JP3331139B2 - 排水機能をもつ土留め材 - Google Patents

排水機能をもつ土留め材

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は海洋の砂地、河川や
野池の堤防法面、高架道路や高架鉄道の基礎部分法面、
及び山の斜面等の保護に使用する土留め材であって、特
に傾斜の急な部分に流れ込む水を排出し土砂の流出を防
ぐためのシガラ工法に適切な高強度で排水機能をもつ土
留め材に関する。
【0002】
【従来の技術】上記法面、斜面の土砂流出防止のために
使われてきた土留め材、排水材は、合成樹脂の連続線条
からなる立体網状体を斜面にアンカーで固定しこれに砂
礫を散布するもの(実開昭49−48308)、ニード
ルフェルトのような不織布と目の粗い金網やネット状構
造物を合成樹脂の連続線条で接着させたもの(特公昭6
0−23724、特公昭60−23725)さらに上記
立体網状体に不織布を重合し接着したもの(特開昭63
−112762)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
技術による土留め材は排水機能と土砂流出防止機能の両
方を長期間にわたって維持することができない。立体網
状体に砂礫を散布する排水材は細かい土砂が流出するの
を防ぐことができない。また不織布を使用すると土砂の
流出は防げるが時間の経過とともに不織布が目詰まりし
て排水機能が低下するので土砂に含まれる水量が貯まり
ついには土圧に耐えられなくなり破損することも多い。
【0004】特に山の急斜面を階段状に工事する場合や
高架鉄道、高架道路の土手斜面が下の平地道路に接する
部分はほぼ垂直な斜面を保護する工事になり、このよう
な斜面は雨により地中の水量が増加すると土圧が急激に
高くなるので上記の従来技術では満足な施工ができにく
かった。本発明の排水機能をもつ土留め材はこのような
従来技術の課題を解決し、特に高い土圧がかかるシガラ
工法を必要とする急斜面の工事に適したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
の連続線条の多数が相互にその交点で接着しつつ不規則
なループをなして山部と谷部を形成しながら所定の幅と
厚さをもて長さ方向に連続する立体網状体の少なくと
も一方の面に、熱可塑性樹脂の連続線条の多数が相互に
その交点で接着しつつ不規則なループをなして所定の幅
をもって長さ方向にほぼ平面状に連続する平面網状体が
重ね合わされており、該平面網状体の表面を構成する連
続線条が作る不規則な形状の網目の最大差し渡し径が2
0mm以下であることを特徴とする排水機能をもつ土留
め材である。また、本発明の2番目として、熱可塑性樹
脂の連続線条の多数が相互にその交点で接着しつつ不規
則なループをなして山部と谷部を形成しながら所定の幅
と厚さをもって長さ方向に連続する立体網状体の少なく
とも一方の面に、熱可塑性樹脂の連続線条の多数が相互
にその交点で接着しつつ不規則なループをなして所定の
幅をもって長さ方向にほぼ平面状に連続する平面網状体
が重ね合わされており、有孔の平面状の補強材が立体網
状体と平面網状体の中間に介在していることを特徴とす
る排水機能をもつ土留め材である。また、本発明の3番
目として、熱可塑性樹脂の連続線条の多数が相互にその
交点で接着しつつ不規則なループをなして山部と谷部を
形成しながら所定の幅と厚さをもって長さ方向に連続す
る立体網状体の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂の
連続線条の多数が相互にその交点で接着しつつ不規則な
ループをなして所定の幅をもって長さ方向にほぼ平面状
に連続する平面網状体が重ね合わされており、該平面網
状体と立体網状体を重ね合わせた網状体で篩分けした砂
礫の95%以上が、その最大差し渡し径が10mm以下
のものであることを特徴とする排水機能をもつ土留め材
である。
【0006】本発明の排水機能をもつ土留め材は、立体
網状体と平面網状体の組み合わせにより、斜面の土中に
ある土砂の状態に応じて排水機能と土留め機能とを合わ
せ持つことが可能であり、土砂の粒子が細かいものであ
るときは、平面網状体は立体網状体の両面に重ね合わさ
れていることが好ましい。さらに土砂の細かい粒子の場
合は立体網状体、平面網状体は各々が複数枚を積層して
いることが好ましい。さらに平面網状体と立体網状体は
接着して重ね合わされていることが好ましい。
【0007】また特に土圧が高くなることが予測される
斜面の場合は、土留め材の強力を十分なものにするため
平面の補強材を立体網状体と平面網状体の間に介在さ
せることが必要になるが、当然のことながらこの補強材
も透水性でなければならず、有孔の平面状の補強材であ
る。孔の形状はどのようなものでもよいが一般に製造上
の効率から格子状、篭目状又は亀甲状が好ましい。
【0008】さらに透水係数は1×10-2〜2×102
であることが望ましい。1×10-2より小さい透水係数
をもつと使用初期において細かい土砂が目詰まりしやす
いので透水性が悪くなる。2×102 より大きい透水係
数をもつと使用差し渡し径10mm前後の砂礫による目
詰まりが遅く、細かい土砂の流出が長期間続くことにな
る。
【0009】連続線条は線径0.3〜3mmの太さであ
り、土留め材全体の厚さ5〜100mm及び重量500
〜10000g/m2 であることが好ましい。
【0010】平面網状体、立体網状体の谷部及び山部の
表面を構成する連続線条が作る不規則な形状の網目の大
きさはその最大差し渡し径が20mm以下である。網目
は不規則な形状であるから、排水機能をもつ土留め材を
構成する平面網状体、立体網状体に存在する全ての網目
の最大差し渡し径を規定の長さ(例えば20mm以下)
に製造することは困難であるが、製造時に連続線条の紡
出速度、コンベアの移動速度、熱可塑性樹脂の溶融粘度
等を調整することにより網目のほぼ90%以上を所定の
大きさの範囲にすることができる。網目の大きさは土質
の状態により適宜選択する。
【0011】発明の排水機能をもつ土留め材は、熱可
塑性樹脂の連続線条の多数が相互にその交点で接着しつ
つ不規則なループをなして山部と谷部を形成しながら所
定の幅と厚さをもって長さ方向に連続する立体網状体の
少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂の連続線条の多数
が相互にその交点で接着しつつ不規則なループをなして
所定の幅をもって長さ方向にほぼ平面状に連続する平面
網状体が重ね合わされており、平面網状体と立体網状体
を重ね合わせた網状体で砂礫を篩分けしたとき網目を通
り抜けた砂礫の95%以上がその最大差し渡し径が10
mm以下のものである。10mm以上の砂礫の通過が多
いと粒径の小さい土砂が流出し、地盤沈下を起こす恐れ
があるからである。
【0012】平面網状体は立体網状体の山部の頂部に接
着されるが、後記のように立体網状体の上に連続線条を
紡出し平面網状体を接着していく製造方法の場合は接着
用の連続線条の一部が山部の斜面部に至ることもある
が、このような場合は本発明の効果を一層高めることが
できる。
【0013】
【発明の実施の態様】本発明の連続線条を形成する熱可
塑性樹脂は、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等があるが成型のしやすさ、コスト、
耐水性の点からポリプロピレン、ポリエチレンなどのポ
リオレフィン系の樹脂が好ましく使用できる。これらの
樹脂はあらかじめカーボンブラックなどで黒色に着色し
ておくと耐候性が向上し、長期間の使用に耐えることが
できる。連続線条は線径0.3〜3.0mmとする。
0.3mmより細くては網状体に十分な強度が得られに
くく、3.0mmより太いと隣接する連続線条の接着部
分の樹脂塊が大きくなり網目をふさぐので好ましくな
い。好ましい線径は0.5〜2.0mmである。
【0014】網状体の厚さは網状体の空隙の大きさと関
係がある。空隙を小さくし、土砂の目詰まりが早く起こ
るようにすれば薄いものでもよいがこの場合は透水性が
悪くなり、激しい雨が頻繁に降るような所では使用でき
ない。空隙を大きく作ると土砂は目詰まりしにくいから
網状体を厚くしなければならない。網状体の厚さは5〜
100mmである。厚みが5mm未満では土留め材とし
て強力が不足し、土圧により耐えられず破損する恐れが
あり、100mmを超えると耐圧強力は向上するがコス
トが高くなる。好ましい厚みは10〜60mm、よりこ
のましくは20〜50mmである。
【0015】網状体は立体網状体と平面網状体とから構
成するが、立体網状体は所定の厚さを一層で作ることも
あるが、複数枚を積層して所定の厚さを得るようにする
のはよい方法である。また透水係数を制限する方法とし
て平面網状体の網目を細かくすることでもよいが、目の
粗い平面網状体を複数枚積層してもよい。積層する平面
網状体および立体網状体は境界面でかならずしも接着し
ていなくともよい。
【0016】本発明の排水機能をもつ土留め材をさらに
強力にして耐久性を持たせるため平面網状体と立体網状
体に加えて格子状の補強材を一体化させて使用する。補
強材は格子の開口面積が5〜100cm2 で骨材部の厚
さが1〜5mm、幅1.5〜10mmの合成樹脂製の成
型ネットや2軸延伸された厚さ1〜5mmの合成樹脂モ
ノフィラメント製のネット等の引き裂き強力や曲げ剛性
の大きい合成樹脂ネットが好適である。
【0017】以下図面により本発明を説明する。図1は
本発明の排水機能をもつ土留め材の一部破断斜視図、図
2は図1のA−A線断面図である。図1の斜視図に示す
排水機能をもつ土留め材(1)は平面網状体(2)を立
体網状体(3)の片面に接着重合している。平面網状体
(2)は多数の連続線条(4a)が不規則に屈曲しなが
ら相互に接着しつつ平面を形成し、立体網状体(3)の
山部の頂部に接着している。立体網状体(3)は多数の
連続線条(4b)が不規則に屈曲しながら相互に接着し
つつ山部、谷部を形成している。
【0018】図3は平面網状体(2)を立体網状体
(3)の両面に接着重合した本発明の排水機能をもつ土
留め材の一部破断斜視図、図4は図3のA−A線断面図
である。平面網状体(2)は立体網状体(3)の山部の
頂部と谷部の底部において接着用の連続線条(4c)で
接着されている。
【0019】次ぎに本発明の排水機能をもつ土留め材
が、土中の水を効率よく排水し、斜面を保護する働きを
図によって説明する。図5、図6は山の斜面が下の道路
面に接するほぼ垂直の法面に、図1の本発明の排水機能
をもつ土留め材を敷設したときの断面図である。図5は
敷設直後、図6は敷設後1年を経過したときの断面図で
ある。図5では、排水機能をもつ土留め材(1)をH型
鋼からなる直立柱(51)によって支えほぼ垂直な斜面
に沿って先端部(52)を道路面(53)より深く埋め
平面網状体(2)面を山斜面(54)に接して敷設して
おり、山の地中部には大小さまざまな砂礫(55)が散
在している。1年経過後の図6では、水が地中の砂礫
(55)を移動させて排水機能をもつ土留め材(1)の
面から地中に向かって砂礫群(56)を作りこの砂礫群
(56)に水路が形成されている。また排水機能をもつ
土留め材(1)の内部には山斜面(54)や地中から流
れ込んだ砂礫(55)や砂礫より粒子の細かい土砂が存
在している。
【0020】敷設直後は地中からの水流によってまず粒
子の細かい土砂が平面網状体(2)面から流れ込み立体
網状体(3)面を通り抜けて外部へ水とともに流出す
る。同時に砂礫(55)もしだいに地中から移動し、あ
るものは平面網状体(2)面の網目に捕らえられてそこ
に止まり、平面網状体の網目をくぐり抜けたものは立体
網状体の内部に入り途中の網目に捕らえられるものもあ
る。砂礫が止まるとその網目を通過する砂礫はさらに小
さなものだけになるからその部分には砂礫がたまりやす
くなる。こうして時間の経過とともに立体網状体の内部
にも平面網状体の地中側表面の外側にも砂礫がたまり、
平面網状体外部の地中には砂礫群(56)が形成されて
くるのである。
【0021】砂礫群(56)は地中の水の流れに沿って
形成され成長していくので、砂礫群の中に水路が形成さ
れ、砂礫群水路中に流れ込む細かい粒子の土砂を含む水
は濾過され、土留め材に至りこれを通り抜けて外部に排
水されて側溝に流れ込むときはほとんど清流になってい
るのである。このようにして山の斜面内部に濾過層がで
き、土砂の流出を防ぎ、斜面を保護することができるよ
うになる。
【0022】本発明の排水機能をもつ土留め材の製造方
法を説明する。平面網状体及び立体網状体は公知の方
法、例えば特公昭63−53332号公報に記載されて
いる方法で製造することができる。図7の概略側面図に
示すように、平板又は深さの浅い山部と谷部を備えた搬
送体(21)上に、紡糸ノズル(20a)から熱可塑性
剛性重合体を溶融して連続線条(4a)として紡出す
る。このとき連続線条(4a)の落下速度より遅い速度
で搬送体(21)を矢印の方向に移動させることによっ
て平面網状体(2)を形成する。
【0023】また図8に示すような、面上に10〜40
mm程度、好ましくは20〜30mmの深さをもった山
部(23)、谷部(24)をそなえた搬送体ユニット
(25)を矢印の方向に並べた搬送体(21)として使
用すれば同様にして立体網状体を製造することができ
る。
【0024】こうして得られた平面網状体、立体網状体
を接着せずに重ね合わせることによっても本発明の排水
機能をもつ土留め材を得ることができるが、さらに好ま
しくは平面網状体、立体網状体は相互に接着してあるも
のが強度もあり、工事の作業性もよいので好ましい。
【0025】上記平面網状体と立体網状体を接着させた
本発明の排水機能をもつ土留め材の製造方法の例を説明
する。図9の概略側面図に示す装置において、図8の斜
視図に示すような搬送体ユニット(25)を用いた搬送
体(21)上に、紡糸ノズル(20b)から熱可塑性樹
脂を溶融して連続線条(4b)として紡糸する。このと
き連続線条(4b)の落下速度より遅い速度で搬送体
(21)を矢印の方向に移動させるとことによって立体
網状体(3)を形成する。そして連続線条(4b)が未
だ固化しない間に平面網状体(2)を供給し、立体網状
体と同一速度で矢印の方向に移動させつつニップローラ
ー(22)で押圧し、平面網状体(2)と立体網状体
(3)とを接着し立体網状板(5)を形成する。これを
切断機で所定の長さに裁断し図1、図2に示すような本
発明の排水機能をもつ土留め材を得る。
【0026】さらに図10の概略側面図に示すように、
搬送体(21)上に、上記図9の装置で製造した立体網
状板(5)を供給し、この上方の紡糸ノズル(20c)
から熱可塑性樹脂を溶融して連続線条(4c)として紡
糸する。このとき連続線条(4c)の落下速度より遅い
速度で搬送体(21)を矢印の方向に移動させる。そし
て連続線条(4c)が未だ固化しない間に平面網状体
(2)を供給し、同一速度で矢印の方向に移動させつつ
ニップローラー(22)で押圧し、平面網状体(2)を
立体網状体(3)の谷部の裏面に接着することができ
る。こうして立体網状体の両面に平面網状体を接着し重
ね合わせることができる。これを裁断機(26)で所定
の長さに切断し図3、図4に示す本発明の排水機能をも
つ土留め材を得る。
【0027】上記平面網状体(2)は図11の断面図に
示すような、断面が低い山、谷の形状のものは、深さが
2〜7mmの浅い山部と谷部をもった搬送体ユニットを
備えた搬送体を使用することにより形成することができ
る。
【0028】また図12の断面図に示すような、断面が
ほぼ平らな形状の平面網状体(2)は、平面板を備えた
搬送体を使用することにより形成することができる。
【0029】次に有孔の補強材を立体網状体と平面網状
体の中間に介在させた本発明の排水機能をもつ土留め材
の製造方法を説明する。図13の概略側面図に示すよう
に、補強材(6)を山部と谷部をもつ搬送体(21)の
上方から進行方向に沿って供給し、補強材(6)の上方
に設置した紡糸ノズル(20d)から熱可塑性重合体樹
脂を連続線条(4d)として横列に多数紡糸する。連続
線条(4d)は補強材(6)の骨材部に接着しつつ骨材
部間をとおって搬送体(21)上に達し、搬送体の山
部、谷部によって立体網状体(3)を形成する。このと
き連続線条(4d)の落下速度より遅い速度で搬送体
(21)を矢印の方向に進行させ、連続線条を不規則に
屈曲させる。
【0030】続いて連続線条(4d)が未だ固化しない
間に平面網状体(2)を上方から供給し、立体網状体
(3)と同一速度で矢印の方向に移動させつつニップロ
ーラー(22)で押圧し、平面網状体(2)と立体網状
体(3)とを接着し補強材入り立体網状板(7)を形成
する。これを所定長に切断し本発明の排水機能をもつ土
留め材を得る。
【0031】図14に上記補強材入り立体網状板(7)
の断面図を示す。補強材(6)は連続線条(4)に絡
み付かれて平面網状体(2)と立体網状体(3)の間に
接着され固定されている。
【0032】さらに上記補強材入り立体網状板(7)の
両面に平面網状体(2)を配置した本発明の排水機能を
もつ土留め材の製造方法を説明する。図15の概略側面
図に示すように、前記で製造した補強材入り立体網状板
(7)を補強材側を下にして搬送体(21)の進行方向
に沿って供給し、この上方に設置した紡糸ノズル(20
)から熱可塑性重合体樹脂を連続線条(4e)として
横列に多数紡糸する。連続線条(4e)は立体網状体
(3)の谷部裏面に接着しつつ相互に接着する。このと
き連続線条(4e)の落下速度より遅い速度で搬送体
(21)を矢印の方向に進行させ、連続線条を不規則に
屈曲させる。
【0033】続いて連続線条(4e)が未だ固化しない
間に平面網状体(2)を上方から供給し、立体網状板と
同一速度で矢印の方向に移動させつつニップローラー
(22)で押圧し、平面網状体(2)と立体網状体
(3)とを接着して両面に平面網状体を配置した補強材
入り立体網状板(8)を形成する。これを裁断機(2
6)で所定長に切断し本発明の排水機能をもつ土留め材
排水機能をもつ土留め材を得る。
【0034】図16に上記で得た両面に平面網状体を配
置した補強材入り立体網状板(8)の断面図を示す。
【0035】
【実施例】(実施例1) 以下の条件で立体網状体の片面に平面網状体を接着重合
した排水機能をもつ土留め材を製造した。 (平面網状体) 熱可塑性樹脂 ポリプロピレン(カーボンブラック0.16%混合物) 210℃におけるMFR13 密度0.91g/cm3 ノズル孔径 1.0mm 溶融樹脂の落下速度 350cm/分 搬送体の走行速度 100cm/分 平面網状体の目付 500g/m2 網目の最大差し渡し径 約15mm (立体網状体) 熱可塑性樹脂 ポリプロピレン(カーボンブラック0.16%混合物) 210℃におけるMFR13 密度0.91g/cm3 ノズル孔径 1.0mm 溶融樹脂の落下速度 1120cm/分 搬送体の走行速度 100cm/分 立体網状体の目付 1600g/m2 網目の最大差し渡し径 約10mm 得られた排水機能をもつ土留め材は次ぎのとおりである。 連続線条の線径 1.1mm 厚さ 32mm 重量 2100g/m2 空隙率 92.7% 透水係数 1×102cm/秒 篩分けした砂礫の最大差し渡し径約5mm
【0036】上記空隙率は排水機能をもつ土留め材の見
かけの体積をV1(cm3 )、これを構成する連続線条
体の占める体積をV2(cm3 )として、{(V1
2)/V1}×100で表される。V2は、所定面積の
排水機能をもつ土留め材の重量をT(g)、熱可塑性樹
脂の密度をh(g/cm3 )、連続線条の線径を2r
(cm)、連続線条の総長をLcmとして、T=πr2
Lhの関係からLを求めれば、V2=πr2 Lである。
【0037】(実施例2) 以下の条件で立体網状体の両面に平面網状体を接着重合
した排水機能をもつ土留め材を製造した。 (平面網状体) 熱可塑性樹脂 ポリプロピレン(カーボンブラック0.16%混合物) 210℃におけるMFR13 密度0.91g/cm3 ノズル孔径 1.0mm 溶融樹脂の落下速度 350cm/分 搬送体の走行速度 100cm/分 平面網状体の目付 500g/m2 網目の最大差し渡し径 約15mm (立体網状体) 熱可塑性樹脂 ポリプロピレン(カーボンブラック0.16%混合物) 210℃におけるMFR13 密度0.91g/cm3 ノズル孔径 1.0mm 溶融樹脂の落下速度 1120cm/分 搬送体の走行速度 100cm/分 立体網状体の目付 1600g/m2 網目の最大差し渡し径 約10mm (接着用連続線条体) 熱可塑性樹脂 ポリプロピレン(カーボンブラック0.16%混合物) 210℃におけるMFR13 密度0.91g/cm3 ノズル孔径 1.0mm 溶融樹脂の落下速度 707cm/分 搬送体の走行速度 100cm/ 着用連続線条体の目付 約1000g/m2 網目の最大差し渡し径 約10mm 得られた排水機能をもつ土留め材は次ぎのとおりである。 連続線条の線径 1.1mm 厚さ 35mm 重量 3600g/m2 空隙率 88.7% 透水係数 0.7×102cm/秒 篩分けした砂礫の最大差し渡し径 約3mm
【0038】(実施例3)実施例2の排水機能をもつ土
留め材を、土砂崩れの頻発する山斜面(54)において
実験した。図17の斜視図、図18の平面図に示すよう
に山斜面の一部を切り欠き、排水機能をもつ土留め材を
設置した。斜面の末端部を垂直に高さ1m、長さ10m
にわたって切土掘削し、50cm間隔にH型鋼を垂直柱
(51)として立て、これを補強桟で連結した簡易擁壁
材を起立させ、幅50cm、高さ100cmに裁断した
本発明の排水機能をもつ土留め材(1)を垂直柱(5
1)の溝に挿入装着した。6カ月後土留め材の網目は切
土内奥の土中から流出してきた砂礫で埋まった。1年後
の降雨時に土留め材から流れ出す流水はほとんど清流で
あった。土留め材を設置しなかった斜面の垂直部分は土
砂崩れし崩壊した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 立体網状体の片面に平面網状体を接着し重ね
合わせた本発明の排水機能をもつ土留め材の部分切り欠
き斜視図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 立体網状体の両面に平面網状体を接着し重ね
合わせた本発明の排水機能をもつ土留め材の部分切り欠
き斜視図である。
【図4】 図3のA−A線断面図である。
【図5】 本発明の排水機能をもつ土留め材を設置した
山斜面の断面図である。
【図6】 図5に表す山斜面の1年経過後の例を示す断
面図である。
【図7】 本発明の排水機能をもつ土留め材の製造方法
の1例を示す概略側面図である。
【図8】 搬送体の表面の凹凸形状の1例を示す搬送体
ユニットの斜視図である。
【図9】 本発明の排水機能をもつ土留め材の製造方法
の1例を示す概略側面図である。
【図10】 本発明の排水機能をもつ土留め材の製造方
法の1例を示す概略側面図である。
【図11】 浅い山、谷の断面をもつ平面網状体の断面
図である。
【図12】 ほぼ平面状の断面をもつ平面網状体の断面
図である。
【図13】 本発明の排水機能をもつ土留め材の製造方
法の1例を示す概略側面図である。
【図14】 補強材入りの排水機能をもつ土留め材の断
面図である。
【図15】 本発明の排水機能をもつ土留め材の製造方
法の1例を示す概略側面図である。
【図16】 補強材入りの排水機能をもつ土留め材の断
面図である。
【図17】 本発明の排水機能をもつ土留め材を設置し
た山斜面の一部を切り欠いた斜視図である。
【図18】 図17の排水機能をもつ土留め材を上方か
ら見た平面図である。
【符号の説明】
1 排水機能をもつ土留め材 2 平面網状体 3 立体網状体 4a 連続線条 4b 連続線条 4c 連続線条 4d 連続線条 4e 連続線条 5 立体網状板 6 補強材 7 補強材入り立体網状板 8 両面に平面網状体を配置した補強材入り立体網状板 20a 紡糸ノズル 20b 紡糸ノズル 20c 紡糸ノズル 20d 紡糸ノズル 20e 紡糸ノズル 21 搬送体 22 ニップローラー 23 山部 24 谷部 25 搬送体ユニット 26 裁断機 51 直立柱 52 先端部 53 道路面 54 山斜面 55 砂礫 56 砂礫群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 深田 高義 (56)参考文献 特開 昭60−23725(JP,A) 実開 昭57−22535(JP,U) 実開 昭58−16230(JP,U) 特公 昭63−53332(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 29/02 312 B32B 5/26 E02D 17/20 106

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂の連続線条の多数が相互に
    その交点で接着しつつ不規則なループをなして山部と谷
    部を形成しながら所定の幅と厚さをもて長さ方向に連
    続する立体網状体の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹
    脂の連続線条の多数が相互にその交点で接着しつつ不規
    則なループをなして所定の幅をもって長さ方向にほぼ平
    面状に連続する平面網状体が重ね合わされており、該平
    面網状体の表面を構成する連続線条が作る不規則な形状
    の網目の最大差し渡し径が20mm以下であることを特
    徴とする排水機能をもつ土留め材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂の連続線条の多数が相互に
    その交点で接着しつつ不規則なループをなして山部と谷
    部を形成しながら所定の幅と厚さをもて長さ方向に連
    続する立体網状体の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹
    脂の連続線条の多数が相互にその交点で接着しつつ不規
    則なループをなして所定の幅をもって長さ方向にほぼ平
    面状に連続する平面網状体が重ね合わされており、有孔
    の平面状の補強材が立体網状体と平面網状体の中間に介
    在していることを特徴とする排水機能をもつ土留め材。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂の連続線条の多数が相互に
    その交点で接着しつつ不規則なループをなして山部と谷
    部を形成しながら所定の幅と厚さをもて長さ方向に連
    続する立体網状体の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹
    脂の連続線条の多数が相互にその交点で接着しつつ不規
    則なループをなして所定の幅をもって長さ方向にほぼ平
    面状に連続する平面網状体が重ね合わされており、該平
    面網状体と立体網状体を重ね合わせた網状体で篩分けし
    た砂礫の95%以上が、その最大差し渡し径が10mm
    以下のものであることを特徴とする排水機能をもつ土留
    め材。
  4. 【請求項4】 平面網状体は立体網状体の両面に重ね合
    わされている請求項1、2、3のいずれかに記載の排水
    機能をもつ土留め材。
  5. 【請求項5】 平面網状体と立体網状体とは接着して重
    ね合わされている請求項1または3に記載の排水機能を
    もつ土留め材。
  6. 【請求項6】 透水係数が1×10-2〜2×102 であ
    る請求項1、2、3のいずれかに記載の排水機能をもつ
    土留め材。
  7. 【請求項7】 連続線条は線径0.3〜3mmの太さで
    あり、全体の厚さが5〜100mm及び重量500〜1
    0000g/m2 である請求項1、2、3のいずれか
    記載の排水機能をもつ土留め材。
  8. 【請求項8】 立体網状体及び/または平面網状体は複
    数枚積層し重ね合わされている請求項1、2、3のいず
    れかに記載の排水機能をもつ土留め材。
  9. 【請求項9】 平面網状体と立体網状体を重ね合わせた
    全体の空隙率60〜95%である請求項1、2、3のい
    ずれかに記載の排水機能をもつ土留め材。
  10. 【請求項10】 立体網状体の谷部及び山部の表面を構
    成する連続線条が作る不規則な形状の網目の最大差し渡
    し径が20mm以下である請求項1、2、3のいずれか
    に記載の排水機能をもつ土留め材。
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