JP3331490B2 - アルミニウムの精製方法 - Google Patents

アルミニウムの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、偏析凝固の原理
を利用し、アルミニウムと共晶を生成するFe、Si等
の共晶不純物を含む精製すべきアルミニウムを精製して
より高純度のアルミニウムを得る精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】この種偏
析凝固の原理を利用したアルミニウムの精製方法とし
て、従来、共晶不純物を含むアルミニウム溶湯中に回転
冷却体を浸漬し、この冷却体の内部に冷却流体を供給し
ながら冷却体を回転させてその外周面に高純度アルミニ
ウムを晶出させる方法が知られている(特公昭61−3
385号公報参照)。
【0003】しかしながら、アルミニウムの溶解時にア
ルミニウム溶湯に多くのアルミニウム酸化物(化合物)
が含まれることになるので、次のような問題が生じるこ
とがあった。すなわち、アルミニウム溶湯中のアルミニ
ウム酸化物の量が多いと、最初に晶出した高純度アルミ
ニウムの固相が回転冷却体の外周面に付着しにくくな
り、たとえ付着したとしても剥離しやすくなる。そのた
め、晶出した高純度アルミニウムの固相により形成され
た精製塊の形状がいびつになって回転冷却体の回転中に
割れるおそれがある。しかも、最初に晶出した高純度ア
ルミニウムの固相が回転冷却体の外周面から剥離する
と、これが再溶融しかつアルミニウム溶湯全体の不純物
濃度が均一になる前に回転冷却体の外周面に新たにアル
ミニウムの固相が晶出する。すなわち、元のアルミニウ
ム溶湯よりも純度の低い、換言すれば不純物濃度の高い
アルミニウム溶湯からアルミニウムの固相が晶出するこ
とになり、新たに晶出したアルミニウムの固相は、最初
に晶出しかつ剥離したアルミニウムの固相よりも純度が
低くなる。したがって、精製効率が低下する。また、回
転冷却体の外周面から剥離したアルミニウム固相が溶融
するさいにアルミニウム溶湯の温度を下げるので、その
後の凝固速度が速くなり、得られる精製塊の純度が低く
なる。また、上記の剥離は生じたり生じなかったりする
ので、得られる精製塊の純度を所望の純度にすることが
困難である。さらに、一定時間に回転冷却体の外周面に
晶出する高純度アルミニウムの固相の量が少なくなるの
で、生産効率が低下する。
【0004】また、精製すべきアルミニウム中には、共
晶不純物の他にアルミニウムと包晶を生成するTi、
V、Zr等の包晶不純物が含まれていることがある。こ
の場合、特公昭61−3385号公報に記載されている
方法を実施すると、回転冷却体の外周面に形成されたア
ルミニウム塊中の包晶不純物濃度は、元のアルミニウム
よりも増大することになる。
【0005】そこで、このような問題を解決した方法と
して、包晶不純物をアルミニウムを溶解した後、このア
ルミニウム溶湯中にホウ素をAl−B母合金として添加
し、ホウ素とTi、V、Zr等を反応させてTi
、VB、ZrB等の不溶性金属ホウ化物
を生成させ、ついでこのアルミニウム溶湯中に回転冷却
体を浸漬するとともにこの回転冷却体を回転させ、回転
冷却体の外周面に高純度アルミニウムを晶出させる方法
が知られている(特公昭59−44374号公報参
照)。この方法では、不溶性金属ホウ化物は、回転冷却
体の回転の結果アルミニウム溶湯に生じる遠心力により
回転冷却体から遠ざけられることによって、回転冷却体
の外周面に晶出した高純度アルミニウム中に混入するこ
とが防止され、得られた高純度アルミニウム塊中の包晶
不純物濃度が元のアルミニウムよりも低下すると考えら
れていた。
【0006】しかしながら、特公昭59−44374号
公報記載の方法では、実際には、TiB、V
、ZrB等の不溶性金属ホウ化物が回転冷却
体の回転のさいに回転冷却体から十分に遠ざけられず、
これらの金属ホウ化物が上述したアルミニウム酸化物が
存在する場合と同様な問題を引き起こす。また、一般に
Al−B母合金の製造は、アルミニウム溶湯中にKBF
等のフラックスを添加することにより行なわれる。
すなわち、KBFが溶解して分解し(KBF→K
F+BF)、生じたガス状のBFがAlにより
還元されてBが生じ(BF+Al→B+Al
)、このBとAlによりAl−B母合金が生成す
る。ところが、KFやAlFがAl−B母合金中に
存在することがあり、この場合、KFやAlFがア
ルミニウム溶湯中のアルミニウム酸化物量を増加させる
ことになる。その結果、上述したアルミニウム酸化物が
存在することによる問題が一層顕著になる。
【0007】この発明の目的は、上記問題を解決したア
ルミニウムの精製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によるア
ルミニウムの精製方法は、共晶不純物を含む精製すべき
アルミニウム溶湯を処理ガス吹込み室および精製室に順
々に送ること、処理ガス吹込み室において、アルミニウ
ム溶湯中に処理ガスを吹込み、アルミニウム溶湯に含ま
れている化合物を処理ガスととも溶湯表面に浮上させて
除去すること、ならびに精製室において、アルミニウム
溶湯中に回転冷却体を浸漬し、この冷却体の内部に冷却
流体を供給しながら冷却体を回転させてその外周面に高
純度アルミニウムを晶出させることを含み、処理ガス吹
込み室の底壁に処理ガス供給口を形成するとともに、処
理ガス供給口に多孔質体を嵌めておき、処理ガスを、多
孔質体を通して微細な気泡状態でアルミニウム溶湯中に
吹込むことを特徴とするものである。
【0009】請求項2の発明によるアルミニウムの精製
方法は、共晶不純物を含む精製すべきアルミニウム溶湯
を処理ガス吹込み室および精製室に順々に送ること、処
理ガス吹込み室において、アルミニウム溶湯中に処理ガ
スを吹込み、アルミニウム溶湯に含まれている化合物を
処理ガスととも溶湯表面に浮上させて除去すること、な
らびに精製室において、アルミニウム溶湯中に回転冷却
体を浸漬し、この冷却体の内部に冷却流体を供給しなが
ら冷却体を回転させてその外周面に高純度アルミニウム
を晶出させることを含み、処理ガス吹込み室内に、内部
に長さ方向に伸びる処理ガス通路を有する垂直回転軸
と、垂直回転軸の下端に固定状に設けられ かつ処理ガス
通路と連なった処理ガス吹出口を有する気泡放出、分散
用回転体とからなる気泡放出、分散装置を配置してお
き、垂直回転軸の処理ガス通路に処理ガスを供給しなが
ら垂直回転軸および気泡放出、分散用回転体を回転さ
せ、処理ガスを、気泡放出、分散用回転体の処理ガス吹
出口から微細な気泡状態でアルミニウム溶湯中に吹込む
ことを特徴とするものである。 請求項1および2の発明
のアルミニウムの精製方法によれば、精製すべきアルミ
ニウム溶湯中に含まれているアルミニウム酸化物は、処
理ガス吹込み室でアルミニウム溶湯中に微細な気泡状態
吹込まれた処理ガスの気泡により溶湯表面まで運ば
れ、溶湯表面に浮上させられて浮滓となる。したがっ
て、この浮滓を適当な手段によって除去すれば、精製す
べきアルミニウム溶湯中に含まれていたアルミニウム酸
化物を除去することができる。また、アルミニウム酸化
物が除去されたアルミニウム溶湯中に回転冷却体を浸漬
し、この冷却体の内部に冷却流体を供給しながら冷却体
を回転させてその外周面に高純度アルミニウムを晶出さ
せるのであるから、高純度アルミニウムの固相は回転冷
却体の外周面に確実に付着し、かつ一旦付着したものは
剥離しなくなる。
【0010】請求項2の発明の場合、請求項1の発明の
場合に比べて、処理ガス気泡のアルミニウム溶湯中での
微細化および処理ガス気泡の分散を促進できるので、酸
化物、金属ホウ化物等の化合物の除去効率が向上する
【0011】請求項3の発明によるアルミニウムの精製
方法は、請求項1または2のアルミニウムの精製方法に
おいて、精製すべきアルミニウム溶湯が、共晶不純物の
他に包晶不純物を含んでおり、処理ガス吹込み室におい
て処理ガスを吹込む前に、アルミニウム溶湯中にホウ素
を添加することがある。この場合、ホウ素と包晶不純物
との反応の結果生じるTiB2 、VB、ZrB
の不溶性金属ホウ化物は、処理ガス吹込み室でアルミニ
ウム溶湯中に吹込まれた処理ガスの気泡により溶湯表面
まで運ばれ、溶湯表面に浮上させられて浮滓となる。し
たがって、この浮滓を適当な手段によって除去すれば、
精製すべきアルミニウム溶湯中に含まれていた金属ホウ
化物を除去することができる。また、Al−B母合金中
にKFやAlFが存在している場合に、KFやAlF
がアルミニウム溶湯中のアルミニウム酸化物量を増加
させることになったとしても、アルミニウム酸化物は、
処理ガス吹込み室でアルミニウム溶湯中に吹込まれた処
理ガスの気泡により溶湯表面まで運ばれ、溶湯表面に浮
上させられて浮滓となる。したがって、この浮滓を適当
な手段によって除去すれば、精製すべきアルミニウム溶
湯中に含まれていたアルミニウム酸化物を除去すること
ができる。さらに、金属ホウ化物やアルミニウム酸化物
等の化合物が除去されたアルミニウム溶湯中に回転冷却
体を浸漬し、この冷却体の内部に冷却流体を供給しなが
ら冷却体を回転させてその外周面に高純度アルミニウム
を晶出させるのであるから、高純度アルミニウムの固相
は回転冷却体の外周面に確実に付着し、かつ一旦付着し
たものは剥離しなくなる
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0013】図1および図2はこの発明の方法の実施に
用いられる装置の一具体例を示す。
【0014】図1および図2において、アルミニウムの
精製装置は、アルミニウムを精製して高純度アルミニウ
ムを連続的に得る装置であって、共晶不純物および包晶
不純物を含んだ精製すべきアルミニウムを溶解する溶解
炉(1) と、溶解炉(1) に続いて並べられた複数のるつぼ
(2A)(2B)(2C)(2D)(2E)とを備えている。最も溶解炉(1)
側のるつぼ(2A)が処理ガス吹込み室であり、他のるつぼ
(2B)〜(2E)が精製室である。隣り合うるつぼ(2A)〜(2E)
どうしは上端部において連結樋(3) により連通状に接続
されている。処理ガス吹込み室であるるつぼ(2A)に溶解
炉(1) から供給されるアルミニウム溶湯を受ける受け樋
(4) が設けられ、溶解炉(1) から最も離れた精製室であ
るるつぼ(2E)の上端部に溶湯排出樋(5) が設けられてい
る。
【0015】処理ガス吹込み室であるるつぼ(2A)内に
は、内部に長さ方向に伸びる処理ガス通路(図示略)を
有する垂直回転軸(7) と、垂直回転軸(7) の下端に固定
状に設けられかつ処理ガス通路と連なった処理ガス吹出
口(図示略)を有する気泡放出、分散用回転体(8) とか
らなる気泡放出、分散装置(6) が配されている。気泡放
出、分散用回転体(8) の周面には複数の攪拌用突起(9)
が周方向に間隔をおいて形成されている。そして、処理
ガスが、垂直回転軸(7) の処理ガス通路を経て回転体
(8) の処理ガス吹出口から溶湯中に微細な気泡状態で放
出され、この処理ガス気泡が回転体(8) の回転により、
るつぼ(2A)内全体に分散させられる。処理ガスとして
は、Ar等の周期表の不活性ガス、N等のアルミニ
ウムに対して不活性なガス、あるいはこれらのガスにC
を混入したものが用いられる。ArガスやN
ガスを単独で用いるよりも、これらにClを混入し
たものを用いることが好ましい。なお、気泡放出、分散
装置(6) は、図示しない適当な駆動手段により上下動さ
せられるとともに、回転させられるようになっている。
また、るつぼ(2A)の出湯口(10)と対応する位置に置い
て、出湯口(10)のるつぼ(2A)内側端部およびるつぼ(2A)
内面における出湯口(10)の下方に連なる部分を覆うよう
な水平断面略U字形の垂直隔壁(11)が設けられている。
【0016】精製室である各るつぼ(2B)〜(2E)内には、
内部に長さ方向に伸びる冷却流体通路(図示略)を有す
る垂直回転軸(13)および回転軸(13)の下端に固定状にか
つ内部空間が回転軸(13)の冷却流体通路と連通するよう
に設けられた中空回転冷却体(14)よりなる回転冷却装置
(12)が配置されている。中空回転冷却体(14)は、有底で
かつ下方に向かって狭くなったテーパ筒状である。中空
回転冷却体(14)は、アルミニウム溶湯と反応することに
よりこれを汚染することが少なく、かつ熱伝導性のよい
材料、たとえば黒鉛等により形成されている。中空回転
冷却体(14)は、その上端部を除いた部分がるつぼ(2B)〜
(2E)に保持されたアルミニウム溶湯中に浸漬されるよう
になっている。なお、回転冷却装置(12)は、図示しない
適当な駆動手段により上下動させられるとともに、回転
させられるようになっている。
【0017】アルミニウムの精製にあたっては、まず気
泡放出、分散装置(6) および回転冷却装置(12)を、上昇
させてるつぼ(2A)〜(2E)の上方に出しておき、この状態
で共晶不純物および包晶不純物を含む精製すべきアルミ
ニウムを溶解炉(1) で溶解し、各るつぼ(2A)〜(2E)に送
り込む。そして、まず処理ガス吹込み室であるるつぼ(2
A)において、アルミニウム溶湯中にAl−B母合金とし
てホウ素を添加した後、気泡放出、分散装置(6) を下降
させてるつぼ(2A)内のアルミニウム溶湯中に浸漬し、駆
動手段により気泡放出、分散装置(6) を回転させるとと
もに、回転軸(7)の処理ガス通路に処理ガスを供給し、
回転体(8) の処理ガス吹出口からアルミニウム溶湯中に
気泡状態で吹出す。すると、回転体(8) の回転による攪
拌作用によってホウ素がTi、V、Zr等の包晶不純物
と反応させられてTiB、VB、ZrB
の不溶性金属ホウ化物が生成するとともに、処理ガス吹
出口から吹出されかつ回転体(8) の回転によりるつぼ(2
A)内全体に分散させられた処理ガス気泡によってアルミ
ニウム溶湯中に含まれるアルミニウム酸化物および金属
ホウ化物等の化合物が処理ガス気泡とともに浮上させら
れて浮滓となされる。この浮滓は適当な手段で除去され
る。隔壁(11)の働きによって、浮滓の出湯口(10)を通っ
ての流出が防止されている。
【0018】精製室である各るつぼ(2B)〜(2E)内のアル
ミニウム溶湯量が所定量に達すれば、回転冷却装置(12)
を下降させて回転冷却体(14)をアルミニウム溶湯中に浸
漬する。ついで、回転冷却体(14)の内部に回転軸(13)の
冷却流体通路を通して冷却流体を供給してその外周面の
温度をアルミニウムの凝固点以下にしながら回転冷却装
置(12)を回転させる。このとき、図示しないヒータによ
りるつぼ(2B)〜(2E)内のアルミニウム溶湯をその凝固点
を越えた温度に加熱保持しておく。すると、偏析凝固の
原理により、回転冷却体(14)の外周面に精製すべきアル
ミニウムよりも純度の高いアルミニウムが晶出し、高純
度アルミニウム塊が形成される。共晶不純物濃度の高く
なったアルミニウム溶湯は、溶湯排出樋(5) から排出さ
れる。そして、各回転冷却体(14)に所定量の高純度アル
ミニウム塊が形成されれば、作業を終了する。なお、処
理ガス吹込み室であるるつぼ(2A)で添加された余剰のホ
ウ素は、Fe、Si、Cu等の共晶不純物と同様に除去
される。
【0019】処理ガス吹込み室であるるつぼ(2A)でアル
ミニウム酸化物および金属ホウ化物等の化合物が除去さ
れているので、アルミニウムの精製過程においては、連
結樋(3) および溶湯排出樋(5) が詰まるのが防止され
る。
【0020】図3は処理ガス吹込み室であるるつぼの変
形例を示す。図3において、るつぼ(20)の底壁(21)には
処理ガス供給口(22)が形成されており、この処理ガス供
給口(22)にセラミックス等の耐熱性を有しかつアルミニ
ウム溶湯を汚染することのない材料からなる多孔質体(2
3)が嵌め止められている。そして、処理ガスは、処理ガ
ス供給口(22)から多孔質体(23)を通して微細な気泡状態
でアルミニウム溶湯中に吹込まれるようになっている。
【0021】上述した実施形態において、連結樋(3) で
連通状に接続された複数のるつぼ(2A)〜(2E)が処理ガス
吹込み室および精製室となっているが、これに限るもの
ではなく、1つの槽内を仕切り壁により複数の室に仕切
ることによって処理ガス吹込み室および精製室を形成し
てもよい。
【0022】
【実施例】以下、具体的な実施例について説明する。
【0023】この実施例は、上述した実施形態の装置を
用いて行ったものである。
【0024】Fe0.05wt%、Si0.04wt%、T
i0.002wt%およびV0.03wt%を含有する精製
すべきアルミニウムを、溶解炉(1) で溶解した後、各る
つぼ(2A)〜(2E)に送り込み、処理ガス吹込み室であるる
つぼ(2A)においてアルミニウム溶湯に対するB量が0.
005wt%となるようにAl−B母合金を添加し、気泡
放出、分散装置(6) を回転させるとともに、回転体(8)
の処理ガス吹出口からArからなる処理ガスを0.5リ
ットル/分吹出した。また、精製室であるるつぼ(2B)〜
(2E)内のアルミニウム溶湯は、これをヒータにより67
0℃に加熱保持しておいた。また、中空回転冷却体(14)
の上端の外径を150mm、下端の外径を100mmと
しておいた。そして、中空回転冷却体(14)の内部に冷却
流体を供給しつつ、回転冷却装置(12)を回転数400r
pmで回転させた。このような操作を30分間行なった
ところ、中空回転冷却体(14)の外周面に5.2kgの精
製アルミニウム塊が形成されていた。この精製アルミニ
ウム塊中の不純物濃度はFe0.007wt%、Si0.
008wt%、Ti0.0001wt%、V0.001wt%
およびB0.0005wt%であった。
【0025】比較のために、処理ガス吹込み室であるる
つぼ(2A)における処理ガスの吹込みを行うことなく、上
記実施例と同様な操作を行なったところ、中空回転冷却
体(14)の外周面に4.8kgのアルミニウム塊が晶出し
ており、このアルミニウム塊中の不純物濃度はFe0.
008wt%、Si0.010wt%、Ti0.0002wt
%、V0.002wt%およびB0.0007wt%であっ
た。
【0026】
【発明の効果】この発明の請求項1および2のアルミニ
ウムの精製方法によれば、上述のように、精製室にアル
ミニウム溶湯が流入する前に、精製すべきアルミニウム
溶湯中に含まれていたアルミニウム酸化物を除去するこ
とができるので、精製室においては高純度アルミニウム
の固相は回転冷却体の外周面に確実に付着し、かつ一旦
付着したものは剥離しなくなる。したがって、晶出した
高純度アルミニウムの固相により形成された精製塊の形
状がいびつになることはなく、回転冷却体の回転中に割
れるのを防止できる。しかも、一旦付着したものは剥離
しなくなるので、晶出アルミニウムの剥離の結果生じる
上述した諸問題の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法の実施に用いられる装置を示す
垂直縦断面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】処理ガス吹込み室であるるつぼの変形例を示す
垂直断面図である。
【符号の説明】
(2A):処理ガス吹込み室であるるつぼ (2B)〜(2E): 精製室であるるつぼ(6):気泡放出、分散装置 (7):垂直回転軸 (8):気泡放出、分散用回転体 (14):回転冷却体(20):処理ガス吹込み室であるるつぼ (21):底壁 (22):多孔質体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−190533(JP,A) 特開 昭60−190531(JP,A) 特開 昭62−280334(JP,A) 特開 昭60−190532(JP,A) 実開 昭59−153362(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共晶不純物を含む精製すべきアルミニウ
    ム溶湯を処理ガス吹込み室および精製室に順々に送るこ
    と、処理ガス吹込み室において、アルミニウム溶湯中に
    処理ガスを吹込み、アルミニウム溶湯に含まれている化
    合物を処理ガスととも溶湯表面に浮上させて除去するこ
    と、ならびに精製室において、アルミニウム溶湯中に回
    転冷却体を浸漬し、この冷却体の内部に冷却流体を供給
    しながら冷却体を回転させてその外周面に高純度アルミ
    ニウムを晶出させることを含み、処理ガス吹込み室の底
    壁に処理ガス供給口を形成するとともに、処理ガス供給
    口に多孔質体を嵌めておき、処理ガスを、多孔質体を通
    して微細な気泡状態でアルミニウム溶湯中に吹込むこと
    を特徴とするアルミニウムの精製方法。
  2. 【請求項2】 共晶不純物を含む精製すべきアルミニウ
    ム溶湯を処理ガス吹込み室および精製室に順々に送るこ
    と、処理ガス吹込み室において、アルミニウム溶湯中に
    処理ガスを吹込み、アルミニウム溶湯に含まれている化
    合物を処理ガスととも溶湯表面に浮上させて除去するこ
    と、ならびに精製室において、アルミニウム溶湯中に回
    転冷却体を浸漬し、この冷却体の内部に冷却流体を供給
    しながら冷却体を回転させてその外周面に高純度アルミ
    ニウムを晶出させることを含み、処理ガス吹込み室内
    に、内部に長さ方向に伸びる処理ガス通路を有する垂直
    回転軸と、垂直回転軸の下端に固定状に設けられかつ処
    理ガス通路と連なった処理ガス吹出口を有する気泡放
    出、分散用回転体とからなる気泡放出、分散装置を配置
    しておき、垂直回転軸の処理ガス通路に処理ガスを供給
    しながら垂直回転軸および気泡放出、分散用回転体を回
    転させ、処理ガスを、気泡放出、分散用回転体の処理ガ
    ス吹出口から微細な気泡状態でアルミニウム溶湯中に吹
    込むことを特徴とするアルミニウムの精製方法。
  3. 【請求項3】 精製すべきアルミニウム溶湯が、共晶不
    純物の他に包晶不純物を含んでおり、処理ガス吹込み室
    において処理ガスを吹込む前に、アルミニウム溶湯中に
    ホウ素を添加する請求項1または2記載のアルミニウム
    の精製方法。
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