JP3327955B2 - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JP3327955B2 JP23389892A JP23389892A JP3327955B2 JP 3327955 B2 JP3327955 B2 JP 3327955B2 JP 23389892 A JP23389892 A JP 23389892A JP 23389892 A JP23389892 A JP 23389892A JP 3327955 B2 JP3327955 B2 JP 3327955B2
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
  • Supercharger (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のスリップ制御装
置に係わり、特に過給圧コントロールバルブにより過給
圧を制御することができる機械式過給機を有するエンジ
ンを備えた車両のスリップ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両発進時や加速走行時に駆動輪にスリ
ップが発生すると、タイヤと路面との横抗力が減少して
操縦性を失ったり、燃費が悪化する等、種々の問題が発
生する。特に過給機付エンジンを備えた車両において
は、過給機が作動するとエンジンの出力トルクが大きく
なり、スリップが発生し易くなるので、より大きな問題
となる。
【0003】そこで従来より、このような駆動輪のスリ
ップを抑制するスリップ制御装置が種々提案されてお
り、その一つとして、特開平2−61339号公報に記
載されたものが知られている。この公報に記載された従
来の車両のスリップ制御装置においては、エンジンの出
力トルクの抑制量をスリップの大きさに応じて制御すべ
く、エンジンの回転速度とスロットルバルブの開度とに
基づきスロットルバルブの開度変化に対する出力トルク
の変化量を求め、この変化量と駆動輪のスリップの大き
さとからスロットルバルブの制御量を算出する制御量算
出手段と、過給機の作動時と非作動時とで、制御量算出
手段による上記変化量の算出特性を切り替え、この変化
量を過給機の作動・非作動により変化するエンジンの出
力特性に対応させる算出特性切替手段とを設けることに
より、過給機の作動状態によってエンジンの出力特性が
変化しても、エンジンの出力トルクを、駆動輪に発生し
たスリップの大きさに応じて、最適な応答性で低減する
ことができ、駆動輪の回転速度を目標駆動輪速度に速や
かに収束させることができるようなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報に記載され
た従来の車両のスリップ制御装置においては、エンジン
の出力トルクの抑制をスロットルバルブ(サブスロット
ルバルブ)を閉方向に駆動させることにより行ってい
る。一方、上記のようにエンジンの出力トルクをスロッ
トルバルブの制御して抑制するものの他に、点火時期制
御及び燃料噴射制限(燃料カット)により、エンジンの
出力トルクを抑制して、スリップを低減させるようにし
たものが知られている。すなわち、点火時期制御におい
ては、制御レベルに応じてリタード量を決定し、燃料噴
射制限においては、制御レベルに応じてエンジンの特定
の気筒の燃料噴射をカットすることにより、エンジンの
出力トルクを抑制するようにしている。
【0005】このような点火時期制御及び燃料噴射制限
によりエンジンの出力トルクを抑制するスリップ制御装
置を過給機付エンジンを備えた車両に適応することが考
えられる。しかしながら、過給領域で、このような点火
時期制御による点火時期のリタードを行うと、燃焼が緩
慢になり、排気管内で燃焼が起こるいわゆる後燃えの状
態となり、触媒の温度が著しく上昇し、また過給領域
で、燃料噴射制限による燃料噴射のカットを行うと、吸
気口等に付着していた燃料が燃焼室内の負圧で燃焼室内
に吸引されるが、空燃比が低すぎて燃焼されることなく
排気管に送られ、この未燃焼の燃料が、過給下での運転
により高温になっていた排気管内で、酸化し、触媒の温
度を著しく上昇させてしまうという問題が発生する。ま
た、過給機の作動によりエンジン出力が増大し、それに
より大きな初回スピンが発生するが、この初回スピンに
より生じる大きなスリップを早期に且つ確実に収束させ
る必要がある。
【0006】そこで、本発明は、上記の従来技術の問題
点を解決するためになされたものであり、初回スピンに
より生じる大きなスリップを早期に且つ確実に収束させ
ることができるトラクション制御が可能な車両のスリッ
プ制御装置を提供することを目的としている。また、本
発明は、さらに触媒の温度上昇を防止することができる
車両のスリップ制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、エンジンの吸気通路に設けられ過
給圧コントロールバルブにより過給圧を制御することが
できる過給機と、前記過給圧コントロールバルブの作動
を制御するバルブ制御手段と、エンジンの点火時期を制
御する点火時期制御手段と、エンジンへの燃料噴射量を
制御する燃料噴射量制御手段と、エンジンの吸気状態が
過給状態であるか非過給状態であるかを検出する過給状
態検出手段と、駆動輪および従動輪の回転速度を検出す
る車輪速検出手段と、該車輪速検出手段の検出結果に基
づき、前記駆動輪のスリップ量を検出するスリップ量検
出手段と、前記車輪速検出手段の検出結果に基づき、前
記バルブ制御による目標スリップ量である第1目標スリ
ップ量を設定する第1目標スリップ量設定手段と、前記
車輪速検出手段の検出結果に基づき、前記点火時期制御
および燃料噴射量制御の少なくとも一方における目標ス
リップ量である第2目標スリップ量を設定する第2目標
スリップ量設定手段であって、前記駆動輪のスリップ量
がスリップ制御終了しきい値より大きく且つ過給状態に
あることが検出されたときには、該検出時から所定時間
経過後まで、前記第2目標スリップ量を前記第1目標ス
リップ量と略同一に設定し、前記所定時間経過後は前記
第1目標スリップ量より大きくなるように前記第2目標
スリップ量を増大させる第2目標スリップ量設定手段
と、前記駆動輪のスリップ量がスリップ制御終了しきい
値より大きいときには、前記駆動輪のスリップ量が上記
第1目標スリップ量になるにように前記バルブ制御手段
を作動させるとともに、前記駆動輪のスリップ量が上記
第2目標スリップ量になるように前記点火時期制御手段
および燃料噴射量制御手段の少なくとも一方を作動させ
るトルク制御を行う出力トルク制御手段と、を備えてい
ることを特徴とする車両のスリップ制御装置が提供され
る。
【0008】このような構成を備えた本発明によれば、
駆動輪のスリップ開始時には、バルブ制御によるスリッ
プ制御と、点火時期制御および燃料噴射量制御の少なく
とも一方によるスリップ制御とが行われるので、初回ス
ピンによる大きなスリップの早期且つ確実な収束、過給
および非過給領域の全域にわたる適切なエンジン出力制
御と、過給領域でのエンジン出力制御に起因する触媒温
度の防止とが可能となる。
【0009】本発明の好ましい態様によれば、前記出力
トルク制御手段は、前記トルク制御の開始時には、前記
過給圧コントロールバルブを最大速度で作動させるフィ
ードフォワード制御が行われるように前記バルブ制御手
段を作動させる。
【0010】このような構成によれば、トルク制御の開
始時には、過給圧コントロールバルブを最大速度で作動
させるフィードフォワード制御が行われるので、初回ス
リップを応答性良く収束させることができる。
【0011】本発明の好ましい態様によれば、上記出力
トルク抑制手段は、駆動輪のスリップ量が所定のしきい
値以下に収束したとき、過給圧が所定値以下となったと
き、または、所定時間経過したときに、前記フィードフ
ォワード制御を停止し、前記第1目標スリップ量と駆動
輪のスリップ量の偏差に基づいて設定された制御量およ
び制御速度で前記過給圧コントロールバルブが作動させ
られるように前記バルブ制御手段を作動させる。
【0012】このような構成によれば、目標スリップ量
へ早期に収束させ、そして、応答性良く適切な駆動力を
回復させることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は、本発明の車両のスリップ制御装
置の一実施例を示す全体構成図、図2は、図1の機械式
過給機を含む吸気装置を示す詳細構成図である。図1に
示すように、車両は、前輪駆動方式の車両であり、駆動
輪である前輪2FL,2FRと、従動輪である後輪2RL,2
RRを備えている。車体前方部には、V型6気筒のエンジ
ン1が搭載され、このエンジン1の発生トルクが、自動
変速機3及び差動装置4を経た後、左駆動軸5Lを介し
て左前輪2FLに、右駆動軸5Rを介して右前輪2FRにそ
れぞれ伝達される。
【0014】車両の上記の4輪2FL,2FR,2RL,2RR
には、各車輪の速度VFL,VFR,VRL,VRRを検出する
車輪速センサ6FL,6FR,6RL,6RRが設けられてい
る。さらに、車両には、車体速Vrを検出する車体速検
出センサ7、路面摩擦係数(μ)を検出する路面μセン
サ8、エンジン回転数(rpm)を検出するエンジン回
転数検出センサ9、吸気通路に設けられた機械式過給機
の下流側の吸気圧力(ブースト圧)を検出する圧力セン
サ10及びアクセル開度を検出するアクセル開度センサ
11が設けられている。ここで、車体速検出センサ7
は、両従動輪2RL,2RRの速度のうち小さい方の車輪速
を車体速Vrとして検出し、また、路面μセンサ8は、
路面摩擦係数(μ)を車体速検出センサ7により検出さ
れた車体速Vrとこの車体速の加速度VGとに基づいて
演算して算出する。
【0015】20はスリップ制御手段であり、このスリ
ップ制御手段20により、駆動輪2FL,2FRの路面に対
するスリップ量が所定のスリップ制御開始しきい値を越
えるときに、このスリップ量が制御目標値となるように
上記駆動輪2FL,2FRの駆動を制御する。このスリップ
制御手段20には、車輪速センサ6FL,6FR,6RL,6
RR、車体速検出センサ7、路面μセンサ8、エンジン回
転数検出センサ9、圧力センサ10及びアクセル開度セ
ンサ11等からの各信号が入力され、信号処理を行っ
て、後述する点火時期制御信号及び燃料噴射制限信号、
さらに過給圧コントロールバルブの開閉速度信号などの
制御信号を出力する。
【0016】また、21はエンジン1の排気通路(図示
せず)に設けられた触媒コンバータである。図2に示す
ように、エンジン1には、吸気通路30が設けられ、こ
の吸気通路30には、吸気を加圧供給する過給機31が
設けられている。この過給機31はリショルム型過給機
等の機械式過給機(スーパーチャージャー)であって、
その回転軸端部に設けられたプーリ等の伝動用部分31
aがエンジン出力軸(図示せず)にベルト等を介して連
結されることにより、エンジン出力軸により駆動される
ようになっている。
【0017】吸気通路30における過給機31の上流側
には、アクセルペダルの操作等によって開度が調節され
るスロットル弁32が設けられ、さらに吸気通路30の
上流端側にはエアクリーナ33が配置されている。ま
た、吸気通路30の過給機31の下流には、過給気を冷
却するインタークーラ34が設けられている。このイン
タークーラ34より下流の吸気通路30には、サージタ
ンク35が形成され、このサージタンク35の下流の分
岐吸気通路36がエンジン1の各気筒の吸気ポート(図
示せず)に連なっている。
【0018】上記吸気通路30には、過給機31の下流
側と上流側とを連通するリサーキュレーション通路37
が設けられ、さらにこのリサーキュレーション通路37
には、過給圧コントロールバルブ(ABV)38が設け
られている。この過給圧コントロールバルブ38は、デ
ューティー制御によりその開度及び開閉速度が制御され
る。
【0019】また、10は過給機31の下流側の吸気通
路30に設けられた圧力センサであり、この圧力センサ
10により、過給機31の下流の吸気圧力(ブースト
圧)を検出する。11はアクセル32の開度を検出する
アクセル開度センサ11である。20は上述したスリッ
プ制御手段であり、このスリップ制御手段20には、圧
力センサ10及びアクセル開度センサ11等からの各信
号が入力される。
【0020】図3は、上記過給圧コントロールバルブ3
8のバルブ開度と過給機31の下流の吸気圧力(ブース
ト圧)との関係を示す線図である。この図2に示すよう
に、上記過給圧コントロールバルブ38のバルブ開度
は、圧力センサ10により検出されたブースト圧の値の
大きさに基づき、スリップ制御手段20により制御され
る。すなわち、ブースト圧が低い低負荷領域では過給圧
コントロールバルブ38が全開となり、ブースト圧が大
気圧よりも低い所定圧力Paのところからバルブ開度が
小さくなり始める。そして、ブースト圧が大気圧となる
ところでも過給圧コントロールバルブ38がある程度開
いた半開状態となり、ブースト圧が大気圧よりもかなり
高くなったところで過給圧コントロールバルブ38が略
全閉となるように制御される。さらに、ブースト圧が所
定の高圧力Pb以上となる高負荷領域に達したときは、
過給圧コントロールバルブ38は全閉状態になるように
制御される。ここで、ブースト圧が大気圧以上の領域が
過給領域であり、大気圧未満の領域が非過給領域とな
る。
【0021】このように過給圧コントロールバルブ38
のバルブ開度が制御されることにより、スロットル弁3
2が全閉若しくはこれに近い低負荷領域では、過給圧コ
ントロールバルブ38が開かれることにより、過給機3
1を通った空気がインタークーラー34とリサーキュレ
ーション通路37とに流れる。インタークーラー34を
通った空気は、エンジンに吸入され、一方、余剰の空気
は過給機直下流からリサーキュレーション通路37を通
って過給機上流へリサーキュレートされることにより、
過給機下流圧力と過給機上流圧力との圧力比が小さくな
り、過給機31でのエネルギー損失が小さくなる。
【0022】また、スロットル弁32が次第に開かれる
と、上記ブースト圧が大気圧よりは低い所定圧力Paの
ところから過給圧コントロールバルブ38のバルブ開度
が次第に小さくなる。このように過給圧コントロールバ
ルブ38のバルブ開度が徐々に変化することにより、ス
ロットル開度の変化に対応してトルクがリニアに変化
し、トルクの急変が避けられる。また、ブースト圧が大
気圧を越える過給領域に達しても、ある程度の圧力まで
は過給圧コントロールバルブ38が全閉とならず、適度
に過給気がリサーキュレートされ、過給機でのエネルギ
ーロス低減が図られる。
【0023】過給領域のうちでもブースト圧がかなり高
い領域に至ると、過給圧コントロールバルブ38が略全
閉ないしは完全な全閉状態とされるため、過給機31に
よる過給作用が高められる。以下、スリップ(トラクシ
ョン)制御を実行する制御手段20の内容について具体
的に説明する。
【0024】制御手段20は、各センサからの信号を受
け入れる入力インターフェイスと、CPU、ROM及び
RAMとからなるマイクロコンピュータと、出力インタ
ーフェイスと、イグナイタ及び燃料噴射装置を駆動する
ための駆動回路と、過給機の過給圧コントロールバルブ
38のバルブ開度及び開閉速度を制御するための駆動回
路とを備えている。また、ROMには、スリップ制御に
必要な制御プログラム、各種マップ及びテーブルが設け
られ、RAMには制御を実行するのに必要な各種メモリ
が設けられている。
【0025】図4に示すように、この制御手段20は、
スリップ判定用しきい値の設定手段40、スリップ量の
演算手段41、スリップ判定手段42、エンジン制御用
目標値の設定手段43、エンジン制御レベルの演算手段
44、過給機の過給領域を判定する過給領域判定手段4
5、過給機の過給圧コントロールバルブのバルブ開度制
御用目標値(ABV制御用目標値)の設定手段46及び
エンジン出力のコントロール手段47を備えている。
【0026】以下、スリップ制御手段20を構成する各
手段について、具体的に説明する。 [スリップ判定用しきい値の設定] スリップ判定用しきい値は、スリップ制御を要するか否
かを判定するためのものであり、スリップ制御開始しき
い値とスリップ制御終了しきい値とからなる。スリップ
判定用しきい値設定手段40は、上記各しきい値を、車
体速Vr及び路面摩擦係数(μ)とから、予め設定され
たしきい値マップ(図示せず)により演算して算出す
る。 [スリップ量の演算] スリップ量演算手段41は、左右前輪2FL,2FRの車輪
速VFL,VFRからそれぞれ車体速Vrを減算して両輪の
スリップ量SL,SRを求める。さらに、スリップ量演
算手段41は、上記スリップ量SL,SRに基づいてそ
の平均スリップ量SAvを演算すると共に上記両スリッ
プ量SL,SRのうちの高い方のスリップ量を最高スリ
ップ量SHiとして求める。 [スリップ判定] スリップ判定手段42は、上記最高スリップ量SHiが
スリップ判定用しきい値を越えたときに、スリップ制御
要と判定する。このとき、スリップ判定用しきい値とし
ては、非制御状態の場合はスリップ制御開始しきい値が
使用され、スリップ制御中の場合はスリップ制御終了し
きい値が使用される。 [エンジン制御用目標値の設定] このエンジン制御用目標値(第2スリップ目標量)は、
前輪2FL,2FRのスリップ量として目標とする値であ
り、エンジンの出力トルクを低減させることにより、ス
リップ量をこの目標値以下とすることができる。エンジ
ン制御用目標値の設定手段43は、エンジン制御用目標
値を、車体速Vr及び路面摩擦係数(μ)とから、予め
設定されたエンジン制御用目標値マップ(図示せず)に
より演算して算出する。
【0027】エンジン制御用目標値の設定手段43は、
このエンジン制御用目標値を、後述するように、過給領
域では過給圧コントロールバルブ制御用目標値より大き
い値に設定し、過給領域から非過給領域に移行する際に
上記大きい値から下げて所定の値に設定している(図8
参照)。 [エンジン制御レベルの演算] エンジン制御レベルの演算手段44は、エンジン制御レ
ベル(FC)を、平均スリップ量SAvのエンジン制御
用目標値からの偏差ENと、この偏差の変化率DENと
に基づいて決定し、これに前回値FC(K−1)のフィ
ードバック補正及び初回値補正を加え、「0〜15」の
範囲で設定する。 [過給領域の判定] 過給機の過給領域を判定する過給領域判定手段45は、
上記圧力センサ10により検出された過給機の下流の吸
気圧力であるブースト圧が大気圧以上の場合に過給領域
と判定し、ブースト圧が大気圧未満の場合を非過給領域
と判定する。 [ABV制御用目標値の設定] 過給機の過給圧コントロールバルブのバルブ開度制御用
目標値すなわち第1目標スリップ量(ABV制御用目標
値)も、エンジン制御用目標値と同様に、前輪2FL,2
FRのスリップ量として目標とする値であり、ABV制御
用目標値設定手段46により、車体速Vr及び路面摩擦
係数(μ)とから、予め設定されたABV制御用目標値
マップ(図示せず)により演算して算出する。 [エンジンの出力コントロール] エンジン出力のコントロール45は、エンジン出力を、
以下に説明する点火時期制御及び/又は燃料噴射制限
(燃料カット)によるエンジン制御及び過給圧コントロ
ールバルブの開閉速度制御(ABV制御)により制御す
る。
【0028】−点火時期制御− 点火時期については、図5に示すように、上記制御レベ
ルに応じて点火リタード量を決定し、エンジン出力のト
ルクを抑制する。この場合、図6に示すように、エンジ
ン回転数が高い領域では最大リタード量を制限する。 −燃料噴射制限(燃料カット)− 燃料噴射の制限は、上記制御レベルに基づいて〔表1〕
の燃料カットマップのパターン「0〜12」を選択する
ことにより行う。すなわち、エンジン制御レベルが高く
なるほど数値の高いパターンを選択し、エンジン出力の
トルクをより大きく抑制する。この場合、図7に示すよ
うに、エンジン回転数が低い領域では燃料カットが制限
されるように、各制御レベル毎に燃料カット禁止条件を
付ける。なお、〔表1〕の燃料カットマップ中の×は燃
料噴射カットを意味する。
【0029】
【表1】
【0030】−過給圧コントロールバルブの開閉速度制
御(ABV制御)− 過給領域においは、過給圧コントロールバルブの開閉速
度制御を行うことにより、エンジンの出力トルクを抑制
する。このバルブ開閉速度制御においては、先ず、過給
圧コントロールバルブの開閉制御量の演算を、上記平均
スリップ量SAvとABV制御用目標値とに基づいて行
なう。すなわち、上記過給圧コントロールバルブの開閉
制御量を、平均スリップ量SAvのABV制御用目標値
からの偏差ENと、この偏差の変化率DENとをパラメ
ータとして、〔表2〕に示すABV開閉制御量設定マッ
プにより、算出する。
【0031】
【表2】
【0032】この〔表2〕に示すABV開閉制御量マッ
プにおいて、記号Z0はバルブ開度の保持を表し、Nは
閉動、Pは開動を表す。また、N及びPの添字S,M,
Bは制御量の大きさを表すもので、Sは小(開動量小、
閉動量小)、Nは中(開動量中、閉動量中)、Bは大
(開動量大、閉動量大)の意味であり、同じ添字であれ
ば、開動も閉動も制御量の大きさ自体は同じである。
【0033】次に、このようにして算出されたABV開
閉制御量に基づいて、過給圧コントロールバルブの開閉
速度(単位:%/秒)を〔表3〕に示すバルブ開閉速度
設定マップにより、設定する。なお、過給圧コントロー
ルバルブの全開時が開度100%である。
【0034】
【表3】
【0035】このバルブ開閉速度設定マップにおいて、
バルブ開閉速度は、制御量大の領域において、開動速度
の方が閉動速度よりも大きくなるように、すなわち、P
Bの方がNBよりもバルブ速度が大きく設定され、制御
量中及び制御量小の領域では制御量が同じであれば、閉
動速度と開動速度とは等しくなるように設定される。次
に図8及び図9を参照してスリップ制御の内容を説明す
る。図8は、スリップ制御におけるスリップ制御開始し
きい値、スリップ制御終了しきい値、エンジン制御用目
標値及びABV制御用目標値を示すタイムチャートであ
り、図9は、スリップ制御におけるタイムチャートであ
る。図8及び図9は、過給領域において初回スピンが発
生した場合を示している。
【0036】過給領域において初回スピンが発生した場
合は、先ず、スリップ輪である駆動輪のスリップ量がス
リップ制御開始しきい値を越えた後、エンジン制御及び
ABV制御を行う。この際、すなわち、図8におけるt
1 〜t2 の間の区間においては、エンジン制御用目標値
及びABV制御用目標値を略同一に設定する。これらの
各目標値に基づき、点火時期制御及び/又は燃料噴射制
限によるエンジン制御及び過給コントロールバルブの開
閉速度制御(ABV制御)を実行する。このABV制御
を実行する場合、ABV制御の開始時、すなわち初回ス
ピンが発生した後は、フィードフォワード制御を行う
(図9参照)。このABV制御のフィードフォワード制
御においては、過給圧コントロールバルブのバルブ開度
を最初に最大速度で開側に制御しその後最大速度以下の
所定速度で開側に制御する。このABV制御のフィード
フォワード制御は、駆動輪のスリップ量が所定値以下に
収束した場合に終了する。ABV制御は、その後、本来
のフィードバック制御すなわちABV開閉制御量設定マ
ップ〔表2〕及びバルブ開閉速度設定マップ〔表3〕を
用いたフィードバック制御に戻される。なお、ABV制
御のフィードフォワード制御は、ブースト圧が所定値以
下となった場合若しくは所定時間経過した場合に終了す
るようにしてもよい。
【0037】また、図8におけるt1 〜t2 の間の区間
において、エンジン制御用及びABV制御用の各目標値
を略同一に設定することにより、エンジン制御及びAB
V制御を同時に実行させ、その結果、初回スピンによる
大きなスリップを早期に収束させることができ応答性が
向上する。さらに、ABV制御のフィードフォワード制
御を行うことにより、確実に初回スピンによる大きなス
リップを早期に収束させることができる。
【0038】次に、初回スピンが収束した後の過給領域
において、エンジン制御用目標値を、所定値まで徐々に
増大させるようにしている。また、ABV開閉制御量設
定マップ〔表2〕及びバルブ開閉速度設定マップ〔表
3〕を用いたABVのフィードバック制御を実行する。
エンジン制御用目標値を徐々に増大させることにより、
この領域では、通常の場合、結果的にABV制御のみが
実行されることになる。このため、初回スピンが収束し
た後の過給領域において、駆動輪のスリップを効果的に
収束させることができる。また、この領域において、点
火時期制御及び/又は燃料噴射制限によるエンジン制御
を行わないことにより、以下の効果が生じる。
【0039】すなわち、点火時期制御及び燃料噴射制限
によりエンジンの出力トルクを抑制する場合、過給領域
で、このような点火時期制御による点火時期のリタード
を行うと、燃焼が緩慢になり、排気管内で燃焼が起こる
いわゆる後燃えの状態となり、触媒の温度が著しく上昇
し、また燃料噴射制限による燃料噴射のカットを行う
と、吸気口等に付着していた燃料が燃焼室内の負圧で燃
焼室内に吸引されるが、空燃比が低すぎて燃焼されるこ
となく排気管に送られ、この未燃焼の燃料が、過給下で
の運転により高温になっていた排気管内で、酸化し、触
媒の温度を著しく上昇させてしまうという問題が発生す
る。しかしながら、本実施例によれば、このような初回
スピンが収束した後の過給領域において、エンジン制御
用目標値を大きく設定することにより、点火時期制御及
び/又は燃料噴射制限によるエンジン制御を行わないよ
うにしたため、このような触媒の温度上昇の発生を防止
することができる。
【0040】さらに、エンジン制御用目標値を所定値ま
で徐々に増大させるようにしているため、路面状況若し
くは運転状況により、初回スピンが収束した後さらに大
きなスリップが発生したような場合でも、そのスリップ
量が増大して設定されたエンジン制御用目標値以上であ
れば、ABV制御に加えてエンジン制御がさらに実行さ
れることになり、その結果、初回スピン収束後に発生し
た大きなスリップを速やかに収束させることができる。
【0041】次に、所定値まで増大されたエンジン制御
用目標値を過給領域終了時に一気に低下させる。また、
図8の「a」の破線で示すように、エンジン制御用目標
値を、過給領域が終了する間際に徐々に減少させてもよ
い。そのように過給領域から非過給領域に移行する際
に、エンジン制御用目標値を徐々に減少させるように設
定することにより、過給領域から非過給領域に移行する
際のスリップ制御のつながりを滑らかにすることができ
る。
【0042】次に、非過給領域に移行後は、エンジン制
御のみを行い、過給圧コントロールバルブの開度はその
状態で保持する。このエンジン制御により、駆動輪に発
生したスリップを収束させることができる。このエンジ
ン制御により駆動輪のスリップ量が低下し、エンジン制
御レベル(FC)が「0」となった場合、アクセル開度
に対応して、エンジンの出力が増加する。この場合、過
給領域に移行することがある。
【0043】再度、過給領域に移行した後は、同様に、
エンジン制御用目標値を、所定値まで徐々に増大させる
と共にABV開閉制御量設定マップ〔表2〕及びバルブ
開閉速度設定マップ〔表3〕を用いたABVのフィード
バック制御を実行する。その後、同様な制御を繰り返し
て実行する。その後、駆動輪の最高スリップ量SHi
が、スリップ制御終了しきい値より低下し、その後1〜
3秒経過した場合、スリップ制御を終了する。
【0044】次に図10を参照して、スリップ制御の内
容をさらに具体的に説明する。図10は、本発明の車両
のスリップ制御装置の一実施例によるスリップ制御内容
を示すフローチャートである。図10において、Sは各
ステップを示す。「F=0」は、スリップ制御の非制御
状態を示し、「F=1〜3」は、スリップ制御中である
ことを示し、さらに、「F=1」は、初回スピンが発生
し且つ過給領域であることを示し、「F=2」は、非過
給領域であること示し、「F=3」は、初回スピン発生
後(過給領域と非過給領域の両者を含む)であることを
示す。
【0045】先ず、S1〜S3において、F=1〜3で
はなく、F=0すなわちスリップ制御の非制御状態と判
定した場合には、S4において、スリップ輪である駆動
輪のスリップ量がスリップ制御開始しきい値を越えたか
否か判定する。次に、S5において、過給領域か否かを
判定し、過給領域であれば、S6において、フラグを
「F=1」にセットする。
【0046】次にS7において、上記のエンジン制御用
目標値設定手段43によりエンジン制御用目標値を設定
し、ABV制御用目標値設定手段46によりABV制御
用目標値を設定する。なお、過給領域にて初回スピンが
発生した場合(図9におけるt1 〜t2 の間の区間)に
おいては、エンジン制御用目標値及びABV制御用目標
値を略同一に設定する。
【0047】このように設定された各制御用目標値に基
づき、S8において、上述したように点火時期制御及び
/又は燃料噴射制限によるエンジン制御及び過給コント
ロールバルブの開閉速度制御(ABV制御)を実行す
る。このABV制御を実行する場合、ABV制御の開始
時、すなわち初回スピンが発生した後から所定時間は、
フィードフォワード制御を行う(図9参照)。このAB
V制御のフィードフォワード制御においては、過給圧コ
ントロールバルブのバルブ開度を最初に最大速度で開側
に制御しその後最大速度以下である所定速度で開側に制
御する。このABV制御のフィードフォワード制御は、
駆動輪のスリップ量が所定値以下に収束した場合に終了
する。ABV制御は、その後、本来のフィードバック制
御すなわちABV開閉制御量設定マップ〔表2〕及びバ
ルブ開閉速度設定マップ〔表3〕を用いたフィードバッ
ク制御に戻される。
【0048】本実施例においては、S7において、過給
領域にて初回スピンが発生した場合(図8におけるt1
〜t2 の間の区間)において、エンジン制御用及びAB
V制御用の各目標値を略同一に設定することにより、エ
ンジン制御及びABV制御を同時に実行させ、その結
果、初回スピンによる大きなスリップを早期に収束させ
ることができ応答性を向上させている。さらに、S8に
おいて、ABV制御のフィードフォワード制御を行うこ
とにより、確実に初回スピンによる大きなスリップを早
期に収束させることができる。
【0049】S2において、「F=1」すなわち初回ス
ピンが発生し且つ過給領域であると判定された場合は、
S9において、初回スピンが収束したか否かを判定し、
初回スピンが収束したと判定された場合には、S10に
進む。S10においては、図9に示すように、エンジン
制御用目標値を、所定値まで徐々に増大させるようにし
ている。また、ABV開閉制御量設定マップ〔表2〕及
びバルブ開閉速度設定マップ〔表3〕を用いたABVの
フィードバック制御を実行する。その後、S11におい
て、フラグを「F=3」にセットする。
【0050】本実施例においては、このように初回スピ
ンが収束した後の過給領域において、エンジン制御用目
標値を徐々に増大させるようにしている。この結果、こ
の領域では、通常の場合、結果的にABV制御のみが実
行されることになる。このため、初回スピンが収束した
後の過給領域において、駆動輪のスリップを効果的に収
束させることができる。また、この領域において、点火
時期制御及び/又は燃料噴射制限によるエンジン制御を
行わないことにより、触媒の温度上昇の発生を防止する
ことができる。
【0051】さらに、S10において、エンジン制御用
目標値を所定値まで徐々に増大させるようにしているた
め、路面状況若しくは運転状況により、初回スピンが収
束した後さらに大きなスリップが発生したような場合で
も、そのスリップ量が増大して設定されたエンジン制御
用目標値以上であれば、ABV制御に加えてエンジン制
御がさらに実行されることになり、その結果、初回スピ
ン収束後に発生した大きなスリップを速やかに収束させ
ることができる。
【0052】S1において、「F=3」すなわち初回ス
ピン発生後であると判定された場合は、S12におい
て、スリップ(トラクション)制御が終了したか否かを
判定しする。スリップ制御が終了したか否かの判定は、
上記の最高スリップ量SHiがスリップ制御終了しきい
値より低下しその後1〜3秒経過した場合、スリップ制
御が終了したと判定する。
【0053】スリップ制御が終了していなければ、S1
3に進み、ブースト圧の値により、非過給領域に入る直
前の領域か否かを判定する。非過給領域に入る直前の領
域であると判定された場合には、S14において、S1
0において所定値まで増大されたエンジン制御用目標値
を過給領域終了時に一気に低下させるようにしている。
この時、図8の「a」の破線で示すように、エンジン制
御用目標値を、過給領域が終了する間際に徐々に減少さ
せるように設定してもよい。そのように過給領域から非
過給領域に移行する際に、エンジン制御用目標値を徐々
に減少させるように設定することにより、過給領域から
非過給領域に移行する際のスリップ制御のつながりを滑
らかにすることができる。その後、S15において、フ
ラグを「F=2」にセットする。
【0054】S3において、「F=2」すなわち非過給
領域であると判定された場合には、S16において、ス
リップ(トラクション)制御が終了したか否かを判定
し、終了していなければ、S17に進み、過給領域か否
かを判定する。非過給領域の場合は、S18に進み、図
10に示すように、エンジン制御のみを行い、過給圧コ
ントロールバルブの開度はその状態で保持される。この
エンジン制御により、駆動輪に発生したスリップを収束
させることができる。
【0055】S17において、過給領域であると判定さ
れた場合は、S19に進み、このS10と同様に、図9
に示すように、エンジン制御用目標値を、所定値まで徐
々に増大させると共にABV開閉制御量設定マップ〔表
2〕及びバルブ開閉速度設定マップ〔表3〕を用いたA
BVのフィードバック制御を実行する。その後、S20
において、フラグを「F=3」にセットする。
【0056】S12及びS16において、スリップ制御
が終了していると判定された場合には、S21に進み、
フラグを「F=0」にセットする。S5において、非過
給領域であると判定された場合、すなわち初回スピンが
過給領域で発生した場合(図示せず)は、S22に進
む。このS22において、S18と同様に、エンジン制
御のみを行い、過給圧コントロールバルブの開度はその
状態で保持される。このエンジン制御により、駆動輪に
発生したスリップを収束させることができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
出力トルク抑制手段が、駆動輪のスリップ開始時に過給
圧コントロールバルブにより制御すると共にエンジン出
力を制御してエンジンの出力トルクを抑制するようにし
ているため、初回スピンにより生じる大きなスリップを
早期に且つ確実に収束させることができる。さらに、過
給領域では、エンジン出力の制御を所定の条件の下で制
限しているため、過給領域でエンジン出力制御を行うこ
とにより生じる触媒の温度上昇を防止することができ
る。
【0058】本発明において、エンジン制御用目標値設
定手段が、エンジン制御用目標値を、スリップ開始時に
は過給圧コントロールバルブ制御用目標値と略同一に設
定することにより、初回スピン発生時には、エンジ出力
の制御及び機械式過給機の過給圧の過給圧コントロール
バルブによる制御が同時に実行され、その結果、初回ス
ピンにより生じる大きなスリップを早期に且つ確実に収
束させることができる。さらに、その後、過給領域にお
いて徐々に所定値まで増大させることにより、エンジ出
力の制御が制限される。それにより、過給領域でエンジ
ン出力制御を行うことにより生じる触媒の温度上昇を防
止することができる。
【0059】また、本発明においては、出力トルク抑制
手段が、駆動輪のスリップ開始時に、過給圧コントロー
ルバルブを最大速度で開側へフィードフォワード制御す
るため、確実に初回スピンによる大きなスリップを早期
に収束させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両のスリップ制御装置の一実施例を
示す全体構成図である。
【図2】図1の機械式過給機を含む吸気装置を示す詳細
構成図である。
【図3】過給圧コントロールバルブのバルブ開度と過給
機吸気圧力(ブースト圧)との関係を示す線図である。
【図4】本発明のスリップ制御手段を構成する各手段を
示すブロック図である。
【図5】点火リタード量とエンジン制御レベル(FC)
との関係を示す線図である。
【図6】点火リタード量とエンジン回転数(rpm)と
の関係を示す線図である。
【図7】エンジン回転数(rpm)とエンジン制御レベ
ル(FC)との関係を示す線図である。
【図8】本発明の車両のスリップ制御装置の一実施例に
よるスリップ制御におけるスリップ制御開始しきい値、
スリップ制御終了しきい値、エンジン制御用目標値及び
ABV制御用目標値を示すタイムチャートである。
【図9】本発明の車両のスリップ制御装置の一実施例に
よるスリップ制御の内容を示すタイムチャートである。
【図10】本発明の車両のスリップ制御装置の一実施例
によるスリップ制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2FL, 2FR 駆動輪 2RL, 2RR 従動輪 VFL, VFR,VRL,VRR 車輪速 Vr 車体速 1 エンジン 7 車体速検出センサ 8 路面μセンサ8 9 エンジン回転数検出センサ 10 圧力センサ 11 アクセル開度センサ 20 スリップ制御手段 21 触媒コンバータ 31 機械式過給機 37 リサーキュレーション通路 38 過給圧コントロールバルブ(ABV) 40 スリップ判定用しきい値の設定手段 41 スリップ量の演算手段 42 スリップ判定手段 43 エンジン制御用目標値の設定手段 44 エンジン制御レベルの演算手段 45 過給領域判定手段 46 ABV制御用目標値の設定手段 47 エンジン出力のコントロール手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02D 43/00 301H 301R (56)参考文献 特開 昭61−178525(JP,A) 特開 昭63−90619(JP,A) 特開 昭61−226521(JP,A) 特開 平3−253747(JP,A) 特開 昭61−237829(JP,A) 特開 平2−16342(JP,A) 特開 平4−64768(JP,A) 実開 平2−80728(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/02 B60K 28/16 F02B 33/00 F02D 23/00 F02D 43/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸気通路に設けられ過給圧コ
    ントロールバルブにより過給圧を制御することができる
    過給機と、 前記過給圧コントロールバルブの作動を制御するバルブ
    制御手段と、 エンジンの点火時期を制御する点火時期制御手段と、 エンジンへの燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段
    と、 エンジンの吸気状態が過給状態であるか非過給状態であ
    るかを検出する過給状態検出手段と、 駆動輪および従動輪の回転速度を検出する車輪速検出手
    段と、 該車輪速検出手段の検出結果に基づき、前記駆動輪のス
    リップ量を検出するスリップ量検出手段と、 前記車輪速検出手段の検出結果に基づき、前記バルブ制
    御による目標スリップ量である第1目標スリップ量を設
    定する第1目標スリップ量設定手段と、 前記車輪速検出手段の検出結果に基づき、前記点火時期
    制御および燃料噴射量制御の少なくとも一方における目
    標スリップ量である第2目標スリップ量を設定する第2
    目標スリップ量設定手段であって、前記駆動輪のスリッ
    プ量がスリップ制御終了しきい値より大きく且つ過給状
    態にあることが検出されたときには、該検出時から所定
    時間経過後まで、前記第2目標スリップ量を前記第1目
    標スリップ量と略同一に設定し、前記所定時間経過後は
    前記第1目標スリップ量より大きくなるように前記第2
    目標スリップ量を増大させる第2目標スリップ量設定手
    段と、 前記駆動輪のスリップ量がスリップ制御終了しきい値よ
    り大きいときには、前記駆動輪のスリップ量が上記第1
    目標スリップ量になるにように前記バルブ制御手段を作
    動させるとともに、前記駆動輪のスリップ量が上記第2
    目標スリップ量になるように前記点火時期制御手段およ
    び燃料噴射量制御手段の少なくとも一方を作動させるト
    ルク制御を行う出力トルク制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両のスリップ制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記出力トルク制御手段は、前記トルク
    制御の開始時には、前記過給圧コントロールバルブを最
    大速度で作動させるフィードフォワード制御が行われる
    ように前記バルブ制御手段を作動させる、請求項1に記
    載の車両のスリップ制御装置。
  3. 【請求項3】 上記出力トルク抑制手段は、駆動輪のス
    リップ量が所定のしきい値以下に収束したとき、過給圧
    が所定値以下となったとき、または、所定時間経過した
    ときに、前記フィードフォワード制御を停止し、前記第
    1目標スリップ量と駆動輪のスリップ量の偏差に基づい
    て設定された制御量および制御速度で前記過給圧コント
    ロールバルブが作動させられるように前記バルブ制御手
    段を作動させる、請求項2に記載の車両のスリップ制御
    装置。
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