JP3326966B2 - 導電性ロール - Google Patents

導電性ロール

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JP3326966B2
JP3326966B2 JP13002994A JP13002994A JP3326966B2 JP 3326966 B2 JP3326966 B2 JP 3326966B2 JP 13002994 A JP13002994 A JP 13002994A JP 13002994 A JP13002994 A JP 13002994A JP 3326966 B2 JP3326966 B2 JP 3326966B2
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conductive
roll
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softener
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紀雄 神原
明彦 加地
均 吉川
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Sumitomo Riko Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、電子写真方式を利用した複写機
やプリンターにおいて、帯電ロールや現像ロール等とし
て好適に用いられる導電性ロールに関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、電子写真方式を利用した複写機
やプリンター等においては、各種の導電性ロールが使用
されている。例えば、複写機では、図5に示される如
く、感光体(ドラム)36の表面を帯電させる帯電ロー
ル38、露光機構部40にて感光体36表面に形成され
た静電潜像に対応するトナー像を形成する現像ロール4
2、かかるトナー像を複写紙44に転写する転写機構部
46、そして転写後、クリーニング部48において、感
光体36表面の転写残像や残存トナーを除去するクリー
ニングロール50等が、導電性ロールとして用いられて
いるのである。なお、図5中、52は、複写紙44に転
写されたトナー像を定着させる定着ロールであり、また
54は給紙ロール、56はイレーザーランプである。
【0003】ところで、それらの導電性ロールに要求さ
れる特性として、(a)硬度が低く、感材接触性に優れ
ていること、(b)感材汚染性が無いこと、(c)電気
抵抗が適正な範囲に制御されていること、(d)粘着性
が小さいこと等が挙げられるが、これらの要求特性を全
べて満足せしめ得るものとしては、特開平2−3118
68号公報に開示される如きものが知られている。即
ち、かかる公報に開示の導電性ロールにあっては、所定
の導電性軸体の外周面上に、導電性弾性体層(基層)、
軟化剤移行防止層、抵抗調整層、保護層が、順次、積層
形成されて、構成されており、それによって、上記
(a)〜(d)の特性が、有利に付与せしめられ得るよ
うになっているのである。
【0004】一方、前述の如き各種の導電性ロールのう
ち、特に帯電ロールや現像ロールにあっては、ロールの
回転の駆動トルクを低減させるために、また感光体表面
を均一に帯電させる上で、或いは該表面にトナーを均一
に付着させて、良好なトナー像を形成せしめる上で、よ
り優れた感材接触性が求められており、その点から、か
かる特性を左右する基層の硬度(Hs :JIS A)が
20度以下といった超低硬度に調整されていることが、
望まれている。
【0005】そのため、前記公報に開示された導電性ロ
ールにあっては、特に帯電ロールや現像ロールとして用
いられる場合、基層を構成する弾性体材料に対して、多
量の軟化剤が添加、配合せしめられて、その超低硬度化
が図られ得るようになっている。
【0006】しかしながら、かかる導電性ロールにおい
ては、基層内部における軟化剤の含有量の増加に伴っ
て、圧縮永久歪みも増大してしまうことが避けられなか
った。それ故、そのような従来の導電性ロールにおい
て、基層内部に軟化剤が多量に含有せしめられてなるも
のにあっては、感光体への長期圧接等により、該感光体
との接触部に歪み変形が残留してしまい、それによって
感材接触性が低下し、その結果、画像に白抜けが発生す
る、所謂画像ムラが惹起せしめられる恐れがあったので
ある。
【0007】なお、軟化剤の配合量を増加せしめること
なく、基層の硬度を低下させるには、該基層を導電性を
有する発泡性の弾性体材料にて構成することが考えられ
るが、そうすると、かかる基層表面における気泡の存在
によって、ロール表面の平滑性が損なわれるばかりでな
く、その製造工程において、所定の金型を使用した発泡
作業が強いられ、それが、設備面、作業面の両面に対し
て、多大な負荷を与えることとなって、工業上、現実的
な対策とはなっていないのである。
【0008】そこで、これらの問題を解消するために、
本発明者らが、かかる基層を与える弾性体材料として、
両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオールとポリイ
ソシアネートとの液状混合物を用い、これを反応せしめ
て得られる硬化物(ポリウレタンゴム)により基層を形
成して、目的とする導電性ロールを構成したところ、基
層内部における軟化剤の含有量の増加に伴う圧縮永久歪
みの増大が効果的に抑制され得ることが確認された。し
かしながら、かくの如き液状混合物においては、導電剤
が添加せしめられると、粘度が上昇して、加工性が著し
く損なわれ、その結果、基層、ひいては導電性ロールの
製作性が極端に低下してしまうことが明らかとなったの
である。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、超低硬度で、圧縮永久歪みが小さく、しか
も加工性に優れた基層を有し、以て高度なロール性能と
優れた製作性が共に良好に発揮され得る導電性ロールを
提供することにある。
【0010】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、導電性軸体の外周面上に、弾性体よりな
る基層が設けられ、更に該基層の外周面上に、導電性を
有するコート層が設けられてなる導電性ロールにおい
て、前記基層が、両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポ
リオールとポリイソシアネートとの反応硬化物から構成
されていると共に、石油系軟化剤を、該両末端水酸基含
有ポリオレフィン系ポリオール100重量部に対して6
0重量部以上の割合で含有し、硬度(Hs:JIS
A)が20度以下とされている一方、前記コート層が、
前記導電性軸体に電気的に接続せしめられていること
を、その特徴とするものである。
【0011】なお、かかる本発明に従う導電性ロールの
好ましい態様によれば、前記石油系軟化剤が、パラフィ
ン系オイルにて、構成されることとなる。
【0012】また、本発明の望ましい態様の一つによれ
ば、前記コート層が、ロール径方向において内側から外
側に順次積層されてなる、軟化剤移行防止層と抵抗調整
層と保護層とから構成され、且つ該軟化剤移行防止層
が、前記導電性軸体に電気的に接続せしめられると共
に、該軟化剤移行防止層が、N−メトキシメチル化ナイ
ロンに電子導電剤を配合せしめてなる組成物により形成
され、また該抵抗調整層が、エピクロルヒドリン−エチ
レンオキサイド共重合ゴム、エピクロルヒドリンゴム、
水添ニトリルゴム、アクリルゴムのうちの何れか一種と
イオン導電剤とを主体とする組成物、若しくはエピクロ
ルヒドリンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、ア
クリルゴムのうちの何れか一種とエピクロルヒドリン−
エチレンオキサイド共重合ゴムとイオン導電剤とを主体
とする組成物を用いて形成され、更に該保護層が、N−
メトキシメチル化ナイロンにイオン導電剤及び/又は電
子導電剤を配合せしめてなる組成物より形成されること
となる。
【0013】さらに、本発明の有利な態様の一つによれ
ば、前記コート層が、アミノ樹脂で架橋されたポリウレ
タン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エ
ラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーのう
ちの何れか一種、若しくはフッ素系ゴム、フッ素系樹
脂、シリコンゴムのうちの何れか一種と電子導電剤とを
主体とする組成物にて形成される保護層により、構成さ
れる。
【0014】更にまた、本発明の好ましい態様の一つに
よれば、前記コート層が、前記基層上に設けられた軟化
剤移行防止層と該軟化剤移行防止層上に形成された保護
層とから構成され、且つそれら軟化剤移行防止層と保護
層の何れか一方が前記導電性軸体に電気的に接続せしめ
られると共に、該軟化剤移行防止層が、N−メトキシメ
チル化ナイロンに電子導電剤を配合せしめてなる組成物
により形成され、更に該保護層が、アミノ樹脂で架橋さ
れたポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド
系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラ
ストマーのうちの何れか一種、若しくはフッ素系ゴム、
フッ素系樹脂、シリコンゴムのうちの何れか一種と、電
子導電剤とを、主体とする組成物にて形成されることと
なる。
【0015】
【作用・効果】このように、本発明に従う導電性ロール
にあっては、軸体の外周面上に設けられる基層が、両末
端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオールとポリイソシ
アネートとの反応硬化物から構成されていることから、
軟化剤の含有量の増加に伴う圧縮永久歪みの増大が効果
的に抑制され得るのであり、また、かかる硬化物が石油
系軟化剤を、該両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリ
オール100重量部に対して60重量部以上の割合で含
有し、硬度(Hs :JIS A)が20度以下とされて
いることから、その超低硬度化が有利に図られ得るので
ある。しかも、かかる導電性ロールにおいては、そのよ
うな基層の外周面上に設けられるコート層が、前記導電
性軸体に電気的に接続せしめられていることから、該基
層が絶縁性とされていても何等差し支えないのであり、
そのため、そのような基層の形成材料に導電剤を添加す
る必要が皆無となり、その結果、導電剤の添加によって
基層形成材料の粘度が上昇するといった、従来のものに
おける如き問題が効果的に解消され得るのである。
【0016】従って、本発明に係る導電性ロールにあっ
ては、圧縮永久歪みが何等増大せしめられることなく、
超低硬度化が効果的に実現され得て、感材接触性がより
有効に高められ得、それにより帯電ロールや現像ロール
等として使用された場合において、帯電性能やトナー付
着に対する信頼性が有利に高められ得て、優れたロール
性能が発揮され得ると共に、感光体との接触部における
残留歪みに起因する画像ムラ等の発生が極めて効果的に
防止され得るのであり、更には、基層形成材料における
加工性が有効に高められ得、以て基層、ひいては導電性
ロール自体の製作性が、従来のものに比して、飛躍的に
向上され得ることとなるのである。
【0017】また、かかる導電性ロールにおいて、基層
中に含まれる石油系軟化剤がパラフィン系オイルにて構
成される場合には、該パラフィン系オイルがオレフィン
系の合成ゴムに対して極めて良好な相溶性を有すること
から、両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオールと
ポリイソシアネートとの反応硬化物からなる基層に対し
て、多量配合が可能となると共に、かかる基層中からの
軟化剤のロール表面への移行が有効に回避乃至は抑制さ
れ得、以て感材汚染性が効果的に小さくせしめられ得る
のである。
【0018】さらに、かかる導電性ロールにおいて、前
記コート層が、ロール径方向において内側から外側に順
次積層されてなる、軟化剤移行防止層と抵抗調整層と保
護層とから構成され、且つ該軟化剤移行防止層が、前記
導電性軸体に電気的に接続せしめられると共に、該軟化
剤移行防止層が、N−メトキシメチル化ナイロンに電子
導電剤を配合せしめてなる組成物により形成され、また
該抵抗調整層が、エピクロルヒドリン−エチレンオキサ
イド共重合ゴム、エピクロルヒドリンゴム、水添ニトリ
ルゴム、アクリルゴムのうちの何れか一種とイオン導電
剤とを主体とする組成物、若しくはエピクロルヒドリン
ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴム
のうちの何れか一種とエピクロルヒドリン−エチレンオ
キサイド共重合ゴムとイオン導電剤とを主体とする組成
物を用いて形成され、更に該保護層が、N−メトキシメ
チル化ナイロンにイオン導電剤及び/又は電子導電剤を
配合せしめてなる組成物より形成される場合には、該軟
化剤移行防止層を通じて、該抵抗調整層や保護層への通
電状態が有利に確保され得ると共に、かかる軟化剤移行
防止層によって、基層内部からロール表面への軟化剤等
の移行を防止するバリア効果が有利に発揮され得て、ブ
リード現象の発生が有効に防止され得、以て感光体の汚
染が効果的に防止され得るのであり、また該抵抗調整層
によって、電気抵抗の均一化が有効に図られ得ると共
に、それが長期間効果的に維持され得、以て優れた耐電
圧性(耐リーク性)が、より長期にわたって、安定的に
確保され得るのであり、更に該保護層によって、押圧、
接触せしめられる感光体に対する固着(粘着)が有利に
防止され得ることとなるのである。
【0019】更にまた、かかる導電性ロールにおいて、
前記コート層が、アミノ樹脂で架橋されたポリウレタン
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーのうちの
何れか一種、若しくはフッ素系ゴム、フッ素系樹脂、シ
リコンゴムのうちの何れか一種と電子導電剤とを主体と
する組成物にて形成される保護層により、構成される場
合には、それら各種のエラストマー、合成ゴム、合成樹
脂の有する低摩擦係数や非粘着性等の特性によって、感
光体に対する固着(粘着)が良好に防止され得ると共
に、ロール表面へのトナーの付着が効果的に減少せしめ
られ得ることとなる。
【0020】また、かかる導電性ロールにおいて、前記
コート層が、前記基層上に設けられた軟化剤移行防止層
と該軟化剤移行防止層上に形成された保護層とから構成
され、且つそれら軟化剤移行防止層と保護層の何れか一
方が前記導電性軸体に電気的に接続せしめられると共
に、該軟化剤移行防止層が、N−メトキシメチル化ナイ
ロンに電子導電剤を配合せしめてなる組成物により形成
され、更に該保護層が、アミノ樹脂で架橋されたポリウ
レタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性
エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの
うちの何れか一種、若しくはフッ素系ゴム、フッ素系樹
脂、シリコンゴムのうちの何れか一種と、電子導電剤と
を、主体とする組成物にて形成される場合には、前記導
電性軸体に電気的に接続せしめられる軟化剤移行防止層
と保護層の何れか一方を通じて、他方への通電状態が有
利に確保され得るのであり、また該軟化剤移行防止層に
よって、基層内部からの軟化剤等の移行に起因する感光
体の汚染の防止が、効果的に達成され得るのであり、更
に該保護層によって、感光体に対する固着やロール表面
へのトナーの付着が有効に防止乃至は抑制され得るので
ある。
【0021】
【具体的構成】ところで、図1には、本発明に従う構造
を有する導電性ロールの一例が示されている。かかる図
からも明らかなように、この導電性ロール10は、金属
製の導電性軸体12の外周面上に、所定の厚みを有する
基層14が設けられ、また該基層14の外周面上に、内
側から順に、軟化剤移行防止層16、抵抗調整層18、
保護層20が、それぞれ、コーティングにより、所定厚
さで形成されて、構成されている。
【0022】より具体的には、基層14は、弾性体より
なっている。そして、この弾性体を与える弾性体材料と
しては、両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオール
とポリイソシアネートとの反応硬化物(ポリウレタンゴ
ム)からなる組成物が用いられる。なお、この両末端水
酸基含有ポリオレフィン系ポリオールとしては、例え
ば、両末端に官能基として水酸基を有する、液状ポリイ
ソプレン、液状ポリブタジエン、及びそれらの共重合物
等において、その一部または全部の二重結合に水素添加
して、オレフィン化したものが用いられ、またその中で
も、一般的には、その分子量が1000〜4000程度
のものが好適に用いられ、通常では、2500程度のも
のが使用されることとなる。一方、ポリイソシアネート
としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TD
I)、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、メタ
キシリレンジイソシアネート(MXDI)、ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネ
ート(LDI)、水素化TDI、水素化MDI、水素化
XDI、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMD
I)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)等、従来
より公知のものが何れも使用され得るが、それらの中で
も、ポリオールとの反応により得られる硬化物(ポリウ
レタンゴム)の硬化速度や加工性等の面から、IPDI
が、特に好適に使用される。
【0023】そして、そのような両末端水酸基含有ポリ
オレフィン系ポリオールとポリイソシアネートとが、当
量比で、好ましくはNCO/OH=0.8〜1.2、よ
り好ましくはNCO/OH=0.95〜1.1程度とな
る範囲内で用いられるのである。何故なら、それら両成
分が、上記の如き範囲外にて用いられる場合には、得ら
れる硬化物の粘着性が増し、導電性ロール10の基層1
4の構成材料として、実用に供され得なくなってしまう
といった不具合が生ずるからである。
【0024】また、そのような特定のポリウレタンゴム
組成物にあっては、石油系軟化剤が、前記両末端水酸基
含有ポリオレフィン系ポリオールの100重量部に対し
て60重量部以上の割合となる量にて配合されて、20
度以下の硬度(Hs :JISA)を有する基層14が与
えられるように調整されていなければならない。けだ
し、石油系軟化剤が上述の如く多量に含まれてなるポリ
ウレタンゴム組成物を用いて、超低硬度の基層14を形
成して、初めて、本発明の目的が有利に達成され得るか
らである。また、そのような石油系軟化剤としては、例
えば、ナフテン系オイル、アロマ系オイル、パラフィン
系オイル等、ゴムの軟化剤として、従来より使用される
ものが何れも有利に用いられ得るが、その中でも、パラ
フィン系オイルが、特に好適に使用され得ることとな
る。それによって、前述の如き効果が有効に享受され得
るのである。なお、このパラフィン系オイルの種類も何
等限定されるものではないことは、勿論である。
【0025】そして、かかるポリウレタンゴム組成物に
は、更に、従来より公知の各種の配合剤や添加剤等が、
必要に応じて、通常の配合比率をもって、添加、混合せ
しめられることとなる。
【0026】一方、かくの如き基層14の外周面上に設
けられる軟化剤移行防止層16は、従来から用いられて
いる材料にて形成され得るものであるが、好ましくはN
−メトキシメチル化ナイロンに、電子導電剤が配合され
てなる樹脂組成物により形成されることとなる。なお、
かかる樹脂組成物においては、その主成分たるN−メト
キシメチル化ナイロンとして、従来より公知のものが用
いられ、また電子導電剤としても、従来より一般に使用
されるもの、例えば導電性酸化スズ、導電性酸化チタ
ン、導電性酸化亜鉛等の導電性金属酸化物やカーボンブ
ラック等が使用され、それらが、形成される軟化剤移行
防止層16の体積抵抗率が102 〜107Ωcm程度に調
整され得る量にて、配合せしめられるのである。更に、
そのような軟化剤移行防止層16の形成材料たる樹脂組
成物には、一般に使用される各種の配合剤等が、適宜に
配合せしめられることとなる。
【0027】また、前記抵抗調整層18も、従来より使
用される材料にて形成され得るが、望ましくは、エピク
ロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴムの
うちの何れか一種に、イオン導電剤が配合されてなるゴ
ム組成物、若しくはエピクロルヒドリンゴム、ニトリル
ゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴムのうちの何れか
一種とエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合
ゴムとの混合物に対して、イオン導電剤が配合されてな
るゴム組成物により形成されることとなる。なお、ここ
で用いられるイオン導電剤も、従来より公知のもの、例
えば脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル
塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエ
チレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール
エチレンオキサイド付加燐酸エステル塩、高級アルコー
ルエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ベタイン等
が、何れも使用され得、特に好適には、トリメチルオク
タデシルアンモニウムパークロレート、ベンジルトリメ
チルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩
や、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム等が用いられ
得る。そして、それらが、形成される抵抗調整層18の
体積抵抗率が107 〜1010Ωcm、好ましくは108 Ω
cm程度に調整され得る量にて、上述の如き各種の合成ゴ
ムに配合せしめられるのである。また、そのような抵抗
調整層18を与えるゴム組成物においても、従来より公
知の加硫剤等の各種配合剤や添加剤等が、必要に応じ
て、通常の比率をもって、配合せしめられることとな
る。
【0028】さらに、前記保護層20は、有利には、前
記軟化剤移行防止層16の形成材料と同様な、N−メト
キシメチル化ナイロンを主成分とする樹脂組成物によっ
て形成されることとなるが、この樹脂組成物において
は、導電剤として、前述の如き電子導電剤のみばかりで
なく、イオン導電剤も用いられ得る。即ち、そのような
樹脂組成物に対して、電子導電剤とイオン導電剤が、そ
れぞれ単独で、若しくはそれらが組み合わされて、使用
され得るのであり、それらが、好ましくは形成される保
護層20の体積抵抗率が107 〜1010Ωcm程度に調整
され得る量にて、配合せしめられるのである。なお、こ
こで使用されるイオン導電剤も特に限定されるものでは
なく、前述の如き公知のものが何れも使用され得る。ま
た、この保護層20を与える樹脂組成物においても、一
般に使用される各種の配合剤等が適宜に配合せしめられ
得ることは、言うまでもない。
【0029】そして、かくの如き構成とされた導電性ロ
ール10にあっては、図1からも明らかなように、特に
軟化剤移行防止層16におけるロール軸方向の両端部
に、前記導電性軸体12に向かって延び、先端部が前記
導電性軸体12に接触せしめられてなる接続部22,2
2が一体的に設けられている。これによって、かかる導
電性ロール10において、該軟化剤移行防止層16が、
該導電性軸体12に対して電気的に接続せしめられ得
て、該軟化剤移行防止層16を通じて、前記抵抗調整層
18と保護層20の通電状態が有効に確保され得るよう
になっているのである。
【0030】また、このような導電性ロール10におい
て、基層14の硬度(Hs :JISA)が10度以下に
調整されたものにあっては、感材接触性がより向上せし
められ得て、感光体に対する帯電性能が更に効果的に高
められ得、以て帯電ロールとして、特に好適に使用され
得ることとなるのである。
【0031】なお、かかる導電性ロール10にあって
は、抵抗調整層18及び保護層20が、ロール軸方向に
則した幅において、それぞれ基層14のそれと略同一と
なるように形成されていたが、図2に示される如く、軟
化剤移行防止層16のロール軸方向に則した幅と略同一
となるように、換言すれば、それら抵抗調整層18及び
保護層20を、ロール軸方向の両端面において、軟化剤
移行防止層16のロール軸方向の両端部に一体的に設け
られた接続部22,22の各端面と略面一となるよう
に、形成することも可能である。
【0032】また、かかる導電性ロール10において
は、そのような接続部22,22によって、該軟化剤移
行防止層16と前記導電性軸体12との電気的な接続手
段が構成されていたが、かかる接続手段は、かくの如き
一体的なものに決して限定されるものではなく、それら
軟化剤移行防止層16と導電性軸体12とが電気的に導
通され得るものであれば、別部材として形成されていて
も、何等差し支えないのである。
【0033】ところで、図1に示される如き導電性ロー
ル10は、有利には、以下の如くして、作製されること
となる。
【0034】すなわち、先ず、両末端水酸基含有ポリオ
レフィン系ポリオールと石油系軟化剤とを混合せしめ、
更に、必要に応じて各種の配合剤を配合して、混合液を
得、その後かくして得られた混合液に所定のポリイソシ
アネートを添加して、混合した後、真空脱泡して、基層
14の形成材料たる両末端水酸基含有ポリオレフィン系
ポリオールとポリイソシアネートとを主体とする基層形
成用組成物を得る。なお、そのような混合液に対するポ
リイソシアネートの添加は、それによって得られる組成
物の、後述する円筒状金型への注入の直前に実施される
ことが、望ましい。
【0035】次いで、予め外周面上に導電性の接着剤が
塗布されて、接着処理された導電性軸体12を、従来と
同様な構造とされた円筒状金型の成形キャビティ内に配
置せしめた後、かかる成形キャビティ内に、前述の如く
して得られた基層形成用組成物を注入する。その後、こ
れを加熱し、かかる基層形成用組成物を反応硬化させ
て、軸体12の外周面上に基層14が一体的に形成され
てなるベースロールを得る。なお、この加熱による基層
形成用組成物の硬化操作においては、硬化温度や時間等
の条件が特に限定されるものではないが、一般的に、8
0℃で3時間、或いは100℃以上で0.5時間の条件
にて実施されるものであり、また室温にて実施する場合
には、48時間の硬化時間を必要とする。
【0036】そして、そのようなベースロールの作製の
後に、若しくはそれに先立って、前述の如き形成材料を
用いて、軟化剤移行防止層16、抵抗調整層18、保護
層20を与えるコーティング液を、従来と同様にして、
それぞれ準備する。その後、それらのコーティング液と
前記ベースロールとを用いて、ディッピング等の公知の
コーティング手法により、基層14の外周面上に、上記
3つの層を、順次、積層、形成する。また、特に軟化剤
移行防止層16を形成する際には、該軟化剤移行防止層
16を与えるコーティング液を基層14におけるロール
軸方向の両端面上にも塗布して、該基層14から前記導
電性軸体12に向かって一体的に延び出し、端部が導電
性軸体12に接触せしめられた接続部22,22をそれ
ぞれ形成せしめる。これによって、目的とする導電性ロ
ール10を得るのである。
【0037】なお、かかる導電性ロール10の各層の厚
みは、その用途等によって、適宜に決定されるところで
あるが、通常、基層14は2〜6mm程度の厚さで形成さ
れ、軟化剤移行防止層16は1〜10μm程度の厚さで
形成される。また、抵抗調整層18は20〜200μm
程度の厚さで、更に保護層20は1〜20μm程度の厚
さで、形成されることとなる。そして、例えば帯電ロー
ルとして具体化する場合には、基層14は3mm程度の厚
さで、軟化剤移行防止層16は5μm程度の厚さで、抵
抗調整層18は100μm程度の厚さで、保護層20は
10μm程度の厚さで、それぞれ形成されるのである。
【0038】次に、図3には、本発明に従う導電性ロー
ルの別の例が示されている。かかる図3において、導電
性ロール24は、金属製の導電性軸体26の外周面上
に、所定の厚みを有する基層28が設けられ、また該基
層28の外周面上に、軟化剤移行防止層30と保護層3
2とが、順次、コーティングにより、所定厚さで形成さ
れて、構成されている。
【0039】そして、この導電性ロール24を構成する
基層28及び軟化剤移行防止層30は、前記導電性ロー
ル10の基層14及び軟化剤移行防止層16と同様な材
料にて形成されている。一方、保護層32は、アミノ樹
脂で架橋されたポリウレタン系熱可塑性エラストマー
(TPU)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TP
EA)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPE
E)のうちの何れか一種、若しくはフッ素系ゴム、フッ
素系樹脂、シリコンゴムのうちの何れか一種に、電子導
電剤が配合せしめられてなる組成物によって、形成され
ている。
【0040】より詳細には、かかる保護層32を与える
組成物の主成分たる上記エラストマー、合成ゴム、合成
樹脂としては、何れも、公知の各種のものが何れも使用
され得る。例えば、TPUやTPEEとしてはエーテル
系、エステル系等の各種のものが、またTPEAとして
はN−メトキシメチル化ナイロン等が、更にフッ素系ゴ
ムとしては各種のフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーや
液状フッ素ゴム等が用いられ得る。また、フッ素系樹脂
としてはPVDF等が、更にシリコーンゴムとしては液
状シリコーンゴム等が、それぞれ用いられ得る。また、
各エラストマー、即ちTPU、TPEA、TPEE等の
架橋に用いられるアミノ樹脂にあっても、特に限定され
るもではなく、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂等の何れもが、適宜に選択、使用され得るので
ある。なお、それらのアミノ樹脂は、得られる保護層3
2の柔軟性を確保するという点から、各エラストマーに
対して、1〜20重量%程度の割合となる量にて配合せ
しめられることが、望ましい。
【0041】一方、そのような各種の主成分に対して配
合せしめられる電子導電剤も、前述の如き公知のものが
用いられ得る。そして、その配合量は、形成される保護
層32の体積抵抗率が好ましくは102 〜1011Ωcm、
より好ましくは、105 〜109 程度に調整され得る量
とされる。また、かかる組成物には、一般的に使用され
る加硫剤や充填剤等、各種の配合剤等が添加せしめられ
ていても、何等差し支えない。
【0042】また、かかる図3に示される導電性ロール
24においては、軟化剤移行防止層30のロール軸方向
の両端部に、接続部34,34が、前記導電性ロール1
0における接続部22,22と同様にして、設けられて
おり、それによって、該軟化剤移行防止層30と前記導
電性軸体12とが電気的に接続せしめられ得て、かかる
軟化剤移行防止層30を通じて、保護層32の通電状態
が有効に確保され得るようになっている。
【0043】そして、かくの如き構成とされた導電性ロ
ール24にあっては、基層28が、前記導電性ロール1
0の基層14と同様な構成とされていることから、前述
の如き本発明の優れた効果が有効に享受され得るのであ
り、また保護層32の存在によって、トナーの付着が有
効に防止され得て、より長期にわたって安定したトナー
帯電性が効果的に発揮され得ることとなり、以て現像ロ
ールとして、特に好適に使用され得ることとなるのであ
る。
【0044】なお、かかる導電性ロール24にあって
は、軟化剤移行防止層30のロール軸方向の両端部に、
該軟化剤移行防止層30と導電性軸体26とを電気的に
接続せしめる接続部34,34が一体的に設けられてい
たが、図4に示される如く、保護層32のロール軸方向
の両端部に、接続部36,36を各々形成して、該保護
層32と導電性軸体26とを電気的に接続せしめるよう
にすることも可能であり、また、軟化剤移行防止層30
若しくは保護層32と導電性軸体26との電気的な接続
手段は、それら二つの層30,32に対してそれぞれ一
体的に設けられてなる接続部34,36に決して限定さ
れるものではなく、軟化剤移行防止層若しくは保護層を
導電性軸体に対して電気的に導通せしめ得るものであれ
ば、別部材にて形成しても良いのである。
【0045】さらに、かかる導電性ロール24において
も、保護層32が、基層28と略同一の幅をもって、設
けられていたが、図2に示された導電性ロール10と同
様に、保護層32を、軟化剤移行防止層30と略同一の
幅を有するように形成しても、何等差し支えない。
【0046】更にまた、かかる導電性ロール24にあっ
ては、基層28の外周面上に、軟化剤移行防止層30と
保護層32が、順次、積層形成されていたが、該基層2
8の外周面上に、保護層32のみを直接に形成すること
も可能である。勿論、その際には、所定の電気的な接続
手段によって、かかる保護層32と導電性軸体26とが
電気的に接続せしめられることとなる。これによって
も、上記と同様な効果が有効に得られるのである。
【0047】そして、このような導電性ロール24も、
コーティング液として、軟化剤移行防止層30を与える
ものと、保護層32を形成するものとを準備する以外、
前記導電性ロール10の作製手法と同様にして、有利に
作製されることとなるのである。
【0048】なお、かかる導電性ロール24の各層の厚
みも、特に限定されるものではないが、通常、基層28
及び軟化剤移行防止層30は、前記導電性ロール10の
基層14及び軟化剤移行防止層16と同様な厚さで形成
され、保護層32は1〜20μm程度の厚さで形成され
ることとなる。そして、例えば、この導電性ロール24
を現像ロールとして具体化する場合には、基層28は5
mm程度の厚さで、軟化剤移行防止層30は5μm程度の
厚さで、保護層32は10μm程度の厚さで、それぞれ
形成されるのである。
【0049】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0050】実施例 1 先ず、両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオールと
して、両末端に水酸基を有し、略全部の二重結合に水素
添加してオレフィン化した、分子量(Mn)2500の
液状ポリイソプレンを準備し、また石油系軟化剤とし
て、パラフィン系プロセスオイルを準備した。次いで、
かかる液状ポリイソプレンの100重量部とパラフィン
系プロセスオイルの90重量部とを攪拌混合して、混合
液を得た。その後、かくして得られた混合液に、ポリイ
ソシアネートとしてのIPDIを、当量比で、NCO/
OH=1.05となる量にて添加し、それらを再び攪拌
混合した後、真空脱泡して、基層を与える組成物を調製
した。
【0051】次いで、かくして得られた基層形成用組成
物を、予め表面が導電性接着剤にて接着処理された軸体
(直径:10mm)が配置されてなる円筒状金型の成形キ
ャビティ内に注入し、その後、かかる円筒状金型をオー
ブンに入れて、120℃、30分の加熱処理を行ない、
基層形成用組成物を硬化せしめた。かくして、軸体の外
周面上に5mmの厚さの基層が形成されてなるベースロー
ル1を得た。そして、このベースロール1を金型から取
り出した後、従来法に従って、基層の硬度(Hs :JI
S A)と体積抵抗率とを測定したところ、前者の値は
10度であり、後者の値は1014よりも大きな値であっ
た。
【0052】次に、軟化剤移行防止層、保護層、抵抗調
整層の各層を与える組成物を以下に示す配合に従って、
調整した。即ち、軟化剤移行防止層を与える組成物は、
N−メトキシルメチル化ナイロンの100重量部に対し
て、カーボンブラックの15重量部を配合することによ
り、また保護層を与える組成物は、N−メトキシルメチ
ル化ナイロンの100重量部に対して、カーボンブラッ
クの8重量部を配合することにより、それぞれ調製し
た。更に、抵抗調整層を与える組成物は、エピクロルヒ
ドリン−エチレンオキサイド共重合ゴムの100重量部
に対して、Pb3O4の5重量部、エチレンチオウレアの
1.2重量部、加工助剤の1重量部、ハードクレーの4
0重量部、第4級アンモニウム塩(テトラメチルアンモ
ニウムクロライド)の0.2重量部を、各々配合するこ
とにより、調製した。そして、かくして得られた各組成
物をメチルエチルケトンに溶解して、それぞれ、上記各
層を与える所定粘度のコーティング液を調製した。
【0053】その後、かくして調製された各コーティン
グ液を用い、ディッピング手法により、先に得られたベ
ースロール1の外周面上に、それぞれ、厚さ5μmで、
体積抵抗率103 Ωcmの軟化剤移行防止層と、厚さ10
0μmで、体積抵抗率108Ωcmの抵抗調整層と、厚さ
10μmで、体積抵抗率109 Ωcmの保護層とを、順
次、積層形成して、目的とする導電性ロールを得た。そ
して、これを実施例1とした。なお、本実施例において
は、図1に示される如き導電性ロール10と同様に、軟
化剤移行防止層のロール軸方向の両端部に、導電性軸体
に向かって延びる接続部をそれぞれ設けて、該軟化剤移
行防止層と導電性軸体とが電気的に導通せしめられ得る
ようにした。
【0054】実施例 2〜7 先ず、前記実施例1において用いられるものと同様な液
状ポリイソプレンとパラフィン系プロセスオイルとを、
それぞれ所定量準備し、かかる液状ポリイソプレンの1
00重量部とパラフィン系プロセスオイルの80重量部
とを攪拌混合して、混合液を得た。その後、かくして得
られた混合液に、ポリイソシアネートとしてのIPDI
を、当量比で、NCO/OH=1.05となる量にて添
加し、それらを再び攪拌混合した後、真空脱泡して、基
層を与える組成物を調製した。
【0055】次いで、かくして得られた基層形成用組成
物を用い、前記実施例1と同様にして、ベースロールを
作製し、ベースロール1とは、基層中のパラフィン系プ
ロセスオイルの含有量が異なるベースロール2を得た。
そして、従来法に従って、このベースロール2における
基層の硬度(Hs :JIS A)と体積抵抗率とを測定
したところ、前者の値は18度であり、後者の値は10
14よりも大きな値であった。
【0056】次に、軟化剤移行防止層を与える組成物
を、前記実施例1と同様にして、調製し、その後、これ
を水とメタノールの混合溶媒に溶解して、軟化剤移行防
止層を形成するコーティング液を調製した。一方、それ
とは別に、保護層を与える組成物として、下記表1及び
表2に示す配合割合(重量基準)に従って、また形成さ
れる保護層がそれら表1及び表2に示される如き体積抵
抗率となるように、調製して、6種類のものを得た。そ
して、それら6種類の保護層形成用組成物を、それぞれ
保護層形成用組成物A〜Fとした。しかる後、かかる保
護層形成用組成物A〜Eをメチルエチルケトンに、また
保護層形成用組成物Fをトルエンに、それぞれ溶解し
て、保護層を形成する6種類のコーティング液を調製し
た。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】そして、かくして得られた保護層形成用組
成物A〜Fよりなる6種類のコーティング液と、軟化剤
移行防止層を形成するコーティング液とを用いて、ディ
ッピング手法により、先に得られたベースロール2の外
周面上に、それぞれ、軟化剤移行防止層と保護層とを、
順次、積層、形成して、互いに保護層の種類の異なる6
種類の導電性ロールを得た。かくして得られた6種類の
導電性ロールにおいて、保護層が保護層形成用組成物A
〜Fを用いて形成されたものを、それぞれ、実施例2〜
7とした。なお、それら実施例2〜7にあっては、図3
に示される如き導電性ロール24と同様に、軟化剤移行
防止層のロール軸方向の両端部に、導電性軸体に向かっ
て延びる接続部をそれぞれ設けて、該軟化剤移行防止層
と導電性軸体とが電気的に導通せしめられ得るようにし
た。また、それら実施例2〜7において、各軟化剤移行
防止層は5μmの厚さとし、また保護層は10μmの厚
さで、109 Ωcmの体積抵抗率とした。
【0060】比較例 1〜6 先ず、前記実施例1において用いられるものと同様な液
状ポリイソプレンとパラフィン系プロセスオイルとを準
備し、また導電剤として、ケッチェンブラックと第4級
アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウムクロライ
ド)とをそれぞれ所定量準備した。次いで、それらを、
下記表3及び表4に示す如き割合にて、攪拌混合し、ま
た導電剤としてケッチェンブラックを用いたものにおい
ては、かかる混合操作と共に、3本ロール混練を、ケッ
チェンブラック凝集がなくなるまで行なって、それぞ
れ、軟化剤の含有量や配合せしめられる導電剤が異なる
4種類の混合液を得た。その後、かくして得られた4種
類の混合液に、ポリイソシアネートとしてのIPDI
を、当量比でNCO/OH=1.05となる量にてそれ
ぞれ添加し、それらを再び攪拌混合した後、真空脱泡し
て、基層を与える4種類の組成物を調製した。
【0061】次いで、それら4種類の基層形成用組成物
を用い、前記実施例1と同様にして、ベースロールを作
製し、ベースロール1とは異なって、所定の導電剤を含
み、また基層中のパラフィン系プロセスオイルの含有量
が互いに異なるベースロール3〜6を得た。そして、従
来法に従って、それらベースロール3〜6における基層
の硬度(Hs :JIS A)と体積抵抗率とを測定し
た。その結果を、下記表3及び表4に併せて示した。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】次に、前記実施例1と同様にして、軟化剤
移行防止層、抵抗調整層、保護層の各層を与えるコーテ
ィング液をそれぞれ調整し、またそれとは別に、前記実
施例2と同様にして、保護層形成用組成物Aを調整した
後、該保護層形成用組成物Aをメチルエチルケトンに溶
解して、前記実施例1において用いられるものとは組成
の異なる、保護層形成用のコーティング液を準備した。
【0065】そして、かくして得られた軟化剤移行防止
層形成用、抵抗調整層形成用の各コーティング液と、保
護層形成用の2種類のコーティング液と、先に得られた
ベースロール3〜6と、更に前記実施例1及び実施例2
〜7において用いられたものと同様な構成とされたベー
スロール1及びベースロール2とを用い、それらベース
ロール1〜6の外周面上に、以下の如くして、軟化剤移
行防止層、抵抗調整層、保護層の各層を形成した。即
ち、ベースロール1,3,4の外周面上に、前記実施例
1と同様な軟化剤移行防止層と抵抗調整層と保護層と
を、順次、積層形成する一方、ベースロール2,5,6
の外周面上に、前記実施例2と同様な軟化剤移行防止層
と保護層とを積層形成した。また、それらベースロール
1〜6の外周面上に設けられた軟化剤移行防止層には、
何れも接続部を設けなかった。かくして、導電性軸体と
軟化剤移行防止層とが電気的に何等接続されておらず、
また互いにベースロールの種類が異なる6種類の導電性
ロールを得た。そして、ベースロール1〜6を用いて得
られた導電性ロールを、それぞれ比較例1〜6とした。
なお、比較例1,3,4においては、軟化剤移行防止
層、抵抗調整層、保護層の各層の厚みと体積抵抗率を、
前記実施例1と同様とし、また比較例2,5,6におい
ては、軟化剤移行防止層と保護層の厚みと体積抵抗率を
前記実施例2と同様とした。
【0066】そして、かくして得られた13種類の導電
性ロール(実施例1〜7及び比較例1〜6)を用い、J
IS K 6301に準拠して、硬度(Hs :JIS
A)と圧縮永久歪み(70℃、22時間、25%圧縮)
を測定し、また以下に示すようにして、各種の性能評価
を行ない、その結果を、下記表5〜7に併せて示した。
【0067】−電気抵抗− 各導電性ロールの表面上に、100 〜101 Ωcmの体積
抵抗率を有する、シリコーンゴムの発泡体からなる1cm
四方の電極を設けて、各ロールに100Vの電圧を印加
し、所定の電気抵抗計にて、各ロールの電気抵抗を測定
した。
【0068】−感材帯電性− 各導電性ロールを、20rpmの回転速度で回転するア
ース状態の感光体に対して、ロール軸方向1cm当たり5
0gの圧力で押圧せしめ、その状態下で、各導電性ロー
ルに500Vの交流電圧を印加して、該感光体の帯電量
を測定した。そして、その測定値が450V以上であっ
た場合に○、それが450V未満であった場合に×とし
て、評価した。
【0069】−画像濃度− 各導電性ロールをレーザープリンター〔LP1060−
SP3:(株)リコー製〕に取り付けて、画像出しを行
ない、得られた画像の濃度をマクベス社製の反射濃度計
により測定した。そして、その測定値が1.3以上であ
った場合に○、それが1.3未満であった場合に×とし
て、評価した。
【0070】−感材汚染性− 各導電性ロールを、両端の軸体部に各500gの荷重を
掛けて、新品の感光体を押し付け、45℃×90%の温
湿度環境下に1カ月間放置した。そして、その後、感光
体を観察して、ロール跡が認められない場合に○、認め
られる場合に×として、評価した。
【0071】−基層加工性− 各導電性ロールの基層を与える基層形成用組成物につい
て、それらを調製する際の攪拌混合時に、気泡の混入
(第4級アンモニウム塩を配合した場合)や粘度の上昇
(ケッチェンブラックを配合した場合)が認められたも
のを×、それら気泡混入や粘度上昇が何等認められなか
ったものを○として、評価した。
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】かかる表5〜7の結果より明らかなよう
に、実施例1〜7と比較例1〜6とを比較すると、硬度
及び圧縮永久歪みにおいては、何れも極めて小さな値と
なっているものの、実施例1〜7が、感材帯電性や画像
濃度、更には基層加工性の全べてにおいて優れたもので
あるのに対して、基層が絶縁性であり、且つ軟化剤移行
防止層と導電性軸体とが電気的に接続せしめられていな
い比較例1及び比較例2は、感材帯電性や画像濃度にお
いて、また所定の導電剤が含有せしめられることによっ
て、基層に対して導電性が付与せしめられている比較例
3〜6は、基層加工性において、それぞれ、劣悪なもの
となっている。これは、本発明に従う導電性ロールが、
超低硬度と低圧縮永久歪み、更には優れた基層加工性と
を兼ね備え、それによって、画像ムラの発生が効果的に
防止され得るばかりでなく、帯電ロールや現像ロール等
して優れたロール性能が発揮され得、更には基層、ひい
ては導電性ロール自体の製作性においても極めて優れた
特性が発揮され得るものであることを、如実に示してい
るのである。なお、実施例1〜7及び比較例1〜6が、
何れも感材汚染性に優れたものであることが認められる
が、これは、それらの導電性ロールにおいて、特に基層
中に含有せしめられる石油系軟化剤として、パラフィン
系オイルを使用することによって、かくの如き効果が良
好に奏され得ることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う導電性ロールの一例を示す縦断面
説明図である。
【図2】本発明に従う導電性ロールの別の例を示す部分
拡大断面説明図である。
【図3】本発明に従う導電性ロールの更に別の例を示す
図1に対応する図である。
【図4】本発明に従う導電性ロールの更に別の例を示す
図2に対応する図である。
【図5】電子写真方式の複写機の構造を概略的に示す説
明図である。
【符号の説明】
10,24 導電性ロール 12,26 導電
性軸体 14,28 基層 16,30 軟化
剤移行防止層 18 抵抗調整層 20,32 保護
層 22,34 接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−187732(JP,A) 特開 平6−39948(JP,A) 特開 平6−41324(JP,A) 特開 平5−147126(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 13/00 B29D 31/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性軸体の外周面上に、弾性体よりな
    る基層が設けられ、更に該基層の外周面上に、導電性を
    有するコート層が設けられてなる導電性ロールにおい
    て、 前記基層が、両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオ
    ールとポリイソシアネートとの反応硬化物であって、導
    電剤を含有しないものから構成されていると共に、石油
    系軟化剤を、該両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリ
    オール100重量部に対して60重量部以上の割合で含
    有し、硬度(Hs:JIS A)が20度以下とされて
    いる一方、前記コート層前記導電性軸体に電気的に接
    続せしめる接続部が、設けられていることを特徴とする
    導電性ロール。
  2. 【請求項2】 前記石油系軟化剤が、パラフィン系オイ
    ルである請求項1に記載の導電性ロール。
  3. 【請求項3】 前記コート層が、ロール径方向において
    内側から外側に順次積層されてなる、軟化剤移行防止層
    と抵抗調整層と保護層とから構成され、且つ該軟化剤移
    行防止層が、前記導電性軸体に電気的に接続せしめられ
    ていると共に、該軟化剤移行防止層が、N−メトキシメ
    チル化ナイロンに電子導電剤を配合せしめてなる組成物
    により形成され、また該抵抗調整層が、エピクロルヒド
    リン−エチレンオキサイド共重合ゴム、エピクロルヒド
    リンゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴムのうちの何
    れか一種とイオン導電剤とを主体とする組成物、若しく
    はエピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリ
    ルゴム、アクリルゴムのうちの何れか一種とエピクロル
    ヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴムとイオン導電
    剤とを主体とする組成物を用いて形成され、更に該保護
    層が、N−メトキシメチル化ナイロンにイオン導電剤及
    び/又は電子導電剤を配合せしめてなる組成物より形成
    されている請求項1または請求項2に記載の導電性ロー
    ル。
  4. 【請求項4】 前記コート層が、アミノ樹脂で架橋され
    たポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系
    熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラス
    トマーのうちの何れか一種、若しくはフッ素系ゴム、フ
    ッ素系樹脂、シリコンゴムのうちの何れか一種と電子導
    電剤とを主体とする組成物にて形成される保護層によ
    り、構成されている請求項1または請求項2に記載の導
    電性ロール。
  5. 【請求項5】 前記コート層が、前記基層上に設けられ
    た軟化剤移行防止層と該軟化剤移行防止層上に形成され
    た保護層とから構成され、且つそれら軟化剤移行防止層
    と保護層の何れか一方が前記導電性軸体に電気的に接続
    せしめられていると共に、該軟化剤移行防止層が、N−
    メトキシメチル化ナイロンに電子導電剤を配合せしめて
    なる組成物により形成され、更に該保護層が、アミノ樹
    脂で架橋されたポリウレタン系熱可塑性エラストマー、
    ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱
    可塑性エラストマーのうちの何れか一種、若しくはフッ
    素系ゴム、フッ素系樹脂、シリコンゴムのうちの何れか
    一種と、電子導電剤とを、主体とする組成物にて形成さ
    れている請求項1または請求項2に記載の導電性ロー
    ル。
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