JP3330189B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JP3330189B2
JP3330189B2 JP11614793A JP11614793A JP3330189B2 JP 3330189 B2 JP3330189 B2 JP 3330189B2 JP 11614793 A JP11614793 A JP 11614793A JP 11614793 A JP11614793 A JP 11614793A JP 3330189 B2 JP3330189 B2 JP 3330189B2
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気状態可変手段を備
えたエンジンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエンジンの中には、その吸気状態
を変化させる手段として、例えば特開昭2−11964
1号公報に示されるように吸排気弁のバルブタイミング
を変化させるバルブタイミング可変機構を備えたもの
や、例えば特開昭62−159728号公報に示される
ように共通の気筒に第1吸気通路及び第2吸気通路の2
つの吸気通路を接続し、第2吸気通路にこの吸気通路を
開閉する開閉弁を設けたもの等がある。
【0003】前者の装置では、過給機からの比較的低温
の空気を気筒内に多く充填しながら、高負荷領域等にお
いて吸気弁の閉時期をピストン下死点よりも大きく遅ら
せて余剰の空気を吸気ポートから吐き戻させることによ
り、筒内圧及び筒内温度の過度上昇を避け、ノッキング
を抑制、防止することができる。また、後者の装置で
は、低速高負荷領域等において上記第2吸気通路を常閉
にし、第1吸気通路からのみ吸気を行い筒内にスワール
を形成して燃焼速度を高めることにより、ノッキングを
抑制する一方、高速高負荷領域等では上記第2吸気通路
を開き、この第2吸気通路と第1吸気通路の双方を通じ
て吸気を行うことにより、多くの吸気充填量を確保する
ことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記装置において、特
に吸入空気量の多い高速運転時等には、排気温度が非常
に高温となり、その上昇抑制が望まれる。この対策とし
ては、混合気における燃料濃度を高め、この燃料の気化
潜熱を利用して排気温度を降下させることが行われてい
るが、この手段を用いると燃費の低下は避けられない。
【0005】本発明はこのような事情に鑑み、燃費低下
を伴うことなく、吸入空気量の大きな領域で排気温度を
有効に低下させることができるエンジンの制御装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】一般に、高吸入空気量運
転領域において、エンジン負荷が高い状態では、筒内温
度上昇に起因するノッキングの防止や多くの吸気充填量
の確保等の関係から、運転条件に制約を受け易いのに対
し、これよりもエンジン負荷の低い中負荷領域では、比
較的運転条件に制約を受けにくい傾向がある。
【0007】本発明は、この点に着目してなされたもの
であり、気筒内への吸気状態を変化させる吸気状態可変
手段を備えたエンジンにおいて、予め設定された高吸入
空気量域における中負荷領域で、この中負荷領域よりも
エンジン負荷の高い高負荷領域におけるよりも、筒内燃
焼速度を高める方向に上記吸気状態可変手段を作動させ
る吸気状態制御手段を備え、かつ、上記中負荷領域の下
限を燃料カット領域の上限負荷以上で等速走行時の走行
負荷以下のエンジン負荷に設定したものである(請求項
1)。
【0008】ここで、上記中負荷領域の上限は、所定の
等スロットル開度ラインにより設定してもよい(請求項
2)。
【0009】さらに、排気ガスを吸気側に還流する排気
ガス還流手段と、上記中負荷領域における排気ガス還流
率を高負荷領域における排気ガス還流率よりも高めるよ
うに上記排気ガス還流手段を制御する排気ガス還流制御
手段とを備えれば、後述のようなより優れた効果が得ら
れる(請求項3)。
【0010】また本発明は、気筒内への吸気状態を変化
させる吸気状態可変手段を備えたエンジンにおいて、予
め設定された高吸入空気量域における中負荷領域で、こ
の中負荷領域よりもエンジン負荷の高い高負荷領域にお
けるよりも、筒内燃焼速度を高める方向に上記吸気状態
可変手段を作動させる吸気状態制御手段を備え、かつ、
共通の気筒に第1吸気通路と第2吸気通路とを接続する
とともに、上記吸気状態可変手段として、第2吸気通路
を開通する状態と遮蔽する状態とに切換えられる開閉手
段を備え、上記中負荷領域では開閉手段を遮蔽状態に切
換え、上記高負荷領域では開閉手段を開通状態に切換え
るように上記吸気状態制御手段を構成し、さらに、機械
式過給機を備えるとともに、上記中負荷領域よりも低負
荷側の領域において上記開閉手段を開通状態に切換える
ように上記吸気状態制御手段を構成したものであり(請
求項5)、また、気筒内への吸気状態を変化させる吸気
状態可変手段を備えたエンジンにおいて、予め設定され
た高吸入空気量域における中負荷領域で、この中負荷領
域よりもエンジン負荷の高い高負荷領域におけるより
も、筒内燃焼速度を高める方向に上記吸気状態可変手段
を作動させる吸気状態制御手段を備え、かつ、過給機を
備えるとともに、上記吸気状態可変手段として、吸気弁
の閉時期を変化させる閉時期可変手段を備え、上記中負
荷領域におけるピストン下死点からの吸気弁の閉時期の
遅延角を上記高負荷領域におけるピストン下死点からの
吸気弁の閉時期の遅延角よりも減少させるように上記吸
気状態制御手段を構成したものである(請求項6)。
【0011】請求項6記載の装置では、上記中負荷領域
よりも低負荷側の領域におけるピストン下死点からの吸
気弁の閉時期の遅延角を上記高負荷領域におけるピスト
ン下死点からの吸気弁の閉時期の遅延角よりも減少させ
る(請求項7)ことがより好ましい。
【0012】
【作用】請求項1記載の装置によれば、エンジンの排気
温度が特に高くなりやすい高吸入空気量領域において、
ノッキング抑制や充填量確保による制約を受けにくい中
負荷領域で筒内燃焼速度を上げるように吸気状態が制御
されることにより、混合気中の燃料濃度を高めることな
く上記中負荷領域での排気温度が下げられる。一方、高
負荷領域では、上記ノッキング抑制や充填量確保に適し
た吸気状態に切換えることにより、良好な運転を維持す
ることができる。
【0013】さらに、この装置では、実際のエンジン負
荷が、燃料カット領域の上限負荷以上で等速走行時の走
行負荷以下の所定の負荷に達した場合に上記中負荷領域
に移行したとして燃焼速度が上げられる。また、請求項
2記載の装置では、エンジンの実際のスロットル開度が
所定スロットル開度以下の場合に中負荷領域であるとし
て燃焼速度が上げられ、上記所定スロットル開度を超え
た場合に高負荷領域であるとして燃焼速度が下げられ
る。
【0014】請求項3記載の装置では、上記中負荷領域
で排気ガス還流率が上げられる、すなわち混合気内の不
活性ガスの混合量が増やされることにより、排気温度は
さらに低下する。しかも、この中負荷領域では燃焼速度
が高められているため、排気ガス還流率が高められても
燃焼安定性は良好に保たれる。
【0015】燃焼速度を変える手段として、請求項4記
載の装置によれば、中負荷領域では第2吸気通路が遮蔽
されて第1吸気通路のみによる吸気が行われることによ
り、気筒内でのスワール生成が促進されて筒内燃焼速度
が高められる。一方、高負荷領域では第2吸気通路が開
かれて両通路による吸気が行われることにより、高吸入
空気量高負荷領域での運転に必要な吸気充填量が確保さ
れる。
【0016】請求項5記載の装置では、上記中負荷領域
よりもさらにエンジン負荷の低い領域において第2吸気
通路が開かれることにより、機械式過給機吐出圧が下げ
られ、この機械式過給機の負担が軽減される。
【0017】請求項6記載の装置では、高負荷領域で吸
気弁の閉時期がピストン下死点に対して大きく遅らされ
ることにより、過給機からの比較的低温の空気が気筒内
に充填されるとともに吸気行程後期で気筒内から吸気通
路へ吸気が吐き戻されるため、有効圧縮比を下げながら
筒内温度が下げられ、これによりノッキングが防がれ
る。一方、中負荷領域では高負荷領域よりも吸気弁閉時
期が早められる(すなわちピストン下死点に近付けられ
る)ために上記吸気通路への吐き戻しが抑制され、その
分、有効圧縮比が高められて筒内燃焼速度が高められ
る。
【0018】さらに、請求項7記載の装置では、上記中
負荷領域よりさらにエンジン負荷が低い領域においても
吸気弁閉時期が早められるため、この領域でも上記吸気
の吐き戻しが抑制される分、機械式過給機吐出圧が下げ
られ、この機械式過給機の負担が軽減される。
【0019】
【実施例】本発明の第1実施例をに基づいて説明する。
【0020】図1,2において、エンジン本体1には吸
気通路2及び排気通路3が接続されている。エンジン本
体1の各気筒(図例では4つの気筒)4内にはピストン
5が挿入され、その上方に燃焼室6が形成されている。
【0021】上記吸気通路2は、上流側の共通吸気通路
7と、この共通吸気通路7の下流端に接続されたサージ
タンク8と、このサージタンク8から各気筒別に分岐し
た独立吸気通路9とで構成されている。排気通路3は、
各気筒別の独立排気通路10と、これらの独立排気通路
10が合流する共通排気通路11とで構成されている。
【0022】上記共通吸気通路7には、上流側から順に
エアクリーナ12、エアフローメータ13、及びスロッ
トル弁14が配設されている。スロットル弁14の下流
には機械式過給機(スーパチャージャ)15が設けら
れ、そのさらに下流側にインタクーラ16が設けられて
いる。上記機械式過給機15は、その駆動軸15aがベ
ルト等を介してエンジンのクランク軸(図示せず)に連
結されており、エンジン出力で駆動されるようになって
いる。
【0023】なお、図2において17は過給機15をバ
イパスするバイパス通路、18はリリーフ弁であり、過
給機吐出圧が一定以上に達した場合にはリリーフ弁18
が開かれることにより過給気の一部がリリーフされるよ
うになっている。
【0024】上記各独立吸気通路9の下流部は、第1吸
気ポート21と第2吸気ポート22とに分かれ、両ポー
ト21,22が同一気筒4の燃焼室6内に開口してい
る。同様に、独立排気通路8の上流部も第1排気ポート
23と第2排気ポート24とに分かれ、両ポート23,
24が同一気筒4の燃焼室6内に開口している。各吸気
ポート21,22及び各排気ポート23,24には吸気
弁25および排気弁26がそれぞれ設けられ、これらの
弁25,26の作動で各ポート21〜24が開閉される
ようになっている。また、燃焼室6の中央部には点火プ
ラグ27が配置され、各独立吸気通路9には燃料噴射弁
28が配設されている。
【0025】上記エンジン本体1の上方には、吸気弁駆
動用のカム33をもつ吸気側カムシャフト34と、排気
弁駆動用のカム35をもつ排気側カムシャフト36とが
並設されている。これらのカムシャフト34,36と、
クランク軸に連動するカムプーリ37,38との間に、
動弁機構であるバルブタイミング可変機構(燃焼速度可
変手段)31,32が組み込まれている。これらのバル
ブタイミング可変機構31,32は、後述の制御信号を
受けることにより、カムプーリ37,38に対するカム
シャフト34,36の位相を変更し、これによって吸・
排気弁25,26の開弁期間のオーバラップ量を変化さ
せるものである。
【0026】上記両吸気ポート21,22のうち、第1
の吸気ポート21は常時開通された常開ポートとなって
いる。これに対し、第2の吸気ポート22は、その通路
内にスワールコントロール弁(開閉手段)40を有し、
このスワールコントロール弁40の作動により運転状態
に応じて開通状態と遮蔽状態とに切換えられるようにな
っている。上記スワールコントロール弁40は、アクチ
ュエータ41の作動により駆動され、このアクチュエー
タ41は後述の制御信号を受けることにより作動する。
【0027】上記共通吸気通路7と共通排気通路11と
はエンジン本体1を迂回して直接EGR通路(排気ガス
還流通路)74で接続されており、このEGR通路74
の途中には、EGR率(排気ガス還流率)を調節するた
めのEGR弁76が設けられている。
【0028】このエンジンには、ECU(コントロール
ユニット;吸気状態制御手段)42が装備されている。
このECU42は、上記エアフローメータ13、エンジ
ン回転数を検出するエンジン回転数センサ43、エンジ
ン負荷相当量としてスロットル弁14の開度θを検出す
るスロットル開度センサ44、吸気温度センサ46、と
いった各センサ類からの検出信号を受け、これらの信号
に基づき、上記点火プラグ27、アクチュエータ41、
バルブタイミング可変機構31,32、EGR弁76等
に制御信号を出力することにより、点火時期制御、スワ
ールコントロール弁開閉制御、バルブタイミング制御、
EGR制御等を行うように構成されている。
【0029】具体的に、この装置の特徴として、ECU
42は次のようなスワールコントロール弁40の開閉制
御を行う。
【0030】a)エアフローメータ13で検出される吸
入空気量が図3に示すような所定の吸入空気量一定ライ
ン64上もしくはこれよりも低吸入空気量側にある低吸
入空気量領域では、スワールコントロール弁40を閉じ
る。なお、図3において60は最大トルク曲線である。
【0031】b)吸入空気量が上記吸入空気量一定ライ
ン64よりも高吸入空気量側にある高吸入空気量領域で
は、エンジン負荷Peに基づいてスワールコントロール
弁40の開閉制御を行う。具体的に、エンジン負荷Pe
がいわゆるRoad-Load ライン(等速走行時の負荷曲線)
68以上でありかつスロットル開度θが所定の等スロッ
トル開度ライン66未満の中負荷領域ARでは、スワー
ルコントロール40を閉じ、それ以外の領域、すなわち
エンジン負荷PeがRoad-Load ライン68未満の低負荷
領域、及び上記等スロットル開度ライン66以上の高負
荷領域では、スワールコントロール弁40を開く。
【0032】次に、この装置の作用を説明する。
【0033】まず、上記低吸入空気量領域では、エンジ
ン負荷Peにかかわらず第2吸気ポート22がスワール
コントロール弁40によって閉じられ、第1吸気ポート
21のみで吸気が行われる。このため、各気筒4内では
図4矢印に示されるようなスワール生成が促進され、こ
のスワールで筒内燃焼速度が高められる。従って、低速
運転状態で特に発生し易いノッキングが効果的に抑制、
防止される。
【0034】次に、運転状態が高吸入空気量領域内に移
行すると、エンジン負荷Pe及びスロットル開度θに応
じた制御が実行される。すなわち、実際のスロットル開
度θが等スロットル開度ライン66以上の高負荷領域で
は、スワールコントロール弁40の作動で第2吸気ポー
ト22が開かれ、両吸気ポート21,22を通じて吸気
が行われるため、第1吸気ポート21のみで吸気を行う
場合よりも吸気充填効率が高められ、特に高速高負荷領
域において要求される出力を十分に確保される。また、
排気温度の上昇が比較的小さい低負荷領域においても、
第2吸気ポート22が開かれて吸気充填効率が高められ
ることにより、機械式過給機15の吐出圧が低減され、
機械式過給機15の負担が軽減される。
【0035】これに対し、運転状態が中負荷領域AR、
すなわち高負荷領域に比べて吸気充填効率をさほど要し
ない領域にある場合には、スワールコントロール弁40
の作動で第2吸気ポート22が閉じられ、第1吸気ポー
ト21のみで吸気が行われるため、前記スワール生成の
促進に起因して筒内燃焼速度が高められることにより、
混合気内の燃料濃度を高めることなく排気温度を下げ、
さらには燃焼安定性を高めることができる。従って、従
来に比して燃料リーン化をさらに進めることができ、こ
れによって燃費を低下させることができる。また、上記
高負荷領域では、吸気充填効率の上昇により、過給圧の
過度の上昇を防ぐことができる。
【0036】なお、この実施例では、スワールコントロ
ール弁40で第2吸気ポート22を開閉するものを示し
たが、この開閉のための具体的な手段は特に問わない。
例えば第2吸気ポート22側の吸気弁25に弁休止機構
を付設し、低吸気質量流量領域で上記吸気弁25を常閉
するようにしても、上記と同様の効果を得ることができ
る。
【0037】次に、本発明の第2実施例を図5,6を併
せて参照しながら説明する。
【0038】この実施例では、前記図1に示した装置に
おいて、バルブタイミングの変化によって各気筒4内の
燃焼速度を制御するようにしている。具体的に、この実
施例におけるECU42は次のような制御を行う。
【0039】a)図6に示すように、エンジン回転数セ
ンサ43で検出されたエンジン回転数Neが予め設定さ
れた回転数N1未満の低回転運転領域では吸排気タイミ
ングを図5に実線で示すようなタイミング、すなわちピ
ストン下死点からの吸気弁25の閉時期の遅延角がα2
のタイミングとし、上記エンジン回転数Neが上記回転
数N1以上で所定回転数N2未満の中速運転領域では、
図5破線で示すようなタイミング、すなわちピストン下
死点からの吸気弁25の閉時期の遅延角がα1(<α2
のタイミングとするように、上記バルブタイミング可変
機構31,32の作動を制御する。
【0040】具体的に、遅延角α2には、吸気弁閉時期
の遅延により有効圧縮比を低減させてノッキング抑制を
図るのに十分なだけ大きな値が設定されており、遅延角
α1は、吸気弁閉時期の遅延量を減少させて筒内燃焼速
度を高め、これにより排気温度を有効に低下させるに十
分なだけ遅延角α2よりも小さく設定されている。
【0041】b)エンジン回転数センサ43で検出され
たエンジン回転数Neが、上記回転数N2以上で最高回
転数N3以下の高速運転領域(すなわち高吸入空気量領
域)では、次のようなバルブタイミング設定を行う。
【0042】エンジン負荷PeがRoad-Load ライン6
8以下の低負荷領域、及びRoad-Load ライン68以上で
あって予め設定された一定負荷Po未満の中負荷領域で
は、中速運転領域と同様に吸気弁25の閉時期の遅延角
をα1に設定する。なお、図6において60は最大トル
ク曲線である。
【0043】エンジン負荷Peが上記一定負荷Po以
上の高負荷領域では、低速運転領域と同様に吸気弁25
の閉時期の遅延角をα2に設定する。
【0044】なお、エンジン回転数Neが最高回転数N
3を上回る場合には一律に遅延角をα2に設定する。
【0045】次に、この装置の作用を説明する。
【0046】まず、実際のエンジン回転数Neが回転数
N1未満の低速段階では、吸気弁25の閉時期が遅延角
α2という遅いタイミング(図5破線のタイミング)に
設定される。これにより、機械式過給機15から各気筒
4内に比較的低温の空気を多く充填しながら、ピストン
下死点通過後に余剰の筒内空気が吸気ポート21,22
に吐き戻され、筒内圧力の上昇を伴うことなく気筒内温
度が下げられる。従って、この低速運転領域で特に発生
し易いノッキングが効果的に抑制、防止される。
【0047】次に、エンジン回転数Neが上記回転数N
1以上で回転数N2未満の中速段階に移行すると、吸気
弁25の閉時期が遅延角α1のタイミング(図5実線の
タイミング)まで早められ、これによりピストン下死点
通過後の吸気の吐き戻しが削減されて吸気充填効率が高
まるため、筒内圧力の上昇によって燃焼速度が高めら
れ、燃焼安定性が確保されるとともに、過給圧すなわち
機械式過給機15下流側圧力が降下し、機械式過給機1
5の負担が軽減される。
【0048】さらに、エンジン回転数N1が上記回転数
N2以上の高速運転領域(すなわち高吸入空気量領域)
に入ると、今度はエンジン負荷Peに応じた制御が実行
される。すなわち、この領域において、エンジン負荷P
eが所定負荷Po以下の低中負荷領域では、ピストン下
死点通過後の吸気の吐き戻しが削減されて吸気充填効率
が高められ、筒内圧力の上昇によって燃焼速度が高めら
れ、燃焼安定性が確保されるとともに、過給圧すなわち
機械式過給機15下流側圧力が降下し、機械式過給機1
5の負担が軽減される。しかも、上記燃焼速度の上昇に
より、特に高回転領域で高温となりやすい排気温度が下
げられる。
【0049】これに対し、筒内温度の上昇によりノッキ
ングが発生し易い高負荷領域(エンジン負荷Peが所定
負荷Po以上の領域)では、低速運転領域と同様に遅延
角がα2に設定されて吸気弁閉時期が大きく遅らされる
ことにより、有効圧縮比及び筒内温度が下げられ、これ
によって上記ノッキングが有効に抑制される。
【0050】以上のように、この装置では、排気温度の
上昇が著しい高速運転領域(高吸入空気量領域)におい
て、比較的ノッキング発生のおそれが少ない中負荷領域
では、上記吸気弁閉時期をあまり遅らせずに各気筒4の
吸気充填効率を上げることにより、燃焼速度を高め、こ
の燃焼速度の上昇によって排気温度を低下させる一方、
ノッキングが発生し易い高負荷領域では、吸気弁閉時期
をピストン下死点に対して大きく遅らせることにより、
ノッキングを抑制、防止することができる。すなわち、
ノッキングの発生を十分に抑制、防止する上で、排気温
度を最大限低下させることができる。
【0051】さらに、この実施例では、Road-Load ライ
ン68以下の低負荷領域においても吸気弁閉時期を高負
荷領域よりも早めに設定することにより、機械式過給機
15の負担を軽減することができる。
【0052】なお、この実施例において排気弁26の開
閉時期は特に問わず、吸気弁25の閉時期を制御すれば
上記効果を得ることができる。
【0053】また、本発明は以上の実施例に限定され
ず、例として次のような態様を採ることも可能である。
【0054】(1) 上記各実施例では、中負荷領域の下限
ラインをRoad-Loadライン(等速走行時における走行負
荷のライン)68に設定しているが、この下限ラインは
請求項5〜7記載の発明については適宜設定すればよ
い。例えば、図3に示す燃料カット領域上限ライン62
を下限としてもよいし、両ライン62,68同士の間に
位置する適当なラインに設定してもよい。
【0055】(2) 上述のように、高吸入空気量中負荷領
域で燃焼速度を高めることにより、排気温度を下げなが
ら燃料リーン化及び良好な燃焼安定性を確保できるの
で、この領域でECU42からの制御信号により図1に
示すようなEGR弁76の開度を増大してEGR率を高
めることが可能である。このようなEGR率の増加によ
って混合気内の不活性ガス濃度を高め、排気温度をさら
に低減させることができ、また、このEGR率の増加に
よりノッキングの抑制、防止効果及びポンピングロス低
減効果が得られる。
【0056】(3) 第1実施例では高速中負荷領域と高速
高負荷領域との境界を等負荷ラインで定め、第2実施例
では両領域の境界を等スロットル開度ラインで定めてい
るが、逆に第1実施例における境界を等スロットル開度
ラインで定め、第2実施例における境界を等負荷ライン
で定めるようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次の効果
を得ることができる。
【0058】請求項1記載の装置では、エンジンの排気
温度が特に高くなりやすい高吸入空気量領域において、
ノッキング抑制や充填量確保による制約を受けにくい中
負荷領域で筒内燃焼速度を上げるように吸気状態を制御
することにより、混合気中の燃料濃度を高めることな
く、上記中負荷領域での排気温度を低下させることがで
き、また燃料リーン化及び燃焼安定性の向上を果たすこ
とができる効果がある。一方、高負荷領域では、上記ノ
ッキング抑制や充填量確保に適した吸気状態に切換える
ことにより、良好な運転を維持することができる。
【0059】これに加え、請求項3記載の装置では、上
記中負荷領域で排気ガス還流率を上げる、すなわち混合
気内の不活性ガスの混合量を増やすようにしているの
で、排気温度をさらに低下させることができ、またノッ
キング抑制、防止効果やポンピングロス低減効果も得る
ことができる。しかも、この中負荷領域では上述のよう
に燃焼速度が高められているため、排気ガス還流率を高
めても良好な燃焼安定性を維持することができる。
【0060】具体的に、請求項4記載の装置によれば、
高負荷に比して比較的出力が要求されない中負荷領域で
第2吸気通路を閉じて第1吸気通路のみで吸気すること
により、気筒内でのスワール生成を促進して筒内燃焼速
度を高め、排気温度を下げることができる。一方、高負
荷領域では第2吸気通路を開いて両通路による吸気を行
うことにより、高吸入空気量高負荷領域での運転に必要
な吸気充填量を確保することができる。
【0061】請求項5記載の装置では、上記中負荷領域
よりもさらにエンジン負荷の低い領域において第2吸気
通路を開くことにより、吸気充填効率を高めて機械式過
給機吐出圧を下げ、過給機の負担を軽減することができ
る。
【0062】また、請求項6記載の装置では、筒内温度
上昇に起因してノッキングの発生し易い高負荷領域で吸
気弁の閉時期をピストン下死点に対して大きく遅らせ、
有効圧縮比を下げながら筒内温度を下げることにより、
上記ノッキングを防ぐ一方、比較的ノッキングの発生の
おそれの低い中負荷領域では、上記高負荷領域よりも吸
気弁閉時期を早めて(すなわちピストン下死点に近付け
て)有効圧縮比を高めることにより、筒内燃焼速度を高
めて排気温度を下げることができる。
【0063】さらに、請求項7記載の装置では、上記中
負荷領域よりさらにエンジン負荷が低い領域においても
吸気弁閉時期を早めることにより、この領域でも機械式
過給機吐出圧を下げて機械式過給機の負担を軽減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるエンジン及びその
燃焼制御装置の全体概略平面図である。
【図2】上記エンジンの要部を示す概略断面正面図であ
る。
【図3】上記エンジンにおけるスワールコントロール弁
の開閉制御内容を示すグラフである。
【図4】上記エンジンの燃焼室内に形成されるスワール
を示す概略平面図である。
【図5】本発明の第2実施例において設定される吸・排
気弁の開閉タイミングを示す図である。
【図6】上記エンジンにおけるバルブタイミングの設定
内容を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン本体 4 気筒 21 第1吸気ポート(第1吸気通路) 22 第2吸気ポート(第2吸気通路) 25 吸気弁 31,32 バルブタイミング可変機構(燃焼速度可変
手段) 40 スワールコントロール弁(燃焼速度可変手段) 42 コントロールユニット(燃焼速度制御手段及び排
気ガス還流制御手段) 74 EGR通路(排気ガス還流手段) 76 EGR弁(排気ガス還流手段)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 31/02 F02D 13/02 F02D 23/00 F02D 35/00 312

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒内への吸気状態を変化させる吸気状
    態可変手段を備えたエンジンにおいて、予め設定された
    高吸入空気量域における中負荷領域で、この中負荷領域
    よりもエンジン負荷の高い高負荷領域におけるよりも、
    筒内燃焼速度を高める方向に上記吸気状態可変手段を作
    動させる吸気状態制御手段を備え、かつ、上記中負荷領
    域の下限を燃料カット領域の上限負荷以上で等速走行時
    の走行負荷以下のエンジン負荷に設定したことを特徴と
    するエンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項記載のエンジンの制御装置にお
    いて、上記中負荷領域の上限を所定の等スロットル開度
    ラインにより設定したことを特徴とするエンジンの制御
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のエンジンの制御
    装置において、排気ガスを吸気側に還流する排気ガス還
    流手段と、上記中負荷領域における排気ガス還流率を高
    負荷領域における排気ガス還流率よりも高めるように上
    記排気ガス還流手段を制御する排気ガス還流制御手段と
    を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜のいずれかに記載のエンジ
    ンの制御装置において、共通の気筒に第1吸気通路と第
    2吸気通路とを接続するとともに、上記吸気状態可変手
    段として、第2吸気通路を開通する状態と遮蔽する状態
    とに切換えられる開閉手段を備え、上記中負荷領域では
    開閉手段を遮蔽状態に切換え、上記高負荷領域では開閉
    手段を開通状態に切換えるように上記吸気状態制御手段
    を構成したことを特徴とするエンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】 気筒内への吸気状態を変化させる吸気状
    態可変手段を備えたエンジンにおいて、予め設定された
    高吸入空気量域における中負荷領域で、この中負荷領域
    よりもエンジン負荷の高い高負荷領域におけるよりも、
    筒内燃焼速度を高める方向に上記吸気状態可変手段を作
    動させる吸気状態制御手段を備え、かつ、共通の気筒に
    第1吸気通路と第2吸気通路とを接続するとともに、上
    記吸気状態可変手段として、第2吸気通路を開通する状
    態と遮蔽する状態とに切換えられる開閉手段を備え、上
    記中負荷領域では開閉手段を遮蔽状態に切換え、上記高
    負荷領域では開閉手段を開通状態に切換えるように上記
    吸気状態制御手段を構成 し、さらに、機械式過給機を備
    えるとともに、上記中負荷領域よりも低負荷側の領域に
    おいて上記開閉手段を開通状態に切換えるように上記吸
    気状態制御手段を構成したことを特徴とするエンジンの
    制御装置。
  6. 【請求項6】 気筒内への吸気状態を変化させる吸気状
    態可変手段を備えたエンジンにおいて、予め設定された
    高吸入空気量域における中負荷領域で、この中負荷領域
    よりもエンジン負荷の高い高負荷領域におけるよりも、
    筒内燃焼速度を高める方向に上記吸気状態可変手段を作
    動させる吸気状態制御手段を備え、かつ、過給機を備え
    るとともに、上記吸気状態可変手段として、吸気弁の閉
    時期を変化させる閉時期可変手段を備え、上記中負荷領
    域におけるピストン下死点からの吸気弁の閉時期の遅延
    角を上記高負荷領域におけるピストン下死点からの吸気
    弁の閉時期の遅延角よりも減少させるように上記吸気状
    態制御手段を構成したことを特徴とするエンジンの制御
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項記載のエンジンの制御装置にお
    いて、上記過給機を機械式過給機とするとともに、上記
    中負荷領域よりも低負荷側の領域におけるピストン下死
    点からの吸気弁の閉時期の遅延角を上記高負荷領域にお
    けるピストン下死点からの吸気弁の閉時期の遅延角より
    も減少させるように上記吸気状態制御手段を構成したこ
    とを特徴とするエンジンの制御装置。
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