JP3330134B2 - 放電ランプおよびランプ装置 - Google Patents

放電ランプおよびランプ装置

Info

Publication number
JP3330134B2
JP3330134B2 JP2000364656A JP2000364656A JP3330134B2 JP 3330134 B2 JP3330134 B2 JP 3330134B2 JP 2000364656 A JP2000364656 A JP 2000364656A JP 2000364656 A JP2000364656 A JP 2000364656A JP 3330134 B2 JP3330134 B2 JP 3330134B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lamp
heat
discharge lamp
sealing portion
sealing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000364656A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001222976A (ja
Inventor
誠 甲斐
誠 堀内
守 竹田
関  智行
剛 一番ヶ瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2000364656A priority Critical patent/JP3330134B2/ja
Publication of JP2001222976A publication Critical patent/JP2001222976A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3330134B2 publication Critical patent/JP3330134B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光管の内部に対
向する一対の放電電極を有し、水銀および希ガス等が封
入された放電ランプ、およびそのような放電ランプが反
射鏡の内部に組み込まれて構成されたランプ装置に関す
るものである。このランプ装置は、例えば映像プロジェ
クタ用の光源などとして用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば映像プロジェクタ用の
光源などとして、凹面状の反射鏡内に高圧水銀蒸気放電
ランプ等の放電ランプを設けたランプ装置が用いられて
いる。放電ランプは、発光管の内部に、対向する一対の
放電電極を備えるとともに水銀および希ガス等が封入さ
れて構成されている放電電極には、発光管の内部を気密
に保つために、発光管の両側に設けられた封止部に封入
され溶接等によって接続された配線部材を介して電力が
供給されるようになっている。また、放電電極間の距離
は比較的短く設定され、アーク長の短いアーク(ショー
トアーク)を形成させることにより、所定の光学系に投
射光を効率よく供給して明るい映像をスクリーンに投写
し得るようになっている。
【0003】上記のような放電ランプは、点灯動作時に
発光管が非常に高温になるという特徴を有している。具
体的には、例えばランプ電力が100〜150Wクラス
の一般的なショートアーク高圧水銀蒸気放電ランプで
は、発光管の最高温度(発光管上部の管壁内面側)は約
900〜1,000℃になる。また、封止部の温度も5
00℃程度、すなわち上記最高温度よりは低いが、やは
りかなり高温になる。そこで、封止部内に配される配線
部材は、モリブデン等の高融点金属からなる。しかしな
がら、この封止部の温度が上昇しすぎると、封止部内や
封止部近傍にある配線部材の溶接部分の酸化腐食が進む
などして断線に至り、ランプが不点灯になるおそれがあ
る。そこで、通常のプロジェクタでは、本体内に冷却フ
ァンを設け、放電ランプや反射鏡の過度な温度上昇を抑
制するようになっている。なお、上記のような配線部材
の溶接部分の酸化等による断線を防止するためには、上
記溶接部分の温度を例えばハロゲンランプについての規
定である「IEC(国際電気標準会議)60357 T
ungsten halogen lamps」や「J
IS(日本工業規格) C 7527ハロゲン電球」に
記載されている温度(350℃)を目安として設定する
ことが考えられ、高くとも400℃以下程度に抑えるこ
とが好ましい。
【0004】また、放電ランプは、点灯動作時に発光管
内部の圧力が非常に高圧になるという特徴も有してい
る。具体的には、例えば上記のようにランプ電力が10
0〜150Wクラスの一般的な放電ランプでは、発光管
内部の圧力(動作圧力)が200気圧近くに達する。こ
のため、ランプの点灯時に発光管が破損した場合、大き
な破裂音がしたり、ガラス片が飛散したりしがちであ
る。このような破裂音やガラス片の飛散が生じること
は、例えば特に家庭用のプロジェクタに適用される場合
などには、商品価値を低下させる要因となる。そこで、
反射鏡の開口部を前面ガラスによって塞ぎ、破裂音やガ
ラス片の飛散を低減するようにしたランプ装置が多く用
いられている。ここで、反射鏡と前面ガラスとによって
それらの間に完全な密閉空間を形成すると、放電ランプ
の温度上昇が顕著になる。一方、放電ランプを冷却する
ために反射鏡または前面ガラスに切り欠き等を設け、内
部に外気を流通させると、発光管が破損した際の破裂音
を大幅に低減したり、ガラス片の飛散や霧散する水銀蒸
気の放出を確実に防止することが困難である。
【0005】また、近年、投写映像の高輝度化やプロジ
ェクタの小型化への要求が高まりつつある。しかしなが
ら、これらの要求に伴なうランプ電力の増大や反射鏡サ
イズの小型化は、一層、放電ランプの温度上昇を招くた
めに困難であった。そこで、高まる投写映像の高輝度化
やプロジェクタの小型化の要求に充分に応えるために
は、出力の増大や反射鏡の小型化に伴うランプ装置の温
度上昇、とりわけその配線部材の溶接部分における温度
上昇の効果的な抑制が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑み、ランプ電力を増大させたり反射鏡を小型化したり
しても、配線部材の溶接部分などの酸化等による断線を
防止でき、ランプの長寿命化や不良率の低下を図ること
ができる高圧蒸気放電ランプおよびランプ装置の提供を
目的としている。併せて、本発明は、発光管の破裂音を
低減し、ガラス片の飛散や水銀蒸気の放出を確実に防止
できるランプ装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ための本発明は、発光物質が封入される管内に一対の電
極が対向して配置された発光管および発光管から延在す
る(すなわち発光管と連結されている)一対の封止部と
を備えた放電ランプと、放電ランプの発した光を反射す
る反射鏡と、反射鏡の開口部を覆い、反射鏡との間の空
間に放電ランプを収容する透明部材と、放電ランプの電
極に電気的に接続された配線部材の溶接箇所の温度上昇
を抑制する過昇温抑制手段とを備えたランプ装置であ
る。
【0008】すなわち、本発明では、放電ランプが反射
鏡とそれを覆う透明部材により構成される空間部に収容
されたランプ装置において、ランプの発光に伴なう発熱
による配線部材やそれらの溶接箇所の温度上昇を抑制す
るための手段を設ける。これにより配線部材の溶接箇所
の熱劣化を抑制することができ、その箇所における断線
を防止し、ランプの長寿命化や不良率の低下を図ること
が可能になる。また、要望されているランプ電力の増大
や、反射鏡の小型化に容易に対応することが可能にな
る。
【0009】発明は、放電ランプが、箔封止構造を有
することが好ましい。本発明は、広く用いられているい
わゆる箔封止構造の放電ランプに有用である。箔封止構
造の放電ランプでは、封止部を構成するガラスとの間で
熱衝撃のダメージや両者の熱膨張率の違いに関わらず密
着性を維持して、電極等が配された空間部の密閉度が維
持されるよう、封止部中の配線部材として大きな接触面
積を確保することができる金属箔が用いられている。金
属箔の一端は、封止部の端部において、外部電源に接続
された導電部材と溶接により接続される。過昇温抑制手
段を設けることで、この高温になる封止部中の金属箔と
配線部材との溶接箇所において過度の温度上昇を抑制す
ることができる。また、封止部外でその近傍に位置する
配線部材の溶接箇所においても温度上昇を抑制すること
ができる。
【0010】もちろん、例えばロッド状の配線部材を封
止部に封止した放電ランプや、電極が封止部を貫通した
放電ランプなど、箔封止構造を有さない放電ランプを用
いたランプ装置においても、これらと他の配線部材との
溶接箇所において断線を防止することができる。
【0011】発明は、放電ランプを収容する反射鏡お
よび透明部材の内部が気密に密閉されていることが好ま
しい。これにより、発光管が破損した場合に、破裂音を
大幅に低減することができ、また、ガラス片の飛散や霧
散する水銀蒸気の放出を確実に防止することができる。
【0012】発明は、一対の封止部が互いに異なる長
さを有し、過昇温抑制手段は、透明部材側に長い方の封
止部を、反射鏡の底部側に短い方の封止部を配置してな
ことが好ましい。より具体的には、透明部材側に配置
される封止部の端部が透明部材の近傍に位置するように
設定されることが好ましい。
【0013】ランプ装置においては、透明部材側の封止
部は反射鏡の底部側の封止部に比べてより高温になるこ
とから、透明部材側の封止部にある配線部材の溶接箇所
は、他方の封止部にある配線部材の溶接箇所よりも熱に
よる劣化が生じやすい。また、箔封止構造の放電ランプ
においては、より温度が高くなる金属箔と放電電極との
溶接箇所よりも、金属箔と外部電源に接続された側の導
電部材との溶接箇所の方が、気密性が低いことから熱に
よる劣化が生じやすい。そこで、上記のように封止部の
長さを設定することにより、透明部材側の封止部の先端
部から発光部までの距離が他方のそれよりも長くなるの
で、透明部材側の封止部の先端部の温度を低く抑えるこ
とができ、透明部材側の封止部先端やその近傍に位置す
る配線部材の溶接部などの酸化等による断線を防止する
ことができる。
【0014】本発明は、過昇温抑制手段が、透明部材側
に配置された封止部の熱をランプ装置の外側に伝導する
導熱手段であることが好ましい。導熱手段としては、例
えば一端を封止部に巻きつけ、他端をランプ装置の外部
にまで延ばした銅板やヒートパイプなどを用いることが
できる。このような導熱手段を介して、封止部の熱がラ
ンプ装置の外部に放熱されるので、やはり、封止部の先
端部の温度を低く抑えることができ、配線部材の溶接部
などの酸化等による断線を防止することができる。
【0015】本発明は、過昇温抑制手段が、透明部材側
に配置された封止部が透明部材と一体化されてなること
が好ましい。これにより、封止部の先端部の熱は透明密
閉部材の外面等から放熱されるため、やはり、封止部の
先端部の温度を低く抑えることができ、配線部材の溶接
部などの酸化等による断線を防止することができる。
【0016】本発明は、過昇温抑制手段が、透明部材側
に配置された封止部の先端部が透明部材の外側に突出し
てなることが好ましい。これにより、封止部の先端部は
外気によって冷却されるので、やはり、封止部の先端部
の温度を低く抑えることができ、配線部材の溶接部など
の酸化等による断線を防止することができる。
【0017】本発明は、さらに、ランプ装置の外方側に
伝導した熱を放熱または吸熱する冷却手段を備えること
が好ましい。冷却手段としては、例えば冷却ファンや、
放熱フィン、ペルチェ素子冷却モジュールなどを用いる
ことができる。これにより、導熱手段によって伝導した
熱や、透明密閉部材の表面や周辺部に伝導した熱、また
は突出した封止部の先端部の熱を効率よく放熱すること
ができるので、封止部の先端部の温度を容易に低く抑え
ることができる。
【0018】本発明は、発光物質が封入される管内に一
対の電極が対向して配置された発光管と、発光管から延
在する一対の封止部とを備え、一対の封止部は、互いに
異なる長さを有する高圧蒸気放電ランプである。このよ
うな高圧蒸気放電ランプを用いることにより、封止部の
先端部の温度を低く抑えて配線部材の溶接部などの酸化
等による断線を防止し得るランプ装置を構成することが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態として、高圧水銀蒸気放電ランプを用いたランプ装置
の例を図面を用いて詳細に説明する。
【0020】《実施の形態1》封止部の長さが非対称に
形成された高圧水銀蒸気放電ランプ、および上記放電ラ
ンプを用いたランプ装置について説明する。ランプ装置
10は、図1に示すように、例えば楕円面状の反射面1
1aを有し、開口部の直径が80mmの反射鏡11を有
する。反射鏡11の内部には、例えばランプ電力(定格
電力)が200Wの放電ランプ21が配されている。反
射鏡11の開口部は前面ガラス12によって密閉され、
放電ランプ21が破損した場合でも、大きな破裂音や、
ガラス片の飛散、水銀蒸気の放出などが確実に防止され
るようになっている。
【0021】放電ランプ21は、発光管22の両端にそ
れぞれ連結された一対の封止部23および24を有す
る。封止部23および24は長さが互いに異なり、前面
ガラス12側の封止部23は他方の封止部24よりも長
い。また、封止部23の先端が前面ガラス12の近傍に
位置するように設定されている。発光管22の内部に
は、例えばタングステンから成るコイル状または棒状の
1対の放電電極25が設けられるとともに、水銀26お
よび希ガス等(図示せず)の発光物質が封入されてい
る。なお、放電ランプ21としては、上記のような高圧
水銀蒸気放電ランプに限らず、封入物質として、さら
に、ハロゲンガスやハロゲン化金属などが封入されたも
のや、水銀を含まないものなどでもよい。
【0022】封止部23および24は、それぞれ電極2
5に電気的に接続されたモリブデン等の高融点金属から
なる金属箔27および28と発光管22から延ばされた
ガラス管とを有し、金属箔27および28とガラス管と
の箔封止によって発光管22の放電空間の気密性が保持
されている。一対の放電電極25は、それぞれ、封止部
23および24の内部に封止されたたとえばモリブデン
からなる金属箔27および28の一端部に溶接されてい
る。金属箔27および28の他端部は、図2に示すよう
に、端部が封止部23および24の外部に露出したモリ
ブデンからなる金属ロッド29および30に溶接部29
aおよび30aで溶接されている。金属ロッド29はリ
ード線31に溶接部31aで溶接されている。一方、金
属ロッド30は封止部24の端部を覆う口金32に溶接
されている。上記のように封止部23および24内に封
止された金属箔27および28を介して放電電極25と
金属ロッド29および30とが接続されているのは、発
光管22内部の密閉度を高めて高圧状態が維持されるよ
うにするためである。すなわち、金属ロッド29および
30は、ガラスとの熱膨張率の相違等から、封止部23
および24との密着性を高めることが必ずしも容易では
ない。これに対して、金属箔27および28は非常に薄
く、かつ、封止部23および24との接触面積が大き
く、密着性を容易に高めることができるため、発光管2
2の内部を容易に高圧に保つことができる。
【0023】放電ランプ21は一対の放電電極25間の
ギャップ(アーク発光部)が反射鏡11の楕円面におけ
る第1焦点に位置するように配置され、口金32の部分
で、反射鏡11の底部に形成されたランプ固定穴11b
にセメント33を介して密封固定されている。また、放
電ランプ21のリード線31は、反射鏡11の壁面に形
成されたリード線穴11cを介して反射鏡11の外部に
取り出されている。上記リード線穴11cもセメント3
4によって密封されている。
【0024】上記のように前面ガラス12側の封止部2
3が口金32側の封止部24よりも長く形成されること
により、金属箔27と金属ロッド29との溶接部29a
と、放電ランプ21の発光部との距離が長くなるため、
上記溶接部29aの温度上昇を抑えることができる。実
際に温度を測定したところ、封止部23および24の長
さがいずれも25mmである放電ランプ21を200W
のランプ電力で点灯させた場合、発光管22の最高温度
(発光管上部の管壁内面側)が1,000℃近くに達す
ると、溶接部29aの温度は507℃まで上昇したのに
対し、封止部23の長さを35mmとし、封止部24の
長さを25mmとした放電ランプ21の場合には、溶接
部29aの温度は最高388℃であった。この温度は、
ハロゲンランプについての規定であるIEC60357
に記載されている温度(350℃)よりは高いが、金属
箔27や金属ロッド29、およびこれらの溶接部29a
の酸化腐食等を防止するためには十分に低い温度であ
る。それゆえ、金属ロッド29と封止部23との密着性
が低下して上記溶接部29a等がランプ装置10内の空
気に触れたとしても、酸化腐食等による断線を防止する
ことができる。同様に、金属ロッド29とリード線31
との溶接箇所31aにおける温度上昇も抑制することが
でき、溶接箇所31aにおける断線も防止することがで
きる。したがって、図1に示す箔封止構造の放電ランプ
を用いたランプ装置に限らず、金属箔27および金属ロ
ッド29に代えて単一のロッド状配線部材を用いた場合
や、金属箔27を用いずに電極25を直接それぞれ封止
部23を貫通させ、その端部を外部に露出させた場合に
おいても、これらとリード線31との溶接箇所における
断線を防止することができる。
【0025】ここで、上記のように反射鏡11として楕
円面鏡を用いて第1焦点の近傍に発光部を設ける場合、
反射鏡11で反射された光は第2焦点に集光するため、
封止部23の先端部が第2焦点に近づくほど反射光によ
る加熱作用は大きくなると考えられる。しかし、通常
は、封止部23の先端部が発光部から遠ざかることによ
る温度低下作用の方が大きいため、上記のように封止部
23の先端部の温度を低く抑えることができる。なお、
封止部23の全長にわたって、または封止部23の先端
部もしくは溶接部29a付近などにおける封止部23の
外周に反射層を形成して、上記反射光による加熱作用を
低減し、より封止部23の先端部の温度を低く抑え得る
ようにしてもよい。また、放電ランプ21のランプ電力
が小さい場合など、反射光による加熱作用を低減するだ
けで封止部23の先端部の温度を低く抑え得る場合に
は、必ずしも封止部23を封止部24よりも長くしなく
てもよい。
【0026】《実施の形態2》放電ランプの封止部付近
の熱を反射鏡の外部に放熱する手段を備えたランプ装置
の例を説明する。なお、以下の実施の形態において、実
施の形態1等のランプ装置と同様の機能を有する構成要
素については同一の番号を付して説明を省略する。この
ランプ装置10には、図3〜図5に示すように、放電ラ
ンプ21の封止部23付近の熱を反射鏡11の外部に放
熱する放熱装置41が設けられている。この放熱装置4
1は、熱伝導率の高い材料例えば銅板から成り、封止部
23にほぼ全長にわたって巻きつけられた吸熱部41a
と、吸熱部41aの熱を反射鏡11の外部に導く導熱部
41bと、導かれた熱を放熱する放熱部41cとから構
成されている。
【0027】銅板等を封止部23の外周に単に巻きつけ
て構成された吸熱部41aでも所定の効果は得られる
が、より大きな効果を得るためには、吸熱部41aと封
止部23を密着させる。例えば封止部23よりも低融点
のガラス粉を介在させて銅板を巻きつけた後に加熱して
密着させる。また、吸熱部41aは、封止部23との密
着面積(密着長さ)が大きいほど吸熱効果が高いが、封
止部23のほぼ全長にわたって巻きつけるものに限ら
ず、溶接部29a付近の温度上昇を抑制し得る範囲で部
分的に巻きつけたものなどでもよい。
【0028】導熱部41bは、光軸方向の投影面積、す
なわち投射光の影になる部分が小さくなるように、銅板
面が前面ガラス12と垂直になるように設けられてい
る。また、反射鏡11における導熱部41bが外部に導
出される部分は、例えば図3に示すようにセメント42
によって密封されている。導熱部41bの幅は、図3に
おいては吸熱部41aの幅よりも狭く設定されている例
を示しているが、吸熱部41aと同じ幅にするなどして
もよい。放熱部41cには、例えば放熱フィンなどの冷
却装置43が設けられている。なお、冷却装置43とし
て、放熱フィンに代えて、冷却ファン、ペルチェ素子を
用いた冷却モジュール、水冷の冷却装置などを用いるこ
ともできる。熱伝導性の高い筐体を冷却装置43として
用いてもよい。また、冷却装置43としてこれらを組み
合わせてもよい。また、反射鏡11と前面ガラス12に
より囲まれた空間部の気体を外部に配されたラジエータ
との間で循環させて、ランプ装置内を冷却するようにし
てもよい。
【0029】上記の構成により、放電ランプ21の発光
部から熱伝導などによって封止部23に伝わった熱は、
吸熱部41aから導熱部41bを介して、反射鏡11の
外側の放熱部41cに伝導され、放熱される。それゆ
え、封止部23の温度を低く保つことができ、金属ロッ
ド29と金属箔27との溶接部29aの酸化腐食等によ
る断線を防止することができる。また、少なくとも封止
部23の先端部付近に吸熱部41aが設けられる場合に
は、金属ロッド29とリード線31との溶接部31aの
酸化腐食等による断線の防止効果をより一層高めること
ができる。
【0030】なお、放熱装置41の材料は、上記のよう
に銅板に限らず、比較的熱伝導率の大きい材料であれば
同様の冷却効果を得ることができる。また、導熱部41
bなどにヒートパイプや冷媒を強制的に循環させる細管
等を用いるようにしてもよい。この場合には、上記ヒー
トパイプや細管をリード線31に添わせて、反射鏡11
の外部に引き出すようにしてもよく、特に、ヒートパイ
プや細管とリード線31とを同軸構造にすることによ
り、これらによって遮られる投射光を少なく抑えること
が容易にできる。また、導熱部41bは1か所だけに設
けるものに限らず、例えば図6に示すように複数箇所に
設けて、より放熱量が大きくなるようにしてもよい。ま
た、図3の例においては、封止部23と封止部24
さが等しく設定された例を示しているが、これに限ら
ず、実施の形態1と同様に封止部23の方が長くなるよ
うにしてもよいし、また、放熱装置41による放熱効果
が十分得られる場合には、封止部23の方が短くなるよ
うにしてもよい。
【0031】《実施の形態3》放電ランプを前面ガラス
と一体的に形成して、封止部の先端が外気に触れるよう
に構成されたランプ装置の例を説明する。図7に示すよ
うに、放電ランプ21は、封止部23の端部が前面ガラ
ス12と一体的に形成され、金属ロッド29の先端部と
リード線31との溶接部31aは前面ガラス12の外面
側に露出している。また、前面ガラス12の近傍には、
12の外面に外気を吹き付ける冷却ファン51が設けら
れている。上記のように構成されていることにより、封
止部23の先端部の熱は前面ガラス12の外面等から放
熱されるため、金属箔27と金属ロッド29との溶接部
29a付近の温度は低く抑えられ、溶接部29aなどの
酸化腐食等による断線が防止される。
【0032】なお、上記冷却ファン51に代えて、前面
ガラス12の外周部付近に、投射光を遮らないように放
熱フィンやペルチェ素子を用いた冷却モジュールなどを
設けたり、また、これらを組み合わせるなどしてもよ
い。さらに、前面ガラス12の外面付近の自然対流など
によって溶接部29a付近の温度が十分に低く抑えられ
る場合には、冷却ファン51などを設けなくてもよい。
また、図7の例においては、封止部23の先端は前面ガ
ラス12の表面よりもわずかに突出しているだけだが、
ランプ装置10の全長(光軸方向の長さ)が長くてもよ
い場合には、図8に示すように、さらに突出させるよう
にしてもよい。このように溶接部29aが前面ガラス1
2の表面よりもほぼ外方側に位置するようにすれば、さ
らに溶接部29a付近の温度を低く抑えることが容易に
できる。
【0033】また、図7の例においては、封止部23の
長さは実施の形態1と同様に封止部24よりも長く設定
された例を示しているが、これに限るものではない。す
なわち、放電ランプ21の発光部と溶接部29aとの距
離が短い場合でも、溶接部29a付近の温度は前面ガラ
ス12の表面からの放熱によって低く抑えられるので、
図9に示すように封止部23が封止部24と同じ長さ
か、または短くなるように設定することもできる。それ
ゆえ、反射鏡11の大きさに比べて比較的大きなサイズ
の放電ランプ21を用いたランプ装置10を構成するこ
とも容易にできる。また、上記のように放電ランプと前
面ガラスとを一体的に形成した構成に加えて、実施の形
態3で示した放熱装置41を設けるようにしてもよい。
【0034】《実施の形態4》実施の形態3と同様に、
放電ランプを前面ガラスと一体的に形成して、封止部の
先端が外気に触れるように構成されたランプ装置の他の
例を説明する。図10に示すように、前面ガラス12に
は、中央部に穴12aが形成され、封止部23の端部が
貫通するように設けられている。封止部23と穴12a
との間の隙間は、例えば前面ガラス12および封止部2
3とは異なる材料の充填剤52によって接着、密封され
ている。充填剤は、より具体的には、例えば前面ガラス
12や封止部23よりも融点の低いガラスなどの透光性
材料であることが好ましい。
【0035】このように、前面ガラス12と封止部23
を別途形成した後、両者を接合することで、前面ガラス
12と一体化された発光管21を用いる実施の形態3の
ランプ装置と比べて製造工程がより容易になる。上記の
ように構成されている場合にも、実施の形態3と同様
に、封止部23の先端部の熱は前面ガラス12の外面等
から放熱されるため、やはり、金属箔27と金属ロッド
29との溶接部29a付近の温度は低く抑えられ、溶接
部29aなどの酸化腐食等による断線が防止される。な
お、本実施の形態においても、実施の形態3で説明した
のと同様な種々の変形が適用可能である。
【0036】なお、上記各実施の形態においては、反射
鏡として楕円面鏡を用いた例を示したが、これに限らず
放物面鏡などの凹面鏡を用いてもよい。なお、上記実施
の形態では、いずれも動作圧力が約200気圧の放電ラ
ンプを用いた例について説明したが、本発明は、より低
圧、例えば100気圧以下で動作する放電ランプを用い
たランプ装置にも適用することができる。また、本発明
は、実施の形態で説明した箔封止構造の放電ランプを用
いたランプ装置に限らず、放電ランプの近傍に高温によ
り熱劣化が懸念される配線部材の溶接箇所が配されたあ
らゆる放電ランプを用いたランプ装置に適応可能であ
る。また、ランプ装置内の気体については特に記載して
いないが、空気を封入してもよいし、アルゴンガスなど
の不活性ガスを封入してもよい。また、上記各構成に加
えて、または上記各構成に代えて、ランプ装置内の気体
を外部のラジエータとの間で流通させて、ランプ装置内
を冷却するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明によると、封止部の先端部の温度
を低く抑えることができ、配線部材の溶接部などの酸化
等による断線を防止することができるので、ランプの長
寿命化や不良率の低下を図ることができる。さらにラン
プ電力を増大させたり反射鏡を小型化したりすることも
容易にできる。また、本発明によると、ランプ装置を密
閉しても装置内部の過度の温度上昇を抑制することがで
きることから、発光管の破裂音を抑制することができ、
さらにガラス片の飛散や水銀蒸気の放出を確実に防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のランプ装置を示す縦断面図であ
る。
【図2】同ランプ装置に用いる放電ランプを示す縦断面
図である。
【図3】実施の形態2のランプ装置を示す縦断面図であ
る。
【図4】同ランプ装置の要部を示す縦断面図である。
【図5】同ランプ装置の一部を切り欠いた正面図であ
る。
【図6】実施の形態2の他のランプ装置を示す正面図で
ある。
【図7】実施の形態3のランプ装置を示す縦断面図であ
る。
【図8】実施の形態2の他のランプ装置を示す縦断面図
である。
【図9】実施の形態3のさらに他のランプ装置を示す縦
断面図である。
【図10】実施の形態4のランプ装置を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
10 ランプ装置 11 反射鏡 11a 反射面 11b ランプ固定穴 11c リード線穴 12 前面ガラス 12a 穴 12 前面ガラス 22 発光管 23 封止部 24 封止部 25 放電電極 26 水銀 27、28 金属箔 29、30 金属ロッド 29a、30a 溶接部 31 リード線 31a 溶接部 32 口金 33、34、42 セメント 41 放熱装置 41a 吸熱部 41b 導熱部 41c 放熱部 43 冷却装置 51 冷却ファン 52 充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一番ヶ瀬 剛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 審査官 村田 尚英 (56)参考文献 特開 平10−125287(JP,A) 特開 平10−294013(JP,A) 特開 平5−135748(JP,A) 特開 平11−39934(JP,A) 特開 平8−102298(JP,A) 特開 平5−325902(JP,A) 特開 平4−282553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/52 H01J 61/36 G03B 21/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光物質が封入される管内に一対の電極
    が対向して配置された発光管および前記発光管から延在
    する一対の封止部を備えた放電ランプと、 前記放電ランプの発した光を反射する反射鏡と、 前記反射鏡の開口部を覆い、前記反射鏡との間の空間に
    前記放電ランプを収容する透明部材と、 前記放電ランプの電極に電気的に接続された配線部材の
    溶接箇所の温度上昇を抑制する過昇温抑制手段とを具備
    するランプ装置であって、 前記過昇温抑制手段は、前記封止部にほぼ全長にわたっ
    て巻きつけられた吸熱部と、当該吸熱部の熱を前記反射
    鏡の外部に導く板状の導熱部と、を備え、 前記導熱部は、前記反射鏡を貫通して外部に導かれ、か
    つ、板面が前記透明部材と垂直になるように配置されて
    いる、 ランプ装置。
  2. 【請求項2】 ランプ装置の外側に伝導された熱を除去
    する冷却手段をさらに具備する請求項に記載のランプ
    装置。
JP2000364656A 1999-12-02 2000-11-30 放電ランプおよびランプ装置 Expired - Fee Related JP3330134B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000364656A JP3330134B2 (ja) 1999-12-02 2000-11-30 放電ランプおよびランプ装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-343929 1999-12-02
JP34392999 1999-12-02
JP2000364656A JP3330134B2 (ja) 1999-12-02 2000-11-30 放電ランプおよびランプ装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002157178A Division JP3481612B2 (ja) 1999-12-02 2002-05-30 放電ランプおよびランプ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001222976A JP2001222976A (ja) 2001-08-17
JP3330134B2 true JP3330134B2 (ja) 2002-09-30

Family

ID=26577659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000364656A Expired - Fee Related JP3330134B2 (ja) 1999-12-02 2000-11-30 放電ランプおよびランプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3330134B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007171218A (ja) 2003-03-25 2007-07-05 Seiko Epson Corp 照明装置及びこれを備えたプロジェクタ
WO2005088189A1 (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Seiko Epson Corporation 照明装置及びこれを備えたプロジェクタ
JP3855955B2 (ja) 2003-03-28 2006-12-13 セイコーエプソン株式会社 光源装置及びプロジェクタ
JP3988790B2 (ja) * 2003-05-22 2007-10-10 セイコーエプソン株式会社 光源装置、光源装置の製造方法、及びプロジェクタ
CN101387382B (zh) * 2003-05-22 2010-12-15 精工爱普生株式会社 光源装置及其制造方法和投影机
EP1738400A2 (en) * 2004-04-15 2007-01-03 Koninklijke Philips Electronics N.V. Lamp unit
JP4698203B2 (ja) * 2004-11-02 2011-06-08 三菱電機株式会社 光源装置及びこれを用いた投写型表示装置
JP3856812B2 (ja) * 2004-11-29 2006-12-13 シャープ株式会社 光源装置及び投影型画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001222976A (ja) 2001-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6784601B2 (en) Discharge lamp including heat releasing device and lamp device
JP3606149B2 (ja) 光源装置
WO1999050887A1 (fr) Lampe a decharge a haute pression, appareil la comprenant et source lumineuse
JP4613885B2 (ja) 反射鏡付きランプ
KR20010113498A (ko) 램프유닛 및 화상투영장치
JP3330134B2 (ja) 放電ランプおよびランプ装置
JP3623137B2 (ja) 放電ランプと光源装置
US5957570A (en) Reflector discharge lamp
JP2000348532A (ja) ランプ装置用放熱・冷却構造
JP4438626B2 (ja) 光源装置及び画像表示装置
JP3481612B2 (ja) 放電ランプおよびランプ装置
JP2009540497A (ja) 反射器と金属筐体とを備える照明装置
JP2004079225A (ja) ランプユニット
JP2002075014A (ja) ランプユニットおよび画像投影装置
JP3224103B2 (ja) メタルハライドランプ
JP4163577B2 (ja) 凹面反射鏡及び凹面反射鏡付きの光源装置
JP4650787B2 (ja) 放電ランプ
JPH11162406A (ja) 高圧放電ランプおよび投光装置ならびにプロジェクタ装置
JP3957710B2 (ja) 光源装置と投写型表示装置
TW200538823A (en) Light source device and display device
JP4698203B2 (ja) 光源装置及びこれを用いた投写型表示装置
JPH11317196A (ja) ランプ装置及び液晶プロジェクタ
JPH07335181A (ja) メタルハライドランプ装置
JPH10188896A (ja) 放電ランプ、ランプ装置、点灯装置および液晶プロジェクタ
JP2001101923A (ja) 光源ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070719

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080719

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100719

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110719

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110719

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120719

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120719

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130719

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees