JP3329059B2 - 熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂成形体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂成形体の製造方
法として、最終製品厚みとなるように金型を閉鎖、固定
し、密閉された金型キャビティに溶融樹脂を高圧で圧入
する射出成形法や、キャビティクリアランスが最終製品
厚み以下となるまで型を閉めた金型間に、低速で型開き
を行ないながら溶融樹脂の供給を開始し、溶融樹脂の供
給を継続しながらキャビティクリアランスが最終製品厚
み以上となるように型を開き、溶融樹脂の供給完了前ま
たは供給完了後に低速で型閉めを開始し、最終製品厚み
となるまで型締する方法(特開平4−138233号公
報)などが知られている。
【0003】しかし、前者の方法は、完全に固定された
密閉空間内に溶融樹脂を高圧で供給するため、得られた
成形体内部での樹脂の残留歪みが大きく、ねじれ、そり
等の変形が生じ易くなり、この現象は成形体が大きくな
ったり、形状が複雑になるほど著しく、補強材を含有す
る熱可塑性樹脂を使用する場合にはその変形がさらに顕
著になるという問題があった。また、後者の方法では、
この変形の程度はかなり小さくなり、ある程度改良され
るものの、先と同様に成形体が大きくなったり、形状が
複雑であったり、また補強材を含有する熱可塑性樹脂を
使用する場合にはまだ十分とはいえなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らはかかる問題を解決し、大きい成形体や複雑
な形状の成形体であっても、また補強材を含有する熱可
塑性樹脂を使用する場合であっても、ねじれやそり等の
変形が小さい成形体を得る方法について検討の結果、本
発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、雌
雄両金型の少なくとも一方の型内に溶融樹脂通路を有す
る雌雄一対の金型を使用し、(1)未閉鎖の雌雄両金型
間に形成されるキャビティに、溶融樹脂通路から全供給
樹脂量の5〜95重量%の溶融状熱可塑性樹脂(a)を
供給しながら、(2)連続もしくは不連続的に型締めし
て、該溶融樹脂(a)の供給完了と同時にキャビティク
リアランスが最終製品厚み以下となる位置で仮賦形し、
(3)仮賦形の状態で残りの溶融樹脂(b)を供給しな
がら、該溶融樹脂(b)の供給完了と同時または供給完
了後にキャビティクリアランスが最終製品厚みとなるよ
うに、金型を移動させ、(4)その後、金型内の溶融樹
脂を冷却、固化させることからなる熱可塑性樹脂成形体
の製造方法を提供するものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、全供給樹脂量の内の一部を未閉鎖の雌雄両金型間に
供給しつつ、連続もしくは不連続的に型締して、該樹脂
の供給完了と同時に仮賦形し、この仮賦形の状態で残り
の樹脂を供給しながら、樹脂の供給完了と同時または供
給完了後にキャビティクリアランスが最終製品厚みとな
るように金型を移動させることをその主要な特徴とする
ものであるが、このときの仮賦形に供するための樹脂量
(a)と仮賦形後に供給する樹脂量(b)との割合は非
常に重要であり、(a)/〔(a)+(b)〕が5〜9
5%、好ましくは10〜90%の範囲であることが必要
である。
【0007】尚、仮賦形に供するための樹脂量(a)と
仮賦形後に供給する樹脂量(b)との割合が上記範囲内
であっても、その最適割合は溶融樹脂の金型内での溶融
パターンによって異なるため、使用する樹脂の種類、溶
融樹脂供給口の位置、製品形状(金型形状)などの成形
条件によって適宜決定される。このため、本発明の方法
を最も効果的に実施するためには、成形体の変形が最も
小さくなる(a)と(b)の最適割合を予備テストによ
り予め求めておくことが好ましい。
【0008】本発明において、溶融樹脂は金型内に設け
た溶融樹脂通路からキャビティ内に供給されるが、この
ときの溶融樹脂の供給圧力が低すぎると、樹脂の供給時
間が長くなってキャビティ内において樹脂の冷却化が進
み、外観の良好な成形品が得られにくくなったり、キャ
ビティ内に所定量の樹脂が供給されにくくなり、また、
供給圧力が高いと得られた成形品内部での樹脂歪みが大
きくなってそり等の変形が発生し易くなるため、供給圧
力は仮賦形の前後いずれの場合であっても、通常300
〜900kgf/cm2 、好ましくは400〜600k
gf/cm2 の範囲である。
【0009】次に、本発明の製造方法の例を図面に基づ
いて説明する。図1〜図3は、本発明の方法による製造
工程を示す概略図である。この例において雄金型2はキ
ャビティ面に開口部を有する溶融樹脂通路4をその内部
に有しており、溶融樹脂1は該通路を経由して,雄金型
2と雌金型3との間に形成されるキャビティに供給され
る。この例では、雄金型2は固定式のプラテン(図示せ
ず)に固定されており、雌金型3は型締、型開方向に移
動可能なプラテン(図示せず)に固定されていて、この
移動により雌雄両金型は開閉可能になる。また、溶融樹
脂通路4の他端は金型外の樹脂可塑化装置(図示せず)
などと連結しており、この可塑化装置などから所定の供
給圧で溶融樹脂が供給される。この例では、溶融樹脂通
路は雄金型にのみ設けているが、場合によってはこれを
雌金型に設けてもよい。
【0010】このような金型装置を使用し、未閉鎖の雌
雄両金型間に、溶融樹脂通路4を通じて全供給樹脂量の
内の5〜95重量%の溶融樹脂(a)の供給を開始す
る。(図1) 該溶融樹脂(a)を供給しながら、連続的もしくは不連
続的に型締し、該樹脂の供給完了と同時にキャビティク
リアランスが最終製品厚み以下となる位置で仮賦形を行
なう。(図2) このとき、溶融樹脂(a)の供給と平行して金型を連続
的に閉じてもよいし、供給開始当初は樹脂供給とともに
金型を閉じ、供給の途中段階では積極的な型締を行なう
ことなく、樹脂の供給圧とバランスをとる程度に金型を
保圧し、供給完了の少し前から型締を再開してもよく、
どのように樹脂の供給と型締を行なうかは任意である
が、少なくとも溶融樹脂(a)の供給が完了すると同時
に仮賦形することが必要であって、樹脂供給の後に仮賦
形を行うことは避けねばならない。もっとも、ここでい
う同時とは、理想的には時間差の全く生じない絶対的同
時であるが、最終成形品の性質に影響を与えない範囲に
おいて、1秒以内、好ましくは0.5秒以内程度の若干
の差異が生じても差し支えない。
【0011】次に、この溶融樹脂(a)が仮賦形された
状態で、溶融樹脂通路4を通じて残りの溶融樹脂(b)
の供給を開始する。このとき、溶融樹脂(b)を供給し
ながら、該樹脂の供給完了と同時にキャビティクリアラ
ンスが最終製品厚みになるように、該樹脂の供給に伴っ
て、雌金型を型開き方向に連続的に移動させて金型を開
くことが好ましい。(図3) しかし、この供給過程において、樹脂の供給圧が仮賦形
状態における金型の保圧力よりも高いなどの理由によ
り、途中段階においてキャビティクリアランスが最終製
品厚みよりも広くなったり、金型の開き速度が速すぎて
金型間に空隙が生じたような場合には、溶融樹脂(b)
の供給完了後、速やかに金型を型締方向に移動させて型
締を行えばよい。溶融樹脂(b)の供給が完了した時点
で、キャビティクリアランスは最終製品厚となっている
ため、その状態で金型を冷却するか、必要あればその状
態で適当時間保圧ののち金型を冷却し、金型内の溶融樹
脂を冷却、固化させたのち金型を開放し、製品を取り出
す。かかる方法において、全ての溶融樹脂の供給は連続
して行なうことが好ましく、そのために、溶融樹脂
(a)が仮賦形されたならば、直ちに残りの溶融樹脂
(b)を供給しながら金型を開いてゆく方法が好まし
い。
【0012】表皮材を基材樹脂の表面に貼合した多層成
形品を製造する場合には、予め表皮材を雌雄両金型間に
載置し、その後上記した各工程を実施すればよい。この
場合の最終製品厚みとは表皮材の厚みも含むものであ
る。
【0013】本発明の方法に適用できる熱可塑性樹脂は
特に限定されず、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、PMMA、ナイロ
ン、ポリカーボネート樹脂等が挙げられるが、特にポリ
プロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましく使用さ
れる。また、このような熱可塑性樹脂は、成形品として
の強度向上のために、各種の補強繊維や無機粒子充填剤
などの補強材を含有していてもよい。かかる目的で使用
される補強繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アル
ミナ繊維などの無機繊維やケブラーなどの有機繊維が例
示されるが、無機繊維、特にガラス繊維が好ましく使用
される。補強繊維を使用する場合、その繊維長が0.1
〜12mm程度の中、長繊維を用いることが強度向上の
点から好ましく、また、その繊維径は3〜30μm程度
であることが好ましい。また、無機粒子充填剤としては
チタン酸カリウムなどのウィスカー類、タルク、シリ
カ、炭酸カルシウム、クレー、ワラストナイトなどの従
来より公知の各種の補強用充填剤が例示されるが、特に
タルクが好ましく使用される。
【0014】補強材としての上記補強繊維や無機粒子充
填剤は、通常はそれぞれ単独で使用されるが、必要に応
じてこれらを組み合わせて使用してもよい。補強材を使
用する場合、その使用量は補強材の種類によっても変わ
るが、一般的には熱可塑性樹脂樹脂組成物中の含量とし
て60重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
下限は特に限定されないが、補強効果を十分に得るため
には5重量%、好ましくは10重量%である。
【0015】もちろん、本発明において使用される熱可
塑性樹脂は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤その他
の樹脂に通常配合される各種の添加剤を含有していても
よいことは当然である。
【0016】また、本発明の方法において表皮材を使用
する場合、その表皮材としては織布、編布、不織布、熱
可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーのシートもしくはフ
ィルム、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂
などの熱可塑性樹脂発泡シートやポリウレタンなどの熱
硬化性樹脂発泡シートが例示され、これらはその表面に
シボなど凹凸模様が付されていてもよい。また、これら
を接着剤あるいは熱融着などにより積層した積層体とし
て使用することもでき、このような積層体としては、ポ
リプロピレン系樹脂発泡シートの表面にポリ塩化ビニル
系樹脂フィルムや熱可塑性エラストマーのシートを貼合
した2層積層体が挙げられる。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法により、大型であったり、
複雑な形状であっても、ねじれやそりなどの変形の小さ
い、表面外観のすぐれた熱可塑性樹脂成形体を容易に製
造することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明がこれによって限定されるものでない
ことはいうまでもない。尚、以下の例において、リブを
有する熱可塑性樹脂成形体とは、外観を図4に、その横
方向断面を図5に示すような、天板5の裏面に多数の交
差する直線状のリブ6を有する成形体(製品形状Aとす
る)であり、円板状の熱可塑性樹脂成形体とは図6に示
されるような外観形状の成形体(製品形状Bとする)で
ある。
【0019】また、これらの成形体の評価は製品形状に
応じて以下の方法で行なった。 〔ねじれ〕 製品形状A:成形体を図7に示すように、上方の短辺が
後方の壁と平行になるように、短辺中央部を固定して縦
方向にぶら下げ、ぶら下げた成形体の下方の短辺の両端
の壁からの距離a、bをそれぞれ測定して、両測定値の
差をねじれ量とした。この方法による場合、ねじれがな
いときには下方の短辺の両端の壁からの距離は等しくな
って、両者の差はゼロとなる。 製品形状B:成形品を平らな面上におき、面から最も浮
き上がっている距離cを測定してねじれ量とした。 〔浮き上がり〕 製品形状A:図8に示すように、成形体の天板側を下に
水平な床におき、四隅を強制的に固定したときの、床か
ら最も浮き上がっている部分の距離dを測定し、これを
浮き上がり量とした。
【0020】実施例1 平均繊維長7mm、繊維径13μmのガラス繊維を27
重量%含有するポリプロピレン製ペレット(住友化学社
製:住友ノーブレンAX568)を可塑化装置に供給
し、230℃で加熱溶融してガラス繊維とポリプロピレ
ンが均一になるように混合した。雄金型内に設けた溶融
樹脂通路から、キャビティクリアランスが4mmの雌雄
金型間に、9kgの樹脂を供給した時点で仮賦形が完了
するように、型締速度10mm/秒で金型を閉じなが
ら、樹脂供給圧力500kgf/cm2 で上記溶融樹脂
組成物を連続的に供給した。樹脂供給完了時(仮賦形
時)の金型の加圧面圧は92.6kgf/cm2 であっ
た。樹脂供給完了後、金型の加圧面圧を仮賦形時の加圧
面圧に維持するように金型を開きつつ、引き続き残りの
溶融樹脂組成物1kgを連続的に射出供給した。この残
りの樹脂供給過程において、樹脂の高い供給圧のため
に、キャビティクリアランスが最大5.2mmまで広が
ったが、残りの溶融樹脂組成物の供給を完了した時点
で、直ちに金型を所定の製品厚みである3.7mmにな
るまで型締した。その後冷却して溶融樹脂組成物を固化
させ、外観を図2に、その断面を図3に示すような天板
の裏面に多数の交差する直線状のリブを有する天板部の
厚み3.7mm、縦1800mm、横600mmの熱可
塑性樹脂成形体を得た。尚、この成形工程における金型
温度は、雌雄両金型ともに35℃であった。また、この
ときの雄金型の溶融樹脂供給口は、上記成形体の短辺中
央から長辺方向に310mmおよび400mmとなる位
置の2ケ所に設けた。得られた成形体の寸法は次のとお
りである。 天板の厚さ:3.7mm、 リブの高さ:58.5mm リブの天板部分との付け根幅:3.5mm リブ付け根とリブ先端とのテーパー角:0.5度 リブの配置と数:長さ方向に等間隔で合計11本(両側
板を含む) 幅方向に合計6本(両側板と、長さ方向の両末端からそ
れぞれ150mmと650mmの位置に配置) 得られた成形体の評価結果を表1に示す。
【0021】実施例2 仮賦形前に8kg(全樹脂量の80%)、仮賦形後に2
kg(全樹脂量の20%)の溶融樹脂組成物を供給する
以外は実施例1と同様にして、同様の熱可塑性樹脂成形
体を得た。得られた成形体の評価結果を表1に示す。
【0022】実施例3 仮賦形前に6.4kg(全樹脂量の64%)、仮賦形後
に3.6kg(全樹脂量の36%)の溶融樹脂組成物を
供給する以外は実施例1と同様にして、同様の熱可塑性
樹脂成形体を得た。得られた成形体の評価結果を表1に
示す。
【0023】実施例4 原料としてガラス繊維を含有しないポリプロピレン樹脂
(住友化学社製:住友ノーブレンAY564)を使用
し、仮賦形前に7.38kg(全樹脂量の90%)、仮
賦形後に0.82kg(全樹脂量の10%)の溶融樹脂
を供給する以外は実施例1と同様にして、天板部の厚み
が2.5mmであること以外は実施例1で得たと同様の
製品形状の熱可塑性樹脂成形体を得た。得られた成形体
の評価結果を表1に示す。
【0024】実施例5 仮賦形前に6.56kg(全樹脂量の80%)、仮賦形
後に1.64kg(全樹脂量の20%)の溶融樹脂を供
給する以外は実施例4と同様にして、同様の製品形状の
熱可塑性樹脂成形体を得た。得られた成形体の評価結果
を表1に示す。
【0025】実施例6 仮賦形前に5.25kg(全樹脂量の64%)、仮賦形
後に2.95kg(全樹脂量の36%)の溶融樹脂を供
給する以外は実施例4と同様にして、同様の製品形状の
熱可塑性樹脂成形体を得た。得られた成形体の評価結果
を表1に示す。
【0026】実施例7 実施例1で用いたと同様にして得たガラス繊維含有の溶
融樹脂組成物を使用し、以下の方法で図4に示されるよ
うな円板状の熱可塑性樹脂成形体を得た。雄金型内に設
けた溶融樹脂通路から、キャビティクリアランスが7m
mの雌雄金型間に、168g(全供給樹脂量の70%)
の樹脂を供給した時点で仮賦形が完了するように、型締
速度8mm/秒で金型を閉じながら、樹脂供給圧力65
0kgf/cm2 で上記溶融樹脂組成物を連続的に供給
した。樹脂供給完了時(仮賦形時)の金型の加圧面圧は
65.0kgf/cm2 であった。樹脂供給完了後、金
型の加圧面圧を仮賦形時の加圧面圧に維持するように金
型を開きつつ、引き続き残りの溶融樹脂組成物62g
(全供給樹脂量の30%)を連続的に射出供給した。合
計230gの全溶融樹脂組成物の供給を完了した時点
で、キャビティクリアランスは最終製品厚と同じ3mm
であった。その後冷却して溶融樹脂組成物を固化させ、
外観が図4に示されるような半径が150mm、厚さが
3mmの円板状の熱可塑性樹脂成形体を得た。尚、この
成形工程における金型温度は、雌雄両金型ともに35℃
であり、また、雄金型の溶融樹脂供給口は、上記円板状
成形体の中央部に1ケ所設けた。得られた成形体の評価
結果を表1に示す。
【0027】実施例8 仮賦形前に108g(全樹脂量の47%)、仮賦形後に
122g(全樹脂量の53%)の溶融樹脂を供給する以
外は実施例7と同様にして、同様の円板状の熱可塑性樹
脂成形体を得た。得られた成形体の評価結果を表1に示
す。
【0028】実施例9 仮賦形前に30g(全樹脂量の13%)、仮賦形後に2
00g(全樹脂量の87%)の溶融樹脂を供給する以外
は実施例7と同様にして、同様の円板状の熱可塑性樹脂
成形体を得た。得られた成形体の評価結果を表1に示
す。
【0029】実施例10 雌雄両金型間に、厚さ0.5mmのポリプロピレンシー
トを載置したのち、溶融樹脂組成物の供給を開始する以
外は実施例1と同様にして成形加工し、表面にポリプロ
ピレンシートが貼合され、かつこれを含む天板厚みが
4.2mmであること以外は実施例1で得たと同様の形
状の熱可塑性樹脂成形体を得た。得られた成形体の評価
結果を表1に示す。
【0030】比較例1 全ての溶融樹脂組成物(10kg)を供給した後に型締
を行なう以外は実施例1と同様にして成形加工し、同様
の形状の熱可塑性樹脂成形体を得た。得られた成形体の
評価結果を表1に示す。
【0031】比較例2 全ての溶融樹脂(8.2kg)を供給した後に型締を行
なう以外は実施例4と同様にして成形加工し、同様の形
状の熱可塑性樹脂成形体を得た。得られた成形体の評価
結果を表1に示す。
【0032】比較例3 全ての溶融樹脂(230g)を供給した後に型締を行な
う以外は実施例7と同様にして成形加工し、同様の円板
状の熱可塑性樹脂成形体を得た。得られた成形体の評価
結果を表1に示す。
【0033】比較例4 65kgf/cm2 の面圧がかかるようにキャビティク
リアランス3mmで閉じた雌雄両金型間に、全ての溶融
樹脂(230g)を射出供給し、その後冷却して実施例
7で得たと同様の円板状の熱可塑性樹脂成形体を得た。
得られた成形体の評価結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 (注)GF:ガラス繊維 充填率(重量%):成形体中に含まれるガラス繊維量を
燃焼法により求めた値である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の概略であり、仮賦形前の溶
融樹脂の供給状態を示す。
【図2】本発明の製造方法の概略であり、仮賦形時の状
態を示す。
【図3】本発明の製造方法の概略であり、最終製品とし
ての型締完了時の状態を示す。
【図4】実施例、比較例において製造した天板の裏面に
リブを有する成形体を、リブ側からみた外観を示す。
【図5】図4に示される成形体の横方向断面を示す。
【図6】実施例、比較例において製造した円板状成形体
の外観を示す。
【図7】製品形状Aの成形体のねじれ量の測定方法を示
す。
【図8】製品形状Aの成形体の浮き上がり量の測定方法
を示す。
【符号の説明】
1:溶融樹脂 2:雄金型 3:雌金型 4:溶融樹脂通路 5:天板 6:リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−138233(JP,A) 特開 平2−307722(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/00 - 43/58

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雌雄両金型の少なくとも一方の型内に溶融
    樹脂通路を有する雌雄一対の金型を使用し、(1)未閉
    鎖の雌雄両金型間に形成されるキャビティに、溶融樹脂
    通路から全供給樹脂量の5〜95重量%の溶融状熱可塑
    性樹脂(a)を供給しながら、(2)連続もしくは不連
    続的に型締めして、該溶融樹脂(a)の供給完了と同時
    にキャビティクリアランスが最終製品厚み以下となる位
    置で仮賦形し、(3)仮賦形の状態で残りの溶融樹脂
    (b)を供給しながら、該溶融樹脂(b)の供給完了と
    同時または供給完了後にキャビティクリアランスが最終
    製品厚みとなるように、金型を移動させ、(4)その
    後、金型内の溶融樹脂を冷却、固化させることからなる
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】溶融樹脂(a)および(b)のキャビティ
    への供給圧力が300〜900kgf/cm2 の範囲で
    ある請求項1に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂が補強材を含有する熱可塑性
    樹脂組成物である請求項1に記載の熱可塑性樹脂成形体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】予め表皮材を載置した雌雄両金型間に、溶
    融樹脂の供給を開始する請求項1に記載の熱可塑性樹脂
    成形体の製造方法。
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