JP3329268B2 - 掘削工具 - Google Patents

掘削工具

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JP3329268B2
JP3329268B2 JP13403598A JP13403598A JP3329268B2 JP 3329268 B2 JP3329268 B2 JP 3329268B2 JP 13403598 A JP13403598 A JP 13403598A JP 13403598 A JP13403598 A JP 13403598A JP 3329268 B2 JP3329268 B2 JP 3329268B2
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ring bit
ring
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猛 林
和夫 藤墳
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リングビットの先
端にインナービットが着脱可能に取り付けられて、アン
カー工事等において特に掘削が終了した後にインナービ
ットを削孔内に取り残し、リングビットを削孔から引き
抜く場合に用いられる掘削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アンカー工事等において、崩壊しやすい
地盤に削孔を形成する掘削工具として、例えば図9およ
び図10に示すようなものが提案されている。この掘削
工具は、実開昭56−121786号に記載されたもの
であって、後端がドリフタ1に接続されるケーシング2
の先端に、軸線Oを中心とする略円筒状のリングビット
3が取り付けられて回転打撃力を受けるとともに、この
リングビット3の先端内周部にはインナービット4が着
脱可能に取り付けられ、またこれらインナービット4の
先端部と上記リングビット3の先端縁にはそれぞれ切刃
5…,6…が形成されている。ここで、上記リングビッ
ト3の先端内周部には、その内周面から一段外周側に凹
む複数の凹部7…が周方向に間隔をあけて形成され、こ
れらの凹部7…はリングビット3の先端側に開口させら
れているとともに、インナービット4の後端部外周には
これらの凹部7…に嵌合可能な複数の凸部8…が形成さ
れており、これらの凸部8…を上記凹部7…に嵌合させ
てインナービット4はリングビット3の先端内周部に取
り付けられている。
【0003】しかるに、このような掘削工具において
は、上記リングビット3の凹部7…の軸線O方向に延び
る側壁面7a,7aのうち、掘削時における該リングビ
ット3の回転方向を向く側壁面7aが、この回転方向に
インナービット4の凸部8に当接することにより、上記
回転打撃力のうちの回転力がインナービット4に伝えら
れるとともに、凹部7…の軸線O方向先端側を向く段部
7bが上記凸部8に当接することによって回転打撃力の
うちの打撃力がインナービット4に伝えられ、このイン
ナービット4の上記切刃5…とリングビット3先端の上
記切刃6…とによって掘削が行われる。また、この公報
記載の掘削工具では、所定の深さまで掘削が行われた後
は、ケーシング2をリングビット3ごと軸線O方向に後
退させることにより、インナービット4がリングビット
3の先端から外れて削孔内に残され、ケーシング2およ
びリングビット3だけが削孔から抜き出されるようにな
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
掘削工具では、このようにインナービット4を削孔内に
残してケーシング2およびリングビット3を抜き出そう
とする際に、リングビット3の凹部7…とインナービッ
ト4の凸部8…とが強固に嵌合しすぎていると、ケーシ
ング2を後退させたときにインナービット4がリングビ
ット3の先端から外れなくなってしまうおそれがある。
しかしながら、その一方で、インナービット4を外れ易
くするためにリングビット3の凹部7…とインナービッ
ト4の凸部8…とのクリアランスを大きくするなどして
両者の嵌合を緩くすると、掘削時にリングビット3から
インナービット4に伝えれる軸線O方向の打撃力の反動
により掘削の途中でインナービット4がリングビット3
の先端から抜け落ちてしまい、その後の掘削に支障を来
すおそれが生じる。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、特に上述のように掘削終了後にインナービッ
トを削孔内に残してリングビットを削孔から引き抜く場
合において、掘削中にはインナービットがリングビット
から抜け落ちるようなことがない一方、掘削が終了して
ケーシングを引き抜く際には確実にインナービットをリ
ングビットから取り外して削孔内に残すことが可能な掘
削工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに
回転される略円筒状のリングビットにインナービットが
着脱可能に取り付けられてなる掘削工具であって、上記
リングビットの内周部に凸部を設けるとともに、上記イ
ンナービットの外周部には、上記リングビットの内周部
に嵌挿可能な外径を有する突壁部を形成し、この突壁部
には、上記凸部を収容可能な凹溝を周方向に延びるよう
に形成して、この凹溝を、上記リングビットの掘削時の
回転方向側の端部が閉塞させられ、かつこの掘削時の回
転方向と反対側の端部は上記突壁部の側面に開口させら
れるように形成したことを特徴とする。
【0007】従って、このような構成の掘削工具によれ
ば、掘削時にはリングビットが上記掘削時の回転方向に
回転するのに伴い、その内周部に設けられた凸部がイン
ナービットの突壁部に形成された上記凹溝に収容されて
その閉塞された端部に当接し、これによりリングビット
の軸線方向にインナービットが拘束されてその脱落が防
止される。一方、掘削が終了した後は、リングビットご
とケーシングを掘削時の回転方向とは反対側に回転させ
ることにより、上記凸部が凹溝の開口された端部から突
壁部に隣接して画成される間隙部に相対移動するので、
そのままケーシングを後退させればインナービットをリ
ングビットから確実に取り外すことが可能となる。
【0008】ここで、上記凹溝を、上記掘削時の回転方
向側において上記軸線方向に延びるように曲折して形成
することにより、インナービットの上記凸部がこの凹溝
の掘削時の回転方向側の端部に当接した状態で、該凸部
をこの曲折した部分に収容して保持することができ、掘
削時やあるいは掘削中に一旦インナービットを後退させ
たりしたときに、インナービットがリングビットから抜
け落ちてしまってその後の掘削に支障を来すような事態
をも、確実に防止することができる。また、上記リング
ビットの内周部を、上記突壁部に隣接して画成される間
隙部を介して該リングビットの先端側に開口させるよう
にすれば、掘削時に生成されるくり粉を、この開口部か
ら上記間隙部を介してリングビット内に導入し、さらに
ケーシング内を通して後端側に排出することが可能とな
る。
【0009】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の第1
の実施形態を示すものである。本実施形態においてリン
グビット11は軸線Oを中心とした略円筒状をなし、そ
の後端部11Aが、ドリフタ等に接続された図示されな
いケーシングの先端に取り付けられることにより、掘削
時には軸線O回りに図中に矢線Tで示す回転方向(以
下、掘削回転方向と称する。)にこのケーシングと一体
に回転させられるとともに、該軸線O方向先端側に向け
て打撃力を受ける。また、このリングビット11の先端
部11Bは、その外周が一段拡径するように形成される
とともに、その先端縁は周方向に亙って凹凸するように
形成されており、このうち先端側に凸となる部分には、
超硬合金等の硬質材料より成るチップ12…が植設され
て、軸線Oを中心として放射状に延びる切刃13…が形
成されている。
【0010】さらに、このリングビット11の先端部1
1Bの内周部も外周側に一段拡径するように形成されて
おり、これによりこの内周部には先端側を向く環状の段
部11Cが形成される。そして、この段部11Cよりも
先端側の内周面には、複数(本実施形態では4本)のス
プリングピン14…が周方向に等間隔に、かつそれぞれ
上記軸線Oに直交する方向に放射状に打ち込まれて取り
付けられており、これらのスプリングピン14…の端部
が先端部11Bの内周に突出することにより、本実施形
態における複数の凸部14A…が構成されている。
【0011】一方、本実施形態におけるインナービット
15はその外形が軸線Xを中心とする略円柱状をなし、
上記リングビット11の先端縁と同様に、その先端面は
上記軸線Xを中心に周方向に亙って凹凸するように形成
されており、このうち先端側に凸となる稜線部には、該
軸線X側から外周側に向けて超硬合金等の硬質材料より
成るチップ16…が植設されて、軸線Xを中心として放
射状に延びる4条の切刃17…が形成されている。ま
た、この先端面が後端側に凹となる谷部の外周側には、
該インナービット15の先端部外周を内周側に切り欠い
て成る凹所15Aが軸線X方向に延びるように形成され
ている。
【0012】さらに、このインナービット15の後端部
は、テーパ面15Bを介して先端側よりも一段縮径する
ように形成されていて、この後端部の外径は、リングビ
ット11の内周部の上記段部11Cよりも後端側の部分
の内径よりも小さくなるように設定されるとともに、こ
のインナービット15の後端部の外周面には、上記軸線
Xを中心とする円弧板状をなすようにして該外周面から
一段突出する4つの突壁部18…が、それぞれ上記切刃
17…の後端側に位置して周方向に等間隔に形成されて
いる。ここで、これらの突壁部18…の外径は、上記リ
ングビット11の先端部11Bの一段拡径した内周部に
嵌挿可能な大きさとされており、従ってインナービット
15の後端部外周面からの突壁部18の突出高さは、リ
ングビット11の内周部の段部11Cによる段差よりも
大きく設定されることとなる。
【0013】また、このように突壁部18…が周方向に
間隔をあけて形成されることにより、インナービット1
5の周方向において互いに隣り合う突壁部18,18同
士の間には、該突壁部18が形成されない間隙部19が
各突壁部18に隣接して上記凹所15Aの後端側に位置
するようにそれぞれ画成されることとなる。そして、こ
れらの間隙部19…に上記スプリングピンの凸部14A
…を通して、インナービット15をリングビット11の
先端側から該リングビット11の先端内周部に嵌挿する
ことにより、突壁部18…の外周面がリングビット11
の内周面に摺接して軸線Oと軸線Xとが同軸に一致せし
められるとともに、そのままさらにインナービット15
を後退させることによって突壁部18…が上記段部11
Cに当接するようになされている。なお、この間隙部1
9の内周面となるインナービット15後端部の外周面の
外径が、上述のようにリングビット11の内周部の内径
よりも小さく設定されることから、このようにインナー
ビット15をリングビット11の内周部に嵌挿した状態
で、このリングビット11の内周部は、上記間隙部19
…を介して上記凹所15A…から該リングビット11の
先端側に開口させられることとなる。
【0014】そして、さらにこれらの突壁部18…に
は、該突壁部18の上記掘削回転方向Tと反対側を向く
側面18Aから該掘削回転方向Tに向けてインナービッ
ト15の周方向に延びるように、それぞれ凹溝20が形
成されている。この凹溝20は、その軸線X方向の幅お
よび該軸線Xに対する径方向の深さが、上記リングビッ
ト11の内周面に突出するスプリングピン14の上記凸
部14Aを収容可能な大きさに設定されており、かつそ
の軸線X方向の位置は、上述のように突壁部18を上記
段部11Cに当接させた状態において上記凸部14Aの
位置と一致するように設定されている。しかして、本実
施形態では、この凹溝20は、その上記掘削回転方向T
とは反対側の端部20Aが上述のように突壁部18の上
記側面18Aに開口して上記間隙部19に連通し、かつ
この端部20Aから掘削回転方向Tに直線状に延びて、
掘削回転方向T側の端部20Bが突壁部18の掘削回転
方向T側を向く側面18Bにまでは達せずに閉塞された
状態とされるように形成されている。
【0015】しかるに、このように構成された掘削工具
では、上述のように上記間隙部19…にスプリングピン
の上記凸部14A…を通してインナービット15をリン
グビット11の先端側からその先端内周部に嵌挿し、上
記突壁部18…を上記段部11Cに当接させた状態にお
いて、上記凸部14A…と凹溝20…との位置が軸線
O,X方向に一致させられるので、この状態からインナ
ービット15に対してリングビット11を掘削回転方向
Tに相対的に回転させることにより、凸部14A…が凹
溝20…内に挿入されてその閉塞された端部20Bに当
接し、これによってリングビット11とインナービット
15とが掘削回転方向Tに一体に回転可能となる。そこ
で、この状態から上記ドリフタによりケーシングを介し
てリングビット11に回転打撃力を与えることにより、
上記凸部14A…から端部20Bを介して回転力が、ま
た上記段部11Cから突壁部18…を介して打撃力が、
それぞれインナービット15に伝えられ、このインナー
ビット15先端の上記切刃17…とリングビット11先
端の切刃13…とによって掘削が行われる。
【0016】このように、上記構成の掘削工具では、掘
削中はリングビット11の上記凸部14Aがインナービ
ット15の突壁部18の上記凹溝20内に収容されるこ
とにより、インナービット15がリングビット11の先
端側に向けて拘束された状態となる。このため、上記掘
削工具によれば、掘削時の打撃力による反動などによっ
てインナービット15がリングビット11から先端側に
抜け落ちたりするようなことがなく、安定してインナー
ビット15を保持して確実な掘削を行うことが可能とな
る。
【0017】一方、このようにして所定の深さまで掘削
が行われた後に、インナービット15を削孔内に残して
リングビット11ごとケーシングを引き抜く際には、上
記ドリフタによってケーシングおよびリングビット11
をインナービット15に対して相対的に一旦上記掘削回
転方向Tとは反対側に回転させることにより、上記凸部
14Aが凹溝20内を掘削回転方向Tとは反対側に移動
して、開口した端部20Aから上記間隙部19に抜け出
し、これによりインナービット15が先端側に拘束され
た状態が解かれることとなる。従って、上記構成の掘削
工具によれば、この状態からリングビット11ごとケー
シングを後退させることにより、インナービット15は
リングビット11の先端から外れて抜け落ちるので、確
実にインナービット15を削孔内に残してリングビット
11およびケーシングだけを削孔から引き抜くことが可
能となる。
【0018】このように、上記構成の掘削工具において
は、掘削時にリングビット11を掘削回転方向Tに回転
させたときにはインナービット15を安定して保持して
その脱落等を防止し、確実な掘削を行うことができる一
方、掘削終了後にリングビット11を引く抜くときに
は、上記掘削回転方向Tと反対側にリングビット11を
回転させることにより、インナービット15を確実に取
り外し可能として削孔内に残すことができる。従って、
従来の掘削工具のように掘削中にインナービットが外れ
てその後の掘削に支障を来したり、あるいは逆に掘削終
了後にインナービットが外れなくなってしまったりする
ような事態を防止することができ、確実かつ円滑な掘削
作業を促すことが可能となる。
【0019】また、本実施形態の掘削工具では、上述の
ようにリングビット11の内周部がインナービット15
の突壁部18…の間に該突壁部18…に隣接して画成さ
れる間隙部19…を介して上記凹所15Aから該リング
ビット11の先端側に開口されており、これにより、掘
削時に上記切刃13…,17…によって生成されるくり
粉を、この間隙部19…を通してリングビット11内に
導入し、さらにケーシング内を通して後端側に排出する
ことが可能となる。この点、上記従来の掘削工具では、
リングビットの先端側がインナービットによって閉塞さ
れていたため、掘削時に生成されたくり粉を、ケーシン
グの外周と削孔の内周との間を通して後端側に排出する
ようにしており、このケーシング外周と削孔内周との間
の間隔が小さい場合には円滑な排出が困難となるという
問題が生じるが、本実施形態のようにリングビット11
の内周部を先端側に開口せしめて、ケーシング内を通し
てくり粉を排出するようにすれば、このようなケーシン
グ外周と削孔内周との間の間隔に拘わらずに、円滑な排
出を図ることが可能となる。
【0020】一方、本実施形態では上述のように凹溝2
0が、上記掘削回転方向Tと反対側の端部20Aから掘
削回転方向T側の閉塞された端部20Bに向けて、イン
ナービット15の周方向に沿って掘削回転方向Tに直線
状に延びるように形成されているが、例えばこれを、図
3ないし図5に示す本発明の第2の実施形態や、あるい
は図6ないし図8に示す第3の実施形態のように、上記
掘削回転方向T側の端部20Bにおいて凹溝20を、上
記軸線O,X方向に向かうように曲折させて形成するよ
うにしてもよい。ただし、これら図3ないし図8に示す
第2、第3の実施形態において、図1および図2に示し
た第1の実施形態と共通する部分については、同一の符
号を配して説明を省略する。
【0021】すなわち、図3ないし図5に示す第2の実
施形態では、上記凹溝20の掘削回転方向Tとは反対側
の開口した端部20Aが、第1の実施形態よりも僅かに
後端側に位置するように形成されており、凹溝20はこ
の端部20Aから掘削回転方向Tに向けてインナービッ
ト15の周方向に直線状に延びた後、掘削回転方向T側
の閉塞した端部20Bにおいて直角に曲折して軸線Xに
平行に先端側に向けて延びるように形成されている。た
だし、この端部20Bから曲折して先端側に向かう凹溝
20の曲折部20Cは、本実施形態では上記突壁部18
の先端側を向く側面に開口することはなく、閉塞された
ままとされている。そして、本実施形態では、上記イン
ナービット15は、軸線O,X方向において上記凸部1
4Aの位置に凹溝20の上記端部20Aの位置を合わせ
た状態では突壁部18がリングビット11内周の段部1
1Cに当接することはなく、この状態からインナービッ
ト15に対してリングビット11を掘削回転方向Tに相
対回転させて、図4に示すように凸部14Aを凹溝20
に挿入してその上記端部20Bに当接させ、さらにイン
ナービット15を後端側に押し込んで図5に示すように
凸部14Aを上記曲折部20C内に収容することによ
り、突壁部18が上記段部11Cに当接するようになさ
れている。
【0022】しかるに、このように構成された掘削工具
では、図5に示すように掘削時にはリングビット11の
上記凸部14Aが凹溝20の掘削回転方向T側に端部2
0Bに位置した上で、さらにこの端部20Bから先端側
に延びる上記曲折部20Cに収容された状態で、インナ
ービット15に回転力が与えられるとともに、上記突壁
部18が段部11Cに当接して打撃力が与えられる。こ
のため、万一掘削中にインナービット15がリングビッ
ト11に対して掘削回転方向Tとは反対側に相対回転さ
せられるような力を受けても、上記凸部14Aが曲折部
20Cに掛止されて保持されることにより、凸部14A
が凹溝20から抜けて外れるような事態を防ぐことがで
きるので、より確実に掘削時のインナービット15の脱
落を防止して円滑な掘削作業を図ることができる。ま
た、その一方で、掘削終了後にはリングビット11ごと
上記ケーシングを僅かに後退させることにより、インナ
ービット15はその自重でリングビット11の先端側に
突き出して上記凸部14Aと凹溝20の開口した端部2
0Aとが軸線O,X方向において同じ位置となるので、
この状態からリングビットをインナービット15に対し
て掘削回転方向Tとは反対側に相対回転させることによ
り、上記第1の実施形態と同様に確実にインナービット
15を取り外して削孔内に残すことが可能となる。
【0023】他方、図6ないし図8に示す第3の実施形
態においては、上記第2の実施形態とは逆に、凹溝20
の開口された端部20Aの位置は第1の実施形態と同
様、上記突壁部18が段部11Cに当接した状態におい
て軸線O,X方向に凸部14Aと同じ位置となるように
形成される一方、この凹溝20の掘削回転方向T側の閉
塞された端部20Bからは、この端部20Bから直角に
曲折して軸線O,Xに平行に後端側に向けて延びる曲折
部20Dが形成されている。従って、このような第3の
実施形態によれば、図7に示すように上記第1の実施形
態と同様、掘削時には上記凸部14Aが凹溝20の端部
20Bに当接して回転力が与えられるとともに突壁部1
8が段部11Cに当接して打撃力が与えられて確実な掘
削がなされる一方、掘削終了後にはこの状態からリング
ビット11をインナービット15に対して掘削回転方向
Tとは反対側に相対回転させることにより、凸部14A
を凹溝20の開口した端部20Aから抜き出してインナ
ービット15を取り外し可能とすることができる。
【0024】そして、この第3の実施形態においては、
掘削中に凸部14Aが凹溝20の上記端部20Bに当接
した状態からリングビット11を後退させると、図8に
示すように凸部14Aがこの端部20Bから上記収容部
20Dに収容されて保持されることになり、これによっ
てリングビット11とインナービット15とが、上記掘
削回転方向Tには勿論、この掘削回転方向Tとは反対側
にも掛止されて、両者の相対回転が拘束されるので、た
とえ掘削中にリングビット11およびインナービット1
5ごとケーシングを引き抜かなければならないような事
態が生じても、この引き抜きの途中で不用意にインナー
ビット15がリングビット11から外れて掘削途中の削
孔内に脱落し、その後の掘削に支障を来したりするのを
防止することができる。また、通常の掘削終了時にイン
ナービット15を取り外す場合には、インナービット1
5が削孔の底面に当たった状態でリングビット11を先
端側に押し込み、図7に示したように軸線O方向におい
て上記凸部14Aが凹溝20の開口された端部20Aと
同じ位置となるようにしてから、上述のようにリングビ
ット11をインナービット15に対して掘削回転方向T
とは反対側に相対回転させれば、確実にインナービット
15を取り外すことが可能となる。
【0025】なお、上記第1ないし第3の実施形態で
は、リングビット11の先端内周部にスプリングピン1
4…を打ち込んでその端部を突出させることにより上記
凸部14Aを設けるようにしているが、スプリングピン
以外の部材をリングビットの内周部に取り付けてその突
出した端部を上記凸部としたり、あるいはかかる凸部を
リングビットの先端内周部に一体に形成するようにして
もよい。一方、逆に、本実施形態では上記突壁部18…
をインナービット15の後端部の外周面に突出するよう
に一体に形成しているが、例えばこれを、上記凹溝が形
成された円弧板状の部材をインナービットの外周面に取
り付けて上記突壁部とするようにしてもよい。また、上
記各実施形態では4つの凸部1A…と突壁部18…およ
び凹溝20…とを設けているが、これらの数はリングビ
ット11やインナービット15の大きさなどによって適
宜に設定可能である。ただし、リングビット11からイ
ンナービット15に伝えられる回転打撃力のバランスを
図るには、複数の凸部14A…と突壁部18…および凹
部20…とを、できるだけ周方向に等間隔に設けるのが
望ましい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、掘削
終了後にインナービットを削孔内に残してリングビット
ごとケーシングを引き抜く場合に、掘削中はリングビッ
トの凸部をインナービットの突壁部に形成された凹溝の
閉塞された端部に当接させることにより、インナービッ
トがリングビットから抜け落ちたりするのを防ぐことが
できる一方、掘削が終了した後はリングビットを掘削時
の回転方向とは反対側に回転することにより、上記凸部
を凹溝の開放された端部から抜き出してインナービット
を確実に取り外し可能とすることができる。従って、本
発明によれば、掘削中にインナービットが抜け落ちてそ
の後の掘削に支障を来すような事態を防止し、円滑な掘
削作業を促すことができるとともに、掘削終了後には確
実にインナービットを抜き外して削孔内に残したままリ
ングビットごとケーシングを削孔から抜き出すことが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す一部破断した
斜視図である。
【図2】 図1に示す第1の実施形態の掘削時の状態を
示す一部破断した斜視図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態を示す一部破断した
斜視図である。
【図4】 図2に示す第2の実施形態において、凸部1
4Aを凹溝20に挿入して端部20Bに当接させた状態
を示す一部破断した斜視図である。
【図5】 図2に示す第2の実施形態の掘削時の状態を
示す一部破断した斜視図である。
【図6】 本発明の第3の実施形態を示す一部破断した
斜視図である。
【図7】 図6に示す第3の実施形態の掘削時の状態を
示す一部破断した斜視図である。
【図8】 図6に示す第3の実施形態において、凸部1
4Aを凹溝20の曲折部20Dに収容した状態を示す一
部破断した斜視図である。
【図9】 従来の掘削工具を示す一部破断した斜視図で
ある。
【図10】 図9に示す従来の掘削工具を、後端がドリ
フタ1に接続されたケーシング2の先端に取り付けた状
態を示す図である。
【符号の説明】
11 リングビット 11C 段部 13,17 切刃 14 スプリングピン 14A 凸部 15 インナービット 15A 凹所 18 突壁部 18A,18B 突壁部18の側面 19 間隙部 20 凹溝 20A,20B 凹溝20の端部 20C,20D 凹溝20の曲折部 O リングビット11の中心軸線 X インナービット15の中心軸線 T 掘削時の回転方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 深田 高義 (56)参考文献 特開 平9−184389(JP,A) 実開 昭56−121786(JP,U) 実開 昭56−125487(JP,U) 実開 昭59−5696(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21B 10/62

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される略円筒状のリング
    ビットにインナービットが着脱可能に取り付けられてな
    る掘削工具であって、上記リングビットの内周部には凸
    部が設けられるとともに、上記インナービットの外周部
    には、上記リングビットの内周部に嵌挿可能な外径を有
    する突壁部が形成されており、この突壁部には、上記凸
    部を収容可能な凹溝が周方向に延びるように形成されて
    いて、この凹溝は、上記リングビットの掘削時の回転方
    向側の端部が閉塞させられ、かつこの掘削時の回転方向
    と反対側の端部は上記突壁部の側面に開口させられるよ
    うに形成されていることを特徴とする掘削工具。
  2. 【請求項2】 上記凹溝は、上記掘削時の回転方向側に
    おいて上記軸線方向に延びるように曲折させられて形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工
    具。
  3. 【請求項3】 上記リングビットの内周部は、上記突壁
    部に隣接して画成される間隙部を介して該リングビット
    の先端側に開口させられていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の掘削工具。
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