JP3917011B2 - 導電性ローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術用分野】
本発明は、導電性ゴムローラに関し、特に電子複写機等の感光体周りの帯電ローラや転写ローラ等として好適な導電性ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機又は電子写真印刷機等の電子写真装置は、感光体外周面上に均一に帯電させ、次に感光ドラム表面上に印刷パターンの静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、これを熱により記録用紙上に転写する方式のものが知られている。この方式の中で、感光体表面上への帯電方法としては一般的にコロナ放電方式が用いられている。しかし、コロナ放電方式は人体に有害なオゾンが多量に発生するほか、装置の小型化が難しい問題を有している。
【0003】
近年、コロナ放電方式よりも小型化が容易で人体に有毒なオゾンを発生させない接触帯電方式が検討され、一部で実用化されている。この接触帯電方式は、感光体表面に導電性を有する弾性ローラを所定の押圧力で当接させるものであり、帯電部材は感光ドラムとの均一密着性が必要なために、適度な弾性が求められる。従って、前記帯電部材にはゴム弾性を有する弾性層が使用され、更には前記弾性層が感光体を汚染しないことが要求される。
【0004】
また、帯電部材に用いられるゴムローラの体積抵抗率は1×105〜1×1010Ω・cmの所定の半導電性領域が必要である。従来の帯電部材は、ゴム材料にフィラー系の導電性充填材、一般的には導電性カーボンを添加して所定の体積抵抗率に調整してきた。
【0005】
しかしながら、このような導電性部材を用いた導電性ローラにおいては、カーボンブラックの配合量のわずかな変化やゴムの分散状態によって、材料ロットで体積抵抗率が大きくばらつき、導電性ローラ内においてもゴム中の微妙な分散状態の違いにより局所的抵抗のバラツキが生じる。更には、印加電圧への依存性も大きく、安定した体積抵抗率を得ることが困難である。そこで、安定した体積抵抗率を得る方法としては、帯電部材のゴム組成物に極性ゴムであるエピクロルヒドリン系ゴム又はアクリロニトリル−ブタジエンゴム共重合体ゴムを用いる方法が知られている。エピクロルヒドリン系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等の極性ゴムは一般的に体積抵抗率のばらつきが小さく、印加電圧の依存性も小さい長所を有している。
【0006】
また、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムは1×109〜1×1011Ω・cmの体積抵抗率を有し、汎用ゴムで価格も安いことから導電性ローラの材料として多く用いられている。エピクロルヒドリン系ゴムは1×107〜1×109Ω・cmの電気抵抗範囲であり、アクリロニトリル−ブタジエンゴムより体積抵抗率が低いことから、半導電領域の中でもアクリロニトリル−ブタジエンゴムで補えない低体積抵抗率領域をエピクロルヒドリン系ゴムは補うことができるが、価格的に不利になる。
【0007】
1×107〜1×1010Ω・cmの範囲では、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムとエピクロルヒドリン系ゴムをブレンドする方法も従来から提案されている。この方法では、1×108〜1×1010Ω・cmに調整する場合、安価で体積抵抗率を調整することができるが、1×107Ω・cm程度に調整する場合、エピクロルヒドリン系ゴムのブレンド比を上げる必要があり、価格的に利点が少なくなる。また、最も低体積抵抗率の調整が可能なエピクロヒドリン系ゴムでも106Ω・cm以下に調整することができない。従って、前記抵抗調整法では帯電部材に求められる1×105〜1×1010Ω・cm電気抵抗範囲の全てに適応することはできない。
【0008】
そこで、106Ω・cm以下への体積抵抗率制御が可能で、かつ低コストで体積抵抗率を調整する方法としては、ゴム中にイオン導電付与剤を添加する方法が提案されている。そこで、これまでにリチウム塩等のイオン導電付与剤を極性ゴムに含有する方法も検討されてきた。この場合、半導電性ゴムとしての抵抗値は低下するが、体積抵抗率の環境変動が大きくなる問題がある。この問題を解決するために、ゴム組成物に第4級アンモニウム塩をイオン導電付与剤として含有する方法も提案されている(特開平4−177368号公報、特開平4−232980号公報、特開平11−209633号公報及び特開平2001−19843号公報)。この方法は、体積抵抗率が1×105〜1×109Ω・cmの範囲で調整可能、かつ、環境条件の変化によっても安定した体積抵抗率を得られる。しかし、導電性に優れる第4級アンモニウム塩は液体であり、ローラ表面にブリードアウトし、感光体汚染を起こす問題を解決していない。ブリードアウトを防止するためにローラ上に表面層を形成させる方法があるが、この場合、表面層に第4級アンモニウム塩が移行し、ローラの導電性が低下する問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記問題に鑑みなされたもので、感光体汚染がなく、かつ、均一な低体積抵抗率性の導電性ローラを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性軸体の外周上に少なくとも導電性弾性層を有する導電性ローラにおいて、該導電性弾性層が極性ゴムを主体とするゴム組成物に第4級ホスホニウム塩を含有したことを特徴とする導電性ローラが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
本発明の導電性ローラは、導電性軸体の外周上に少なくとも導電性弾性層を有する導電性ローラであり、該導電性弾性層の極性ゴムを含有するゴム組成物に、イオン導電付与剤として第4級ホスホニウム塩を含有することにより、第4級アンモニウム塩含有系と比べてゴム表面への染み出しが少なく、かつ、第4級アンモニウム塩含有系と同等に体積抵抗率を調整することができる。ゴム組成物中には、第4級ホスホニウム塩のみを含有させてもよいし、他の導電付与剤と共に第4級ホスホニウム塩を含有してもよい。
【0013】
前記第4級ホスホニウム塩を構成するカチオンとアニオンにはそれぞれ多くの種類があり、それらの組合せにより多数の塩が得られる。それらは何れも本発明において使用することができるが、燐原子に結合した官能基が少なくとも3つが、フェニル基からなりアニオンが4フッ化ホウ素、4フェニルホウ素及び6フッ化燐からなる群から選ばれた一種で、前記カチオンとアニオンのいずれか一方又は両方を有する条件を満足する第4ホスホニウム塩が特に好ましい。これらの塩は少量の添加で低体積抵抗率を実現でき、前記極性ゴムに溶解して均一な複合体を形成することを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
カチオンが燐原子に結合した少なくとも3個のフェニル基を有する第4級ホスホニウム塩としては、テトラフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、エチルトリフェニルホスホニウム塩、プロピルフェニルホスホニウム塩及びブチルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
【0015】
アニオンが4フッ化ホウ素、4フェニルホウ素及び6フッ化燐からなる群から選ばれた一種で、前記カチオンとアニオンのいずれか一方又は両方の条件を満足する第4ホスホニウムとして、例えばテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、メチルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート、エチルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート、プロピルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート、ブチルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート、オクチルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート及びテトラブチルホスホニウム・ヘキサフルオロフォスフェート等が挙げられる。前記第4級ホスホニウム塩の少なくとも1種又は2種以上の混合物を本発明において使用することができる。
【0016】
本発明で用いるゴム組成物としては、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム及びアクリルゴム等の極性ゴムが挙げられるが、これら何れも本発明で使用することができるが、特にはイオン導電性を示すアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、エピクロルヒドリン系ゴムの極性ゴムの少なくとも一方を含有するゴム組成物を用いることが好ましい。前記ゴム組成物と第4級ホスホニウム塩との相溶性により、ゴム組成物中にホスホニウム塩が均一に分散することができ、カーボン分散の電子伝導系と比べて電気抵抗バラツキを小さくすることができる。
【0017】
前記ゴム組成物中に含有するアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムは、アクリロニトリル結合量の違いにより多くの種類があるが、それらは何れも本発明において使用することができる。しかしながら、アクリロニトリル結合量が18質量%〜25質量%を使用することにより、高温高湿での体積抵抗率と低温低湿との体積抵抗率の環境変動幅を小さくすることができ好ましい。前記アクリロニトリル結合量範囲より高い場合、分子運動が活発なブタジエン成分が少なくなるために、低温での分子運動が悪くなり、温度の影響を受け易くなるために環境変動が大きくなり好ましくない。また、前記アクリロニトリル結合量範囲より低い場合、キャリヤーの配位サイトであるニトリル基が少ないために、体積抵抗率が高くなり、半導電性領域の抵抗を得ることができず好ましくない。
【0018】
前記ゴム組成物中に含有するエピクロルヒドリン系ゴムは、エチレンオキサイドエチレンオキサイド結合量の違いにより多くの種類があるが、それらは何れも本発明において使用することができる。しかしながら、エチレンオキサイド結合量が25モル%〜56モル%を使用することにより、107Ω・cm程度の低体積抵抗率を得ることができ好ましい。これは、エピクロルヒドリン系ゴムの1成分であるエチレンオキサイドが25モル%〜56モル%の範囲では、イオンが配位するための部位を適度に保有し、同時にゴムの分子運動性も活発であり、多量のイオンを活発に移動させることができるためであると考えられる。25モル%未満の場合、イオンが配位するための部位が少なく、体積抵抗率が高く、また、中ニトリル結合量のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムの体積抵抗率と同等であり、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムより高価であることから、エピクロルヒドリン系ゴムを用いる有用性はなく好ましくない。また、56モル%を超えるとエピクロルヒドリン系ゴムのエチレンオキサイド部位の局所的な結晶化が起こるため分子運動性が悪くなり、満足する低体積抵抗率が得られず好ましくない。
【0019】
前記導電性ローラにおけるゴム組成物中の第4級ホスホニウム塩の配合割合は、原料ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部の第4級ホスホニウム塩を含有するゴム組成物からなるものが好ましい。0.1質量部未満ではイオン導電性付与効果を得られず、第4級ホスホニウム塩10質量部を超えて含有しても、これ以上の導電性の効果は望めない。
【0020】
前記ゴム組成物に含有する第4級ホスホニウム塩は固体であることが好ましい。第4級ホスホニウム塩が液体の場合、ブリードアウトし易く、ポリウレタン等の表層を設けて感光体汚染を防止しても、表層まで第4級ホスホニウム塩が移行する可能性が生じるため、移行が生じた場合には、ローラの体積抵抗率が低下する等の不具合が生じて好ましくない。
【0021】
本発明のゴム組成物には、加硫剤及び必要に応じて加硫促進剤を適宜配合することができる。
【0022】
本発明の導電性ローラは、次のように製造される。帯電部材に用いられるゴム組成物を構成する各成分を所定量配合し、混練りしてゴム組成物を製造した後、ゴムを円柱状に押出し成形し、次いで加硫する。加硫方法としては加硫缶が好ましいが、その他の加硫方法であってもよい。加硫条件は使用する原料ゴムや各成分に応じて変化するが、通常は140℃〜180℃で5分〜60分間程度で行うのが好ましい。加硫後芯部材を圧入、研削して製造されるのが一般的であるが、特にこれに限定されるものではない。
【0023】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0024】
(ゴム組成物及びローラの作製)
各実施例及び比較例について、表1及び表2に示すゴム組成物をチューブ状に押出した。その成形物を160℃で30分間蒸気加硫した後、芯金を圧入し、砥石GC80、回転速度2000rpm、送り速度500m/分の条件で、外形15mm、長さ250mmに表面研磨を行い、ローラを作製した。
【0025】
各実施例及び比較例で使用した材料は、以下の通りである。
【0026】
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムには、日本ゼオン(株)製「ニポールDN401L」(アクリロニトリル結合量18質量%)を、アクリロニトリル共重合体には、日本ゼオン(株)製「ニポールDN407」(アクリロニトリル結合量22質量%)を、エピクロルヒドリン系ゴム1には日本ゼオン(株)製「ゼクロン G−3106」(エチレンオキサイド結合量56モル%)を、エピクロルヒドリン系ゴム2には日本ゼオン(株)製「ゼクロン G−3100」(エチレンオキサイド結合量25モル%)を、エチレンプロピレンジエンゴムには日本合成ゴム(株)製「EP342」(エチレン結合量53質量%)を、酸化亜鉛にはハイテック(株)製「酸化亜鉛2種」を、ステアリン酸には花王(株)製「ステアリン酸S」を、炭酸カルシウムには白石カルシウム(株)製「シルバーW」を使用した。第4級ホスホニウム塩には日本化学工業(株)製「ヒシコーリンETPP−FB」を、過塩素酸リチウムには東京化成(株)製を、第4級アンモニウム塩には花王(株)製「KS−555」を、カーボンブラックにはライオン(株)製「ケッチェンEC」を、加硫促進剤であるMDB、TETD、DPTTには大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーMDB」、「ノクセラーTET」、「ノクセラーTRA」を使用した。
【0027】
また、表1及び表2に示すローラ抵抗、抵抗ムラ、環境変動幅及び感光体汚染は、以下の方法で測定した。
【0028】
<ローラ抵抗及び抵抗ムラ>
ローラ抵抗測定は、L/L環境(15℃/10%RH)、N/N環境(23℃/50%RH)、H/H環境(32.5℃/80%RH)の3環境下において、当該ゴムローラ試験片を両端部に荷重500gで芯金端部より200Vの直流電圧を印加、回転速度30rpmでの1分間のローラ抵抗値を採用し、抵抗値の最大値と最小値の平均値をローラ抵抗とした。また、N/N環境下でのローラ抵抗の最大値と最小値の抵抗差を周ムラとした。
【0029】
<ローラ抵抗値の環境変動幅>
ローラ抵抗の環境変動幅は、L/L環境(15℃/10%)におけるローラ抵抗(T1)及びH/H環境(32.5℃/80%)におけるローラ抵抗(T2)の対数の差と定めた。式:log10(T1)−log10(T2)で算出した。
【0030】
<感光ドラム汚染性>
当該ゴムローラをヒューレットパッカード製の「レーザープリンターレーザージェット4000N」に使用される感光体に接触させ、両端に1000gの荷重を加え、40℃/95%RHの環境下に一日間放置した。放置後、荷重を外し、感光体を顕微鏡にて付着物を確認した後、使用した感光体を前記カートリッジに組み込み、ベタ黒で30枚印字し、得られた画像を目視にて評価した。感光体に付着物が無く、得られた画像も良好なものを〇とし、感光体に付着物があるが、得られた画像が実用可であるものを△とし、感光体に付着物があり、得られた画像が不良のものを×とした。
【0031】
<画像評価>
感光ドラム汚染性評価に使用した感光体を前記カートリッジに組み込み、ベタ黒で30枚印字し、得られた画像を目視にて評価した。得られた画像が優秀なものを〇とし、良好なものを△とし、不良のものを×とした。
【0032】
【表1】
Figure 0003917011
【0033】
【表2】
Figure 0003917011
【0034】
極性ゴムであるアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムもしくはエピクロルヒドリン系ゴムに第4級ホスホニウム塩を含有した実施例1〜9は、非極性ゴムであるエチレン−プロピレンゴム/カーボンブラック系比較例1と比べて、周ムラが少なく、導電均一性に優れている。
【0035】
極性ゴムであるアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムもしくはエピクロルヒドリン系ゴムに第4級ホスホニウム塩を含有した実施例1〜9は、非極性ゴムであるエチレン−プロピレンゴムに第4級ホスホニウム塩を含有した比較例2及び3と比べて、第4級ホスホニウム塩による低体積抵抗率への制御効果が大きいことが分かる。従って、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムやエピクロルヒドリン系ゴムの極性ゴムに第4級ホスホニウム塩を含有することが好ましい。
【0036】
また、極性ゴムであるアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムもしくはエピクロルヒドリン系ゴムに固体の第4級ホスホニウム塩を含有した実施例1〜8は、感光体に付着物が全くなく、画像も良好であった。実施例9は、感光体に付着物があるが、得られた画像は実用可能であった。非極性ゴムであるエチレン−プロピレンゴムに第4級ホスホニウム塩を含有した比較例2及び3は、感光体に多量の付着物が観察され、得られた画像は実用不可であった。従って、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムやエピクロルヒドリン系ゴムの極性ゴムに第4級ホスホニウム塩を含有することが好ましい。
【0037】
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムに第4級ホスホニウム塩を含有した実施例1、3、5、6及び9は、感光体汚染が無く、かつ環境変動も低いのに対し、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムに過塩素酸リチウムを加えた比較例4には感光体に多量の付着物が確認され、環境変動も大きくなっている。感光体汚染、環境変動の面から過塩素酸リチウムより第4級ホスホニウム塩の方が好ましい。
【0038】
極性ゴムであるアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムもしくはエピクロルヒドリン系ゴムに第4級ホスホニウム塩を含有した実施例1〜9は、第4級アンモニウム塩を含有した比較例4と比べて、感光体非汚染性に優れている。従って、前記極性ゴムに第4級ホスホニウム塩を含有することにより感光体汚染を防止できる。
【0039】
2種類の前記極性ゴムをブレンドしたゴム組成物に第4級ホスホニウム塩を含有した実施例8は、前記極性ゴム単体のゴム組成物に第4級ホスホニウム塩を含有した実施例1〜7及び9と同様に感光体非汚染性に優れている。しかし、エピクロルヒドリン系ゴムのブレンド比を上げる場合、価格的に利点が少なくなる。
【0040】
前記ゴム組成物に含有する第4級ホスホニウム塩が固体である実施例1〜8は、第4級ホスホニウム塩が液体である実施例9と比較して、感光体非汚染性に優れている。実施例9は感光体に若干付着物があるが、得られた画像が実用可能である。しかし、第4級ホスホニウム塩が固体であることがより好ましい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば導電性軸体の外周上に少なくとも導電性弾性層を有する導電性ローラにおいて、該導電性弾性層が極性ゴムを主体とするゴム組成物に第4級ホスホニウム塩を含有することにより、感光体等の被帯電部材への汚染がなく、均一な導電性を有する導電性ローラを提供することができる。

Claims (6)

  1. 導電性軸体の外周上に少なくとも導電性弾性層を有する導電性ローラにおいて、該導電性弾性層が極性ゴムを主体とするゴム組成物に第4級ホスホニウム塩を含有したことを特徴とする導電性ローラ。
  2. 前記極性ゴムがアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、エピクロルヒドリン系ゴムの少なくとも一方を含有する請求項1に記載の導電性ローラ。
  3. 前記アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムのアクリロニトリル結合量が18質量%〜25質量%である請求項1又は2に記載の導電性ローラ。
  4. 前記エピクロルヒドリン系ゴムのエチレンオキサイド結合量が25モル%〜56モル%である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ローラ。
  5. 前記導電性弾性層が前記極性ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部の第4級ホスホニウム塩を含有するゴム組成物を有する請求項1に記載の導電性ローラ。
  6. 前記ゴム組成物に含有する第4級ホスホニウム塩が常温で固体である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ローラ。
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