JPH0873660A - 導電性ロール - Google Patents

導電性ロール

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JPH0873660A
JPH0873660A JP20949094A JP20949094A JPH0873660A JP H0873660 A JPH0873660 A JP H0873660A JP 20949094 A JP20949094 A JP 20949094A JP 20949094 A JP20949094 A JP 20949094A JP H0873660 A JPH0873660 A JP H0873660A
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Kenichi Tsuchiya
賢一 土屋
Hiroyasu Kato
宏泰 加藤
Norio Kanbara
紀雄 神原
Tetsuya Ito
哲也 伊藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロール表面における十分な電流値と優れた耐
リーク性とを確保しつつ、電気抵抗の環境依存性を改善
して、環境の変化に拘わらず、安定したロール性能が発
揮され得る導電性ロールを提供すること。 【構成】 軸体12の外周面上に、所定の導電性弾性体
層14を設けると共に、該導電性弾性体層14の外周面
上に、水素化ニトリルゴム若しくはニトリルゴム100
重量部に対して、少なくとも、導電性充填剤として、ジ
ブチルフタレート吸油量が50ml/100g以下のカー
ボンブラックを40〜90重量部の割合で、またイオン
導電剤を1重量部を越えない割合で、それぞれ配合して
なるゴム組成物を用いて形成された抵抗調整層16を設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、電子写真方式を利用した複写機
やプリンター等において、帯電ロールや現像ロール等と
して好適に用いられる導電性ロールに関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】従来より、電子写真方式を利用した複写機
やプリンター等に用いられる帯電ロールや現像ロール等
の導電性ロールには、低硬度乃至は柔軟性と導電性とが
要求されている。そして、それらの要求を満足せしめ得
るものの一つとして、軸体の外周面上に、所定の導電性
弾性体層が所定厚さで設けられると共に、該導電性弾性
体層の外周面上に、薄肉の抵抗調整層がコーティングさ
れた構造のものが、知られている。このような構造を有
する導電性ロールにおいては、導電性弾性体層が、多量
の軟化剤が含有された低抵抗の導電性弾性体やスポンジ
構造を有する低抵抗の導電性発泡体にて構成されてお
り、それによって低硬度乃至は柔軟性と導電性が具備せ
しめられ得るようになっているのであり、またかかる導
電性弾性体層の外周面上に設けられる抵抗調整層が中抵
抗化されていることによって、電気抵抗が制御され得、
以て耐リーク性が有利に高められ得るようになっている
のである。
【0003】ところで、かくの如き導電性ロールにあっ
ては、導電性弾性体層や抵抗調整層の形成材料に所定の
導電性充填剤が配合せしめられることによって、それら
各層の体積抵抗率が所望の値となるように、各々調整さ
れているのであるが、一般に、そのような導電性充填剤
としては、電子導電剤とイオン導電剤とが用いられてい
る。また、よく知られているように、それら2種類の導
電性充填剤が、それぞれ単独で、別個に配合せしめられ
てなる材料を比較した場合、同等の体積抵抗率を有する
ものにおいては、イオン導電剤が配合されたものの方
が、電子導電剤が配合されてなるものよりも、耐リーク
性に優れたものが得られるのである。
【0004】このため、従来の導電性ロールにおいて
は、通常、抵抗調整層の形成材料として、所定のゴム材
料にイオン導電剤を配合して、体積抵抗率が107 Ωcm
程度となるように調整したゴム組成物が用いられてお
り、それによって、耐リーク性の向上が、より効果的に
図られ得るようになっている。
【0005】ところが、イオン導電剤が含有せしめられ
た抵抗調整層は、高温高湿になる程、抵抗が下がり、逆
に低温低湿になる程、抵抗が上がるといった欠点を有し
ており、それ故に、そのような抵抗調整層が設けられて
なる導電性ロールにあっては、電気抵抗の環境依存性が
大きくなり、高温高湿になると、リーク現象が惹起され
て、画像に悪影響が及ぼされ、また低温低湿になると、
帯電不足が生じて、カブリが生ぜしめられることとなる
等、温度や湿度の変化に伴って、ロール性能が著しく変
化するといった問題が内在していたのである。
【0006】なお、そのような問題を解消するために
は、イオン導電剤に代えて、電子導電剤を用いて抵抗調
整層を形成し、導電性ロールを構成することも考えられ
るが、前述の如く、かかる抵抗調整層の体積抵抗率が従
来のものと同等な値となるように、一般的な電子導電
剤、例えば導電性弾性体層の形成材料に配合せしめられ
るカーボンブラック等を抵抗調整層の形成材料に配合し
た場合には、十分な耐リーク性を得ることが難しく、ま
た耐リーク性を満足せしめるべく、そのような電子導電
剤の配合量を減らすと、今度はロール表面における電流
値、特にDC電流値が不足することとなり、何れにし
ろ、目的とする導電性ロールにおいて、良好なロール性
能が十分に発揮され得なくなってしまうのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、ロール表面における十分な電流値と優れた
耐リーク性とを確保しつつ、電気抵抗の環境依存性を改
善して、環境の変化に拘わらず、安定したロール性能が
発揮され得るようにした導電性ロールを提供することに
ある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決せしめるべく、
本発明者らが、鋭意、研究を重ねた結果、特定のゴム材
料に、所定の値以下のジブチルフタレート吸油量を有す
るカーボンブラックを所定の割合で配合すると共に、イ
オン導電剤を少量配合してなるゴム組成物を用いて抵抗
調整層を形成し、これを所定の導電性弾性体層の外周面
上に設けるようにすることによって、ロールの要求特性
を十分に満足し得、且つ電気抵抗の環境依存性が有利に
改善され得た導電性ロールが得られることを見出したの
である。
【0009】すなわち、本発明は、かくの如き知見に基
づいて完成されたものであって、その特徴とするところ
は、軸体の外周面上に、所定の導電性弾性体層を設け、
更に該導電性弾性体層の外周面上に、抵抗調整層を設け
てなる導電性ロールにおいて、該抵抗調整層が、水素化
ニトリルゴム若しくはニトリルゴム100重量部に対し
て、少なくとも、導電性充填剤として、ジブチルフタレ
ート吸油量が50ml/100g以下のカーボンブラック
を40〜90重量部の割合で、またイオン導電剤を1重
量部を越えない割合で、それぞれ配合してなるゴム組成
物を用いて形成された導電性ロールにある。
【0010】なお、かくの如き本発明に従う導電性ロー
ルの好ましい態様によれば、前記イオン導電剤が、第4
級アンモニウム塩にて構成される。
【0011】また、本発明の望ましい態様の一つによれ
ば、前記導電性弾性体層と前記抵抗調整層との間に、軟
化剤移行防止層が設けられ、更に前記抵抗調整層の外周
面上に、保護層が設けられることとなる。
【0012】
【作用・効果】要するに、本発明に従う導電性ロールに
あっては、特定のゴム材料に、導電性充填剤として、一
般に使用されるものよりもストラクチャーの小さなカー
ボンブラックが、耐リーク性を損なわない範囲内の量に
て、配合せしめられ、またイオン導電剤が、そのような
カーボンブラックの配合だけでは満たされない電流値の
不足分を補う程度の範囲内で、少量、配合せしめられて
なるゴム組成物を用いて、抵抗調整層が形成されている
のであり、それによって、電子導電剤たるカーボンブラ
ックの使用による耐リーク性の低下が有利に回避され得
て、優れた耐リーク性が効果的に付与せしめられ得てい
ると共に、かかるカーボンブラックとイオン導電剤の併
用により、十分な電流値が有効に確保され得ているので
ある。そして、イオン導電剤の配合量が、少量に抑えら
れていることによって、環境の変化による電気抵抗の変
化が極めて小さくせしめられ得ているのである。
【0013】従って、かくの如き本発明に係る導電性ロ
ールにおいては、十分な電流値と優れた耐リーク性の確
保といったロールの要求特性が十分に満足せしめられつ
つ、電気抵抗の環境依存性が効果的に改善され得、以て
環境の変化に拘わらず、良好なロール性能が極めて安定
的に発揮され得るのである。そして、そのような導電性
ロールを用いることによって、環境の変化による画像へ
の悪影響が極めて効果的に低減され得ることとなるので
ある。
【0014】そして、かかる導電性ロールにあっては、
前述の如く、抵抗調整層に含有せしめられるイオン導電
剤が極めて少量に抑えられていることから、かかるイオ
ン導電剤が、抵抗調整層内に吸湿せしめられた水分に溶
解して、該抵抗調整層表面に移行するようなことが有利
に抑制され得て、所謂ブルームの発生が効果的に防止乃
至は抑制され得るのである。
【0015】また、本発明において、前記導電性弾性体
層と前記抵抗調整層との間に、軟化剤移行防止層が設け
られ、更に前記抵抗調整層の外周面上に、保護層が設け
られる場合には、かかる軟化剤移行防止層によって、導
電性弾性体層からのオイル等の軟化剤のブリードが有利
に防止され得ると共に、保護層によって、ロールの感光
体への固着が効果的に阻止され得ることとなる。
【0016】さらに、本発明においては、抵抗調整層に
含有せしめられるカーボンブラックとして、比較的スト
ラクチャーの小さなものが用いられていることから、抵
抗調整層中におけるカーボンブラックの含有量が、スト
ラクチャーの大きなものを使用する場合に比して、有利
に増大せしめられ得ているのであり、それによって、上
述の如く、抵抗調整層の内側と外側に、軟化剤移行防止
層と保護層とがそれぞれ設けられる場合には、電気抵抗
が過度に低下せしめられることなく、抵抗調整層とそれ
ら軟化剤移行防止層及び保護層との密着性が効果的に高
められ得、以て耐久性試験中や高温高湿の環境下におい
て、それら各層の層間で、剥がれ等が生ずるようなこと
が効果的に回避乃至は抑制され得るのである。
【0017】
【具体的構成】ところで、図1には、本発明に従う導電
性ロールの一例が示されている。かかる図からも明らか
なように、この導電性ロール10は、金属製の軸体(芯
金)12の外周面上に、導電性弾性体層14が所定厚さ
で設けられており、更に該導電性弾性体層14の外周面
上に、薄肉の抵抗調整層16が、積層形成されて、構成
されている。
【0018】より具体的には、導電性弾性体層14は、
従来のものと同様に、所定の弾性体材料に導電性充填剤
が配合されてなる導電性弾性体材料が用いられて、構成
されている。そして、そのような導電性弾性体材料を構
成する弾性体材料としては、通常、エチレンプロピレン
ジエン三元共重合体、スチレンブタジエンゴム、天然ゴ
ム、ポリノルボーネンゴム等のゴム材料が、それぞれ単
独で、若しくはそれらが種々組み合わされて、用いられ
る。また、導電性充填剤としては、金属粉やカーボンブ
ラック等の電子導電剤が用いられる。そして、かかる導
電性弾性体材料にあっては、導電性弾性体層14の体積
抵抗率が、好ましくは101 〜104 Ωcmとなるように
調整された状態で用いられているのである。
【0019】なお、そのような導電性弾性体材料におい
ては、従来より公知の加硫剤、加硫助剤、充填剤、等の
各種配合剤や添加剤等が、必要に応じて、通常の配合比
率をもって、添加、混合せしめられることとなる。ま
た、特に、目的とする導電性ロール10の低硬度化を図
る上で、この導電性弾性体材料に対して、プロセスオイ
ルや液状ポリマー等、公知の各種軟化剤を所定の配合比
率で配合しても良い。更に、それらのものに加えて、所
定の発泡剤を所定の配合比率をもって配合せしめても良
く、それによって、導電性弾性体層14が発泡体層とし
て形成され得て、その軽量化が効果的に図られ得ると共
に、軟化剤の配合に頼ることなく、該導電性弾性体層1
4、ひいては導電性ロール10自体の低硬度化が有利に
図られ得、以てブリードの発生が有効に抑制されつつ、
感材接触性の向上が効果的に図られ得て、より優れたロ
ール性能が得られることとなる。
【0020】一方、抵抗調整層16は、水素化ニトリル
ゴム若しくはニトリルゴムに、導電性充填剤として、カ
ーボンブラックとイオン導電剤とが配合されてなるゴム
組成物を用いて、形成されている。
【0021】ここにおいて、水素化ニトリルゴムやニト
リルゴムは、従来の導電性ロールの抵抗調整層を与える
ゴム材料として一般に使用されるエピクロルヒドリンゴ
ムやエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴ
ム等に比べると、電気抵抗が高く、そのために、導電性
充填剤として、カーボンブラックを配合せしめても、電
気抵抗の過度の低下が回避され得るといった特徴を有し
ている。従って、本発明に係る導電性ロール10におい
ては、抵抗調整層16を与えるゴム組成物の主成分たる
原料ゴムとして、水素化ニトリルゴム若しくはニトリル
ゴムの何れかが用いられているのであり、それよってカ
ーボンブラックの配合による抵抗調整層16の電気抵抗
の過度の低下、ひいては耐リーク性の低下が有利に防止
され得るようになっているのである。
【0022】また、そのような特定のゴム材料に配合せ
しめられるカーボンブラックとしては、特にジブチルフ
タレート吸油量が50ml/100g以下のものが用いら
れることとなる。けだし、かかる範囲を越えたジブチル
フタレート吸油量を有するカーボンブラックを用いた場
合、該カーボンブラックのゴム材料への配合量に対する
ゴム組成物の電気抵抗の低下の度合いが急激なものとな
るため、そのようなゴム組成物にて形成せしめられる抵
抗調整層16の体積抵抗率がバラツキの大きなものとな
ってしまい、その結果、導電性ロール10において、優
れた耐リーク性を安定的に確保することが困難となって
しまうからである。換言すれば、そのような小さな値の
ジブチルフタレート吸油量を有するもの、即ちストラク
チャーの小さなカーボンブラックを用いることによっ
て、初めて、耐リーク性に優れた、目的とする導電性ロ
ール10を得ることが可能となるのである。なお、かく
の如きカーボンブラックとしては、例えば品種(グレー
ド)がFTやMTであるもの、更には色付け用として用
いられるカラーカーボンブラック等が挙げられる。一
方、イオン導電剤としては、従来より公知の各種のもの
が何れも使用され得るが、それらのものの中でも、トリ
メチルオクタデシルアンモニウムパークロレートやベン
ジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモ
ニウム塩が、特に好適に用いられる。
【0023】そして、かかるゴム組成物にあっては、水
素化ニトリルゴム若しくはニトリルゴム100重量部に
対して、かくの如き特徴的なカーボンブラックが40〜
90重量部の割合で、またイオン導電剤が1重量部を越
えない割合で、配合せしめられているのである。何故な
ら、そのようなカーボンブラックが40重量部よりも少
ない割合で配合せしめられる場合には、ロール表面にお
ける電流値、特にDC電流値が不足するようになるから
であり、またそれが90重量部を越える場合には、耐リ
ーク性が著しく低下せしめられることとなるからであ
る。更に、イオン導電剤が1重量部を越える割合で配合
せしめられると、環境の変化に伴って、電気抵抗も大き
く変化するようになってしまうからである。要するに、
抵抗調整層16を与えるゴム組成物において、電子導電
剤として、前記した特定のカーボンブラックとイオン導
電剤とが、上述の如きものとは異なる配合割合をもって
配合せしめられている場合には、目的とする導電性ロー
ルにおいて、ロール要求特性を満足せしめることが出来
なくなってしまうばかりでなく、電気抵抗の環境依存性
の改善も、到底、望めなくなってしまうのである。ま
た、その意味において、カーボンブラックが45〜75
重量部の割合で、またイオン導電剤が0.1〜0.5重
量部の割合で、ゴム組成物中に、それぞれ配合せしめら
れていることが望ましい。
【0024】なお、そのようなゴム組成物においては、
抵抗調整層16の体積抵抗率が、通常、108 〜1011
Ωcm程度となるように調整されることとなる。また、こ
の抵抗調整層16を与えるゴム組成物においても、導電
性弾性体層14の形成材料と同様に、一般に使用される
各種の配合剤等が適宜に配合せしめられ得ることは、言
うまでもない。
【0025】このように、導電性ロール10において
は、導電性弾性体層14の外周面上に設けられる抵抗調
整層16が、特定のゴム材料に対して、特定のカーボン
ブラックとイオン導電剤とが上述の如き割合となる範囲
内で配合せしめられたゴム組成物を用いて、形成されて
おり、それによって、ロール表面における十分な電流値
と優れた耐リーク性の確保といったロール要求特性が有
利に満足せしめられつつ、電気抵抗の環境依存性が効果
的に改善され得、その結果として、前記した本発明の優
れた作用・効果が、極めて良好に発揮され得ることとな
るのである。
【0026】ところで、この図1に示される如き導電性
ロール10は、有利には、以下の如くして、作製される
こととなる。
【0027】すなわち、前記導電性弾性体材料と前記ゴ
ム組成物とを用いて、先ず、金型成形等の公知の成形手
法によって、軸体12の外周面上に導電性弾性体層14
を形成し、その後、ディッピング等の公知のコーティン
グ手法により、該導電性弾性体層14の外周面上に、抵
抗調整層16を形成する。なお、導電性弾性体材料とし
て、所定の発泡剤が配合せしめられてなるものを用いる
場合には、金型成形時における加熱によって、かかる弾
性体材料の加硫と発泡操作を同時に行なう等して、該導
電性弾性体層14を発泡体として、成形せしめるように
する。これによって、目的とする導電性ロール10を得
るのである。
【0028】なお、かくして得られる導電性ロール10
の各層の厚みは、その用途等によって適宜に決定される
ところであるが、通常、導電性弾性体層14は1〜10
mm、望ましくは2〜4mm程度の厚さで形成され、また抵
抗調整層16は10〜300μm、好ましくは80〜2
00μm程度の厚さで形成されることとなる。
【0029】次に、図2には、図1の導電性ロール10
において、導電性弾性体層14と抵抗調整層16との間
に、軟化剤移行防止層18が、また抵抗調整層16の外
周面上に、保護層20が設けられた具体例が示されてい
る。かかる図2の導電性ロール22に設けられる軟化剤
移行防止層18と保護層20は、従来と同じく、互いに
同様な成分からなる形成材料が用いられて、形成されて
いる。即ち、それら2つの層18,20を与える材料と
しては、例えば、N−メトキシメチル化ナイロン等のナ
イロン系の材料にカーボンブラックや金属粉等の電子導
電剤が配合されてなるものが用いられるのである。そし
て、そのような材料において、その体積抵抗率が103
Ωcm程度に調整されたものが、軟化剤移行防止層18の
形成材料として、またかかる値が108 〜1010Ωcm程
度に調整されたものが、保護層20の形成材料として、
それぞれ使用されるのである。
【0030】このような構成を有する導電性ロール22
にあっては、前述した如き優れた作用・効果が極めて良
好に享受され得ることは勿論、軟化剤移行防止層18の
存在によって、導電性弾性体層14からのオイル等の軟
化剤のブリードが有利に防止され得ると共に、保護層2
0の存在によって、感光体への固着が効果的に阻止され
得ることとなるのである。
【0031】また、かかる導電性ロール22において
は、抵抗調整層18に含有せしめられるカーボンブラッ
クとして、通常用いられるものよりもストラクチャーの
小さなものが使用されている分だけ、抵抗調整層18中
におけるカーボンブラックの含有量が、従来のものより
も増大せしめられており、それによって、抵抗調整層1
6と軟化剤移行防止層18及び保護層20との密着性が
効果的に高められ得、その結果、例えば高温高湿の環境
下においても、抵抗調整層16と軟化剤移行防止層18
との間や抵抗調整層16と保護層20との間で、剥がれ
等が生ずるようなことが効果的に回避乃至は抑制され得
るのである。
【0032】そして、この図2に示される導電性ロール
22を作製するに際しては、例えば、先ず、図1の導電
性ロール10と同様にして、軸体12の外周面上に導電
性弾性体層14を形成し、その後、抵抗調整層16を与
える前記ゴム組成物と上述した軟化剤移行防止層18及
び保護層20の形成材料とをそれぞれ用い、ディッピン
グ等の公知のコーティング手法により、導電性弾性体層
14の外周面上に、ロール径方向の内側から外側に、軟
化剤移行防止層18、抵抗調整層16、保護層20を、
順次、積層形成するのであり、これによって目的とする
導電性ロール22を得るのである。
【0033】なお、かくして得られる導電性ロール22
の各層の厚みも、その用途等によって適宜に決定される
ところであるが、通常、導電性弾性体層14と抵抗調整
層16は、図1の導電性ロール20と同様な厚さで形成
される。そして、軟化剤移行防止層18は3〜20μ
m、望ましくは4〜10μm程度の厚さで形成され、ま
た保護層20は5〜30μm、好ましくは7〜23μm
程度の厚さで形成されることとなる。
【0034】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0035】先ず、ポリノルボーネンゴムの100重量
部に対して、ケッチェンブラックの50重量部とナフテ
ン系オイルの400重量部を配合して、導電性弾性体層
形成材料を調整した。そして、かくして得られた導電性
弾性体層形成材料と、芯金(直径:6mm)とを用いて、
金型成形を行ない、芯金の外周面上に導電性弾性体層が
設けられてなる7つのベースロールを作製した。なお、
各ベースロールの導電性弾性体層の厚さは、それぞれ3
mmとした。
【0036】次いで、軟化剤移行防止層形成材料と保護
層形成材料とを、以下に示す配合組成に従って、調製し
た。即ち、軟化剤移行防止層形成材料は、N−メトキシ
メチル化ナイロンの100重量部に対して、カーボンブ
ラックの15重量部を配合せしめることにより、また保
護層形成材料は、N−メトキシメチル化ナイロンの10
0重量部に対して、カーボンブラックの8重量部を配合
せしめることにより、それぞれ調製した。そして、かく
して得られた軟化剤移行防止層形成材料と保護層形成材
料とを、メタノールに溶解して、それぞれ、所定粘度の
コーティング液に調製した。
【0037】引き続いて、抵抗調整層形成材料を調製す
るために、水素化ニトリルゴムと、ジブチルフタレート
吸油量が28ml/100gであり且つ平均粒径が80μ
mであるカーボンブラックとを、それぞれ所定量準備
し、また第4級アンモニウム塩として、トリメチルオク
タデシルアンモニウムパークロレートを所定量準備し
た。そして、下記表1及び表2に示す配合組成に従っ
て、それらを配合して、配合組成が互いに異なる7種類
の抵抗調整層形成材料(A〜G)を調製し、それらをメ
チルエチルケトンに溶解して、それぞれ、所定粘度のコ
ーティング液に調製した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】その後、かくして得られた各コーティング
液と先に得られた7つのベースロールとを用い、ディッ
ピング手法により、各ベースロールの外周面上に、ロー
ル径方向の内側から外側に、軟化剤移行防止層、抵抗調
整層、保護層を、それぞれ積層形成して、目的とする7
種類の導電性ロールを得た。そして、それら7種類の導
電性ロールのうち、本発明において規定された配合組成
を有する抵抗調整層形成材料A〜Dを用いて、抵抗調整
層が形成されているものを、それぞれ実施例1〜4と
し、また本発明の規定外の配合組成を有する抵抗調整層
形成材料E〜Gを用いて抵抗調整層が形成されているも
のを、各々比較例1〜3とした。なお、各層の厚みは、
軟化剤移行防止層が8μm、抵抗調整層が160μm、
保護層が10μmとなるようにした。
【0041】そして、かくして得られた7つの導電性ロ
ール(実施例1〜4及び比較例1〜3)を用い、以下に
示すようにして、各種の性能評価を行なった。その結果
を下記表3及び表4に示した。
【0042】電流値 10℃×10%の温湿度環境下において、各ロールに対
して、500Vp-p 750Hz200Vを印加し、直径
30mmの金属鏡面ロールに両端荷重押え(片端500g
荷重)で押し付け、回転下(17rpm)AC電流値と
DC電流値とを測定した。
【0043】環境依存性 各ロールについて、上記と同様にして、(a)10℃×
10%、(b)25℃×60%、(c)30℃×85%
の各温湿度環境下でのAC電流値を測定し、得られた測
定値に基づいて、 log〔(aの電流値)/(cの電流
値)〕の値を算出した。
【0044】リーク電圧 10℃×10%の温湿度環境下で、各ロールを、平滑金
属ロールに対して、所定の圧力を加えた状態で接触せし
め、かかる状態で直流電圧を印加して、各ロールにおい
て、絶縁破壊が発生した時のP−P電圧を測定した。
【0045】画出し評価 各ロールをレーザープリンター〔レーザージェット40
4E:(株)キャノン製〕に取り付けて、前記した
(a)、(b)、(c)の各環境下で、それぞれ画像出
しを行ない、得られた画像において、画像ムラや白ヌキ
の有無を観察した。そして、全環境下で、画像ムラや白
ヌケ等が何等認められない場合には○、それらが一部認
められた場合には△、それらが明確に認められた場合に
×として、総合的に評価した。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】それら表3及び表4の結果からも明らかな
ように、本発明において規定された配合組成を有する抵
抗調整層形成材料A〜Dを用いて抵抗調整層が形成され
た実施例1〜4にあっては、電流値において、AC成分
もDC成分も共に高い値を示し、また環境依存性の大き
さを表す値が小さく、更にはリーク電圧が高い値となっ
ており、そして環境が変化しても、画像ムラや白ヌケ等
が全く生じないことが、認められる。これに対して、比
較例1〜3において、導電性充填剤として、イオン導電
剤のみが多量に配合せしめられてなる抵抗調整層形成材
料Eを用いて抵抗調整層が形成された比較例1では、環
境依存性を表す値が他のものに比して、著しく大きな値
となっており、また導電性充填剤として、カーボンブラ
ックが本発明において規定される配合割合で配合せしめ
られるものの、イオン導電剤が何等配合されていない抵
抗調整層形成材料Fを用いて、抵抗調整層が形成された
比較例2では、DC電流値が極めて小さな値となってい
る。更に、導電性充填剤として、カーボンブラックのみ
が用いられ、しかもそれが本発明において規定される範
囲外の割合で配合せしめられててなる抵抗調整層Gを用
いて、抵抗調整層が形成された比較例3では、リーク電
圧が小さな値となっていると共に、画像ムラや白ヌケ等
の画像不具合が発生することが、示されている。
【0049】すなわち、上述の如き事実から、本発明を
採用することにより、初めて、ロール表面における十分
な電流値と優れた耐リーク性が有効に確保され得ると共
に、電気抵抗の環境依存性が有利に改善され得、更には
温湿度等の環境の変化に拘わらず、良好な画像が得られ
るといった、従来の導電性ロールには見られない極めて
優れた効果が奏され得ることが、明確に認識され得るの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う導電性ロールの一例を示す横断面
説明図である。
【図2】本発明に従う帯電ロールの別の例を示す、図1
に対応する図である。
【符号の説明】
10,22 導電性ロール 12 軸体 14 導電性弾性体層 16 抵抗調整層 18 軟化剤移行防止層 20 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/17 KDG G03G 15/02 101 15/08 501 D // H01B 5/16 (72)発明者 伊藤 哲也 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周面上に、所定の導電性弾性体
    層を設け、更に該導電性弾性体層の外周面上に、抵抗調
    整層を設けてなる導電性ロールにおいて、 該抵抗調整層が、水素化ニトリルゴム若しくはニトリル
    ゴム100重量部に対して、少なくとも、導電性充填剤
    として、ジブチルフタレート吸油量が50ml/100g
    以下のカーボンブラックを40〜90重量部の割合で、
    またイオン導電剤を1重量部を越えない割合で、それぞ
    れ配合してなるゴム組成物を用いて形成されていること
    を特徴とする導電性ロール。
  2. 【請求項2】 前記イオン導電剤が、第4級アンモニウ
    ム塩である請求項1に記載の導電性ロール。
  3. 【請求項3】 前記導電性弾性体層と前記抵抗調整層と
    の間に、軟化剤移行防止層が設けられ、更に前記抵抗調
    整層の外周面上に、保護層が設けられている請求項1ま
    たは請求項2に記載の導電性ロール。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7053155B2 (en) 2003-12-09 2006-05-30 Tokai Rubber Industries, Ltd. Vibration damping rubber composition
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