JP3239616B2 - 導電性ロール - Google Patents

導電性ロール

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JP3239616B2
JP3239616B2 JP13002894A JP13002894A JP3239616B2 JP 3239616 B2 JP3239616 B2 JP 3239616B2 JP 13002894 A JP13002894 A JP 13002894A JP 13002894 A JP13002894 A JP 13002894A JP 3239616 B2 JP3239616 B2 JP 3239616B2
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、電子写真方式を利用した複写機
やプリンター等に用いられる帯電ロール、現像ロール等
の導電性ロールに係り、特に超低硬度で、しかも圧縮永
久歪みの小さい導電性ロールに関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、電子写真方式を利用した複写機
やプリンター等においては、各種の導電性ロールが使用
されている。例えば、複写機では、図3に示される如
く、感光体(ドラム)32の表面を帯電させる帯電ロー
ル34、露光機構部36にて感光体32表面に形成され
た静電潜像に対応するトナー像を形成する現像ロール3
8、かかるトナー像を複写紙40に転写する転写機構部
42、そして転写後、クリーニング部44において、感
光体32表面の転写残像や残存トナーを除去するクリー
ニングロール46等が、導電性ロールとして用いられて
いるのである。なお、図3中、48は、複写紙40に転
写されたトナー像を定着させる定着ロールであり、また
50は給紙ロール、52はイレーザーランプである。
【0003】そして、それらの導電性ロールには、一般
に、(a)硬度が低く、感光体との接触性、所謂感材接
触性に優れていること、また(b)軟化剤等がロール表
面に滲み出すことによって感光体を汚染しないこと、即
ち感材汚染性が小さいこと、更には(c)電気抵抗が適
正な範囲に制御されていること、(d)粘着性が小さい
こと等が、要求されているのである。
【0004】そこで、本願出願人は、先に、特開平2−
311868号公報等において、以下の如き構造を有す
る導電性ロールを提案した。即ち、この導電性ロールに
あっては、導電性を有する軸体の外周面上に、導電性弾
性体材料からなり、軟化剤の含有によって硬度が低く調
整された基層が設けられ、更にその外周面上に、所定の
導電性樹脂よりなり、該基層中に含まれる軟化剤等の構
成成分のロール表面への移行を阻止する軟化剤移行防止
層と、体積抵抗率が所定の範囲内に調整された半導電性
ゴムからなる抵抗調整層と、長期圧接等によるロール表
面の感光体への粘着を防止する、半導電性樹脂にて構成
された保護層とが、順次、コーティングされて、形成さ
れてなる構造を有しており、それら各層の存在によっ
て、上述した(a)〜(d)の要求特性が、全べて効果
的に実現せしめられ得るようになっているのである。
【0005】ところで、前述の如き導電性ロールのう
ち、特に帯電ロールや現像ロールにあっては、ロールの
回転の駆動トルクを低減させるために、また感光体表面
を均一に帯電させる上で、或いは該表面にトナーを均一
に付着させて、良好なトナー像を形成せしめる上で、よ
り優れた感材接触性が求められており、その点から、か
かる特性を左右する基層の硬度(Hs :JIS A)が
20度以下といった超低硬度に調整されていることが、
望まれている。
【0006】そのため、前記公報に開示された導電性ロ
ールにあっては、特に帯電ロールや現像ロールとして用
いられる場合、基層を構成する導電性弾性体材料に対し
て、多量の軟化剤が添加、配合せしめられて、その超低
硬度化が図られ得るようになっている。
【0007】しかしながら、かかる導電性ロールにおい
ては、基層内部における軟化剤の含有量の増加に伴っ
て、圧縮永久歪みも増大してしまうことが避けらなかっ
たのである。それ故、そのような従来の導電性ロールに
おいて、基層内部に軟化剤が多量に含有せしめられてな
るものにあっては、感光体への長期圧接等により、該感
光体との接触部に歪み変形が残留してしまい、それによ
って、感材接触性が低下し、その結果、画像に白抜けが
発生する、所謂画像ムラが生ずる恐れがあったのであ
る。
【0008】なお、軟化剤の配合量を増加せしめること
なく、基層の硬度を低下せしめるには、かかる基層を、
導電性を有する発泡性の弾性材料にて構成することが考
えられるが、そうすると、かかる基層表面における気泡
の存在によって、ロール表面の平滑性が損なわれるばか
りでなく、その製造工程において、所定の金型を使用し
た発泡作業が強いられ、それが、設備面、作業面の両面
に対して、多大な負荷を与えることとなって、工業上、
現実的な対策とはなっていないのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
に鑑みて為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、圧縮永久歪みが何等増大せしめられることな
く、超低硬度化が効果的に実現され得る導電性ロールを
提供することにある。
【0010】
【解決手段】そして、上記の課題を解決するために、本
発明者らが種々検討を重ねた結果、特定のポリオールと
ポリイソシアネートとを反応せしめて得られる硬化物
(ポリウレタンゴム)において、軟化剤を多量に含有さ
せることにより、その硬度が著しく低くなるように調整
した場合、圧縮永久歪みの増大が極めて効果的に抑制さ
れ得るといった事実を見出したのである。
【0011】すなわち、本発明は、かかる知見に基づい
て完成されたものであって、その特徴とするところは、
軸体の外周面上に、導電性弾性体よりなる基層が設けら
れると共に、該基層の外周面上に導電性を有するコート
層が設けられてなる導電性ロールにおいて、該基層が、
両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオールとポリイ
ソシアネートとの反応硬化物から構成されていると共
に、石油系軟化剤を、該両末端水酸基含有ポリオレフィ
ン系ポリオール100重量部に対して80重量部以上の
割合で含有し、硬度(Hs:JIS A)が20度以下
とされていることにある。
【0012】なお、かかる本発明に従う導電性ロールの
好ましい態様によれば、前記基層が、イオン導電剤及び
/又は電子導電剤を含有し、体積抵抗率が108 Ωcm以
下となるように構成される。
【0013】また、本発明の有利な態様の一つによれ
ば、前記石油系軟化剤が、パラフィン系オイルにて、構
成されることとなる。
【0014】さらに、本発明の望ましい態様の一つによ
れば、前記コート層が、N−メトキシメチル化ナイロン
にイオン導電剤及び/又は電子導電剤を配合せしめてな
る組成物より形成された保護層にて、構成される。
【0015】更にまた、本発明の好ましい態様の一つに
よれば、前記コート層が、前記基層上に設けられた抵抗
調整層と、該抵抗調整層上に形成された保護層とから構
成されると共に、該抵抗調整層が、エピクロルヒドリン
−エチレンオキサイド共重合ゴム、エピクロルヒドリン
ゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴムのうちの何れか
一種とイオン導電剤とを主体とする組成物、若しくはエ
ピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴ
ム、アクリルゴムのうちの何れか一種とエピクロルヒド
リン−エチレンオキサイド共重合ゴムとイオン導電剤と
を主体とする組成物を用いて形成され、更に該保護層
が、N−メトキシメチル化ナイロンにイオン導電剤及び
/又は電子導電剤を配合せしめてなる組成物より形成さ
れることとなる。
【0016】また、本発明の有利な態様の一つによれ
ば、前記コート層が、ロール径方向において内側から外
側に順次積層されてなる、軟化剤移行防止層と抵抗調整
層と保護層とから構成されると共に、該軟化剤移行防止
層が、N−メトキシメチル化ナイロンに電子導電剤を配
合せめしてなる組成物より形成され、また該抵抗調整層
が、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、水添ニトリルゴム、アク
リルゴムのうちの何れか一種とイオン導電剤とを主体と
する組成物、若しくはエピクロルヒドリンゴム、ニトリ
ルゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴムのうちの何れ
か一種とエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重
合ゴムとイオン導電剤とを主体とする組成物を用いて形
成され、更に該保護層が、N−メトキシメチル化ナイロ
ンにイオン導電剤及び/又は電子導電剤を配合せしめて
なる組成物より形成されることとなる。
【0017】さらに、本発明の望ましい態様の一つによ
れば、前記コート層が、アミノ樹脂で架橋されたポリウ
レタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性
エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの
うちの何れか一種、若しくはフッ素系ゴム、フッ素系樹
脂、シリコンゴムのうちの何れか一種と電子導電剤とを
主体とする組成物にて形成される保護層により、構成さ
れる。
【0018】更にまた、本発明の好ましい態様の一つに
よれば、前記コート層が、前記基層上に設けられた軟化
剤移行防止層と、該軟化剤移行防止層上に形成された保
護層とから構成されると共に、該軟化剤移行防止層が、
N−メトキシメチル化ナイロンに電子導電剤を配合せめ
してなる組成物により形成され、更に該保護層が、アミ
ノ樹脂で架橋されたポリウレタン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル
系熱可塑性エラストマーのうちの何れか一種、若しくは
フッ素系ゴム、フッ素系樹脂、シリコンゴムのうちの何
れか一種と電子導電剤とを主体とする組成物にて形成さ
れることとなる。
【0019】
【作用・効果】このように、本発明に従う導電性ロール
にあっては、軸体の外周面上に設けられる基層が、導電
性弾性体よりなり、特にこの導電性弾性体が、両末端水
酸基含有ポリオレフィン系ポリオールとポリイソシアネ
ートとの反応硬化物にて構成されていることから、軟化
剤の含有量の増加に伴う圧縮永久歪みの増大が効果的に
抑制され得るのであり、しかも、かかる硬化物が、石油
系軟化剤を、両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオ
ール100重量部に対して80重量部以上の割合で含有
し、硬度(Hs :JIS A)が20度以下とされてい
ることから、その超低硬度化が有利に図られ得るのであ
る。
【0020】従って、本発明に係る導電性ロールにあっ
ては、圧縮永久歪みが何等増大せしめられることなく、
超低硬度化が効果的に実現され得るのであり、それによ
って感材接触性がより有効に高められ得、以て帯電ロー
ルや現像ロール等として使用された場合において、帯電
性能やトナー付着に対する信頼性が有利に向上され得る
ばかりでなく、感光体との接触部における残留歪みに起
因する画像ムラ等の発生が極めて効果的に防止され得る
のである。
【0021】また、かかる導電性ロールにおいて、基層
が、イオン導電剤乃至は電子導電剤を含有し、体積抵抗
率が108 Ωcm以下とされる場合には、電気的特性の均
一化が有利に図られ得るといった利点が得られることと
なる。
【0022】さらに、かかる導電性ロールにおいて、基
層中に含まれる石油系軟化剤がパラフィン系オイルにて
構成される場合には、該パラフィン系オイルがオレフィ
ン系の合成ゴムに対して極めて良好な相溶性を有するこ
とから、両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオール
とポリイソシアネートとの反応硬化物からなる基層に対
して、多量配合が可能となると共に、かかる基層中から
の軟化剤のロール表面への移行が有効に回避乃至は抑制
され得、以て感材汚染性が効果的に小さくせしめられ得
るのである。
【0023】更にまた、かかる導電性ロールにおいて、
そのような基層の外周面上に設けられるコート層が、N
−メトキシメチル化ナイロンにイオン導電剤及び/又は
電子導電剤を配合せしめてなる組成物により形成された
導電性の保護層にて構成される場合には、押圧、接触せ
しめられる感光体に対する固着(粘着)が有利に防止さ
れ得ることとなる。
【0024】また、かかる導電性ロールにおいて、前記
コート層が、前記基層上に設けられた抵抗調整層と、該
抵抗調整層上に形成された保護層とから構成されると共
に、該抵抗調整層が、エピクロルヒドリン−エチレンオ
キサイド共重合ゴム、エピクロルヒドリンゴム、水添ニ
トリルゴム、アクリルゴムのうちの何れか一種とイオン
導電剤とを主体とする組成物、若しくはエピクロルヒド
リンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、アクリル
ゴムのうちの何れか一種とエピクロルヒドリン−エチレ
ンオキサイド共重合ゴムとイオン導電剤とを主体とする
組成物を用いて形成され、更に該保護層が、N−メトキ
シメチル化ナイロンにイオン導電剤及び/又は電子導電
剤を配合せしめてなる組成物より形成される場合には、
該保護層により、ロール表面における粘着性が有利に低
減せしめられ得るのであり、またかかる抵抗調整層によ
って、電気抵抗の均一化が有効に図られ得ると共に、そ
れが長期間効果的に維持され得、以て優れた耐電圧性
(耐リーク性)が、より長期にわたって、安定的に確保
され得るのである。
【0025】さらに、かかる導電性ロールにおいて、前
記コート層が、ロール径方向において内側から外側に順
次積層されてなる、軟化剤移行防止層と抵抗調整層と保
護層とから構成されると共に、該軟化剤移行防止層が、
N−メトキシメチル化ナイロンに電子導電剤を配合せめ
してなる組成物より形成され、また該抵抗調整層が、エ
ピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、エ
ピクロルヒドリンゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴ
ムのうちの何れか一種とイオン導電剤とを主体とする組
成物、若しくはエピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴ
ム、水添ニトリルゴム、アクリルゴムのうちの何れか一
種とエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴ
ムとイオン導電剤とを主体とする組成物を用いて形成さ
れ、更に該保護層が、N−メトキシメチル化ナイロンに
イオン導電剤及び/又は電子導電剤を配合せしめてなる
組成物より形成され場合には、該保護層と抵抗調整層と
によって、粘着性の低減と優れた耐電圧性の長期確保と
が有効に図られ得、またかかる軟化剤移行防止層によっ
て、基層内部からロール表面への軟化剤等の移行を防止
するバリア効果が有利に発揮され得て、ブリード現象の
発生が有効に防止され得、以て感光体の汚染が効果的に
防止され得るのである。
【0026】更にまた、かかる導電性ロールにおいて、
前記コート層が、アミノ樹脂で架橋されたポリウレタン
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーのうちの
何れか一種、若しくはフッ素系ゴム、フッ素系樹脂、シ
リコンゴムのうちの何れか一種と電子導電剤とを主体と
する組成物にて形成される保護層により、構成される場
合には、それらのエラストマー、合成ゴム、合成樹脂の
有する低摩擦係数や非粘着性等の特性によって、感光体
に対する固着(粘着)が良好に防止され得ると共に、ロ
ール表面へのトナーの付着が効果的に減少せしめられ得
ることとなる。
【0027】また、かかる導電性ロールにおいて、前記
コート層が、前記基層上に設けられた軟化剤移行防止層
と、該軟化剤移行防止層上に形成された保護層とから構
成されると共に、該軟化剤移行防止層が、N−メトキシ
メチル化ナイロンに電子導電剤を配合せめしてなる組成
物により形成され、更に該保護層が、アミノ樹脂で架橋
されたポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミ
ド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エ
ラストマーのうちの何れか一種、若しくはフッ素系ゴ
ム、フッ素系樹脂、シリコンゴムのうちの何れか一種と
電子導電剤とを主体とする組成物にて形成される場合に
は、該保護層によって、感光体に対する固着やロール表
面へのトナーの付着が有効に防止乃至は抑制され得、ま
た軟化剤移行防止層によって、基層内部からの軟化剤等
の移行に起因する感光体の汚染の防止が、効果的に達成
され得ることとなるのである。
【0028】
【具体的構成】ところで、図1には、本発明に従う構造
を有する導電性ロールの一例が示されている。かかる図
からも明らかなように、この導電性ロール10は、金属
製で、導電性の軸体12の外周面上に、所定の厚みを有
する基層14が設けられ、また該基層14の外周面上
に、内側から順に、軟化剤移行防止層16、抵抗調整層
18、保護層20が、それぞれ、コーティングにより、
所定厚さで形成されて、構成されている。
【0029】より具体的には、基層14は、導電性弾性
体よりなっている。そして、この導電性弾性体を与える
弾性体材料としては、両末端水酸基含有ポリオレフィン
系ポリオールとポリイソシアネートとの反応硬化物(ポ
リウレタンゴム)からなる組成物が用いられる。なお、
この両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオールとし
ては、例えば、両末端に官能基として水酸基を有する、
液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、及びそれら
の共重合物等において、その一部または全部の二重結合
に水素添加して、オレフィン化したものが用いられ、ま
たその中でも、一般的には、その分子量が1000〜4
000程度のものが好適に用いられ、通常では、250
0程度のものが使用されることとなる。一方、ポリイソ
シアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネー
ト(TDI)、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、メタキシリレンジイソシアネート(MXDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジ
イソシアネート(LDI)、水素化TDI、水素化MD
I、水素化XDI、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート
(TMDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)
等、従来より公知のものが何れも使用され得るが、それ
らの中でも、ポリオールとの反応により得られる硬化物
(ポリウレタンゴム)の硬化速度や加工性等の面から、
IPDIが、特に好適に使用される。
【0030】そして、そのような両末端水酸基含有ポリ
オレフィン系ポリオールとポリイソシアネートとが、当
量比で、好ましくはNCO/OH=0.8〜1.2、よ
り好ましくはNCO/OH=0.95〜1.1程度とな
る範囲内で用いられるのである。何故なら、それら両成
分が、上記の如き範囲外にて用いられる場合には、得ら
れる硬化物の粘着性が増し、導電性ロール10の基層1
4の構成材料として、実用に供され得なくなってしまう
といった不具合が生ずるからである。
【0031】また、そのような特定のポリウレタンゴム
組成物にあっては、石油系軟化剤が、前記両末端水酸基
含有ポリオレフィン系ポリオールの100重量部に対し
て80重量部以上の割合となる量にて配合されて、20
度以下の硬度(Hs :JISA)を有する基層14が与
えられるように調整されていなければならない。けだ
し、石油系軟化剤が上述の如く多量に含まれてなるポリ
ウレタンゴム組成物を用いて、超低硬度の基層14を形
成して、初めて、本発明の目的が有利に達成され得るか
らである。また、そのような石油系軟化剤としては、例
えば、ナフテン系オイル、アロマ系オイル、パラフィン
系オイル等、ゴムの軟化剤として、従来より使用される
ものが何れも有利に用いられ得るが、その中でも、パラ
フィン系オイルが、特に好適に使用され得ることとな
る。それによって、前述の如き効果が有効に享受され得
るのである。なお、このパラフィン系オイルの種類も何
等限定されるものではないことは、勿論である。
【0032】さらに、かかるポリウレタンゴム組成物に
おいては、従来と同様に、所定の導電剤が配合せしめら
れており、それによって、基層14に対して、導電性が
付与せしめられているのであるが、有利には、かかる導
電剤として、イオン導電剤乃至は電子導電剤が用いら
れ、それが所定量配合せしめられて、基層14の体積抵
抗率が108 Ωcm以下となるように調整されることとな
る。なお、ここで用いられるイオン導電剤や電子導電剤
の種類も、特に限定されるものではなく、従来より公知
のものが何れも使用され得るのであり、例えばイオン導
電剤としては、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫
酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級ア
ルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級
アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩、高
級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコ
ール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、
ベタイン等が使用され得、特に好適には、トリメチルオ
クタデシルアンモニウムパークロレート、ベンジルトリ
メチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩
や、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム等が用いられ
得る。また、電子導電剤としては、導電性酸化スズ、導
電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛等の導電性金属酸化物
やカーボンブラック等がより好適に使用され得る。
【0033】そして、かかるポリウレタンゴム組成物に
は、更に、従来より公知の各種の配合剤や添加剤等が、
必要に応じて、通常の配合比率をもって、添加、混合せ
しめられることとなる。
【0034】一方、かくの如き基層14の外周面上に設
けられる軟化剤移行防止層16は、従来から用いられて
いる材料にて形成され得るものであるが、好ましくはN
−メトキシメチル化ナイロンに、電子導電剤が配合され
てなる樹脂組成物により形成されることとなる。なお、
かかる樹脂組成物においては、その主成分たるN−メト
キシメチル化ナイロンとして、従来より公知のものが用
いられ、また電子導電剤としても、前述の如き公知のも
のが使用されて、それらが、形成される軟化剤移行防止
層16の体積抵抗率が102 〜107 Ωcm程度に調整さ
れ得る量にて、配合せしめられるのである。更に、その
ような軟化剤移行防止層16の形成材料たる樹脂組成物
には、一般に使用される各種の配合剤等が、適宜に配合
せしめられることとなる。
【0035】また、前記抵抗調整層18も、従来より使
用される材料にて形成され得るが、望ましくは、エピク
ロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴムの
うちの何れか一種に、イオン導電剤が配合されてなるゴ
ム組成物、若しくはエピクロルヒドリンゴム、ニトリル
ゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴムのうちの何れか
一種とエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合
ゴムとの混合物に対して、イオン導電剤が配合されてな
るゴム組成物により形成されることとなる。なお、ここ
で用いられるイオン導電剤も、前述の如き公知のものが
使用され、それが、形成される抵抗調整層18の体積抵
抗率が107 〜1010Ωcm、好ましくは108 Ωcm程度
に調整され得る量にて、上述の如き各種の合成ゴムに配
合せしめられるのである。また、そのような抵抗調整層
18を与えるゴム組成物においても、従来より公知の加
硫剤等の各種配合剤や添加剤等が、必要に応じて、通常
の比率をもって、配合せしめられることとなる。
【0036】さらに、前記保護層20は、有利には、前
記軟化剤移行防止層16の形成材料と同様な、N−メト
キシメチル化ナイロンを主成分とする樹脂組成物によっ
て形成されることとなるが、この樹脂組成物において
は、導電剤として、前述の如き電子導電剤のみばかりで
なく、イオン導電剤も用いられ得る。即ち、そのような
樹脂組成物に対して、電子導電剤とイオン導電剤が、そ
れぞれ単独で、若しくはそれらが組み合わされて、使用
され得るのであり、それらが、好ましくは、形成される
保護層20の体積抵抗率が107 〜1010Ωcm程度に調
整され得る量にて、配合せしめられるのである。なお、
ここで使用されるイオン導電剤も特に限定されるもので
はなく、前述の如き公知のものが何れも使用され得る。
また、この保護層20を与える樹脂組成物においても、
一般に使用される各種の配合剤等が適宜に配合せしめら
れ得ることは、言うまでもない。
【0037】そして、かくの如き構成とされた導電性ロ
ール10において、基層14の硬度(Hs :JIS
A)が10度以下に調整されたものにあっては、感材接
触性がより向上せしめられ得て、感光体に対する帯電性
能が更に効果的に高められ得、以て帯電ロールとして、
特に好適に使用され得ることとなるのである。また、か
かる導電性ロール10にあっては、基層14の外周面上
に、内側から順に、軟化剤移行防止層16、抵抗調整層
18、保護層20が積層、形成されて、構成されていた
が、該基層14の外周面上に、軟化剤移行防止層16を
形成することなく、抵抗調整層18と保護層20とを、
順次、積層、形成しても良く、また該基層14の外周面
上に、第一の保護層20のみを直接に形成することも可
能である。それによっても、前述した如き本発明の優れ
た効果が有効に奏され得るのである。
【0038】ところで、図1に示される如き導電性ロー
ル10は、有利には、以下の如くして、作製されること
となる。
【0039】すなわち、先ず、両末端水酸基含有ポリオ
レフィン系ポリオールと、石油系軟化剤と、導電剤とを
混合せしめ、更に、必要に応じて各種の配合剤を配合し
て、混合液を得、その後かくして得られた混合液に所定
のポリイソシアネートを添加して、混合した後、真空脱
泡して、基層14の形成材料たる両末端水酸基含有ポリ
オレフィン系ポリオールとポリイソシアネートとを主体
とする基層形成用組成物を得る。なお、導電剤として、
カーボンブラック等の粒子状のものを使用する場合に
は、前記混合液を得る際に、通常の混合操作に加えて、
ロール混練等の混練操作を行なって、かかる混合液中
に、粒子状の導電剤が良好に分散せしめられるようにす
ることが望ましい。また、そのような混合液に対するポ
リイソシアネートの添加は、それによって得られる組成
物の、後述する円筒状金型への注入の直前に実施される
ことが好ましい。
【0040】次いで、予め外周面上に導電性の接着剤が
塗布されて、接着処理された軸体12を、従来と同様な
構造とされた円筒状金型の成形キャビティ内に配置せし
めた後、かかる成形キャビティ内に、前述の如くして得
られた基層形成用組成物を注入する。その後、これを加
熱し、かかる基層形成用組成物を反応硬化させて、軸体
12の外周面上に基層14が一体的に形成されてなるベ
ースロールを得る。なお、この加熱による基層形成用組
成物の硬化操作においては、硬化温度や時間等の条件が
特に限定されるものではないが、一般的に、80℃で3
時間、或いは100℃以上で0.5時間の条件にて実施
されるものであり、また室温にて実施する場合には、4
8時間の硬化時間を必要とする。
【0041】そして、そのようなベースロールの作製の
後に、若しくはそれに先立って、前述の如き形成材料を
用いて、軟化剤移行防止層16、抵抗調整層18、保護
層20を与えるコーティング液を、従来と同様にして、
それぞれ準備する。その後、それらのコーティング液と
前記ベースロールとを用いて、ディッピング等の公知の
コーティング手法により、基層14の外周面上に、上記
3つの層を、順次、積層、形成する。これによって、目
的とする導電性ロール10を得るのである。
【0042】なお、かかる導電性ロール10の各層の厚
みは、その用途等によって、適宜に決定されるところで
あるが、通常、基層14は2〜6mm程度の厚さで形成さ
れ、軟化剤移行防止層16は1〜10μm程度の厚さで
形成される。また、抵抗調整層18は20〜200μm
程度の厚さで、更に保護層20は1〜20μm程度の厚
さで、形成されることとなる。そして、例えば帯電ロー
ルとして具体化する場合には、基層14は3mm程度の厚
さで、軟化剤移行防止層16は5μm程度の厚さで、抵
抗調整層18は100μm程度の厚さで、保護層20は
10μm程度の厚さで、それぞれ形成されるのである。
【0043】次に、図2には、本発明に従う導電性ロー
ルの別の例が示されている。かかる図2において、導電
性ロール22は、金属製で、導電性の軸体24の外周面
上に、所定の厚みを有する基層26が設けられ、また該
基層26の外周面上に、軟化剤移行防止層28と保護層
30とが、順次、コーティングにより、所定厚さで形成
されて、構成されている。
【0044】そして、この導電性ロール22を構成する
基層26及び軟化剤移行防止層28は、前記導電性ロー
ル10の基層14及び軟化剤移行防止層16と同様な材
料にて形成されている。一方、保護層30は、アミノ樹
脂で架橋されたポリウレタン系熱可塑性エラストマー
(TPU)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TP
EA)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPE
E)のうちの何れか一種、若しくはフッ素系ゴム、フッ
素系樹脂、シリコンゴムのうちの何れか一種に、電子導
電剤が配合せしめられてなる組成物によって、形成され
ている。
【0045】より詳細には、かかる保護層30を与える
組成物の主成分たる上記エラストマー、合成ゴム、合成
樹脂としては、何れも、公知の各種のものが何れも使用
され得る。例えば、TPUやTPEEとしてはエーテル
系、エステル系等の各種のものが、またTPEAとして
はN−メトキシメチル化ナイロン等が、更にフッ素系ゴ
ムとしては各種のフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーや
液状フッ素ゴム等が用いられ得る。また、フッ素系樹脂
としてはPVDF等が、更にシリコーンゴムとしては液
状シリコーンゴム等が、それぞれ用いられ得る。また、
各エラストマー、即ちTPU、TPEA、TPEE等の
架橋に用いられるアミノ樹脂にあっても、特に限定され
るもではなく、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂等の何れもが、適宜に選択、使用され得るので
ある。なお、それらのアミノ樹脂は、得られる保護層3
0の柔軟性を確保するという点から、各エラストマーに
対して、1〜20重量%程度の割合となる量にて配合せ
しめられることが、望ましい。
【0046】一方、そのような各種の主成分に対して配
合せしめられる電子導電剤も、前述の如き公知のものが
用いられ得る。そして、その配合量は、形成される保護
層30の体積抵抗率が好ましくは102 〜1011Ωcm、
より好ましくは、105 〜109 程度に調整され得る量
とされる。また、かかる組成物には、一般的に使用され
る加硫剤や充填剤等、各種の配合剤等が添加せしめられ
ていても、何等差し支えない。
【0047】このような構成を有する導電性ロール22
にあっては、基層26が、前記導電性ロール10の基層
14と同様な構成とされていることから、前述の如き本
発明の優れた効果が有効に享受され得るのであり、また
保護層30の存在によって、トナーの付着が有効に防止
され得て、より長期にわたって安定したトナー帯電性が
効果的に発揮され得ることとなり、以て現像ロールとし
て、特に好適に使用され得ることとなるのである。ま
た、かかる導電性ロール22においては、基層26の外
周面上に、軟化剤移行防止層28と保護層30が、順
次、積層形成されていたが、該基層26の外周面上に、
保護層30のみを直接に形成することも可能である。そ
れによっても、上記と同様な効果が得られることとな
る。
【0048】そして、このような導電性ロール22も、
コーティング液として、軟化剤移行防止層28を与える
ものと、保護層30を形成するものとを準備する以外、
前記導電性ロール10の作製手法と同様にして、有利に
作製されることとなるのである。
【0049】なお、かかる導電性ロール22の各層の厚
みも、特に限定されるものではないが、通常、基層26
及び軟化剤移行防止層28は、前記導電性ロール10の
基層14及び軟化剤移行防止層16と同様な厚さで形成
され、保護層30は1〜20μm程度の厚さで形成され
ることとなる。そして、例えば、この導電性ロール22
を現像ロールとして具体化する場合には、基層26は5
mm程度の厚さで、軟化剤移行防止層28は5μm程度の
厚さで、保護層20は10μm程度の厚さで、それぞれ
形成されるのである。
【0050】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0051】実施例 1〜4 先ず、両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオールと
して、両末端に水酸基を有し、略全部の二重結合を水素
添加してオレフィン化した、分子量(Mn)2500の
液状ポリイソプレンを準備し、また石油系軟化剤として
はパラフィン系プロセスオイルを、更に導電剤としては
ケッチェンブラックと第4級アンモニウム塩(テトラメ
チルアンモニウムクロライド)を、それぞれ、所定量準
備した。次いで、それらを、下記表1に示す如き割合に
て、攪拌混合し、また導電剤としてケッチェンブラック
を用いたものにおいては、かかる混合操作と共に、3本
ロール混練を、ケッチェンブラック凝集がなくなるまで
行なって、それぞれ、軟化剤の含有量や配合せしめられ
る導電剤が異なる3種類の混合液を得た。その後、かく
して得られた3種類の混合液に、ポリイソシアネートと
してのIPDIを、当量比で、NCO/OH=1.05
となる量にてそれぞれ添加し、それらを再び攪拌混合し
た後、真空脱泡して、基層を与える3種類の組成物を調
製した。
【0052】次いで、かくして得られた3種類の基層形
成用組成物を、予め表面が導電性接着剤にて接着処理さ
れた軸体(直径:10mm)がそれぞれ配置されてなる複
数の円筒状金型の成形キャビティ内に、それぞれ別個に
注入し、その後、各円筒状金型をオーブンに入れて、1
20℃、30分の加熱処理を行ない、基層形成用組成物
を各々硬化せしめた。かくして、軸体の外周面上に、5
mmの厚さで、互いに異なる種類の基層が形成されてなる
3種類のベースロール1〜3を得た。そして、それら3
種類のベースロール1〜3をそれぞれ金型から取り出し
た後、従来法に従って、各基層の硬度(Hs :JIS
A)と体積抵抗率とを測定した。その結果を、下記表1
に併せて示した。
【0053】
【表1】
【0054】次に、軟化剤移行防止層、保護層、抵抗調
整層の各層を与える組成物を以下に示す配合に従って、
調整した。即ち、軟化剤移行防止層を与える組成物は、
N−メトキシルメチル化ナイロンの100重量部に対し
て、カーボンブラックの15重量部を配合することによ
り、また保護層を与える組成物は、N−メトキシルメチ
ル化ナイロンの100重量部に対して、カーボンブラッ
クの8重量部を配合することにより、それぞれ調製し
た。更に、抵抗調整層を与える組成物は、エピクロルヒ
ドリン−エチレンオキサイド共重合体の100重量部に
対して、Pb3O4 の5重量部、エチレンチオウレアの1.
2重量部、加工助剤の1重量部、ハードクレーの40重
量部、第4級アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウ
ムクロライド)の0.2重量部を、各々配合することに
より、調製した。そして、かくして得られた各組成物を
メチルエチルケトンに溶解して、それぞれ、上記各層を
与える所定粘度のコーティング液を調製した。
【0055】その後、かくして調製された各コーティン
グ液を用い、ディッピング手法により、先に得られた3
種類のベースロール1〜3の外周面上に、それぞれ、厚
さ5μmで、体積抵抗率103 Ωcmの軟化剤移行防止層
と、厚さ100μmで、体積抵抗率108 Ωcmの抵抗調
整層と、厚さ10μmで、体積抵抗率109 Ωcmの保護
層とを、順次、積層、形成し、各々基層の異なる3種類
の導電性ロールを得、また、ベースロール1の外周面上
に、軟化剤移行防止層を形成することなく、抵抗調整層
と保護層とを、上記の如き厚さで積層、形成した導電性
ロールを得た。そして、それら4種類の導電性ロールに
おいて、ベースロール1〜3の外周面上に、前記3つの
層が形成されてなるものを実施例1〜3とし、またベー
スロール1の外周面上に前記2つの層が形成されてなる
ものを実施例4とした。
【0056】実施例 5〜14 先ず、前記実施例1〜4において、基層を与える組成物
の構成成分として用いられるものと同様なものを、それ
ぞれ所定量準備し、次いで、前記実施例1〜4ど同様に
して、それらを下記表2に示す如き割合にて混合して、
軟化剤の含有量や配合せしめられる導電剤が異なる3種
類の基層形成用組成物を調製した。
【0057】引き続き、かくして調製された3種類の基
層形成用組成物と、複数の軸体(直径:10mm)とを用
い、前記実施例1〜4と同様にして、該軸体の外周面上
に、互いに種類の異なる基層が形成されたベースロール
4〜6を作製した。そして、それら3種類のベースロー
ル4〜6における各基層の硬度(Hs :JIS A)と
体積抵抗率とを、従来法に従って、測定した。その結果
を下記表2に併せて示した。
【0058】
【表2】
【0059】次に、軟化剤移行防止層を与える組成物
を、前記実施例1〜4と同様にして、調製し、その後、
これを水とメタノールの混合溶媒に溶解して、軟化剤移
行防止層を形成するコーティング液を調製した。一方、
それとは別に、保護層を与える組成物として、下記表3
及び表4に示す配合割合(重量基準)に従って、また形
成される保護層がそれら表3及び表4に示される如き体
積抵抗率となるように、調製して、6種類のものを得
た。そして、それら6種類の保護層形成用組成物を、そ
れぞれ保護層形成用組成物A〜Fとした。しかる後、か
かる保護層形成用組成物A〜Eをメチルエチルケトン
に、また保護層形成用組成物Fをトルエンに、それぞれ
溶解して、保護層を形成する6種類のコーティング液を
調製した。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】そして、かくして得られた保護層形成用組
成物A〜Fよりなる6種類のコーティング液と、軟化剤
移行防止層を形成するコーティング液とを用いて、ディ
ッピング手法により、先に得られたベースロール4〜6
の外周面上に、以下の如くして、それぞれ、軟化剤移行
防止層と保護層とを、順次、積層、形成して、若しくは
保護層のみを形成して、9種類の導電性ロールを得た。
即ち、ベースロール4〜6の外周面上に、軟化剤移行防
止層と、保護層形成用組成物Aよりなる保護層とを、そ
れぞれ形成して3種類の導電性ロールを得、これらを実
施例5〜7とした。また、ベースロール4の外周面上
に、かかる組成物Aよりなる保護層のみを形成してなる
導電性ロールを得、これを実施例8とした。更にベース
ロール4の外周面上に、軟化剤移行防止層と、保護層形
成用組成物B〜Fよりなる保護層とを、それぞれ形成し
て5種類の導電性ロールを得、これらを実施例9〜13
とした。なお、軟化剤移行防止層の厚さは5μmとし、
また保護層の厚さは10μmとした。
【0063】比較例 1〜3 先ず、ポリノルボルネンゴムとケッチェンブラックとナ
フテン系オイルとを所定量準備した。次いで、それらを
下記表5に示される如き割合にて配合し、所定の混合操
作を行なって、軟化剤の配合量の異なる、基層を与える
2種類の組成物を調製した。引き続き、かくして調製さ
れた2種類の基層形成用組成物と、軸体(直径:10m
m)とを用い、前記実施例1〜4と同様にして、該軸体
の外周面上に、互いに種類の異なる基層が形成されたベ
ースロール7及びベースロール8を得た。そして、それ
ら2種類のベースロール7,8における各基層の硬度
(Hs:JIS A)と体積抵抗率とを、従来法に従っ
て、測定した。その結果を、下記表5に併せて示した。
なお、それら2種類のベースロール7,8の基層の厚さ
は前記実施例1〜4と同様にした。
【0064】
【表5】
【0065】次いで、前記実施例1〜4と同様にして、
軟化剤移行防止層、抵抗調整層、保護層の各層を形成す
るコーティング液を調製し、更にこれらを用いて、ディ
ッピング手法により、上述の如くして得られたベースロ
ール7及びベースロール8の外周面上に、上記3つの層
を順次、積層、成形して、実施例1〜4とは基層の形成
材料の異なる2種類の導電性ロールを得、またベースロ
ール7の外周面上に、抵抗調整層と第一の保護層とを積
層、形成した導電性ロールを得た。そして、それら3種
類の導電性ロールにおいて、ベースロール7及び8の外
周面上に、前記3つの層が形成されてなるものを比較例
1及び2とし、またベースロール7の外周面上に前記2
つの層が形成されてなるものを比較例3とした。なお、
各層の厚さは、前記実施例1〜4と同様にした。
【0066】そして、かくして得られた16種類の導電
性ロール(実施例1〜13及び比較例1〜3)を用い、
JIS K 6301に準拠して、硬度(Hs :JIS
A)と圧縮永久歪み(70℃、22時間、25%圧
縮)を測定し、また以下に示すようにして、各種の性能
評価を行ない、その結果を、下記表6及び表7に併せて
示した。
【0067】−駆動トルク− 各導電性ロールを、固定された感光体に対して、接触部
が径方向に1mm凹む程度の圧力で、押圧接触せしめ、か
かる状態下において、各ロールをトルクモーターで回転
させ、その動き始めの電流値をそれぞれ測定した。そし
て、得られた測定値をトルクに換算し、その算出値が3
kgf・cm以下であった場合には○、それが3kgf/cm未
満であった場合には×として、評価した。
【0068】−画像ムラ− 各導電性ロールをレーザープリンター〔LP1060−
SP3:(株)リコー製〕に取り付けて、画像出しを行
ない、得られた画像を観察して、画像ムラがない場合に
は○、それがある場合に×として、評価した。
【0069】−感材汚染性− 各導電性ロールを、両端の軸体部に各500gの荷重を
掛けて、新品の感光体を押し付け、45℃×90%の温
湿度環境下に1カ月間放置した。そして、その後、感光
体を観察して、ロール跡が認められない場合には○、そ
れが認められる場合には×として、評価した。
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】かかる表6及び表7の結果より明らかなよ
うに、実施例1〜13と比較例1〜3とを比較すると、
硬度においては、何れも極めて低く構成されてはいるも
のの、圧縮永久歪みにおいて、実施例1〜13が比較例
1〜3よりも遙に小さな値を示しており、また比較例1
〜3では画像ムラが発生しているのに対して、実施例1
〜13においては、そのような画像ムラは何等生じてい
ない。これは、本発明に従う導電性ロールが、超低硬度
と低圧縮永久歪みとを兼ね備えたものであり、それによ
って、従来のものにおいては到底実現され得なかった優
れたロール性能が発揮され得るものであることを、如実
に示しているのである。更に、実施例1〜13は、比較
例1〜3よりも感材汚染性においても優れたものである
ことが認められ、これは、本発明に従う導電性ロールに
おいて、特に基層中に含有せしめられる石油系軟化剤と
して、パラフィン系オイルを使用することによって、優
れた感材汚染性が得られることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う導電性ロールの一例を示す縦断面
説明図である。
【図2】本発明に従う導電性ロールの別の例を示す図1
に対応する図である。
【図3】電子写真方式の複写機の構造を概略的に示す説
明図である。
【符号の説明】
10,22 導電性ロール 12,24 軸体 14,26 基層 16,28 軟化剤移行防止層 18 抵抗調整層 20,30 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 21:00 B29K 21:00 (56)参考文献 特開 平7−43985(JP,A) 特開 平7−121014(JP,A) 特開 昭62−129327(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29K 21:00 G03G 15/08 501 G03G 15/02 101 C08J 7/04 CFF B29D 31/00 F16C 13/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周面上に、導電性弾性体よりな
    る基層が設けられると共に、該基層の外周面上に導電性
    を有するコート層が設けられてなる導電性ロールにし
    て、 該基層が、両末端水酸基含有ポリオレフィン系ポリオー
    ルとポリイソシアネートとの反応硬化物から構成されて
    いると共に、石油系軟化剤を、該両末端水酸基含有ポリ
    オレフィン系ポリオール100重量部に対して80重量
    部以上の割合で含有し、硬度(Hs:JIS A)が2
    0度以下とされていることを特徴とする導電性ロール。
  2. 【請求項2】 前記基層が、イオン導電剤及び/又は電
    子導電剤を含有し、体積抵抗率が108 Ωcm以下とされ
    ている請求項1に記載の導電性ロール。
  3. 【請求項3】 前記石油系軟化剤が、パラフィン系オイ
    ルである請求項1または請求項2に記載の導電性ロー
    ル。
  4. 【請求項4】 前記コート層が、N−メトキシメチル化
    ナイロンにイオン導電剤及び/又は電子導電剤を配合せ
    しめてなる組成物より形成された保護層にて、構成され
    ている請求項1乃至3の何れかに記載の導電性ロール。
  5. 【請求項5】 前記コート層が、前記基層上に設けられ
    た抵抗調整層と、該抵抗調整層上に形成された保護層と
    から構成されていると共に、該抵抗調整層が、エピクロ
    ルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、エピクロ
    ルヒドリンゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴムのう
    ちの何れか一種とイオン導電剤とを主体とする組成物、
    若しくはエピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、水添
    ニトリルゴム、アクリルゴムのうちの何れか一種とエピ
    クロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴムとイオ
    ン導電剤とを主体とする組成物を用いて形成され、更に
    該保護層が、N−メトキシメチル化ナイロンにイオン導
    電剤及び/又は電子導電剤を配合せしめてなる組成物よ
    り形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の導電
    性ロール。
  6. 【請求項6】 前記コート層が、ロール径方向において
    内側から外側に順次積層されてなる、軟化剤移行防止層
    と抵抗調整層と保護層とから構成されていると共に、該
    軟化剤移行防止層が、N−メトキシメチル化ナイロンに
    電子導電剤を配合せめしてなる組成物より形成され、ま
    た該抵抗調整層が、エピクロルヒドリン−エチレンオキ
    サイド共重合ゴム、エピクロルヒドリンゴム、水添ニト
    リルゴム、アクリルゴムのうちの何れか一種とイオン導
    電剤とを主体とする組成物、若しくはエピクロルヒドリ
    ンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、アクリルゴ
    ムのうちの何れか一種とエピクロルヒドリン−エチレン
    オキサイド共重合ゴムとイオン導電剤とを主体とする組
    成物を用いて形成され、更に該保護層が、N−メトキシ
    メチル化ナイロンにイオン導電剤及び/又は電子導電剤
    を配合せしめてなる組成物より形成されている請求項1
    乃至3の何れかに記載の導電性ロール。
  7. 【請求項7】 前記コート層が、アミノ樹脂で架橋され
    たポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系
    熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラス
    トマーのうちの何れか一種、若しくはフッ素系ゴム、フ
    ッ素系樹脂、シリコンゴムのうちの何れか一種と電子導
    電剤とを主体とする組成物にて形成される保護層によ
    り、構成されている請求項1乃至3の何れかに記載の導
    電性ロール。
  8. 【請求項8】 前記コート層が、前記基層上に設けられ
    た軟化剤移行防止層と、該軟化剤移行防止層上に形成さ
    れた保護層とから構成されていると共に、該軟化剤移行
    防止層が、N−メトキシメチル化ナイロンに電子導電剤
    を配合せめしてなる組成物により形成され、更に該保護
    層が、アミノ樹脂で架橋されたポリウレタン系熱可塑性
    エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポ
    リエステル系熱可塑性エラストマーのうちの何れか一
    種、若しくはフッ素系ゴム、フッ素系樹脂、シリコンゴ
    ムのうちの何れか一種と電子導電剤とを主体とする組成
    物にて形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の
    導電性ロール。
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