びベンジルトリメチルア
    ンモニウム水酸化物の中から選ばれたことを特徴とする
    請求項4記載の(S)-3,4-エポキシ酪酸塩の製造方法。
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