JP3273658B2 - エンジンの燃焼制御装置 - Google Patents

エンジンの燃焼制御装置

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JP3273658B2
JP3273658B2 JP11614693A JP11614693A JP3273658B2 JP 3273658 B2 JP3273658 B2 JP 3273658B2 JP 11614693 A JP11614693 A JP 11614693A JP 11614693 A JP11614693 A JP 11614693A JP 3273658 B2 JP3273658 B2 JP 3273658B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノッキング抑制を図る
べく点火時期を制御するエンジンの燃焼制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン、特に過給気付エンジン
では、ノッキングの抑制、防止を図るべく、種々の手段
が採られている。具体的には、特にノッキングが発生し
易い領域、例えば過給運転領域や低速高負荷運転領域
で、吸気弁の閉弁タイミングを遅らせて圧縮比を下げる
ことにより筒内最大圧を下げたり(例えば特開昭63−
239312号公報参照)、ノッキングの発生度合に応
じた量で点火時期を理想点火時期から遅らせたりするこ
とが有効とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような筒内最大
圧の低下は、ノッキングの抑制、防止だけでなく、クラ
ンク軸とその軸受との間のジャーナル面圧の低下にもつ
ながり、ジャーナル面圧の低下によって騒音抑制やジャ
ーナル軸受の損耗の抑制といった利点を得ることができ
る。しかし、筒内最大圧を低下させると一般に最大トル
クも小さくなるため、特に出力を要する低速高負荷領域
で加速に十分な出力トルクが得られにくくなる。
【0004】本発明は上記の事情に鑑み、各運転領域に
おいて必要な最大トルクは確保しながら、筒内最大圧を
効果的に低減させて騒音抑制、ジャーナル面圧の低下、
ノッキング抑制等を図ることができるエンジンの燃焼制
御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】周知のように、ノッキン
グは特に低速高負荷領域において発生し易い。従って、
このノッキングの発生度合に応じた量で点火時期を遅ら
せるような燃焼制御を行う場合、低速領域では高負荷時
に特に大きく点火時期が遅延されるため、図4に示すよ
うに、MBT(Minimum Spark Advance for Best Torqu
e;最大トルクを発生するのに必要な最小点火進角)で
運転を行った場合の筒内最大圧Pmax(同図実線50)
に対し、点火遅延制御が実行された場合の筒内最大圧P
maxは例えば同図実線51に示されるようになる。
【0006】すなわち、高負荷領域よりもむしろ中負荷
領域の方が筒内最大圧Pmaxが高くなり、この中負荷領
域でジャーナル面圧や排気温度がピークを迎えることに
なる。しかも、この中負荷領域では高負荷領域ほど大き
な出力トルクは必要とされない。
【0007】本発明は、このような点に着目してなされ
たものであり、エンジン負荷に関する値を検出するエン
ジン負荷検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジ
ン回転数検出手段と、エンジン負荷が大きいほどエンジ
ンの点火時期の遅延量を大きくし、かつ、エンジンの低
速高負荷状態における上記遅延量をエンジンの中速高負
荷状態における上記遅延量よりも大きくするように、上
記点火時期を制御する点火時期制御手段と、気筒内の燃
焼速度を変化させる燃焼速度可変手段と、エンジンの状
態が低速中負荷状態であるとき及びエンジンの状態が中
速高負荷状態であるときに他の状態であるときに比べて
燃焼速度を小さくするように上記燃焼速度可変手段を制
御する燃焼速度制御手段とを備えたものである(請求項
1)。
【0008】
【作用】請求項1記載の装置によれば、ノッキングが発
生し易い低速高負荷領域で特に大きく点火時期が遅延さ
れるため、上述のように、筒内最大圧Pmaxは低速運転
時には例えば図4の実線51に示されるように中負荷運
転領域でピークを迎えようとするが、この低速中負荷領
域で燃焼速度可変手段及び燃焼速度制御手段により筒内
の燃焼速度が強制的に下げられるため、低速高負荷運転
領域では筒内最大圧Pmaxを十分に確保しながら、これ
よりも筒内最大圧Pmaxの高くしかも必要出力トルクの
小さい低速中負荷領域で筒内最大圧Pmaxが効果的に低
減され、これにより騒音及びジャーナル面圧が低下す
る。
【0009】さらに、上記低速中負荷領域よりもさらに
筒内最大圧の高い運転領域、すなわち中速高負荷領域で
も燃焼速度が強制的に下げられることにより、この領域
での筒内最大圧も下げられる。
【0010】
【実施例】本発明の第1実施例を説明する。
【0011】図1,2において、エンジン本体1には吸
気通路2及び排気通路3が接続されている。エンジン本
体1の各気筒(図例では4つの気筒)4内にはピストン
5が挿入され、その上方に燃焼室6が形成されている。
【0012】上記吸気通路2は、上流側の共通吸気通路
7と、この共通吸気通路7の下流端に接続されたサージ
タンク8と、このサージタンク8から各気筒別に分岐し
た独立吸気通路9とで構成されている。排気通路3は、
各気筒別の独立排気通路10と、これらの独立排気通路
10が合流する共通排気通路11とで構成されている。
【0013】上記共通吸気通路7には、上流側から順に
エアクリーナ12、エアフローメータ13、及びスロッ
トル弁14が配設されている。スロットル弁14の下流
には機械式過給機(スーパチャージャ)15が設けら
れ、そのさらに下流側にインタクーラ16が設けられて
いる。上記機械式過給機15は、その駆動軸15aがベ
ルト等を介してエンジンのクランク軸(図示せず)に連
結されており、エンジン出力で駆動されるようになって
いる。
【0014】なお、図2において17は過給機15をバ
イパスするバイパス通路、18はリリーフ弁であり、過
給圧が過度に上昇した場合にはリリーフ弁18が開かれ
ることにより過給気の一部がリリーフされるようになっ
ている。
【0015】上記各独立吸気通路9の下流部は、第1吸
気ポート21と第2吸気ポート22とに分かれ、両ポー
ト21,22が同一気筒4の燃焼室6内に開口してい
る。同様に、独立排気通路8の上流部も第1排気ポート
23と第2排気ポート24とに分かれ、両ポート23,
24が同一気筒4の燃焼室6内に開口している。各吸気
ポート21,22及び各排気ポート23,24には吸気
弁25および排気弁26がそれぞれ設けられ、これらの
弁25,26の作動で各ポート21〜24が開閉される
ようになっている。また、燃焼室6の中央部には点火プ
ラグ27が配置され、各独立吸気通路9には燃料噴射弁
28が配設されている。
【0016】上記エンジン本体1の上方には、吸気弁駆
動用のカム33をもつ吸気側カムシャフト34と、排気
弁駆動用のカム35をもつ排気側カムシャフト36とが
並設されている。これらのカムシャフト34,36と、
クランク軸に連動するカムプーリ37,38との間に、
動弁機構であるバルブタイミング可変機構31,32が
組み込まれている。これらのバルブタイミング可変機構
31,32は、後述の制御信号を受けることにより、カ
ムプーリ37,38に対するカムシャフト34,36の
位相を変更し、これによって吸・排気弁25,26の開
弁期間のオーバラップ量を変化させるものである。
【0017】上記両吸気ポート21,22のうち、第1
の吸気ポート21は常時開通された常開ポートとなって
いる。これに対し、第2の吸気ポート22は、その通路
内にスワールコントロール弁(開閉手段)40を有し、
このスワールコントロール弁40の作動により運転状態
に応じて開通状態と閉鎖状態とに切換えられるようにな
っている。上記スワールコントロール弁40は、アクチ
ュエータ41の作動により駆動され、このアクチュエー
タ41は後述の制御信号を受けることにより作動する。
【0018】このエンジンには、ECU(コントロール
ユニット;点火時期制御手段及び燃焼速度制御手段)4
2が装備されている。このECU42は、上記エアフロ
ーメータ13、エンジン回転数を検出するエンジン回転
数センサ(運転状態検出手段)43、エンジン負荷相当
量としてスロットル弁14の開度θを検出するスロット
ル開度センサ(運転状態検出手段)44、使用燃料の種
類を判別する燃料判別手段45、吸気温度を検出する吸
気温度センサ46、といった各センサ類からの検出信号
を受け、これらの信号に基づき、上記点火プラグ27、
アクチュエータ41、バルブタイミング可変機構31,
32等に制御信号を出力することにより、点火時期制
御、スワールコントロール弁開閉制御、及びバルブタイ
ミング制御をそれぞれ行うように構成されている。
【0019】なお、上記燃料判別手段45は、使用燃料
が高オクタン価燃料であるか通常燃料であるかを判別す
るためのものである。この燃料判別手段45は、使用燃
料に応じて運転者等により操作されるスイッチであって
もよいし、ノックセンサの信号に基づいて燃料判別を自
動的に行うものであってもよい。
【0020】次に、上記ECU42の行う各制御の具体
的な内容を説明する。
【0021】A)点火時期制御 ECU42は、各センサから取り込んだ情報に基づき、
ノッキングの発生度合が高い運転条件であるほど点火プ
ラグ27の点火進角をMBTから大きく遅らせるように
構成されている。具体的に、この点火時期遅延量は、エ
ンジン負荷Peが大きいほど、また、エンジン回転数N
eが低いほど、大きく設定される。さらに、高オクタン
価燃料使用時よりも通常燃料使用時の方が大きく設定さ
れる。
【0022】このように点火時期の遅延量が大きく設定
されるほど(すなわち点火時期を遅らせるほど、その分
ノッキングが抑制され、筒内最大圧が低下することにな
る。また、吸気温度が高いほど、点火時期の遅延量を大
きく設定してノッキングを抑制するため、筒内最大圧が
低下することとなる。
【0023】従って、エンジン負荷Peと筒内最大圧P
maxとの関係は、燃焼速度について特別な制御が行われ
ないと仮定した場合、図4に示されるようになる。すな
わち、低速運転領域において吸気温度が高い場合や高オ
クタン価燃料が使用されている場合には同図実線51に
示されるようになり、低速運転領域において吸気温度が
高い場合や通常燃料が使用されている場合には同図破線
52に示されるようになる。また、中速運転領域におい
て吸気温度が低い場合や高オクタン価燃料が使用されて
いる場合には同図実線53に示されるようになり、中速
運転領域において吸気温度が高い場合や通常燃料が使用
されている場合には同図破線54に示されるようにな
る。
【0024】ここで、上記実線51及び破線52に示さ
れるように、低速時には中負荷領域で筒内最大圧Pmax
がピークを迎えるのは、ノッキング抑制のために低速高
負荷領域で特に大きな点火時期遅延量が設定されるため
である。
【0025】なお、図4において直線50は、点火進角
がMBTに保たれた時のエンジン負荷Peと筒内最大圧
Pmaxとの関係を示すものである。
【0026】B)スワールコントロール弁開閉制御 ECU42は、低速運転領域では、燃焼速度の制御を行
わないと仮定した(この実施例ではスワールコントロー
ル40を常閉すると仮定した)時の上記筒内最大圧Pma
xの予想値が一定圧Poを超える負荷領域、すなわち、
図4に示される中負荷領域A1やA2(A1>A2)で
スワールコントロール弁40を開き、中速運転領域で
は、上記筒内最大圧Pmaxの予想値が一定圧P1(>P
o)を超える負荷領域、すなわち、図4に示される高負
荷領域A3やA4(A3>A4)でスワールコントロー
ル弁40を開く一方、それ以外の領域ではスワールコン
トロール弁40を閉じるように構成されている。
【0027】この制御内容を図5のようなエンジン回転
数Neとエンジン負荷Peとに関するマップで示すと、
吸気温度が比較的高い場合や高オクタン価燃料が使用さ
れている場合には、最大負荷曲線60及び曲線61,6
2で囲まれる低速中負荷領域(図の網目領域)63及び
中速高負荷領域(図の斜線領域)64でのみスワールコ
ントロール弁40が開かれ、吸気温度が比較的低い場合
や通常燃料が使用されている場合には、スワールコント
ロール弁40を開く領域が図の破線61′,62′で囲
まれる領域に縮小されることとなる。
【0028】C)バルブタイミング制御 ECU42は、上記スワールコントロール弁40を開く
領域、すなわち低速中負荷領域及び中速高負荷領域で
は、吸・排気弁の開閉タイミングを図3に実線で示すよ
うなオーバーラップ量の大きいタイミングとし、それ以
外の運転領域、すなわちスワールコントロール弁40を
閉じる領域では、同図破線で示すようなオーバラップ量
の小さいタイミング、すなわち上記実線で示したタイミ
ングよりも吸気弁の開期間が遅れかつ排気弁の開期間が
早まるようなタイミングとするように、上記バルブタイ
ミング可変機構31,32の作動を制御する。
【0029】次に、この装置の作用を説明する。
【0030】ECU42は、各センサから入力される情
報に基づき、点火プラグ27による点火時期の制御を行
う。具体的には、ノッキングの発生し易い状態、すなわ
ち、エンジン回転数の低い状態やエンジン負荷の高い状
態、高オクタン価燃料でなく通常燃料が使用されている
状態や吸気温度が高い状態において、それ以外の状態よ
りも点火時期をより大きく遅らせることにより、ノッキ
ングの発生を抑制する。
【0031】ここで、中速運転領域では、低速運転領域
に比べて高負荷時の点火時期遅延量が比較的少ないた
め、燃焼速度制御を行わないと仮定した場合の筒内最大
圧Pmaxの予想値は図4実線53及び破線54に示すよ
うにエンジン負荷Peの増加とともに単調増加する。し
かし、低速運転領域では、高負荷時のノッキング発生が
特に顕著であり、この領域で点火時期遅延量が特に大き
く設定されるため、筒内最大圧Pmaxの予想値は図4実
線51及び破線52に示すように中負荷領域でピークを
迎えることになる。
【0032】ここでECU42は、上記のように筒内最
大圧Pmaxの予想値が高い領域(低速中負荷領域及び中
速高負荷領域すなわち図5の領域63,64)以外の領
域では、アクチュエータ41に制御信号を出力してスワ
ールコントロール弁40を閉じさせる。これにより、第
1吸気ポート21のみから吸気が行われ、その吹き抜け
が抑制されるとともに、燃焼室6内に図6矢印に示すよ
うな吸気スワールが形成されることにより、正常な火炎
伝播が促進されて燃焼性が高められる。
【0033】またこの時、ECU42は、バルブタイミ
ング可変機構31,32に制御信号を出力して吸排気弁
25,26の開期間のオーバーラップ量を削減するの
で、この運転領域での混合気の吹き抜けがより確実に抑
えられ、燃焼状態がより安定化される。
【0034】これに対し、ECU42は、上記低速中負
荷領域及び中速高負荷領域では、スワールコントロール
弁40を開かせるとともに吸排気タイミングのオーバー
ラップ期間を通常に戻す。これにより、第1吸気ポート
21及び第2吸気ポート22の双方から吸気が行われる
ことになり、上記スワールの形成が抑制されて筒内の混
合気の乱れ強さが低下する。これにより、筒内の燃焼速
度が低減し、実際の筒内最大圧Pmaxは図4に示される
値よりも低く抑えられる。
【0035】従って、この装置によれば、特に筒内最大
圧Pmaxが高くなると予想される低速中負荷領域及び中
速高負荷領域で筒内燃焼速度を低下させることにより、
この領域での実際の筒内最大圧Pmaxを低下させること
ができる。その分、騒音を低減させるとともに、エンジ
ン本体10のクランク軸とその軸受との間のジャーナル
面圧を低減させることができ、これらの強度的負担を軽
減することができる。また、筒内最大圧Pmaxの低減に
より、ノッキングの抑制・防止効果もより高められる。
特に、ジャーナル軸受の潤滑油圧が図7に示すように制
御される場合、すなわち潤滑油圧がエンジン始動ととも
に高まって一定のリリーフ圧に達した時点でリリーフさ
れるような制御が行われる場合には、低速運転時に潤滑
油圧が低く、その分ジャーナル面圧によるクランク軸や
その軸受の損耗のおそれが高くなるので、この低速領域
で上記筒内最大圧Pmaxを低減させることは、非常に有
効である。
【0036】しかもこの装置では、特に大きな出力トル
クが要求されるエンジン始動時等での低速高負荷状態で
は、燃焼速度の低減を行っていないので、この領域では
加速に必要な出力トルクを十分に確保することができ
る。
【0037】さらに、この実施例では、ピストン下死点
を過ぎてから吸気弁25が閉じるまでの期間が上記低速
中負荷領域等で延長される(すなわち圧縮開始点が遅れ
る)ことにより、その分有効圧縮比が下がるので、燃焼
速度をより有効に低減させることができる。
【0038】また、この装置では、元来筒内最大圧Pma
xが比較的低い状態、すなわち、高オクタン価燃料でな
く通常燃料を使用している状態や、吸気温度が比較的高
い状態では、高オクタン価燃料を使用している状態や吸
気温度が比較的低い状態よりも燃焼速度低減領域を縮小
しているので、筒内最大圧Pmaxを下げる領域を必要最
小限に抑え、それ以外の領域では効率の高い運転を確保
することができる。
【0039】本発明の第2実施例を図8に基づいて説明
する。
【0040】この実施例では、上記燃焼速度の低減を前
記ECU42による点火時期の遅延制御で行うようにし
ている。上述のように、ノッキングの発生度合は、エン
ジン負荷とともに高まるので、このノッキングの抑制の
観点からは、図8に二点鎖線70で示すように、エンジ
ン負荷の増大に伴って点火時期の遅延量を単調増加させ
ればよいが、この実施例ではさらに、低速中負荷領域
(例えば領域A1)における筒内最大圧Pmaxを特に低
減させるべく、同領域A1における点火時期を図8破線
72に示すように筒内最大圧Pmaxの予想値に応じた量
だけさらに特別に遅らせるようにしている。
【0041】このような点火時期の遅延によっても、燃
焼速度ひいては筒内最大圧Pmaxを特に低速中負荷領域
で低減させることができる。なお、前記第1実施例のよ
うに中速高負荷領域での燃焼速度も低減させたい場合に
は、同領域での点火時期の遅延度合もさらに大きくすれ
ばよい。
【0042】次に、第3実施例を図9に基づいて説明す
る。
【0043】この実施例では、例えば過給を行わないエ
ンジンや吸排気ポートが互いに対向していないエンジン
等、燃焼室内での吸気の吹き抜けのおそれが少ないエン
ジンにおいて、上記低速中負荷領域、もしくは低速中負
荷領域及び中速高負荷領域の両領域においてのみ、吸排
気弁25,26の開タイミングを図9実線から二点鎖線
の期間に切換え、両期間のオーバーラップ量を増大させ
るように前記ECU42を構成している。
【0044】このような装置においても、上記低速中負
荷領域等において、吸排気のオーバーラップ期間が延長
される分、燃焼室6内の掃気性が高められ、混合気温度
が下げられるので、その分燃焼速度及び筒内最大圧を低
下させることができる。従って、当該領域での排気温度
を低下させ、騒音やジャーナル面圧を低減させることが
できる。また、この実施例では、ピストン上死点を過ぎ
てからの排気弁の開期間を延長しており、これによって
上記上死点通過後の燃焼室6内への排気ガスの再流入量
が増える分、燃焼室6内での不活性ガスの割合も増える
ので、これに起因しても燃焼速度が下げられることとな
る。
【0045】次に、第4実施例を図10に基づいて説明
する。
【0046】この実施例では、前記第1実施例で示した
エンジン本体1において、燃焼室6上方の天壁に、下向
きに開口する貯留室48を形成し、この貯留室48の開
口を開閉する弁49を備えるとともに、上記低速中負荷
領域(もしくは低速中負荷領域及び中速高負荷領域の両
領域)においては弁49を常に閉じ、上記低速中負荷領
域以外の領域(もしくは低速中負荷領域及び中速高負荷
領域の両領域以外の領域)のみ、圧縮行程の所定期間で
上記弁49を開かせるように前記ECU42を構成して
いる。
【0047】このような装置においても、上記弁49を
圧縮行程で開く運転領域では、前回の圧縮行程で貯留室
48内に貯留された混合気を今回の圧縮行程で燃焼室6
内に流出させ、別の混合気を貯留室48内に導入するこ
とにより、筒内の乱れ強さを高め、燃焼速度を上げるこ
とができる。一方、弁49を常閉とする低速中負荷領域
等では、上記貯留室48の作用による乱れ強さの強化を
止めることにより、その分前記各実施例と同様に燃焼速
度及び筒内最大圧を低下させることができる。
【0048】次に、第5実施例を図11に基づいて説明
する。
【0049】この実施例では、上記共通吸気通路2と共
通排気通路3とを排気ガス還流用のEGR通路74を介
して連通し、このEGR通路74の途中に、該通路開閉
用のEGR弁76を設けるとともに、前記各実施例と同
様の低速中負荷領域(もしくは低速中負荷領域及び中速
高負荷領域の双方の領域)においてのみ上記EGR弁7
6を開くようにECU42を構成している。
【0050】このような構成においても、上記低速中負
荷領域等においては、排気ガスを還流させて吸気中に混
在させることにより、混合気中の不活性ガス濃度を高
め、これによって前記実施例と同様に筒内燃焼速度及び
最大圧を低減させることができる。
【0051】なお、本発明において、燃焼速度を低減さ
せる手段は、前記各実施例に示したものに限られない。
例えば、上記低速中負荷領域等においてのみ空燃比を理
論空燃比以上に上げる(すなわち燃料を希釈する)よう
に前記ECU42を構成しても、上記領域で燃焼速度を
低減させることができる。
【0052】また、本発明では、低速中負荷領域のみ燃
焼速度を低減させるようにしてもよい。この燃焼速度領
域は、前記各実施例に示すように使用燃料や吸気温度に
よって拡縮させてもよいし、請求項1,2記載の発明に
おいては常時一定としてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明は、ノッキング抑
制のための点火時期遅延制御を行う結果、低速領域にお
いて従来は筒内最大圧が極大となっていた中負荷領域
で、筒内の燃焼速度を低減させるようにしたものである
ので、この領域での筒内最大圧を下げることにより、上
記低速中負荷領域で顕著であった排気温度を低下させ、
騒音及びジャーナル面圧を有効に低減させながら、特に
大きな出力が要求される低速高負荷領域では十分なトル
クを確保することができる効果がある。また、上記燃焼
速度の低減によって、ノッキングの抑制効果もさらに高
めることができる。
【0054】さらに、上記低速中負荷領域に加え、筒内
最大圧が大きくなる中速高負荷領域でも燃焼速度を低下
させることにより、この領域での筒内最大圧も抑制し、
機械負荷、騒音及びジャーナル面圧の低減をさらに進め
ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるエンジン及びその
燃焼制御装置の全体概略平面図である。
【図2】上記エンジンの要部を示す概略断面正面図であ
る。
【図3】同装置において設定される吸・排気弁の開閉タ
イミングを示す図である。
【図4】上記エンジンにおけるエンジン負荷と筒内最大
圧との関係を示すグラフである。
【図5】上記エンジンにおいて燃焼速度を低減させる運
転領域を示すグラフである。
【図6】上記エンジンの燃焼室内に形成されるスワール
を示す概略平面図である。
【図7】上記エンジンにおけるエンジン回転数と潤滑油
圧との関係を示すグラフである。
【図8】第2実施例において設定される点火時期とエン
ジン負荷との関係を示すグラフである。
【図9】第3実施例において設定される吸・排気弁の開
閉タイミングを示す図である。
【図10】第4実施例におけるエンジンの要部を示す断
面正面図である。
【図11】第5実施例におけるエンジン及びその燃焼制
御装置の全体概略平面図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 4 気筒 21 第1吸気ポート(第1吸気通路) 22 第2吸気ポート(第2吸気通路) 23 第1排気ポート(第1排気通路) 24 第2排気ポート(第2排気機路) 25 吸気弁 26 排気弁 27 点火プラグ 31,32 バルブタイミング可変機構(燃焼速度可変
手段) 40 スワールコントロール弁 42 コントロールユニット(燃焼速度制御手段) 43 エンジン回転数センサ(運転状態検出手段) 44 スロットルセンサ(運転状態検出手段) 45 使用燃料判別手段 46 吸気温センサ 48 貯留室(燃焼速度可変手段) 49 弁(燃焼速度可変手段) 74 EGR通路(燃焼速度可変手段) 76 EGR弁(燃焼速度可変手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−314368(JP,A) 特開 昭62−253961(JP,A) 特開 昭61−1854(JP,A) 特開 昭60−45779(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 5/152 F02B 31/02 F02D 45/00 312 F02D 45/00 364 F02P 5/153

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン負荷に関する値を検出するエン
    ジン負荷検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジ
    ン回転数検出手段と、エンジン負荷が大きいほどエンジ
    ンの点火時期の遅延量を大きくし、かつ、エンジンの低
    速高負荷状態における上記遅延量をエンジンの中速高負
    荷状態における上記遅延量よりも大きくするように、上
    記点火時期を制御する点火時期制御手段と、気筒内の燃
    焼速度を変化させる燃焼速度可変手段と、エンジンの状
    態が低速中負荷状態であるとき及びエンジンの状態が中
    速高負荷状態であるときに他の状態であるときに比べて
    燃焼速度を小さくするように上記燃焼速度可変手段を制
    御する燃焼速度制御手段とを備えたことを特徴とするエ
    ンジンの燃焼制御装置。
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